エマ「じゃあ、あれがカリン星ね?」
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一目惚れ……とは少し違うかもしれないけれど……。
あの時、果林ちゃんが声をかけてくれて、それから惹かれちゃったのかも。
ふふっ、恋なんてしたことないけれど。
エマ「果林ちゃん!見つけた!」
果林「エマ?何か用事かしら?」
エマ「ううん、一緒にご飯食べたいなと思って探してたんだ」
果林「そう?なら、せっかく探してくれてたなら一緒に食べましょうか?」
エマ「ありがとう」
果林「それで?スクールアイドルにはなれたの?」
エマ「うん!今日から練習開始なんだぁ」
果林「そう、良かったじゃない」 エマ「みんなすごそうでドキドキだよー」
果林「きっとエマだって負けてないわ」
果林「出会ってたった数日の私でも、エマのこと素敵だと思ってるんだから」
果林「うん、なんて言ったらいいか分からないけれど、きっとスクールアイドルとしても魅力たっぷりよ」
エマ「果林ちゃん……少し照れくさいけど、ありがとう」
エマ「私頑張るね」
果林「それなら、練習終わったら一緒に食事でもしましょうか?」
果林「エマのスクールアイドルデビューを記念して」
エマ「デビューって、大げさだよ」
エマ「でも、嬉しい!」 果林「あ、でも、他の子達とお話するかもしれないわね」
エマ「ううん、お家が遠い子もいるし、寮生は私だけだから大丈夫だと思う」
果林「無理はしないで大丈夫よ?」
エマ「ありがとう、でも、果林ちゃんのお誘いとっても嬉しいんだぁ」
果林「そう?それなら提案して良かったわ」
エマ「じゃあ、練習終わったら連絡するね」
エマ「多分これくらいの時間だと思う」
果林「えぇ、私も少しだけ用事があるからちょうどそれくらいになると思うわ」
エマ「用事ってモデルさんのお仕事?」
果林「へ?」 果林「良く知ってたわね」
エマ「じゃじゃーん!」
エマ「見て、これで見つけたの!」
果林「そういうことね……」
エマ「見て見て、この果林ちゃんとってもかわいいよ」
エマ「こっちはかっこいい!」
エマ「このページはセクシーだし……それからそれから!」
果林「エマ、ストップ」
果林「嬉しいけど……その、少し恥ずかしいわ」
果林「声ももう少し……ね?」 エマ「あ……ごめんね、果林ちゃん」
エマ「私勝手に盛り上がっちゃって……」
果林「いいのよ、すごく嬉しいのは本当だから」
エマ「えへへ、良かった」
果林「それじゃ、そういうことだから、私はもう行くわね?」
エマ「うん、いってらっしゃい」
果林「ん、いって、きます?」
果林「エマも初めての練習楽しんでね?」
エマ「うん、ありがとう!」 ――
エマ「果林ちゃん……少し長引いてるのかな?」
エマ「そういえば、連絡先交換してなかったなぁ」
エマ「……果林ちゃんに私はどう思われてるのかなぁ、なんて」
エマ「……ダメダメ、もっと頑張らないと!」
エマ「日本に来て、やりたいこと、いっぱいあるんだもん」
果林「エマ?」
エマ「わぁっ!果林ちゃん、驚かさないでよー!」
果林「あぁ……ごめんなさい」
果林「普通に近づいてきたつもりだったんだけど……」 果林「エマが俯いたり、顔上げたり、ガッツポーズしてたり……」
エマ「果林ちゃん見てたの!?」
果林「遠くからだけどね?」
エマ「もぉ!恥ずかしいよ!」
エマ「それより何も聞いてないよね?」
果林「遠かったからね」
果林「それより、聞かれたらマズイことでも言ってたのかしら?」
エマ「む……そんなことないもんっ!」
エマ「果林ちゃんなんて知らないっ!」 果林「あらあら、ごめんなさいね?」
果林「エマが可愛らしいから、ついからかいたくなっちゃって」
エマ「ふーんだ」
果林「エマぁ……」
エマ「ふふっ、冗談だよ」
エマ「それより、お仕事長引いちゃったの?」
エマ「疲れてない?」
果林「ん、大丈夫よ」
果林「ちょっと帰り道でまよっ……」
果林「少しだけ長引いたかしらね?」
果林「遅くなっちゃってごめんなさい」 エマ「果林ちゃん今迷ったって……」
果林「言ってないわ」
エマ「でも……」
果林「言ってない」
エマ「うふふっ、そっかそっか」
エマ「迷子になってもちゃんと戻って来れて偉いねぇ」
果林「ちょっと、撫でないでちょうだい」
果林「迷ってないって言ってるのに……」
エマ「うんうん、そうだねぇ」 果林「エマ、話聞いてる?」
エマ「聞いてるよぉ」
果林「もうっ!仕方ないじゃない!」
果林「いつものスタジオじゃなかったんだもの」
果林「地図見てもよくわかんないし」
エマ「今度迷子になったら私が助けてあげるね?」
エマ「はいっ!」
果林「まぁ、迷子になんてならないと思うけど……」
果林「そういえば、まだ連絡先交換してなかったわね」
エマ「うん、ありがとう!」 果林「ふふ、これからも仲良くしてね?」
エマ「もちろん!」
果林「それじゃ、そろそろお食事でもしましょうか」
果林「エマ、スクールアイドル、頑張ってね?」
エマ「うん、ありがとう!」
果林・エマ「乾杯」
果林「そういえば、エマは卒業したらスイスに戻っちゃうのよね?」
エマ「うん、そうだね」
エマ「すっごく綺麗なところだよ!」
エマ「いつか果林ちゃんにもきて欲しいなぁ」
果林「ふふっ、楽しみにしてるわね?」 エマ「自然たっぷりで景色もいいから、果林ちゃんも迷子にならないかも……」
果林「エマっ!」
エマ「あははっ、ごめんね」
果林「……そうね、今はお水だけど、いつかお酒でも乾杯できたらいいわね」
エマ「お酒?そっか、日本だと20歳からだもんね」
果林「スイスだと違うのね?」
エマ「うん、州にもよるけどね」
エマ「でも、嬉しいな」
エマ「いつか、乾杯!約束だよ?」
果林「えぇ、約束ね」 ――
果林「それじゃ、そろそろ寮に戻りましょうか?」
エマ「そうだね、すっかり話し込んじゃったね」
果林「素敵な時間だったわ……あら?」
エマ「?果林ちゃん?」
エマ「そっちだと遠回りだよ?」
果林「え?」
エマ「……やっぱり」
果林「言わないで」 エマ「果林ちゃん」
果林「何も言わないでエマお願い」
エマ「やっぱり果林ちゃんって、方向……」
果林「いいでしょ!別に!!」
エマ「ふふっ、果林ちゃんっぽくなくてかわいいかも!」
果林「もぅ……だから嫌だったのよ……」
エマ「これがギャップ萌えってやつだね」
果林「エマ、変な日本語覚えないの」
エマ「大丈夫だよ、私が道案内してあげるからね」
果林「誰にも言わないでよね」
エマ「はーいっ」 果林「はぁ……なんだか暑くなっちゃったわ」
果林「……なんだか今日は夜空が綺麗ね」
エマ「んー?」
果林「エマが一緒だからかしらね?」
エマ「果林ちゃん!?」
果林「なんてね」
エマ「もう、恥ずかしいよ」
果林「でも、やっぱりエマのお家だともっと綺麗なのかしら?」
エマ「うん、満天の星空!って感じかな?」
果林「やっぱりそうなのね、一度見て見てみたいわね」 エマ「うん!是非見て欲しいな」
エマ「キラキラの宝石みたいでとっても綺麗で輝いてるんだ!」
エマ「でも、私はこっちの夜空も、好きだよ?」
果林「そう?」
エマ「大切な……大好きなお友達と見られるからかな?」
果林「……エマ?」
エマ「ふふっ、仕返し」
エマ「でも、本当にそう思ってる」
果林「そうね、私もそう思うわ」 エマ「あ!お星様見つけたよ!」
果林「ん?どこ?」
エマ「ほら、あれ!」
果林「見つけた!」
エマ「じゃあ、あれがカリン星ね?」
果林「……なんだか、神様でもいそうね」
果林「塔とかたってない?」
エマ「ん??」
果林「なんでもないわ」
果林「それなら、その隣のあれがエマ星ね?」
エマ「うん!」
たった2つのお星様。
きっと、近づいたり離れたり。
貴女まであとどれくらいの距離があるんだろう。 エマ「今日は近づけたのかな?」ボソ
果林「エマ?何か言った?」
エマ「んー?ううん、今はまだ秘密だよ」
果林「なら、いつか教えてくれるのかしら?」
エマ「……うん、そうだねぇ」
エマ「覚えていたら、ね」
果林「ふふっ、楽しみにしてるわね?」
果林「それじゃ、おやすみなさい」
エマ「うん、おやすみなさい」
そんな些細な約束だって、これからも一緒の保証のようでとっても嬉しい。
この想いはまだ私の胸の中、もう少し時間をかけて。
それでも答えは貴女の胸の中にしかないけれど。 ――
それから……色んなことがあって、果林ちゃんもスクールアイドルを始めました!
エマ「ねぇ、果林ちゃんこの後、時間ある?」
果林「え?まぁ、もう帰るだけだし」
エマ「じゃ、初めての練習を記念して!」
エマ「果林ちゃんのスクールアイドルデビュー記念……ということで」
エマ「またお水で乾杯でもどうかな?」
果林「……ふふっ、名案ね」
エマ「無理矢理連れ出したすぐ後だけどね」
果林「びっくりしたわ、でも、ありがとう」
エマ「どういたしまして!」
エマ「それじゃ、もう少しだけお話しよう?」
果林「えぇ、そうね……っ」 果林「え?あ、ありがとう」
果林「それと、今度からスクールアイドルも始めるの」
果林「また、応援してね」
果林「ありがとう、さようなら」
エマ「……」
果林「ごめんね?エマ」
エマ「……」
果林「エマ、怒ってる?」
エマ「……ううん?怒ってないよ?」
ファンの人とお話。
他の誰かと果林ちゃんがお話して、ほんの少し嫉妬したり。
別に恋人でもないのにね。 果林「エマ?」
エマ「ごめんね?本当になんでもないの」
エマ「ちょっと考え事してただけだから」
果林「それならいいんだけど……」
エマ「それより!早く行かなくっちゃ!」
エマ「私練習でもうお腹ペコペコだよぉ」
果林「そうね、私もお腹空いてきちゃったわ」
エマ「ホント?それなら私と一緒の……」
果林「え?い、いや、それは遠慮しておくわ……」
エマ「そう?」 果林「さぁ、いただきましょうか?」
エマ「うん!いただきます」
果林「いただきます」
エマ「それから!果林ちゃん!」
エマ「スクールアイドル一緒に頑張ろうね?」
果林「えぇ、私みんなにもエマにも負けるつもりはないわよ?」
エマ「私だって負けないもん!」
果林「そうね、そうやって一緒に高め合っていければいいわね」
エマ「うん!そうだね」
エマ「じゃあ……」
エマ・果林「乾杯」
尽きることのないお話と笑顔、時間だけが過ぎ去って。
あっという間に外は真っ暗になりました。
心のどこかに果林ちゃんに言った自分自身の言葉が引っかかったまま。 ――
果林「すっかり遅くなったわね」
エマ「そうだねぇ」
エマ「果林ちゃん今日は遠回りしなかったね」
果林「もう!茶化さないでよね」
エマ「ふふっ、ごめんね?」
エマ「もう、いつもの帰り道……だもんね?」
果林「そうね」
果林「今日も綺麗な夜空じゃない」
エマ「あれがカリン星だったよね」
果林「それからあれがエマ星ね?」
エマ「正解!」 果林「そういえば……」
エマ「うん?」
果林「あの時の約束覚えてるかしら?」
エマ「約束……?」
エマ「お酒で乾杯……?」
果林「もっと小さな約束」
果林「覚えてるわね」
エマ「覚えてないよぉ」
果林「とぼけないの」
エマ「えへへ、バレちゃった?」 果林「エマのことは大体分かるわよ」
エマ「うん、そっかそっか」
エマ「そうだねぇ、果林ちゃんはこの夜空を見てどう思う?」
果林「ん?どう思うって……」
果林「エマと2人で帰ったあの日はあんなに前なのか、とか……」
果林「それと、エマとエマのお家で満天の星空を見てみたい……」
果林「あとは、変わらずあの2つの星が見つけられて良かった、かな」
エマ「うん、私も」
エマ「でも、1つだけ違うんだ」
果林「1つ?」
エマ「私は、星が変わってて欲しかったんだ」 エマ「あれが果林ちゃん、あれが私なら……この距離がもっともっと近づいたらいいなって思ってた」
果林「エマ……」
エマ「私ね、これでも日本語いーっぱい!お勉強したんだよ」
果林「え?えぇ、そうね、エマの日本語はとっても上手だわ」
エマ「私のこの気持ちはなんなのか、どういう言葉で表現するのか」
エマ「どういう風に話すのか、もっとかっこいい伝え方はないのか……なんて」
エマ「でも、どれだけの言葉を知ったって、私の想いはたった一言」
エマ「ねぇ、果林ちゃん」
果林「なぁに?エマ?」 エマ「私、今日果林ちゃんに偉そうに言ったけどさ」
果林「やりたいと思った時から始まってる?」
エマ「うん」
エマ「きっとこの想いは伝えなくっちゃ果林ちゃんに伝わらないから」
エマ「どれだけ強く想っていたって、どれだけあのお星様に願ったって……」
エマ「言葉にしないと果林ちゃんには届かないから!」
エマ「だから果林ちゃん!」
エマ「果林ちゃんに伝えたいことがあります!」
満天の星空だって敵わない、私だけのお星様。
一際強く綺麗に輝く貴女に、今。
エマ「果林ちゃんが好きです」 おしまい。
コメントくださった方ありがとうございました。
とても嬉しいです。 おつおつ
めっちゃ良いエマかりだった
過去作とかあったら教えてほしい 最近はエマかりもいいなって
>>38
すげえ可愛い >>38
すごい!可愛い!めちゃくちゃ綺麗でお上手!! >>39
ありがとうございます!
エマかりは今回初めてです。
ssなら前回のはこれです。
気になれば読んで頂ければすごく嬉しいです。
歩夢「触れる指先、歪む愛」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1612179653/l50?v=pc >>38
うめえ…こんなラフ画をサッサと描ける画力羨ましいな この2人って性格全然違うのになんでウマが合うんだろうな >>48
スイス育ちと八丈島育ちって大らかな環境で育ったとこは似てそう >>43
あなたでしたか!!
このSSの侑ちゃんめっっちゃ好きです とってもエモエモで嬉しみが深くて草だよ〜
このほのぼの感がたまらん
エマちゃんSSもっと増えてくれ〜 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています