果林「本当に美里さんをいただこうとしたら、どうなるのかしら?」
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愛「映画、面白かったね!」
美里「うん!やっぱり一人でじっくり観るのもいいけど、見た後にこうやってお喋り出来るのがいいね」
果林「ええ、映画自体も面白かったですけど、私はヒロインのコーディネートが気になりましたね、ちょっと後で調べてみようかしら」
愛「カリン、目の付け所がプロだよねぇ~」
果林「もう、からかってるの?」 美里「私も果林ちゃんがそういう所まで見てるのは流石だな、って思うよ?」
果林「そうですか?そんな風に言ってもらえるのは素直に嬉しいです」
愛「え~愛さんの時と態度違い過ぎない?」
果林「あなたにはたくさん前科があるもの」
愛「カリンのイジワル!……ん?」
ポツッ……ポツッ
美里「あら…雨降ってきちゃったね、にわか雨だといいけど、どこか屋内に入っちゃおうか」
果林「そうですね、すぐそこのお店でいいんじゃないで……」 ゴロゴロ……ドーン!!
愛「きゃっ……!」ガシッ
果林「え、あ、愛?」
愛「うぇ、カ、カリンごめんなんでもない!忘れて!」
美里「……ふふっ、愛ちゃん昔から雷苦手だったよね、小さい時私の病室のベッドに潜ってきたりした事もあったっけ」
愛「もーお姉ちゃん!カリンに余計な事言わないで!」
果林「あら、部室棟のヒーローに意外な弱点、ねぇ?ギャップがあって案外受けるんじゃない?」ニヤッ 愛「何その顔!カリンだってお姉ちゃんの前ではまだカッコつけてるけど、この前だってアタシとエマっちを寝ぼけて間違えたじゃん!」
果林「ちょ、ちょっと愛!」
愛「『うーん、エマ……まだ起きなくても平気よぉ』、ってどんだけ寝起き悪いのって感じ!」
果林「愛~!」
美里「果林ちゃんもそういう所あるんだねぇ、かわいらしくて良いと思うよ?……さ、本降りになる前にお店に入りましょう?」 (学生寮 果林の自室)
果林(あの後はにわか雨が止むまでお喋りしてその後解散したけど)
果林(美里さんの前で愛にあんな話をされたのは癪ね……私のことを目標、って言ってくれた以上、もっとしっかりした私を見せ続けたかったのだけど)
果林(……なんだか無性に愛に仕返しをしたくなってきたわ)
果林(そういえば、愛とユニットを組むのを決めたあの時……) ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
果林「だったら、私が代わりにステージに立ってあげる。愛のファンだってごっそりいただくわ」
果林「きっと美里さんも私に魅了されて、ファンになっちゃうわね」
愛「……ッ!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
果林「……」
果林「本当に美里さんをいただこうとしたら、どうなるのかしら?」 ー数日後ー
美里「果林ちゃん!お待たせ!」
果林「いえいえ、待ってないですよ」
美里「二人で出かけるのは初めてだね、でも果林ちゃんから誘ってくれるなんて」
果林「一回二人っきりで色々回ってみたかったんですよ、さっそく行きましょう」
果林(その日は二人でショッピングをメインにお店を回って楽しく過ごした)
果林(今回の記念にする揃いのイヤリングをどれにしようか悩んだ末にお店を出ると、もう日も落ちてしまっていて)
果林「もうこんな時間ですね、今日はここでお開きにしますか?」
美里「……果林ちゃん、せっかくだから一緒にご飯食べてから帰らない?果林ちゃんから聞きたいお話がたくさんあるの!」 (学生寮 果林の自室)
果林(ふぅ、素直に楽しかった……年上の方と二人っきりで遊ぶのも新鮮だったし)
果林「……さて」
果林「美里さんと出かけた事は隠したまま、同好会のグループチャットにイヤリングの写真だけアップして明日の練習の時に直接愛をけしかけましょ」
果林「『今日新しく買ったイヤリング、中々良いでしょう?』っと……」 (虹ヶ咲学園 屋外)
果林(さて、今日もスクールアイドルフェスティバルに向けてユニット別練習、愛は……もう来てるわね)
愛「あ、カリン……おはよ」
果林「おはよう。さ、とりあえず柔軟からね」
果林「うーん……」ノビー
愛「……グループチャット見たよ?カリンさ、昨日お姉ちゃんと出かけたんでしょ、楽しかった?」
果林「え」 果林(……なんでもう知ってるの?)
愛「お姉ちゃんからイヤリングの写真送られてきてさ」
果林(あぁー……そう来たのね)
果林「あら、美里さんが……もちろん楽しかったわよ?一緒に似合うのを探したりして」
愛「結局そのままお揃いのにしたんだ」 果林「ええ、そうね。今度会う時はお互い付けましょう、って事にしたわ」
愛「……そうなんだ」
果林「……」
愛「……」
果林「……」
果林(明らかに)
果林(……覇気が無さすぎる……) 果林(いや、いくら何でも効き過ぎじゃない!?いつもならここはもっと突っかかってくる所でしょ!)
果林(ちょっと予想外の反応ね……とりあえず、空気を変えてみましょう)
果林「……そろそろランニング行かない?」
愛「……うん、そうだね」
果林「……」
果林(なんて頼りない背中なのよ) 果林「はっ……はっ……」
愛「……」
果林(……元気なさそうでも流石、全然息を切らさない。体力面ではまだまだ愛には追い付けないわね)
果林(……ん?)
果林「……愛!ランニングコース外れてるわよ!!」
愛「へっ?……おおっと」フラッ
果林「愛!!」ガシッ 果林「……愛、その、今日大丈夫?というか」
愛「だ、大丈夫だって!いつも通り、平気、へいき……うーん……」
愛「へいき……へ……」
愛「……」
果林(何かを捻りだそうとしてるのに、言葉に詰まってる……まさか愛……)
果林(ダジャレも言えなくなったの……!?) 果林「ごめんなさい、やっぱりちょっといいかしら、私あなたに」
愛「カリンが気にする事じゃないから!そ、そういえば今日バスケ部が人足りてないって聞いてたしちょっと行ってこようかなぁー!」ビューン
果林「……行ってしまったわ」 (同好会部室)
侑「あ、果林さんお疲れ!愛ちゃんは?」
果林「こっちはもうお開きよ、愛はバスケ部の助っ人に行ったわ……今日ここはQU4RTZの打ち合わせだったわね」
エマ「果林ちゃん、もしかして何かあった?」
果林「……そんなにわかりやすい顔してたかしら」
かすみ「それもそうですけど、りな子が今日の愛先輩元気無さそうって言ってたんですよ?」 璃奈「同好会の前にあったけど、ダジャレに勢いがなかった」
璃奈「璃奈ちゃんボード「愛さん」、『調子が悪そう?……そんなことないよ、むしろ超仕上がってる……うーん?』」
侑「ぷっ……くっはははははっは!!」
彼方「侑ちゃんにはいつも通りウケてるみたいだけどねぇ」
かすみ「侑先輩じゃ参考にならないですよ!確かにクォリティはいつも通りな気がしますけど」 果林「私と話している時はダジャレすらも出てこない感じだったわ……」
かすみ「え、じゃあやっぱり果林先輩に原因あるんじゃないですか?」
果林「うっ……」
彼方「はっきり言うねぇかすみちゃん、とはいえ、この反応は図星みたいだけど」
エマ「果林ちゃん、相談乗るよ?」
果林「昨日、グループチャットにイヤリングの写真上げたでしょ?実は……」 ………………
かすみ「大人げないですねぇ果林先輩も」
果林「返す言葉もないわ……愛に謝ってくる」
璃奈「果林さん、待って」
果林「璃奈ちゃん?」
璃奈「私はいつも、果林さんのこと振る舞いも大人で素敵だなって思ってる」
果林「……ありがとう、でもどうしてそんな急に?」
璃奈「美里さんに、しっかりしている所を見せたい、って言ってたから。改めて、私が普段思っている事を伝えたかった」 彼方「そうそう、果林ちゃんのいつもズバッと言ってくれる所、根がしっかり者じゃないと出来たものじゃないよ?」
彼方「たまーに隙を見せてくれる果林ちゃんも彼方ちゃんはかわいいって思うけどねー」
果林「彼方まで……」
かすみ「果林先輩、ふとした隙を見せた時にカワイイ、って言われるのは、逆に言えば普段は充分以上にクールでカッコイイを貫けているって事です!」
かすみ「ちょっと悔しいですけど……これはスクールアイドルの大先輩かすみんが言うんだから間違いなしですよ!」
果林「みんな……私はまた、一人でムキになっていただけなのかもね……」 侑「ムキになってるのは、果林さんだけじゃないかも」
侑「普段の愛ちゃんなら、むしろ果林さんにぶつかってでも話し合いそうだもん、でも無理してでも遠ざけようとするなんて」
エマ「もしかしたら、何か他にも訳があるのかも……でも、愛ちゃんが遠ざかるなら、果林ちゃんから話しに行くしかない、そうだよね?」
果林「もちろん、探し出してでも捕まえるわ……行ってくる!」
「「「「「いってらっしゃい!」」」」」 (学園内の外れ)
果林「……見つけた、こんな所にいるなんて、バスケ部の助っ人って言うのも本当だったのかしら」
愛「カリン……」
果林「愛、ごめんなさい、私が子供だったわ」
果林「これ見よがしに美里さんと仲良くなったように見せるなんて」
愛「……」
果林「でもね、それだけじゃないの、実は」 愛「違うよカリン、アタシが悪いの!子供だったのは愛さんの方!」
果林「愛……?」
愛「お姉ちゃんとカリンが仲良くしてくれてるのはアタシ、すごく嬉しいの!でも」
果林「……でも?」
愛「その……二人が仲良くしてるのは嬉しいのに、その場にアタシが居ないのが、なんか……寂しくて」
愛「愛さん別に居なくても良いのかな、お姉ちゃんはいっそアタシがいない方が伸び伸びしてるのかなって」 愛「お姉ちゃんだけじゃない、カリンとだって」
愛「アタシを奮い立たせてくれた、ユニット組んでくれた、すっごく良いライブが出来た、これからもっともっと仲良くなりたいって思ってるのに」
愛「なんか、気持ちの整理つかずに勝手にカリンと顔合わせるの気まずくなっちゃって」
愛「ほんと、子供みたいだよね……」
果林「愛、こっち向いて」
愛「え?」
果林「私さっき、それだけじゃないって言ったでしょ、ほら」 愛「これ……同じイヤリング……?」
果林「美里さんには、私から愛に渡して驚かせたいって言ってたの、隠しててごめんなさい」
果林「……出かけた帰りにね、美里さんがたくさんお話したいから一緒にご飯食べに行こう、って誘ってくれて」
果林「それでどんな話したと思う?……あなたが同好会でどんな様子なのかって、すっごく聞かれたわ」
果林「美里さん、最近の事は愛ちゃん自身からしか聞いてないし、愛ちゃんがいる場だとちょっと聞きにくいからって私に質問攻めだったのよ?」 果林「正直、この時点であなたには敵わないわ、って思ってしまったもの」
愛「お姉ちゃん……」
果林「このイヤリングを選んでいる時もそう、お互い最初は何にも言っていなかったのに、美里さんが、これ愛ちゃんにぴったりじゃない?って」
果林「……この時に気が付いたの。私自身も、無意識の内に美里さんと、そしてあなたにも似合うものを探してたって」 果林「私たち、もうみんなお互いの弱いところも見せ合ったり、お互いの事を考えたり話したりして笑い合ってるのよ。それって、もう親友同士ってことじゃないかしら?」
果林「だから愛……二人で、三人で、これからもよろしく、ね?」
愛「……~~~ッカリーン!」ギューッ
果林「ちょ、ちょっと!」
愛「大好き!!!」
果林「……もう」 愛「……ねぇカリン、もうアタシにとって、多分カリンももう一人のお姉ちゃんなんだ」
果林「……」
愛「この前の、その、雷の時も無意識にカリンにしがみついちゃったりしてさ、心のどこかでとっくに頼りにしてるんだと思う」
愛「だから……これからも、頼りにさせて……カリンおね」
果林「ダメよ」 愛「カリン……?」
果林「そんな弱々しいあなたとユニットを組んだ覚えはないわ」
果林「頼りにしようとしがみ付いても……私はあなたを置いて行く」
愛「……」
果林「だから……追い越す勢いでついて来なさい」
果林「そうじゃないと、面白くないわ!」
愛「……うん!」 美里「愛ちゃん、やっぱりそのイヤリングとっても似合ってるよ」
愛「ありがと!さっきカリンにも言ってもらったんだ!」
果林「二人で選んだんだから似合って当然よ」
愛「この前お姉ちゃんとは一緒に服も見て回ったんでしょ?アタシとも行ってよカリン〜」ギューッ
果林「もう……愛ったら」 >>41
(ー数日後ー、って冒頭に入れるの忘れました) ガシッ
愛「およ?」
美里「愛ちゃん、私は愛ちゃんにどんなのが似合うかずっと前から分かってるよ?小さい頃からいつも見てきたんだから……」
美里「そうそう、このお店気になってたの、早速行きましょう?」
グイーッ
愛「お、お姉ちゃん……?そんな引っ張らなくてもー!」
果林(これは……おやおや?)
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