すみれ「ヒロインズ☆ランナーズハイ」千砂都
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すみれ「ギャァァラクシイイィィィィィィッッッッ!!!!」ダダダダダダダッ
千砂都「マッルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!!!!」ダダダダダダダッ
悠奈「残り500m…! 第2回結ヶ丘女子高校マラソン大会もいよいよ大詰め!」
摩央「『心臓破りの坂』を抜けてスプリント勝負に入ったわね。もう2人とも体力は限界…!」
摩央「残りは気力の勝負よ…!!」
すみれ(千砂都!去年の雪辱は晴らしてやるわ!)
千砂都(今年も勝つのは私だよ!すみれちゃん!)
すみれ・千砂都「絶対負けない!勝つんだ!!」バチバチィッ
―ʂ/cリsˆヮ˚)ʂ時は遡り1年前のマラソン大会၄(cʸ„ò ᴗ óリ၃―
千砂都「はぁ、はぁ…」🏃💨
千砂都(もう少しでゴール…! このままいけば私の優勝だ…!)
千砂都(だけど…)チラッ
すみれ「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…!」クラクラ
すみれ「負けないったらぁ…負けないっ…!!」🏃💨
千砂都「っっ…!!」ゾクリ
千砂都(すみれちゃん…! もうずっと私の後ろにつけてる! かなり飛ばしてきたはずなのに…!)
千砂都(単純な走力なら私が勝っているはず…! この力は一体どこから…!?)
千砂都「…」
千砂都「っ………!!」
千砂都(負けたくないっ! すみれちゃんにだけは…!)
すみれ(千砂都の運動能力は本当に凄いわ…)
すみれ(ダンスのキレ、経験値、それらを裏打ちするだけの練習量とストイックさ)
すみれ(かのんが一番に信頼するのも分かる。こんな子がいたらそりゃあ甘えるわ)
すみれ(悔しいけど千砂都の実力は高い。仲間だと思えば心強いけど…)
すみれ(競う相手として考えたらこれ以上なく手強い……!!)
千砂都「抜かせないよっ!」ババッ
すみれ「っ! まだ加速出来るの!?」
すみれ(千砂都…! それでも私は1位を目指したい。運動だけじゃなく…)
すみれ「根性でまで負けるわけにはいかないのよーーーー!」ダンッ…!
Result……………1st:၄(cʸ„ò ᴗ óリ၃ 2nd:ʂ/cリsˆヮ˚)ʂ
―ʂ/cリsˆヮ˚)ʂ⌛時は巡り今年度のマラソン大会直前⌛၄(cʸ„ò ᴗ óリ၃―
千砂都(去年の大会…勝てはしたけどすみれちゃんの粘り強い走りを振り切ることは出来なかった)
千砂都(勝ったのに悔しいなんて想い、今年は絶対にしない……!!)ギリッ…
かのん「ちぃちゃん、今年も優勝するの楽しみにしてるからね!」✌ウィッスー
千砂都「勿論だよ💕!」✌ウィッスー
千砂都(かのんちゃんも応援してくれる…! 私が頑張るのにそれ以上の理由はいらない!)
すみれ(去年の結果は2位…限界ギリギリまで頑張っても最後まで千砂都を抜くことはできなかった)
すみれ(今年こそは、私が勝ってヒロインになるのよ…!!)ゴゴゴゴゴゴ
可可「すみれ、どうせ勝てないのデスから適当に頑張りやがるデス」フフン
すみれ「アンタね…💢」イラッ
すみれ(可可にも見せつけてやりたいものね…! この私が出来る女だってことを!)
恋「みなさん、今日は各々で課題を持って挑んで下さいね」
きな子・メイ・四季・夏美「はいっ!」
恋「一等賞や上位入賞を目指してもいいですし…」
夏美「…」
恋「他の人と競わずに自分の限界を感じながら頑張るのも大事だと思います」
きな子「…」
恋「もちろん、あくまで授業と割り切って全力を出さないのも悪くないと思います」
四季「…」
恋「ラブライブ本戦も終わり軽めのメニューになるとは思いますが、大会の後普通に部活はあります」
恋「自身で考え、優先順位をつけて下さいね」
メイ「恋先輩はどうするんだ?」
恋「私ですか? 私は―――――」
千砂都「…」
千砂都(集中……集中するんだ私…)スウウウウウウ
千砂都(天候マル、路面状態もマル、コンディションもマル。水分も取った)
千砂都(すみれちゃんには悪いけど、今年も絶対――――)
かのん「すみれちゃんも頑張ってね! 優勝目指してるんだよね?」
すみれ「当たり前じゃない。私を誰だと思ってるの?」
かのん「平安名すみれちゃん、でしょ? 勝ち気で負けず嫌いなショウビジネスの女神サマ♪」
すみれ「!! …何よ、分かってるじゃない」
かのん「頑張って、すみれちゃん」✊グッ
すみれ「アンタに言われなくてもやるったらやるってのよ」ハァー
すみれ「…ま、応援してくれるのは有難く受け取っておくわ」✊グッ
千砂都「……………」
理事長「よーい!」 🔫パァン!
千砂都「っ!!」
悠奈・摩央「オニナッツ☆チャンネルー♪」
悠奈「今日はこの、第2回結ヶ丘女子高校マラソン大会の様子をお届けしまーす!」
悠奈「実況解説は夏美ちゃんに代わって〜! 私たちサニーパッションでお送りするよ! パァ!」👐
悠奈「夏美ちゃんは大会に参加するから私たちが代理で実況解説ってワケだね!」
摩央「よろしく。…まずはコースを確認しましょうか」🗺パサー
摩央「コースは全6km…女子高のマラソン大会としては平均的な距離ね」
悠奈「だけどぉ、ただの平坦なコースじゃないんだよね!」
悠奈「連続カーブのあるテクニカルな区画もあるし…」
悠奈「コースの終盤に『心臓破りの坂』って呼ばれる坂道もある強烈なコースなんだ!」
摩央「オ○ルスター感謝祭か何かなの?」
悠奈「続いて有力選手の紹介だよ!」パァ!
摩央「注目はやはり…」
悠奈「スクールアイドルLiella!のメンバーだね!」
悠奈「オニナッツチャンネル事前調査でオッズ1位! 前回大会優勝の嵐千砂都ちゃんと…」
悠奈「前回大会2位の平安名すみれちゃん、3位の葉月恋ちゃんは今回も見逃せないね!」
悠奈「そして〜〜〜〜?」ドンドンジャカジャカ
摩央「…それ以上に見逃せないのが1年生」
摩央「このオニナッツチャンネルの主、鬼塚夏美ちゃんも注目の一人なのよね?」
悠奈「もちろん! ほら…」
悠奈「早速トップに躍り出てる!――――――――――」
夏美「やってやりますのおおおおおおお!」🏃💨💨💨ダダダダッ
――開始直後・300m地点 TOP🥤🪐☕……🎧……🧪🐈🦊…🍧🍑… BOTTOM
すみれ「なっ…!?」🏃💨
恋「速い!?」🏃💨
夏美「にゃっは〜〜〜!」🏃💨💨💨ダダダッ
悠奈「第2回結ヶ丘女子高校マラソン大会は波乱のスタート! 先頭に立つのはなんと1年生!」
悠奈「我らがオニナッツチャンネルの配信者! 鬼塚夏美ちゃんだぁ〜〜!」パァ!
夏美「日々のあれこれエトセトラ〜♪ 貴女の心のオニサプリ! 鬼塚夏美こと〜〜〜」
夏美「オーニナッツゥ〜💗ですの!」ニャハッ
摩央「走りながらよくやるわね…」
悠奈「先導車からカメラを回すサヤさんに向かい余裕の決めポーズ! この勢いはどこまで続くのか〜!」
摩央(絶対続かないわね…)
オニナッツちゃんがんばえー!
ついでに恋ちゃんもがんばえー!
すみれ「…」🏃💨
すみれ(まぁ、最初から全力疾走の夏美はいいとして…)チラッ
恋「ほっ…ほっ…」🏃💨
すみれ(恋もトップグループに来たわね。流石は前回3位、警戒しとかないと足下を掬われるわ)
すみれ(………)
すみれ「あれ?」チラッ
すみれ(千砂都は…!?)
悠奈「事前評価を覆しトップを走る夏美ちゃんに対して…前回優勝の千砂都ちゃんはいないね?」
摩央「何かトラブルかしら? トップグループにはいないようだけど…?」
千砂都(しまった…! 完全に出遅れた…!)フルフル
可可「ハァ、ハァ…」🏃
千砂都(ここ、下位グループだ……!)
可可「…アリェ? どーして千砂都がここにいるのデスか?」🏃
可可「もしかしてここは先頭なのデスか!? ついに可可もトップグループの仲間入りデスか…!」✨✨
千砂都「…残念ながらそういうわけじゃないね」
可可「エェ…? ということは千砂都が下位グループにいるだけデスか」
千砂都「うん…」
可可「どうかしたのデスか? 体調悪いとか?」
千砂都「ううん、単に出遅れただけ…」
可可「…」
可可「…」
可可「運動神経のいい千砂都が理由なく出遅れるワケがありません…」
可可「かのんと何かありましたか?」
千砂都「!!!」
――平坦区間・600m地点 TOP🥤🪐☕……🎧……🧪🐈🦊…🍧🍑……
千砂都「っ…」🏃💨
可可「正解のよーデスね」🏃💨
千砂都「よく分かったね…」
可可「分かりマスよ…。可可と千砂都の仲じゃないデスか」
可可「…イヤ。可可と千砂都の仲だから、デスか…」
千砂都「…?」
千砂都「ゴメン、あんまり気にすることじゃないから…! 先頭まで急がないとだから行くね!」キュッ
可可「あ…! 千砂都! 待ってくだサイ!」
千砂都「なに? …もしかして先頭グループの誰かに言いたいことがあったりする?」ニヤニヤ
可可「なっ///!? そ、そんなんじゃないデス!! すみれに言いたいことなんて何も…///」
千砂都「私、すみれちゃんに〜とは言ってないんだけどなぁ〜」ニヤニヤ
可可「謀りましたね!? 千砂都ぉ〜〜〜!」ポコポコ
可可「本当の本当に…すみれに言いたいことは特にありまセン!」プイッ
可可「あえて一言だけ言うなら…『信じてマス』とだけ…///」
千砂都「一言あるんじゃん…」ニヤニヤ
千砂都「…けど、可可ちゃんの気持ち分かるよ。大好きな人にエール送りたいよね♪」
可可「千砂都…」
可可「…」
可可「千砂都にも伝えたいこと、ありマスよ」ニコッ
千砂都「…私にも?」
可可「可可にはかのんの気持ちは分かりまセン…。だけどかのんと千砂都はきっと『良い関係』デス…」
可可「だから、千砂都はかのんのことを信じて走って良いと思いマスよ」
可可「可可も千砂都の一途な気持ちは分かりマス!」ニコッ
千砂都「可可ちゃん………!」
千砂都「うん! 有難う!…絶対先頭に追い付くからね!」🏃💨💨💨💨💨シュババッ
ちぃにポコポコするクゥ書くの好きよね
なんか絵が浮かんで微笑ましい
すみれ(千砂都…トラブルかしら? それとも作戦?)🏃💨
すみれ(確かに序盤は後方にいて、前にいる走者を風除けにしながら走った方が都合いいだろうけど…)
すみれ「…」
すみれ「…読めないわね。あの子のことは…」
恋「後ろのことを気にしている場合ではないかもしれませんよ、すみれさん」🏃💨
すみれ「っ…! そうね」
恋「夏美さん…すぐに落ちるかと思っていましたが」
恋「開始から1kmを過ぎてなおペースが落ちません…!! あのままトップで独走するつもりですっ!!」
夏美「はぁ、はぁ…」🏃💨💨
夏美(流石にペース配分ミスってる自覚はありますの…けど!)
夏美(このままペースを保てば優勝……一等賞ですの!)
――平坦区間・1km地点 TOP🥤🪐☕……🎧………🧪🐈🦊🍑…🍧………
すみれ「夏美、アンタ飛ばし過ぎじゃないの?」🏃💨💨
夏美「はぁ、はぁ…」🏃💨💨
すみれ「……答えなくてもいいわよ。必死なんだろうしね」
すみれ「わざわざ神津島からサニパ呼んでこの大会の実況してもらってるんでしょ? よくやるわ…」
夏美「はぁ、はぁ……」
すみれ「………」
すみれ(まぁサニパに協力してもらってる以上不甲斐ない結果には出来ないものね…)
すみれ「…」
すみれ「そうまでして目立ちたいのかしら…」ポツリ
夏美「すみれ先輩は…はぁ、はぁ…目立たなくていいんですの?」
すみれ「!?」ドキッ
すみれ「…心配しなくても1位になって目立ってやるわよ。アンタを抜いてね」
夏美「…それだけで…いいんですの?」ゼェハァ
すみれ「え…」
夏美「私は…一等賞になりたい…! ラブライブで優勝して……『初めての一等賞』を手に入れた…」
夏美「……けど…一等賞にはまだ先があるんですの…!」
すみれ「っ!!!」
すみれ「連覇…ってだけじゃないわよね?」
夏美「そう…! はぁ、はぁ…他の大会でも優勝したり……動画配信でもっと有名になったり……」
夏美「Liella!のセンターを目指したり…!」
すみれ「夏美…! それって…!」
夏美「もちろん、先輩たちのことは尊敬してるし順番っていうものがあるのは分かってますの」
夏美「けど…諦めてやらないだけなのが一番ダメだって分かったから…!」ゼェハァ
夏美「分不相応でも構わない…! 私は『二つ目の一等賞』を手に入れるんですの…!!」
すみれ「夏美…!」
夏美「にゃはっ♪ だからこの大会でも私が優勝してみんなに凄い!って言わせてやるんですの〜!」
夏美「サニパ様が実況解説してくれる自分のチャンネルで大活躍〜ともなれば人気爆増間違いなし!」
夏美「Liella!の次のセンターは私が貰うんですの〜〜!!」🏃💨💨💨シュババッ
すみれ「…」ズキィ…
すみれ(夏美の言葉が…必死な姿が胸に刺さって痛い……!)
すみれ(去年の私は今の夏美と同じで必死にやってたと思う。今となっては無様な思い出もあるけど)
すみれ(それと比べて今の私は何なの…?)
すみれ(センターでもない、部長でもない、生徒会長でもない……)
すみれ(ショウビジネスの世界に戻りたくて、人気が欲しくて我武者羅だったあの頃の私でもない…)
すみれ(こんな私じゃ千砂都はおろか恋や夏美にだって―――)
悠奈「大・番・狂・わせ〜〜〜〜! 1年生・鬼塚夏美ちゃん大健闘〜〜!」
摩央「開始から2km経過してなおトップの座を譲らず…! 本当にこのまま優勝もあり得るわよ…!?」
――平坦区間・2km地点 TOP🥤🪐☕…🎧…🍑……🧪🐈🦊🍧…………………
可可「やぁっと追いつきマシタ〜!」ゼェハァ
きな子「可可先輩!? 後ろにいたんすか…」ゼェゼェ
四季「お疲れ様です」
可可「ンン? きなきなと四季はともかくメイメイも一緒なのデスか?」
メイ「なんか悪いかよ」
四季「悪くはないけど不思議なのは事実でしょ。メイはもっと前を走れる体力があるんだから」
きな子「きな子は…結構自分に精一杯のペースで走ってるっす…」ハァ、ハァ…
きな子「後半は『心臓破りの坂』っていうのもあるらしいっすし、ある程度は温存しながら…」
メイ「私も温存してるんだよ。坂っていうより大会の後の部活の為にな」
可可「ラブライブ本戦も終わったのに?」
メイ「前の大会が終わったら次の大会だろ! 次年度への戦いはもう始まってんだぞ」
メイ「実はさ…可可先輩が口が堅いと思ってるから言うけど…」
可可「かのんより口が堅いことは保証しマス!」 >>🎧!?
メイ「来年度は私…それか私と四季とでダブルセンター曲をやりたいって思ってるんだ」
きな子「え…」
四季「…///」
メイ「来年は先輩たちは3年生だ…。一曲でも多く3年生メインのライブをやりたいんだろうけどよ…」
メイ「私たちだって負けたくない。もっと目立ちたいって思うんだよ」
メイ「で、みんなに差をつけられるのが今日だっていうならその機会は逃せない」
メイ「東京予選決勝みたいな想いはもうしたくないしな…」
可可「っ…!! あの時は本当にスミマセンデシタ…」シュン
四季「メイ」ムッ
メイ「あっ! 可可先輩が悪いわけじゃないんだけどな!?」💦
メイ「…まぁとにかく、私たちにセンターを任せられるくらいの力があれば良かったのは事実だ」
メイ「だから今日の練習だって無駄にしない。私はマラソン大会は無理しない方針だ」
四季「私は結構頑張って走ってるつもりだけど…ちゃんと部活も出るつもりです」
可可「メイメイ…。四季…」
きな子「え、それならきな子も…」
メイ「きな子は自分の限界に挑戦するんだろ? 恋先輩も言ってたろ、そういうのも大事だって」
四季「夏美ちゃんはまだ先頭にいるみたいだよ? きな子ちゃんはどうするの?」
きな子「!!!!」
きな子「夏美ちゃん…!」ギュッ
きな子「……やっぱり私は全力でいくっす。トップに追いつくのは無理だけど…もう少し上まで!」
可可「きなきな、付き合いマスよ! 可可も2年で一人だけ置いてかれたくありまセン!」
四季「置いてかれると言えば……千砂都先輩」
メイ「さっき私たちを置いて凄いスピードで走っていったな…」
――下り坂区間・3km地点 TOP🥤🪐☕…🍑…🎧……🦊🍧…🧪🐈…………………
かのん「…もう、一言だけかけて行っちゃうんだもんなぁ」🏃💨
かのん「…」
かのん「声を掛けて…止めてたら一緒に走ってくれたのかな…?」
かのん「だって4月には私は留学しちゃうんだもん…。少しでも一緒にいたいよ…」
かのん「…」
かのん「…ううん、そういうんじゃないもんね。私たち…」
かのん「ちぃちゃんは私のことを想って背中を押してくれた」
かのん「そんなちぃちゃんの行く道を私が邪魔するわけにはいかないよ…」
かのん「…」
かのん「このマラソン大会にも懸ける想いも…きっと何か理由があるんだよね」
かのん「…」
かのん「頑張って。信じてるよ、ちぃちゃん…」
――下り坂区間・3.3km地点 TOP🥤🪐☕…🍑…🎧……🦊🍧…🧪🐈…………………
悠奈「トップグループは下り坂区間に入り一気に加速しています!」
摩央「先頭の夏美ちゃんも一気に駆け下りてる…けど」
すみれ「悪いわね! ここで抜かせてもらうわよ!」
恋「夏美さん! 大丈夫ですか?」
夏美「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
悠奈「ここでついに順位交代ーー! すみれちゃんがトップに躍り出たぁ〜!」
摩央「続いて2位は恋ちゃん…夏美ちゃんは抜かれたけどまだまだ3位で食い下がってる!」
夏美「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」ゼェゼェ
恋「……」
恋「………」
恋「すみれさん、私はここで降りますね」
すみれ「え…!?」
――下り坂区間・3.6km地点 TOP🪐☕🥤…🍑…🎧…🦊🍧…🧪🐈…………………
すみれ「何? どういうこと…?」🏃💨
恋「すみれさんとトップ争いをするのはここで終わりにします」🏃💨
恋「…私は夏美さんと一緒にゴールを目指しますので」
すみれ「っ…恋…」ギリッ…
すみれ「そうね…。貴女は生徒会長なんだもんね」
恋「はい。全力で走るみなさんをサポートする…それが今日の私の役割だと思っています」
恋「夏美さんは全力を出し限界が近付いています…。フォローしてあげないと」
すみれ「っ…!」
すみれ(恋は生徒会長。今にも倒れそうな夏美をフォローするのに適任だと思う)
すみれ(じゃあ私は? この1年矢面に立つよりみんなのサポートを重視していた私は…)
すみれ(一体何をすればいいの…?)
すみれ「恋…貴女とも競い合いたかったわ」🏃💨💨
恋「それは光栄です♪ すみれさんは私にないものを持った凄い人だと思っていますので」
恋「細かいことにも気が付いてくれる。言い辛いことを言ってくれる」
恋「そんな凄い人に対等に競い合いたいと言ってもらえるのは嬉しいことです」
すみれ「なっ…///!? 何よ急にそんなに褒めて!」
すみれ「私そんなに立派な人じゃないのよ?」
すみれ「………」ギュッ…
恋「ふふふ。そんな不安そうな顔を見たらつい励ましたくなってしまいまして♪」
すみれ「恋…」
恋「応援していますよ、すみれさん。貴女の勝利をきっと信じています」
すみれ「え………」
恋「だから…私の分まで頑張ってください! すみれさん!」✊トンッ
――連続カーブ区間・4km地点 TOP🪐…☕🥤🍑……🎧🍧🦊……🧪🐈…………………
恋「連続カーブに入ってすみれさんが見えなくなってしまいましたね…」🏃💨
夏美「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」🏃💨
夏美「はぁ…」ギュッ…
夏美「ごめんなさい、恋先輩…私がペースを考えずに走ったばかりに…!」ゼェハァ
夏美「本当はすみれ先輩とトップ争いしたかったんじゃないですの?」ゼェハァ
恋「いいのです。これが私の役割ですから」
恋「後輩が限界まで頑張っているのを支えてあげるのは先輩として当然のことですよ」
夏美「恋先輩…!」
恋「それに…久々に見たかったのです。1位を目指して全力で走るすみれさんを…」
夏美「え…?」
>>36
内田秀とかいうなんか歌もダンスも上手い人
7 :名無しで叶える物語(たこやき)[sage]:2023/01/16(月) 00:25:43.01 ID:vFlHLUmN
声がめちゃくちゃ綺麗
昨日までの私は イナ イナ イナ イナ川
6 :名無しで叶える物語(たこやき)[sage]:2023/01/16(月) 00:31:30.36 ID:vFlHLUmN
ᶘイ^⇁^ナ川 ああああああああああああああ!!!!!!!
璃奈「璃奈ちゃんファンディング始めました」从||˶> ᴗ <˶||从
5 :名無しで叶える物語(たこやき)[sage]:2023/01/16(月) 01:09:15.44 ID:vFlHLUmN
特典ってことはもっとやばいもん作ってんのか…?
もえぴ「私たちは生の歓声を聴いたことがない」
41 :名無しで叶える物語(たこやき)[sage]:2023/01/16(月) 21:45:30.75 ID:vFlHLUmN
順調におもしろお姉さんになりつつある
平安名すみれ、虹信説
12 :名無しで叶える物語(たこやき)[sage]:2023/01/16(月) 21:52:22.49 ID:vFlHLUmN
聞こえねェなって言ってもらえない子
な?虹信だろ?
恋「すみれさんは細かい気配り出来、フォローが上手な方です」
恋「ですが…昨年はそんな一面とともに今日の夏美さんのような野心を持っていたと思います」
恋「後輩が出来たこの1年間はそれを秘め、フォローに徹してくれていたように感じるのです」
恋「今年のすみれさんも素敵ですが、去年のあのすみれさんを私は見たい」
恋「…私にはないものを持った、憧れのすみれさんを…」
恋「そして、すみれさんの熱さを引き出せるのは私じゃない」
恋「今日は後ろから特等席で見させて頂きますよ。2人の対決を♪」
夏美「2人…ですの?」
恋「はいっ! 私のもう一人の憧れの人…!」 シュタタタタタタタタタタッ……
タンッ…!
恋「先頭はもうすぐですよ! 優勝目指して頑張ってください――千砂都さん!」✊トンッ
千砂都「ありがとう恋ちゃん! 待ってて―――すみれちゃん!!」🏃💨💨💨
かのん「!!」🏃💨
可可「ビュゥーーーーン!」🏃💨💨
きな子「び、びゅぅーーーんっす!💦」🏃💨💨
かのん「可可ちゃん、きな子ちゃん!? 抜かれちゃった…」
可可「見ましたか、かのん! いつかのお返しデス!」
かのん「いつかって…1年生の時の代々木での初めてのライブの少し前だっけ?」
可可「ハイ。あの時は体力がなくてヘバってた可可を励ますためにかのんがしてくれました」
可可「あれから2年…可可はかのんを追い越せるようになりマシタよ」
きな子「私も! この1年でずいぶん体力がついたっす!」
きな子「自信もついて堂々と走れるようになったっす!!」
かのん「可可ちゃん、きな子ちゃん…!」
可可(だから…心配せずに留学してください、かのん…)
――平坦区間・4.5km地点 TOP🪐🍑…☕🥤……🍧🦊🎧……🧪🐈…………………
すみれ(連続カーブ区間を抜けたら平坦区間…。そして)🏃💨💨
すみれ「うわっ…去年も登ったはずなのに威圧感すごいわね」
すみれ(『心臓破りの坂』…!!)
悠奈「斜度10度超えの坂はまさしく『心臓破り』! 最後の難関が立ちはだかるぅ!」
悠奈「歩いて登るならまだしも一気に走り切るのはキツそうだね!」
摩央「ここまで力を尽くしてきた彼女たちにとっては絶望しかない」
摩央「だけどだからこそ、登り切った坂の上から見る景色は絶景なんでしょうね…」
すみれ「っ!!」ピクッ…
千砂都「――お待たせ、すみれちゃん…」🏃💨💨💨
千砂都「奪いに来たよ! トップの座!!」
クーカー推しです。>>39のようなシーンを書いてくれて有難う…有難う…!
悠奈「第2回結ヶ丘女子高校マラソン大会もいよいよクライマックス!」
悠奈「『心臓破りの坂』を前に優勝候補2人がついに並んだぁ〜! 熱い展開になってきたね!」
摩央「まさしくHOT PASSIONね」✨
すみれ「…遅かったじゃない。どこで何やってたのよ?」🏃💨
千砂都「ちょっと色々あってね。スタートで出遅れちゃったんだ」🏃💨
千砂都「だから可可ちゃんとも合流したよ。すみれちゃんに伝言、『信じてマス』だってさ」
すみれ「…そう」ポッ
すみれ「……ったく、応援するならもっとたくさん言ってくれてもいいのに」
すみれ「どうして素直になれないのかしらね、あの子は…」
千砂都「すみれちゃんに構ってほしい。独占したいからじゃないかな。可可ちゃん可愛いよね♪」
すみれ「………」
すみれ「聞かせなさいよ。アンタや可可にあった『色々…』」🏃💨
千砂都「え…?」🏃💨
すみれ「ティーブレイクよ。『心臓破りの坂』に着くまでのね」
千砂都「………」
千砂都「…そうだね。話すよ…いい機会だもんね」
千砂都「…私さ、すみれちゃんに嫉妬してたんだ」
すみれ「は……?」
千砂都「スタートの直前でかのんちゃんと話してたでしょ? あれ見てたんだ…」🏃💨
すみれ「確かにそんなことあったけど…そんな大したこと話してないわよ?」🏃💨
千砂都「そうかもしれないけど私には感じたんだよ」
千砂都「かのんちゃんと一番理解し合えてるのはすみれちゃんなんじゃないかって…」
すみれ「…」
すみれ「なわけないでしょ…幼馴染の長い経験に適うわけないじゃない」
すみれ「アンタとは目線が違うから別のものが見えるってだけよ」
千砂都「その通りだよね。こんなことで動揺してスタート遅れるなんてカッコ悪いよ…」
千砂都「かのんちゃん留学しちゃうし、私焦ってたのかも。…ううん、本当はまだ焦ってる」
千砂都「だけど可可ちゃんと話して、走りながら思いにふけってようやく気付けたんだ」
すみれ「可可と…?」ピクッ
千砂都「可可ちゃんは言ってくれた。私の気持ちが分かるって」🏃💨
千砂都「私も可可ちゃんがすみれちゃんを想う気持ちはなんとなく分かる…」
千砂都「自分と同じような想いをしてる人がいるって分かってすごく嬉しかった…」
すみれ「可可…」🏃💨
千砂都「そしてこうも言ってくれた」
『可可にはかのんの気持ちは分かりまセン…。だけどかのんと千砂都はきっと『良い関係』デス…』
『だから、千砂都はかのんのことを信じて走って良いと思いマスよ』
千砂都「私も可可ちゃんの気持ち分かるから…これってきっと可可ちゃんも同じなんだよね」
千砂都「好きな人の気持ちが分からない」
千砂都「…だけど、信じてる」
すみれ「!!!」
千砂都「きっと私はこれまでも、今も、これから先もかのんちゃんの全部を分かることは出来ない」🏃💨
千砂都「分からない、から…信じるんだ」
すみれ「あ…」🏃💨
『だから可可ちゃんとも合流したよ。すみれちゃんに伝言、『信じてマス』だってさ』
千砂都「例えすみれちゃんの方がかのんちゃんを分かっていたって構わない」
千砂都「だって、かのんちゃんを信じることなら私が世界で一番なんだからね!」
千砂都「…ちょっと恥ずかしいけど///」
すみれ「千砂都…」
すみれ「アンタは本当に凄いわ…」
すみれ(多分、千砂都の言う通り私はかのんと気持ちを理解り合えている部分があると思う)
すみれ(あの子も私も挫折を経験してそれでも諦めきれなくて、誰かに救ってもらって今がある)
すみれ(だから分かる。かのんとはきっと生き方が近いんだ)
すみれ(だけど私は好きなはずの可可が分からない)
すみれ(まあ随分長く一緒にいて分かるようにもなってきたけど…)
すみれ(それでも、一途に好きなことを頑張るっていう生き方の近い千砂都とは理解度が違うだろう)
すみれ(分からない、だけど信じている)
すみれ(だから誰よりずっと好きでいられる)
すみれ(かのんの留学を前にしてそれに気付いた千砂都…)
すみれ(一番好きな人の背中を押し、その人がいなくなることについての心の迷いを自己解決する)
すみれ(千砂都、貴女は…)
千砂都「心臓破りの坂についたね! ここからが本当の勝負だよ!!」🏃💨
すみれ「…」🏃
千砂都「ハイペースで飛ばしてきたから足パンパン…だけど、ここは絶対走り抜く!」
千砂都「ゴールも近いしここでの勝負がそのまま大会の結果になるようなものだもんね!」
千砂都「っ………!!」ハァハァ
千砂都「っ………!!」ゼェハァ
千砂都「っ………!!」ゼェゼェ
千砂都(キツい…!ここ走って登るようなとこじゃないよ…)
千砂都(ラブライブと関係ない授業の一環の大会。全力を出し切るようなとこじゃない)
千砂都(それでも頑張るのは………)
千砂都「え……!?」
――心臓破りの坂・5km地点 TOP🍑…🪐…☕🥤……🍧🦊🎧……🧪🐈…………………
すみれ「はあ、はあ、はあ、はあ…」🚶
千砂都「なんで歩いてるの?すみれちゃん…」
千砂都「ゴール近いんだよ? もう休憩は終わりでしょ!?」
すみれ「はあ、はあ…うっさいわね」
すみれ「私もハイペースできたからもうここを走って登る体力なんてないのよ…」
千砂都「嘘…だよね?」
すみれ「嘘じゃないわよ。アンタに私の何が分かるってのよ」
千砂都「!!」
千砂都「じゃあなんで私はここまで必死で追いかけて…」
すみれ「知らないわよ。アンタの事情なんて…」
千砂都「すみれちゃん…」
すみれ「さっさと行きなさい…! 行くったら行きなさいよぉーーー!!!」
かのん「今頃ちぃちゃんはすみれちゃんと合流して勝負に入ってるのかな…?」🏃💨
可可「どうデスかね? グソクムシなすみれじゃ千砂都に敵わず降参してるかもしれまセン」🏃💨
きな子「ド辛辣っすね、可可先輩…💦」🏃💨
かのん「あはは…」
きな子「そういえば、どうして可可先輩はすみれ先輩には厳しいんすか?」
きな子「喧嘩するほど仲が良いとも言うっすけど…」
可可「決まってマス! すみれがスクールアイドルを舐めたグソクムシだったからデス!」
かのん「すみれちゃんって最初は…まぁぶっちゃけ態度悪かったもんね」
きな子「そうだったんすか!? どんなだったのか無茶苦茶聞きたいっす〜💗」
かのん「聞きたい? 聞きたいよね? 実はねぇ〜〜」ニヘラ〜
可可(かのんがまーたすみれの秘密をバラしてマス…)
きな子「へぇ〜…。なんか夏美ちゃんみたいなとこあったんっすね」
可可「そういう部分はありマシタね」
きな子「けど今はもうそんな感じじゃないっすよね? 今のすみれ先輩からはそういうの感じないっす」
かのん「…そうかな?」
きな子「え…?」
かのん「すみれちゃんは想いを秘めてるだけ。きっとまだ心の奥底に残ってると思うんだよね」
可可「エエ。始めはどーしようもないグソクムシでしたが、誰より輝きたいという執念は本物でした」
可可「昨年の東京予選の時のあの輝きは…その想いが上手く力になった結果デス」
可可「だから…あの日の輝きをまた見せてくれるって」
可可「信じてマスよ…、すみれ」
すみれ(頭が上手く上がらず足元に目が行ってしまう。前を行く千砂都に申し訳ないから)🚶
すみれ(息をするのも辛い、苦しい)🚶
すみれ(今すぐにでも倒れたい……だけど走りから歩きに代わった足は止まらない)🚶
すみれ(そうだ…今足を止めてしまったら千砂都が恋みたいに私を助けようとするかもしれない)🚶
すみれ(それだけは避けないと…!)🚶
すみれ(あの子の歩みを、あの子の輝きを止めるわけにはいかない)🚶
すみれ(かのんが留学した後のセンターに相応しいのは……)🚶
すみれ「え………!?」
すみれ「何、やってんのよ…」
すみれ「貴女は止まってたらダメでしょ…? とどまってじっとしてるの苦手なんでしょ…?」
すみれ「なんなのよ…! 本当貴女のことは分からないわ…!」
すみれ(『心臓破りの坂』とはよく言ったものだ)
すみれ(どうにか坂を登り終えた私の胸は張り裂けそうなくらいに痛い)
すみれ(――貴女もそうなの?)
千砂都「分からないよ…。私だってすみれちゃんのこと分からない」
千砂都「この坂一気に登りきってすごく良い景色が見えてるのに胸が痛くて仕方ないんだよ…!!」
千砂都「だって――すみれちゃんは私のライバルだと思ってるから」
すみれ「…ライバルって」
すみれ「…」
千砂都「すみれちゃんはきっと立ち止まることだけはしないって信じてたから。だから待ってた」
千砂都「…勝負しよう。すみれちゃん―――」
すみれ「…」
すみれ(『信じてたから』…)
すみれ「…」キュッ
すみれ「残りの道は殆ど平坦だけど1km弱あるのよ? こんなとこで立ち止まって残り走れるの?」
千砂都「もちろん! すみれちゃんには負けないよ」
すみれ「っ!! 」
すみれ(貴女のことは分からない)
すみれ(どうしてダンスが上手くて、可可のことを理解出来て、部長もやってる貴女が…)
すみれ(こんな私との決着を望んでいるの?)
すみれ(去年だって勝ったのは貴女じゃない)
すみれ(今年だって、牙の抜けた私なんかじゃ貴女に勝てるわけないでしょ?)
すみれ(夏美あたりと争うなら分かるのよ…。なんで私なのよ…!!)
すみれ(分からない)
すみれ(だけど私のことを信じてくれる貴女のことなら…)
すみれ(私も信じられるから)
すみれ「私だって負けない…!!」
すみれ「景色に見惚れてここで立ち止まってたこと、絶対に後悔させてやるわ!!!」
すみれ「ギャァァラクシイイィィィィィィッッッッ!!!!」🏃ダダダダダダダッ
千砂都「マッルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!!!!」🏃ダダダダダダダッ
悠奈「残り500m…! マラソン大会なのにこのスピードは…」
摩央「『心臓破りの坂』を抜けてスプリント勝負に入ったわね。もう2人とも体力は限界…!」
摩央「残りは気力の勝負よ…!!」
すみれ(千砂都!去年の雪辱は晴らしてやるわ!)
千砂都(今年も勝つのは私だよ!すみれちゃん!)
すみれ・千砂都「絶対負けない!勝つんだ!!」💥バチバチィッ コンセプトが最高すぎる
かのん留学前に不安になるちぃ
良くも悪くも丸くなってしまったしゅみれ
Kawaii とか百合ばかり話題になるけどラ!の良さは熱いとこなんだよな
すみれ(かのんが私のことを分かってくれる。恋が私の背中を押してくれる――)
すみれ(後輩たちが私の刺激になってくれる。サニパが来てるから気も抜けない――)
すみれ(大好きな可可が私を信じてくれる――嬉しいけど今は心にしまっておこう。だって…)
すみれ(千砂都が私を信じてくれるから)
すみれ(今は貴女のことだけ考えて走る)
すみれ(千砂都、千砂都、嵐千砂都…!!)
すみれ(ダンスの得意な明るい子。純真で爛漫で真っ直ぐに頑張る貴女には憧れる)
すみれ(だけどかのん一筋で見えなくなっちゃうところもある。不安になる日もきっとあるのよね)
すみれ(貴女のことは好きだけど恋人ではないわね。だって私は可可が、貴女はかのんが好きなんだもの)
すみれ(だから私と貴女は仲間で、親友で――――――――――)
すみれ(これまでも、今も、これからも、貴女は私のライバルよ)
すみれ「ギャァァラクシイイィィィィィィッッッッ!!!!」🏃ダダダダダダダッ
千砂都「マッルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!!!!」🏃ダダダダダダダッ
千砂都(どんどん近付くゴールライン)
千砂都(体は痛いし呼吸も碌に出来ないしキツい。とっくに限界は超えてると思う)
千砂都(早くあのテープを超えて倒れてしまいたい…)
千砂都(…だけど、この時がもう少し続けばいいとも思う)
千砂都(大好きなかのんちゃんと一緒にいる時以外でこんな感情になるなんて)
千砂都(可可ちゃんといる時とは違う。恋ちゃんといる時とも違う)
千砂都(すみれちゃんに持っているこの感情は―――)
悠奈「第2回結ヶ丘女子高校マラソン大会! 今…決着ーーーーーー!!!」
悠奈「勝ったのは――――――――――――――――――――――――――」
epilogue
すみれ「……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
千砂都「大丈夫? 起き上がれる?」
すみれ「無理…」
千砂都「少しくらい歩いてクールダウンしてから休憩しないと。後で部活出られないよ?」
すみれ「無理に決まってんでしょ! 今日は休みったら休み! もしくはミーティング!」
千砂都「え〜〜? 私はやる気なんだけど」
すみれ「……何よ、余力残してるってワケ?」
千砂都「…残ってないよ。ただ、悔しいからすぐにでもまた運動したいなってだけ」
千砂都「気力の問題だよ」
すみれ「私は気力も残ってないわよ! ガッツポーズすら取れないくらいにはね…」
すみれ「だけど嬉しい。……こんな授業の一環のマラソン大会でも、1位を取ったら嬉しいものね…」
千砂都「…じゃあ倒れてるついでに聞いてってね? はい、お茶」
すみれ「ありがと」ゴクゴク
千砂都「さっきのすみれちゃんに嫉妬してるって話、続きがあるんだ」
すみれ「へっ!? まだ私に何かあるの?」
千砂都「たくさんあるよ〜! かのんちゃん関係が殆どだけど…それは良くないけどいいとして」ヒョイッ
千砂都「すみれちゃんが入部しに来た日さ、私のステップ真似してもらったでしょ?」
すみれ「あー…あったわね、そんなこと」
千砂都「あれ結構ショックだったんだよね。素人には出来ないと思ってたのにすんなり出来ちゃって」
すみれ「そこ!?」
千砂都「せっかくやる気出したかのんちゃんの部活にワケの分からない無駄に実力ある人が入ってきたなぁ〜って思ってた」
すみれ「結構辛辣なこと思ってたのね!?」
千砂都「その後かのんちゃんと『何か』があって正式に入部することになったよね?」
千砂都「『何か』ってなんなのかな? グソクムシの歌と関係あるよね?」ズイッ
すみれ「えっ」
すみれ(かのんを拉致監禁したことはあのド軽口かのんでも流石に言ってないハズ…)ドキドキ
すみれ(それに…💭かのん「奪いに来てよ✨✨!」…)
すみれ「…」ポッ
千砂都「やっぱりすみれちゃんってちょっとグソクムシなとこあるよね」ムスッ
すみれ「違うったら違う―! やましいとこなんて何もないのよ! 今は!」
すみれ「今はかのんより可可のこと好きだから…///」
千砂都「…ならいいんだけど」
千砂都「まぁとにかく、すみれちゃんは私にないものがたくさんあるから嫉妬しちゃうんだよ」
すみれ「かのんのことはいいとか言いながら半分はかのんのことだったじゃない…💦」
すみれ「…」
すみれ「アンタにないものを私が持ってるなんて当然でしょ。私だってアンタに憧れるとこがあるわよ」
すみれ「真っ直ぐ一途なこととか…部長を任されるだけの知識と信頼があるのも羨ましい」
すみれ「可可の気持ちだって理解出来るみたいだしね…」ムスッ
千砂都「すみれちゃん…」
千砂都「そうやって私のことも上手に褒めてくるのズルいよ、もう…」ポツリ
すみれ「…何か言った?」
千砂都「なんでもない!」
千砂都「そんな感じで、一方的にすみれちゃんにライバル意識を持ってたんだ」
千砂都「…去年の大会のこととか抜きにしてもすみれちゃんにだけは負けたくないって思ってた」
千砂都「負けちゃったけど…今日はとっても満足できる戦いだったよ」✊グッ
すみれ「千砂都…」
すみれ「私も、貴女と戦えて嬉しかったわ。貴女のことはライバルだと思ってるもの」✊グッ
千砂都「本当!? すみれちゃんにそう思ってもらえるなんて嬉しいなぁ〜」ニコニコ
すみれ「…」
すみれ「ねぇ千砂都、逆に今日の私はどうだった?」
すみれ「去年の私と比べて…迫力というかなんというか、ギラギラしてたかしら?」
すみれ「去年の私はガムシャラだった。センターを取ろうと躍起になってたと思うの」
すみれ「今日の夏美がちょうどそんな感じで…今の私は牙が抜けてるのかなって思ってたのよ」
千砂都「…なるほど」
千砂都「確かに今のすみれちゃんは去年ほどガツガツいかなくなってるよね」
千砂都「部長としては今年の『すみれ先輩』の姿はマルだと思うよ」
千砂都「今年Liella!が優勝出来たのはすみれちゃんのフォローのお陰だと思う」
すみれ「そう…。だったらやっぱり私は」
千砂都「だけど、ちゃんと牙はあったじゃない。今日戦った私が一番それを感じたよ」
すみれ「!!」
千砂都「少なくとも最後のスプリントでのすみれちゃんは闘志むき出しだったと思う」
千砂都「去年以来の圧力だった。東京予選の時以上に存在感のあるすみれちゃんだったよ」
千砂都「牙は秘めてるだけでちゃんとあった。あの日の輝きは忘れてなかったよ」
すみれ「千砂都…!」
千砂都「かのんちゃんが抜けた後のセンター争いだってするつもりなんでしょ?」
すみれ「……もちろんよ」
すみれ「期待に応えること、1番になること、誰より輝くこと…私の原風景を思い出せたもの」
すみれ「後輩たちにも恋にも可可にも負けない。新1年生にウィーンみたいなのが来ても明け渡す気はないわ」
すみれ「貴女にもね」✊グッ
千砂都「…うん! 今度は私が奪いに行く番だね!」
すみれ「…」
すみれ「ただ…一つだけ思うところはあるのよね」
千砂都「???」
きな子・夏美「すぅ…すぅ…」💤
四季「…まぁ、やっぱりこうなるよね」
メイ「みんな全力で走ったわけだしな…」
四季「すみれ先輩1位、千砂都先輩2位。夏美ちゃんが大健闘で3位…恋先輩も4位」
四季「かのん先輩、可可先輩、きな子ちゃんも30位以内に入ってるしウチの部は本当に凄い成績だね」
メイ「私も走っとけば良かったかな?」
四季「自主練になっちゃったけど…部活で全力出すんでしょ? 私も付き合うからいつもよりHardに行こう」
メイ「そうだよな!」
メイ「だから…先輩たちもゆっくり休みな」
かのん・可可・すみれ・千砂都・恋「すぅ…すぅ…」💤
すみれ(これはきっと、全力を尽くしてしまい部活の時間だっていうのに眠ってしまった私の夢――)
可可「可可たちは、かのんが留学した後のLiella!のセンターを決めないといけないデス」
恋「実力的にも今日の結果的にもすみれさんか千砂都さんが妥当でしょうか?」
夏美「頑張ってる後輩を据えるのもいいんじゃないですの〜?」
すみれ「みんな何か忘れてない? 私たちは9人から8人になるのよ」
千砂都「9人の時はかのんちゃんをセンターにして4-1-4のフォーメーションを組めたけど…」
四季「そっか。8人だと3-1-4とかになってバランス悪くなっちゃう…」ポンッ
メイ「となると…ダブルセンターがいいよな」
きな子「だったら最初は…」
すみれ(かのんがいなくなった後は私と千砂都のダブルセンターでいく。そんな未来もあるかもしれない――)
完
面白かった!進級による変化とか、後輩からの触発とか、ワイがスパスタ2期に求めてた要素が詰まってたと思う。 乙でした
ちさすみ、かのちぃ、クゥすみ、かのすみ、ちさクゥ、クーカー、なつれん、しきメイ
一つの物語でこれだけ見せられるのは見事と言わざるを得ない ひっさびさに純度高い熱いSSを読ませて頂きマシタ
こういうのもいいデスね 溢れ出るクゥちぃ愛を感じる
それはともかく感動した ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています