残党組が烏合の衆 「国民ファースト」に群がる陳腐な面々
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 都議選から1週間。圧勝の勢いを駆り、小池都知事の周辺が早速動き出した。小池知事率いる地域政党「都民ファーストの会」の応援を理由に自民党を離党した若狭勝衆院議員が9日、「一気呵成につくることが大事であり、来年、再来年ということになると、ズルズルと時が過ぎてしまう」と発言。「2大政党制の受け皿になれる団体がつくられていくべきだ」などと、年内の国政政党設立に踏み込んだ。
 政党要件を満たすには、国会議員5人以上を集める必要がある。都議選では若狭氏のほかに3人の国会議員が都民ファを支援。元民進党の長島昭久衆院議員、元日本維新の会の渡辺喜美参院議員、無所属の松沢成文参院議員だ。長島氏はともに離党した2市議が都民ファ公認で出馬したことなどから、連日のように現場入り。渡辺氏は都民ファ幹事長の音喜多駿都議に「祈・必勝」の為書きを出したことがバレて維新を除名された。
「長島議員も喜美議員も比例復活組。次の選挙を考えれば、喉から手が出るほど“小池印”が欲しいでしょう。つい先日、民進を離党した藤末健三参院議員も比例選出で、支援組織を通じて若狭議員とはパイプがありますから、新党参加をにらんでの動きだと聞いています」(民進党関係者)
 政治評論家の伊藤達美氏はこう言う。
「5人が集まって政党要件のクリアが確実になってから手を挙げようと様子見している野党議員はほかにもいます。特に、東京が地盤の民進党議員はジリジリしながら眺めている状況でしょう」
 蓮舫執行部に反発を強める民進は、都議選で空中分解。現職から元職、新人まで16人が離党し、都民ファにのみ込まれていったが、離党ドミノはまだまだ止まりそうにない。
「柿沢未途衆院議員も合流することで話がついていると聞きます。4選を目指した妻の柿沢幸絵前都議が都民ファの推薦を受け、その“責任”を取る形で党役員室長を退いた。ほかに、惨敗を理由にようやく都連会長を辞任した松原仁衆院議員の名前も挙がっています」(別の民進党関係者)
 都民ファに風が吹いたのは、反自民のうねりに素人集団の新鮮味がうまくマッチしたから。国政に進出したら、みんなの党と民進党の残党ばかり、なんてことになったら、さすがにメッキがはがれそうだ。