かのん「可可ちゃんとぽかぽか冬じかん」
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かのん「可可ちゃん、おはよー…あれ?」
可可「おはよございます…」
かのん「どうしたの、具合悪いの?」
可可「寒い、寒いデス…」 かのん「寒い?上海と比べたらこっちの寒さは平気とか言ってなかったっけ」
可可「それが、日本の寒さに身体がすっかり慣れてしまったようで…」
かのん「んー、寒さに慣れたってことは、寒くないってことなのでは」
可可「かのん、さむーい。可可を抱きしめてあたためてクダサーイ」 かのん「しょうがないなぁ。じゃあ、おいで」
可可「では、失礼して…んん、とってもあったかデス♪」
かのん「可可ちゃん、最初からこれが目的だったんでしょ」
可可「はて、なんのことでしょう?」 かのん「正直に言わないならやめちゃうよ?」
可可「これが目的デシタ」
かのん「よろしい」
可可「仕方ないのです、日本の冬も寒いのですから」 かのん「そうそう、寒いんだから仕方ないよ」
可可「ぽかぽかになるまで、ぎゅっとしていてクダサイね?」
かのん「はいはい、遅刻しない程度にね」
可可「ふふっ、日本の冬って良いものデス!」 ……………………………………
学校、自販機前
可可「うーむ…」
かのん「可可ちゃん?」
可可「あ、かのん!」
かのん「どうしたの、こんなところで。先に部室に行ったのかと思ってたよ」 可可「その前に、みんなの飲み物を買って行こうかと!」
かのん「ああ、エアコン無くて部室寒いもんね。いいアイデアだと思う!」
可可「ただ、ここで一つ問題が」
かのん「なになに?」 可可「それぞれの好きなものを買っていこうと思うのデスが、レンレンにはコンソメスープとイチゴミルクのどちらがいいでしょう」
かのん「極端な二択だね。ダージリンティーは?」
可可「あいにく、売っていないようで」
かのん「そっか。うーん、コンソメスープはあったかいけど小腹満たしって感じだし、かと言ってイチゴミルクは冷たい系だし」 可可「悩みどころデス、どうしたらいいでしょう」
かのん「んー、敢えてその二つ以外から選ぶっていうのは?」
可可「なるほど、一理あります。かのんなら何を選びますか?」
かのん「うーん、そうだねぇ。カフェオレかな」 可可「その心は?」
かのん「この機に乗じて、コーヒー派を増やそうかなーって」
可可「なかなかの抜け目なさ。しかし残念。レンレンと可可、ついでにすみれを入れた、我らお茶好き同盟の結束は鋼のように強固なのデス!」
かのん「さあ、どうかな?その結束、カフェオレの美味しさで突き崩してみせるよ!」 可可「受けて立ちマス!」
かのん「コーヒー派とお茶派、あったか〜いの王座をめぐる戦いの火蓋は」
可可「今、切られたのデス!」
かのん「ってことで、まず恋ちゃんはカフェオレね」
可可「は〜い♪」 かのん「じゃあ、次はちぃちゃん!」
可可「千砂都の好きなものと言えばコーラですが、冬場に冷たいコーラというのも、どうなのかなと」
かのん「ふっふっふっ、ちぃちゃんのコーラ好きを甘く見てもらっちゃ困るよ」
可可「と、言うと?」 かのん「子どもの頃から、ちぃちゃんは根っからのコーラ大好きっ子。季節外れや気まぐれはありえないってことだよ」
可可「おおっ。さすがは幼なじみ、すごい自信デス!」
かのん「ふふん、長い付き合いだからね」
可可「では、千砂都の飲み物は!」
かのん「うん、ちぃちゃんの飲み物は!」
かのん「普通にカフェオレにしよっか、寒いし」
可可「そうですね、寒いデスし。って、またさりげなくコーヒー派を増やそうとしマシタね?」 かのん「なんのことかなー」
可可「ううむ、中立である千砂都にまで調略の手を伸ばすとは」
かのん「せっかくだから、可可ちゃんもこっち側に転向しない?」
可可「なんの、まだまだ勝負は決したわけではありませんので!」 かのん「それは残念。コーヒー派はいつでもウェルカムなのに」
可可「それはこちらもご同様デス!さて、最後はすみれデスね」
かのん「すみれちゃんは緑茶好きだし、これは簡単だね」
可可「いえ、それが思った以上に難解でして」 かのん「どうして?コーヒーとお茶の派閥争いを抜きにしたって、メロン系は無いみたいだから、実質緑茶一択でしょ?」
可可「それだと面白みに欠けるかなと」
かのん「食べ物や飲み物に意外性を求めすぎると良いことないよ?」
可可「むぅ、卵かけご飯があれば迷わず選んだのデスが」 かのん「いやいや、自販機から卵かけご飯が出てきたら色々とダメでしょ」
可可「では、仕方がないので緑茶にします。仕方ないので」
かのん「ふふっ」
可可「ん?」 かのん「なんだかんだ言ってたけど、初めからそれを選ぶつもりだったんでしょ?」
可可「えっ」
かのん「変に回り道しなくてもいいのに、素直じゃないなぁ」
可可「ち、違いマス!これはたまたま、他に方法がなかったので止むを得ず!」 かのん「じゃあ、すみれちゃんもカフェオレにする?」
可可「うぐっ、そ、それは」
かのん「決まりがつかないようだし、この際、可可ちゃんもすみれちゃんもコーヒー派に仲間入りしてさ。みんなでお揃いにしちゃおうよ」
可可「ううっ、あれこれ考えていたのが裏目に出ました。形勢は不利、可可が最初からお茶を選んでいれば…」 かのん「なーんてね。実はね、私も今日はお茶が飲みたい気分なんだ。だから、可可ちゃんも好きなのを選びなよ」
可可「ふえっ?」
かのん「みんなにコーヒーを好きになってもらいたい気持ちは本当だけど、無理に押し付けるようなことしたら逆効果だもん。可可ちゃんが選びたいものを選ぶのが一番だと思うよ」
可可「か、かのん…!」 かのん「でも、この次はカフェオレを目一杯オススメさせてもらうから!」
可可「望むところデス、お互いの好きな飲み物を存分にアピールしあいましょう!」
かのん「ふふふっ。ってわけで、買うものも決まったことだし、早いところ買って部室に向かおっか」
可可「ハイ!みんなが可可たちを待っていマス!」 かのん「じゃあ、まずはカフェオレを一つ…あっ」
可可「どうしました?」
かのん「カフェオレ、今ので売り切れちゃった…」
可可「えっ、ということは…」
かのん「もう一回、決め直し…」
可可「ええーっ!?」
結局ほうじ茶とか買って行った。おしるこは争奪戦になった。 ……………………………………
かのんちゃんの部屋
かのん「あー」
可可「かのん、ぐでーっとしてどうしたのデス?」
かのん「こたつがあったかすぎるから、何もやる気が起きなーい」
可可「明日が期限の数学の課題をやるのではなかったのデスか?」 かのん「後にするー」
可可「そんなにだらけきっていては、ありあちゃんに怒られてしまいマスよ」
かのん「わかってるけどー、こたつがあったかすぎるんだもん」
可可「時間は有限、刻一刻と流れていきマス。その時その時にできることを、メリハリをつけながら精一杯取り組むことが、日々を輝かせて行くのデス」 かのん「あはは。今日の可可ちゃん、恋ちゃんみたい」
可可「レンレンがこの場にいたら、ジャパニーズ缶詰の刑ですよ?」
かのん「まあまあ。可可ちゃんもこっち来て、一緒にだらだらしようよー」
可可「しないデス。まずは課題を終えてから…」 かのん「そう言わずに、少し付き合ってよ。ほらほら、あったかいよー」
可可「むぅ。仕方ありません、少しだけデスよ」
かのん「おいでおいでー」
可可「では、失礼して…わっ、あったかですぅ…!」 ――――――――
数分後
可可「ふぁー、やる気が完全にロストしましたー」
かのん「どう?こたつのあたたかさに身を委ねた気分は」
可可「最高デス。身体も心もぽかぽかで、もうなんだっていいくらいですー」
かのん「だよねー。はー、あったまるぅ」 ありあ「お姉ちゃん、入るよー…って、ええっ?」
かのん「あー、ありあー」
可可「お邪魔してまぁす」
ありあ「な、なんなの。近年まれに見る、このだらーっとした感じは」 可可「かのんのがうつりマシたー」
かのん「最近忙しかったからさぁ。それに、何人たりとも、こたつの魔力に抗うことはできないんだよー」
ありあ「訳わかんないこと言ってないで、もうちょっとシャキッとしてよ、シャキッと」
かのん「ありあも、ほら、こっちにおいでー」
可可「あったかデスよー」 ありあ「行かない。私、宿題やんなきゃだし」
可可「まあまあ。そう言わずに、みんなであたたまりましょう」
かのん「そうそう、意地張ってないでおいでって」
ありあ「意地張ってなんかない、わっ、ちょ、やだ、やめ――」 ――――――――
ありあ「ああ、もう、だからやだって言ったのにー」
かのん「えへへ、そんな緩み切った顔で言っても説得力無いよー」
ありあ「だってあったかいんだもーん。冬と言えば、やっぱこれが無きゃだよねー」 可可「ぬくもりに包まれて、天にものぼる心地デスー」
かのん「わかるー」
くーかーありあ「ああ〜」
そして、ぐーたらは伝染する――
終わり 冬のかのくぅでした。
宣伝となり恐縮ですが、下記はかのくぅの過去作です。よろしければ併せてお願いします。
かのん「可可ちゃんと冬の始まり」
https://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1638012659/
ありがとうございました。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています