侑「満開バレンタイン」
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侑「ふっふーん。ふふーん」
歩夢「何だかご機嫌だねぇ、侑ちゃん」
侑「ん?まぁねー」
歩夢「……あ、そっか。もうすぐバレンタインなんだっけ」
侑「正解ー」
歩夢「侑ちゃん、チョコレート好きだもんね」
侑「嫌いって人もあんまりいないんじゃないかなぁ」 @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ 沢山チョコ食べてね侑ちゃん 侑「それに今年は同好会のみんなもいるし、いっぱい貰えそう」
歩夢「みんなの分も用意しなきゃだね」
侑「何より、みんなで集まってチョコパーティするのが楽しみだよ」
歩夢「え、っと。侑ちゃん、それ、せつ菜ちゃんが言ってたでしょ?」
侑「うん?」
歩夢「チョコを交換するのは構わないけど、パーティとか大騒ぎするのは生徒会長として許可できないって」
侑「……あっ」
歩夢「私たちだけじゃなくて全ての部活と同好会にお知らせするみたいだったけど……」 侑「そうなると、みんなでチョコパは無しってこと……?」
歩夢「少なくとも学校ではそうなるかなぁ……」
侑「だよねぇ……」
歩夢「み、みんなからチョコは貰えるだろうからそんなに落ち込まないで」
侑「……まぁ、せつ菜ちゃんの言うこともわかるし、仕方ないかぁ」
歩夢「放課後とか、休みの日にどこかで集まるのはどうかな?」
侑「あ、それいいかも。考えておくよ」
歩夢「元気になってくれたみたいで、よかった」 侑「そうなると、みんなでチョコパは無しってこと……?」
歩夢「少なくとも学校ではそうなるかなぁ……」
侑「だよねぇ……」
歩夢「み、みんなからチョコは貰えるだろうからそんなに落ち込まないで」
侑「……まぁ、せつ菜ちゃんの言うこともわかるし、仕方ないかぁ」
歩夢「放課後とか、休みの日にどこかで集まるのはどうかな?」
侑「あ、それいいかも。考えておくよ」
歩夢「元気になってくれたみたいで、よかった」 侑「そういえば、歩夢は今年もチョコくれるの?」
歩夢「うん。もちろんそのつもりだよ」
侑「そっかぁ……。へへへ」
歩夢「なぁに、急に笑って」
侑「何でも。ただ、歩夢が毎年チョコを作ってくれるのが嬉しいなって」
侑「ありがとう、歩夢」
歩夢「気にしないでよ。私がしたくてしてることなんだから」
侑「楽しみだなぁ、歩夢の今年のチョコ」 歩夢「……それじゃ侑ちゃん、私はここで」
侑「本当に一緒に来なくてもいいの?」
歩夢「誘ってくれたのは嬉しいけど、今日は私もやることがあるから」
侑「わかった。気を付けて帰りなよ」
歩夢「侑ちゃんも、気を付けてねー」
侑「……よし。行こう」 侑(……と、意を決して探しに来たのはいいんだけど)キョロキョロ
『初心者向け!手軽にできるチョコレート』
『今からでも間に合うチョコレートの作り方』
『誰でも作れるチョコレシピ』
侑「まさかこんなに種類があるなんて思ってなかった……」
侑「タイトルを見る限りどれも私みたいな人向けの本なんだろうけど……」ペラペラ
侑「……何が違うのか全然わからない」 侑「チョコレシピの本もそうだし、こっちの雑誌は……」ペラペラ
侑「どれもこれもバレンタイン特集の記事かぁ……」
侑「うーん……」
侑(困ったなぁ。私じゃどのレシピ本がいいのかなんて……)
侑(判断できないっていうか、判断できるほどの知識がないっていうか……)
侑(かと言ってあるだけ全部なんて買うお金もないし、このあと材料も買わなきゃだし……)
侑(……とりあえずバレンタイン特集の雑誌1冊と、レシピ本の方は)
侑「詳しい人に選んでもらおう。すいませーん、店員さーん」 侑「ふー……。ただいま、っと……」
侑(レシピ本のあと材料買いに行って、そこでもまたわかんなくなって……)
侑(結局普段食べてる感じの板チョコにしちゃったけど、これでよかったのかな)
侑「……身も蓋もないことを言えば溶かして固めるだけだと思うし、どれ選んでも大丈夫だよね」
侑「それじゃ早速……と思ったけど夜になってからの方がいいか」
侑「母さんに見つかるとあれこれ聞かれてめんどくさいことになるだろうし」
侑「それに……」チラッ
侑(まだ帰ってきてないのかな。何となく、気配がしないような気がする)
侑「……時間までレシピ本でも読んでおこう」 深夜
侑「……さて。母さんたちも寝たみたいだし、そろそろ始めよう」
侑「一応レシピは何度も読み返したけど……」
侑「とにかく、やるだけやってみよう。えぇと、まずはチョコを刻んで……」グッ
侑「刻んで……っ……!」グググ
侑「ふんぬぬぬ……!こんな、かったいの……!?」
侑「……これは思ったより大変だな。大変、だけどっ!」ザクッ
侑「いっだ!切った!指切った!」 侑「……」ハァハァ
侑「……よし。チョコ刻み終わったかな」
侑(あのあと切り傷が2、3増えたけど)
侑「次はチョコを溶かす……湯煎だっけ。鍋に水張って火にかけて……」
侑「……おぉー、見てるだけでどんどん溶けていく。面白いなこれ」
侑「っと、ぼんやり眺めてる場合じゃなかった。ヘラで混ぜて……」マゼマゼ
侑「混ぜて……」グルグル
侑「う、腕が疲れる……。お菓子作りって重労働なんだ……」
侑「ひいひい……これ、いつまで混ぜてればっ……!」
侑「あ、握力が……!手が震えてっ……」ジュッ
侑「あづっ!触った、触っちゃった!」 侑「……」ハァハァ
侑「で、何とか完成したけど……」
侑「おかしいな、私は間違いなくチョコを作っていたはずなのに……」
侑「私の目の前にあるのは……どこからどう見ても石炭にしか見えない……」
侑「とりあえず、味見してみよう……」
侑「……ゴリゴリして、ザラザラして、苦くて、うん。まっずい」
侑「うぅん……。最初から上手くできるとは思ってなかったけど、これはちょっとなぁ」
侑「もったいないとは思うけど、どうやっても食べられないし……ごめんなさいチョコレートさん……」
侑「まだ材料もあるし、時間もある。もう1回……!」 侑「……ふあ」
侑(石炭チョコのあと、もう1回作ってみたけど……)
侑(今度はどう見ても火山岩にしかならなかった……)
侑(火山岩チョコを作ったところで片づけて、ほんのちょっと寝て……)
侑(練習すれば上達するとは思うけど、この調子で間に合うかな……)
侑(それにしても眠……)
歩夢「侑ちゃんってば!」
侑「うぇいっ!?」 @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ どんなチョコでも美味しく食べるよ! 歩夢「もうっ。やっと返事した」
侑「あゆ、む?あれ、何で?」
歩夢「何でじゃないよ、お昼食べようって言ってるのにぼんやりしてるんだもん」
侑「お昼……?お昼!?」
侑(ご、午前中の記憶が何もない……)
歩夢「ほら、お昼食べに行こう?」
侑「う、うん。外は寒いし、部室にしよっか」 歩夢「こんにちはー……あれ、誰もいない」
侑「大体誰かしらいること多いから、珍しいね」
歩夢「はー、さむさむ。暖房付けちゃえ」
侑(寒いところに出たおかげか、眠気もちょっとはマシになったかな……)
侑(お昼食べ終わって、暖房効いてきた頃がすごい怖いけど……)
歩夢「それじゃ、お昼にしよっか」
侑「ん、そうだね。いただきまーす」 歩夢「それで侑ちゃん、今日はどうしたの?」
侑「へ?」
歩夢「今日は何だか朝からぼーっとしてたような気がしたから」
侑「あー、やっぱわかるよね」
歩夢「体調、悪いの?」
侑「ただの寝不足だから、大丈夫だよ」
歩夢「またスクールアイドルの動画でも見てたんでしょ?」
侑「……まぁ、そんなとこ」 歩夢「スクールアイドルに夢中になるのもいいけど、早く寝ないとダメだよ」
侑「そう、だね。ごめん」
歩夢「わかってくれたみたいで、よかったぁ」
侑(いくらなんでも寝る時間削って石炭と火山岩を錬成してたなんて、言えないよね……)
侑(早く寝るっていう約束も私の上達次第なところあるし……)
侑(ほんの小さな嘘なんだけど、相手が歩夢だから心苦しいな……)
侑(だからせめて心の中で謝っておこう。嘘ついてごめんね、歩夢)
歩夢「?」 侑「ふー……。ごちそうさまー……」
歩夢「ごちそうさま。侑ちゃん、今日は玉子焼き、よかったの?」
侑「今日はあんまりお腹空いてなかったから」
歩夢「侑ちゃんの分は毎日入ってるから、いつでも言ってね」
侑「ありがと、歩夢」
歩夢「お昼食べ終わっちゃったけど、どうする?教室戻る?」
侑「そうする。ここにいたら寝ちゃいそうだし……」
歩夢「少し仮眠した方がいいんじゃない?」
侑「今寝たら放課後まで起きられない気がするからやめとくよ」
歩夢「ふふっ。じゃあ、教室戻ろっか」 これは 咲くぞ すぐ咲くぞ 絶対咲くぞ ほら咲くぞ… 侑「よーし。お昼も食べたし、残りの授業も頑張るかな」
歩夢「……あ、そうそう、侑ちゃん。今日の放課後だけど、用事があって一緒に帰れないんだ」
侑「あれ。昨日も何か用事あるみたいなこと言ってなかったっけ」
歩夢「う、うん。それでその用事、もう何日か続くかもしれなくて」
侑「そっか……」
歩夢「ご、ごめんね、侑ちゃん」
侑「……まぁ、用事なら仕方ないか。終わるまでは1人で帰るよ」 歩夢「寝不足って言ってたし、心配だなぁ。誰か一緒に帰ってもらう?」
侑「子供じゃないんだから大丈夫だって」
歩夢「ほんとに気を付けてね」
侑(でも、歩夢の用事って何なんだろう。少なくとも昨日からあったみたいだけど)
侑(……まぁ、歩夢が一緒じゃないのはちょっとだけ都合がいいかな)
侑(今朝のチョコ作りの練習、というか錬金術でチョコの材料全部使い切っちゃったから……)
侑(使い切った分ともう少し余分に買ってから帰らないと……)
侑(もう、あんまり時間は残ってないし……) 深夜
侑「……よし。今日も練習始めよう」
侑「昨日はレシピ本だけだったから、細かいところがよくわからなかったけど……」
侑「スマホで動画を見ながらやれば大丈夫だよね、きっと」
侑「あんな悲しい出来事はもう起こしたくないし……」
侑「さ、さっそく始めよう。動画再生、っと」ポチ
『まずはチョコを溶かしやすいように細かくします』
『包丁で刻んでも良いですがスライサーを使ったり袋に入れてめん棒などで砕くと簡単です』
侑「え!?何それ、ズルじゃん!もっと早く教えてよそういうことは!」 侑「試しにスライサー使ってみたらもう終わっちゃった……」
侑「昨日の私の奮闘は何だったんだろ、もー……」
侑「まぁ、楽に終わったならそれでいいや。次は湯煎、か」ポチ
『鍋に水を入れ、50℃に温めます。その上からチョコを入れたボウルを湯煎にかけます』
『ボウルが鍋底に着くと楽に作業できます。水がチョコに入らないように注意しましょう』
侑「……考えてみれば底に着くやつ使えばよかったのか。ずっと持ってる必要もないし」
侑「昨日2回もやったらしばらく腕がプルプルしちゃってたし……」
侑「でもこのやり方なら大丈夫でしょ。あとは水が入らないようにだけ注意して……」 侑(……そういえば、歩夢の用事って何なのかな。何日かかかるみたいなこと言ってたけど)
侑(学校から別々に帰って、私が材料買ってから帰ってきても、歩夢が家にいるような気配はなかった……)
侑(歩夢の用事が一体何なのか、すごい気になる。気になるけど、まさか聞くわけにもいかないし……)
侑(そんなの聞いたりしたらいちいち行動把握したがる重い奴に……)
侑(……なんかマズいなぁ。歩夢のことを考えだすと止まらなくなっちゃう)
侑(いや、そもそもこうしてチョコ作りに励んでる時点でもう止まらなくなって……)
侑「あっ……」 @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ 侑ちゃんのチョコ楽しみだなあ 侑「あはは……。失敗しちゃった……」
侑「石炭に火山岩と来て今度は泥みたいになっちゃったー……」
侑「……はぁ」
侑(ダメだなぁ、私。こういうのは昔っから不器用で、上手くできなくて)
侑(今はチョコ作りを考えなきゃなのに、頭の中、歩夢のことでいっぱいで……)
侑(歩夢だけのために、歩夢だけのことを想ってチョコ作ってるから、なのかな)
侑「……泥チョコは片づけて、もう1回」
侑(歩夢……。私は、歩夢のこと……) 2月14日
侑「……」
侑(結局、最後の本番用の予算だけ確保して練習、続けたけど……)
侑(1回も上手くいかないまま、14日になっちゃった……)
侑(それでも今朝のは何とか形になったけど、どこか失敗したのかザラザラしてたし……)
侑(……多分、どんなチョコでも歩夢は喜んでくれるとは思う)
侑(だけど、自分で食べてみて不味いと感じるものを贈るわけには……)
侑(歩夢も……例の用事がまだあるのか先に帰っちゃったし……)
侑「……帰ろ」 ごめんなさい残りはまたあとでになります
今日中には終わらせるつもりです @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ その気持ちが最高の贈り物だよ @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ 咲いちゃうのを我慢してうずうずするよ・・・ @cメ*˶> ᴗ <˵リ グググ
🍫cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ポンッ @cメ*˶˘ ᴗ ˘˵リ 侑ちゃん頑張って……!! 侑(やることもないからまっすぐ帰るつもり、だったんだけど……)
侑「何でまた本屋にいるんだろ、私……」
侑(やっぱり、まだ諦めきれない。だけど練習予算もないし、どこをどうしたらいいのか全然わかんない……)
侑(それに歩夢のことばっかり考えてたら、同好会のみんなに渡す分のチョコ代まで使っちゃって……)
侑(……情けないな。レシピ買って、何回も練習したのに、このザマだなんて)
侑(去年までの、いつも通りの結果だなんて……)
侑(かと言って今さらできることも……) 侑「……?何だろ、この雑誌」
侑(一味違ったバレンタイン……?バレンタインってチョコ渡す以外に何かあるの?)ペラ
侑(えぇと……。チョコ以外のものを贈るっていうのもあるんだ)
侑(クッキーとか、キャンディ、マカロン……。お菓子以外だとアクセサリーとかマフラー……)
侑(あとは……)
侑「……これ、は」
侑(今からでも間に合う。手持ちのお金で何とかなる。何より……)
侑(これが1番、私が歩夢へ贈るのに向いてる気がする)
侑「時間は……まだ、大丈夫。急ごうっ!」 侑「……ふぅ」
侑(目当ての物は買った。悩んで、考えて、1番それらしいのを選んだ)
侑(歩夢は……気配がするから、間違いなく家にいる)
侑(あとはこのインターホンを押すだけ。だけ、なんだけど)
侑(歩夢は、受け取ってくれるかな……。喜んでくれるかな……)
侑(私のバレンタインを。私の、気持ちを……)
侑(もう、ここまで来たんだから。あとは、踏み出すだけ……!)
侑「……よし」 チョコを渡すのも日本限定らしいし、気持ちがこもってれば何でもいいよね ピンポーン
歩夢「はーい……あれ、侑ちゃん?」
侑「や、やぁ」
歩夢「どうしたの?チョコならあとで持っていくつもりだったけど……」
侑「ん、えと、ちょっと歩夢に用があって……」
歩夢「私に?」
侑「う、うん」
歩夢「玄関先で立ち話するのもなんだし、ほら、上がって」
侑「お、おじゃまします」 ピンポーン
歩夢「はーい……あれ、侑ちゃん?」
侑「や、やぁ」
歩夢「どうしたの?チョコならあとで持っていくつもりだったけど……」
侑「ん、えと、ちょっと歩夢に用があって……」
歩夢「私に?」
侑「う、うん」
歩夢「玄関先で立ち話するのもなんだし、ほら、上がって」
侑「お、おじゃまします」 歩夢「お待たせー。はいっ、侑ちゃん、ハッピーバレンタインっ」
侑「……ありがとう、歩夢。すごい嬉しいよ」
歩夢「き、急にそんなこと言われると照れちゃうなぁ」
侑「それで、その、私の用事なんだけど……」
歩夢「私に何か用があるんだよね」
侑「あの、バレンタインのことで、ちょっと……」
歩夢「バレンタインのこと?」 歩夢のテンションが普通なのが不穏に感じてしまうのは毒されすぎなのか 侑(……今ならまだ、別の話でごまかすこともできる。でも、だけど)
侑(もう、決めたんだ。私のこと、全部話すんだって……)
侑(ちゃんと歩夢に伝えるんだ。私の、気持ちを……!)
侑「……歩夢に、渡したいものがあって」
歩夢「渡したいもの?もしかしてバレンタインのチョコ?」
侑「バレンタインではある、けど、チョコじゃないっていうか……」
歩夢「うーん?」
侑「すー……はー……」
侑「……歩夢。これを、受け取ってほしいんだ」 歩夢「これって……バラの花、だよね」
侑「……うん。私から歩夢への、バレンタインだよ」
歩夢「そう、なんだ。えへへ、まさかこんなに綺麗なピンクのバラを貰えるなんて思ってなくて」
歩夢「ありがとう、侑ちゃん。すっごく嬉しいよ」
侑「……」
歩夢「侑ちゃん?」
侑「歩夢はさ、フラワーバレンタインって知ってる?」
歩夢「えっと……聞いたことはある、かも。詳しくはわからないや」
侑「バレンタインの日に花と一緒に気持ちを伝えるのが、フラワーバレンタインなんだ」
侑「そう言っても、私も雑誌で読んで初めて知ったんだけど」
歩夢「へー、そうだったんだ……」 侑「私がチョコじゃなくてバラにしたのも、歩夢に言いたいことが……」
侑「伝えたいことがあるから、なの……」
侑「バラがピンクなのも、この本数なのも、ちゃんと理由があって……意味があるんだ」
歩夢「理由と、意味?」
侑「……ピンクのバラなのは歩夢のイメージカラーだから、というのもあるんだけど」
侑「ピンクのバラには……『愛の誓い』っていう花言葉があるから」
歩夢「えっ……?」
侑「12本のバラの意味は……」
侑「……歩夢。私と、付き合ってください」 歩夢「……え、えええぇぇぇっ!?」
歩夢「えっ!?そんな、侑ちゃん、私のことっ……!?」
侑「……うん。私、歩夢のことが好き」
侑「たぶん歩夢が今まで私に思ってたような好きじゃなくて……友達以上の対象として……」
侑「歩夢と、恋人になりたいっていう好き、なの……」
歩夢「そ、そう……なんだ……」
侑「歩夢が私のことをどう思ってるかは、わからない。だけど、私にとって歩夢は誰よりも特別で……」
侑「このバレンタインも、歩夢だけのために用意して、私の気持ちを伝えたかったから……」
歩夢「侑、ちゃん……」 最近ゆうぽむの告白シーン見てると緊張するようになってきた 侑「でもさすがにやりすぎた、かな。本命のチョコでも相当なのに、バラの花なんて……」
侑「あはは……。ごめんね、こんな重いもの贈っちゃってさ……」
歩夢「そ、そんなことないっ!そんなことないよっ!」
侑「へっ?」
歩夢「さっき、バラを貰ったときに言ったじゃない。すっごく嬉しいって」
歩夢「あのときは今まで通りのバレンタインだと思ってたから、その、私が好きって聞いたときは驚いたけど……」
歩夢「侑ちゃんが私を好きって言ってくれて、こんなに素敵な贈り物をしてくれたんだもん」
歩夢「嬉しくないわけ、ないよ」 侑「ほんとに……?重かったりしない……?」
歩夢「侑ちゃんは自分の気持ちが強すぎて、重いんじゃないかって心配してるんだよね」
歩夢「でも、重いってことはそれだけ私が好きっていう侑ちゃんの気持ちが詰まってるってことだから」
歩夢「たとえ他の誰かが見たら重いってなっちゃうような好意でも、私はひとつ残らず受け取ってあげられる」
歩夢「だから、安心してもっといっぱい、いっぱい好きって気持ちを向けてほしいな」
侑「え、と、あの、歩夢……?」
歩夢「……侑ちゃん、私のこと、好きだって言ってくれてありがとう」
歩夢「私も、侑ちゃんが……大好き、だよ」
侑「……っ!」 歩夢「私、こういうのって初めてだから……付き合って、恋人になって、それからっていうのはまだ思い浮かばないんだけど」
歩夢「侑ちゃんのことは誰よりも特別で、大好きで……」
歩夢「何より、侑ちゃんに告白されて……すごく、すっごくドキドキしてるんだ」
侑「……よかった。よかったよぉ……」
歩夢「わっ!だ、大丈夫?」
侑「だってぇ……あんなめちゃ重なもの贈ったから、嫌われたんじゃないかって……」
侑「歩夢も、私のことが好きって聞いて……安心したら力抜けちゃった……」 歩夢「でも、まさか侑ちゃんにこんな素敵なバレンタインをしてもらえるなんて思ってなかったよ」
侑「それは……告白するわけ、だからさ。やっぱりそれらしくしたかったから……」
侑「……ねぇ、歩夢。私の自惚れじゃなければ、歩夢も私のこと、そういう意味で好きってことで……いいんだよね?」
歩夢「うん。私も、侑ちゃんのことが好き。侑ちゃんが私に向けてくれる好きと、同じ好き」
歩夢「侑ちゃんのことは、ずっと特別な好きだった。けど、これがそういう好きだって気付かなかった」
歩夢「それに気付いたのは、侑ちゃんが告白してくれたから、なんだ」
歩夢「侑ちゃん。私に告白してくれて、侑ちゃんのこと、好きって気付かせてくれて、ありがとう」
侑「じゃあ、私が告白しなかったら……こうはならなかったのかな」
歩夢「ずっと先の未来はどうなるかわからないけど、今こうして同じ好きになれたのは告白してくれたからだよ」
侑「そっか……。歩夢が好きだって伝えて……よかったんだね」
侑「……へへへ。歩夢と好き同士になれて、嬉しい」 歩夢「そういえば、侑ちゃん。今年はどうしてバラをくれたの?」
侑「えっ?あれ、さっき言わなかったっけ、私」
歩夢「そうなんだけどね。好きって伝えたい以外にも理由があるんじゃないかなって」
侑「……最初はチョコを作って渡すつもりだったんだ。レシピ買って、練習もして」
歩夢「もしかして、最近眠たそうにしてたのってそれが原因?」
侑「う、うん。結局全然上手く作れなくて、フラワーバレンタインにしたんだ……」
侑「最初のうちは石炭とか火山岩とか泥にしかならなくてさ……」
歩夢「あはは……」
侑「そういう歩夢の方こそ、最近用事で先に帰っちゃってたのって、もしかして」
歩夢「私も、チョコ作りの練習してたの。1年ぶりだと上手くできるか不安だったから」
歩夢「何となく侑ちゃんには気付かれたくなくて、帰ってきてからこっそりやってたんだ」
侑「それで歩夢の気配が全然しなかったのかぁ……」
歩夢「今思えば、侑ちゃんが好きだからそういう姿を見せたくなかったのかも」
侑「ともかく、毎年私に作ってくれてた歩夢がどれだけすごいのかよくわかったよ……」 歩夢「そうだ。侑ちゃん、今から一緒にチョコ、作ってみない?」
侑「今から一緒に……?」
歩夢「私と一緒なら失敗しちゃったところも教えてあげられるし、せっかく侑ちゃんと恋人になれたんだから何かしたいと思って」
歩夢「それに、私もチョコ、もう1回作り直したいし……」
侑「え、でも歩夢からはもう貰ってるよ?」
歩夢「あれは友達としての侑ちゃんに作ったものだから。今の侑ちゃんにはもっと相応しいチョコをあげたいんだ」
侑「……じゃあ、やってみようかな」
歩夢「それでその、さっき渡したチョコ、返してもらってもいいかな。1回渡しておいて悪いんだけど……」
侑「ちょっともったいないけど……はい、これ」 @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ 恋人になって初めての共同作業だね 歩夢「ありがとう、えっと……」ガサガサ
歩夢「……あむっ」
侑「じ、自分で食べちゃうの?」
歩夢「ゆぅひゃん、ゆぅひゃん」チョイチョイ
侑「うん?なに、あゆ、っ……」
歩夢「んっ……」
侑「むぅっ!?」
歩夢「……っふ、ちゅる……」
侑「っぷは……」
歩夢「……えへへ。ゆう、ちゃん」 🌸cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ゆうぽむ最高!ゆうぽむ最高! 侑「あ、あゆ、歩夢っ!?い、今っ!チョコがっ!?」
歩夢「ねぇ、侑ちゃん。どう、だったかな」
侑「そ、それは、その……すごく、甘かった、です……」
歩夢「そっか。ふふっ、上手くできてたみたいでよかった」
侑「わ、私、こんなの初めて……」
歩夢「私だって初めてだよ。誰かにキスをするのも、こんなふうにチョコをあげるのも、侑ちゃんが最初の相手」
侑「歩夢……」
歩夢「でも、これから作るチョコは今あげたチョコよりも、もっと、もっと甘くて、蕩けるチョコだから」
歩夢「楽しみに待っててね。侑ちゃん」
侑「……うん。私も頑張って作ってみるから、待っててくれると嬉しいな」 歩夢「よーし。チョコ作り、始めよっか」
侑「あ、あのさ、歩夢」
歩夢「なぁに?」
侑「……だいすき、だよっ」
おわり おつでした。悩んで何度もやり直す侑ちゃん健気でかわいかった これでおわりです
分割になりましたが読んでいただきありがとうございました
時間がありましたら前作もよろしくお願いします
侑「ねぇ、歩夢」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1610199194/ @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ 前作も好き。可愛いゆうぽむをありがとう @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ 重たい侑ちゃん最高にかわいいYO!
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🌷🌷🌷 AYUMU ♡ YU 🌷🌷🌷
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🌷🌷 🌸HAPPY END🌸 🌷🌷
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🌸cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ 甘すぎて食べられないよ! @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵三*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています