「総理のご意向」職員の発言否定 内閣府が調査発表
2017/6/16 9:41 (2017/6/16 10:55更新)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK16H09_16062017000000/

 学校法人「加計学園」(岡山市)の国家戦略特区での獣医学部新設計画を巡り、特区を所管する内閣府は16日、文部科学省が存在を確認した文書に関する調査結果を発表した。内閣府が文科省に獣医学部の開学時期を巡り「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」と対応を急がせたとされる文書とその内容を否定した。

 特区を担当する山本幸三地方創生相は閣議後会見で、萩生田光一官房副長官が獣医学部の新設条件の修正を内閣府職員に指示したとされるメールの存在も否定した。「指示は受けていない」と語った。獣医学部新設に関する手続きに関して「調査は尽くした」と述べ、再調査しない考えも示した。

 菅義偉官房長官は16日の閣議後会見で「(内閣府から文科省に)個別の項目やプロジェクトについて『官邸の最高レベルが言っている』『総理のご意向』と伝えた認識はなく、首相からもそうした指示は一切なかった」と語った。

 民進党の山井和則国会対策委員長は16日の記者会見で、内閣府の再調査結果について「事実上の国会最終日に結果を出すこと自体が嘘をついているということではないか。国民の誰も調査結果をしない」と批判した。「真相究明をしっかりすべきだ」と訴えた。