せつ菜「最後に観覧車に乗りませんか?」しずく「えっ?」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
しずく「観覧車ですか?」
せつ菜「はい!昼に見た時はまだ閉まっていたので……せっかく遊園地に来たのに乗らないのはもったいないです!」
しずく「嬉しいですけど、侑さん達がいる時に言わなくて良かったんですか?」
せつ菜「え?ああ、そうですね……」
しずく「思いつかなかったんですか?」
せつ菜「4人も楽しいですけど、観覧車は2人でゆっくり乗るイメージがあって……変、でしょうか」
しずく「いえ、わかります。デートの最後というか、ロマンチックなスポットですよね!」
せつ菜「そうなんです!楽しかった1日の終わりにゆっくり乗るものというか」 しずく「でもそれなら、なおさら私でよかったんですか?せつ菜さんは歩夢さんとも侑さんとも仲が良いのに」
せつ菜「良いんです!あ、でも……」
しずく「?」
せつ菜「しずくさんは、私と歩夢さんが2人で乗った方が嬉しいかもしれませんが……」
しずく「や、やめてください」
せつ菜「あれ、今さら照れるんですか?」
しずく「もうっ、観覧車乗るんですか?乗らないんですか?私帰っちゃいますよ!」
せつ菜「乗ります乗ります。怒らないでください」
しずく「なんだかせつ菜さんが意地悪です……」 せつ菜「ごめんなさい。でも一緒に乗ってくれるんですね」
しずく「せつ菜さんは門限とか平気なんですか?」
せつ菜「一応は…しずくさんも家は遠いでしょうから、早めに行きましょう」
しずく「はい、ちょっとワクワクしますね」
せつ菜「はい!嬉しいです。私…しずくさんと2人きりが良かったので」
しずく「え?」
せつ菜「さぁ、行きますよ!観覧車が私達を待っています!!」
しずく「あのせつ菜さん今…ま、待ってください!」 〜観覧車前〜
「お2人ですねー、1人850円になりまーす」
しずく「はい」
「……また高校生2人かぁ」ボソッ
せつ菜「?」
イッテラッシャイマセー
しずく「わぁ!景色が綺麗ですね」
せつ菜「これは、意外と高いですね……」
しずく「この辺りの夜景はやっぱり良いですね、見ているとうっとりしてしまうというか」
せつ菜「テンションが上がりますね!」 せつ菜「やっぱり侑さん達にはちょっと申し訳ないですね……」
しずく「どうでしょう、案外歩夢さん達も2人で乗ってたりして」
しずく「ところでせつ菜さん、さっきの…」
せつ菜「それにしても今日は色々驚きました!」
しずく「……!」
しずく「いや、あれはその」
せつ菜「しずくさんの子どもっぽいところも色々見れましたしね!」
しずく「え、あ……」
せつ菜「特にヒーローショーであんなに楽しんでくれるなんて、嬉しい誤算でした!」
しずく「印象に残ったのそこなんですね……」
しずく「……そういえば。お2人はヒーローショーを見に来たんでしたね?」 せつ菜「え!?あ、ああ、そうなんですよ!実は駅でばったり歩夢さんに…じゃなくて、その……」
しずく「申し訳ないんですが……ごめんなさい、流石にそれが言い訳なのはわかります」
せつ菜「うう…すみません歩夢さん……」
しずく「まあ、侑先輩が隠すから歩夢さんも不安になったんですよね」
せつ菜「……そういえば。結局理由を聞けませんでした」
しずく「何がですか?」
せつ菜「歩夢さん、今日はどうしてあんなに不安がっていたんでしょう?侑さんが出かけるだけなのに」
しずく「えっ」
せつ菜「え?」 せつ菜「まあ、侑さんも音楽科で大変そうですし」
しずく「……」
せつ菜「歩夢さんは優しいですから、出掛けて体調を崩すのが心配だったんでしょうか」
しずく「……」
せつ菜「しずくさん?」
しずく「いえ、ちょっと」
せつ菜「?」
しずく「……せつ菜さんであんな妄想をした罪悪感が押し寄せて」
しずく「……ちょっと頭撫でていいですか?」
せつ菜「なぜ!?私一応先輩なんですし立場が逆では」
しずく「いえ、似合ってます」ナデナデ
せつ菜「後輩が全然敬ってくれません……」 しずく「尊敬……」
しずく「尊敬してますよ、私。せつ菜さんのこと」
せつ菜「え?良いですよそんな、無理しなくても」
しずく「本当ですってば」
せつ菜「ぁ……あの」
しずく「せつ菜さん?」
せつ菜「2人きりになって、しずくさんに聞きたいことがあったんです」
しずく「なんでしょうか」
せつ菜「しずくさんは……私とユニット組むの、嫌じゃないんでしょうか?」
しずく「え?」 せつ菜「さっきの話は勢いで、実は困っていたりしませんか」
しずく「してませんよ?どうしてそうなるんですか」
せつ菜「その……私は集団行動には向いていませんから。それで前も散々迷惑をお掛けしましたし」
しずく「あ……」
せつ菜「……」
しずく「5人の時の話なら、せつ菜さんだけのせいじゃありませんよ」
せつ菜「でも。私が暴走すると目の前が見えなくなるのは本当です」
しずく「そんな、」 せつ菜「だから、かすみさん達がユニットを組んだ時は嬉しかったんです」
せつ菜「それぞれが好きなことを、好きなメンバーで出来る。安心しました」
せつ菜「でも私はユニットを組む気は無かったので。あんな風に上手く出来るかどうか…」
しずく「出来ますよ!」
せつ菜「……しずくさん」
しずく「さっきの演劇、すごく盛り上がって…楽しかったじゃないですか!」
しずく「私、嬉しかったんですよ。私の演劇の話も、妄想もちゃんと受け止めてくれて…真面目に考えてくれて……」 しずく「自分の大好きなことが拒絶されないって、結構すごい事なんです」
せつ菜「……!」
しずく「せつ菜さんはいつも、堂々とステージに立ってるでしょう?あんな風に勇気が持てたらって、私ずっと思ってたんですから」
しずく「だから、1人で不安にならないでください。私だって、ちょっとは……」
せつ菜「ふふっ。実は結構似ているのかもしれませんね、私達」
せつ菜「ありがとうございます、しずくさん」
しずく「私の思い、伝わりましたか?」
せつ菜「ええ、とっても。勇気が出ました…ユニット、よろしくお願いしますね!」
しずく「はい!」
せつ菜「ああ、でも……」 しずく「はい?」
せつ菜「尊敬しているという事なら、私もしずくさんには負けませんよ?」
せつ菜「しずくさんの自分の色々な顔を大事にするところ……私だって見習いたいです」
しずく「そうですか?」
せつ菜「よく周りを見ていることもそうですし」
せつ菜「あと、好きな事に熱中している時はとっても可愛いと思います!」
しずく「もう、急になんの話ですか……///」
せつ菜「嬉しいことを言われたので、お返しです」
しずく「む……」 せつ菜「そうやってムッとしてるところも可愛いです。私、あんまり見たことなかったですね」
しずく「そうですか?」
せつ菜「やっぱり、2人で話してみて良かったです」
しずく「そうですね……普段言えないことも言いやすい気がします。観覧車の中だからでしょうか」
せつ菜「……」
しずく「……」
せつ菜「もうすぐ下に着きますね」
しずく「そ、そうですね。意外と長かったような短かったような……」 せつ菜「ちょっと寂しいですね」
しずく「……せつ菜さん」
せつ菜「は、はい」
しずく「あの、私……」
せつ菜「……」
しずく「気づいた気がするんです」
せつ菜「はい」
しずく「なぜあんなに……せつ菜さんが攻めか受けかで迷ったのか」
せつ菜「……」
せつ菜「……はい?」 しずく「ですから、なぜあんなにせつ菜さんの」
せつ菜「真顔で言い直さないでください!」
しずく「もう、せつ菜さんったら……真面目に聞いてくださいね?」
せつ菜「あれ?私がおかしいんでしょうか」
しずく「せつ菜さんはずるいんです。かっこいい時と弱い時のギャップがありすぎて興……気になるんです」
せつ菜「いま何か」
しずく「とにかく!そんな風にされると、なんというか……」 しずく「ずっと見ていたくなっちゃいます」
せつ菜「それは、観察というか妄想の材料的な」
しずく「せつ菜さん?」
せつ菜「ごめんなさい」
しずく「観察とかではなくて…もっと近くで、隣がいいなって」
せつ菜「と、とな……」
しずく「隣というか。いっそこのくらい近くで」ギュッ
せつ菜「し、しずくさん!?なぜ今距離をつめ、顔が、かおが近いです……!!」 しずく「せつ菜さん」
せつ菜「な、なんでしょう!?」
しずく「こうやって向き合ってる今の私達って……」
しずく「外から見たら、キスしてるみたいですね」ボソッ
せつ菜「なっ、」
しずく「ふふっ、なーんて」
せつ菜「〜〜!!!」
しずく「ごめんなさい、でもそんなに真っ赤にならなくても……」
せつ菜「わ、私だって……!」
しずく「え?」 せつ菜「そうやってすぐ変わる態度はずるいと思います!」
せつ菜「私達、色々似てるから気になりますし…」
せつ菜「さっき励ましてくれたのだって嬉しかったから……だから」
しずく「だ、だから?」
せつ菜「き、キスに見えるだけで…良いんですか?」
しずく「!?……え、あの」
せつ菜「……」 しずく「せ、せつ菜さ……」
せつ菜「嫌だったら突き飛ばしてください」
しずく「……嫌じゃ、ないですよ」
しずく「むしろ嬉しいです」スッ
せつ菜「……!で、では」
しずく「……。……?」
せつ菜「……う、」プルプル
しずく「む、無理しなくても気持ちだけで嬉しいですよ……?」
せつ菜「いえ!この流れでそれは、流石に」
「お疲れ様でした、到着でーす!」
せつ菜「あ」 スタッフ「お忘れもののないように……」
せつ菜「ごめんなさいしずくさん、でも続きはまた今度」
しずく「──せつ菜さん」グイッ
せつ菜「へ」
しずく「……」チュッ
せつ菜「……!?」
スタッフ「!?」
しずく「ごめんなさい、つい……降りましょうか?」
せつ菜「ぁ……え、あ、ハイ……///」 しずく「帰りますよー」
せつ菜「あ、待ってください!」
しずく「顔真っ赤ですよ、せつ菜さん」
せつ菜「仕方ないじゃないですか……!」
しずく「……」
しずく「……///」
「……」
「もうやめよっかな、この仕事」 ーーー
ーー
侑「あ、しずくちゃーん!」
しずく「侑先輩!週末は付き合っていただいてありがとうございました」
侑「ううん、私も楽しかったしね!それで…どう、順調?」
しずく「はい、ユニットの練習もこれから……」
侑「あぁ、それもだけど。そうじゃなくて」
しずく「はい?」
侑「どう?あれから、あの妄想進んだ?」
しずく「なるほど、そっちの話でしたか」 侑「私ね、しずくちゃんに言われてから色々考えたんだけどさ」
しずく「なんでしょう?」
侑「意外と歩夢が迫るのもアリだと思うんだよね……!実はあの時はピンと来なかったんだけどさ、やっぱりそっち側のせつ菜ちゃんにも無限の可能性があると思って……!!」
しずく「……ふふ、侑さんもお目が高い」
侑「やっぱりこの前遊んだ後も色々捗ったんじゃないのかな〜?」
侑「なんせ妄想してた2人がいたもんね!」
しずく「"妄想"……まあ、そうですね」
侑「ん?」 しずく「いえ、侑先輩に相談に乗ってもらったのに申し訳ないんですけど……」
侑「?」
しずく「あの妄想、ちょっと変わるかもしれません」
侑「あれ、そうなの?」
しずく「実はもっと可愛かったんです」
侑「?」
しずく「そろそろ行かないと。練習、頑張ってきますね!」
侑「う、うん。頑張って……?」 歩夢「あ、しずくちゃんお疲れ様」
せつ菜「お疲れ様です!」
しずく「遅くなりました。さっそく練習始めましょうか」
歩夢「そういえば2人は演劇部と生徒会は大丈夫なの?」
せつ菜「この後は生徒会に顔を出しますが、それまでは全力で練習しますよ!」
歩夢「そっかぁ、でもせつ菜ちゃん、無理はしないでね?」
しずく「頑張っているところもかっこいいですけど、やり過ぎは心配です」
せつ菜「……!大丈夫です、気をつけます」
歩夢「あれ?」 〜練習後〜
せつ菜「それではお先に抜けますね」
歩夢「うん!」
しずく「せつ菜さん、せつ菜さん」コソッ
せつ菜「はい?」
しずく「……生徒会終わったら、連絡くださいね」
せつ菜「え、でも結構遅くなりますよ?」
しずく「まだもうちょっと一緒にいたいです……駄目ですか?」
せつ菜「そ、その言い方はずるいです……わかりました、待っててくださいね!また!」バタッ
しずく「一緒に帰ってくれるんだ……ふふっ」 ゆうぽむ2人になったとき、つまりしずせつか!? ってなったから支援 せつ菜「ふぅ……しずくさんは不意打ちが好きですね、まったく」
せつ菜「可愛すぎて困ります!お陰で慌てて出てきてしまいましたし……」
せつ菜「ただでさえ練習で遅くなってしまったというのに…」
栞子「お疲れ様です、会長」
せつ菜「あ、栞子さん。お疲れ様です」
せつ菜「さて……頑張りましょう、文化祭と私達のユニットに向けて!」 ユニット結成と同好会になる前の活動を気にするせつ菜が見たかったので良かった
このフォローができるのはしずくしかいない ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています