かのん「決めたよ。私、Liellaの音姫になる!」
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結ヶ丘女子高等学校、屋上……
┏━━┓
┃田田┣━┓
┃田田┃田┃
┃田田┃田┃ できっこないよって思ってたことも
踏みだせばほら叶うんだ
きらり希望 響かせるの
どこまでも広がれ
かのん「私のSymphony────
恋(おや?) 恋「かのんさん」
かのん「あっ、恋ちゃん」
恋「どうしたのですか。誰もいない屋上で一人空を眺めて……」
恋「何か悩み事?」
かのん「ううん、そういうのじゃないよ」
かのん「なんとなくボーっとしてたっていうか」 恋「でしたら、かのんさん」ニコッ
恋「わたくしとのんびりお話でもしませんか?」
恋「飲み物も用意しておきましたので」スッ
かのん(アップルティーといちごみるく?)
かのん(これってたしか、あの時と同じ……)
恋「ふふっ」クスッ かのん「────なんかさ」
かのん「改めて振り返ってみると、この二年間すごくあっという間だったなーって」チューッ
恋「ええ。たしかにそうですね」
恋「わたくしたちも気付けばもう三年生に……」
かのん「私ね、結ヶ丘に入学して本当に良かったって思ってるの」
かのん「音楽科の受験に失敗したときなんか」
かのん「『私の高校生活、これからどうなっちゃうんだろう?』って」
かのん「最初はすごく不安だった」 かのん「でも、それがあったからこうしてラブライブに……」
かのん「ううん。素敵な仲間に出会えたのかもしれない」
恋「……」チューッ
かのん「もちろん楽しい思い出ばかりじゃなかったけど」クスッ かのん「もっとたくさんの人たちに自分の歌を届けられたらいいなって」
かのん「私が歌うことで誰かのチカラになれたらいいなって」
かのん「こういう気持ちになれたのも」
かのん「みんなのおかげなんだ」
恋「『結ヶ丘に入学して本当に良かった』」
恋「その言葉はわたくしが……」
恋「いいえ。天国にいる母が一番聞きたかった言葉だと思います」
恋「それはかのんさんだけではありません」
恋「わたくしも、きっとみなさんも同じように」
かのん「そっか」ニコッ かのん「ラブライブ史上初の大会連覇だって」
かのん「決して実現不可能な夢じゃないんだよね、この9人なら」
恋「ですが……」
かのん「んっ?」
恋「Liellaが連覇を成し遂げるには、歌もダンスも昨年以上に高いパフォーマンスで臨まなければいけません」
恋「更なる高みを目指す為に、新しいメンバーを加えることも必要なのではないでしょうか?」
かのん(スクールアイドル部の)
かのん(新しい入部希望者、かぁ……) 数日後……
\ コンコンコンコン!! コンコンコンコン!! /
┏━━┓
┃田田┣━┓
┃田田┃田┃
┃田田┃田┃ かのん(ちょっと、いい加減にしてよ……)
かのん(三階のトイレが空いてなかったから、わざわざ二階のトイレまで降りて来たっていうのに)
かのん(どうして個室が全部埋まっているの!?)
かのん(あんまりなんじゃない!?)
かのん(早くしないと漏れちゃうっつーの!?)
かのん(もぉ〜!?誰か助けて〜!?)コンコンコンコン!! \ ブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!/
かのん(えっ?)
ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!
かのん(何、いまの音??) 千砂都「ふぅ〜♡♡スッキリした〜♡♡♡」ガチャッ
かのん「ちぃちゃん!?」
千砂都「あれっ?かのんちゃんだ」
千砂都「ういっす〜♪」
千砂都「もしかして順番待ちだった?」
かのん「ま、まぁ〜」
かのん(ウソでしょ!?)
かのん(あの排泄時の音はまさか……) かのん「そ、そういえば〜!最近やけに混み合ってるよね〜、普通科のトイレ!」アセアセ
千砂都「かのんちゃん、知らないの?」
千砂都「音楽科のトイレがしばらくのあいだ使えなくなっちゃったから、いまは普通科のトイレを解放して音楽科の生徒も共同で利用しているみたいだよ」
かのん「そ、そうなんだ!アハハハハ!」
かのん(話が全然入ってこないんですけど!?)
かのん(っていうか、ちぃちゃんってあんなに快便だったっけ!?) かのん(私たち一応スクールアイドルなんだよね!?)
かのん(ラブライブの優勝校なんだよね!?)
かのん(これから連覇に向けて新しいメンバーだって探さなきゃいけないのに……)
かのん(あんなの聴かされたら入部希望者だっていなくなっちゃうじゃん!?) すみれ「────音姫が使えなくなった?」
恋「はい。先ほど普通科のトイレを利用した生徒から生徒会へ報告が入りました」
恋「全ての階において音姫機能が作動せず、このままでは安心して用を足すことができないと」
恋「音楽科で起きた原因不明のトラブルに続いて、今度は普通科のトイレまで……」
可可「音姫とはいったい何デスか?」
四季「音を他人に聞かれたくないときに使うアレ」
メイ「手をかざすと川のせせらぎとか鳥のさえずりが流れたりするやつだろ」
夏美「正式にはトイレ用擬音装置という名前らしいですの」 可可「わかりまシタ!すみれがトイレでよく使ってる機能デスね!」
すみれ「うるさいわね!?」
四季「メイの方が使ってる」ムスッ
メイ「どこで張り合ってんだよ!?」
千砂都「壊れたなら直してもらうしかないんじゃない?」
恋「既に修理の依頼は済ませておきました。ただ、業者さんの都合もありますので」
きな子「対応するまでしばらく時間が掛かるかもしれないってことっすね」
千砂都「つまり、その間はみんなの排泄音がマル聞こえに!」マンマルー
きな子「は、恥ずかしいっすよ〜///」カアアアアアアアア…… 夏美「気にしてもしょうがないですの」
きな子「夏美ちゃんはそういうの平気なんすか?」
夏美「そもそも生理現象なんだから出るのは当たり前。べつにそれくらい大した問題では……」
かのん「 大 問 題 だ よ ! ? 」
夏美「ナツぅ!?」ビクッ
千砂都「か、かのんちゃん?」
かのん「だってLiellaの大会連覇が掛かっているかもしれないのに!」ガシッ
夏美「えっ?」
かのん「このままじゃ、せっかくの入部希望者が……」
可可「大会連覇?」
すみれ「入部希望者??」 恋「かのんさんの言う通りです」
メイ「恋先輩?」
恋「結ヶ丘は現在、危機的状況下にあることを生徒一人一人がキチンと理解しなければいけません」
恋「何か、結ヶ丘らしい解決方法でもあれば……」
きな子「結ヶ丘らしい解決方法?」
夏美(ど、どんどん話がややこしい方向に) かのん「……」
Wもっとたくさんの人たちに自分の歌を届けられたらいいなってW
W私が歌うことで誰かのチカラになれたらいいなってW
かのん「決めたよ。私、Liellaの音姫になる!」 恋「かのんさんが音姫に?」
千砂都「その発想はなかったYO!」
可可「スバラシイコエノヒトー♪」
すみれ「ほ、本当にやるのつもりなの?それ……」
四季「実験してみる価値はある」
メイ「四季?」
四季「こんなこともあろうかと、さっき恋先輩のいちごみるくに下剤を仕込んでおいた」
夏美「な"っ!?」 きな子「さすが仕事が早いっすね〜!」
四季「そろそろ薬が効いてくる時間」チラッ
恋「う"っ!?」
恋「そ、そう言われると!?なんだか急にお手洗いに行きたくなってしまいました!?」ソワソワ
かのん「急ごう、恋ちゃん!」ガシッ
恋「か、かのんさん!?廊下を走ってはいけませんよ!?」
────────
──── かのん「準備はできた?」
\ お願いします!かのんさん!/
かのん「……」スゥ
宝物を見つけた子どものように
奏で始めたんだ 夢を
きらり 希望 響かせるの
どこまでも広がれ
私のSymphony ずっと大切にしまってた
一番大好きなこと
どうしたら叶えられるの?
分からなくて立ち止まっていた
チャンスはある日突然
目の前に舞いおりてきた
思うかたちと違っても
そっと両手を伸ばしたんだ ぎこちなく刻む一歩が
パッと鮮やかに世界を変えてく
なにが待つの?なにをやれるの?
勇気出して進もう
ちっぽけな昨日までの私じゃない
奏で始めたんだ 夢を
幕があがる ここから先は
胸に描いてたステージ
できっこないよって思ってたことも
踏みだせばほら叶うんだ
きらり希望 響かせるの
どこまでも広がってけ
ラララ ラララ ラララ さあ!
ラララ ラララ ラララ 新しい私
今、始まるよSymphony────
ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! 恋「ふぅ〜♡♡スッキリしました〜♡♡♡」ガチャッ
かのん「れ、恋ちゃん?」
恋「澁谷かのん音姫作戦は大成功でしたね!」
かのん「いや、どこが!?」 かのん(私が最初に聴いたアレはちぃちゃんの排泄音じゃなくて……)
かのん(恋ちゃんの排泄音だったってこと!?)
かのん(そもそもなんかおかしいと思ったんだよ)
かのん(多分、音楽科のトイレが壊れた原因も) かのん「今日から恋ちゃんは……」
かのん「学校で《オニナッツー♪》するの禁止ィ!?」
恋「ま、待って下さい!?」
恋「何故わたくしだけ学校で《オニナッツー♪》してはいけないのですか!?」
\ ブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!/
かのん「えっ?」
ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!
恋「何ですか、いまの音は??」 ウィーン「ふぅ〜♡♡スッキリした〜♡♡♡」ガチャッ
かのん「マ、マルガレーテちゃん!?」
恋「まさか、今の排泄音の正体は!?」
ウィーン「何?」ギロッ
ウィーン「あっ、ちょうどよかったわ。シブヤカノンに渡さなきゃいけないと思ってたところだったの」
ウィーン「はい。受け取って」スッ
かのん「もしかして、この紙は……」
ウィーン「そんなの決まってるでしょ?」ファサッ ウィーン「入部希望届けよ」
\ ズコ────────!!!!!!!!!/
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┃田田┣━┓
┃田田┃田┃
┃田田┃田┃
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