http://www.jiji.com/jc/article?k=2017060100198&;g=pol


 参院法務委員会は1日、「共謀罪」の構成要件を改めた「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案について、刑法学者や弁護士を招き、参考人質疑を行った。テロ資金を断つ点を評価する意見の一方で、テロ対策としての有効性を否定する声もあった。
 法案に賛成の西村幸三弁護士は、同法案を成立させて国際組織犯罪防止条約を締結することで「犯罪組織が収益を得てテロリストに流れるのを防止できる」との見解を示した。反対の立場の新倉修青山学院大名誉教授は「刑法でどこまでテロを予防できるかというと無理だ。(政府は)無理なことを承知でやろうとしている」と批判した。
 捜査機関による恣意(しい)的運用への懸念に関し、西村氏は処罰対象を「組織的犯罪集団」に限定した規定を挙げ、「世界の法制でも例を見ないくらいに謙抑的だ」と評価した。一方、反対の松宮孝明立命館大院教授は、こうした規定は不十分と指摘した上で「誰が検挙・処罰されるかは運用者によって決まる」と指摘した。(2017/06/01-12:41)