「待てぇ〜怪盗ニコニー!」「ふふっ、高坂警部補は今日も元気ね」
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高坂警部補「やっと屋上に追い詰めた!今日こそは逮捕するぞ!!」
怪盗ニコニー「高坂巡査長は今日も元気そうで何よりだわ」
高坂警部補「むぅ〜今は警部補だもん!こないだ昇進したもん!!」
怪盗ニコニー「うん、知ってたけどね♪昇進おめでと♪」
高坂警部補「なっっ!?///」カァッ
怪盗ニコニー「ふふっ、やっぱり、あほのかはからかいがいあるわね♪」
高坂警部補「むぅ〜〜!そうやって余裕ぶっていられるのもいまのうちだよ!」
怪盗ニコニー「ところで高坂警部補?」
高坂警部補「もうまどわされないよ!」
怪盗ニコニー「あなたの制服の内ポケット…確認してみなさい?」
高坂警部補「ほぇ?制服の内ポケット?」
高坂警部補「えっと…」ゴソゴソ
高坂警部補「ん?USBメモリ?いつのまにっ!?」
怪盗ニコニー「ま、その中身を確認することをオススメするわ」
高坂警部補「いや…確かに怪盗団にこりんぱなのデータには助けられてはいるけど…」
怪盗ニコニー「ということでこれは頂いていくわね!」
高坂警部補「って、それとこれとは話は別!逃げ場はないんだからいい加減に観念して…」
怪盗ニコニー「それが…あるのよねっ!」バッ
高坂警部補「えぇっ!?ここは15階建てビルの屋上だよっ!?こんなとこから飛び降りたら…」
怪盗ニコニー「こっちにはライスフラワー発明品No.3ライスウィングがあるのよっ!!」
高坂警部補「なっ!?ハンググライダーっ!?」
怪盗ニコニー「それじゃあね!高坂警部補〜」
高坂警部補「くやしぃ〜〜〜次こそは捕まえるんだからっ!!!」 - 事件直後:都内某所 音ノ木署内-
高坂警部補「はぁ〜…また怪盗ニコニーに逃げられちゃった…」
園田警部「これで5件目ですか…」
高坂警部補「そうだねぇ…」
園田警部「"怪盗団にこりんぱな"の怪盗ニコニー…」
園田警部「最初に予告状が来た時はただのいたずらだと思いましたが…」
園田警部「その実態は、悪人から財宝を奪うと同時に悪行の証拠を警察に渡すという行動をとる義賊のリーダー」
園田警部「また怪盗団にこりんぱなが奪った財宝は現金化後に児童施設やボランティア団体に寄付をするという…」
園田警部「今となっては、その行動を称賛する人達がファンクラブを作るほどの団体に…」
高坂警部補「まあ実際、渡されるデータは正確で、被害者の人の悪行を暴くには充分過ぎるデータなんだもんね…」
南警視「うん、今回もそうだったからね…」
高坂警部補「南警視!」
園田警部「お疲れ様です、南警視」
南警視「あはは、いまは3人だけだし"ことり"でいいよ〜」 高坂警部補「それでどうだったの?ことりちゃん!」
園田警部「高坂警部補!」
南警視「私がいいって言ったんだから大丈夫だよ〜海未ちゃんも楽にして?」
園田警部「むぅ…ことりがそう言うのであれば…」
南警視「よろしい♪」 南警視「それじゃあ穂乃果ちゃんがもらったUSBに入ってたデータについて説明するね?」
高坂警部補「おねがい!」
園田警部「お願いします」
南警視「うん♪」
南警視「えっと…今回の被害者兼容疑者の不安沢刺美さん」
南警視「表向きは最近急成長してきたベンダーの女社長さんなんだけど…」
南警視「実は…裏では競馬界を中心に競輪界、陸上界で突然あらわれては強くなれるツボを押す等の謎の行為を医療免許なしで行い…」
南警視「施術した相手からちょっとした金額を徴収しては、逆に気力や体力を下げてたんだって…」
南警視「これを裏付けるデータが一式入ってたの…」
高坂警部補「ほぇ〜…」
園田警部「地味ではありますが…詐欺の類の犯罪ですね…」
南警視「そうなんだよねぇ〜…」 南警視「それともうひとつ」
高坂警部補「えっ、不安沢さんは他にも犯罪を?」
南警視「ううん、そうじゃなくて…」
南警視「実は…予告状のデータも入っていて…」
ほのうみ「「!!??」」
南警視「次の犯行は来週の今日と同じ時間、25時2分だって…」
園田警部「ことり、詳細を!」
高坂警部補「ことりちゃん、私も聞きたい!」
南警視「うん、いまから話すね」 南警視「次のターゲットは、グレース・イグネイシャさん」
高坂警部補「グレースさん?」
園田警部「確か…いま"アカシックフェス"という名前の美術品の展示会を開催している富豪の?」
南警視「うん…その人だよ」
南警視「その展示会に出展されている財宝をいただくって…」
南警視「"親愛なる音ノ木坂警察署のみなさまへ"なんてご丁寧な宛名付きでね…」
園田警部「くっ…」
高坂警部補「怪盗ニコニー…」 園田警部「しかし…"展示会に出展されている財宝"…ですか…」
高坂警部補「ん?それがどうかしたの、海未ちゃん?」
園田警部「ことり、アカシックフェスの展示物の数は?」
南警視「え〜っと…120点だね…」
高坂警部補「ひゃ、ひゃくにじゅうっ!?」
園田警部「やはり…フェスを冠する展示会だから規模も大きいですよね…」
高坂警部補「"にこりんぱな"は全部盗むつもりなのかな?」
南警視「いや、いくら"にこりんぱな"でもそれはないと思うよ」
園田警部「ことりの言う通りです、そうなると狙われる可能性が高い財宝は…」
「それはきっと…秘宝"愚者の世界"だと思うわっ!!」バーーーン
園田警部「Dr.西木野!?」
高坂警部補「あっ、真姫ちゃん!」
Dr.西木野「高坂警部補、Dr.西木野と呼んでくれない?」
高坂警部補「は〜い…」 南警視「Dr.西木野、なんでここに?」
Dr.西木野「実はいま言った秘宝"愚者の世界"についてなんだけど…」
Dr.西木野「つい先ほど悪いニュースが入ってきて…」
高坂警部補「えぇっ、悪いニュースっ!?」
園田警部「詳しく聞かせてもらえますか?」
Dr.西木野「ええ、そのつもりで来たんだもの」
Dr.西木野「今から話すわ」
南警視「お願い、Dr.西木野」 Dr.西木野「秘宝"愚者の世界"、今回の展示会でグレース夫人が特に力をいれて展示している財宝」
Dr.西木野「展示会場となっている博物館の中で最も広い特別展示室の中心に飾られているわ…」
Dr.西木野「そんな秘宝"愚者の世界"を名指しして…」
Dr.西木野「"グラスガーデン"から予告状が届いたの…」
ことほのうみ「「「グラスガーデン!!!」」」
高坂警部補「………って、何だっけ?」
園田警部「はぁ〜…まったく穂乃果は…」
南警視「あはは、私から説明するね」 南警視「"グラスガーデン"、スピリチュアルノゾミン、ハラショーエリーを名乗る神出鬼没な謎の2人組」
南警視「その出現場所は宝石店やパワーストーンショップ、採掘現場など場所は様々」
南警視「出現した際、その現場から宝石または石がひとつだけなくなっている…」
南警視「価値のあるものを盗んでいるのかと思えば、ガラクタ同然のものを盗んでいるときもあり、その法則性は不明」
南警視「現時点までに7件の被害があり」
南警視「そんなグラスガーデンの次の標的が…」
高坂警部補「秘宝"愚者の世界"ってことだね!」
Dr.西木野「その通りよ」
園田警部「それは厄介な事に…」
高坂警部補「ほぇ?」 高坂警部補「えっと…そのグラスガーデンも怪盗団にこりんぱなみたいに対処すれば大丈夫な気がするけど…」
園田警部「そのグラスガーデンと怪盗団にこりんぱなが同じ秘宝を狙ってるんですよ?」
高坂警部補「っ!?」
南警視「ちなみにDr.西木野、犯行予告時間は?」
Dr.西木野「ちょうど1週間後の夜ね…」
高坂警部補「それって怪盗団にこりんぱなと同じ日っ!?」
園田警部「しかも"夜"と漠然としていますが、下手すると怪盗団にこりんぱなと犯行時間帯が被ることも…」
南警視「これは…いつもより厳重な体勢を敷かないとだね…」 南警視「うん、怪盗団にこりんぱなもグラスガーデンも予告状を出したターゲットは必ず盗み出す強敵」
南警視「私たち中心にしっかり体制を組んで対応しよう!」
高坂警部補「うんっ!」
園田警部「はいっ!」
南警視「それじゃあ、私は総指揮と"グラスガーデン"の対策を中心に担当するね」
南警視「園田警部は、秘宝"愚者の世界"の警備担当をお願い」
南警視「"怪盗団にこりんぱな"、"グラスガーデン"どっちが先に来るかはわからないけど」
南警視「先に秘宝"愚者の世界"に手を出した方の追跡、確保をお願いね♪」
園田警部「了解しました」
南警視「高坂警部補は"怪盗団にこりんぱな"の対策をお願い」
南警視「いままで主担当で頑張ってきた経験を活かして、逃走経路とかの予測をお願いね♪」
高坂警部補「了解っ!」 南警視「Dr.西木野も…忙しいだろうけど協力してくれる?」
Dr.西木野「そうね…私が出来る範囲であれば…」
南警視「それでも心強いよ!よろしくね♪」
Dr.西木野「わかったわ…」
南警視「よーしっ、それじゃあ何としてでも、秘宝"愚者の世界"を守り抜くぞー!」
ことほのうみ「「「おーーーっ!!!」」」
Dr.西木野「………………………………ぉー」
高坂警部補(怪盗ニコニー…次こそ絶対捕まえるんだから…) - 犯行予告日前日:怪盗団にこりんぱなアジト-
にこ「よし、計画は明日だし準備の最終確認をはじめるわよ」
りんぱな「「はーい!!」」
凛「えーと…今回のターゲットはグレースさんのお宝だっけ?」
花陽「うん、グレース・イグネイシャさん」
花陽「教育関連で有名な人で自分が代表の有力団体を複数抱えるほどの富豪の人」
花陽「いまの教育の改革にも深く携わっている人で国からも支援を受けてる有力者だけど…」
にこ「その国の支援金や団体からの活動資金を愛人のために横流し…」
にこ「Dr.Mからの情報だとそうだったわよね?」
花陽「うん、用途不明の資金を追ってみると紅蓮さんっていう人の口座に入金されてるみたい」
にこ「まったく…凛は聞き込み、私と花陽でネット経由で情報収集してるけど…」
にこ「あの赤髪も独自の情報網持ってるみたいであなどれないのよね…」
花陽「そうだよね…」
凛「Mちゃんもああ見えてあなどれないにゃ」
「"ああ見えて"って…そのMちゃんとやらは凛にはどう見えてるのよ?」
凛「へ?それはただのチョロツンデレ…って痛っ!?なんでぶつにゃっ!?」
Dr.M「人の事をチョロツンデレとか言うからに決まってるでしょ…」
凛「げっ…Mちゃん…」
花陽「あっ、Mちゃんいらっしゃーい」
にこ「ん、Dr.Mじゃない」 にこ「で何しに来たの?」
Dr.M「わざわざ来てあげたっていうのに随分な言い草ね…」
にこ「そんなつもりはなかったんだけど…まあ…前日準備で忙しいからね」
Dr.M「その準備は順調?」
にこ「ええ」
Dr.M「ふ〜ん…現場でグラスガーデンと鉢合わせになる可能性も含めて?」
にこ「ええ、そうよ」
Dr.M「ほら、やっぱり……………って、あら?そうなの?」
にこ「ふふん、当然よ」
にこ「前回の行動翌日には既に流れていた情報よ?その程度の情報を把握してないようじゃ怪盗失格よ」
Dr.M「そう…それならいいんだけど…」 にこ「用件はそれだけ?」
Dr.M「へ?あ、いや…何か手伝ってあげようかと…」
にこ「あ〜…」
Dr.M「…」
にこ「それならあっちの発明の方、手伝ってあげてくれる?」
Dr.M「!?」パァァッ
にこ「ふふっ、そんなに喜ぶくらい手伝いたかったの?」
Dr.M「なっ、べ、別にそんなんじゃないわよっ!!///」
花陽「あっ、Mちゃん手伝ってくれるのっ!?」
花陽「それなら今やってる発明品No.3の改良のお手伝いをお願いしたいな♪」
にこ「ほらっ、うちの発明王から待望のお手伝い依頼が来たんだから行ってあげなさいよ」
Dr.M「だからっ、別にそういう訳じゃないって………行ってくるわよ」
にこ「ふふっ、素直じゃないんだから…」
にこ「…」 にこ(まあ、いつかはグラスガーデンとはちあわせるとは思ってたけど…)
にこ(想定よりもだいぶ早いタイミングだから、イヤだと感じたのは事実だけどね…)
にこ(それでも…Dr.Mにも言った通り、それを想定しての準備も進めているし)
にこ(最悪の場合も想定して、最低でもこれだけではやっておかないといけない作業も整理できてるし…)
にこ(と言っても、こっちもやるからには完全勝利を目指すけどね♪)
にこ(それにお仕事だから音ノ木坂警察署のいつものメンバーともやりあうことになるだろうけど…)
にこ(怪盗団にこりんぱなのリーダー怪盗ニコニーとして、今回もばっちり成功させてみせるわ!) -予告日当日夜:音ノ木坂美術館特別展示室 -
グレース「いい?この展示会のメインでもあるものなのだからしっかり守り抜きなさいよね?」
園田警部「はい、お任せください」
グレース「まったく…なんで私の財宝がコソ泥2組に狙われないといけないのよ…」
園田警部「グレースさん…お気持ちはわかりますが…そろそろ予告時間ですので…」
グレース「ふんっ、もし盗まれたら…覚悟しておきなさいっ!」キッ
園田警部「はい、重々承知しております…」
グレース「ふんっ!」スタスタ
園田警部「…」
園田警部「ふぅ…ようやく行ってくれましたか…」
園田警部「ここの担当であるみなさんは………ちゃんと配置についてくれてますね」
園田警部「よし」ピッ
園田警部「こちら園田警部、警備の準備は整いました」
南警視『了解、こちらも監視カメラは今のところ異常なし』ザザッ
高坂警部補『こっちも準備おっけーだよ〜』ザザッ
園田警部「………高坂警部補は後でお説教です…」
高坂警部補『えっ、なん…』ザザッ
園田警部「…」ピッ
園田警部「はぁ〜…まったく穂乃果は…」 園田警部(まあ穂乃果のおかげで少し緊張がほぐれましたけど…)
園田警部(怪盗団にこりんぱなの予告時間まではあと少し…)
園田警部(この時間までグラスガーデンに動きがないことを考えると…)
園田警部(私がこの場で対峙するのは恐らく怪盗ニコニー…)
園田警部(…)
園田警部(穂乃果ほどではないですが…)
園田警部(私も怪盗ニコニーには、たびたび苦汁をなめさせられていますからね…)
園田警部(警部の肩書にかけても今回こそ捕まえてみせますっ!)グッ
園田警部(と、予告時刻ちょうどまで、もう10秒をきりましたね…) 園田警部(5…)
園田警部(4…)
園田警部(3…)
園田警部(2…)
園田警部(1…)
園田警部「…」
園田警部「……」
園田警部「………」
園田警部「………あれ?」
「と思ったでしょ?」カチッ
園田警部「っ!?」 園田警部「急に照明が落ちて暗闇にっ!?」
園田警部「怪盗ニコニー!あなたの仕業ですねっ!?」
園田警部「誰かっ!早く非常電源を!!」
怪盗ニコニー「正解っ!それと非常電源の必要はないわよ?」パチッ
園田警部「っ!?」
怪盗ニコニー「なぜなら…このニコニーがいま復旧させてあげたからね♪」
怪盗ニコニー「それに…」
園田警部「………それに?」
怪盗ニコニー「非常電源をつけてくれる誰かを探しても…もう私しかいないわよ?」
怪盗ニコニー「あなた以外の人にはみ〜んな眠ってもらったからねっ!」
園田警部「なっ………」 怪盗ニコニー「それじゃあ、コレはいただいていくわねっ!」
園田警部「はっ!?」
園田警部「待ちなさい!なんで今日は予告通りの時間に来なかったんですっ!?」
園田警部「あなたは今まで時間通りに登場していたはずなのに!!」
怪盗ニコニー「あら?ちゃんと時間通り登場したわよ?」
園田警部「いえっ、実際0秒ちょうどには…」
怪盗ニコニー「ねえ?25時2分っていうのは59秒まで25時2分なのよ?」
園田警部「っ!?」
怪盗ニコニー「はい、お話はここまで!じゃあね〜」サッ 園田警部「!」ピッ
園田警部「ことり!怪盗ニコニーに"愚者の世界"を盗られました!今から追います!!」
南警視『了解…園田警部、気を付けて』ザザッ
園田警部「はいっ!」ピッ
園田警部「くっ…怪盗ニコニー…遅れを取りましたが今から必ず捕まえてみせます!」ダッ -予告日当日夜:音ノ木坂美術館敷地内 -
園田警部「待ちなさいっ!怪盗ニコニー!!」
怪盗ニコニー「ほらほら〜距離が全然縮まってないわよ?口よりも足を動かすべきじゃない?」
園田警部「くっ…」
園田警部「…」
怪盗ニコニー「あら?本当に足を動かすのに集中するのね」
園田警部「…」
怪盗ニコニー「でもっ!」サッ
園田警部「っ!?」
園田警部「そこの角をまがりましたか…」 園田警部(ふっ、かかりましたね…)
園田警部(あなたがそこの角をまがるのは私達の予想通り…)
園田警部(それを想定して、その先の通路はバリケードを設置して封鎖しています…)
園田警部(追い詰めましたよ…怪盗ニコニー)
園田警部(…グラスガーデンの動きが全くないのは気になりますが…)
園田警部(怪盗ニコニー…あなたとの決着はもうすぐです!) -予告日当日夜:音ノ木坂美術館敷地内バリケード設置個所 -
怪盗ニコニー「…」
園田警部「追い詰めましたよ…怪盗ニコニー…」
園田警部「さあ!観念してください!!」
怪盗ニコニー「…」
園田警部「…何とか言ったらどうです?」
怪盗ニコニー「…」
園田警部「何とか言ったらどうなんですかっ!怪盗ニコニー!!」
怪盗ニコニー「………園田警部は本当に怪盗ニコニーを追い詰めることができたと思ってる?」
園田警部「っ!?」 園田警部「何を言ってるんです?」
園田警部「こうしてあなたをバリケード前まで追い詰めているじゃないですか?」
怪盗ニコニー?「そう思うならもっと距離をつめて追い込めばいいんじゃない?」
園田警部「…ならばお望み通りに」
ベチョッ
園田警部「っ!?」
園田警部「こ、これは………う、動けないっ!?」ググッ
園田警部「どういうことですっ!?」
怪盗ニコニー?「ふっふっふっ、それこそライスフラワー発明品No.26迷彩米のりマットにゃ!」
園田警部「にゃ?あなた…怪盗ニコニーではないですねっ!」
怪盗ニコニー?「ふっ…ようやく気付いたようね?」 園田警部「あなた一体何者です!?」
怪盗ニコニー?「ふっ、ここまで追ってきたごほうびに教えてあげる!」ガバッ
怪盗ニコニー?「私は怪盗リンガベル!!怪盗団にこりんぱなのメンバーにゃ!」
園田警部「怪盗リンガベル…」 怪盗リンガベル「ふふっ、まあリンガベルの名前を聞いたところで園田警部は何もできないだろうけどねっ!」
園田警部「確かに何もできないでしょうね…」
怪盗リンガベル「ふっふーん、でしょ?」
園田警部「…でも」
怪盗リンガベル「ん?」
園田警部「…私が捕まえなくても、この後に応援が来るはずです!」
園田警部「そうすればあなたも…」
怪盗リンガベル「にゃ?」
園田警部「バリケードで封じられている今!あなたに逃げ道はないです!!」
怪盗リンガベル「ふ〜ん…」 園田警部「………随分と余裕そうですね?」
怪盗リンガベル「ん〜?まあ余裕だから?」
園田警部「は?」
怪盗リンガベル「こんなこともあろうと用意してあるライスフラワー発明品No.2ジャンピングシャリ底シューズ!!」
怪盗リンガベル「これさえあればこの程度のバリケードを飛び越えるのは簡単にゃっ!」
園田警部「またライスフラワー発明品ですかっ!?」
怪盗リンガベル「ふっふーん!怪盗ライスフラワーの発明品は世界一にゃ!!」
園田警部「なるほど…そういうことですか…」
怪盗リンガベル「ということでっ!」
園田警部「!?」
怪盗リンガベル「リンガベルの役割はこれで終わり!」
怪盗リンガベル「あとは怪盗ニコニーがなんとかしてくれるにゃ!」カチッ
園田警部「しまった!?」
怪盗リンガベル「じゃーねー園田警部ー」ピョーーーーーンッ
園田警部「くっ…逃してしまいましたか…」 園田警部「しかし…」
園田警部「あのバリケードを跳び越すほどのジャンプ力ですか…」
園田警部「確かに…怪盗ライスフラワーとやらの発明品には注意が必要みたいですね…」
園田警部「…」
園田警部「はっ、こうしている場合ではありません!」
園田警部「!」ピッ
園田警部「ことり!私が追ってた怪盗ニコニーは偽物でした!」
園田警部「怪盗ニコニーはまだ敷地内にいますっ!!」 一旦ここまで、スレ残ってたらまた夜に続き投下します -少し戻って:音ノ木坂美術館敷地内分帰路付近 -
怪盗ニコニー「ふぅ…園田警部はうまく策にハマってくれたわね」
怪盗ニコニー「まあリンガベルなら失敗しないだろうし、こっちの方は一安心ってところね…」
怪盗ニコニー「さて、私の方だけど…」チラッ
音ノ木坂警察署退路封鎖班「「「「「「「「「…」」」」」」」」」ズラーーーーーーーーーッ
怪盗ニコニー「…ライスフラワー発明品No.6ライスあいで確認したところ9人で道を封鎖中…」
怪盗ニコニー「普通に突破するには…ちょっと面倒ね…」
怪盗ニコニー「…」
怪盗ニコニー「まあ、こんなこともあろうと…」
怪盗ニコニー「このライスフラワー発明品No.10おこめたもるふぉーぜを持ってきてるんだから…」ピッ
怪盗ニコニー「これでサクっと突破させてもらうわ!」
怪盗ニコニー(とはいえ…まだ動きのないグラスガーデンが気になるし、そこは慎重に行かないとね…) :
音ノ木坂警察署退路封鎖班員C「う〜ん…」
音ノ木坂警察署退路封鎖班員Y「どうしたの?」
音ノ木坂警察署退路封鎖班員C「いや〜怪盗ニコニーはあっちのBルートの方へ行ったんでしょ?」
音ノ木坂警察署退路封鎖班員C「それならもうここの警備はいいんじゃないかなぁ〜って…」
音ノ木坂警察署退路封鎖班員R「もうっ、私達の仕事はここの警備なんだからそんなこと言ったら…」
「みんな〜お疲れさま♪」
音ノ木坂警察署退路封鎖班員達「「「南警視っ!?」」」 音ノ木坂警察署退路封鎖班員Y「南警視、どうしてこちらに?」
音ノ木坂警察署退路封鎖班員R「たしか警視は指令本部で指揮をしているはずじゃ…」
南警視「それが状況が変わっちゃって…」
音ノ木坂警察署退路封鎖班員達「「「!?」」」
南警視「怪盗ニコニーのせいで指令本部の通信が不通になっちゃって…」
音ノ木坂警察署退路封鎖班員C「えぇっ!?」
音ノ木坂警察署退路封鎖班員R「………たしかに通じないわ」
南警視「しかも怪盗ニコニーが完全に想定していなかった秘密の通路から脱出しちゃって…」
南警視「そっちの追跡をここの封鎖班の人たちにお願いしたくて直接来たの♪」
音ノ木坂警察署退路封鎖班員Y「了解であります!」
音ノ木坂警察署退路封鎖班員R「で、でも…ここの警備は?」
南警視「他の場所の封鎖班の人を配置するから大丈夫♪」
南警視「ほらっ、こことは反対方向に逃げてる怪盗ニコニーを捕まえるには」
南警視「あなた達封鎖班の人達が距離的に一番近いんだから、頑張って♪」
音ノ木坂警察署退路封鎖班員C「わかりましたっ!みんな行こう!」
音ノ木坂警察署退路封鎖班員達「「「「「「「「了解!!!!!!!!」」」」」」」」
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタ
南警視「ふふっ、みんなほ〜んとにおつかれさま♪」 南警視「ん〜そろそろいいかな?」
南警視「えいっ♪」ピッ
南警視?「…」
怪盗ニコニー「はぁ〜…南警視の声は特徴的過ぎて疲れるのよね…」
怪盗ニコニー「今度はボイスチェンジャーも発明してもらおうかしら…」
怪盗ニコニー「…」
怪盗ニコニー「さてとっ、ライスフラワー発明品No.18超小型炊飯ジャミングもオフにして…」
怪盗ニコニー「…」ピッ
怪盗ニコニー「ライスフラワー?」
怪盗ライスフラワー『はい!』 怪盗ニコニー「こっちは退路の確保ができたわ、リンガベルの方は大丈夫そう?」
怪盗ライスフラワー『うん、園田警部を迷彩米のりマットのうえに誘導できてるし…』
怪盗ライスフラワー『予定時間通りに回収できそうだよ♪』
怪盗ニコニー「了解、私の方もこのまま何もなければ予定通りに合流できそうだけど…」
怪盗ライスフラワー『グラスガーデンだね…』
怪盗ニコニー「ええ…」
怪盗ニコニー「あちらさんの出方次第である程度は合流時間に遅れちゃうとは思うけど…」
怪盗ニコニー「必ず合流地点には行くから、予定通りの場所で待っててちょうだい」
怪盗ライスフラワー『了解っ!』
怪盗ニコニー「…」ピッ
怪盗ニコニー「ある意味ここからが本番ね…」
怪盗ニコニー(グラスガーデン…お手並み拝見といこうじゃないの…) -怪盗団にこりんぱな合流予定時間:音ノ木坂美術館敷地内脱出予定出口付近 -
怪盗ニコニー「さてと何もなければこのまま脱出できるけど…」
バッ
怪盗ニコニー「っ!?」サッ
「ふふふっ、今のをよけるなんて…さすがニコニーね!」
怪盗ニコニー「ようやくお出ましのようね…」
「へぇ、待っててくれてたとはうれしい限りやね」
怪盗ニコニー「相方にだけ盗ませて、自分は高みの見物?いい御身分ね」
「心外やね…役割分担って言ってほしいわ」 「それに、その相方ならもう今はうちの隣におるよ?」
「相方だけに仕事をさせるつもりはないってこと、これでわかってくれた?」
怪盗ニコニー「はいはい、2人掛かりで全力で私から盗み出そうってわけね…」
怪盗ニコニー「グラスガーデン!!」
スピリチュアルノゾミン「せや、はじめまして怪盗ニコニー」
ハラショーエリー「私はハラショーエリー、彼女がスピリチュアルノゾミンよ!よろしくね!」
怪盗ニコニー「こっちはよろしくされたくなかったんだけどね…」 スピリチュアルノゾミン「さて、うちらの目的はわかってると思うけど?」
怪盗ニコニー「知らないわよ」
ヒュッ
怪盗ニコニー「知らないって言っただけなのに随分な対応ね…」
ハラショーエリー「それは…あなたが賢くない態度をとるからよ?」
スピリチュアルノゾミン「うちの特性タロットカッター」
スピリチュアルノゾミン「今のは警告の意味を込めてわざと外したけど…」
スピリチュアルノゾミン「次はあてるで?」
怪盗ニコニー「はいはい、ご忠告ありがと」 ハラショーエリー「まったく…Dr.Nから聞いてはいたけど一筋縄ではいかないみたいね…」
怪盗ニコニー「Dr.N?」
ハラショーエリー「ええ、私達は22種類のスピリチュアルストーンを集めているんだけど…」
ハラショーエリー「Dr.Nはね、そんな私たちの活動をサポートしてくれる赤髪の…」
スピリチュアルノゾミン「怪盗ニコニー、その秘宝"愚者の世界"をいただくで!!」
怪盗ニコニー「残念、もうちょっとお話したかったんだけどね…」
スピリチュアルノゾミン「それを渡してくれるんやったら、もうちょっとくらいならお話してもええけど?」
怪盗ニコニー「それはできない相談ね」
スピリチュアルノゾミン「まあそうやろね…残念や…」
スピリチュアルノゾミン「それなら力づくでいただくだけやっ!!」ヒュッ - 時は少し遡って:音ノ木坂美術館敷地内脱出予定出口付近 -
高坂警部補「…」タッタッタッタッ
高坂警部補(真姫ちゃんと一緒に考えたこの追跡ルート…)
高坂警部補(途中で退路封鎖班の人たちと通信がつながらなくてちょっと遅れちゃってるけど…)
高坂警部補(ここまで来れば…)
高坂警部補(もうすぐで怪盗ニコニーの脱出予測ポイントに…)
怪盗ニコニー「………」
高坂警部補(いたっ!!!) 高坂警部補(いやいやいやいや、先回りできてた予定だったのにこれじゃあダメだよっ!?)ガーン
高坂警部補(ってあれ?)
高坂警部補(怪盗ニコニー…立ち止まってる?)
高坂警部補(っ!?)
高坂警部補(立ち止まってる理由はよくわからないけど、これってチャンスだよねっ!?)
高坂警部補(それなら…ここから全速力でっ!!)
高坂警部補「っ!」ダッ :
「それなら力づくでいただくだけやっ!!」ヒュッ
高坂警部補「今日こそ追い詰めたよっ!!怪盗ニコニーっ!!!」バッ
スピリチュアルノゾミン「なっ!?」
怪盗ニコニー「あほのかっ!?うしろっ!!!」バッ
高坂警部補「さあ観念して………って、ほぇ?」クルッ
高坂警部補「っ!?」ビクッ
怪盗ニコニー「まったく…しょうがない…わねっ!」ガバッ
高坂警部補「か、怪盗ニコニーっ!?いきなり抱きしめて何をっ!?」アワアワ
グサッ
怪盗ニコニー「…」
高坂警部補「へ?」
ブシュ-------------ッ
怪盗ニコニー「……」バタリッ
高坂警部補「に、にこちゃんっ!?」 ハラショーエリー「どどどどど、どうしましょう!?ノゾミっ!?」
ハラショーエリー「にににっニっコにっこニーの背中にタロットがささって…」
ハラショーエリー「すすすっ、すっごい量の血がでてるんだけどっ!?」
スピリチュアルノゾミン「落ち着いてエリー…」
ハラショーエリー「でもでもっ!私達は殺人だけは絶対しないでスピリチュアルストーンを集めるって頑張っていて…」
ハラショーエリー「それなのに!いま!怪盗ニコニーはあんなに血を流して!!」
スピリチュアルノゾミン「せやから落ち着いてっ!!えりちっ!!!」
ハラショーエリー「っ!?」ビクッ
ハラショーエリー「ご、ごめんなさい…ノゾミン…」
スピリチュアルノゾミン「っ!?」
スピリチュアルノゾミン「うちも…ごめんな、エリー…」 スピリチュアルノゾミン(あ〜…もうっ!どうしてこうなったのよ!)
スピリチュアルノゾミン(うちが集めたデータとDr.Nのデータによれば…)
スピリチュアルノゾミン(あれくらいの攻撃なら怪盗ニコニーなら軽くいなせるから、こんなケガを負うことには…)
スピリチュアルノゾミン(って、原因はどう考えても音ノ木坂警察署の高坂警部補…)
スピリチュアルノゾミン(音ノ木坂警察署の実力だけだと怪盗ニコニーの脱出地点の予測はできない見積もりだったけど…)
スピリチュアルノゾミン(ここに現れるなんて完全に想定外や…)
スピリチュアルノゾミン(…)
スピリチュアルノゾミン(もしかして音ノ木坂警察署に想定外の戦力が?)
スピリチュアルノゾミン(いや、仮にそうだとしても…)
スピリチュアルノゾミン(怪盗ニコニーがかばわなければ、高坂警部補が同じレベルのけがを…)
スピリチュアルノゾミン(………)
スピリチュアルノゾミン(はぁ〜…完全にうちの読み間違いや…)
スピリチュアルノゾミン(かくなるうえは…) 高坂警部補「にこちゃんっ!しっかりして、にこちゃんっ!!」
スピリチュアルノゾミン「高坂警部補っ!」
高坂警部補「グラスガーデンっ!!」
高坂警部補「………あなたがこんな状態にしたのに…何っ?」キッ
スピリチュアルノゾミン「うち達にとってもそれは不手際で…」
高坂警部補「人にこんなことしておいて…それ?不手際?そんな言い方っ!!」
スピリチュアルノゾミン「その失敗を挽回したいから話がしたいの!だから話を聞いてっ!!」
高坂警部補「っ!?」
高坂警部補「…」
高坂警部補「……話して」
スピリチュアルノゾミン「うん、そのつもりや」 スピリチュアルノゾミン「うちらの活動の前提の一つに殺しは禁忌っていうのがあるんよ」
スピリチュアルノゾミン「いくら目的のスピリチュアルストーンを手に入れるためといえど…」
スピリチュアルノゾミン「何かの命を奪わないといけないような状況であれば別の手を考えよ」
スピリチュアルノゾミン「考えつかない場合は考え付くまでは手だしを禁ずると、こんな感じにね」
高坂警部補「それじゃあなんでっ!」
スピリチュアルノゾミン「だから今回のこれは本当に想定外、不手際だったんよ…」
スピリチュアルノゾミン「だからこそ!怪盗ニコニーをなんとしてでも助ける!!」
高坂警部補「っ!?」 高坂警部補「で、でも…こんな重傷なのにどうやって…」
スピリチュアルノゾミン「回収済みのスピリチュアルストーンを使う」
ハラショーエリー「ノゾミンっ!?」
高坂警部補「スピリチュアルストーン?」
スピリチュアルノゾミン「もうなりふりかまっていられる状況じゃないんよ…」
スピリチュアルノゾミン「スピリチュアルストーンはな、それぞれに個別の特殊な力を持っていて…」
スピリチュアルノゾミン「スピリチュアルストーン19:サンあたりの力を使えば可能性は…」
スピリチュアルノゾミン「それでもだめなら…スピリチュアルストーン20:ジャッジメントあたりも…」
スピリチュアルノゾミン「うん、それに加えて蓄えてある秘薬や手術道具とかも駆使すればなんとか…」 スピリチュアルノゾミン「とにかく!うちらグラスガーデンは今からアジトに戻って必要な道具を回収してくる!」
スピリチュアルノゾミン「せやね…5分、いや3分で戻ってくる!」
スピリチュアルノゾミン「せやから高坂警部補は他の警察が来ないようにしつつ」
スピリチュアルノゾミン「怪盗ニコニーの様子を見ていてくれる?」
高坂警部補「…なんで他の警察を来ないように?」
スピリチュアルノゾミン「そんな状況だとスピリチュアルストーンを使う前にうちらが逮捕されるやろ?」
スピリチュアルノゾミン「そうなれば、うちらを逮捕することができても、ニコニーの命は手遅れになると思うよ?」
高坂警部補「………戻ってくる保障は?」
ハラショーエリー「ん〜…そうだ!予告状でも書いておけばいいかしら?」
高坂警部補「へ?」
ハラショーエリー「ほら、私達、予告状通りに必ず現れるでしょ?だから…」
高坂警部補「予告状なんて書いてる暇があったら早くアジトに戻ってください!!」
ハラショーエリー「理不尽だわ…」ズーン スピリチュアルノゾミン「ほら、エリー落ち込んでないで急いで戻るよ」
ハラショーエリー「そ、そうね!」
高坂警部補「お願いしますよ…」
スピリチュアルノゾミン「急いで戻ってくるからそっちもお願い!」シュンッ
ハラショーエリー「すぐに戻ってくるわっ!」シュンッ
高坂警部補「一瞬でこの場から消えたっ!?」
高坂警部補「…」
高坂警部補「グラスガーデン…どうか…にこちゃんを助けて………」
怪盗ニコニー「…」 高坂警部補「ふぇ〜ん…にこちゃ〜ん…」
怪盗ニコニー「………」
高坂警部補「穂乃果をかばったばっかりに…こんなことに…」
怪盗ニコニー「………」
高坂警部補「こんなにいっぱい血が出てたら痛いよね…ごめんね…」
怪盗ニコニー「………」
高坂警部補「あと3分待てばグラスガーデンの人達が戻ってくるから…」
怪盗ニコニー「…………その前に逃げないとね」
高坂警部補「うん…その前に逃げないと…………ん?」
怪盗ニコニー「ってことで、後で内ポケットの中を確認しときなさい」
高坂警部補「に、にこちゃんっ!?」
怪盗ニコニー「ちょっ!?耳元で大声出すんじゃないわよっ!!」 高坂警部補「えっ!?えっ!?」
高坂警部補「だ、だってこんなに血が流れてるのに!?」
怪盗ニコニー「あ〜、それはライスフラワー発明品No.31紅の米のり」
怪盗ニコニー「結構、血の感じがリアルでしょ?」
怪盗ニコニー「まあ…予想以上の勢いで噴き出たからわたしもちょっとビックリしたけど…」
高坂警部補「血はにせものなのっ!?」
怪盗ニコニー「そゆこと」
高坂警部補「でもでもっ、グラスガーデンが投げたカッター状のタロットが…」
怪盗ニコニー「ああ、それはライスフラワー発明品No.15鋼の米俵かたびらを着てるから」
怪盗ニコニー「かたびら自体にはささってるけど、私自体は無傷なのよ〜」
高坂警部補「ぶ、無事なの?」
怪盗ニコニー「まっ、そういうことよ」フフンッ
怪盗ニコニー「高坂警部補はともかくグラスガーデンも騙せたんだから…私の演技力もたいしたもんでしょ?」
高坂警部補「ぅ…」
怪盗ニコニー「ぅ?」
高坂警部補「うわ〜〜〜んっ!にこちゃんが無事でよかったよぉ〜!!」モッギューーーー
怪盗ニコニー「だあーーーーー急に抱きついてくるんじゃないわよっ!?」 高坂警部補「だってぇ〜、にこちゃんが本当に心配で…」
怪盗ニコニー「はいはい、わかったからそれ…」
高坂警部補「ほぇ?」
怪盗ニコニー「なんで"にこちゃん"なんて呼んでるのよ?」
怪盗ニコニー「私は"怪盗ニコニー"なんだけど?」
高坂警部補「そ、それは…」
怪盗ニコニー「それは?」 高坂警部補「あ、あのね!」
高坂警部補「怪盗ニコニーはいつもターゲットにした人の悪事の証拠をくれるでしょ?」
怪盗ニコニー「そうね…それが?」
高坂警部補「っていうことは悪い人は許せないってことでしょ?」
高坂警部補「つまり目的は私達と同じってことだよね?」
高坂警部補「それならね!お話すれば仲良くなれるんじゃないかなって!」
高坂警部補「それでねそれでね、私がことりちゃんや海未ちゃんと一緒に働いてるみたいに…」
高坂警部補「怪盗ニコニーとも一緒に働けないかなぁって…」
高坂警部補「その時はニコニーのことを愛称で"にこちゃん"って呼ぶくらい仲良くなれればなぁ〜って…」
怪盗ニコニー「ぷっ、あははははっ」
高坂警部補「ちょっとっ!?なんで笑うのっ!?///」 怪盗ニコニー「いやね、穂乃果らしいなって…」
高坂警部補「それってバカにしてるっ!?」
怪盗ニコニー「いやいや、褒めてるのよ?」
高坂警部補「むぅ〜絶対うそだぁ〜」ムスゥ
怪盗ニコニー「うそじゃないわよ〜」
怪盗ニコニー「………まったく…正体がバレたのかと思って焦ったじゃないの…」ボソッ
高坂警部補「ふぇ?いま何か言った?」
怪盗ニコニー「なんも言ってないわよ、あほのか!」
高坂警部補「あっ、またあほのかって言った〜〜〜!!」 怪盗ニコニー「まあ、そこまで元気があれば大丈夫そうね」
高坂警部補「へ?」
怪盗ニコニー「高坂警部補にケガがないみたいで良かったわ」
怪盗ニコニー「それと怪盗である私なんかを心配してくれてありがとね♪」ニコッ
高坂警部補「〜〜〜!?///」
高坂警部補「どどどど、どういたしまして…」
怪盗ニコニー「ん?なにそんなに焦ってんの?」
高坂警部補「な、何でもないよ!」
怪盗ニコニー「そっ、ならいいけど…」 怪盗ニコニー「さってと…」
怪盗ニコニー「もうすぐグラスガーデンが帰ってくるだろうから退散させてもらいますか」
高坂警部補「っ!?」
高坂警部補「待ってっ!」
怪盗ニコニー「待てって言われて待つようじゃ怪盗なんて続けてないわよっ!」ヒョイッ
高坂警部補「あっ、もうそんなところに!」 怪盗ニコニー「じゃあね、高坂警部補」バサッ
高坂警部補「そ、それは…ライスウィング!?」
怪盗ニコニー「ざ〜んねん」
怪盗ニコニー「これはライスフラワー発明品No.32ライスウィングラキエータ」
高坂警部補「らきえーた?」
怪盗ニコニー「そ、ライスフラワー発明品No.3ライスウィングの改良版よ」
高坂警部補「改良版って言っても、こんな平地だとハンググライダーじゃ…」
怪盗ニコニー「そう思うなら捕まえてみなさい?」
高坂警部補「むっ、そこまで言うなら穂乃果だって…」
怪盗ニコニー「と、そのまえにひとこと」
高坂警部補「ん?」
怪盗ニコニー「あんたが言ってた仲良くなる話、目標達成したら考えてあげてもいいわよ?」
高坂警部補「………へ?」 怪盗ニコニー「それじゃあ、ロケットエンジン点火っ!」
高坂警部補「待って、にこちゃん!いまっ…ってロケットエンジンっ!?」
怪盗ニコニー「だ〜から…いまはまだ怪盗ニコニーよ!」
怪盗ニコニー「それじゃあ、またどこかの現場であいましょっ!」
シュゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ
高坂警部補「にこちゃんっ!?」
高坂警部補「………行っちゃった」 高坂警部補「…」
高坂警部補「………にこちゃん」
ヒラッ
高坂警部補「……ん?空から…手紙?」
高坂警部補「えっと…中身は…」
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高坂警部補へ
こっちが必死こいていろいろ準備して戻って来たのに
怪盗ニコニーがものすごい速さで飛んで行ったんだけどどういうことっ!?
まあ無事だったってことなんやろうけど、
まんまと騙されたってわけやね…
まさか、うちまで出し抜かれるとは…正直見くびりすぎてたってことやね……
これは考えを改めんと…
今度は同じ手にはひっかからないから…
出した予告状の失敗は今夜の1枚以上は出すわけにはいかないからねっ!!
次に会う時は怪盗団にこりんぱなも音ノ木坂警察署のみんなもせいぜい覚悟しとくんやね!
グラスガーデンより
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高坂警部補「あはは…そっか…」
高坂警部補「にこちゃんは私だけじゃなくてグラスガーデンも出し抜いたんだね…」
高坂警部補「すごいな…にこちゃん…」
高坂警部補「………」 高坂警部補「…私も頑張って早くにこちゃんを捕まえれるように…」
高坂警部補「そして…」
「穂乃果〜〜〜」
「なんかすごい音がしたけど大丈夫だったっ!?穂乃果ちゃ〜ん」
高坂警部補「っ!?」
高坂警部補「海未ちゃ〜ん、ことりちゃ〜ん私は無事だよ〜〜〜」ブンブンッ
高坂警部補「にこちゃんのおかげでね…」ゴニョゴニョ - 事件翌日:怪盗団にこりんぱなアジト -
にこ「はぁ〜昨日はどっと疲れたわ…」
花陽「あはは、おつかれさまにこちゃん」
凛「凛はあのくらい全然平気だったよ?」
にこ「…あんたはそうでしょうね…」
凛「にこちゃんは体力ないのに無茶しすぎだにゃ」
にこ「っさいわねぇ…」
花陽「まあまあふたりとも」
花陽「あっ、そうだ!グレースさんは無事逮捕されたみたいだよ」
にこ「そう、これでやっと6人目ね」
凛「どちらかといえばまだ6人目な気もするにゃ…」
にこ「そうね…」 にこ「はぁ〜…まだ19人も残ってるって言うのに…めんどくさいやつらに目をつけられたのは痛いわね…」
花陽「え〜っと…グラスガーデンのこと?」
にこ「そうよ」
にこ「あいつらがこの秘宝"愚者の世界"を狙ってるみたいだから…いつものルートじゃさばけないし…」
凛「それならやっつけちゃえばいいにゃ!」
にこ「そんな無駄なリスクを抱えるのはごめんよ…」
凛「えぇ〜」
にこ「戦ってケガでもしたら私達本来の目標達成に支障がでるでしょ?」
凛「それはそうだけど…」
にこ「幸い、あいつらの目的がわかったわけだから、この財宝は遠くの宝物庫にしまっておいて…」
にこ「しばらくはあいつらの目的と被らないターゲットを狙って行きましょ?」
花陽「たしか…スピリチュアルストーンだっけ?」
にこ「そう、ストーンって名前をしてるし、宝石や鉱石とか石にかかわりそうな案件はなるべく避ける方針でしばらくは行くわよ?」
りんぱな「「おーーっ!!」」 - 事件翌日:音ノ木坂警察署署内 -
「…のか!」
高坂警部補「…」
園田警部「穂乃果っ!聞いてるんですかっ!?」
高坂警部補「っ!?」
高坂警部補「も、もちろん聞いてたよっ!?」
園田警部「はぁ〜…明らかに聞いてなかったじゃないですか…」
南警視「穂乃果ちゃん…昨日の事件の後からなんか変だよ?」
高坂警部補「そ、そんなことないよ!」
園田警部「怪盗ニコニーを追ってる時に怪我でもしたのでは?」
高坂警部補「け、ケガなら…にこちゃんが守ってくれたからだいじょうぶ…」ゴニョゴニョ
南警視「ん?…にこちゃん?」
高坂警部補「へっ!?な、なんでもないよっ!?」 高坂警部補「…」ボーッ
南警視「ん〜…」
園田警部「これはいったいどうしたことでしょう…」
Dr.西木野「その原因はわかっているわっ!!」バーーーン
ことうみ「「Dr.西木野っ!?」」 園田警部「原因とはなんですっ!?穂乃果は病気なんですかっ!?治るんですかっ!?」
南警視「Dr.西木野、おねがい!教えてっ!」
Dr.西木野「………怪盗ニコニー」
ことうみ「「っ!?」」
Dr.西木野「彼女は秘宝"愚者の世界"だけじゃなく、もうひとつ財宝を盗んでいったみたいね…」
南警視「え?もうひとつの財宝?」
園田警部「現場検証はしましたが…怪盗ニコニーが盗んだのは"愚者の世界"だけですよ?」
Dr.西木野「いいえ、目には見えないけど確かにあるの…」
南警視「ん〜?」
園田警部「それが穂乃果に関係あるんですかっ?」
Dr.西木野「ええ、おおありよ」 園田警部「それはなんなんですっ!?」
南警視「もったいぶらずに教えてよぉ〜」
Dr.西木野「ふふっ…それはね」
ことうみ「「それはっ!?」」
Dr.西木野「高坂警部補っ!」
高坂警部補「は、はいっ!!」
Dr.西木野「怪盗ニコニーが盗んでいったのは…高坂警部補、あなたのこころよ?」
高坂警部補「ふぇっ!?///」ボフッ
ことうみ「「っ!?」」 高坂警部補「そ、そんなことは…///」
高坂警部補「で、でも…にこちゃんにだったらとられても…いい…かな…////」
ことうみ「「っ!?っ!?」」
南警視「どどど、どういうことなのっ!?」
園田警部「穂乃果と怪盗ニコニーの間に何があったんですかっ!?」
Dr.西木野「そこまではわからないわよ…本人に聞いてみたら?」
ことうみ「「っ!!」」 南警視「穂乃果ちゃんっ!!」
園田警部「穂乃果っ!!」
高坂警部補「へっ!?えっ!?ど、どうしたのことりちゃん?海未ちゃん?」
南警視「これから取調室でお話を聞かせてもらいます!」
園田警部「洗いざらいはいてもらいますからねっ!」
高坂警部補「えっ!?えぇ〜〜〜〜〜〜っ!?」
Dr.西木野「…………やっと歯車がまわりはじめたわね」
Dr.西木野「ふふっ、これからおもしろくなりそうね…」 7/28はにこと穂乃果の真ん中バースデー!
そんな記念日にちなんだちょっと変化球気味なほのにこSSでした ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています