鞠莉「心もお腹いっぱいに」
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キーンコーンカーンコーン…
果南「んー、やっと午前中を乗り切ったー。鞠莉、ダイヤ、早くごはん食べようよー、ごはんごはんー」
ダイヤ「果南さん、そんなに急がなくても、私たちもお昼ごはんも逃げませんわ」
果南「それはわかってるけど、今日は朝ごはん食べれなかったからお腹減ってるんだもーん」
鞠莉「ふふっ、果南ったらすっかり食いしん坊モードだね」
果南「ほーらー、二人ともはーやーくー」
ダイヤ「はいはい。では、果南さんのお腹と背中がくっつく前にお昼にしましょうか」
果南「そうしましょう、そうしましょう!お昼、お昼ー♪」 鞠莉「ダイヤのお昼は何?」
ダイヤ「私はおにぎりお弁当です。果南さんは、サンドイッチですか」
果南「うん、朝買ってきたんだ」
ダイヤ「お昼ごはんを買う余裕があったのなら、朝ごはんを食べることもできたのでは?」
果南「あはは。そのときは、このまま食べなくてもお昼まで大丈夫かもって思ってて」
ダイヤ「生徒会長としては見過ごせませんね、欠食は健康によくありませんわ。勉強にもスクールアイドルにもです」
鞠莉「理事長も同意見デース」 果南「はーい、次から気をつけるよ。鞠莉は何食べるの?」
ダイヤ「見たところ、何も用意していないようですが」
鞠莉「私はね、今日はちょっと特別なの」
果南「特別?」
曜「失礼しまーす」
ダイヤ「あら、曜さん」
果南「やっほ、どうしたの。って、その手に持ったお弁当バッグはもしかして」
曜「えへへ、鞠莉ちゃん、お待たせ!」 鞠莉「ありがとう。言ってくれれば受け取りに行ったのに」
曜「いいのいいの、ちょうど体を動かしたかったから!」
ダイヤ「鞠莉さんのお昼は、曜さんが用意してくれたのですか?」
鞠莉「私がお願いしたの。曜の作るお弁当が食べてみたいって。手間をかけてごめんね」
曜「全然気にしないで、一人分作るのと手間は大差ないし!それと、これ、みんなでどうぞ」
果南「わ、みかんだ」
ダイヤ「私たちの分もあるのですか?」
曜「うん、食後のフルーツってことで!それじゃ、またね!お邪魔しましたー」 ダイヤ「あ、曜さ…行ってしまいました」
果南「せっかくなら、一緒に食べていけばよかったのに」
鞠莉「誘ったんだけど、いつもちかっちや梨子と一緒に食べてるみたいだから」
果南「なるほどね。でも、わざわざ手作りのお弁当を渡しに来て、その上私たちにまでおすそ分けしていくなんて」
ダイヤ「甲斐甲斐しいですわ」
鞠莉「曜って本当に気がつくいい子よね!」 果南「それで、注目のお弁当はどんな感じ?」
鞠莉「まあまあ、そう慌てないの。あ、ほら見て、保冷剤が可愛い!」
ダイヤ「ふふ、確かに可愛らしいですが、保冷剤ではしゃいでどうするんです」
鞠莉「わかってるって。さてさて、オープン!わぁ…!」
ダイヤ「まあ、これは…!」
果南「おー、すごい!キャラ弁だ!」
鞠莉「あざらし!ハンバーグにあざらしが乗ってる!可愛い〜!」
ダイヤ「なるほど、チーズと海苔であざらしを再現しているんですね」 果南「他にはミニトマトや卵焼き、付け合わせは人参とブロッコリーのソテーかな」
ダイヤ「ふむ、彩りや栄養のバランスまで考えられている。お見事です」
果南「うーむ、さすが曜だね。こだわってるなー」
鞠莉「いいでしょー、マリーのだからあげないよ?」
ダイヤ「欲しいなんていってませんわ」
鞠莉「えっ、いらないの?」 ダイヤ「くれるんですの?」
鞠莉「あーげないっ」
ダイヤ「ですよね」
果南「あはは、なにそのやりとり」
ダイヤ「鞠莉さん、はしゃぎすぎですわ。気持ちはわからなくもないですが」
鞠莉「でも本当、見れば見るほど可愛くて、食べちゃうのが勿体無いくらいね」
果南「気持ちはわかるけど、食べなきゃお礼も感想も伝えられないよ?」 ダイヤ「そうですわ。感謝しながらいただきませんと」
鞠莉「そうね。でもその前に写真を…」
果南「貸して、撮ってあげるよ。こっち見てー。よし、おっけー」
鞠莉「サンキュー、果南。すっかりお待たせしちゃったけど、準備ができたところで」
ダイヤ「ええ」
果南「うむっ!」
ダイかなまり「いただきまーす」 ――――――――
鞠莉「ごちそうさま!ん〜、美味しかったぁ!」
ダイヤ「あら、もう食べ終わったのですか?」
果南「鞠莉にしては、随分と食べるのが早かったね」
鞠莉「だって美味しかったんだもの!見栄えもいいし、味付けも抜群で!でも、ちゃんと味わって食べたわよ?」
ダイヤ「ふふ、嬉しそうですね」
果南「うむうむ。よきかな、よきかな」 鞠莉「さて、と」
果南「あれ、どこ行くの」
鞠莉「お弁当箱を返してくるわ。きちんとお礼もしなくっちゃだしね。二人はみかんを食べてて」
ダイヤ「後で直接伝えるつもりですが、みかんをご馳走さまでしたとお伝えください」
果南「よろしくねー」
鞠莉「オーケイ、行ってくるわ!」 ダイヤ「鞠莉さん、嬉しそうでした。よほど美味しかったんですね」
果南「ま、それだけじゃなさそうだけどね」
ダイヤ「ええ。まったく、早くご自分の気持ちに気付けるといいのですが」
果南「やきもきさせられてばかりだよね、あの朴念仁には」
ダイヤ「あら。果南さんにしては、随分と難しい言葉を知っているんですね」
果南「む、なにそれー」
ダイヤ「怒らないでください、褒めてるんですから、うふふっ」
果南「むーっ。そんなこと言う意地悪ダイヤには、曜のみかんあげなーい!」 ……………………………………
給湯室
鞠莉「すみません、流しを使わせてもらいます。はい、ありがとうございます」
鞠莉「〜♪」
鞠莉「洗ったら水を拭きあげて。よし、綺麗!」
鞠莉「後はお弁当箱を返すだけ。でも、それだけっていうのも味気ないわよね、せっかく美味しいお昼をご馳走になったのに」
鞠莉「んー…あ、そうだ!」 ――――――――
理事長室
鞠莉「お茶請け用にクッキーがあったはず。えーと、確かこのあたりに…」
鞠莉「あったあった!個包装だし、これだけあれば3人で食べるには充分ね」
鞠莉「いい感じの小分けの袋も見つかったし、早速2年生の教室に届けて――あれ?」
鞠莉「お弁当入れのポケットに何か入ってる。これは、手紙?――あ」
『いつもお疲れ様!午後も頑張ろうね!』
鞠莉「…ふふっ。目立たないところに入ってるから、危うく見逃しちゃうところだったじゃない」 ……………………………………
曜「えへへ、それでね――」
鞠莉「失礼します」
曜「あっ、鞠莉ちゃん!」
鞠莉「はぁい、曜、ちかっち、梨子!」
梨子「こんにちは、鞠莉ちゃん」
千歌「今ちょうどね、みんなで鞠莉ちゃんことを話してたんだー」 鞠莉「あら、どんな話?」
千歌「ほら、曜ちゃん」
曜「えっとね、お弁当、どうだったかなって」
鞠莉「なるほど、感想が気になってるってことね」
曜「うん。どうだった?」
鞠莉「それはもう…最っ高に美味しかった!」
曜「本当?」
鞠莉「ええ、おかげさまで素敵なランチタイムだったわ。ありがとうね」
曜「わあ、よかった!」 鞠莉「改めてご馳走さま。これ、お弁当箱は洗っておいたから」
曜「ああ、そのままでもよかったのに」
鞠莉「そういうわけにはいきません。それと、これもどうぞ」
曜「これは、クッキー?」
鞠莉「美味しいランチのお礼よ。みんなで仲良く食べてね」
梨子「えっ、私たちの分まであるの?」
千歌「ありがとー、鞠莉ちゃん!」
鞠莉「どういたしまして。午後の授業も頑張って、練習でまた会いましょうね。チャオ!」
ようちかりこ「またねー!」 梨子「私たちの分まで貰っちゃって、なんだか恐縮な気分」
千歌「それもこれも、曜ちゃんがお弁当づくりを頑張ったからだよ。ね、曜ちゃん」
曜「えへへっ、美味しく食べてくれたんだぁ」
千歌「ふふ、よかったね、曜ちゃん!」
梨子「あ、ほら見て。鞠莉ちゃん、ラインに画像あげてくれてる」
千歌「おお、ほんとだ!」
曜「わあ…!」 梨子「鞠莉ちゃん、とっても嬉しそう。お弁当、本当に喜んでくれたんだよ」
千歌「さっそく善子ちゃんたちが羨ましがってるよ。これは曜ちゃん、しばらくはお弁当屋さんしなきゃだね」
曜「あはは、なんかこそばゆいよ」
梨子「照れてる照れてる」
曜「照れてなんか、えへへ」
千歌「いやー、なんていうか、ご馳走さまですっ!」
梨子「うふふっ、千歌ちゃんたら」 曜「お弁当箱もわざわざ洗ってくれるなんて。あれ、なんか入ってる。手紙…?あっ」
千歌「どうかしたの、曜ちゃん」
曜「ああ、うん。なんでも」
梨子「そう?なんだか嬉しそうだけど」
曜「なんでもないよ、えへへっ!」 『曜へ
とっても美味しかったわ、素敵なランチタイムをありがとう!
PS.今度は一緒に食べましょう! MARI』
おわり 全弾撃ち尽くしました。お弁当ようまりでした。
↓は前に書いたものです。よろしければ併せてお願いします。
鞠莉「昼下がりのオムライス」
https://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1592007703/
ありがとうございました。 いいですね!
ダイヤと果南パート無くしてもう少し二人をピックアップするのが吉だったと思いますよ!
書きためてるなら一度自分で読んでみるともっと良い作品になるのでは無いでしょうか!
次回作も待ってますね! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています