彼方「彼方誕編集」
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1、璃奈
2、しずく
3、かすみ
4、歩夢
5、愛
6、せつ菜(または、菜々)
7、エマ
8、果林
9、遥
0、侑
>>2 キャラクターセレクト(上の1〜0からのみ)
>>4 内容選択(自由)
※注意事項
全て彼方との組み合わせ 今まで幸せにしてきた分が不幸になって跳ね返ってくるの辛いな楽しみにしてるわ乙 乙です
ついに全部終わりかあ
寂しいけど毎日楽しみで幸せでした 一番脳破壊されてるの>>1だろうな…最後まで頼む(ハッピーエンドで) ――――――
―――
遥「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
彼方「っ」
朝になって、部屋の中には悲鳴が轟く
すぐそばに隣接していた壁を力強く叩く音が聞こえたかと思えば
相手側からは「叩くな!」という怒号が飛んできて
上のベッドが軋み、遥ちゃんの嗚咽が聞こえる
彼方「遥ちゃん」
彼方「……遥ちゃん、彼方ちゃんならここにいるよ〜」
彼方「下におりてごらん? 大丈夫だから〜」
顔を見せてあげられたら良いけど、今は難しい
せめて……と、声だけでも聴かせて傍にいることをアピールしてみる
遥ちゃんがゆっくり動く布擦れの音
視界の片隅に見える梯子に右足が降りてきて
徐々に遥ちゃんの姿が見えてくる
遥「お姉ちゃん……っ」
彼方「ね〜? 彼方ちゃん、ちゃんとここにいるでしょ〜?」 遥ちゃんは、私が愛ちゃんのお店のアルバイトを始める夢を見たらしい
アルバイトに始まり、愛ちゃんからの熱烈なオファーを受けた私は、
自分の資格や、力が活かせるならと……愛ちゃんのもんじゃ焼き屋さん専属の調理師となって、
そして。
別に付き合ったりはしなかった
付き合ってないのだから結婚だってしてなかった
だけど、その関係はただの友人ではなくて
でも、家族でもなくて。
遥ちゃんにとっては……自分以上にも強い繋がりに見えちゃって……。
遥「お姉ちゃん、私なんてどうでもよくなっちゃったんだって……」
彼方「え〜……私、そんなこと絶対に言わないと思うんだけどなぁ……」
この私にはその自信があっても
しずくちゃんと心中したり、ほかの子達と付き合っていく私がいたというのなら
絶対だなんて確証を持たせてあげることは出来ない。
それこそ、私のこの手足が無くならない限り。 彼方「でも、そっか〜」
彼方「また嫌な夢を見ちゃったんだね〜……」
おでこにキスしてあげたのに。
遥ちゃんの気持ちはあんなにも高ぶって……幸せそうだったのに。
その精神的に幸福な状態でも
夢で悪いものを見ちゃったというのなら、
これはもう、いよいよ遥ちゃんどうこうの問題じゃない
彼方「辛い?」
彼方「苦しい?」
遥「うん……」
彼方「じゃぁ……一緒に、死んでみる?」
死が二人を別つまで。
結婚に関係するものとして、そんな言葉をよくよく耳にする
ということは……世間一般的に、死は別れなんだと思う。
でも、もしその別れの時である死さえも共にしたなら
限りある生涯の垣根さえも超えて、永久的に二人一緒にいられるんじゃないかな。
だから……。
彼方「どうする?」 遥「……っ」
彼方「いいよ」
遥ちゃんの細い指が首にかかる
苦しいのは嫌だけど
でも、それが遥ちゃんの味わった苦しみだというのなら我慢もできる
彼方「ぅ……」
指の一本一本に力が込められていくと
大事な血管を押さえられてるからか、強い違和感と不快感を感じてしまう
彼方「ぁ……」
遥「っ……無理……」
彼方「っ、はっ……けほっ……」
首を絞めたという部類にまで届かない程度で離れた遥ちゃんは、
首を締めようとした手を押さえて……引き下がっていく
彼方「遥ちゃん……」
泣きそうな顔
辛くて、苦しくて、崩れてしまいそうな……
遥「やだ……殺したくない……」
彼方「屋上から飛び降りるっていう手もあるんだよ〜?」
遥「お姉ちゃんを突き落とすなんて、出来るわけないよ!」
彼方「ぎりぎりまで連れていってくれたら、あとは自分で――」
遥「やだっ!」
遥「やだよ……そんなこと……やだ……っ!」 遥「お姉ちゃんと一緒に居たい」
遥「このまま、私とお姉ちゃんで……一緒に居たいのっ」
遥「死んじゃったら終わっちゃう」
遥「終わっちゃうよ……」
遥ちゃんは泣き出しちゃって
死なせたくないって……首を横に振る
遥ちゃんにとっても、死んじゃうのは終わりと同じ。
でも、このままだと辛くて苦しい夢のせいで
いつか不眠症になっちゃうだろうし、早死にすると思う
彼方「……心中はしたくないんだよね?」
遥「したくない……」
彼方「でも、私がみんなと一緒にいたりするのは嫌なんだよね?」
遥「やだ……」
彼方「……一緒にいるのが駄目ってなると、彼方ちゃん何もできなくなっちゃうから」
彼方「譲歩して欲しいな〜」
遥「譲歩?」
彼方「うん」
彼方「例えば〜……スマホ。やり取りは必ず遥ちゃんに見せる」
彼方「GPSをONにして、常にどこにいるか分かるようにしておく」
彼方「定時連絡を必ずする……みたいな」
彼方「その合間の時間で、私が他の誰かに身体を許すかもしれないって思うなら」
彼方「貞操帯……だったかな……それをつけておく。とか」 彼方「生きていくうえで必要最低限な時間はほかの人のために使う」
彼方「でも、それ以外の全ては遥ちゃんに使う」
彼方「お友達なんて作らない」
彼方「遊びに行かないし食事もしない」
彼方「どこかに泊まるなんてもってのほか」
彼方「学校やお仕事以外は必ず遥ちゃんの傍にいるようにする」
彼方「一緒にいるときはスマホは遥ちゃんに預けておく」
彼方「それでも心配なら、バレないように、手だけはまた手錠でつないでくれてもいい」
彼方「……だからその代わり、私が誰かとお話してても怒らないで」
彼方「危ないこととか悪いことをしようとしないで」
彼方「なに話してたのかとか、全部ちゃんと報告するから……最低限の人付き合いは、許してくれないかな……」
遥「………」
遥ちゃんに契約みたいなことは必要ないって言ったのに
私から、契約するかのようなお願い
でも、
こんな壊れかけだったとしても遥ちゃんは遥ちゃんだから。
私が尽くし続けることで遥ちゃんが楽になれるなら、その方法を選ぶ 遥「ほんとうに、そうしてくれる……?」
遥「連絡したらちゃんと返してくれる?」
遥「電話したらすぐに出てくれる?」
遥「一日の予定とか、全部教えてくれる?」
遥「何もない時は、ずっと一緒にいてくれる?」
彼方「うん、約束する」
彼方「……友達のことが不安なら、まずは私のスマホのデータを遥ちゃんが消してくれてもいいよ」
遥ちゃんがあとから不安がらないように
ちゃんと考えて、穴を埋めて、すべてを晒していく
遥「……同好会と、バイトの人以外は全部消すね?」
彼方「うん、良いよ」
遥「………」
遥ちゃんが分からないバイト先関係者
それだけはちゃんと選び取って、削除する
もちろん、連絡用のアプリからも。
遥「信じるからね?」
遥「今日から、ちゃんと守ってくれるんだよね?」
彼方「うん、絶対」
貞操帯は、後日だけど。
でも、それ以外のことなら……
遥「じゃぁ、いいよ」
遥「……ちょっとだけなら、許しても」
それでも遥ちゃんは不安そうだったけど、でも、頷いてくれた。
そして――休むわけにもいかない学校に、連れていってもらう ――――――
―――
流石に、遥ちゃんに授業全てを手伝って貰うことはできないから、
校門前で果林ちゃんと待ち合わせ。
私を見るや否や、果林ちゃんは唖然として。
果林「……大丈夫なの?」
彼方「なんとか、左手で書いてみるよ〜」
彼方「ダメそうだったら、あとでノートを借りてもいいかな?」
遥「………」
遥ちゃんに目を向けると
遥ちゃんは何も言わなかったけれど、頷く
これは多分、良いよってことだろう
果林「……」
果林「そう……」
果林「無理は、しないで欲しいのだけど……本当に授業受けるの?」
彼方「そうしないと、特待生取り消されちゃうからねぇ……」 果林「まったくもう……」
果林「じゃぁ、遥ちゃん……彼方のことは預かるわね?」
遥「はい。宜しくお願いします」
礼儀正しく頭を下げる遥ちゃん
でもその空気は、普段の遥ちゃんらしくなく、嫌悪感が滲んでる
預けたくない、任せたくない
そんなものが……溢れてる。
彼方「じゃぁね〜……後で連絡するから」
遥「うんっ」
遥「じゃぁ、気を付けてのちゅー」
遥ちゃんはそう言って、
果林ちゃんにも見えるように、唇を重ねてきた。
果林「ちょっ……」
柔らかくて、小さくて
味わうことなんて出来ない、潤いを感じるキス
すぐに離れた遥ちゃんは、満足げ。
遥「またあとでね」
彼方「またね〜」
戸惑う果林ちゃんを促して、車椅子を動かして貰う 遥ちゃんがだいぶ見えなくなるころ、
果林ちゃんは急に「彼方」と、呟いて。
果林「……なに、してるのよ」
彼方「ん〜?」
果林「あんな場所で、しかも……妹となんて」
彼方「普通じゃない? おかしい?」
彼方「………」
彼方「だから、果林ちゃんはどうしろっていうのかな〜?」
果林「………」
果林「やめた方が良いわ」
果林ちゃんはいつにもまして深刻そうに零す。
下手に身体を動かせないから、
果林ちゃんがどんな顔をしてるのかまでは、見てられない
今、どんな顔してるんだろう。 果林「昨日、お見舞いに行ったときからもう何か危なそうな感じがしたけど」
果林「今日は――」
彼方「それ以上言われても、彼方ちゃんは首を横に振るだけだよ」
果林「彼方……」
彼方「ダメなんだよ。遥ちゃん」
彼方「彼方ちゃんが一緒にいてあげないと壊れちゃうんだよねぇ……」
彼方「だから、同好会もやめて、最低限の連絡先以外を消して――」
彼方「………あ、ごめんね。電話」
果林「出なくていい」
彼方「ううん、出なきゃダメ」
止めようとしてきた果林ちゃんの手を払い除けて、
遥ちゃんからの電話を受ける
遥『三コールだった……』
彼方「ごめんね。まだ、左手で出るの慣れなくて……」
遥『コールが2回終わる前にって、言ったよね?』
彼方「うん、ごめん……」
彼方「次からは、絶対に出られるようにするから」
遥『果林さんとお話してるのもいいけど、約束は守ってくれなきゃ……やだよ』
彼方「ごめんね」
遥『……次は駄目だからね』
彼方「わかった。約束する」 少しだけ話して、電話を切る
果林ちゃんは立ち止まっていたようで……まるで景色が変わってなかった
彼方「遅れちゃうよ〜?」
果林「何今の……」
果林「どういうこと、約束って」
彼方「私がみんなに会える条件」
彼方「詳しく言えないけど……2コール以内に電話に出るって約束があるんだよね〜」
彼方「だから、二度と邪魔しないでね?」
果林「っ……」
彼方「遥ちゃん、約束破ったら怖いんだから……」
果林「彼方は、本当にそれで――」 彼方「いいよ」
彼方「私から持ち掛けた条件なんだから……いいに決まってる」
果林ちゃんはおかしいって言う
狂ってるって、私に言ったわけじゃないだろうけど……呟く
でも、そうしないとダメなんだから仕方がないよね
そうしないと、遥ちゃんと一緒にいられないんだから
そうじゃないと……遥ちゃんは壊れていっちゃうんだから。
果林「彼方……」
彼方「なぁに?」
果林「………」
果林「……っ……」
果林「……ごめんなさい」
彼方「良いよ別に……邪魔さえしなければ、それでいいから」
果林ちゃんは何かを言いかけたけど、言わなかった
うん。
それでいいんだよ……言ったって、無駄なんだから。
歯ぎしりみたいなのが聞こえたけど、気のせいだってことにしておく。 彼方「あ、また電話――」
果林「ん」
果林ちゃんは私が出るよりもはやく電話を取って、耳に当ててくれる
遥『良かった、出てくれた』
彼方「………」
果林ちゃんが出てくれただけだけど。
それを隠すかどうか迷って
隠さないと決めたからと……ちゃんと話す。
彼方「あ、でも……今のは果林ちゃんが取ってくれただけだよ〜」
彼方「実は、一番手伝ってもらうことになるからちょっとだけ事情話しておこうと思って」
遥『そっか』
遥『……よかったぁ』
すごく、安堵した遥ちゃんの声
それに続いて「東雲の子がどうしてここにいるの?」と、雑音が聞こえた
果林「っ……あ……」
果林ちゃんの口から洩れる呆然とした言葉
車椅子がゆっくり動いて、私には見えなかった景色の中……
見慣れた髪型で、東雲学院の制服を着た女の子が手を振ってるのが見えた
遥『本当のこと言ってくれてよかった』
遥『さっき、電話に出てくれなかったから心配で戻ってきちゃったんだよね……えへへ』
遥『でも次、果林さんにスマホ持たせたら怒るからね』
彼方「ごめん……」
遥『お姉ちゃんは、私だけのお姉ちゃんでいてくれなきゃ……嫌だからね』
彼方「うん、私は遥ちゃんだけのために生きていくよ〜」
遥『絶対だからね』
大丈夫。
だって、そうしなければならないんだから――と、心に言い聞かせた case.0:遥と 終了
ヒストリ
case1.果林 (洋服選び 5-32)
case2.璃奈 (菓子作り 45-102)
case3.歩夢 (クソゲー 118-151)
case4.菜々 (お勉強会 172-206)
case5.侑 (クリスマス 213-264)
case6.しずく(心中演技 275-341)
case7.エマ (年末年始 358-443)
case8.かすみ(バレンタイン 457-498)
case9.愛 (一緒にバイト 510-575)
case0.遥 ( 598-730) 全10case終了のため、以上で終了となります。
予想より長くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。 乙
良かった…最後ハッピーエンドにして欲しかったけど
個人的にこの10caseの中だと最推しはcase2かな
でもcase9の愛は盲点だったわ
すごく良かった 乙でした!彼方推しの自分全カプが見られて超大満足です
また書きたくなったらぜひお願いします! どれも素晴らしかった
お疲れ様
ただ最後の重すぎたw 1ヶ月弱お疲れ様!まじでどれも素晴らしかった!また来年の彼方誕も頼む 乙
この遥は間違いなくヤンデレだけど好き他のSSはおね好き遺伝子だけ? 約1ヶ月毎日いろんな彼方ちゃんが見れて楽しかった乙
どの話も心情描写とお料理が丁寧で有難かったけど特にかすみ編の二人のヤキモキ感が好きだわ
エマ編でリアルタイムに年越せたのも臨場感あって良かった 夜這いするやつは間違いなくここのらっかせい作でしょうな >彼方「……zzz」 遥「……」コソコソ
>果林「彼方ったら、またこんなところで寝て……」
>しずく「彼方さん、1週間だけ私のお姉ちゃんになって頂けませんか?」 彼方「ん〜?」
上の3つは同じ人が書いてると思ってたが、かなりなの名作もあんたが書いていたとは
そしてエグいのもいけるのね、彼方ちゃんのこと心から愛してそうだけど可哀想な彼方ちゃんも書けるんだ
スクスタの奴とかも合わせて全部同じ人が書いてるとはね すげえや 過去作も良作揃いで納得だわ
つーか視点分けて2スレ連動の彼方SS書いてた人か りなりーのやつ好き
グロもエロもシリアスもいちゃラブもハードも真面目なのも何でもいける上にカプ拘り無しとか万能過ぎでは? 最後どうなるかと思ったけど上手いことまとめたな
洋服選びとバレンタインが特に好きだわ 遺伝子的に〜のやつもだと思ってたけど、違う人だったのか >>755
多分過去作しか載せてないだけかと
あっちは終わってないし >>755
そっちのスレで15日のらっかせいのIDを確認してみろ
同じ人だぞ ニジガクしかのせて無いけど監視委員と変わらない日常と同じやり方の
ダイヤ「ここは……?」ってSSもこの人では? これせっかくだからキャラ別で渋にあげ直して欲しい
もうひとつの方で作った渋アカでやってくれないかな >>760
《遺伝子的に〜》の>>359に探し方載ってるけどユーザー名は《虹ヶ咲_SSオマケ》
遺伝子スレのオマケ(ガチ)しか載せて無いから勿体ない ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています