しずく「バカ」
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しずく「せつ菜さん、オススメの小説ありませんか?」
せつ菜「オススメのですか?」
しずく「はい、この間勧めていただいた小説読んでしまったのでまた新しいのが読みたいなと思いまして」
せつ菜「そういうことでしたか!それならお任せください」
せつ菜「オススメの……うーん、ちょっと待ってくださいねぇ…」
せつ菜「あれはあっちを読んでからの方が……そういえばまだあれは紹介してない気が……」ブツブツ
しずく「そんなにあるんですか?」
せつ菜「それはもう!いつも人に小説を勧める時は夜な夜な悩んでいるのです…」
しずく「そうだったんですか…」
せつ菜「あ!でしたら、今度お店に一緒に探しに行きましょう」
しずく「えっ?」 せつ菜「今度は私がオススメするのではなく、一緒に本を探して読みたいのがあったら買うというのはどうでしょう」
せつ菜「私も読んだことのない本があるかもしれないですし」
しずく「いいですね!そうしましょう!」
せつ菜「ふふっ。では、いつにしますか?どこか空いてる日があれば」
しずく「そうですね……私は7日の放課後なら時間が空いてます」
せつ菜「7日ですね!分かりました!」
しずく「せつ菜さんは大丈夫ですか?」
せつ菜「この日なら私も大丈夫ですよ」
しずく「ならよかったです」
せつ菜「では、7日の放課後に……そうですね、プラザの階段の近くで待ち合わせしましょう」
しずく「分かりました!ふふ、楽しみですね」 ー
ーー
ーーー
生徒会室
菜々「ふぅ、溜まっていた資料もだいぶ片付きましたね」
「会長、先生に居残りの許可をとってきました」
菜々「ありがとうございます」
「先週は忙しかったので、随分仕事が溜まってしまいましたね」
菜々「そうですね。この時期は予定が混んでしまいますからね」
菜々「ですが、皆さんの協力のおかげでこのままいけば終わりそうです。今日中に終わらせてしまいましょう」
「「はい!」」 ー
ーー
「う〜…ん!終わったぁ!」
菜々「すみません、皆さんありがとうございました。時間も遅くなってしまい…」
「大丈夫ですよ。これが私達の仕事なので」
菜々「ふふ、そうですね」
「あと何か予定あったっけ?」
「え〜っと、後は…明後日の……9日にある集会の……」ペラッ
菜々「……」
菜々(ん?)
菜々(明後日…?9日…?) 「今月も忙しそうですね〜」
菜々「す、すみません、今日って何日でしたっけ?」
「え?今日は7日です」
菜々「!?」ガタッ
「ど、どうしました?」
菜々「あ、いえ、えっと……すみません、今日は欲しい本の発売日でした!お先に失礼します!」
ダッ
バタン
「え?」
「お疲れ様でした…?」 タッタッタッタッ
菜々(しまったーー!まさか日にちを間違えてしまうとは!曜日感覚が狂っていました!)
先生「こら、廊下は走ってはいけませんよ?」
菜々「す、すみません」ビタッ
先生「あら、生徒会の活動は終わったの?お疲れ様」
菜々「ありがとうございます…」
先生「遅くまでご苦労様ね、気を付けて帰ってね」
菜々「はい!」ダッ
ピューーーン
先生「だから廊下は走らない!」 タッタッタッタッ
菜々「もう7時じゃないですか…!」ポチポチ
菜々「しずくさんからメッセージ来ていたのに…」
菜々「生徒会の仕事に集中するために電源を切っていたのが仇になるとは…!」
菜々(とりあえず待ち合わせ場所に行かなくては……場所は確かプラザの階段の近く!) 広場大階段前
せつ菜「はぁはぁ……」
せつ菜「いませんね…」キョロキョロ
せつ菜「流石に帰ってしまいましたよね…」
せつ菜「そうだ電話を」
prrrr prrrr……
せつ菜「……」ドクンドクン
prrr……
せつ菜「…出ませんね」
せつ菜「メッセージを送っても既読が付きませんし……」
せつ菜「はぁ……なにしてるんですか私は……」
せつ菜(しずくさん怒ってますよね……明日きちんと謝らなければ……) 翌日
エマ「それでね〜そこのパン屋で練乳クリームチョコ抹茶コロネってパンがあってね〜」
果林「名前からしてカロリーが高そうなパンね…」
エマ「あ、せつ菜ちゃんだ」
果林「え? あら本当」
せつ菜「」ズーン
果林「おはようせつ菜」
エマ「せつ菜ちゃんおはよう」
せつ菜「……おはようございます」 果林「どうしたのよ朝から魂が抜けたような顔して」
エマ「なにかあった?」
せつ菜「いえ…なにも…」
果林「悩みなら聞くわよ?そんな顔してたら何かあったに違いないし」
エマ「そうだよ、私達でよかったら話して?」
せつ菜「……」
せつ菜「その、実は……カクカクシカジカ」
ーー
ー せつ菜「……というわけで」
果林「せつ菜……あなた結構エグいことするのね」
せつ菜「うぐっ」
エマ「ダメだよ果林ちゃん、せつ菜ちゃんもわざとじゃないんだよ」
果林「でもねぇ…私がしずくちゃんの立場なら怒るかも」
せつ菜「うぅっ」
エマ「果林ちゃん」
果林「からかっただけよ。それでしずくちゃんには謝ったの?」
せつ菜「その後メッセージを送ったり電話をかけたりしたのですが反応はなく……」 せつ菜「なので朝一番に謝罪をしようかと…」
エマ「私達も一緒に謝ってあげるよ、ね?果林ちゃん」
果林「もう…いいわよ。仕方ないわね」
せつ菜「いえ!お2人の気持ちはありがたいのですが今回は私が悪いので、私だけで謝りたいと思います」
エマ「そっか…」
エマ「しずくちゃん許してくれるかな」
果林「まあ喧嘩したってわけじゃないんだし、精一杯謝るしかないわね」 部室
彼方「zzz…」
しずく「それでですね、そこのカフェに練乳クリームチョコ抹茶ラテというメニューが出来たんですよ」
璃奈「聞いただけで胸焼けしそう…」
ガチャ
エマ「おはよ〜」
果林「おはよう。あら、まだあなた達だけかしら?」
璃奈「おはよう」
彼方「ムニャ……おはよう〜」
璃奈「うん、まだ私達だけ」
せつ菜「……ゴク」
せつ菜「おはようございます」
しずく「……」 果林エマ「「……」」チラッ
璃奈「?」
せつ菜「……あのっ」
しずく「おはようございます。果林さんせつ菜さんエマさん」ニコッ
せつ菜「え?」
果林「せつ菜」コソコソ
せつ菜「は、はい」
せつ菜「しずくさん、昨日は本当にすみませんでした!」
しずく「あぁ、大丈夫ですよ。今度はきちんと計画をして約束しましょうね」
せつ菜「あ、え……はい」 せつ菜「あの、怒ってないのですか?」
しずく「え?怒ってませんよ?」
果林「いいのよしずくちゃん、我慢しないで怒っちゃいなさい」
しずく「いえ、本当に怒っていませんよ」
エマ「でも連絡が取れないってせつ菜ちゃんが」
しずく「それは、帰ったら演劇のDVDを見始めてしまって……夢中になって見てて気付いたら夜遅くなっていたので携帯などを確認せずに寝てしまい…」
しずく「なので私も同じですよ」
彼方「……なんかあったの?」
エマ「ん〜ちょっとね〜」 せつ菜「……」
果林「よかったわねせつ菜、仲直りできて」
エマ「うんうん」
せつ菜「え、えぇ…」
璃奈「あ、愛さん達もうすぐ着くって」
彼方「そっか、じゃあ朝練の準備しないとね〜」
しずく「すみません、その前にちょっと飲み物買ってきます」
エマ「うん、わかった」 しずく(お茶…お茶……と)
ピッ
ガコン
しずく「よし」
タッタッタッ
しずく「ん?」
せつ菜「はぁはぁ…」タッ
しずく「あれ?せつ菜さんも飲み物買いに来たんですか?」
せつ菜「あ、いえ、私は飲む物は持ってますので」
しずく「?」 せつ菜「しずくさん、怒っていいんですよ」
せつ菜「私はそれほどのことをしてしまったんですから…」
しずく「……確かに時間が過ぎても待ち合わせ場所に現れなかった時は、そんな気持ちになりました……一瞬……」
しずく「でも怒りという感情より悲しいって感情の方が強かったですかね」
せつ菜「うっ…」
しずく「ふふ、そんなに気にしないで大丈夫ですから」
しずく「じゃあ戻りましょうか」
せつ菜「はい…」 しずく「……」テクテク
しずく「……じゃあ、どうしてもと言うなら一言だけ」
せつ菜「へ?」
しずく「バカ」
せつ菜「」 ー
ーー
せつ菜「マスター、私は年上として情けないです…」
璃奈「そっか…」
せつ菜「その一言を放った彼女の顔を私は暫く忘れません……困り眉に片頬を少し膨らまし、怒りと悲しみを混ぜた瞳で私を睨む……」
せつ菜「……マスター」
璃奈「なに」
せつ菜「私はその表情を二度とさせないと誓ったと同時にまた見てみたいと思ってしまったんです……」
璃奈「そっか…」
せつ菜「んくんく……」
せつ菜「マスター、今日の飲物は少し辛味がありますね。なんていう名前ですか?」
璃奈「カルピスの原液」
せつ菜「…お水ください」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています