歩夢「このままだと捕まっちゃうかもね、私たち」
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歩夢「こんな真夜中にぶらついてるなんて、親に知られたらまずいんじゃない?」
せつ菜「それは歩夢さんも同じでしょう」
本当ならこれが>>1になるはずだった せつ菜「今何時でしたっけ」
歩夢「えーと……3時だって。スマホないの?ほんとの家出?」
せつ菜「置いてきただけです。歩夢さんと変わりませんよ」
歩夢「眠れないんだ」
せつ菜「ええ」 歩夢「なんか変な感じだね」
せつ菜「何がです?」
歩夢「ただでさえ真っ暗で誰もいないのに、話し相手がいるのって変だなって」
せつ菜「1人がよければ退散しましょうか?」
歩夢「せつ菜ちゃんはどうなの?」
せつ菜「悪くないな、と」
歩夢「じゃあいいや」 歩夢「そういえば、何してたの?」
せつ菜「何も。歩夢さんは」
歩夢「なんにも」
せつ菜「……」
歩夢「……」 せつ菜「ふ」
歩夢「え、何笑い?」
せつ菜「なんだか、仲悪いみたいで」
歩夢「リスキーなこと言うなぁ」
せつ菜「悪いんですか?」
歩夢「……悪くは、ないと思うけど」
せつ菜「なんでちょっと言い淀んだんですか」 せつ菜「え、もしかして私が思ってるより距離ありました?」
歩夢「ない、ないよ。ないけど、なんでそういうのいちいち言葉にしちゃうの」
せつ菜「大好きに正直が取り柄なので」
歩夢「“素直”って言葉NGワードにされてるの?」 せつ菜「でも意外でしたよ。規則正しい生活が服を着て歩いてるような歩夢さんが、こんな時間にこんなところで」
歩夢「形容の仕方に悪意が見えるよ」
せつ菜「そのうち生徒会長なのに〜とか言われそうだったので、先制攻撃をと」
歩夢「距離がないとは言ったけど、そのまま引っぱたかれるとは思わなかったなぁ」
歩夢「……」
せつ菜「……」 歩夢「海見ようよ」
せつ菜「この辺だと、建物に遮られて見づらいかもしれませんね」
歩夢「橋の方行けば見られるかな」
せつ菜「冷えますよ?」
歩夢「じゃあ帰っちゃう?」
せつ菜「……そういう気分じゃないので」
歩夢「ふふ」 歩夢「わ、確かに風強いね」
せつ菜「いくら夏とは言え、流石に……くしゅっ」
歩夢「大丈夫?ほら、入る?ストール」
せつ菜「それ、毛布じゃなかったんですね。ずっと毛布にくるまって歩いてる変な人かと思」
歩夢「はいもうダメ。入れてあげませーん」
せつ菜「あーっ!さむ、寒いなー!はっくしょん!はっくしょん!」 歩夢「……ふむ、仕方ない。入れてしんぜよう。はい」バサッ
せつ菜「ありがたき幸せ……では」モゾモゾ
歩夢「……」
せつ菜「……」
歩夢「はっくしょん……ふふ」
せつ菜「掘り返さなくていいですから」
歩夢「だって、はっくしょん……はっくしょんって口で……」 せつ菜「今度しずくさんに教わります」
歩夢「誰よその女?私といる時に他の女の話するなんて!」
せつ菜「そのなりきるやつ、流行ってるんですか?」
歩夢「マイブーム。侑ちゃんがよくやってて」
せつ菜「誰ですかその男は!?」
歩夢「ツッコみきれないって」 歩夢「……」
せつ菜「……」
歩夢「……海、見えないね」
せつ菜「……流石に真っ暗ですね。夜の海舐めてました」
歩夢「……」
せつ菜「……」 歩夢「……今、思ったより恥ずかしいなって思ってるでしょ」
せつ菜「おもももももってませんよ」
歩夢「嘘でしょ……?そんなにわかりやすかったら人生に支障が出るよ」
せつ菜「うるさいですよ!」
歩夢「あれ、なんだか暑くなってきたような」
せつ菜「誰の体温が上がってるですって!?」
歩夢「言ってない言ってない」 歩夢「まるで恋人みたい」
せつ菜「……」
歩夢「恋人みたいだね、せつ菜ちゃん♡」
せつ菜「いいですから!やめてくださいその猫撫で声!」
歩夢「ひどいっ」
せつ菜「“っ”じゃないんですよ、“っ”じゃ」
歩夢「ほら、あの……2人で1つのマフラー巻くみたいな」
せつ菜「わざわざ口に出して説明するのなしです!恥ずかしくなるので!」 せつ菜「冗談はその辺にして、もう帰りますよ」
歩夢「えー、もうちょっと」
せつ菜「ここからだと距離あるんですよ、私の家は」
歩夢「しょうがないなぁ」
せつ菜「態度!子供相手じゃないんですから!」 せつ菜「それじゃあ、私はこっちですから」
歩夢「うん。また明日。……今日かな」
せつ菜「ええ、また後で」
歩夢「ばいばい」 近付きそうでなかなか近付かない距離感がいいね。そのかわり一度くっついたらすごくイチャイチャしそう ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています