せつ菜「しずくさんの声が聞きたいです!」
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生徒会室
菜々「…」カキカキ
〜〜〜♪
菜々(ん、電話)
菜々「はい、もしもし?」
しずく『あ、せつ…コホン、菜々さん?突然すみません」
菜々「ふふっ、電話ですからどう呼んでいただいても大丈夫ですよ」
しずく『あ、そうですね、えへへ。。』
菜々「それで、どうされたんですか?」
しずく『実は、今日から少しの間ですが演劇部のほうに重きを置きたくて』
しずく『同好会にもなるべく出たいのですが、不定期だったり遅れて参加という形になりそうで…』 菜々「分かりました…わざわざありがとうございます。でも無理はなさらないでくださいね」
しずく『はい、ありがとうございます♪』
菜々「いえ、構いませんが…何故私にそれを?」
しずく『あ、それはですね。もう一つお話がありまして』
菜々「なんでしょう?」
しずく『部から講堂の使用許可の申請書を預かっているのでお渡ししたくて。今、生徒会室ですか?』
菜々「なるほど。はい、いますよ。ではお待ちしてますね。」
しずく『よかった、では今から行きますね』
菜々「はい」
プツッ コンコン
『失礼します』
菜々「どうぞ?」
ガチャ
しずく「こんにちは〜。。。あ、お一人だったんですね」
菜々「えぇ、今日はもう粗方仕事が終わったので」
しずく「お疲れ様です。それで、これなんですけど…」スッ
菜々「…うん…問題ありませんね。確かに受け取りました」
しずく「お願いします」ペコッ
菜々「近々、公演あるんですか?」
しずく「はい。来週の土曜日に。」 菜々「どんな演目か聞いてもいいですか?」
しずく「○○〇ってタイトルのお話なんですけど…ご存じですか?」
菜々「〇〇〇!?」ガタッ
しずく「」ビクッ
菜々「知ってます!今そのお話を元にしたアニメやってるんですよ!!」ガシッ
菜々「私すっごくハマってて!!え、観に行ってもいいですか!?」ブンブン
しずく「あわわ…菜々さん落ち着いて!せつ菜さんモードになっちゃってますから!」アセアセ
菜々「ハッ!?…すみません私としたことが///」ストン
しずく「アハハ…でも分かりますよ。好きなことを誰かと共有できるって楽しいですよね♪」 菜々「はい…つい舞い上がってしまいました///」
しずく「ふふ、来てくださるんですか?嬉しいです♪」
菜々「絶対行きます!最前列で観ます!」
しずく「ありがとうございます。そういうことなら気合入れないとっ」
菜々「来週末が待ち遠しいですね」
しずく「あ、、、練習の途中だったので私そろそろ行きます。詳しくはまた今度お伝えしますね」
菜々「分かりました。頑張ってくださいね」フリフリ
しずく「…」ペコリ
ガチャ バタン 夜・せつ菜自室
せつ菜(あれから、どうにも落ち着かない)
せつ菜(意外な共通点が出来て興奮冷めやらぬ、といったところでしょうか)
せつ菜(話したい…しずくさん…)
せつ菜(…)
ポチポチ
『せつ菜:しずくさん、今お暇ですか?』
ピロン
せつ菜(!)
『しずく:はい、どうしたんですか?』
『せつ菜:少しお話したくて…通話してもよろしいでしょうか?』
『しずく:大丈夫ですよ♪掛けますね』 〜〜〜♪
せつ菜「もしもし」
しずく『せつ菜さん、こんばんは』
せつ菜「こんばんは。急にすみません」
しずく『いえ、私も暇してましたから。それでお話って?』
せつ菜「あぁ、いや…大事な話があるとかではなく、なんというか」
しずく『?』
せつ菜「ただしずくさんと話がしたくて」
しずく『えっ///』ドキッ せつ菜「あ、ちっ違いますよ!変な意味じゃなくて!///」
せつ菜「昼の話の続きがしたかったんですっ」
しずく『そ、そうですよね…私ったら早とちりを///』
せつ菜「ご迷惑でしたか?」
しずく『いえいえ!せつ菜さんとこうして話すのって珍しくて、無意識に身構えてたみたいです』
しずく『それに、私も共通の話題が出来て思いのほか心躍っているみたいで』
しずく『もう少しせつ菜さんと話せないかなって思ってました』
せつ菜(しずくさんも…) せつ菜「それにしてもハードですね!私たちのライブももうすぐあるというのに」
しずく『そうですね…でも、楽しいですよ。どちらも比べられないほど好きですから♪』
せつ菜「しずくさんらしいです!それで、今度のお芝居の話ですが」
せつ菜「アニメで知ってるとは言いましたがやはり元のお話とは別のものでしょうし」
せつ菜「どんなお話なのか聞かせてほしいです!」
しずく『任せてください!どこから話そうかな…』 しずく『…っと、主な登場人物はこんなところでしょうか』
せつ菜「ふむふむ。それで、しずくさんは誰の役を?」
しずく『…実はヒロインの子の役をいただけて///』テレテレ
せつ菜「すごいじゃないですか!ますます楽しみになってきました!」
せつ菜「アニメのほうの私の推しもヒロインの子なんです!」
せつ菜「可愛くていい子で、それでいて芯の強さが魅力的で!しずくさんなら文句なしの適役ですね!」ペカー
しずく『ありがとうございます///』 しずく『…〜だから、この時主人公の父親が実は……』
せつ菜「…」
しずく『…ぁ…』
せつ菜「…?どうかしました?」
しずく『いえ…つい夢中になってしまって一方的に話してしまいました』
しずく『すみません、悪い癖で…演劇の事となるとつい。退屈でしたよね』アセアセ
せつ菜「そんなことないです!しずくさんの熱い語りに私も聞き入ってしまいました!」
せつ菜「嫌でなければもっと聞かせてください!」 せつ菜(すみませんしずくさん、今のは半分本当で半分嘘)
せつ菜(普段とは違って耳元から聞こえてくるしずくさんの声)
せつ菜(透き通っていて落ち着くような、でも何故だか胸が高鳴って落ち着かない)
せつ菜(こうも長時間聞くことは今までありませんでしたが)
せつ菜(ずっと聞いていたくて、聞いていると変な気分になる)
せつ菜(なんでしょうこの不思議な気分は)
せつ菜(……)
せつ菜(…あ)
せつ菜「…いつの間にかいい時間ですね」
しずく『え?…あ、本当ですね。すみません、結局私が話しっぱなしで…』シュン 公式のように尺はないんだから実在の作品をせつ菜に語らせるといいね せつ菜「…」
せつ菜「…また明日、こうして話しませんか?」
しずく『!…はい!』パァ
せつ菜「楽しみにしてます!」
しずく『私も…今日は楽しかったです』
しずく『今度はせつ菜さんのアニメのお話も聞きたいです』
せつ菜「おや、いいんですか?私も熱く語ってしまうかもしれませんよ?」フフッ
しずく『ぜひ。望むところです♪』
せつ菜「それではおやすみなさい、しずくさん」
しずく『おやすみなさい♡良い夢を♡』ササヤキ
せつ菜「ひ!?///」ビクッ
プツッ せつ菜(――――)ポケー
せつ菜(…はっ!?)
せつ菜(今一体何が…?///)ドキドキ
せつ菜(しずくさんの最後の声を聴いた瞬間、全身の力が抜けたような…)ゾクゾク
せつ菜(…すー…はー…)
せつ菜(…)ドキドキ
せつ菜(ダメ…こんなの寝られない…!!///)
せつ菜(しずくさん!なんてことをしてくれたんですか!もう!)ドキドキ しずく自室
しずく(ふぅ…楽しかったなぁ)
しずく(こんなに誰かに演劇の話をしたの初めてかも。それに…)
せつ菜『すごいじゃないですか!ますます楽しみになってきました!』
せつ菜『そんなことないです!しずくさんの熱い語りに私も聞き入ってしまいました!』
せつ菜『…また明日、こうして話しませんか?』
しずく(あんなに楽しそうに聞いてくれる人も。)
しずく(せつ菜さん、本当に楽しみにしてくれてるんだ)
しずく(期待を裏切りたくない。私を見てほしい)
しずく(もっと頑張らないと…)ギュッ
しずく(……)
しずく(そういえば…せつ菜さん…最後変な声…)ウトウト
しずく(…スヤ…スヤ…) ____
___
__
菜々「…」
しずく「せ・つ・菜・さん♡」ポン
菜々「っっ!!///」ビクンッ
菜々「ぁ…し、しずくさん。あの、今は菜々ですから名前…」
しずく「大丈夫♡ここには私たちしかいませんよ♡」ススス
ピトッ
菜々「ひっ///ちょ、近いですっ///」カァ
しずく「ねぇせつ菜さん♡どうして急に私とお話してくれる気になったんですか?♡」スリスリ
菜々「へ…?えっと、昨日言った通り、私の好きなアニメが…」
しずく「嘘♡本当は私の声が聞きたかったんですよね?♡」
菜々「な!?///そんなことありません!!」
しずく「顔真っ赤っかですよ♡」
しずく「…せつ菜さんの、えっち♡」ササヤキ 朝・せつ菜自室
せつ菜「私はえっちじゃありません!!!」ガバッ
チュンチュン
せつ菜「…あれ…?」
せつ菜(…もしかして、夢?)
せつ菜(………)
せつ菜(〜〜〜〜っ///)
せつ菜(私はなんて夢を…!///)
せつ菜(しずくさんはあんなやらしい子じゃありません!解釈違いです!)
せつ菜(…いや、あれは私の生み出したしずくさんですが…誰に言ってるんだろう…)
せつ菜(はぁ、最低…) 早朝・虹ヶ咲学園前
菜々(完全に目が覚めてしまったのでとりあえず来ましたが)
菜々(流石に早すぎましたね)
ポンポン
菜々「?」クルッ
しずく「おはようございます、お早いんですね♪」
菜々「っ!///」バッ
しずく「すみません。驚かせてしまいましたか?」
菜々「ぁ…ぃ…いえ。おはようございます…///」
しずく「?」
菜々(急すぎます!心の準備がっ!)ドキドキ
菜々(すぅ………ふぅ…よし)
菜々「しずくさんこそこんな時間から…もしかして自主練ですか?」
しずく「はいっ。演劇もライブも、最高のパフォーマンスを見せたいので!」 菜々「すごいですね…お家遠いのに」
しずく「それはそれで台本を読み込んだり、イメージトレーニングをしたりできますから」
菜々「それにしても。。。」
しずく「それに今回は…見てほしい人がいるから、かな」チラッ
菜々「えっ///」ドキッ
しずく「なんて、直接言うのは流石に照れちゃいますね///」
しずく「私そろそろ行きますねっ」タッ
しずく「…あ」クルッ
しずく「今晩も、楽しみにしてますからね!」フリフリ
菜々「…」フリフリ
菜々(……しずくさんはずるい)
菜々(忘れようとしたのに、嫌でも意識してしまう…) ――それからというもの
しずく「また私の声を聞きたくなったんですか?♡」
――私は毎晩しずくさんと電話をして
しずく「私のことそんな目で見てたんですね♡」
――毎晩しずくさんの夢を見た
しずく「へんたい♡」
――そうして目が覚めるたびに自己嫌悪に陥る
しずく「すけべ♡」
――演劇のお話をしているしずくさんは本当に楽しそうで
しずく「きゃっ♡」ドサッ
――私もしずくさんと話がしたくてたまらない
しずく「ふふ、せつ菜さん…目が怖いですよ?♡」 ――それは趣味の話題ができるからで
しずく「私を押し倒してどうしたいんですか?♡」
――決して邪な気持ちではない、はずなのに
しずく「私のせいなんですか?♡やらしいだなんて、ひどいです♡」
――しずくさんの声が私を狂わせる
しずく「せつ菜さんがえっちだからそう聞こえるんじゃないですか?♡」
――これは夢だから
しずく「やっぱり嘘だったんですね♡」
――しずくさんが悪いんですから…いいですよね?
しずく「―――けだもの♡」 公演前日・虹ヶ咲学園部室棟
せつ菜(いよいよ明日ですね)
せつ菜(…結局しずくさんとは学園で顔を合わせることはなかった)
せつ菜(朝も放課後も練習漬け。好きなことへの熱意は私よりもすごいのかもしれない)
せつ菜(それもあってか、唯一話せる夜が一日の楽しみになってしまいました)
せつ菜(それはいいのですが)
せつ菜(あんな夢を見ている自分が恥ずかしくて、この先冷静に会える自信がない)
せつ菜(これでは私は本当に…)
せつ菜(あ…あれは…)サッ しずく「…」テク、テク
せつ菜(って、いけない)
せつ菜(逃げていても仕方ないですよね)
せつ菜(どうせ明日には会うんだから)
せつ菜(…よし、大丈夫)スッ
しずく「…」フラ、フラ
せつ菜(…?)
せつ菜(なんだか様子が…)
せつ菜「…!!」ダッ しずく「…ぁ…」グラッ
せつ菜「しずくさん!!!」ダキッ
しずく「―――」
せつ菜「ちょっと!大丈夫ですか!?」
しずく「ぅ…せつ菜さん…?あれ、私…」
せつ菜「よかった。意識はありますね」ホッ
しずく「…すみません、ありがとうございます」スッ
せつ菜「待ってください!まだダメですよ」ガシッ
しずく「いえ、もう大丈夫です。少しめまいがしただけで」 せつ菜「歩いていて眩暈がするのは大丈夫ではありません!」
せつ菜「それに、そんな顔色では説得力ありません」
しずく「っ」フイッ
せつ菜「…失礼します」グイッ
オデココツン
しずく「!?」
せつ菜「ん…熱はないですね」
しずく(せつ菜さん近いっ!///)
しずく「あの、本当にもう大丈夫ですから…///」プイッ
せつ菜「そうですか…立てますか?」
しずく「はい。ご迷惑をおかけしました」 しずく「それでは…」ペコッ
せつ菜「どこへ行くんですか?」
せつ菜「まさか練習なんて言いませんよね?」
しずく「…本番、明日ですから」
せつ菜「馬鹿な事言わないでください!」ガシッ
しずく「っ、でも、あと1日だけ、今日で終わりですから」
せつ菜「違います!頑張るのは明日なんです!!」
せつ菜「もし今日無理して明日本当に倒れたらどうするんですか!!」
しずく「…あ…」
せつ菜「来てください」ギュッ
しずく「え?わ、ちょっとせつ菜さん」トテトテ 保健室
コンコン
せつ菜「失礼します…誰も居ませんね」
しずく「あの…」
せつ菜「しずくさん、寝てください」
しずく「えっと…?」
せつ菜「今からでも一度しっかり休みましょう」
しずく「でも…」
せつ菜「大丈夫です。しずくさん頑張ってたじゃないですか」
せつ菜「今日までの自分を信じてください!」
せつ菜「それでも不安なら私が保証します!」ペカー せつ菜「最高のパフォーマンス、見せてくれるのでしょう?」
しずく「…そう、ですね…私が間違ってました」
せつ菜「…」
せつ菜「私、しずくさんの重荷になってしまっていたでしょうか」
しずく「え?」
せつ菜「私が楽しみだと言ったから。毎晩電話で話していたから」
せつ菜「しずくさんにずっとプレッシャーをかけてしまっていたかもしれません」
しずく「そんなことありません!」 しずく「せつ菜さんのおかげで私は頑張れたんです」
しずく「私、昔からこんなだから、演劇の話ができる友達なんていませんでした」
しずく「だからせつ菜さんが話し相手になってくれて、楽しそうに聞いてくれて、本当に嬉しかったんです」
しずく「この数日間はすごく幸せでした」
しずく「そんな幸せをくれたせつ菜さんに、私のありったけを見てほしかったんです」
しずく「それで、もしよろしければ…これからも仲良くしてほしいです…」
せつ菜「もちろんです!私もしずくさんともっと仲良くなりたいと思ってますから!」 せつ菜「とりあえず今は寝てください」
しずく「はい。せつ菜さんは?」
せつ菜「傍にいますよ。今日のしずくさんは放ってはおけませんから!」
しずく「流石にそれは悪いですよ。私は寝るだけなので…退屈じゃないですか?」
せつ菜「しずくさんの寝顔でも見ていようかと!」ペカー
しずく「な、だめですよ!恥ずかしいです、やめてください!///」
せつ菜「でも他にやることもありません!」
しずく「………」
しずく「なら、せつ菜さんもここで一緒に寝てください」ニコッ
せつ菜「!?」 せつ菜「なんでそうなるんですか!///」
しずく「私は寝顔を見られたくない。せつ菜さんは傍に居たい。問題ありません♪」
せつ菜「ベッド1人用ですし!」
しずく「くっつけば入れます♪」
せつ菜「そっちのほうが恥ずかしくないですか!?///」
しずく「そうですか?私は彼方さんに抱き枕にされてたまに一緒に寝ますけど…」
せつ菜(そんな…しずくさんは彼方さんに毒されて…誰とでも寝る子に…)ホロリ
しずく「なにか失礼なこと考えてません?」 しずく「せつ菜さんが一緒に寝てくれないと私眠れません」ニコニコ
せつ菜「う…今それは反則ですよ…」
せつ菜「分かりました…私の負けです」
しずく「さ、来てください♪」ポンポン
せつ菜「お邪魔します///」イソイソ
しずく「♪」ギュ
せつ菜(やっぱりこれマズくないですか!?主に私が!)
しずく「…せつ菜さん……ありがと…」
しずく「スヤ…スヤ…」
せつ菜(…よほど疲れてたんでしょうね)
せつ菜「おやすみなさい」ナデナデ ____
___
__
しずく「ん……」パチッ
しずく(……あ、寝てたんだっけ…)
しずく「…」チラッ
せつ菜「スー…スー…」
しずく(…綺麗な寝顔)
しずく「…」スッ
パシャッ
しずく(♪…そうだ、もう一枚…)スッ
パシャッ
しずく(…ふふっ♪)
しずく(さて、そろそろ起きないと…だけど)
しずく(合宿の時のせつ菜さんを考えると、起こすのちょっと怖いな…) しずく(なるべく優しく、小声で…)
しずく「せつ菜さーん…」
しずく「せつ菜さん、起きてくださーい」ササヤキ
せつ菜「」ピクッ
しずく「せつ菜さーん?」ツンツン
せつ菜「…」ムクッ
しずく「ほっ…起きてくれました?」
ガバッ
しずく「きゃ!!」ドサッ ―――突然の出来事に混乱する
―――さっきまで横に居たせつ菜さんが私の上に居る
せつ菜「…これは………め?…なら…」ブツブツ
―――何かを呟いているが聞き取れない
しずく「せつ菜さん…?あの、大丈夫ですか?」
せつ菜「…いいんですよね。しずくさんが悪いんですから」スッ
しずく「え…?」
―――その言葉の意味を理解する前に
しずく「んっ―――」
―――気が付けば、せつ菜さんと私の唇が重なっていた しずく(――――)
―――目まぐるしく変わる状況に寝起きの頭では追い付かない
せつ菜「んっ…ちゅっ…はむっ」
―――加えて、至近距離のせつ菜さんから垂れた髪の香りが思考を余計麻痺させる
しずく「んむ…ん…あむ…」
せつ菜「ちゅむ……ふふっ、しずくさん可愛い…んっ」
―――ようやく思考が少し働く
しずく「ぷはっ…あ、だ、ダメですせつ菜さん…いけませんこんなの///」ハァハァ
せつ菜「どうしても嫌でしたら突き飛ばして逃げてください」
せつ菜「私からは抑えられません」
―――そう言ってシャツの中に手を滑り込ませる
しずく「あっ///だめ、だめです♡」
せつ菜「そんなこと言って抵抗しないんですか?」スリ…フニフニ
しずく「っ!///んっ♡…それは」 ―――できない。疲労が残っているのかさっきからうまく力が入らない
―――それにこのベッドの大きさ
―――突き飛ばしたらせつ菜さんが落ちて怪我をするかもしれない
せつ菜「私を気遣ってくれているのでしょうか。それとも、期待してます?」モミモミ
しずく「、ちが、ぁむ…ん」
せつ菜「ちゅ…まぁどちらでも構いません」
せつ菜「今は私の事を一番に考えてくれているということですから」キュッ
しずく「ぁん♡…〜〜〜っ///」カァ
―――言い終わると同時に、胸の先端を指でつまみ
―――私は抑えきれない自分の声に羞恥を隠せない せつ菜「ふふ、やらしい声♡」クニクニ
しずく「いや♡言わないでっ♡、んっ♡や…っ♡」ピクッ
せつ菜「そんなしずくさんも可愛いです♡」スッ
しずく「…?」
―――またキスされるかと身構えたけれど、せつ菜さんの顔はそれて首元へ
せつ菜「はむ」チュ
しずく「ぁ♡それ、やめてくださいっ///」ゾクゾク
せつ菜「しずくさん、私のものになってください」チュ
しずく「っ!」キュン
―――平気な顔してそんなセリフを言う
―――いつだったか、以前にも言われたことがあった
―――どうやら私は、その言葉に弱いみたい
しずく「なりません、知りませんっ///」プイッ
―――受け入れはじめてしまっている自分への否定も込めて せつ菜「しずくさんのせいなんですよ?」
せつ菜「いつもいつも、私を惑わせて、その気にさせて」
しずく「なんの、ことですか」
せつ菜「またそうやってとぼけるんですか」キュッ
しずく「やぁ♡わた、知らなっ♡」ビクン
せつ菜「そんな悪い娘にはオシオキ、ですね♡」ピラッ
しずく「あっ…///」プルンッ
―――いつの間にか外されたブラごとシャツを捲られて
―――火照った身体と二つの膨らみが外気に晒されて
―――せつ菜さんに見られるだけで恥ずかしいのに
しずく「吸わないでぇ♡///」ビクッ
せつ菜「ちゅぅ…ん…」モミモミ
しずく「や♡あっ…あぁ♡」 ―――流石に押し返そうとするけれど
―――力なく震える手では添えるだけで精一杯
―――無理。せめて声だけでも抑えなきゃ…
しずく「〜〜んっ…ぁ♡…ゃん!///」ギュー
―――優しく撫でたかと思えば敏感な点を強く摘み
―――舌で転がし、甘噛みし、吸い付く
しずく「ん♡…ん///…ぁ…あっ♡」
―――左右から絶え間なく与えられる別々の快感
―――これはダメっ私、せつ菜さんの前でいっちゃう……もう、、、
―――いきたい
せつ菜「…」スッ
しずく「ハァ、ハァ♡――――え…」 ―――突然止められた手と身を引くせつ菜さんを見て、思わずこぼれる声
せつ菜「…?……あぁ、、、ふふっ」
しずく「ぁ…」カァァ
―――優しく微笑んでいるかのように錯覚するせつ菜さんを見て我に返る
―――後悔してももう遅い
せつ菜「少し体勢を変えようと思ったのですが」
せつ菜「ねぇしずくさん、ひょっとして今…」
しずく「や、違います!そんなわけないです!///」
せつ菜「我慢しなくてもいいんですよ?」
しずく「知りませんったら知りません///」カオカクシ
せつ菜「そうですか。では、確かめてみましょう」スルリ
しずく「へ…?………っ!!!」 ―――くちゅ
―――音が聞こえたわけじゃないけれど、まるでそう鳴ったかのように
―――ショーツが意味を成してないほどに濡れていた
せつ菜「こちらのしずくさんは正直でかわいいですね、なんて♪」ツー
しずく「―――っ〜〜〜〜〜///」カァァァ
―――ばか、ばか、せつ菜さんのばか
―――必死に取り繕ってきた言葉もすっかり無意味
―――元から意味があったかは分からないけれど
せつ菜「しずくさん」
しずく「なんですかもう///」
せつ菜「下、触ってもいいですか?…とても大事なところなので」
しずく「……」
しずく「ひとつ、お願いがあります」
せつ菜「なんでしょう?」 しずく「イジワル言うのは禁止です…恥ずかしくて死んでしまいそうです…///」カァ
せつ菜「――――――」
しずく「あの、聞いてますか…?」
せつ菜「…かわいいです」
しずく「!?…もう、何言ってるんですか!」
せつ菜「可愛すぎて意識飛びかけました!」
しずく「うぅ///」
せつ菜「…すみません、少しやりすぎてしまいました」ナデナデ
しずく「ぁ…」
せつ菜「しずくさんの反応が可愛らしくて。好きな子に意地悪したくなるってこんな感じでしょうか」ポンポン
―――頭ぽんぽんは反則だと思います しずく「…///」ポー
せつ菜「こういうのもダメでしたか?」ナデナデ
しずく「ん…ダメじゃないです」
せつ菜「…」ナデナデ
せつ菜「髪、綺麗でサラサラですね」
しずく「ありがとうございます」
しずく「せつ菜さんの髪も素敵ですよ」
せつ菜「少し失礼します」
しずく「?」
せつ菜「…」スンスン
しずく「あの…それはちょっと///」 せつ菜「大丈夫です、とてもいい香りがします!」
しずく「そういうのがダメなんですっ///」
せつ菜「癖になってしまいそうです」スンスン
しずく「せつ菜さん!」プクー
―――するり
―――髪に気を取られてショーツへと伸びる手に気付かなかった
―――糸を引いていやらしく滴る体液
しずく「きゃぁ///」バッ
せつ菜「…しずくさん」ギュ
しずく「……///」スッ
―――慌てて隠した手に優しく手を重ねられ、観念して力を緩める
―――私の身体をすべて見られてしまい
―――これからされるであろう行為に恥ずかしさとドキドキで身体が熱い せつ菜「力、抜いてください」ツー
しずく「ん♡…はぁ」ピクン
―――ちゅぷ、ちゅぷ
―――入口付近をなぞる様にゆっくりと往復させ
―――空いた片手は再び胸を愛撫する
しずく「はぁ、はぁ♡んっ、んんっ」
―――先ほどまでは気にする余裕がなかったけれど
―――せつ菜さんの触り方はとても繊細で壊れ物を扱うかのよう
―――触れた箇所から伝わる優しさに心も身体もほぐされていくみたい
せつ菜「可愛いですよ、しずくさん。本当に…」ツプ
しずく「あっ♡」ビクッ
せつ菜「痛かったら言ってくださいね」チュプ、クチュ、クニクニ
しずく「ん♡ぁ、♡ふーっ♡ぁん♡」
せつ菜「声出してもいいんですよ?しずくさんの声が聞きたいです」クチュクチュ
しずく「んーー!///」ブンブン ―――ダメって言ってるのに
―――こんな姿晒して、可愛い可愛いと言われてもう頭がいっぱいいっぱい
―――とにかく口を押えないと、それ以外はもう考えられない
せつ菜「嫌ですか、残念。ではこうしましょう」クイッ
しずく「ひぁっ…んむ――っ」
―――不意に口を塞がれ、舌を絡められる
せつ菜「あむ…んちゅ…れろ」
―――密着した身体は上も下も弄られて
―――耳から聞こえるのはくちゅ、くちゅといやらしく響く水音
―――零距離から伝わるせつ菜さんの甘い香りに脳はくらくら
―――目を開けばせつ菜さんの顔に、はしたなく身をよじる私の身体
―――恥ずかしいのに目をそらすことも許されず閉じるしかない
―――それがまた余計に他の感覚を研ぎ澄ませて敏感になってしまう しずく「んむーっ♡んん!♡ぷは///」
せつ菜「…私しか知らないしずくさん、もっと見せてください」クチュッ、ニュプニュプ
しずく「も、いや♡だめっ!///私、わたしっ!♡」
せつ菜「…」クチュ、チュプ
しずく「せつ菜、さん♡きす、きすしてくださいっ♡もう!」ビク、ビク
せつ菜「可愛い…イってください。んっ」グチュ、グチュ、クイッ
しずく「んんーーー!♡〜〜〜っ!!♡♡」ビクンビクン
―――五感すべてをせつ菜さんに支配されたような感覚に陥りながら
―――私は性的快感に身を委ねて果ててしまったのだった
――――
―――
―― しずく「……」ポチ、スッスッ
せつ菜(正座)「…」
せつ菜(…優木せつ菜、人生最大のピンチです)
・・・・
数分前
しずく「…」プチ、スルッ
せつ菜(やらかしました…)
せつ菜(無言で身だしなみを整えるしずくさん…)
せつ菜「あ、あの!しずくさん!」
しずく「…」チラッ
せつ菜「申し訳ございませんでした!」ガバッ
しずく「…」
せつ菜「……」ドゲザ
せつ菜「…?」チラッ
しずく「…」フイッ
せつ菜「あぅ…」
・・・・ しずく「…」ポチポチ
せつ菜(あれから何度も謝罪をしましたが、ずっと無表情でスマホをいじってます…)
せつ菜(…何をしているのでしょうか…)
せつ菜(同好会の皆さんへ私のことを話している…?)
せつ菜(それとも通報でしょうか…)ビクビク
せつ菜(…しずくさんが訴えたら普通にアウトですねあれは)
せつ菜(しずくさん、もう私の事嫌いに…)
せつ菜(二度とお話したりできないのでしょうか…)
せつ菜(…あ、ちょっと泣きそう)ウルッ しずく「さて」
せつ菜「っ!」ビクッ
しずく「何か、言いたいことはありますか?」
せつ菜「ぁ、え、と…」
しずく「何でも構いませんよ、言い訳なりなんなり」ニコッ
せつ菜(ひっ…目が笑ってません)
せつ菜「あ、あれはその、ゆ、夢だと…思いまして…ですね…」
しずく「ふーん…」
しずく「ならせつ菜さんは、夢で私に会ったら迷わずああいうことしちゃうんですね」
せつ菜(!?)
せつ菜「いやそんな!」 しずく「夢のせいにしてやっちゃえ!って感じですか?」ニコニコ
せつ菜「違うんです!最近その、ああいった夢を毎晩見てて!」アセアセ
せつ菜「見過ぎて、寝起きで、現実と夢が混同してしまって…」
しずく「毎晩、ですか」
しずく「私はせつ菜さんとたくさんお話できて楽しかったのに」
しずく「せつ菜さんは私と電話しながらそういうこと考えてたんですね」
せつ菜「ちがっ!」
しずく「違いませんよね?」
せつ菜「…違、いませんね…」 しずく「あーあ、ショックです私」
しずく「いつもかっこいい先輩が、実は夢をいいことに女の子を襲っちゃう狼さんだったなんて」
せつ菜(うぐ…何も言えません)
しずく「せつ菜さんのえっち。へんたい。すけべ。けだもの」ジトー
せつ菜(あ、夢のしずくさんと同じ…解釈違いは私のほうだった…?なんて)フフ
バンッ!
しずく「何、笑ってるんですか?」ニッコリ
せつ菜「ひぇっ!!す、すみません!」バクバク
しずく「反省してます?」
せつ菜「」コクコク しずく「なら、私を安心させてください」
せつ菜「…え?」
しずく「同好会にこんな狼さんが居るなんて安心できませんよね?」
せつ菜「………」アセアセ
しずく「今、私が欲しい言葉をください」
しずく「そうしたら許してあげます」
せつ菜(……そういうこと)
せつ菜「すー…はー…」
せつ菜「…分かりました」スッ
しずく(?…跪いて、何を…) せつ菜「桜坂しずくさん、あなたは私の理想のヒロインです。
この先の物語を、私と共に歩んではもらえませんか?」
せつ菜「きっとあなたの心を真っ赤に染めて見せますから―――」ニコッ
しずく「――――っ!」 しずく(なにそれ…ずるい、ずるい、ずるい!///)キュンキュン
しずく(私は、普通に告白してもらうだけのつもりだったのに)
しずく(こんなの…)
しずく(真剣な顔でお芝居みたいなこと言うところも)
しずく(それがとても似合ってしまうところも)
しずく(もう全部がずるい、悔しい。だから―――)
しずく「…せつ菜さんの理想のヒロインって、つまりえっちな子なんですね?」
せつ菜「!?そういう意味ではありません!!///」
しずく(これくらいのイジワル言うのは許してくださいね♪)ダキッ
せつ菜「わ、っとと」ギュ
しずく「…///」ギュー
せつ菜「ふふ♪」ポンポン
――――
―――
―― 公演当日・開演直前
しずく(何度も練習した。セリフも確認した)
しずく(体調も万全。恐れることは何もない。大丈夫、そう、私は大女優…)
しずく(…ううん、完璧じゃなくたっていい)
しずく(私の想うヒロインを全力で演じるの)
しずく(それだけできっと伝わるから。それに…)
・・・・・
せつ菜「今日までの自分を信じてください!」
せつ菜「それでも不安なら私が保証します!」ペカー
・・・・・
―――幕が上がる
しずく(今日は、見守ってくれている人がいる)チラッ
―――約束通りの最前列
菜々「…」ニコッ
しずく(せつ菜さん、見ていてください)
しずく(あなたが好きだといったこの役を)
しずく(私の演技をあなたに見せたい。魅せたい)
しずく(だって私は、あなたの―――)
おわり おまけ
事後から少し経って
せつ菜(しずくさんの許しを得られて本当に良かった…)
せつ菜(二度としないとは思いますが、気を付けないと…)
せつ菜(空、結構暗いですね…今何時でしょうか)ポチッ
せつ菜(!?)
せつ菜(LINEの通知が…何事…)
せつ菜(あぁ、そういえば同好会、無断欠席だったから…?)
せつ菜(確認しないと…)スッスッ
せつ菜(!?!?) ・・・・・
虹ヶ咲スクールアイドル同好会(10)
かすみ:しず子は演劇部として、せつ菜先輩はどうしたんでしょうか
愛:結局来なかったねー
歩夢:連絡無いのは珍しいよね。何かあったのかな?
果林:生徒会、忙しいのかしらね
侑:やっぱりそうかな?それだけならいいんだけど
しずく:あ、せつ菜さんなら私の隣で寝てますよ♪
しずく:[せつ菜の寝顔写真]
侑:えっっっ?
かすみ:ちょ、しず子!何それどういうこと!?
彼方:おお〜、可愛い寝顔だねぇ
エマ:Bellissima♪
璃奈:合宿の時に…?でも…うーん?
しずく:もう一枚ありますよ♪ しずく:[寝ているせつ菜の頬にキスする写真]
愛:ひゅー、しずくってばやるねぇ!
かすみ:しず子ぉ!?アイドルとしてこれダメじゃない!?
侑:かわしく
侑:くわしか
侑:くわしく
愛:ゆうゆ必死すぎwウケるw
歩夢:侑ちゃん…?
侑:違うよ
歩夢:ちょっとそっち行くね
侑:歩夢違うよ
侑:あゆむ
侑:あ
璃奈:あっ…(察し) しずく:詳しいことはせつ菜さんから聞いてください♪
エマ:しずくちゃん、大人だぁ///
果林:えまだめよ、えまにはまだはやいわ
彼方:果林ちゃんにも早そうだねぇ
かすみ:せつ菜せんぱーい!?
・・・・・
せつ菜「」
せつ菜(矛先は全部私へ。皆さんとの個別トークもすごいことになってます…)ダラダラ
せつ菜(そしてしずくさんからのメッセージ…)
しずく:私はせつ菜さんのものにされちゃいましたけど
これでせつ菜さんも私のものですね♡
せつ菜(あの時、スマホ弄ってたのはこれですか…)ガックリ
せつ菜(しずくさん、ずっと怒っているフリをして演技をしていたと)
せつ菜(この程度で許していただいて、しずくさんにむしろ感謝すべきですが)
せつ菜「あはは…しずくさんには敵いませんね」ポリポリ
おまけおわり 最初と最後の文字があってたら補正が云々っていうアレ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています