穂乃果 「酔っ払いは語る」
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ラ!板では五作目です。
相変わらず未熟ですが、優しい目で見てくれると嬉しいです。 真姫 「……」 パクパク
にこ 「ん? 真姫、何食べてるの?」
真姫 「クッキーよ。少し高いやつ」
にこ 「へぇ? にこにもくれるかしら」
真姫 「構わないわ。私朝から結構食べちゃってるし、そもそもみんなで食べるために学校に持ってきたんだから。飲み物まで律儀に用意してるわよ!」 スッ
ワインボトル一本 「やぁ」
にこ 「ってそれワインじゃない!? 学校に何持ってきてるのよ!?」 真姫 「ワイン……? ワインはワインでも真姫ちゃんと同じ赤ワインだから大丈夫なのよ!!」 ギロッ
にこ 「ちょ、何言って……ってまさか!?」
クッキー 「ラム酒入りやで」
にこ 「まさかこんなので酔う奴が本当にいるなんて……」
真姫 「真姫ちゃんと同じ赤色〜♪///」 フワァ
にこ 「とりあえずこんな真姫を他の人に見せるわけにはいかないわ! 後で後悔するのは誰でもない真姫だろうし……」
真姫 「にこちゃんも飲みましょ♪///」 ガシッ
にこ 「えっ」
真姫 「赤ワイン投入ぅぅ!!」 バシャバシャ
にこ 「ぐっごぼごぼごほ」 ゴクゴク
…
…
… 穂乃果 「みんなーー!! って、ええっーー!?」
真姫 「ふふ、気分が良いわね! ほら、にこちゃんもっと扇ぎなさい!!」
にこ 「うぅ……すいません……」 ヒラヒラ
穂乃果 (にこちゃんが真姫ちゃんに泣きながらでっかい扇子を扇いでる……)
穂乃果 「ちょ、ちょっと、真姫ちゃん? にこちゃん泣いてるよ? どうしちゃったの?」
真姫 「ふふ、にこちゃんは私専用の執事なのよ! ほらもっと風起こしなさい!」
にこ 「手が疲れるにこぉ……」 グスッ
穂乃果 「えぇ……」
穂乃果 (これは何とも言えない緊急事態だ) 絵里 「あら、穂乃果」
穂乃果 「あっ、絵里ちゃんこれって……っ!?」
絵里 白鳥の構え! ドヤッ
穂乃果 「えっと何そのポーズ」
絵里 「何って白鳥のポーズよ」
穂乃果 「いや、えっ、なんで?」
希 「穂乃果ちゃん!! 危ない!! 早くどいて!!」
穂乃果 「えっ、希ちゃん!?」
ドンッ 希 「くっ!! やはり白鳥の構えに隙はないんやね!! でも負けないから!!」 グググ
絵里 「あなたの焼き肉を並べるときの構えもなかなかやるわね。でも、それでも、幼少の頃から鍛えた白鳥の構えに勝てるとは思えない! 素人にしか見えないチカ!」 グググ
穂乃果 「ちょ、ちょっと、喧嘩なんて良くないよ!?」
海未 「良くないです、そんなの!!」
穂乃果 「あっ海未ちゃん! お願い、みんなを止めるのを手伝って……っ!?」 海未 「な、なんで、私の大切に育てたポケモンたちがいないのです……」 ポロポロ
穂乃果 (海未ちゃんがゲームしてる!?)
ことり 「ふふふ、海未ちゃん、なんでも信じちゃうだもん。少し遊びたくなっちゃってもことりは悪くないよね♪」 ニコッ
海未 「ことりぃぃぃ!! あなたを詐欺罪と器物損壊罪で訴えますよ!? 理由はもちろんお分かりですね? あなたが私をこんなウラ技で騙し、セーブデータを破壊したからですよ!? 覚悟の準備をしておいて下さい。ちかいうちに訴えます。切腹の覚悟も私にはあります!! 裁判所にも問答無用できてもらいます。慰謝料の準備もしておいて下さい! 貴方は最低です! 今度の遊園地楽しみにしておいて下さい!いいですね!」 ゴゴゴゴ
ことり 「遊園地楽しみだなぁ〜」 パァ
穂乃果 (なんかもう穂乃果には手に負えなくなってきた) 凛 「凛は考えてみる」
穂乃果 「へっ?」
凛 「なぜこうなってしまったのか。いや、そもそもなぜ凛は生まれてきたのだろう、そしてどこに行くのだろう。ちなみにこの言葉はゴーギャンの言葉ではあるが、それを引用した今の凛の思考は凛自身が作り出した思考とはたして呼べるのだろうか。まるでラーメンのように、複雑にスープが絡み合うように、思考が複雑化していく……つまり哲学とはラーメンなのだ。凛ちゃんラーメンがなかなか売れなかったのも、一般人には哲学が認められなかったかつてのローマと同じなのかもしれない……」
穂乃果 「うぅ、何言ってるか分からないよぉ……」 花陽 「……」 モグモグ
穂乃果 「あっ、花陽ちゃん!! 良かったぁ。花陽ちゃんは大丈夫みたいで……!」 パァァ
花陽 「今日もパンが美味いです!!」 ニコッ
穂乃果 「ええっ!? 花陽ちゃんがおにぎりじゃなくてパンを食べてる!?」
花陽 「いや私だってパンは食べますよ!」
穂乃果 「まぁそれはそうだけど、でもこの時間は普段おにぎりを食べてるし……えっと、これってどういうこと?」
花陽 「説明します!」 ビシッ
穂乃果 「お願いします」
花陽 「真姫ちゃんがラム酒入りクッキーを食べたことで酔っ払ってしまったんです! そして酔っ払った真姫ちゃんは赤ワインを学校に持ってきてにこちゃん、絵里ちゃん、海未ちゃん……と、どんどんμ'sのメンバーにお酒を飲ませました……つまり」 真姫 「ついでに、ここにサインしなさい! これは命令よ! にこちゃん!」
にこ 「うぅ……これって婚姻届ですよね?」
真姫 「逆らう気?」 ギロッ
にこ 「ひぃぃ!」
花陽 「真姫ちゃんは高飛車、にこちゃんは謙虚になって」
絵里 「南斗水鳥拳!!」 ドドドッ
希 「なんの!! 界王拳十倍!!」 ゴゴゴゴ
絵里 「くっ! やるわね! 希!! まさか界王拳まで身につけているとは!」
希 「さらに言えばウチは強化系や! ほら凝で見てみぃ! もう身体中にオーラ纏ってるで!!」
花陽 「絵里ちゃんはとにかくテンションが高くなって」 海未 「あっ、ここでなみのりをすれば良いんでしたっけ?」
ことり 「うん! そうすれば一気にチャンピオン戦に行けるよ!」
海未 「って真っ暗なところに飛び移ってしまいましたぁぁ!? 騙しましたね!?」
ことり 「『なぞのばしょ』だね♪」
花陽 「海未ちゃんは天然度が増して、ことりちゃんは悪戯好きになって」
凛 「待てよ。このラーメン理論を完璧に証明できれば相対性理論を補完できるのでは? だってラーメンの複雑な絡みは、時間・空間の構成に実に似ている……なるほど。時に天才は理解されない、凛ちゃんラーメン……お前もだったのか!」
花陽 「……フランスパンって硬いけど美味いですね」 モグモグ
花陽 「パクっ。ごちそうさまでした。凛ちゃんは哲学的になって、私はパン派になって」 穂乃果 「それって……!」
花陽 「つまり、みんな酔っ払ってしまったということです!」 ビシッ
穂乃果 「えっと、そういえば希ちゃんは……?」
希 「やめろえりち! その術はウチに効く! うちは一族だけに!」
花陽 「あれはシラフです」
穂乃果 「シラフなのぉ!?」 絵里 「くらいなさい!! 酔拳!!」
穂乃果 (酔拳ってもはや酔っ払ってるの自覚してるじゃん)
希 「ふんっ! やるね、えりち! ぐぐぐぐっ……どうやら120%の力を見せる時が来たようやね!!」 ゴゴゴゴ
穂乃果 「いやちょっと待ってよ、希ちゃん」 ポンッ
希 「へっ?」
穂乃果 「希ちゃん、シラフなんだよね?」
希 「……いや違いますけども」 アセアセ
穂乃果 「ん?」 ギロッ
希 「いやごめん」 穂乃果 「なんでこんな悪ノリしたの?」
希 「なんかあんなテンション高いえりち初めてやし、一緒に遊びたくなっちゃって」
穂乃果 「もぅ! 酔っ払ってないの穂乃果と希ちゃんだけなんだから二人でどうにかしないといけないんだよ!?」 プンプン
希 「えっ?」
花陽 「こう見えて私も一応酔っ払ってます」
希 「それは知ってるけど」
穂乃果 「とりあえず酔っ払いたちをどうにかしていかないと! まずは真姫ちゃんとにこちゃんから!」 真姫 「結婚指輪は私が買ってあげるから安心して良いわよ? それで新婚旅行はどこにする?」
にこ 「そんなのすぐには決められないにこぉ……」 グスッ
希 「にこっち、そんな泣いて……! 可哀想やね、ほら、こっちに来て。ウチだったらにこっちを元気にしてあげられるで!」
にこ 「うぅ、希ぃ」 ポロポロ
真姫 「ってちょっと!? この! この! このエセ関西弁女! 私のにこちゃんを返しなさいよ!?」
希 「エセ関西弁女!? う、ウチはそもそも関西出身じゃないしエセでも別に良いやん!!」
真姫 「なおさらダメよ!!」 絵里 「むっ! 喧嘩は良くないわ! 必殺酔拳!!」 パシッ
真姫 「うっ」
真姫 「」
穂乃果 (手刀で気絶させた!?)
凛 「喧嘩は良くないと言いながら手刀で気絶させるのは、人間に無限大の可能性があると信じながら自ら可能性を狭めてしまう私たち人類の矛盾と通じるところがあるにゃ」
花陽 「今更語尾をにゃ、にしても無理がある」
希 「おそろしく速い手刀……ウチでなきゃ見逃しちゃうね」
穂乃果 「まぁこれで、この二人はどうにかなったね。絵里ちゃんは……大変そうだから次は海未ちゃんとことりちゃんだ!」 海未 「トランプでは100戦100敗ですが、ストリートファイターでは負けませんよ!」 ドヤッ
ことり 「じゃあこれならどうかな?」
海未 「ひぃぃ! ハメ技!? ちょ、あっ、ちょ、えっ、もうこんな一気に、えっ、パターン入ってしまいましたぁぁぁ!!」
ことり 「勝っちゃった♪」
海未 「そ、そんな……こんなあっさり負けてしまうなんて……」 グスッ
ことり 「そういえば『YOU WIN』ってWをMに変えたらUMIって文字が出るんだね! 海未ちゃんだ! まぁ海未ちゃんに表示されるのは『YOU LOSE』だけどね」
海未 「うわぁぁぁぁぁーーーーん!!」 ポロポロ
穂乃果 「ガチ泣きしてる……」
希 「ていうかことりちゃんの煽りがすごいなぁ」 穂乃果 「とりあえず絵里ちゃん、ことりちゃんに手刀を」
絵里 「仕方ないわね」 パシッ
ことり 「うっ」
ことり 「」
穂乃果 「ほら海未ちゃん、泣かないで」 ヨシヨシ
海未 「うぅ……穂乃果ぁ……」 ポロポロ
穂乃果 「海未ちゃんは笑顔が素敵なんだから、穂乃果には笑顔を見せてよ」 ニコッ
海未 「ありがとうございます……穂乃果」 グスッ
希 「じゃあ次は凛ちゃんと花陽ちゃんやな」 花陽 「正直自分で言うのもなんですけど、私はパン派以外何も変わってないので特に対策を講じる必要はないと思います」
希 「まぁ、それもそうやね」
凛 「凛も別に変わってないように思える。でも、変わってないって言い切れるのかな。人の細胞は毎日変化していくと言われている……ならテセウスの船的思考をするなら、もう昨日の凛と今日の凛は別人と言えるのではないだろうか。なら凛たち人間に、確固とした自分なんてものは結局存在しないのではないだろうか……」
穂乃果 「少なくとも今の凛ちゃんは別人だよ」
希 「まぁ、あれやね、真姫ちゃんやことりちゃんみたいに迷惑をかけるわけでもないし、酔いが覚めるまで二人は放っておいても良いかも」
凛 「とりあえず今日分かったことは、凛ちゃんラーメンは哲学であり真理なんだということ。ならば凛ちゃんラーメンをみんなに食べさせることが、世の平穏に繋がるのではないだろうか!?」
希 「えりち、手刀」
絵里 「ふっ!」 パシッ
凛 「にゃ」
凛 「」 希 「そしてここから一番の問題」
穂乃果 「絵里ちゃんをどうするかだよね……」
海未 「うぅ……穂乃果ぁ、離れないでください」
穂乃果 「安心して、離れないよ」 ヨシヨシ
絵里 「穂乃果は海未を守りながら行動しないといけない。希はさっきの戦いで私に押され気味だった……そんな二人が私を止められるかしら? いや、止められない! だって私は最強だから!! ロシアのクォーターだから!!」 ドヤッ
海未 「うるさいです」 パシッ
絵里 「えっ」
絵里 「」
穂乃果 「海未ちゃんは武道極めてるもんね……そりゃあ強いよね」 にこ 「うぅ、希ぃ」 ポロポロ
希 「あっ、あかん、にこっち忘れてた。後のことは任せるで、穂乃果ちゃん」 サッ
穂乃果 「まぁ、とりあえず、これで無事解決したよね。いやあーー大変だった!! 真姫ちゃんもワインを学校に持ってきて、みんなを酔わせるなんて恐ろしいことをするなぁ……」
グー
穂乃果 「あっ……お腹鳴っちゃた///」 カァァ
花陽 「ちょうど色々食べ物を持ってるんです! 良ければ自由におひとつどうぞ!」
穂乃果 「わーい!! パクッ! 今日も美味しい!! それにしても酔っ払いってめんどくさいんだねぇ……穂乃果は酔っ払わなくて良かったよ」 花陽 「何言ってるんですか?」
穂乃果 「へっ?」
花陽 「シラフは希ちゃんだけですよ?」
穂乃果 「えっ!? いやいや、穂乃果は全く酔っ払ってないじゃん!」
花陽 「穂乃果ちゃんが今食べてるもの、ちゃんと見てくださいよ」
穂乃果 「えっ」
おにぎり 「やぁ」
花陽 「穂乃果ちゃんは私と逆で、酔っ払うとお米派になるんですねぇ」
穂乃果 「あっ」 フラフラ
穂乃果 (あれ……なんか自覚したら急に意識がクラクラしてきた……そうだ、穂乃果、真姫ちゃんに赤ワインを飲まされて……)
穂乃果 「」 パタリ
…
…
… 穂乃果 「というのが穂乃果が覚えてる昨日の一部始終です」
海未 「なんていうか……///」 カァァ
ことり 「ごめんなさい……///」 カァァ
にこ 「それにしても婚姻届を書かせるってねぇ」
真姫 「ヴェ別に、にこちゃんのことが好きでやったわけじゃないんだからね!!///」 カァァ
にこ 「逆にそれ以外でどんな理由があるのよ!?」
絵里 「ごめんなさい……希」
希 「別にええよ。新鮮なえりちも見れたし。南斗白鷺拳カッコ良かったで?」
絵里 「ちょ、恥ずかしいわ……///」 カァァ
絵里 「それと南斗水鳥拳だから」 キリッ 凛 「全然覚えてないにゃ」
花陽 「私は覚えてるけど、凛ちゃんは別に大して変わってなかったから気にしなくても大丈夫だよ!」
凛 「なら大丈夫かなぁ……」
花陽 (凛ちゃんがまさかそこまで凛ちゃんラーメンに闇を抱えてるなんて……! これは思い出させてはいけない!)
海未 「それにしても、ことりに泣かされるとは……酔っ払ってたにしても、一生無いような経験ですね」
ことり 「うぅ……海未ちゃん///」 カァァ 真姫 「そういえば美味しいジュースを持ってきたんだけどみんな飲む?」
凛 「おおっ! 凛は飲むにゃ!!」
にこ 「お酒じゃないでしょうね?」ギロッ
真姫 「そんなわけないでしょ」
穂乃果 「じゃあ!」
μ's 「いただきまーーす!!」
海未 (あれ? 真姫がさっき食べてたケーキ……箱からラム酒の匂いが……?)
海未 「ちょ、みなさん! 待って」
その後、また部室は大変なことになったのだが、なんやかんやでなんとかなった。
おわり 最近SS読んでないな
3〜4年前くらいは狂ったように読んでたのに みなさん、優しいコメントありがとうございます。
とても嬉しいです。これからも頑張ります!! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています