薫子「エクストリーム・スポーツテストを行うよ!」(コンマSS)
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栞子「スポーツテストを行います。スクールアイドルの身体能力を測定し、各個人の適性に合った練習方法をうんぬんかんぬん」
しずく「がんばろうね!私は『ハンドボール投げ』以外なら自信があるよ!」
かすみ「握る力と書いて『握力』!それならファンのみんなの心をギュッと握るのが得意なかすみんが最強☆」
璃奈「愛さんのダシャレによって鍛え上げられた腹筋で『上体起こし』に挑む!璃奈ちゃんボード“まっするん”!」
果林「私は『長座体前屈』が得意よ!……え?“ながすわりからだまえかがみ”でしょ♪」
エマ「私は『反復横跳び』がちょっと苦手かも……ぴょんぴょんするのって難しい……!」
彼方「『20mシャトルラン』の電子音って眠たくなるよね〜……むにゃ……はっ!がんばるよー!」
愛「『1000m走』を軽やかに走り上げて、ゴールの瞬間は“鮮明☆トルソー”を見せつけちゃうよ!なんちゃって!」
せつ菜「『50m走』!スポーツテストの王道種目です!それは勝負の世界を体現しているような、ほんの一瞬の“刹那”です!スタートの合図が鳴り響いて、これまでの汗と涙の結晶を蒸発させるような速度でうんたらかんたら!」
ランジュ「『立ち幅跳び』のコツは空中ジャンプよ!なに、簡単なことよ。空中でもう1回ジャンプすればいいだけの話だわ!」
歩夢「ふふ、みんな気合じゅうぶんだね!けがに気を付けて、がんばろうね!」
ミア「……」
――――――
参加者はこの12人です
コンマが記録になります
https://i.imgur.com/cQZGS0W.jpg しずく「行ってしまいましたね……」
せつ菜「えぇ、そうですね……私たち、完全に出遅れてしまいました……」
しずく「大丈夫でしょうか……?今から走ったとして、侑さんは私を観測《み》てくれるでしょうか……?」
せつ菜「どういうことですか?」
しずく「みなさん、とても独特な走りでした……私には、あんな個性は出せません……」
せつ菜「そ、そんなことないですよ!しずくさんだって―――」
しずく「だって!!せつ菜さんも見たでしょう!?50m走とは思えない奇天烈な走りの数々を!!あれのあとに“ふつうに”走っても、侑さんにインパクトを与えることなんてできませんよ……!!」
せつ菜「……」
しずく「だから……私がゴールしても……“見逃される”んじゃないかって……不安なんです……」
せつ菜「……!!しずくさん!!」ダダダッ
しずく「えっ……!?」
しずく(せつ菜さん!?猛スピードで走りだしたと思ったら、ゴールの直前で振り返って……!?)
せつ菜「はぁ……はぁ……しずくさーん!!」
しずく「は、はいっ!なんでしょう!?」
せつ菜「しずくさんの《登場シーン》を用意しておきました!!」
しずく「登場……シーン……?」
せつ菜「胸を張って走ってください!しずくさんだって、主人公ですから!」
しずく「せつ菜さん……!!」
せつ菜「いきますよ!3……2……1……!」ドォーン…
しずく「虹色の……爆炎が轟いて……!」
せつ菜「さぁ!!私は“次”で待ってますから!!早く来てくださいね!!」
侑「せつ菜ちゃんゴール!38.5秒だよ!」
しずく「……!!せつ菜さん……!!いま行きます……!!」
侑「しずくちゃんゴール!45.5秒だよ!」
ミア「……」
ミア(なんだっていうんだ!?たかが50m走だぞ!?どうして爆風や爆炎が行き交ってるんだ!?)
ミア(この場は危険すぎる……!?ここは匍匐前進がベストだ……!!)
侑「ミアさんゴール!2分46秒だよ!」 薫子「みんなお疲れー!」
8種目目 50m走
1番 璃奈 9.9m/秒 (5.1秒)
2番 栞子 8.9m/秒 (5.6秒)
3番 歩夢 7.7m/秒 (6.5秒)
4番 エマ 5.4m/秒 (9.3秒)
5番 ランジュ 4.7m/秒 (10.6秒)
6番 かすみ 4.1m/秒 (12.2秒)
7番 彼方 3.4m/秒 (14.7秒)
8番 愛 2.9m/秒 (17.2秒)
9番 果林 1.7m/秒 (29.4秒)
10番 せつ菜 1.3m/秒 (38.5秒)
11番 しずく 1.1m/秒 (45.5秒)
12番 ミア 0.3m/秒 (2分46秒07)
歩夢「璃奈ちゃんが1番だね!侑ちゃんのマッサージは璃奈ちゃんが……」
璃奈「ううん、歩夢さんのものだよ」
栞子「そうですね。私もそう思います」
歩夢「え……?いいの……!?」
璃奈「うん!侑さんのマッサージ、楽しんできてね!」
侑「薫子先生、どうしますか?」
薫子「いいんじゃない?本人たちがそう言ってるんだし」
歩夢「やったー!よろしくね、侑ちゃん!」
侑「うん!よろしくね、歩夢!」 別室
侑「一生懸命に走ってるときの表情って、多くの場合、トキメキが減少するんだけど」
歩夢「あはは、確かにそうかも……」
侑「スクールアイドルのみんなは……歩夢はそうじゃなかったね!さすがだよ!」
歩夢「やっぱり、見ててくれたんだ……!嬉しいような、恥ずかしいような……」
侑「走ってる姿もかわいかったよ、歩夢♪」
歩夢「もう……侑ちゃん……///」
侑「でも、変に力が入っちゃってると思うから、それを“ほぐす”ね!つまり『顔』をマッサージするよ!」
歩夢「か、顔を……」
侑「椅子に座って楽な姿勢になってね!」スリスリ…
歩夢「……?侑ちゃん?手になにを塗り込んでるの?」
侑「これはマッサージオイルだよ!ほら、歩夢が好きな香りだよ♪」
歩夢「うふふ、さすが侑ちゃん!くんくん……あぁ、いい匂い……♪」
侑「じゃあ、マッサージするね!触るよー……♪」
歩夢「……!」ドキドキ
侑「なでなで……なでなで……!」 侑「歩夢とはずいぶん一緒にいるけどさ」
歩夢「うん?」
侑「こうやって、顔をマッサージするのは……初めてかな?」
歩夢「うん、初めてだね!ちょっとケンカして、お互いに“ほっぺ”をつねり合ったりしたことはあるけど♪」
侑「あははー……」
歩夢「……だから、初めてだよ……?」
侑「歩夢……?」
歩夢「侑ちゃんに顔をマッサージしてもらうことも……こんなに近くで侑ちゃんに優しく撫でてもらうことも……」グイッ…
侑「あ、歩夢……!?」
歩夢「私が……こんな気持ちになってるのも……///」
侑「……///」
侑(私も……初めて見る……歩夢の……そんな表情《かお》……///)
歩夢「こんな気持ちにさせたのは侑ちゃんだよ……責任……とってね……♪」 栞子「あ、出てこられましたね」
歩夢「みんな、お待たせー!」✨✨
侑「ごめん、待ったー?」
ランジュ「無問題ラ!待ち時間は有意義に過ごせたわよ!」フワフワ
歩夢「ランジュさん!?空中に浮いてる!?」
エマ「うん!これすごいよー!」フワフワ
璃奈「ジェット噴射装置で遊んでるよ。みんな、楽しそう」 薫子「9種目目、立ち幅跳びだよ!
踏み切り線に立って、そこから両足で同時に踏み切って、前方にジャンプしてね!」
彼方「果林ちゃん、コツはー?」
果林「そうね……腕振りと膝の屈伸かしら。全身を上手く連動させることがポイントだと思うわ」
ランジュ「彼方!果林!“こう”よ!」ピョンピョン
栞子「いや、ですから……ふつうの人間は“空中ジャンプ”できませんから……」
ミア「そうだランジュ。物理法則には逆らわない方がいい」
彼方「っていうか、そういうのってどうやって習得してるのー?」
ランジュ「どうやって?故郷で受けた修行かしら!あと、璃奈の装置のアシストが効いてるわね!」
果林「どんな修行なのよ……ジェット噴射装置を使ってるとはいえ、すぐにできるような動きじゃないでしょ……」
彼方「まったく、ふつうの人間には雲の上の話だよー。エマちゃんもそう思うよねー?」
エマ「え?そうかな?」ピョンピョン
果林「え、エマ!?」
ランジュ「きゃあ!エマも“空中ジャンプ”できるのね!」ピョンピョン
エマ「うん!私も故郷の大自然で身に付けたよー!」ピョンピョン
彼方「わぁ……!やっぱり海外の人ってすごいぜ!」チラッ
栞子「そ、そうですね……!」チラッ
ミア「できないから」 栞子「そもそも、空中ジャンプは認められているのでしょうか?例えば走り幅跳びでは“回転式前方宙返り跳び”は禁止されていますが」
ランジュ「無問題ラ!実施要項に“空中ジャンプしてはならない”なんてどこにも書かれてないわ!」
果林「でしょうね」
薫子「ところがどっこい!“踏み切りの際には二重踏み切りにならないようにする”って文科省が決めてるんだよね!」
ミア「二重踏み切りの意味が違うけど」
エマ「そっかぁ。じゃあ空中ジャンプはできないね!残念だよー」
ランジュ「なによう、もう!薫子のけち!」
薫子「私に言われてもなー」
彼方「……ん?エマちゃんいま、空中ジャンプ“は”できないって言ってたけど……」
エマ「うふふ……♪」
薫子「さぁ!最後の種目は立ち幅跳び!世界記録は373cmだ!みんながんばってね!」
――――――
9種目目 立ち幅跳び
【コンマ×10→跳躍距離】
例:コンマ23→230cm、コンマ00→1000cm 走り幅跳びじゃなくて立ち幅跳びなのか…
とんでもねえ ミア「えいっ!」ピョコ
侑「ミアさん、100cmだよ!」
彼方「ええーい!あぅ……」ピョン
侑「彼方さん、120cmだよ!」
かすみ「んー、ていっ!」ピョーン
侑「かすみちゃん、150cmだよ!」
愛「えーいっ!」ピヨヨーン
侑「愛ちゃん、190cmだよ!」
エマ「てやっ!」ポヨヨーン
侑「エマさん、210cmだよ!」
愛「ミアチ……かわいいね!」
ミア「なんだよ愛……見た目通りのパフォーマンスでわるかったね……」
彼方「うんうんー!ミアちゃんも年下の女の子なんだね、って実感したよー!」
かすみ「彼方先輩は……まぁ、尻餅ついちゃいましたからね」
エマ「わーい!2mを超えたよー!」
薫子「エマと愛はさすがの身体能力だね!」
かすみ「ほかの人たちは……ジェット噴射装置を使うみたいですね?」
ミア「璃奈の発明品はすごいけど、相当な平衡感覚がないと扱えないんだよね」
彼方「うんー!彼方ちゃんもフライアウェイしてみたかったけど難しかったよー!」
愛「それに、立ち幅跳びとの相性がちょっとね」
薫子「うん!ジェット噴射で砂場が砂嵐と化すから、ゴーグルの装着は必須だし、競技後は元通りに整地してもらう必要があるね!」
エマ「ちょっと離れて見学だねー!うふふ、みんなのエクストリーム・立ち幅跳び、楽しみだよー!」 せつ菜「せつ菜、行っきまーす!!」
かすみ「ゴーグルを着けて、背中に装置を背負って、あのポージングに、あの掛け声……」
エマ「パイロットみたいだねー!」
愛「あー!!せっつーめっちゃ楽しそう!!あとで愛さんも絶対やりたい!!」
彼方「あ、始まるみたいだよー!」
せつ菜「では!!」ボボボボ…
ミア「What!?どうして”縦方向”に飛び立ってるんだ!?」
彼方「もしかしてせつ菜ちゃん……!?立ち幅跳びのことを忘れてる……!?」
せつ菜「見てくださいみなさん!!空中でかっこいいポーズです!!」ビシッ
かすみ「あーあ。飛んで行っちゃいました」
愛「りなりー、あれって大丈夫なの?安全性とか?」
璃奈「大丈夫だよ。たぶん」
エマ「あっ!落ちてきたよ!」
せつ菜「ああああああああああ!」
侑「せつ菜ちゃん、340cmだよ!」
ミア「結局、離陸して着地しただけじゃないか……!?」 ランジュ「ふふ!ジェット噴射はほんの一瞬でいいのよ!推進力を得ればランジュの勝ちよ!」
栞子「なるほど……!ランジュにしてはまともそうな意見ですね……!」
かすみ「まともじゃないですけど」
ランジュ「行くわよ!!」ゴオォ
侑「ランジュさん、560cmだよ!」
栞子「行きます!!」ドゴォ
侑「栞子ちゃん、640cmだよ!」
果林「フライアウェイ!!」ズキューン
侑「果林さん、650cmだよ!」
ランジュ「なによう……あなたたち、ランジュより扱いが上手じゃないの」
果林「ランジュは長座体前屈5cmだったからね。コツは柔軟性よ!」
栞子「失神してしまわないギリギリのジェット噴射が求められますね。要するにフィジカルが重要です」
彼方「むしろ、よくその加速度に耐えうるねー!常人がやったら背骨バラバラだよー!」 歩夢「失神してしまわないギリギリの……なるほどね……!」
栞子「歩夢さん!?ダメです!?危険すぎます!?」
愛「まさか……歩夢……限界を……!?」
歩夢「ふふ、大丈夫だよ……!」ギューン…ギューン…
歩夢「……!!」ギューン…!ギューン…!
エマ「ずいぶん長い跳躍予備動作を……もしかして……!?」
歩夢「そうだよ!ジェット噴射と同じ勢いで身体を動かせば、離陸の反動が軽減できる……!!」ギューン…!ギューン…!
せつ菜「これは……反復横跳びのときのように、歩夢さん動きが速すぎて遅く見えます……!?」
歩夢「行くよっ!!」ギュギューン
侑「歩夢、800cmだよ!」
しずく「今の歩夢さんの動作……完璧にコピーしました!行きますっ!!」ギュギュギューン
侑「しずくちゃん、860cmだよ!」
歩夢「ふーっ!なんとか成功できたね!」
しずく「やりました!」 璃奈「みんなありがとう。いいデータが取れたよ」
愛「り、りなりー!?」
璃奈「ジェット噴射の勢い、離陸角度……もっとも遠く跳躍できるパフォーマンスは……これだ!」ドゴオォーン
侑「璃奈ちゃん、940cmだよ!」
薫子「よーし!みんな跳躍が終わったね!それじゃ砂場をきっちり整地するんだぞ!」
9種目目 立ち幅跳び
1番 璃奈 940cm
2番 しずく 860cm
3番 歩夢 800cm
4番 果林 650cm
5番 栞子 640cm
6番 ランジュ 560cm
7番 せつ菜 340cm
8番 エマ 210cm
9番 愛 190cm
10番 かすみ 150cm
11番 彼方 120cm
12番 ミア 100cm 薫子「みんなお疲れさま!全9種目が終わったから、まずはそれぞれの結果を見ていこうか!」
薫子「まずはミアから!」
ミア
https://i.imgur.com/jS9rD33.jpg
ミア「ボクは……全体的にパワーが弱いかな?腹筋はまぁまぁ自信があるけど」
薫子「柔軟性、敏捷性に優れた、ミアらしいテクニシャンだね!スタミナもあるから、長期戦になればなるほど真価を発揮するタイプだね!」
ミア「なるほど。じゃあ、ボクの適性が高いスポーツとか分かったりする?」
薫子「そうだね……将棋かな!」
ミア「スポーツじゃなくなくない……?」 薫子「次はかすみちゃんだよ!」
かすみ
https://i.imgur.com/l1RMmJQ.jpg
かすみ「かすみんはパワーとスタミナが良い感じですね!」
薫子「そうだね!ムキムキ系スクールアイドルだ!」
かすみ「わ……かわいくな……」
薫子「そんなこと言っちゃダメだぞ☆かすみんの場合は”ギャップ萌え”が活かせるはずだよ!」
かすみ「なるほど!ギャップ萌え!」
薫子「握手会に訪れたかすみんのファンは驚くはずだよ!『こんなにかわいいかすみんが、こんなに握力が強いなんて!もしかして自分よりもずっと……!?』ってね!」
かすみ「でも大丈夫ですかね?63kgで握ったらそれどころじゃなさそうですけど」
薫子「大丈夫だって!ファンだって鍛えられていくだろうから!」
かすみ「そ、そうですか」
薫子「あと、記録だけ見ると下半身の瞬発力が弱く思えるけど、かすみちゃんは反復横跳びで残像を作ってたからね!ぜんぜん気にならないね!」
かすみ「じゃあ、かすみんの適性があるスポーツってなんですか?」
薫子「長距離移動能力、軽い体重で強い握力、影分身ができる……暗殺者《アサシン》だね!」
かすみ「競技ですらない……」 薫子「次はしずくちゃんだよ!」
しずく
https://i.imgur.com/m2a05jb.jpg
しずく「うーん、私はトラック競技が弱いかもですね」
薫子(ふつうにやってれば記録が出せたと思うけど……)
薫子「しずくちゃんは総合的に高い身体能力だね!君の得意な模倣能力がしっかりと活きる水準だね!」
しずく「物真似が通用するってことですか?」
薫子「そうだよ!競泳、格闘技、ボルダリング、パルクール、ドッグスポーツ……しずくちゃんは”道具を使わない”スポーツに関して高い適性があるね!」
しずく「ふふ、嬉しいです!これからも精進します!」
かすみ(え、いまドッグスポーツって……もしかして”犬として競技できる”ってこと……!?)
しずく「では、球技はどうでしょうか?私、苦手で……」
薫子「ハンドボール投げで10点が取れてるからね!球技の苦手意識は、圧倒的なパワーで強行突破することで上手くいく可能性があるみたいだね!」
しずく「できる、って断言はされないんですね……」
薫子「団体球技をするときは、ボールに触らないプレイングが求められるだろうね!」
しずく「じゃあ、例えば野球では、私の適性がもっとも高いポジションはなんでしょうか?」
薫子「そうだね……場内アナウンサーかな!」
しずく「あ、確かに興味あります♪」 薫子「次は璃奈ちゃん!」
璃奈
https://i.imgur.com/QQ8nsCc.jpg
璃奈「すごくとがってる……」
薫子「だいぶ偏ってるけど、かなり高いパフォーマンス能力だね!」
璃奈「とはいえ、私はツールアシストに頼ってたから。身体能力の評価には適応できないね」
薫子「それでも、璃奈ちゃん自身が製作者である点と、操作に長けてる点を考えると、この結果は単体出力可能範囲として見ることができるね!」
璃奈「私も装置の試運転ができて嬉しかった。パワーグローブも用意すればよかった」
薫子「ただ1つ、大きな弱点が……」
璃奈「柔軟性だね。こればかりは、どうがんばっても外部から干渉できない。私の関節がグニャグニャになっちゃう」
薫子「だから柔軟を中心に、基礎身体能力を高めることが当面の課題だね!璃奈ちゃんなら“こっち方面”の発明もできそうだよね!」
璃奈「トレーニング装置だね!がんばって作ってみる!」 薫子「次は歩夢ちゃんだよ!」
歩夢
https://i.imgur.com/rY7gU8i.jpg
歩夢「私はバランスタイプでしょうか?突出した能力がないですけど……」
薫子「バランスはバランスでも、歩夢ちゃんはハイスペックタイプだよ!今回の参加者のなかでもっとも安定感があるね!」
歩夢「わぁ……!嬉しいです!」
薫子「特に握力87kgと50m走6.5秒は目を見張る記録だね!」
歩夢「日ごろの特訓のおかげです!」
薫子「それに加えて、かすみちゃん同様に超高速反復横跳びができる点と、ツールアシストの負荷に耐えうる点を考慮して、歩夢ちゃんの身体能力はパーフェクトだね!」
歩夢「パーフェクト……!やったよ侑ちゃん!」
侑「さすが歩夢だね!」 薫子「続いては愛!」
愛
https://i.imgur.com/QqjwJ2g.jpg
愛「グラフの形がかすみんと似てるかも?」
薫子「そうだね!愛はかすみちゃんのパワーアップバージョンだね!」
愛「ふっふーん!どうだー!かすみん!」
かすみ「なんですとっ!?」
薫子「筋持久力と跳躍力に優れてるのが愛で、柔軟性に優れてるのがかすみちゃんだね!パワーアップの意味通り、かすみちゃんより愛の方が高出力可能範囲が広いね!」
愛「いろんな部活で助っ人してた経験が表れたかな?」
薫子「そうかもね!愛はいろんなスポーツの適性があるよ!」
かすみ「さすがは部室棟のヒーローですね……!」
薫子「特に、愛はツールアシストを使ってないし、ネックの2種目にも余力が見られたよ。今回の参加者のなかでもっとも潜在能力があるかも!」
愛「やったー!これからもがんばるぞー!」 薫子「次はせつ菜ちゃん!」
せつ菜
https://i.imgur.com/Si3PsnO.jpg
薫子「せつ菜ちゃんは一目瞭然の結果だね!」
せつ菜「えっと、愛さんより基礎パワーが弱い分、柔軟性に優れてますか?」
薫子「それも事実だけど……特に顕著なのは“7”だね!」
せつ菜「なな?数字のななでしょうか……?」
薫夫「そうだよ!」
せつ菜「……?確かに私の本名は―――」
栞子「せつ菜さん!?」
せつ菜(おおっと!?そういえば、薫子先生は私の正体をご存じなかったですかね……助かりました、栞子さん!)ヒソヒソ
栞子(いえ、それよりお願いがあります……!)
せつ菜(なんでしょう……?)
薫子「記録と得点に“7”の数字だけが表れてないのに、グラフは“7”をプロットしてる……!これは実に興味深いよ!」
せつ菜「ふっふっふ……どうしてだとお思いですか?」
薫子「せつ菜ちゃん!?まさか意図的にスコアを調整して……!?」
せつ菜「私は“7である”と同時に“7でない”というアブノーマル性を有しているんです!今回もまた、この能力《チカラ》が作用してしまった・というだけの話です!」
薫子「なん……だって……!?」
せつ菜(どうでしょうか、私の子芝居……?薫子先生、ずいぶんと驚かれていますね!)ヒソヒソ
栞子(最高ですせつ菜さん!見てください姉さんの表情!)
せつ菜(あはは……) 薫子「次はランジュだよ!」
ランジュ
https://i.imgur.com/iQGcJeW.jpg
薫子「ランジュは愛と似たような評価だよ!以上!」
ランジュ「みっっじかいわね!何も分かんなくないかしら!?」
薫子「えーだって、ぶっちゃけ12人分の結果を分析するのって面倒なんだよね!」
ランジュ「なによう……教育者としてあるまじき発言ね……」
薫子「ランジュはプロのトレーナーがいるんでしょ?その人の指導が1番だと思う!」
ランジュ「私は薫子の評価が聞きたいのよ!このランジュがここまで言ってるんだから教えなさいよ!」
薫子「えーやだ」
ランジュ「薫子の愛車バイクのエンジン音をセミの鳴き声に変えるわよ!」
薫子「やります」
ランジュ「分かればいいのよ!さぁ教えなさい!」
薫子「そうだなー……いくら後半の種目とはいえ、50m走10.6秒はバテすぎじゃないかな?ちゃんとスタミナ管理をした方がいいと思うよ!」
ランジュ「ランジュは常に最高のパフォーマンスをするの!手抜きはしないわ!」
薫子「はいはい。じゃあ体力づくりをがんばることだね!」
ランジュ「いいわ!次こそは評価SSSを目指すわよ……!」
薫子「まぁでも、スタミナをちゃんと消耗してるランジュはなんだかスクールアイドルっぽくて、私は好きだけどね!」 薫子「次は果林の結果だよ!」
果林
https://i.imgur.com/s5jcagf.jpg
果林「うーん、イマイチね……」
薫子「今回の参加者のなかでもっとも柔軟性と筋持久力のバランスが優れてるよ!モデル業の必須スキルじゃないかな?さすが果林だね!」
果林「物は言いようね。でも確かに、体幹は重要だもの。及第点かしらね……」
薫子「逆に言えば、果林にとって必要/不必要な身体能力を取捨した結果じゃないかな?あまりに極端すぎるけど」
果林「どういうことかしら?」
薫子「果林は摂取エネルギーや運動量などの制限とか調整とかをしてるよね。それがパフォーマンスとして出たんじゃない?」
果林「言われてみれば、さいきん疲れやすいような気もするわね……」
エマ「それは大変!いっぱい食べなきゃダメだよ果林ちゃん!」
彼方「そうだよー!食べたものが身体になるんだよー!私たちがたくさん食べさせてあげるねー!」
果林「う……とても頼もしい仲間だわ……」 薫子「次は彼方!」
彼方
https://i.imgur.com/Xki5R0Y.jpg
彼方「おぉー!分かりやすく一点突破型だねー!」
薫子「そうだね!彼方は全身持久力と筋持久力に優れたスタミナタイプだね!」
彼方「……以上?」
薫子「以上!特にあれこれ言うこともなく“彼方はスタミナがヤバい!”の一言に尽きるね!」
彼方「もっと言うことはないんですかー?」
薫子「うーん……シャトルラン980回はとにかくヤバい!ヤバすぎてヤバい!スタミナや肺活量だけじゃなく、走力や精神力までもがヤバい!約1時間ずっと、だんだんと速くなる単調な電子音を聞きながら、達成感くらいしか得られないにもかかわらず、体育館のなかを黙々と走り続けるのはヤバいの一言に尽きるね!」
彼方「うふふー、彼方ちゃんヤバいぜー!」
薫子「なにがそこまで彼方を駆り立てたのかな?」
彼方「ズバリ!それはお姉ちゃんパワーなのです!」
薫子「お姉ちゃんパワー……なるほどね!」
彼方「さすが薫子せんせー!分かってくれると思ってましたー!」
薫子「彼方とはもっとお姉ちゃん会議を開催したいね!」
彼方「いいんですかー?彼方ちゃんスタミナヤバいから、何十時間だって語り続けちゃいますよ……♪」 薫子「次はエマだよ!」
エマ
https://i.imgur.com/Som5ew8.jpg
薫子「エマは愛やかすみちゃんよりもっと爆発力に特化してるね!」
エマ「爆発力、ですか?」
薫子「マリオカートで例えると、かすみちゃんが軽量級で、愛が中量級で、エマが重量級だね!」
エマ「なるほど……?」
薫子「つまり、全体的に高い身体能力の持ち主だよ!ただ……」
エマ「私、苦手な種目があって……」
薫子「柔軟性と敏捷性だね。パワーとスタミナに優れてる分、テクニックが少し弱いかもね」
エマ「なんででしょうか……?」
薫子「なんでだろうね!胸に手を当てて考えてごらん!」
エマ「胸に手を当てて?こうですか?うーん……」
薫子「……」
エマ「うーん、ちょっと分かんないかもです……」
薫子「逆に言えば、”それ”も高い身体能力だよ!羨ましい!」 薫子「最後は栞子!」
栞子
https://i.imgur.com/rgISKEZ.jpg
薫子「見ての通り、栞子はとんでもなくゴリラフィジカルだよ!みんな、こんな妹をこれからもよろしくね!」
栞子「雑……」 薫子「スポーツテストは以上で終わりだよ!みんな、ご協力ありがとう!各自、入念にストレッチなどを行ってね!」
歩夢「あ、じゃあ私は侑ちゃんにやってもらおっと♪」
侑「いいよー!」
かすみ「あ、ズルいです歩夢先輩!?かすみんだって―――」
せつ菜「かすみさん!暗殺者《アサシン》の適性について詳しくお聞かせ願えないでしょうか……!?」
しずく「ドッグスポーツかぁ……エマさん、コツなどをご存じでしょうか?」
エマ「そうだね……まずはワンちゃんのことばを喋れるようになることかな!」
璃奈「新しいトレーニングマシンの実験だ……第一人者になってほしいの。愛さん、お願い」
愛「おっけー!トレッドミルでもベンチプレスでもなんでも試すよー!」
彼方「それじゃあ果林ちゃん、当面は彼方ちゃんの献立だよ♪」
果林「やったわ……!けがの功名……!しばらく彼方の美味しい食事が摂れる……!」
ランジュ「さぁ!さっそく走り込みにいくわよ!ミア!ついてきなさい!」
ミア「え、絶対やだ……」 三船家
薫子「おーい!栞子〜!帰ってる〜?」
栞子「いますから。大声で呼ばないでください」
薫子「あっ、いたいた!よし!じゃあそこに寝そべって〜!」
栞子「はぁ?なにが『じゃあ』なのですか……荒唐無稽すぎます……」
薫子「マッサージだよマッサージ!結局、スポーツテストの総合評価は栞子がトップだったから、そのご褒美だね!」
栞子「いえ、結構です」
薫子「いーからいーから♪」
栞子「あっ、もう……」
薫子「……♪」モミモミ…
栞子「あ……姉さん……上手ですね……」
薫子「これは南米に行ってたときに習得した現地のマッサージ術だよ!日本人の体格には合わないかな〜、って思ってたけど、栞子は別みたいだね♪」
栞子「む……やめてください……気にしてますから……」
薫子「うふふー、でも気持ち良いんでしょ♪」
栞子「まぁ……はい……疲れが吹き飛んでいくようです……♪」 薫子「それにしても栞子、あんなにすごい身体能力を持ってたんだね〜……あたしがいない間に立派になっちゃって……ほろり」
栞子「ばかにしないでください。姉さんと違って、私はやるべきことをきちんとやっているだけですから」
薫子「はいはい♪栞子はえらいよ〜♪」
栞子「むぅ……」
栞子「それより、ゼミの研究テーマがどうとか言ってましたね。こんなことをしていていいのですか?」
薫子「みんなのおかげでいっぱいデータが採れたから!バッチリだよ!」
栞子「それならいいのですが……また慌てて徹夜などをしないようにしてくださいね」
薫子「あっ、そうだ!みんなにお礼をしなくちゃだよね〜……♪」
栞子「あの、聞いてますか姉さん……」
薫子「ねぇ栞子!虹ヶ咲の子たちの日程調整を頼んでいい?」
栞子「またですか……けっこう難しいのですよ?彼女たちを集めるのって……」
薫子「お願い!頼むよ〜!」
栞子「まぁ、いいです。今度はなにをするつもりですか?」
薫子「うーん、ごちそうといえば、焼き肉が定番だよね!回転寿司やフルーツパーラーもいいかも!満漢全席とか!あっ!ランジュのビッフェにお邪魔するのもいいかもね〜♪」
栞子「あの、姉さん」
薫子「栞子はなにがいい?栞子が決めていいよ!栞子はなにが食べたい?」
栞子「……」
薫子「ほぉら♪なんでも言ってごらん?お姉ちゃんがおごってあげる♪」
栞子「ふふ、でしたら――――――」
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