千歌「ロンバクいっくよ〜!!」エマ「わぁ、すご〜い!!」
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千歌「とぉりゃあ〜!!」バッダンッストンッ
エマ「はあぁ〜かっこい〜千歌ちゃん」パチパチパチ
千歌「へへっ♪ありがとー♪」
エマ「日本のアイドルはバク転が出来て一人前なんだよね」
千歌「そうなの?」
エマ「うん、わたしもアクロバットに憧れてるんだけどね」
エマ「よいしょ」コロン
エマ「あはは、わたしにはでんぐり返しがやっとみたいだよ〜」 千歌「そんな事ないよ、エマさんだって練習すればきっと出来るようになるって」
エマ「そうかな?やってみたい気持ちはあるけどなんだか難しそう」
千歌「難しくないよ、私も最初は全然出来なかったけどこうして出来るようになったんだから」
エマ「ふーん、それならわたしも練習してみようかなぁ」
エマ「ね、もう1回見せてくれないかな」
千歌「いーよーそれーっ!!」バッダンッストン
エマ「うーん……やっぱりかっこいいな〜」
ガラッ
絵里「あら、なにをしているの?」 千歌「あ、絵里さん」
エマ「今ね、千歌ちゃんにロンバクを見せてもらってたの」
絵里「ロンバク?体操の?」
エマ「そうそう、絵里ちゃんも出来る?」
絵里「どうかしら……千歌のやっている姿は何度か見た事はあるけど」
千歌「いや〜この技は私も相当練習したからね〜そう簡単に出来るもんじゃ」
絵里「えっと確か、こんな感じかしら」
絵里「─はっ!!」バッダンッストン
絵里「あら、出来たわぁ」
エマ「おぉ〜すごーい絵里ちゃんも出来るんだぁ」
千歌「そ、そんな……」ガーン 千歌「私は何度も失敗してやっと覚えたのに絵里さんは見ただけでいきなり成功するなんて……」
エマ「あらら?どうしたの千歌ちゃん」
千歌「いーのだ、どうせ私は普通怪獣なのだ」イジケ
絵里「あの……なんだかごめんなさいね、悪気はなかったのよ」
絵里「だけどこれは確かに簡単ではないわね。ロンダートとバク転、2つの動きを繋げてやるのだから」
千歌「絵里さんが言っても説得力ないよ〜」
絵里「だから悪かったって、いつまでいじけてるのよ」
エマ「千歌ちゃん、元気出して。怪獣なんてすごいじゃない」
千歌「─そ〜ぉ?怪獣すごい?」
エマ「うん、わたしまだ普通の女の子だもん」
エマ「だから、わたしも怪獣になれるように練習頑張るね」
千歌「エマさぁ〜ん……!!」パァァ
絵里「ほっ……なんとか元に戻ったわね」 実際の所絵里は出来なさそう
練習すれば出来るだろうけど 絵里はキレイな側転とブリッジから起き上がるやつみたいになりそう エマ「さっそくどんな風に練習すればいいか教えて」
千歌「いーい?こうやってバッと回ってダンッと飛んでストーンッて着地して〜」
エマ「え、えぇっと……?バッと?ダンッと?ストーン?」
絵里「千歌……そんな説明でわかる訳ないでしょ」
絵里「大体いきなり全部通して練習するのは無理があるわ、1つ1つの動きを練習しないと」
絵里「まずは準備運動からね、体をよくほぐしてからやらないとケガをするわ」
エマ「は〜い」
千歌「むぅ……また絵里さんに横取りされた〜」
絵里「千歌にはお手本として動きを見せてもらうから。頼りにしてるわよ、千歌先生」ポンッ
千歌「せ、先生……!!もぉ〜仕方ないなぁ〜」ニヤニヤ
エマ「千歌先生、絵里先生、よろしくお願いしま〜す」 絵里「体はほぐれたかしら?」
エマ「うん、いつでも準備OKだよ」
絵里「それじゃ、まずはロンダートの練習から始めましょうか」
絵里「千歌、ロンダートだけをやってみて」
千歌「よっと!!」バッストンッ
絵里「これは側転から派生した動きなの、着地の時に体が90度曲がってるでしょ」
絵里「途中でこう、体をひねって着地するのだけど……あなた側転出来る?」
エマ「えっと、こう……かな」ストンッ
絵里「うん、上手よ。そこから徐々に正面を向くよう意識してやってみて」
エマ「正面……正面……えいっ!!」グリンッストンッ
千歌「おぉっ!!ちょっとそれっぽくなったかも」
絵里「いいわね、その調子で続けてみましょう」
エマ「よーし、頑張るぞ〜!!」 下品な意味じゃなくてまじめにエマちゃんがやるにはいささか邪魔なものがあるのでは? エマ「それっ!!」バッグリンッストン
千歌「おぉっ!!今度は完璧なロンダートだ!!」
絵里「ハラショー!!エマは飲み込みがいいわね」
エマ「えへへ〜先生とモデルがいいんだよ〜」
絵里「よし、じゃあいよいよバク転をやるわよ 」
千歌「私の出番だね!!よーし」グッ
絵里「あ、千歌ちょっとストップ」
千歌「へっ?─あわわわっ!?」ズデン
エマ「わっ、千歌ちゃん大丈夫?」
千歌「痛たた……もぉ〜急に止めないでほしいのだ」
絵里「あなたが先走るからでしょう」
絵里「バク転を練習する前に、まずはブリッジを出来るようにならないとね」
エマ「ブリッジ?」
千歌「あ〜そう言えば私もブリッジの練習やったなぁ」
絵里「ブリッジはバク転の基となる大切な動きなの。さぁ、ブリッジをやってみて」
エマ「よ、よいしょ〜」グッ
エマ「はぁ……はぁ……これ……キツいかも〜」プルプル
絵里「そこは我慢よエマ、頑張って」
千歌「私も一緒にブリッジやるよ!!ふんっ!!」グッ
エマ「んんん〜!!も、もう……ダメ……」クタァ エマ「はぁ〜ブリッジって疲れるねぇ」
エマ「でも、なんだかちょっとバク転みたいなポーズのような」
絵里「そう、バク転は後ろに飛んだ後にブリッジをして着地をするからね」
絵里「いきなり踏み込んで飛ばずに後ろに倒れ込んでブリッジをして慣れるといいわね」
エマ「はぁい」
絵里「あとは手を付いた時にも体を支える為のバランスが必要なのよ」
絵里「千歌、倒立出来るかしら?」
千歌「そんなの軽い軽い、とぅっ!!」バッ
千歌「更にこのまま前に行っちゃうよ〜!!」ペタペタペタ
エマ「千歌ちゃんなんでも出来てすごーい」
エマ「わたしは倒立やった事ないんだよね」
絵里「それなら壁を使ってやりましょう、壁が支えになるから安全よ」
エマ「どれどれ、─ふんっ」トンッ
エマ「─あ、頭に血がのぼるぅ〜」クラクラ
絵里「あぁそこまでやらなくていいのよエマ」
千歌「私もクラクラのふらふらなのだ……」
絵里「千歌までっ!?いつまで倒立してるのよ!!」 えりちって勝手にバレエやってたと思い込んでたけど違ったっけ?それならバク転くらいできそう。 絵里「あまり根を詰め過ぎるのもよくないわね、今日はここまでにしましょう」
エマ「わかったぁ」
エマ「寮に戻ってからも少し練習したいな」
絵里「エマは熱心ね、部屋の中ならブリッジと壁倒立の練習くらいなら出来るかもね」
千歌「私家で練習してて美渡ねぇにぶつかった事あるから周りには気を付けてね」
エマ「うん、迷惑かけないようにやってみる」
エマ「千歌ちゃん、絵里ちゃん、今日はありがとね」
千歌「これからも一緒に頑張ろーねー!!」
絵里「無理はしないようにね、エマ」
寮 エマの部屋
エマ「寝る前に少しだけ練習しよっかな」
エマ「よっ」グッ
エマ「ふぅふぅ……あぁ〜」プルプル
エマ「少しづつ……ブリッジの感覚が掴めてきたかな、はぁ〜」クタァ
エマ「倒立は……壁に、そっと……」トンッ
エマ「バランスを意識して……」ユラユラ
エマ「あ、さっきより楽に出来るようになったかも」
エマ「この感じ、忘れないようにしないと」 次の日
エマ「ねぇねぇ見て〜わたし倒立出来るようになったよ〜」シュタッ
千歌「おぉ〜すごいすごい、それじゃそのまま進め〜!!」
エマ「よ、よーし……!!」ペタ…ペタ…
絵里「さ、2人共今日も練習を─って」
エマ「わ、わわわ……きゃっ!!」バタンッ
絵里「痛っ!!」ガツンッ
千歌「あっ、絵里さん」
絵里「な、なによいきなり〜」ナミダメ
エマ「痛たた……ごめん絵里ちゃん、大丈夫?」
千歌「エマさんに倒立歩きは早かったか〜」
絵里「それで私に倒れて来たのね……危ない真似はしちゃダメよ」
絵里「ブリッジの方はどうかしら」
エマ「ほっ─どうかな?」グッ
絵里「なるほど、悪くないわ。倒立とブリッジが出来るようになったなら最後のステップに進めるかしらね」
絵里「今日は踏み込んで後ろに飛ぶ練習をするわよ!!」 絵里「まずはおさらいね、千歌」
千歌「とりゃっ!!」バッダンッストン
エマ「何回見てもかっこいいな〜」
千歌「でへへ、照れるのだ」
絵里「もう1度言うけれどバク転はブリッジと倒立の組み合わせ」
絵里「腕の振りを大きく、その勢いで体を後ろに引っぱるように」
エマ「ふむふむ」ブンブン
絵里「そのまま後ろに飛びブリッジ、手を付いたら地面を押して反動で着地」
エマ「そこが難しそうだね、後ろに飛ぶのちょっと怖いな」
絵里「そうね、だから最初はマットレスの上に倒れ込んでみましょう」
絵里「ここに用意したからやってみて」
エマ「そ、それっ!!」バッボフッ
エマ「お〜ふかふか〜これなら怖くないよ」
千歌「とーうっ!!エマさんもふかふかなのだ〜」ボフッスリスリスリ
エマ「あはは、くすぐったいよ〜」
絵里「なに遊んでるのよ……」 絵里「エマ、少しは慣れたかしら?」
エマ「そうだね、千歌ちゃんのおかげで怖い気持ちもなくなっちゃったよ」
千歌「そこが狙いだったんだよね〜」ドヤァ
絵里「本当かしら……ま、いいわ」
絵里「じゃ、今度は実際にバク転にチャレンジよ。私が補助をするから飛んでみなさい」
エマ「よ、よーし……えーいっ!!」バッ
絵里「それっ」グイッ
エマ「ふっ!!」ダンッストン
千歌「やったー!!エマさんバク転出来た〜!!」
エマ「え……?わたし、バク転出来たの?」
絵里「補助あり、だったけどね」
エマ「い、今の感覚忘れたくない!!絵里ちゃんもう1回!!」
絵里「えぇ!!まだまだいくわよ〜!!」
エマ「とりゃー!!」
千歌「いけ〜エマさ〜ん!!」 エマ「ほっ!!」バッ
絵里「えいっ」グイッ
エマ「やぁっ!!」ダンッストン
絵里「だんだん形になってきたわね、そろそろ私の補助もいらないかしらね」チラッ
絵里「─あら、もうこんな時間。そろそろ練習もおしまいにしましょうか」
エマ「先生!!わたしまだやれます!!」
絵里「いや、でももう帰らないと」
千歌「よく言った!!地獄のバク転ノック1000本追加なのだ!!」
絵里「千歌までなに言ってるのよ!!もう終わりよ!!」
エマ「でもわたし、本当にもっと練習したくて」
絵里「─そうね、それなら家に帰ってからバランスボールを使って練習しなさい」
絵里「ボールの転がりが補助代わりになるわ、ただしくれぐれもケガには注意ね」
エマ「ありがとう絵里ちゃん!!」
千歌「地獄のバク転1000本ノックは〜?」
絵里「それは却下よ」
千歌「ちぇ〜」
エマ「ボールの上を転がる感じ、かな」ゴロン ストン
エマ「わぁ、これなら確かに補助無しでも練習出来る♪」
エマ「よーし、地獄の……とまではいかないけどバク転の練習しよう!!」メラメラ 次の日
絵里「今日はエマ、突っ込んで来ないわよね……」ソーッ
絵里「─あら?誰もいない。おかしいわね……」ピロンッ
絵里「ん?メール?千歌からだわ」
絵里「なになに……『今すぐ砂浜へ来られたし』……砂浜?」
絵里「なに企んでいるのかしら、まったく」
砂浜
絵里「千歌、エマまで。こんな所に呼び出してなんなのよ一体」
千歌「ふっふっふ……やっと来たね絵里さん」
エマ「ごめんね絵里ちゃん、千歌ちゃんがどうしてもここでって言うから」
絵里「ここでなにをするって言うのよ」
千歌「それはね……─エマさん」
エマ「うん、見ててね。絵里ちゃん」
絵里「え?」
エマ「すぅ……はぁ〜」
エマ「ロンバクいっくよー!!」
エマ「えーいっ!!」バッダンッストン
千歌「よしっ!!大成功!!」
エマ「やったー!!キメッ!!」シャキーン
絵里「え……?えぇ〜!?」 千歌「あはっ、絵里さん驚いてる〜」
エマ「びっくりさせちゃったかな?」
絵里「そりゃびっくりするわよ……ロンダートとバク転は練習したけどロンバクを通してはまだ練習してないんだから─ん?」
絵里「エマ、その傷どうしたの?」
エマ「えへへ、早くロンバク覚えたくて千歌ちゃんに地獄のバク転1000本ノックに付き合ってもらったの」
絵里「えぇ?あなた達だけでそんな事したの?」
千歌「実際には22回だったけどね、エマさんがどうしてもやりたいって聞かなくて」
エマ「砂浜は足が取られて大変だったよ〜」
エマ「だけど千歌ちゃんはこうして覚えたって言うからさ、わたしも真似したくなっちゃって」
絵里「もう……それで傷を作ってたら世話ないじゃないの」
千歌「努力の証、だもんね!!」
エマ「うん、絵里ちゃんと千歌ちゃんの気持ちの証」
絵里「エマ……」
エマ「─くちゅんっ!!」
千歌「エマさん大丈夫?朝から練習してたもんね─へくちっ!!」
絵里「─クスッ……ほらほらあなた達、だんだん寒くなってきたから帰るわよ」
エマ・千歌「「は〜い」」
絵里「あ、そうだエマ」
絵里「よく頑張ったわね、成功おめでとう」
エマ「ふふふっ、ありがとう絵里ちゃん♪」ニコッ その後
千歌「とぉりゃ〜ムーンサルト!!」バックルクルストン
エマ「ムーンサルト〜!!」バックルクルストン
絵里「2人共すっかりアクロバットに夢中ね」
エマ「うん♪あれから千歌ちゃんと色々な技を練習して覚えたんだ」
千歌「いや〜厳しい修行の日々だった」
絵里「ふーん、ムーンサルト、ね」
千歌「へっ?ま、まさか絵里さん……」
絵里「─とうっ!!」バックルクルストン
絵里「ふふっ、意外と出来るものだわぁ」
千歌「そんなぁ〜!!やっぱり私は普通怪獣だぁ〜!!」
エマ「あははっ、今度3人でアクロバットダンスを取り入れたライブでもやろうか」
絵里「いいわね、私も負けないわよ」
千歌「うぅ〜私だって負けないのだ〜!!」 おまけ
エマ「ねぇねぇちょっと、これ見てよ」
絵里「なにこれ動画?街中を走って飛び回ってる」
千歌「建物の壁を蹴って登ってるよ、すごーい」
エマ「パルクールって言うんだって、かっこいいよね〜」
絵里「確かにかっこいいけど、街中をこんな風に動き回るのは危ないし他の人に迷惑なんじゃ」
千歌「いーじゃんパルクール!!私達もやってみよーよ!!」
絵里「えぇ……?本気で言ってるの?」
エマ「絵里ちゃんも壁を蹴って登れるよね?」
千歌「どーせ『あら、登れたわぁ』って言うんでしょ?」
絵里「いやいや、流石にやらないからね!?」 終わりです、最後まで読んでいただきありがとうございました。 面白かった!
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