歩夢「ビターで甘いこの気持ち」
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侑「歩夢、お疲れ様!」
侑「帰ろっか?」
歩夢「侑ちゃんもお疲れ様」
侑「暗くなるとまた寒くなってくるね」
歩夢「そうだね、お昼とかだとポカポカで暖かかったのにね」
歩夢「春も、もうすぐだね」
侑「歩夢歩夢!」
侑「春より先に来るものがあるよ!」 歩夢「ん?」
侑「ほらほら!」
歩夢「そうだね」
ピンク色の旗を指さして、目を輝かせる。
ツインテールがぴょこぴょこしそうで可愛い。
歩夢「なんて、言えないけど」
侑「なにが?」
歩夢「ううん、なんでもないよ」
侑「えー、教えてよ!」 歩夢「それより、バレンタインの準備って侑ちゃん進めてるの?」
侑「もちろん!バッチリだよ」
侑「今年はみんなにあげたいんだ!」
侑「がんばれ!応援してるよ!大好きだよ!って」
歩夢「私にもくれるの?」
侑「当たり前じゃん!」
侑「歩夢には何個あげて何個貰ったか覚えてないよ」
歩夢「侑ちゃん一度くれなかった時あったよね?」
侑「え?嘘!」 歩夢「嘘じゃないよ?」
侑「えー、喧嘩なんてしたことないしなぁ……」
歩夢「くれなかった、は間違いかもね?」
歩夢「侑ちゃんね、ホワイトデーにくれたんだよ」
侑「あぁー!あったね!」
歩夢「私、始めどうしてくれないのかなんて泣いちゃってさ」
侑「私もその日に思いついたからさ」
侑「子供のイタズラじゃないけどさ、その時はそうしたかったんだよ」
歩夢「侑ちゃん、私が泣いちゃうからすごく困った顔してたよ?」
侑「ん、でも、そりゃあ困るでしょ」
侑「本人は渡すつもりはあるんだから」 歩夢「でも、おろおろして困ってる侑ちゃんも可愛かったよ」
侑「もうっ!茶化すならこの話はおしまいだよ歩夢!」
歩夢「あはは、ごめんごめん」
歩夢「ねぇ侑ちゃん」
侑「うん?」
歩夢「侑ちゃんはあの時……」
歩夢「ううん、やっぱりなんでもない」
侑「えー、そこまで言って何も言わないのずるいよ歩夢ー!」
歩夢「別に大したことじゃないよ」
侑「それでも!」 歩夢「うーん……なんで、ホワイトデーにくれたの?」
侑「え?」
侑「あー、その……」
歩夢「覚えてない?」
侑「うん……」
侑「でも、きっとホワイトデーを知ったからだと思う」
歩夢「侑ちゃんらしいかも」
侑「でしょ?」
侑「知ってしまったことはやってみたいでしょ?」 侑「大した理由なんてなかった、と思う」
侑「ただ……」
歩夢「ただ?」
侑「特別なことをしてみたい!」
侑「そんな動機だと思うよ?」
歩夢「今年もそうする?」
侑「えぇー!」
侑「もうどうするか考えてるのに!」
歩夢「ふふ、冗談だよ」 侑「それに、別に今となってはバレンタインデーでもホワイトデーでも一緒でしょ?」
侑「大切な人にチョコを贈る」
侑「何月何日の日付なんかよりもこの想いを大事にしたいな」
歩夢「侑ちゃん……」
歩夢「そうだね、私もいっぱい想いを込めて作るね」
侑「私は、歩夢の作るチョコいつも美味しくて好きだな」
侑「どうやって作ってるか教えてもらって作っても、歩夢にもらった方が美味しいんだもん」
侑「やになっちゃうね!」
歩夢「私も侑ちゃんが作るチョコ好きだよ」 歩夢「私が作ったチョコよりずーっと美味しいと思うし、好きだよ」
侑「それなら!」
歩夢「それなら?」
侑「きっと相手への愛情がこもってるんだね!」
歩夢「愛情って……なんだか恥ずかしいよ」
侑「でも、良く言うでしょ?」
侑「愛情が一番の調味料だ!って」
侑「歩夢がきっと愛をたくさんたくさん込めて作ってくれてるんだね」
歩夢「ぅ……それなら侑ちゃんもそういうことでしょ?」
侑「ぁ……うん、もちろんそうだよ!」 歩夢「ふふっ、それなら今年のチョコも楽しみだな」
侑「楽しみにしててね!」
侑「歩夢のチョコも楽しみにしてるよ!」
歩夢「うん、頑張る、ね」
侑「ありがと!」
侑「それじゃ、今日はもうお別れだね?」
侑「バイバイ、また明日」
歩夢「うん、バイバイ、侑ちゃん」
あの日の子ども同士の小さな約束。
それでも2人だけの秘密。
貴女は覚えていなくとも、そんなことはどうでもよくて。 女の子同士ならバレンタインもホワイトデーも両方しちゃえばいいね 今日はくだらないお話でもなんでもいいから。
別に話題もないけれど、お話なんてしなくても。
もっと一緒にいたい。
そんな気持ちが溶け出しそうで。
貴女を困らせたくなくて、溢れそうな言葉を唇で鍵かける。 >>5
ふざけんなお前
2 代行ありがとうございます(SB-iPhone) 2021/02/14(日) 22:09:58.91 ID:CkJ8D/Qf
歩夢「うんこで苦味をもっと足せばいいかな…」
歩夢「うーん…」
歩夢「どうしよう」
どうする?>>5 ――
歩夢「はぁ……」
歩夢「チョコ、どうしようかな?」
歩夢「レシピ、すごいな考えてる人」
歩夢「どれも美味しそう……」
歩夢「でも、なんだろう……」
歩夢「なにかピンとこない」
指を滑らせてスクロール。
昔、苦労して溶かしたチョコだって今は簡単にできる。
自分も、技術も、機械も、全て変わって、進化して。 歩夢「ダメだ」
手につかない。
スマホを置いて、寝転がる。
眩しい。
歩夢「リモコン、どこだっけ」
手元を探って、電気を消して、深く息を吐く。
歩夢「近すぎた……のかなぁ」
この部屋にいたって、ベランダに出たって、私たちは壁に阻まれる。
私たちの未来はこのまままっすぐ伸びて、ほんの数センチは埋まらないのかな。
手を天井に伸ばして、糸が切れたように落ちる。 歩夢「どうしちゃったんだろう」
歩夢「嫌なことばっかり考えて」
歩夢「こんなんじゃどんなチョコ渡せばいいかなんてわかんないよ」
歩夢「無邪気に渡せた記憶の中の自分がほんのちょっと羨ましいよ」
歩夢「私も、変わる」
歩夢「侑ちゃんも……変わった」
歩夢「あたりまえの世界なんてない」
歩夢「分かってるはずなんだけどなぁ」 歩夢:侑ちゃん
なんの計画もなく、自然とメッセージを送ってしまった。
だって、私も変わったんだ。
いつかこの気持ちを忘れてしまうのかもしれない。
そんなの嫌だから。
侑:どうしたの?
歩夢:遅くにごめんね?
歩夢:今少しだけお話いいかな?
侑:了解! 10年以上の積み重ねだから逆にそれを超えるのが大変だよね 歩夢「ごめんね侑ちゃん」
侑「ううん、どうしたの?」
侑「うっ、さむ!」
歩夢「あ、ごめんね……」
侑「いいよいいよ!」
侑「ちょっと上着取ってくるから待ってて!」
歩夢「うん」
侑「ごめんごめん、お待たせ!」
侑「それでどうしたの?」 侑「あれ?歩夢、元気ない?」
歩夢「え?そ、そんなことないよ!」
侑「うそ」
侑「私に嘘ついたってすぐバレちゃうよ?」
侑「ね?」
歩夢「うん……」
侑「よっと……」
侑「ほら!手を伸ばせば届く距離にいるんだから!」
歩夢「侑ちゃん!危ないよ!?」 侑「大丈夫大丈夫!」
侑「ね、いつだってそばにいるんだから」
侑「なんだって相談してよ」
歩夢「うん、ありがとう」
触れられた顔が、暖かい。
歩夢「あのね、ゆうちゃんにお願いがあるの?」
侑「お願い?」
侑「そんなの歩夢のお願いならなんだって大丈夫だよ!」
侑「なに?」
歩夢「明日、一緒にチョコを作ってくれませんか?」 ――
侑「おじゃましまーす!」
歩夢「侑ちゃん、いらっしゃい」
侑「案外一緒に作ったことなかったかもね」
歩夢「うん、そうだね」
歩夢「お互い秘密にしてたのかも」
侑「毎年楽しみだったよ」
歩夢「それならごめんね、今回」
侑「ううん、歩夢と一緒に作るのもすっごく楽しみ!」
歩夢「ありがとう、私も楽しみだよ」
侑「すっごく?」 歩夢「へ?」
侑「私はすっごく楽しみ、歩夢は?」
歩夢「ふふっ、もちろんすごーーーっく楽しみだよ」
侑「えへへ、そっかそっか」
侑「よーし、それじゃレッツクッキーング!」
侑「で、どんなの作るの?」
歩夢「うん、色々考えたんだけどね、今回はスタンダード?なチョコにしようかなって」
侑「なるほどなるほど?」
侑「私歩夢の作るのだったらなんでも好きだよ!」 @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵三*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ソワソワ 侑「去年のガトーショコラだって、その前のクッキーだって、ブラウニーだって……」
侑「全部全部美味しかった!」
歩夢「あ、ありがと」
歩夢「そこまで言われると照れちゃうね」
湯煎のためのお鍋がコトコト音立てて。
私の心も貴女への想いがコトコトと。
レシピなんてないけれど、私の気持ちを込めて。
ビターで甘いこの気持ち。
苦い未来なんて溶けて消えちゃえば、なんてほんのちょっぴりビターチョコ。 ――
侑・歩夢「かんせーい!!」
侑「ありがと、歩夢のおかげでとっても美味しくできた気がする」
歩夢「ううん、侑ちゃんほとんど自分でやってたでしょ?」
侑「それでも、歩夢が一緒にいてくれたからね」
侑「上手くできた気がする!」
歩夢「それなら、よかった」
歩夢「私も、侑ちゃんがいたから上手にできたと思う」
侑「ほんと?」 侑「ね、ね、歩夢」
歩夢「うん?」
侑「味見、したいなぁ」
歩夢「後で侑ちゃんにあげるものだよ?」
歩夢「ちゃんと包装して渡すまで待ってて」
侑「えー、いいじゃん!」
侑「ほら、ひとつだけ!」
歩夢「もう、仕方ないなぁ」
歩夢「ほら、あーん」
侑「あー……」
何気なしに取るハートの形をしたチョコ。
やっぱりこの気持ちは胸にしまったままじゃいられない。 せっかく作ったハートに嘘なんてつけないよ。
きっと、あの日あの時の約束から。
ずっと変わらないこの気持ちを言葉に。
歩夢「侑ちゃん、好き」
侑「……んっ!!」
侑「……っ!ごほっ!」
歩夢「侑ちゃん!?大丈夫?」
侑「だい、じょぶ……」
侑「それより……」
歩夢「好き」 顔なんかとっくに真っ赤になってると思う。
火照る体はきっとチョコなんて簡単に溶かしちゃう。
侑「……そっか」
侑「ありがとう」
歩夢「うん……」
侑「私は……」
このまま真っ直ぐな未来。
この近すぎる距離のまま、平行線なんて嫌だから。
触れられない未来なんていらない。
ずっと手を繋いで歩きたい。 侑「私、も」
侑「私も好きだよ」
侑「あの日のあの時の約束忘れたことなんてなかったよ」
侑「ねぇ、歩夢」
侑「もう一度約束」
侑「私とずっと一緒にいてくれますか?」
歩夢「もちろんっ!」 @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ エンダアアアアアアアア 貴女へのとっておきのチョコ、もうひとつ手に取って。
溶ければいいと思ったビターチョコ、私の唇へ。
ほんの少し俯いて、目を閉じる。
ずっと埋まらなかった数センチの距離が、ゼロになる。
ビターなチョコのはずなのに、ずっと甘い味がする。
それでもほんのちょっぴり大人の味がした。 🍫cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ素晴らしいSSだったよ!また書いてね! 色々バタバタして本当にすみませんでした。
始めに代行してくださった方も、もう一度代行してくださった方も本当にありがとうございました!
色々込み込みで笑っていただけたらそれはそれで良かったのかなと思うことにします。
ただ、不快に感じる方もいるかと思いますので、私も含めてですが、2つ目のスレ立てて頂きました。
すみません。
見て頂いてありがとうございました。
コメント等とても嬉しいです。 あと、Aqoursもお昼に書いたので、気が向いた時にでも、こちらも読んで頂けると幸いです。
千歌「パティシエール!だよ!!」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1613284324/l50?v=pc
μ'sは時間とアイデアが足りず書いてません。
すみません。 バレンタインにふさわしい神SSだったと言わざるを得ない…
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🌷🌷🌷 AYUMU ♡ YU 🌷🌷🌷
🌷🌷🌸cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ|/cV ˶╹ᴗ╹V\|🌷🌷
🌷🌷 🌸HAPPY END🌸 🌷🌷
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