せつ菜「三船栞子さん、ですね?」
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コンコン
せつ菜「どうぞ」
???「失礼します、少しお時間よろしいでしょうか」
せつ菜「はい、いいですよ」
???「私、1年の…」
せつ菜「三船栞子さん、ですね?」
栞子「はい。学園全員の顔と名前を覚えているというのは本当だったんですね」
せつ菜「ええ、特に三船さんのお話はよく耳にしますから」 栞子「ところで事故にあって入院していたと聞きましたが、もう大丈夫なのですか?」
せつ菜「はい、先日無事退院できました」
栞子「そうですか、それなら良かったです」
せつ菜「それで、お話とは何ですか?」
栞子「中川菜々さん…あなた、スクールアイドルの優木せつ菜という名前で活動していますね?」
せつ菜「…は、はい」
栞子「…やはりそうでしたか」
栞子「単刀直入に申しあげますと、私はあなたに生徒会長としての資質があるとは思えませんでした」 栞子「仕事ぶりも効率的とは言えませんでしたし…何よりもスクールアイドルフェスティバル、許可を出したのは生徒会ですよね?」
せつ菜「…そうです」
栞子「スクールアイドルと生徒会長の両立などとても無理だと思いますし……、何より私は…この間のような惨事はもう見たくありません…」
せつ菜「…」
栞子「…なので夏休みが終わったら、理事会に了承を得て再選挙を…」
せつ菜「その必要はありません…」 栞子「…え?」
せつ菜「…私、新学期になったら生徒会長を辞めるつもりなんです。なので再選挙の必要はありませんよ」
栞子「…もしかして責任を感じて辞めるんですか?」
せつ菜「…私は今回の事件で色々な人達の期待を裏切ってしまいました…」
せつ菜「それにもう…大好きだった同好会での活動も…できません…」
栞子「…あの事件に関してはあなた1人だけの責任ではないと思いますが?」
せつ菜「…いえ、最終的に許可をしたのは紛れもなく私です。だから私が責任を負うべきなんです…」 せつ菜「…それに私、嬉しいんです」
せつ菜「三船さんのボランティア活動についての報告はよく耳にしていました。生徒のことをよく考えている三船さんが生徒会長になるのでしたら安心して後を任せられます…」
栞子「中川さん…」
せつ菜「理事会には私から報告をしておきます。次の生徒会長として三船さんのことも推薦しておくのでそこは安心してください」
栞子「…そうですか…わかりました。それでは失礼します…」 ガチャッ
……
せつ菜「……くっ…ぅ……ぅう………」グスッ
プルルルルル
せつ菜「…………ぇ?」
ピッ
せつ菜「…もしもし?璃奈さん…?」 ーー璃奈の病院
璃奈「あ、せつ菜さん、ごめんね、いきなり呼び出して」
せつ菜「いえ、全然。それより怪我の具合はどうですか?」
璃奈「うん、完全に治るにはまだまだ時間がかかるけど特に問題はないみたい」
せつ菜「そうですか、良かった」ホッ
璃奈「せつ菜さんはもう大丈夫そうだね、良かった」
せつ菜「はい…ありがとうございます!」
璃奈「最近、みんなの様子はどう…?」
せつ菜「…みんなすごく落ち込んでます。今は活動休止扱いですけど、廃部になるなんて噂もあるらしくて…」
璃奈「…そんな」
せつ菜「…あ、かすみさんとしずくさんは相変わらず仲がいいみたいですよ!この間もお二人でいるのを見かけました!」
璃奈「…」 せつ菜「ただ…」
璃奈「…どうしたの?」
せつ菜「侑さんはあれから…私とは会ってくれなくなったんです…。連絡しても素っ気ない感じで…」
璃奈「…やっぱり」ボソッ
せつ菜「……え?」
せつ菜「あ、ところでお話とは?」
璃奈「あ、うん……これから話すこと、内緒にしてね?」
せつ菜「もちろんです!私、口は堅いですから!!!!」
璃奈「シッ…!…声が大きい」
せつ菜「あ…すみません…」 璃奈「今から話すことはただの推察に過ぎないし、……多分ショック受けると思うけど聞いてほしい」
せつ菜「…分かりました」
璃奈「…せつ菜さんを階段から突き落とした犯人」
璃奈「…多分しずくちゃんだと思う」
せつ菜「……っ!……そんな」
璃奈「…それに……私を襲った犯人は多分……」
璃奈「……愛さん」 せつ菜「………どうしてそう思ったのですか…?」
璃奈「……実は色々あって私、しずくちゃんのことずっと見てた。それで…せつ菜さんが事故にあった話をしてた時、しずくちゃんだけずっと黙ってたんだ」
せつ菜「…でもそれだけで疑うのはあまりにも早いような…」
璃奈「…それだけじゃない」
璃奈「侑さん、犯人が歩夢さんに見えたって言ってからなんでかなってずっと考えてたの」
せつ菜「確かに…理由があったとはいえ、侑さんが嘘をついて歩夢さんを犯人にしようとしたなんて考えられません」
璃奈「…多分しずくちゃんの変装だよ」 せつ菜「…えっ!?」
璃奈「…2人とも身長とか体型すごく似てる。それに暗かったなら侑さんが見間違えるのも無理ない…」
せつ菜「…でもなんでしずくさんが歩夢さんになりすましてまで私を突き落としたんでしょうか?侑さんと歩夢さんにあったいざこざはあの時点では私しか知らなかったはずです!どちらかが話でもしない限り……」
せつ菜「……っ!?」ゾワッ
璃奈「そう、あの2人で組んでたんだよ」
せつ菜「…まさか…そんなことって…」
璃奈「せつ菜さんが襲われた日、私の家で愛さんとフェスの作業してた。それでその日の夕方、歩夢さんから手伝いたいって連絡が来たんだ。多分、誰かと一緒にいることによってアリバイを作るため」
璃奈「…実際歩夢さんはそれで無実を証明できた」 せつ菜「…私の話は分かりました…。信じたくはないですけど…」
璃奈「…そうだよね、私もだよ……」
せつ菜「璃奈さんを襲った犯人が…愛さんというのは…?」
璃奈「さっき言った作業、私の家でやろうって言ったの愛さんだったの」
璃奈「今となって考えると…私にしずくちゃんを監視させないためだったんだと思う…」
せつ菜「…今となって考えると?」
璃奈「…私、襲われた時抵抗できなかったんだ…相手の力が物凄くて…」
せつ菜「璃奈さん…」 璃奈「……だからね、何もできないなりに手首に爪跡を付けたの…気づかれないように…」
せつ菜「…まさか!?」
璃奈「……愛さんが病院に連れて行ってくれた時……手首に…その跡が……」プルプル
せつ菜「ぅそ………」ガクゼン
璃奈「……それにスイッチを発火装置の起動に変えるなんて…情報処理学科の愛さんくらいしかできない…」
せつ菜「信じられないけど…全ての辻褄が合いますね…」
璃奈「私はせめて愛さんだけでも信じたかった…でも……」 せつ菜「仲間だけどライバル…ライバルだけど…仲間じゃ…なかったんですか…」ウルウル
せつ菜「どうしてこんなことを…」
璃奈「それは分からない…それに愛さんとしずくちゃんが犯人だって確実な証拠はない…そもそもこの考えが間違ってる可能性だってある…」
璃奈「でもこれ以上誰かには犠牲になってほしくない…」
璃奈「だから…だから、私に協力して欲しい…!」
せつ菜「……っ!」
せつ菜「……分かりました!!」
???「……なるほど」 ーー数日後、カフェ
彼方「ん〜どこかな〜」
エマ「白いワンピースを着てるみたいだよ?」
果林「あ、あれじゃない?」
スタスタ
エマ「あなたが三船栞子さん?」
栞子「はい、突然お呼びしてしまってすみません」
彼方「いいよいいよ〜、でもなんで彼方ちゃんたちのことを?」
栞子「実は中川菜々さん…いえ、優木せつ菜さんから連絡先をお聞きしまして…」
果林「あら、知ってたのね、正体」
エマ「せつ菜ちゃんには直接聞けないことなの?」
栞子「はい…なので同好会の皆さんにお話を聞きたいと思いまして」 栞子「私、新学期が始まったら生徒会長の再選挙を申し込もうと思っていたのですが……優木さん、既に生徒会長を辞める気だと仰っていて…」
果林「せつ菜…」
栞子「ですので、スクールアイドル同好会で何があったのか教えていただけませんか?このまま理由を知らずに生徒会長になるのは嫌でして…」
彼方「実はね…」
…………
………
……
…
栞子「…そんなことが」
エマ「…うん、だからせつ菜ちゃん、すごく責任を感じてるんだと思う」 栞子「私は噂でしか知らなかったので…まさか優木さんの事故が故意に引き起こされたものだったなんて…」
栞子「それに夏休み中、うちの生徒が襲われたというのも聞きましたが…それもスクールアイドル同好会の生徒…」
果林「えぇ…なんか出来すぎてるわよね…」
彼方「彼方ちゃんたち、3年生でしょ?…だから、最後の大きな思い出作りだと思ってすっごく楽しみにしてたの…」
エマ「私も…スイスからやってきて、不安なこともたくさんあったけど、同好会のみんながいてくれたから毎日がすごく楽しかった…それなのに…」グスッ
果林「廃部って噂もあるものね…」 栞子「…正直言うと」
栞子「…私にとって、スクールアイドルなんて無駄の象徴でした」
栞子「…でも、考え方が変わったんです」
エマ「…どうして?」
栞子「…スクールアイドルフェスティバルですよ」
彼方・果林・エマ・「えっ…?」
栞子「失敗には終わりましたけど…周りの人達を巻き込んで、みんなを笑顔にできる」
栞子「学校中の人達が準備しているのを見た時、そう思いました。少なくとも私の考えていたやり方では、ここまで大勢の人を動かすことはできなかった」 彼方「三船さん…!」
栞子「それに…今の私は、スクールアイドルが好きで、応援するひとりです」
栞子「だからこそ、今日お話を聞いて、皆さんにはまだ同好会での活動を諦めて欲しくないと思いました…」
エマ「…ありがとう!」ニコッ
栞子「ただ、生徒会長になるという気持ちは変わりません……ですので…」
栞子「私が生徒会長になったら、理事長先生に同好会を存続させられるよう、話してみたいと思います」
果林「ほ…本当に!?」
栞子「はい、お約束します。恐らく今の優木さんが同好会存続について話し合うのは難しいと思いますので…」 彼方「ありがとぉ〜三船さん!いや、栞子ちゃん!!」
栞子「い、いぇっ…ただ今回に関しては理事長先生に判断が委ねられるので、絶対のお約束はできませんが…」
エマ「ううん!話してくれるだけでもすごく嬉しいよ!本当にありがとう!」 ーー夏休み明け、新学期
せつ菜「果林さん達からお話は聞きました、本当にありがとうございます!」
栞子「いえ、全然…それより…」
栞子「以前は生徒会長の資質を感じられないなど、失礼なことを言ってしまってすみませんでした…」
せつ菜「えぇ、どうしたんですか急に?」アセアセ
栞子「引き継ぎの時に、あなたの纏めていた資料を見ました。正直同好会に入れ込みすぎて、生徒会の仕事は疎かなものとばかり思っていましたが、全くそんなことはありませんでした…」
せつ菜「いえ、三船さんの思っていた通りの部分もありました。私は親からの目もあって、あなたのように強い信念があって生徒会長をやっていたわけではありませんでしたから…」
せつ菜「もし困ったことがあればなんでも聞いてください!元生徒会長としてできることがあればサポートしますので!」
栞子「…はい!ありがとうございます!」 ーー理事長室
栞子「失礼します」
理事長「あら、栞子ちゃん、どうしたの?」
栞子「お話がありまして」
理事長「そんなにかしこまらなくていいのよ?あなたのことは子供の頃から知ってるんだから」
栞子「いえ…今は立場もありますので」
理事長「ふふっ。しっかり者ね」ニコッ
栞子「お話ししたい内容なのですが…」
栞子「スクールアイドル同好会を何とか存続させることはできませんか?」
栞子「もちろん問題があったことは分かっています。ですが、もう一度だけチャンスを与えてほしいのです…!」 理事長「ん〜、栞子ちゃんのお願いだし聞いてあげたいところなんだけど、それは難しいわね」
栞子「…!?何故ですか?」
理事長「実はさっき『スクールアイドル部』の設立を承認したところでね」
栞子「スクールアイドル部…?」
???「栞子〜!!!」
タッタッタッ
栞子「ラ、ランジュ!?」 栞子「ど、どうしたんですか、急に!?来るなら来ると知らせてくれればよかったのに!」
ランジュ「サプライズよ!栞子をビックリさせようと思って!」
ランジュ「アタシたち、明日からココに通うことになったの!」
栞子「えぇ!?ランジュが、この学園に転入してくるということですか…?」
ランジュ「そう!嬉しいわよね?」
栞子「ちょっと待ってください、アタシたち、とは?」 ランジュ「ほら、ミア、挨拶して」
ミア「はぁ…ボクはミア・テイラー。ニューヨークから無理矢理連れてこられたんだ」
ランジュ「アタシと一緒なんだからいいでしょ?」
ミア「…shit.」
栞子「また友人を連れ回しているのですか…」
栞子「ところで、何故日本に?」
ランジュ「日本のスクールアイドルの動画を見て、スクールアイドル活動をやってみたくなったのよ」 栞子「ええっ!?」
栞子「も、もしかしてスクールアイドル部の設立を申請したのって…」
ランジュ「うふふっ、アタシが来た以上、退屈からは拜拜よ♪」 続きます。前回で完結はしていたのですが、次に書く20章用にシラミを入れておきたかったのでエピローグも兼ねてつなぎ用に書きました。 アニガサキ設定だから読んでたのに
ありがとうございました ちなみにアニガサキしか見てなかったのでこれ書く用にスクスタのストーリー見たけど本当に苦痛でした。栞子入れるのにあれは長すぎて無理だったので改変しまくったけど許してください。 りなりーが気づいてしまったか
>>33
今回も面白そうなので楽しみにしてます 20章みないでしずくちゃんサイコパスにしたりしてたのか どれだけ酷い展開にしてもいいけどキャラの命までは取らないでくれ
最悪シラミは殺していいけど他キャラは生かしてほしい 言い忘れました、つづきは新しくスレ立てるので落としても大丈夫です。これはあくまで整合性取るためのつなぎなので次はまた長編になる予定です。 言い忘れました、つづきは新しくスレ立てるので落としても大丈夫です。これはあくまで整合性取るためのつなぎなので次はまた長編になる予定です。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています