■苦しい答弁
先週10日、加計学園問題について国会閉会中審査が行われ、前川喜平前文科事務次官らの参考人招致があった。読者のなかにも、注目してみていた人が多くいるだろう。

加計学園問題の本質は、先週のコラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52245)に書いたように、2003年3月の文科省告示である。

前川氏に対する質疑では、自民党参議院議員の青山繁晴議員のものがもっとも良かった。
青山議員は、「石破4条件」における文科省の挙証責任、既存大学の獣医学部の定員水増し問題、そして文科官僚の天下り問題との関係について質問していた。

まず挙証責任については、前川氏は当初行った記者会見では「文科省にはない」と言っていたが、さすがにそれではまずいと思ったのか、どこにあるとも言わずにはぐらかしていた。

また、既存大学の獣医学部では、全国で総数930名の定員に対して1200名までの「水増し入学」を黙認している現状がある。
これで「需要と供給が均衡している」と文科省が判断しているとすればおかしいのではないか、と青山氏は質問している。これに対しても、前川氏は「既存の体制のままでいい」と苦しい答弁だった。

文部官僚の天下りが大学新設規制に関係しているのではないか、という点についても、前川氏は「関係ない」と述べたが、これらが関係しているのは霞が関の「常識」であり、規制がなければ天下りもあり得ないということは、前川氏だって知っているだろう。

青山議員とのやりとりで、筆者には、前川氏は平然とウソをついているように見えた。

特筆すべきは青山議員が、前川氏と一緒に参考人招致を受けた加戸守行前愛媛県知事(文科省OB)に対しても質問をして、両者の発言の対比ができるようにしたことだ。

青山議員はマスコミ出身だが、この対比手法こそ、一部のマスコミへの強烈な批判になっていた。というのは、一部のマスコミはこうした手法をまったくとらず一方的な意見だけを垂れ流しているのだ。
それは、12日の産経新聞に詳しい(http://www.sankei.com/politics/news/170712/plt1707120010-n1.html)。

つづく

http://news.livedoor.com/lite/article_detail/13350556/