穂乃果 「今日もパンが美味いっ!!」
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穂乃果 「ランチパックの値段が高騰した……!?」
海未 「はい。記者会見によると、ランチパックの味を気に入ったとある大富豪が大富豪仲間にランチパックを布教したらしく……」
ことり 「大富豪の中でランチパックがブームになったんだって。会社もそっちの方が儲かるからってマーケティング層を一新して、高級ブランドとしてやってくことに方針を決めたらしいよ」
穂乃果 「そ、そんな……!! で、でもそれって一時的なものでしょ!? ほら、お金持ちってブームすぐ変わりそうじゃん!!」 差し支えなければ教えて頂きたいのだが代行スレってどこ? 海未 「その偏見はどうかと思いますが……だとしても、ランチパックの高級志向はこれからも変わることはないと思いますよ。もう大富豪たちの定番食として慣れ親しんでしまったらしいですし……さらに言えば、ランチパックの袋にもコレクターが現れ始めたらしいですよ?」
穂乃果 「ランチパックの袋のコレクター!!?」
ことり 「ランチパックって今までで1600種類以上あるんだね。知らなかったなぁ」
海未 「大富豪の中にはロレックスと同じくらいの資産的価値があると言ってる人もいます。もう、ランチパックは庶民に届く食べ物ではなくなってしまったんです……」 穂乃果 「そ、そんな……」
海未 「ちなみに、全てのランチパックの袋が高くなったわけではありません。やはりレアなものに限りますので……仮に穂乃果が今まで食べてきたランチパックの袋を持っていて、それを売ったとしても、これからのランチパックを買うお金には足りないでしょう」
穂乃果 「……」
穂乃果 (信じられない。ランチパックが大富豪に慣れ親しまれた? いくらランチパックが美味いとはいえそんな……! このままじゃ穂乃果は……)
―――――
―――
― 穂乃果 「……」 ボロボロ
穂乃果 (もうランチパックを買うために全てを売った。家からも追い出されて、服もこんなボロボロなものに……それでもこのお金じゃランチパックは買えないや……)
大富豪 「大丈夫かい、お嬢ちゃん?」
穂乃果 「……?」
大富豪 「こんな暗い夜道に下を向いて歩いてたら怪我をしてしまうよ……」 穂乃果 (いかにも大富豪って感じの人だ……きっとこの人はランチパックを常食にできてるんだろうなぁ)
大富豪 「それによく見たら靴も履いてないじゃないか。ちょうど良かった、たくさん靴を買った帰り道だったんだ。良ければ一足貰っていきなさい」
穂乃果 「いいんですか……?」
大富豪 「もちろんだよ」
穂乃果 「あっ、でも暗くて靴が分からないや……」 キョロキョロ 嘘だろと思って検索したら本当に1600種類以上もあったんだな。ここ最近で一番驚いた 大富豪 「分かった。灯りをつけてあげよう」 ボォォ
穂乃果 「……!」
大富豪 「どうだ明るくなったろう」 ボォォ
穂乃果 (大富豪さんが焼いてるのって……)
穂乃果 「それってランチパックの袋……」
大富豪 「あ、これかい? これはさっきたくさんランチパックを食べすぎて袋が余ってたから火種に使ってるだけだ。気にしないでくれ」 穂乃果 「うぅ……うぅ……」 ポロポロ
大富豪 「そんなに靴が嬉しかったのかな? ……では申し訳ないが私は帰らせてもらうよ。家でランチパックを食べなきゃいけないのでね。一つ、つまもう」 パクッ
大富豪 「今日もパンが美味いっ!!」
トテトテ
穂乃果 「……」
穂乃果 (穂乃果はどこで間違ったんだろうなぁ……ランチパック、食べたいなぁ)
穂乃果 「ぐすっ……」 ポロポロ
―
―――
――――― 穂乃果 (なんてことに……!)
海未 「それにしてもランチパックが高級ブランド化するなんて、本当に何が起こるか分かりませんね」
ことり 「好きな推しは推せるときに推しておけ、ってよく聞くけど、好きな食べ物も食べられるときに食べておかなくちゃだね」
海未 「そういう意味では、ほむまんが高すぎないで本当に良かったです……私も穂乃果のような状態に追い込まれたら気が気じゃありませんから」
穂乃果 「ほむまん……」 穂乃果 (待てよ?)
穂乃果 (ランチパックが高くなったなら、穂乃果がお金持ちになればいいんじゃないの……? ほむまんをもっと、もっと、高級ブランドにして……それでいてセレブの中で大人気商品にすれば……! 穂乃果も夢のランチパック暮らし……!!) パァァ
穂乃果 「ごめん!! 海未ちゃん!! ことりちゃん!! 穂乃果、先帰るね!!」 タタタタ
海未 「ええっ!? 穂乃果!?」
ことり 「穂乃果ちゃん、行っちゃったね……どうしたんだろう?」 海未 「また変な考えでも浮かんだのでしょうか……心配です」
ことり 「でも大丈夫だよ。穂乃果ちゃんのあの決意に満ちた瞳、きっと素敵なことが起こるはずだよ」
海未 「まぁ、それもそうですね……」
海未 (穂乃果。あなたが何をするつもりかは分かりませんが、あなたがまた奇跡を起こしてくれそうで、実はとてもワクワクしています。楽しみにしてますよ、穂乃果!!)
…
…
… ほのママ 「えっ。穂むらを高級ブランド化して海外進出をして、マーケティング層を大富豪中心にする!?」
穂乃果 「うん!!」
ほのママ 「いやでも穂乃果……たしかにお父さんの作る和菓子は世界一美味しいけど、だからってセレブに人気が出るかは分からないのよ? だって今まで街の中で人気くらいのお店だったんだから」
穂乃果 「そこはちゃんと考えてあるから大丈夫だよ」
ほのママ 「どういうこと?」 穂乃果 「そもそもね。高級ブランドって言うのは高品質なのは間違いないけど、それなら高級ブランドじゃなくてもすごくレベルの高いところだってたくさんあるじゃんって話になるんだよ。なのに差がつく、それはなんでだと思う?」
雪穂 「なんかお姉ちゃんらしくない難しい言葉が聞こえてきたけど……」 ヒョコ
穂乃果 「まぁせっかくだから雪穂も聞いておいて。つまりね、ブランドって言うのは周りからの評価でブランドになっていくんだよ。高品質は前提だけど、同じ高品質でもブランドが付くところと付かないところがある。それは、値段が安かったりセレブへのアプローチが弱かったりする差があるんだよ」
雪穂 「えっと、つまりどうすればいいの?」 穂乃果 「お父さんの和菓子技術は本物なんだから、材料によりお金をかけて一個の値段をすごい上げるの。それでかつ、日本オリジナルの文化なんだから海外進出して、セレブたちに気に入ってもらうの。そうすれば、周りからの評価は高級ブランドとして判断されるようになって、気が付けば箔が付くんだよ」
雪穂 「な、なるほど……!」
穂乃果 「ねぇ? 聞いてるでしょ、お父さん?」
ほのパパ 「……」 コクッ
穂乃果 「なら色々と大変だと思うけど、なるべく早く行動を開始しようよ!」 ほのパパ 「……」 パクパク
ほのママ 「まぁたしかにそうよね……高級ブランド化するってことは、今までのお客さんを困らせてしまうかもしれない。それはやっぱりダメよ」
穂乃果 「分かってる……! だけど、いずれ穂むらが大きくなれば、チェーン店として高級ブランドの穂むらとはまた違う別のお店を展開できるかもしれないし、穂乃果は大好きなお父さんの和菓子が世界中に知られて欲しいんだよ!!」
ほのパパ 「……!」
ほのママ 「穂乃果……あなたそこまで……!」 穂乃果 「もちろん雪穂も私も、全力で協力する!! 穂むらを世界的に有名なお店にしよう!!」
雪穂 (そういえば朝、ランチパックの高騰化のニュースが流れてたな……)
雪穂 (でもまぁ)
雪穂 (お姉ちゃんも本気だし、乗ってもいいか)
ほのパパ 「……」 ポロポロ
ほのママ 「分かったわ! 頑張りましょう、家族四人で!! 穂むらを大きくするのよ!!」
穂乃果 「うん!! ファイトだよ!!」
…
…
… 穂乃果 (その後……)
穂乃果 (穂むらは世界進出を果たし、日本支部も高級ブランドとして人気を博すことになった。いずれはより国民的なお店になるように、対策も考えることになるだろう)
穂乃果 (だけどとりあえず今は!)
穂乃果 「ランチパックがまた食べられるようになるなんて幸せだぁーー!!」 パクッ
穂乃果 「今日もパンが美味いっ!!」
おわり おまけ
海未 「ほむまんが高すぎて買えないんですよぉぉぉぉーーーーー!!!!」 ポロポロ
ことり 「海未ちゃん、よしよし」 ナデナデ 読んでいただきありがとうございました!
穂乃果ちゃんはスクールアイドルの活躍を見ても、気持ちさえ動けば行動力はとてつもない人なんだと思います。
また、このssにおける経営論およびランチパック高級化はフィクションとして考えてくれると嬉しいです。
前作
穂乃果 「μ's ミュージックスタート! ……へ?」
https://itest.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1611916334/
前々作
かすみ 「今日はかすみんの誕生日〜♪ 楽しみだなぁ〜♪」
https://itest.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1611411850/ >>17
このあと海未ちゃんに降りかかる悲劇を想像すると笑える ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています