せつ菜「善子さん!原宿デートしましょう!!」善子「デ、デートぉ!?」
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せつ菜「はい!明日の朝10時に原宿駅前集合で!もちろん空いていますよね?」
善子「よ、予定は特にないけど……ってそういうことじゃなくて!デートっていったいどーゆー意味
せつ菜「では時間厳守でお願いします!遅れたら罰金ですからね〜!」
善子「あっ!」
せつ菜「〜♪」ピューッ!
善子「……」
善子(い、いったい何なのよ急に……?) 〜そして次の日〜
善子「はぁ……」
善子「……」チラチラ
善子(何よデートって。どんな格好して来ればいいのかわかんないじゃない。はぁ……)
クルクル
善子(うぅぅ〜!こんな格好で大丈夫よね?ちゃんと普通の、普通に女の子っぽくて可愛い感じのをママに選んでもらったのはいいんだけど……)ヒラヒラ
善子(うぅぅ、ヒラヒラしてて落ち着かない……いつものダボっとしたのにすれば良かったぁ〜!!)
ガヤガヤ
善子「……」
善子(あぁぁ〜、しかもリア充多いってばぁ〜!!こういうとこ苦手……)
善子「はぁ……やだぁ。帰りたい、辛い、いつもの服に戻りたい……」ズーン 善子「……」ソワソワ
善子(はぁぁ……東京って人、すっごく多い……当たり前っちゃ当たり前かもだけど)
善子「こんだけ周囲がガヤガヤしてると、まるで自分のこと噂されてるんじゃないかって妙に心配になるような……」
せつ菜「はぁ、はぁ……お待たせしました、善子さん!!」ゼェゼェ
善子「せつ菜!?遅いっ!」チラリ
せつ菜「す、すみません!!少しだけ遅刻してしまい……」
善子「!?」
せつ菜「す、すみません……」
善子「そ、それよりっ!あんたその服
せつ菜「え?服ですか?……あ、服と言えば善子さん!そのレースアップのワンピース、とってもよく似合ってます!」
善子「え、そう?」
せつ菜「はい!歩夢さんみたいですっごく可愛いです!!」
善子「可愛い……//あ、ありがと……//」
善子「……ってちっがーう!!」
せつ菜「……?」
善子「そういうことを求めてたんじゃないのよ!!服よ!!あんたの服!!どーしてこんなオシャレな街中でフルグラTなんて着てきてんのよ!!!」 せつ菜「あ、気づきました?これはですね!なんと!今大人気絶賛放送中の
善子「そういうことを聞いてるんじゃなーい!!よくそんなアニメキャラのイラストがおっきく書かれたTシャツをこんな街中で堂々と着てられるわねって意味!!」
せつ菜「堂々と??だって聖地巡礼だし当然じゃないですか?」
善子「はぁぁ!!?聖地!?」
せつ菜「あれ、言ってませんでしたっけ。今日の目的はアニメの聖地巡礼だって」
善子「言ってもないし聞いてもない!!」 せつ菜「そうですか、すみません。私の伝達不足で……」
善子「ほんとよ!変な言葉使われるから勘違いしちゃったじゃない!」
せつ菜「申し訳ないです……家に帰ったら反省ノートに赤太字でちゃんと書いておきます……」ガクッ
善子「あんたそんなものまで付けてるのね。別にそこまで重く考えてもらわなくてもいいけど」
せつ菜「うぅぅ〜……情けないです。勝手に一人で暴走して、つい一人で舞い上がって……一緒に行く人の気持ちなんて考えずに……」ションボリ
善子「……」
グサッ!
善子(うっ!な、なんか言葉が心に刺さる!いつもずら丸とかリリーとかに全くおんなじこと言われてる気がする!)
善子『ふっ、堕天の力を思い知るがいい!くらえ!堕天使流奥義!鳳凰封印瞬絶縛!!』がばっ!
ルビィ『ぴぎゃっ!?』
梨子『はいはい、そろそろ現実に戻ってこようね』
花丸『善子ちゃんはもうちょっと周囲の人を思いやる気持ちを大切にした方がいいと思うずら。お友達いなくなっちゃうよ』
善子「……」
せつ菜「……そうですよね。趣味に走って周りが見えなくなってしまうっていうのが、私、優木せつ菜の悪い癖なんです。いつも言われていますよね」
せつ菜「ごめんなさい、善子さん。独りよがりにご迷惑をおかけしてしまって」ペコリ
善子(あぁぁ〜!やめてぇ〜!遠回しな精神攻撃しないでぇ〜!!) せつ菜「すみません善子さん。ただ共通の趣味を持つ友人が欲しかったっていう、全部私のエゴなんです。私が知ってることは全てみんなも知っている……なんて都合のいい状況が、そう簡単にあるはずないんですよね。ごめんなさい、さっきの話は全部忘れて
善子「え?いや……少なくともせつ菜の言ってるそのアニメには多少心当たりがあるんだけど」
せつ菜「本当ですか!!?」バッ!
善子「んにゃぁ!?」
善子(近い近い近い近い!!あと胸が柔らかい!!ってか当たってる!!//)モニッ
善子「え、ええ。えっと、夏クールの……確かNHK系列で放送してる……」タジタジ
せつ菜「はい!!ラブライブ!スーパースター!!です!!ですよね!!やっぱりスクールアイドルなら見てて当然ですよね!!」
せつ菜「表参道と原宿と青山の狭間に位置する新設校、結ヶ丘女子高等学校!音楽家に落ちて普通科に入学することになった渋谷かのんちゃんがそこで仲間と出会いスクールアイドルに出会い!夢を追いかけていく物語!!」
せつ菜「やっぱり……やっぱり善子さんもチェックしているんですね!!私、すっごく嬉しいです!!」ペカーッ!
善子(こいつ、アニメの話題になるとめちゃくちゃ饒舌に喋るわね……) せつ菜「あぁ〜!私すっごく感動です!覇権覇権と言われているのは知ってはいたのですが……やっぱりスクールアイドルの人気はすごいんですね!ねっ、善子さん?」
善子「えっ?え、えぇ、まあ……私もその服の娘が澁谷かのんだってわかるくらいだし……ってかそんなイタTどこで手に入れたのよ」
せつ菜「あ、やっぱり気になりますか?実はですねー、優木せつ菜!ついにキャラTを買っちゃったんです!」
せつ菜「聞いて下さいよ善子さん!!私、常日頃から一目を忍んでオタ活をやっているんですが!……ついについに親に内緒でTシャツを買っちゃったんです!もういつ何を言われるかもわかんないんですけど!逸る気持ちを抑えきれなくって!」
善子「は、はぁ……」
せつ菜「くぅ〜!やっぱりいいですよね!こうやってアニメの関連商品を身に着けているのって!聖地巡礼にキターーって感じがします!!」
善子(なんでそうなんのよ。原宿の街はテーマパークじゃないんだし)
せつ菜「ねっ?善子さんもテンション上がりますよね!!?」
善子「い、いや別に……あと私はまだ聖地巡礼に付き合うって決めたわけじゃ……」
せつ菜「あ、見て下さい善子さん!あっち!Liella!のポスター貼ってありますよ!行きましょう!」テテッ!
善子「あ、こら待ちなさい!せつ菜!!」
ピューッ!
善子「はぁ……」
善子(もしかしてこれ、ヨハネにとって史上最大の苦難になる予感が……?) せつ菜「おぉ〜!!」
善子「……」テクテク
せつ菜「すごいですよ善子さん!あちらこちらにかのんちゃんたちのポスターが貼ってあります!!」パシャパシャ!!
善子「そうね」スタスタ
善子(よくポスター一枚でこんなにはしゃげるわね。ヨハネよりも年上の癖に)
せつ菜「うぅぅ〜!それだけLiella!が街のみなさんに愛されてるってことなんですね!!ね、善子さん?」クルッ!
善子「そうかもね」スタスタ
せつ菜「ふふふっ♪なんだかこっちまで誇らしくなってきます!」
善子(別にあんたとは何も関係ないじゃない。制作に関わってるわけでもないし……) せつ菜「……?善子さん?どうしてそんなにテンション低いんですか?」
善子「別に、普通よ普通。街中歩いてるだけでそんなテンション上がりはしないわ」
せつ菜「でもこんなにもいっぱいあるんですよ!Liella!ちゃん関連のポスターとかが!」
善子「そんなもんネットでいくらでも見れるわよ!しかももっと高画質のが」
せつ菜「だぁぁ〜!!違うんですよ善子さん!!なんかこう……そう、空気感が違うんです!!」
善子「……」
せつ菜「空気感が違うんです!!」
善子「声が聞こえなかったわけじゃない!」
せつ菜「今、ここ、この場所に!ただの普通の街中に!Liella!ちゃんのポスターがあるということ!それこそまさに、彼女たちがこの世界にいるって感じさせてくれるじゃないですか!!ねっ、善子さんならわかりますよね!!?この溢れ出るワクワク感が!!」
善子「いや全然むしろ一ミリもわかんないんだけど……」
善子(帰りたい恥ずかしい暑い暑苦しい……) 聖地巡礼じゃなくても沼津から東京だとテンション上がりそう せつ菜「あ、それに見て下さい善子さん!あそこ!ちょうど明治神宮の交差点のとこ!キービジュアルと全く同じ構図です!!」
せつ菜「くぅぅ〜!!カンゲキ!!やっぱりこれだけ作り込まれていただなんて!!」パシャパシャ!
善子「あ、ちょっとせつ菜!?あと写真撮りすぎよ!」
せつ菜「えっ、どうしてですか?私、別に悪いことは何もしていませんけど?」
善子「いや良いとか悪いとかじゃなくて
せつ菜「民法では所有権は『所有物の使用・収益・処分を自由に行うことが出来る権利』と定められています。写真を撮影すると言う行為は所有権を侵害しないというのが最近の凡例ですよ善子さん。それにこの地区は商業区域ですから、他人の私生活をみだりに公開するというプライバシー権の侵害にもあたらな
善子「ちっがーう!!人目を考えろ、TPOを考えろって言ってんのー!!じゃないと、ほら!!」
ガヤガヤ
善子「ほら、やっぱり変に注目される……」 善子「……」
『うっわ、なにあのTシャツ』『いわゆるオタクってやつじゃない?』
善子(あぁ、やっぱりそのフルグラTだと余計に目立ってやがるし……)
せつ菜「……?注目されたらいけないんですか?」
善子「アンタは神経ずぶとそうだしそれでいいかもだけど、私的にはイヤなのよ。変に噂されるかもしれないし」
せつ菜「なるほど……」
善子「……」
『うっわ〜!ウチ、オタクって初めて生で見た〜』『ってかあれ、もしかして優木せつ菜じゃない?』『うそうそ、どっち?』『あのイタT着てるちっちゃい方!』
善子(うっわぁ、やっぱり変に目立つ……東京のギャルってめんどくさい……)
善子(ってかこういう場合、せつ菜の方が気にするべきなんじゃないの?一応コイツの方が多分有名人なんだし……)
『優木せつ菜って確かアイドルっしょ?ってことはあっちの貧乳も?』『そっちは違うんじゃない?そうでもないし』
善子(うっさい!!貧乳って呼ぶな!!そうでもないって言うなぁ〜!!//) わざわざ沼津から東京原宿まで朝10時時間厳守で待ち合わせされるヨハネ
脈アリ ◇———◇
善子「……」
せつ菜「善子さん善子さん!!」
善子「……なによ」
せつ菜「じゃじゃーん!見て下さいよ善子さん!あの標識なんだかわかりますか?」
善子「はぁ?そんなのただの
せつ菜「ただの看板じゃないんです!!」
善子「……」
せつ菜「正解は〜……なんとなんと!一話でかのんちゃんとクゥクゥちゃんが初めて運命的な出会いをしたときに後ろに映り込んでた案内標識です!!覚えてないんですか!!?」
善子「いちいち背景まで細かくチェックしきれないわよ!テレビに得るのは一瞬だし!」
せつ菜「あっ!それにそれに!あれは一話のサブタイトル演出に使われていたハチ公バス!すごい!本物に出会えるだなんて感動です!!」
善子(わ、わからない。ついて行けない……)
せつ菜「そしてあんなところには駐車場が!きっとかのんちゃんがクゥクゥちゃんから逃げこんで入った駐車場に違いありませんよ!!ねっ?ねっ!!?」ペカーッ!
善子(あ、それは覚えてる。へぇ〜、あんな遠くまで逃げていたのね。ほほえま……)
せつ菜「な、なんと!!隠れたときの車とおんなじ位置に車まであります!!くぅ〜!!カンゲキ!!こんなところまで再現されてるなんて!!」
善子(さすがにそれは偶然でしょ。ただの無関係な普通の乗用車よ) せつ菜「はい!お待たせしました!イチゴとチョコ、どっちがお好きですか?」
善子「えっ?じゃ、じゃあ、イチゴ……」
せつ菜「はい!どうぞ!」
善子「あ、ありがと……//」
せつ菜「わぁ〜♪クリームがふわふわですっごくおいしそうです!」
善子「……」ジーッ
善子(何よ、結構優しいところもあるじゃない。ただの変なヤツだと思ってたけど……)カプッ♡ >>18
すみません。普通にコピペミスりました。先にこっちでお願いします。
◇———◇
せつ菜「あ、善子さん善子さん!!」
善子「今度は何よ?」
せつ菜「クレープ!クレープ売ってます!!」ピョンピョン!
善子「クレープ……?」
善子(いい匂い……♡そ、そういや朝から何も食べてないからおなかが……)
グゥー
善子「……っ//」カァァァッ!!
せつ菜「今のひょっとして善子さんのお腹の音ですか?ふふっ、いい音ですね!」ペカー!
善子「空気読んでスルーしてぇっ!!//こっちはすっごく恥ずかしかったんだからぁ!!//」カァァッ!!
せつ菜「じゃあ私が二人分買って来ちゃいますね!善子さんはここで待っててください!」テテッ!
善子「あっ!待ちなさいよ!お金なら私もちゃんと出す、から……」 せつ菜「はい!お待たせしました!イチゴとチョコ、どっちがお好きですか?」
善子「えっ?じゃ、じゃあ、イチゴ……」
せつ菜「はい!どうぞ!」
善子「あ、ありがと……//」
せつ菜「わぁ〜♪クリームがふわふわですっごくおいしそうです!」
善子「……」ジーッ
善子(何よ、結構優しいところもあるじゃない。ただの変なヤツだと思ってたけど……)カプッ♡ せつ菜「じゃあ私も!いっただきま〜……ってその前に!」
ササッ!
せつ菜「うわぁ!おいしそ〜!……」
せつ菜「……」キョロキョロ
善子「???」
せつ菜「むふっ、場所が悪いみたいですね♪」
善子「はぁ???いったい何の話?」
せつ菜「えっ?……ああ、違いますよ!ただの『他人目を気にしながらクレープへの喜びを噛みしめる二話の平安名すみれちゃんごっこ』です!ちなみに私が命名しました!」ドヤッ!
善子(うっわ、世界一下らない内容だった。聞いて損した) せつ菜「では改めて。写真を撮って……」パシャリ
せつ菜「いただきます!あ〜むっ♡」パクリ!
善子「クレープ単体で写真撮る意味あったの?」
せつ菜「いいじゃないですか、記念ってことで!それに後でSNSにもアップするかもしれませんし。ん〜♪」カプッ!
善子「そういうのは絶対自撮り付きの方が喜ばれると思うわよ、需要的に言って。あとほっぺにクリームついてる」
せつ菜「うぇぇ!!?ほ、ほんとですか!!?//」コシコシ
善子「ここよ、ここ」チョンチョン
せつ菜「あ、あぅぅ……恥ずかしいです……///」フキフキ
善子「……」
パシャッ!
せつ菜「なっ!!?///」
善子「せつ菜が上げないなら私が代わりにアップしちゃおーっと」
せつ菜「ちょっと善子さん!!?//そんな、素ではしゃぎすぎてるところなんて見られてしまったら、恥ずか……///」
善子「ん、ニジガクの連中からも反応きてるわよ」
せつ菜「ふぇぇ!!?//」
善子「安心しなさい。ちゃんと可愛いって言ってくれてるわよ、ほら」
『せつ菜さん、可愛い』『むぅ、あざと可愛いすぎて明日直接死刑ですねこれは』『ユウチャンノコトユウワクシナイデ』『ちゃんとロリロリしくて愛さんの愛さんもテンアゲだよ〜!』
せつ菜「はぅぅ……//私、あざとさとか可愛さとか狙ってないのに……そんなの優木せつ菜のキャラじゃないですし……///」
善子(いやアンタは既にそっち側のキャラだと思うわよ。もともとロリ巨乳枠だし)
善子(ま、正統派クール系スクールアイドルはこのヨハネ一人で十分ってことね。ふふっ♪)ギランッ! 善子「ごちそうさま。それで、次はどこへ連れて行ってくれるの?」クルッ♪
せつ菜「そうですね……じゃあカフェなんてどうですか?」
善子「カフェ?」
せつ菜「はい!なんとなんとですね!!ネットの情報によると!!なんとこの辺にかのんちゃんの実家のモデルになったお店があるらしいんですよ!!」
善子(えっ?)
せつ菜「気になりますか!?気になりますよね!!」
善子(も、もしかしてそれって……前にチラッと専門板を覗いた時に少し炎上していたような気がするやつ……)
せつ菜「では!さっそく調査に
善子「ちょっと待ったぁ!!」 せつ菜「はい?どうかしました?」
善子「ダメよ!それは話題に出しちゃダメなやつなんだから!!」
せつ菜「はい?」
善子「ちらっと噂で聞いた話なんだけど、なんかそこの界隈がいろいろあって揉めたみたいで……それにあんたフルグラTでしょ!?そんな格好して行ったら袋叩きの総叩きにされるわよ!!」
せつ菜「格好が何か関係あるんですか??」
善子「格好というか雰囲気がってこと!!いいから、触らぬ神に祟りなしって言うし!!ねっ!!?」グイグイ
善子(絶対こんなヤツ連れてったら騒ぎ立てて大変なことになるだろうし!あとメタいこと言うとこの板が荒れるのもヨハネ的に困る!!)
せつ菜「よ、善子さん!!?そんな引っ張られると……」
善子「ほら……ねっ?そうだ!渋谷の方に行ってみましょう!確かそっちの方にもたくさん聖地あるっぽいし!!」グイグイ!!
せつ菜「あっ、ちょっと善子さ〜ん!!?」ズルズル ◇———◇
せつ菜「わぁ〜!確かに渋谷の街にもちらほらとLiella!のポスターがありますね!」
善子「そうね。それだけコラボに力を入れてくれてるってことだろうし……」
善子(こういうのって……ほら、お金とかもそうかもだけど、それ以上に交渉とかの労力だってたくさんかけてくれてる人がいるんだろうし)
善子「やっぱり、それだけスクールアイドルがそれだけ地域の人たちに応援されてるってこと、私たちも感謝の気持ちを持って……せつ菜?」
せつ菜「じーっ……」
善子「どうかしたの?」
せつ菜「ねそべり!ねそべりがいます!」
善子「えっ?」 せつ菜「善子さん善子さん!!ねそべりちゃんです!!ねそべりちゃんがショーケースの中に捕まっています!!」ピョンピョン!!
善子「捕まってるって言うか商品にされてるだけだけどね」
せつ菜「助けないんですか?助けてあげないんですか!!?」グイグイ
善子「いや、あんなの絶対後から邪魔になるだけよ。経験則から言って」
善子(しかもヨハネの部屋の雰囲気には絶対似合わないし……)
せつ菜「じゃあいいですっ!!私が助けてあげますから!!」
善子「できるの?」
せつ菜「任せてください!!今の私にだったら、クレーンゲームだって出来る気がするんですよ!!!」ペカー! せつ菜「むむむ……」ピコピコ
善子「……」
せつ菜「……ていっ!」
スカッ
せつ菜「むぅ、もう一回!」
善子「すとぉっぷ!」
せつ菜「えっ?」
善子「それ、何回目?」
せつ菜「六回目です!」
善子「ちゃんと対策しないと次もおんなじことになるわよ」
せつ菜「大丈夫です!イメージは出来ていますから!イメージは!!」
善子「イメージだけでどうにかなる問題じゃないわよ、漫画じゃないんだし。ちゃんと考えて動かさなくちゃ」
せつ菜「むぅ……」
善子「……」 善子「せつ菜!!右!!あと三センチ!!」
せつ菜「わ、わかってます!!」
善子「もうちょい!!もうちょい奥よ!!」
せつ菜「ここですっ!!ええーい!!」
ピコピコ
善子「ええ!!完璧よ!!」
せつ菜「お願いです!!ねそべりちゃん、どうか私のとこに……」ドキドキ
ポトン
せつ菜「……きた」 せつ菜「来ました。ついに私のとこにもねそべりちゃんが」
せつ菜「善子さん……」ウルウル
善子「ん、よかったわね。せつ菜」
せつ菜「け、けど、善子さんにも手伝ってもらったので、半分こ……」
善子「いいわよ気にしなくて。せつ菜にあげるわ」
せつ菜「ほ、ほんとうですか!!?あとで返してとか言いませんよね!!!?」
善子「言わないわよ。子供じゃないし」
せつ菜「本当ですね!!?言質とりましたからね!!?絶対ですよ!!!」
善子「え、ええ……」
せつ菜「くぅぅ〜!!やった〜!!」ペカーッ!!
善子(こいつ、本当に屈託のない笑顔で笑うわね……) 〜ファーストフード店〜
善子「っだぁ〜!つ〜か〜れ〜た〜!」グテー
善子(なんかいつも以上に振り回されたせいか、余計に疲れが三割増しくらいになってる気がする……)
善子「……」チラリ
せつ菜「ふふふふ〜ん♪」
善子「そんなに食べられるの?」
せつ菜「はい!だってせっかくの機会ですし!たくさん食べなきゃ損じゃないですか!」
善子(ふ〜ん。大変なのね、親が極端に厳しいってのも)
善子「……」
せつ菜「あ〜むっ♡」
善子「……ねえ、せつ菜」
せつ菜「はい?どうかしましたか?」
善子「あ、いや……ケチャップついてるわよ」チョンチョン
せつ菜「なっ!!?//うぅぅ、またやってしまいましたぁ……///」フキフキ
善子「……」 善子「それと、さ。えっと……」
せつ菜「……?」
善子「あんたの、その趣味のことなんだけど」
せつ菜「はい?」
善子「その……ずっと思ってたのよ。あんたがそんなの好きだなんて、なんか意外だなって」
せつ菜「??」
善子「……」
善子(……世界には、二種類の人間がいる。持つ者と持たざる者が) 善子(持つ者は陽の当たる世界で生きることを許されて、持たざる者は影に生きることを強いられる。残念ながらそれが、狭い教室の中で過ごす私たち高校生の宿命なの)
善子(不幸なことに、私には才能がなかった。誰かに慕われるわけでもないし、運動が得意なわけでも、勉強が飛びぬけてできるわけでも、話が面白いわけでもない。私が持たざる者だってことは、私が一番よくわかってる。だってもう高校生だもの)
善子(けど……こいつは違う。優木せつ菜はヨハネとは違う。私と違って優等生だし、なにより生徒会長を歴任できるほどの人望がある。残念ながら、こいつは私とは違う世界にいる)
善子「そんな……そんな生徒会長もこなせるような人間が、どうしてアニメやラノベなんて暗い趣味を持つようになったのか。私はずーっと疑問だったの」
せつ菜「ア、アニメってそんな暗い趣味なんですかね?かすみさんとかにもたまによく言われますが……」ポリポリ
善子「少なくとも人におおっぴらに言える趣味じゃないと思うわよ。女子高生って言えば流行りの音楽とかを追いかけてるのが普通だと思うし。かすみとかルビィみたいに」
善子(そう、やっぱりこいつはヨハネと決定的に違う。こいつは上手く普通の生活に溶け込めているみたいだけど、ヨハネはただの、普通から堕落した醜い堕天使……なり損ないなの)
せつ菜「そ、そうですか。やっぱり私の趣味って普通じゃないんですね……」
善子「……」 せつ菜「けど善子さんも似たような趣味をお持ちですよね?」
善子「全然違うわよ。ヨハネのは趣味なんてもんじゃないし。これはただの……昔の名残っていうか、惰性というか、ただそれだけで」
せつ菜「でも好きなんですよね?」
善子「……」
せつ菜「好きなんですよね、善子さん?」
善子「……」
せつ菜「好きなら好きでいいと思います。私、誰かの好きって気持ちに違いなんてないと思うんです」 せつ菜「私も昔は同じことを感じていた気がするんです。何者にもなれない自分が嫌いで、そんな自分から変わりたくて……そしたらアニメの世界に出会って、気づいたらどっぷりハマっていて」
せつ菜「もちろんこれが恥ずかしい趣味だってわかっている部分もあります。親にだってまだ説明できてないですし……けれど今は、こんな自分のことが心から好きだって言うことが出来る。私は、今の私のままでいたいんです」
せつ菜「だから善子さんも、善子さんのままでいいんじゃないでしょうか?私、善子さんが自分自身のことを想っている以上に、善子さんのことが大好きですから!」
善子「……」
せつ菜「きっと誰しも人並みに、みんな大好きな気持ちを抱えている。だから誰かの大好きを否定したくない。みんなのことを大好きになりたい!」
せつ菜「だから善子さんは善子さんのままでいいんです。善子さんが思っているほど、私と善子さんの間に、みんなとの間に大きな違いなんてありませんよ」ニコッ
善子(みんな、似たような大好きを抱えている……?)
善子「……」
せつ菜「……ふふん♪」ドヤッ!
善子「なにそれ、意味わかんないわよ」
せつ菜「うぇっ!!?」 せつ菜「よ、善子さん!!?そこは『ありがとう』じゃないんですか!!?せっかくいいこと言ったのに!!」
善子「そうね。で、どこのアニメの受け売り?」
せつ菜「それは、ちょうど昨日みた………って違います〜っ!!私の本心ですっ!!」
善子「はいはい、わかったわかった」
せつ菜「むぅ〜!!絶対バカにしてますよね!!?」プクーッ!!
善子「してないしてない。ちゃんと感謝してるわよ」
せつ菜「むぅ、ならいいんですけどーっ!」プクー
善子「……」 善子「……」
善子(……私は私のままでいい。か)
善子(最近、ずら丸とかにいじられるたびに寂しいなって思うことがあった。ちょっとだけ)
善子(やっぱり私はちょっと変で、ずら丸やルビィたちみたいにはなれないんだなって。………自称堕天使が何言ってんだって話かもだけど)
善子「……」
善子(周りと同じで没個性だって言われるときには特殊な自分になりたいんだけど、やっぱり友達とはずーっとおそろいであり続けたい。ヨハネはほんとはそんなめんどくさい女の子なのかもしれない)
善子(けど……誰かがいいって言ってくれるのなら、そんなめんどくさい私でいても、いつかホントの自分を出せる日がきっとくるのかもしれないわね。渋谷のイルミネーションに煌々と照らされるせつ菜の横顔に、そんな想いをふと描いた)
善子「……せつ菜、今日はありが
せつ菜「あ〜っ!!見て下さいよ善子さん!!」
テテッ!
せつ菜「でっかいポスター!!こんなとこにもありますよ!!ほら!!」ペカーッ!
せつ菜「写真!!写真撮ってください!!」ピョンピョン!!
善子「なっ……//」
ザワザワ
『なにあれ、何かの撮影?』『あのTシャツってもしかして宣伝PVとか?』『あ、あの顔の人見たことある!』
ザワザワ
せつ菜「善子さーん!!!早く来てくださーい!!!」ピョンピョン!!
善子「うぅぅ、あのバカ……///」
善子(けどやっぱ他人前ではしゃぐのだけはやめて欲しいっ!!!///) 聖地巡礼もオタクだけの場所じゃないから清潔感のある服装やはしゃぎすぎないように気を付けたいね ニジガクとAqoursの合コンしたSSの後日談かな?
曜歩夢の方とか見たかった ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています