璃奈「璃奈ちゃんボード」
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私、天王寺璃奈。璃奈ちゃんボードがトレードマークの天使天才天王寺なキュート系スクールアイドル。
なんでわざわざこんな物を装備してるかって言うと、感情を顔に表すことが出来ないから。それで困ってた私に愛さんが提案してくれたの。最初は私も周りも戸惑ったけど、続けてる内に皆が受け入れてくれて今では天王寺璃奈と言えば璃奈ちゃんボードと言われるまでになった。璃奈ちゃんボード『びっくり』
璃奈ちゃんボードはとても万能。今まで何度も助けられてきた。最早私のもう一つの顔、ううんもう一人の私と言っても過言じゃない。璃奈ちゃんボード『えっへん』
璃奈ちゃんボードは本当に凄い
――――――――― しずく「ボードの調子が悪い?」
璃奈「うん、最近なんだか誤動作が多い気がするの」
かすみ「えぇ!?ライブ近いのにやばいじゃん!」
しずく「確かに……璃奈さんでも直せないの?」
璃奈「何回か分解したりプログラムを見直したり、情報科の人と一緒に原因を調査してみたりもしたけど特に異常が見当たらない。璃奈ちゃんボード『お手上げ』」
かすみ「作った本人のりな子が分かんないとかもうどうしようもなくない?」
璃奈「流石にちょっと困ってる。最悪ライブはボード無しでも出来ないことは無いけど」 しずく「ちなみに誤動作っていうのはどんなことが起こるの?笑ったりすると怒った表情になるとか?」
璃奈「えっと……知らない表情が出てくる」
かすみ「知らない表情って……どういうこと?このボードってりな子が作ったんでしょ?」
璃奈「そう、情報科の人達に協力してもらって制作した」
しずく「それじゃあ、璃奈さんの知らない所で情報科の人達が勝手に表情を仕込んでたのかな」
璃奈「多分、違うと思う。明らかにイタズラで仕込むような表情じゃなかった」 しずく「なら、誰も作った覚えの無い……存在しないはずの表情が今このボードにはあるって事?」
かすみ「か、かすみんちょっと怖くなってきたんだけどぉ……」
璃奈「説明するより見てもらった方が早いかも。ちょっと待ってて」
かすみ「えっ、別に見せなくても……」
しずく「ダメだよかすみさん、璃奈さん困ってるんだから。私達が見てみる事で何か分かる事があるかもしれないし」
かすみ「そうは言ってもかすみんめっちゃ嫌な予感するんだもん……」 しずく「ホラー映画じゃないんだから、ほら私の後ろに隠れないの」
璃奈「二人とも、お待たせ。いくよ、璃奈ちゃんボード……」
『にっこりん♪』
しずく「……ひぃ!?」
かすみ「うぎゃああああああ!?」
璃奈「あ、かすみちゃん倒れちゃった」
―――――――― かすみ「りな子ぉ!このボード絶っっ対おかしいって!!
しずく「う、うん……さっきのは流石にちょっと……」
璃奈「なんであんな表情になるんだろう。璃奈ちゃんボード『はてな』」
かすみ「そんなん気にしてる場合じゃないでしょ!」
璃奈「二人にはどんな表情に見えた?」
かすみ「……かすみんすぐ気絶しちゃったからあんまり見てない」 しずく「私も一瞬見て目を逸らしちゃったけど……多分、恐怖っていうか怯えた感じ?」
璃奈「正解。璃奈ちゃんボード『ぴんぽーん』」
かすみ「いやいや、りな子軽すぎ……」
しずく「璃奈さんは怖くないの?結構あの表情怖い顔してたけど」
璃奈「うーん、怖い。けど、どの表情を表示してもさっきのになるから何回も見てるうちに慣れた?かも」
璃奈「それに、このボードは私の一部みたいなもの。もしかしたら、私の中に眠る気持ちが無意識にボードに現れてるのかもしれない」 しずく「そっか、そういう風に考える事も……」
かすみ「出来ないでしょ!む、むしろボードにお化けが取り憑いてる可能性は?」
璃奈「……ありえ無くはない」
かすみ「かすみん帰るぅ!」
しずく「ここまで来たんだからダメ!ほら座って!」
かすみ「うっ、うぅ……せんぱぁ〜い……か弱いかすみんを助けてくださぁい……」 璃奈「あのねかすみちゃん、聞いて欲しい」
かすみ「な、なに?」
璃奈「私、多分これはそんなに怖い出来事じゃないと思ってる。さっき言った私の無意識な感情が現れてるんだとしたら……実はちょっと、心当たりがあるの」
かすみ「心当たり?」
璃奈「うん。今度のライブ、璃奈ちゃんボード無しで出ようかって考えてる」
かすみ「嘘っ!?」
しずく「で、でも璃奈さん……」 璃奈「二人の言いたいことは分かるよ。確かに、私はまだボードが無いと完璧に感情を表現する事は出来ない。だけど、かすみちゃん、しずくちゃん、同好会のメンバー、ファンの皆、沢山の人とボードを通してだけど交流してきて、少しずつ感情を表現出来るようになってきたの」
璃奈「だから、今の私に出来る精一杯の笑顔で……まだまだ不器用で不格好かもしれないけど、勇気を出して皆にありがとうの気持ちを伝えたいなって思ってこっそり部長さんと計画してた」
しずく「そうだったんだ……」
かすみ「りな子……」
璃奈「でも流石は私の作った璃奈ちゃんボード、しっかり本心を見抜かれてたみたい。不安がどうしても消えなくて、やっぱりちょっと怖い……」
ぎゅっ…… 璃奈「か、かすみちゃん……?しずくちゃん……?なに、どうしたの?」
かすみ「どうしたって、そりゃないでしょりな子〜!このこの〜!」
璃奈「わぷっ、かすみちゃん、苦しいよぉ〜……」
しずく「璃奈さんの選択、私は凄く良いと思うよ!璃奈さんが感じてる不安はきっと、私達の考える以上に大きいよね」
かすみ「でもでも!りな子のこのぷにぷにな素顔はかすみんにも匹敵する……かもしれないぐらい可愛いんだから!だから自信持って」
しずく「かすみさん、そこは素直に褒める所だよ」 かすみ「と、とにかくりな子なら大丈夫!しず子もそう思うでしょ?」
しずく「うん、それは勿論。まだライブまで時間はあるし、不安になったら私達に相談して?そしたら、またこうやってかすみさんと抱き締めてあげるね」
璃奈「かすみちゃん……しずくちゃん……璃奈ちゃんボード『号泣』」
しずく「璃奈さん、よしよし」
かすみ「あっ、しず子ずるい!かすみんだってよしよーし!」
しずく「かすみさん勢い強すぎ」
かすみ「りな子が喜んでるんだからいいんですー!」
璃奈「……ふ」
璃奈「ふふっ……」
――――――― 私、天王寺璃奈。璃奈ちゃんボードがトレードマークの天使天才天王寺なキュート系スクールアイドル。
でも、色々あって今日のライブはトレードマークの璃奈ちゃんボードは舞台袖でお休み。おかげで朝から胸のドキドキが止まらない。
沢山笑顔の練習をした。挫けそうになってかすみちゃん達に何度も相談もした。その度に璃奈ちゃんボードのありがたさを知った。
素顔を見せるのはまだちょっぴり怖いけど、皆に感謝と笑顔を届ける為に今日は私が頑張る番。
だから今日は、貴方も私の事を特等席で見ていて欲しい。その後は、また一緒に頑張ろうね。
「それじゃあ、キュート系スクールアイドル……天王寺璃奈、行ってきます!」ニコ
璃奈ちゃんボード『にっこりん♪』 終わりです、読んでくださった方ありがとうございました ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています