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今年度のちかわさ生産終了のお知らせ
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0001名無しで叶える物語(あら)垢版2022/03/25(金) 19:49:35.34ID:xql2qvWh
平素は格別のお引き立て頂き、厚くお礼を申し上げますのだ。
内浦のエマワトソンなのだ。

誠に勝手ながら、今年度のちかわさは本日をもって生産を終了させていただきますのだ。春休みなのだ。
ご迷惑をお掛けいたしますことを深くお詫びするのだ。お辞儀するのだ。

なお、本日から4月3日(日)までのご注文、お見積り、お問い合わせにつきましては、4月4日(月)より順次対応させていただきますのだ。
ご理解を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げますのだ。

来年度も変わらぬご愛顧のほど、伏してお願いいたしますのだ。

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有限会社 ちかわさ
取締役社長 高海千歌
〒410-0223 静岡県沼津市内浦三津19
TEL:055-943-xxxx FAX:055-941-xxxx
Email:从c*・ヮ・§@lovelive.com
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0725名無しで叶える物語(もんじゃ)垢版2022/09/26(月) 21:15:56.42ID:5o4PnC2E
やることは決まった
だが問題は場所だ
私の部屋で10人分の料理は物理的に作れない
ちかわさも何個必要か想像も付かない
十千万を借りるわけにも行かないだろう
何か会場でも借りるしか無いのだろうか

そう思っていたとき、タクシー乗り場に一台の車が滑り込んできた
ロールスロイス ファントムⅣ
われわれ市井の人間が気楽に乗ることが出来る車では無い
あ、きたきた
と女の子達が口々に言う

もしかしなくても、これがオハラグループの一人娘か
音も無く止まったロールスがこれまた音も無くドアを開き
中にいた少女がふわりと降りてくる
お付きの人が開けるのでは無いのだな、とどうでもいいことを考えてしまった
この子は私でも知っている
沼津にすんでいるなら知らないものはいないだろう
小原茉莉その人である
0729名無しで叶える物語(らっかせい)垢版2022/09/27(火) 21:08:19.28ID:7RTgB60d
漢字間違いは犯罪なのだ
0730名無しで叶える物語(もんじゃ)垢版2022/09/27(火) 21:54:39.01ID:OXmI1ONb
「おまたせ」
そういうと小原さんはすっと蒼い髪の女の子の横に並ぶ
「あー、鞠莉ちゃんおそいよ~」
「やっと味方が増えたよ~」
と高海さんもため息をつく
「どうしたの、っていうかこの構図は斬新ネ」
小原さんは私と高海さん、少女達の対峙に興味津々である

「ひどいんだよ鞠莉ちゃんきいてよ~」
切々とこれまでの流れを話す高海さん
ふむふむとうなずきながら話を聞く小原さん
「このおじさまが?千歌ちゃんのお相手だって?」
「ただの料理の先生なのにさ~」
「これは凄い誤解ネ」
「私も会ったことは無かったけど、おじさまの存在は千歌ちゃんから聞いてたわよ」
と、私と高海さんの付き合いの関係を肯定する

「おじさまがちかわさスムージーを作ったんですね。はじめまして」
「千歌ちゃんからお話は良く聞いてます」
そう言って挨拶をされたので、私も挨拶を返す
「で、みんながちかわさを知らなかったからこんな事になったわけ」
高海さんが話を締めくくる
「ふーん、ちかわさは超どマイナーな生産品だけど」
「地元の人間が知らないのは問題ネ」
形の良い唇に指を当てて小原さんは考え込む
0735名無しで叶える物語(らっかせい)垢版2022/09/29(木) 20:03:49.96ID:9WPE/v8r
ちかわさだよ~
0738名無しで叶える物語(もんじゃ)垢版2022/10/01(土) 19:13:46.69ID:Vk4+wnty
「ちかわさが実在する食べ物で、それを千歌ちゃんが料理できれば問題ないのよね」
「そうね、千歌ちゃんが料理するというのはまあ出来ることがわかれば」
蒼い髪の子がうなずく
「私が料理できることはそんなに軽いの!?」
高海さんが即座に突っ込む
「ちかわさって言うのがよくわからないけど、なんだか凄くおいしそうなのよね」
「ちかわさスムージーが涼しげで良いですね」
「私お鍋食べてみたーい!」
「ちかわさ天ぷらを食べてみたいずら」
「ちかわさのステーキって言うのがヘルシーっぽいわね」
「私は千歌ちゃんの作ったものなら何でも……」
「わたしだって!」

他の子達も次々に言う
なんだか二人ほど目的が違うような気がするが
しかし、作る場所がない
「だったら、私のホテルのレストランの終わった時間にキッチン貸してあげるわ」
『……貸すって、あの、ホテルオハラの!?』
私は思わずどもってしまった
そうそう気軽に私のような市井の人間が使えるレストランでは無いのは知っている
ましてやそこのを厨房を!?
『いや、さすがにそんな』
「いいのいいの、壊したりしなければ問題ないわよ」
そういうと小原さんはスマホを手に取り、どこかに電話を始めた

「あ、うん、私」
「あの、櫂なんだけどさ、週末のどこか人の少ない日ある?」
「……うん、うん、あのね、知り合いが郷土料理の発表会したいって言っててさ」
「営業終わったら朝まで貸し切りにして欲しいの」
え、いやちょっと、今決めてる?
あまりのスピード感に私は目がクラクラする
「……うん、あ、そこでいいよ、おねがい。無理言ってゴメンね。きれいに使うから」
「細かいことは帰ってから言うね、じゃ」
耳からスマホを離して、小原さんが言った
「再来週の土曜日の夜、確保したから」
「好きな料理作って良いわよ」
マジか……
0741名無しで叶える物語(もんじゃ)垢版2022/10/02(日) 20:16:39.57ID:gRdOwo2U
あっさりと場所が決まり
私も高海さんもしばし呆然とする
が、高海さんが我に返るのが早かった
「やったよおじさん!みんなに私の言ってることが本当だって証明できるよ!」
『うん、ああ……それはそうだけど』
私の頭も事実を認識して回転をはじめた

小原さんの申し出は凄くありがたいことで
私としても本場の厨房が使えると言うことはとても惹かれる
車好きがスーパーカーに乗れるというようなものだ
だが、問題点も同時にに浮かび上がってくる
一つは業務用の厨房の使い勝手の不慣れの問題
もう一つは、量の問題だ
私が作るメニューは多くてせいぜい3人前までだ
スープで5、6人前という例外はあるが基本個人制作の量に過ぎない
自分を含めて10人前という量は実質初めてといっていい

つまり、レシピも味付けの調味料の量やそもそもの素材の量が変わってしまう
それだけではない
煮込む時間、揚げる時間などが大きく変化する
へたをすると一からレシピを書き直す羽目になるだろう
高海さんは単純に大きな厨房が使えると喜んでいるのだが
割としゃれにならないピンチと言える状態だ
果たして2週間でものに出来るのか
いや、その前にそもそものメニューのコースを考えなければいけない
0743名無しで叶える物語(もんじゃ)垢版2022/10/03(月) 21:32:30.69ID:cq2nHcAI
結構なプレッシャーを感じながら小原さん、高海さんと次に会う日を決める
そこまでにコースメニュー、必要なちかわさの量、その他の材料などを考えないといけない
高海さんにはまだ問題点を話していない
変に重く受け止められて勢いが止まってしまうのも困るからだ
悩むのは大人の役目だ

小原さんのおかげでとりあえずその場は収まり流れ解散となったので
私は再び車を発進させる
淡島を横に見ながら当面のやることを考えた
とにもかくにも一度10人前というのを作ってみないと
困った部分もぼんやりとしかみえてこないと思う

材料も単に10倍とするのか
調味料も10倍か
さっぱりイメージがわかない
帰りがてら、ジャンボエンチョーで寸胴を購入する
炒め物などは自宅の器具でどうにでもなるが
汁物は一度に作る量も決まっているので必要と感じたのだ
0745名無しで叶える物語(らっかせい)垢版2022/10/04(火) 20:53:33.13ID:9sWxU4XN
ちかわさだよ~
0748名無しで叶える物語(SB-iPhone)垢版2022/10/06(木) 18:03:03.91ID:6YuCvR5h
腿の裏に超でかいできものができて座ってられない
発熱もしてる。切開してもらわねばならんのだ....
0755名無しで叶える物語(もんじゃ)垢版2022/10/09(日) 21:25:58.73ID:1a6RUFTF
家に戻ってから少し考え
この2週間は昼間の仕事は相当に手を抜くことにした
何があっても定時で上がる
ちかわさも4週間分に相当する量を高海さんに注文した
帰りのスーパーではぎょっとされるほどの食材を購入する
今週は私が悩み、コースを決め
来週は高海さんが手を動かす
そんな流れだ

まずは炒め物を作ってみる
まず10人分の量を作り下ごしらえをする
それだけで疲労困憊になる
一人前では感じられなかった負荷だ
例えば刻む、にしてもひたすらに手を高速で動かすのだ
私が時々食べに行く中華屋の親父達のタフさを思い知った
あの人たちはひょうひょうとしているが、すさまじい戦士なのだ

下ごしらえを1時間近くかけてしまい
そこからさらに炒める
単純なちかわさの炒め物ながら
一度にフライパンに載せられるのは二人分がせいぜいだ
そのくせ食材の塊は妙に重く感じる
3分程度ゆすり続けるのを5回は繰り返すわけだ
考えながら作っているので、その負荷にぞっとするが
これを耐えられないととても炒め物とはいえないものが出来てしまう
0757名無しで叶える物語(もんじゃ)垢版2022/10/10(月) 20:39:53.37ID:zmrZCZeP
たかが炒め物なのに
フライパンと野菜と肉、重量2キロも無いはずだ
なのに3回目で腕がパンパンになってくる
『うう……』
私は右手に変えてゆすり続ける
たった一品の半分でこれである
運動不足がここに効いてくるとは
なんとか10皿目を作り上げるが、
私はフライパンを取り落としそうになった

今更だか何かで毎日腕を鍛えておかないと非常にまずい
とりあえず2リットルのペットボトルに水を入れ
それを毎日100回ほど振ることにする
そしてこれは、随時高海さんにも伝えておかないといけない
私はLINEを立ち上げて高海さんとチャットをする
「ええ~、トレーニング~!?」
            『そうだよ、10人分作ってみてわかった』
            『今からやっとかないと腕が死ぬ』
「うん~、ずっと腕で持ち上げて振り続けないとだもんね」
            『早めにやっといた方が後が楽だから』
            『今日からでもやっておいてほしい』
「わかったー」
「それで、何作るかきまったの?」
            『いや、そこまで行ってない』
「そうかー」

そうなのだ
まだメニューを作るよりも、味を調えることをしなければいけない
今回は2人前×5回だったので、味としては悪くない
細かく分けられるならこうした方が味は破綻しなさそうだ
そもそも、高海さんもいるし、厨房も大きい
二人で分けて作れば負荷も減る
二人で同じ感覚の調味が出来ることが前提だが……
ほんの少しだけ糸口が見えた気がした
10人前のちかわさ炒めをどう処理するかは別の問題だ
0760名無しで叶える物語(もんじゃ)垢版2022/10/11(火) 21:25:59.82ID:edwAVNUZ
続いて天ぷらを10人前
ちかわさと他の野菜を食べやすいようにカットし
卵と天ぷら粉にまぶした上で揚げる
これも、種類を分けて用意することで、比較的楽に出来るが
できたてを10人同時に、とは上手くいかない
やはり高海さんと手分けで5人分ずつを分けて作るのが良いようだ

ステーキ10人前もやれないことは無い
大きめのちかわさを平べったく切り、脂を適度に吸わせて焼く
時間さえ計ってひっくり返せば誰でもうまい具合に焼ける
こちらは一人でもあまり気にしなくても良いような気がする
鉄板があればなお良いとは思った

鍋もその場で温める方式なら、材料を用意するのに時間がかかるだけで
食べるのは一斉であるから返って楽なのである
問題はスープだが
これは味付けをうまくやらねばならない
最初に出そうと思うのでこれが一番気を遣うかも知れない
だが私はこのとき、作ることに気を取られていて
一つ大事なことを忘れていたのだ
0762名無しで叶える物語(もんじゃ)垢版2022/10/12(水) 20:37:40.35ID:qBtIp5Yc
一気に4品目を片付けたことに気をよくした私は
コースを考えることにした
と言っても食べてみたいと言われたものでできるものを順番に並べるだけだ
ちかわさのサラダ
ちかわさ排骨湯
ちかわさの天ぷら
ぎうてぃきっす
ちかわさのステーキ
ちかわさ鍋
ちかわさスムージー

和風とも洋風とも言いがたい変なメニューだが
胸焼けをするほどでも無く
男達が集まって食うような豪快さは無い
だがちかわさの特徴である
油を吸う、他の味に染まりやすい
と言うのをわかりやすく体験できるのではと思う

見た目が華やか、かどうかはなんとも言えないが
そんなに野菜然とした精進料理とも違う
肉や魚も随時使っていく
女の子向けなので気持ち小さめに作るぐらいだろうか
0768名無しで叶える物語(もんじゃ)垢版2022/10/15(土) 19:58:39.20ID:xBuvZfmw
機械的に処理できるように今週はひたすらにちかわさのコースを作った
同じものを食べるのは飽きが来る、と思ったが
塩加減など微妙に違っているので味に差が出てしまう
一人で食べる分には良いのだが
10人分となるとできるだけ均一にしないといけない

ちかわさの選別も始めた
身が締まっているちかわさ
大きくぼけているが肉厚のちかわさ
(これはステーキに使える)
標準的なちかわさ

重さと皮の張り、大きさで分けていくが
大量のちかわさの中でより分けるスピード感は必要だ
一人頭10個分は使うから
予備も含めて120~130は用意しておきたい
当日振る舞う分は、3日ほど前に高海さんとより分けるつもりだ
0771名無しで叶える物語(もんじゃ)垢版2022/10/16(日) 19:12:54.47ID:zEJ7bxB+
朝から10人前のスープを3回、作り直している
塩の投入タイミングが全然違う
一度目は単純に塩を10倍の量を投入して塩辛くなってしまい破棄
二度目は味が薄すぎてわからないので塩を足していったら
最終的におかしな味になり破棄

三度目でさすがに近い味になったが
あらかじめ少ない水分から塩を足し
濃くなったら水を足す
無限の様に時間を投入して調整を繰り返し
ようやく達成したものだ

これは煮ている間の水分蒸発とか
具材の味のしみでかたなど
複雑な要素が絡んでいることがだんだんとわかってきて
大きな食堂やラーメン屋のスープの仕込みなどを調べ倒した
気がついたら夕食の時間だ

ここまでやって、二つの鍋で5人分(以前作った量とほぼ同じ)作れば良いんじゃね?
と気がついてがっくりと膝を折ってしまった
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