■山口敬之のレイプ告発会見でテレビが見せた弱腰、安倍応援団は「逮捕ツブしたのはTBS」とデマで官邸擁護


 安倍首相の御用ジャーナリストである山口敬之氏からレイプされたという被害女性・詩織さん(
苗字はご家族の意向で非公開)が会見を開いて大きな話題になっているが、この事件は、ジャーナ
リストによる卑劣なレイプ事件という問題、そして官邸が山口氏の逮捕を握り潰した可能性がある
重大疑惑だ。

 現に、詩織さんが会見で語ったように、山口氏には準強姦罪容疑で逮捕状まで発布されていたが、
逮捕寸前になぜか捜査打ち切りになっている。しかも、当時の捜査員は「警察のトップの方から
ストップがかかった」と話していたといい、実際「週刊新潮」(新潮社)の取材によって、捜査打
ち切りを指揮したのが当時の警視庁刑事部長であり、"菅官房長官の片腕"として有名な警察官僚・
中村格氏であることが判明。さらに「週刊新潮」第二弾の記事では、山口氏の"誤爆メール"によっ
て、山口氏が首相官邸、内閣情報調査室の北村滋内閣情報官に事後対応について直接相談までして
いた可能性が浮上している。北村内閣情報官は"安倍首相の右腕"と呼ばれる人物である。

 逮捕状まで出ていた案件を、官邸が自分たちを応援するジャーナリストだからという理由でもみ
消す──。もしこれが事実なら、森友や加計学園問題以上の権力による暴挙であり、そうした大き
な力が働いている可能性があるなかで、実名と顔を出してまで詩織さんは異議申し立てをしたのだ。

 そして、一昨日の会見には、新聞・テレビが全社勢揃いというほどの数の取材陣が殺到。そんな
マスコミ記者に向かって、詩織さんは「今回、この件について取り上げてくださったメディアはど
のくらいありましたでしょうか?」と語りかけ、「この国の言論の自由とはなんでしょうか? 法
律やメディアは何から何を守ろうとしているのか、と私は問いたいです」と述べた。

 誰が、この被害女性をここまで追い込んだのか。その真相を突きとめるためには、官邸の関与が
疑われる以上、メディアによる報道が不可欠だ。「言論の自由」をかけて、この不正を暴かなくて
はならない。会見を取材した記者ならばそう強く感じたはず──そのように思われた。

 しかし、蓋を開けてみれば、メディアは相も変わらず保身と萎縮の塊でしかなかったのである。


●??ダンマリのTBSとフジ、弱腰のテレ朝、事件を矮小化した日テレ

●??ネットで広がる「TBS圧力」説はまったくのデマ!


 むしろ、所轄が逮捕寸前に警視庁刑事部長が指揮して逮捕を潰し、その後、不起訴にもっていっ
た今回の経緯は、よほど大きな力がなければ成し得ないものだ。

 そして、前述したように「菅官房長官の片腕」として知られる当時の警視庁刑事部長・中村格氏
本人が、逮捕をストップさせたことを言明しているのだ。さらには、山口氏が今回の報道を「安倍
首相の右腕」たる北村内閣情報官に相談していたと思われる"誤爆メール"の存在も明らかになって
いる。捜査潰しに関与していたのは、明らかに官邸なのである。

 ところが前述したように、ほとんどのマスコミはこの「官邸による捜査潰し」疑惑を避けている。
それどころか、TBSのせいだなどという的外れな陰謀論が跋扈し、官邸の介入により捜査がつぶさ
れたという重大疑惑が隠蔽されようとしている。

 共謀罪で権力に都合の悪い人間を恣意的に検挙できるようになる一方、政権に近い人間であれば
レイプをしても逮捕されない。まさに、法治国家の根幹を揺るがす事態が進行している。メディア
と野党はこの問題を徹底的に追及しなければならない。
(編集部)

2017年05月31日 09時53分 リテラ
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12218-6282/