ルビィ「お姉ちゃんの部屋で」
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コンコン
ダイヤ「はい、どうぞ」
ルビィ「お姉ちゃん?今ちょっといーい?」
ダイヤ「あらルビィ。どうしましたの?」
ルビィ「あのね、この間お姉ちゃんが1年生の時に使ってた参考書貸してくれるって言ってたでしょ?借りたいなぁと思って…」
ダイヤ「ふふ、いいですわよ。ルビィは本当に頑張り屋さんね」
ルビィ「そ、そんなことないよぉ…!」
ダイヤ「ただし!あまり頑張りすぎないようにするのですよ?」
ルビィ「うんっ!ありがとう、お姉ちゃん!」
ダイヤ「…っと、そういえば参考書はこの間まとめてしまったのでしたわ。とってきますわね。ルビィはここでゆっくりしてなさい」
ルビィ「うん、わかった!まってるねっ」 〃´⌒ ヾヽ ____,.r── 、
,ィヽ ,' l (> l 、 lハ`ー-< ̄`ヽ`ヽ \〉 ハ
r'、:ヽ::',r‐、 lノ---Vッァ' り}  ̄ ̄ V ',
{:::ヽ::ヽj::::ハ 彡イィノoミく´`ミ __ l / ',
{`丶::::::::::::::', ,.<´ イ:ゝ、0ノノ、_三 / `ヽ、} ,.く }フl
l:::::::::::::::::::::::ト、 / > ノイイ::::::::::::\/ ,>---ミV >、_>イ }
. V::::::::::::::::::/ }Vヽヽ/ _V::::::::::::::::ヽ / /l} l _.>く
∧:::::::::::/ ,' l ヽ ./´ V:::::::::::::::::ハ/ //ノ  ̄l:`ヽ:::::::::l
{ `ー‐' / ∧ ', / _V:::::::::::::::∧ , .ィ.//l V::::l:::::|::|
ヽ.__.>イ ./ } ! l /´ ヽ:::::::::::::::∧≦==彡/l ヽ:jヽ::l::|
\___.>' ノ } l / >、::::::::::::∧ o//イ し'
`、 >'へV{__.>'ノ彡\::::::::::ハ ,ィ ∧ ルビィ「(寒くもないのに体がガタガタと震え出した)」
ルビィ「(いや、裸だから寒いのかもしれないけど)」
ルビィ「(でも、違う。全身の血の気が引いていく感覚がする)」
ルビィ「お、おねぇ、ちゃ」
ダイヤ「綺麗にしなきゃね?」
ルビィ「や、やだよぉ、お姉ちゃ…んぐっ!!」
ルビィ「(勢いよく髪を引かれ、洗面器に顔を突っ込まれる)」
ルビィ「(突然の事で、準備がままならずすぐに限界を迎えた)」
ルビィ「〜っ!!ぐ、ぅ…〜!!!!ッ!!」
ザパッ
ルビィ「っ、かはっ!は、!はぁ!はぁ…っ!ぅ…っ」
ダイヤ「ほら、もう一度ですわよ」
ルビィ「や、やだ!やめっ……!!!んんん!!!」
ザパッ
ダイヤ「ルビィが悪いのですよ」
ルビィ「…ッ!ぐ…っ」
ザパッ
ダイヤ「お姉ちゃんをこんなに悲しませるから」
ルビィ「んぐ…ぐ…ッ」
ザパッ
ダイヤ「だからしっかり反省しなさい?」
ルビィ「ひゅ…、は……」 ルビィ「(意識が遠くなる)」
ルビィ「(これは、罰。ルビィが勝手なことをした罰。)」
ルビィ「(ううん、…ちがう)」
ルビィ「(お姉ちゃんはルビィを“綺麗”にしてくれてるんだ)」
ルビィ「(そっか。)」
ルビィ「(ルビィは、お姉ちゃんに生かされてるんだ)」
ザパッ
ルビィ「…っげほっ、ごほっ!!ごほっ!」
ダイヤ「あ、あぁ…!ルビィ…私、なんてこと…」
ぎゅーっ
ダイヤ「ごめんね、ごめんねルビィ…!」
ダイヤ「ルビィがどこかに行っちゃうんじゃないかと思ったら、私、頭が真っ白になって…」
ダイヤ「私、ルビィがいなくなるなんて、そんなこと耐えられないの…生きてはいけない…!」
ぎゅっ……
ルビィ「けほ…っ、大丈夫、だいじょうぶだよ、お姉ちゃん」
ルビィ「ルビィはずっとお姉ちゃんのそばにいるからね」
ルビィ「だから、泣かないで?ね?ルビィ、お姉ちゃんのこと、だいすきだから」 ダイヤ「ルビィ……本当にルビィは、いい子ね。自慢の妹」
ルビィ「ほんとぉ?嬉しいな」
ダイヤ「ええ。私はルビィに嘘はつきませんわ」
ルビィ「うん、そうだよねっ、ありがとうお姉ちゃん」
〜♪
ダイヤ「…」
ルビィ「お姉ちゃん?電話、鳴ってるけど…」
ダイヤ「分かってます。…はぁ、どうせ果南さんでしょ」
ルビィ「…出ないの?」
ダイヤ「…」
ルビィ「あっ(…切れちゃった)」
〜♪
ダイヤ「はぁ…はいはい、出ますわ、出ますから」
ピッ
果南『あーやっと出た』
ダイヤ「手短に済ませてくださる?今忙しいの。」
果南『何言っても無駄だろうから結論だけ言う。
鞠莉が倒れてしばらく学校行けないから理事長の仕事と、ダイヤが溜めてる生徒会の仕事が溜まってる。学校来て。』
ダイヤ「…」
果南『まさか後輩たちにやらせるつもりじゃないよね?さすがに怒るよ?』
ダイヤ「分かってますわ。後ほど伺います」
ピッ
ルビィ「……」 ルビィ「…学校、行くの?」
ダイヤ「ええ。出来ればルビィとずっと一緒にいたいのだけれど…鞠莉さんが倒れてしまったようで」
ルビィ「!鞠莉ちゃん…が?」
ダイヤ「…何?」ギロッ
ルビィ「っあ、え、っと…ううん、なんでも」
ダイヤ「ルビィのこと、信じてますわよ」
ルビィ「う、うん…」
ダイヤ「いい子。じゃあ行ってきますわね」
ルビィ「うん、行ってらっしゃい…」
パタン…
ルビィ「……」
ルビィ「…お姉ちゃん、行っちゃった」
ルビィ「………」
ルビィ「…ひま、だなあ」
ルビィ「携帯は、どこにあるか分かんないし、…そもそもここから動けないし」
ルビィ「…鞠莉ちゃん、倒れたって、言ってた…大丈夫なのかなあ」
ルビィ「ルビィの…せい、だよね」
ルビィ「…ごめんね、鞠莉ちゃん」
ルビィ「苦しめて、自分勝手でごめんね……」 ーーーーーー
《学校》
果南「来ないかと思ったよ」
ダイヤ「そういう訳にはいかないでしょう」
果南「今のダイヤならルビィ以外必要なさそうだけどね」
ダイヤ「嫌味なら他でやってくださいまし」
果南「はいはい」
花丸「…!」
花丸「(ダイヤさんが、学校にいる!?)」
花丸「(ってことは、ルビィちゃんは今家に1人…!!)」
花丸「助けなきゃ…」
花丸「ルビィちゃん待ってて…まるが絶対ルビィちゃんのこと助けるから…!」
ダッ 善子「ずら丸〜、…って、どうしたの?」
花丸「善子ちゃん!まるもう帰るね」
善子「えっ?何かあったの?ってヨハネ!!」
花丸「ルビィちゃんを助けに行かなきゃいけないの」
善子「…ルビィを?ちょっと待ってよ、助けるってどういうこと?」
花丸「…っ」
善子「ねぇ、ルビィは体調崩してるんじゃないの?ちがうの?」
花丸「ちがう。まるは見たの、ルビィちゃんはーーーー」
善子「………嘘、なに、それ…」
花丸「…本当だよ」
善子「行きましょ、ずら丸…早く」
花丸「分かってる」
善子「ルビィがダイヤに……、信じたくないけど…本当、なのよね?」
花丸「…見れば分かるよ。とにかく行こう、ダイヤさんが帰る前に」
善子「…ええ」 《黒澤家》
ルビィ「うーーん」
ルビィ「ひまだよぉ…お姉ちゃん早く帰ってこないかなあ」
ルビィ「…お姉ちゃん」
ルビィ「はぁ……」
コンコン
ルビィ「ッ!!」ビクッ
ルビィ「だ、誰…?」
ルビィ「そこにいるのは、だれ?!」ガタガタ
??『ルビィちゃん』
??『ルビィ…!』
ルビィ「!!」
ルビィ「花丸ちゃん?善子ちゃん…?」
善子『ヨハネよっ!…そんなことより顔、見せて…ルビィ、あなた元気なの…?』
花丸『ルビィちゃん、顔見せて…お願い…ルビィちゃんに会いたいの…』 ルビィ「……でも」
ルビィ「(お姉ちゃんに知られたら…“また”……)」
ルビィ「(うう…でも、会いたいよ、花丸ちゃんと、善子ちゃんに…)」
ルビィ「ちょっと、だけなら…いいよね……?」
コソッ…
善子『ーーー!!』
花丸『ルビィ、ちゃん…っ』
ルビィ「花丸ちゃん、善子ちゃん…久しぶり、だね」
善子『なんで、そんなに痩せて…っていうか、なんで服着てないのよ…!?顔も真っ青じゃない!それに、その、手錠と首輪はなんなのよ!』
ルビィ「…これは」
花丸『……ダイヤさん、だよね?』
ルビィ「………」コクン
善子『…ほんとに、ダイヤが』
花丸『ルビィちゃん…逃げよう?』
ルビィ「…え?」
花丸『このままじゃ、ルビィちゃんが壊れちゃう……ううん、ダイヤさんに壊されちゃう』
花丸『まる、もう見てられないよ。この間みたいに知らないフリして帰れない、だからっ!』
ルビィ「ーーーごめんね」
ルビィ「…それは、出来ないよ」
ルビィ「ルビィはお姉ちゃんのこと大切だから」 善子『なんで…ルビィ、なんでそんなボロボロなのにダイヤを庇うの…?いくら姉だからって…なんで』
花丸『ルビィちゃんっ…』
ルビィ「ルビィは“綺麗”でいなきゃいけないから」
ルビィ「じゃないとお姉ちゃんが悲しむから、…ごめんね」
花丸『なんで、なんでルビィちゃんが謝るの?!悪いのはダイヤさんだよ!ダイヤさんがこんな酷いことするから!』
善子『そうよ!!いくらルビィを大切に想ってたとしてもこんなことするなんて頭おかしいわよ!』
花丸『そうだよ、ダイヤさんが間違ってるの!だいたいダイヤさんはーー』
ルビィ「…っ、お姉ちゃんを悪く言わないで!!!!!!!!」 善子『ーーーー!!』
花丸『…ルビィ、ちゃ』
ルビィ「…いくら2人でも、お姉ちゃんのことそんなふうに言うの許せないよ…」
ルビィ「もう、帰って」
ルビィ「ルビィは大丈夫だから、放っておいて」
花丸『まっ、まって、ルビィちゃ』
ルビィ「ーーばいばい」
シャッ
花丸「やだよ!ルビィちゃん!ルビィちゃん…っ!!!」
善子「………」
花丸「なんで、なんで…?なんで、ルビィちゃん…」
善子「…帰りましょ、花丸」
花丸「でも!ルビィちゃんが!」
善子「ここにずっといたらダイヤに見つかる。そしたらダイヤは多分ルビィをーー」
花丸「…っ、わ、わかった……」
花丸『また来る!また絶対来るからね!ルビィちゃん!!!』
ルビィ「………」 花丸「…っぅ、ぐすっ…っく、ぅ……」
善子「…はっきり、言うけど」
花丸「なに…?」
善子「ルビィを助けるの、無理だと思うの」
花丸「な、んで…?なんでそんな事言うの…?ルビィちゃんのこと見たでしょ?あんなにボロボロになって、服も着せてもらえてなくて…!」
善子「あの首輪と手錠、どうやって外すの?」
花丸「それは…」
善子「あそこまでやってるダイヤのことだから、GPSとか、ついててもおかしくないし…特殊なもので簡単には外せないかもしれない」
花丸「…鍵、ダイヤさんが持ち歩いてる可能性も、あるずらね」
善子「…そう」
花丸「でも、最悪ペンチとか」
善子「……まずどうやって家に入るの?」
花丸「それはルビィちゃんに開けてもらうしかないけど…」
善子「ルビィは、開けないわよ多分」
花丸「なんで、わかるの」
善子「私達がダイヤのこと悪く言った時のルビィの顔、見たでしょ」
花丸「…」
善子「私はあんなルビィの顔見た事ない」
花丸「…」
善子「それに、ルビィ」
善子「ーーー1度も“助けて”って言わなかった」
花丸「…!」 花丸「(この間のルビィちゃんの顔を思い出す)」
花丸「(濁って怯えた目をしていたルビィちゃん)」
花丸「(でも、今日のルビィちゃんは)」
花丸「(この状況が“当たり前”のような顔をしていた)」
花丸「(遅かったんだ)」
花丸「(遅すぎたんだ)」
花丸「(あの日、あの瞬間が、タイムリミットだったんだ)」
花丸「…ッぅあああ…!!!っ!!まるは!まるは、また!!!またルビィちゃんに酷いこと…っ!まるのせい!まるのせいで!!!ごめんね、ごめんなさい!!!!」
善子「…花丸!!花丸のせいじゃない!絶対にそんなことないから!!」
花丸「まるが!まるが、鞠莉ちゃんの家にルビィちゃんが行ったなんて言わなかったら!!あの日、迷わないで警察に電話してたら…っ!!」
善子「……どういうこと?なんで、そこに鞠莉が…」
善子「(…花丸は、もう限界ね)」
善子「(今度は、私が…)」
善子「よく、1人で頑張ったわね、花丸…」
善子「でも、こうなる前に、もっと頼って欲しかったな」
善子「…花丸も、ルビィも」
善子「ともだち、じゃないの?私達……」
善子「(見てることしか、ただ、泣いてる友達の背中をさすることしか出来ないなんて)」
善子「(そんなの、嫌よ…)」 ピンポーン
ガチャッ
善子「…悪いわね、体調悪いのに押しかけて…」
鞠莉「ううん、平気よ、あがって」
善子「…ありがとう、ごめんね」
鞠莉「…それで?」
善子「あ、横になってていいわよ、辛いでしょ身体」
鞠莉「…ごめんね。そうさせてもらうわ」
善子「ううん、大丈夫よ。気にしないで」
鞠莉「…それで、…っていうか、分かるわよ、だいたい。ルビィのことでしょ?」
善子「…」コクン
鞠莉「誰から聞いたの?ダイヤ?果南?」
善子「…花丸」
鞠莉「花丸?」
善子「花丸がね、言ってたの。こんなことになったのは自分が、ルビィが鞠莉の家にいるって言ったからだって」
鞠莉「…なるほど」
善子「でも、分からなくて、私。なんでそんなことが、花丸を…ルビィを…鞠莉を、苦しめてるのか…」
鞠莉「…」
善子「今日、花丸とルビィの家に行ったの。でも、ルビィ…、っ、ルビィ、すごく痩せてて、服も、着てなくて!表情も、なくて…」
鞠莉「…そう」
善子「花丸と出来るだけの声はかけたつもりよ…でも、ルビィには届かなかった…それどころか、ダイヤのことを悪く言わないで、もう放っておいてって言われちゃって」
善子「そのことで花丸はもっと落ち込んじゃって…」 鞠莉「…優しいのね、善子は」
善子「優しくなんてないわよ…優しかったら、もっとなんとかできたはずだもの…」
鞠莉「そんなことない。現に今、善子はなんとかしようと私のところまで来たでしょ?」
善子「それは、そうだけど…」
鞠莉「……私にはもう何も出来ないの」
善子「鞠莉…」
鞠莉「何があったか話したところで、解決策が見つかるかは分からないわよ?それでも聞く?」
善子「それでもいい!!それでもいいから、…教えて」
鞠莉「OK、ちょっと長くなるわ。今日は泊まっていって?」
善子「…分かったわ」
善子「(それから、鞠莉は本当に長い時間をかけて話してくれた)」
善子「(知るはずもなかった3年生たちの関係のこと)」
善子「(ルビィと鞠莉の間のこと)」
善子「(今のダイヤとルビィのこと)」
善子「(今の鞠莉と果南のこと、全部)」
善子「(なんども、何度も言葉に詰まって、時には嗚咽を繰り返しながら、それでも話してくれた)」
善子「(その姿を見て、本当に鞠莉に聞いてよかったのか悔やんだ)」
善子「(ボロボロの鞠莉と、昼間見たルビィが重なって見えた)」 善子「(辛いことがあったわね、なんて軽く言えない)」
善子「(どうして、鞠莉がこんなに苦しまなきゃいけないんだろう)」
善子「(どうして、ルビィはあんな姿になってまで、ダイヤを守るんだろう)」
善子「(どうして…ルビィは、鞠莉の手をとらなかったの…)」
鞠莉「…どうして、って思ってる?」
善子「………ええ」
鞠莉「仕方ないのよ。…そう、仕方ないの」
善子「鞠莉がこんなに苦しんでいるのに“仕方ない”って…?私はそんなこと言えないわよ…っ!」
鞠莉「仕方ないのよ」
善子「……っ!!鞠莉!」
鞠莉「なに…?」
善子「辛いなら、辛いって言いなさいよぉっ!!」
鞠莉「…!」
善子「私は!何も知らなかったし!なんの力もない!!でも!でもっ!鞠莉にそんなふうに笑って欲しくないの…っ」
善子「友達、ならっ…私の事、友達だと思うなら、無理に笑わないで…泣いたって、私は鞠莉のことを責めたり、傷つけたりしないわ!」
鞠莉「善子……」
善子「……善子じゃ、ダメなら」
鞠莉「?」
善子「善子には話せないなら、辛い顔見せられないなら、ずっとヨハネでいるから…」
鞠莉「ううん、善子が、いいな、わたし」
善子「鞠莉…」 鞠莉「ルビィのこと、知ってるの…」
善子「え?」
鞠莉「あの日、ルビィがダイヤを選んだ後…心配でたまらなくて…探偵を雇った」
善子「探偵…」
鞠莉「そう。だから、全部“見た”…写真で、動画で。ダイヤがルビィをどうしてるか。ルビィがダイヤに何をされてるか…」
善子「…警察には、」
鞠莉「……」
善子「い、今からでも警察に言いましょ!?写真とか動画があるなら決定的証拠があるわけだし、ルビィも、」
鞠莉「…」フルフル
善子「どうして…?」
鞠莉「これ、見て」
善子「ーーーー」
善子「(鞠莉から見せられた、その動画は、ダイヤがルビィの頭を掴み何度も何度も何かへ押し付けている姿を映していた)」
善子「(ルビィから水が滴っていたから、きっと水に沈められていたんだと思う)」
善子「(どこかで嘘だと思いたかった)」
善子「(ルビィは本当は心のどこかて逃げ出したいんだと思っていた)」
善子「(ダイヤを自分から抱きしめて、大好きだと言うルビィの笑顔は…本物、だった……)」 善子「…っ、っ!」
鞠莉「……今、ルビィからダイヤを取り上げるのは簡単よ」
鞠莉「でも、きっとそんなことをしたら本当に壊れてしまう」
鞠莉「ルビィは今、ダイヤという存在に依存してギリギリを保っている…」
鞠莉「きっと、ダイヤとルビィを引き剥がしても、ルビィはダイヤの所へ戻ってしまう」
鞠莉「…毎日毎日、ルビィが夢に出てくるの」
善子「ルビィが?」
鞠莉「そう…ルビィがね、まりちゃん、助けてって泣いてるの」
善子「…っ」
鞠莉「だから私は助けるのよ。あらゆる手段を使って。…夢の中の話だけどね」
鞠莉「でも」
鞠莉「ルビィは、助からないの。何回やっても、誰を…消しても」
善子「消すって」
鞠莉「…そういうこと」
鞠莉「たかが夢って、思うかもしれない。バカみたいだって。考えすぎてる私の不安が具現化してるのかもしれない」
鞠莉「だけど、現実でもしそうなったら?ダイヤがこの世からいなくなってルビィが後を追ったり、ダイヤがルビィを一緒に連れて行ったりしてしまったら?」
鞠莉「そんな事考えてたら…眠れなくて、とうとう倒れちゃった」
善子「鞠莉……」 善子「そんな、無理して笑わなくてもいいから」
鞠莉「ありがとう。でもこうしてないと、全部崩れちゃいそうなの。…ごめんね」
善子「ううん…平気よ…」
鞠莉「…っそういえば!」
善子「!?ど、どうしたのよ、いきなり!?」
鞠莉「今日、花丸と2人でルビィに会ったって、言ったわよね?」
善子「え、ええ…窓越しだったけど。それがどうかしたの…?」
鞠莉「ダイヤは、そのこと知らないわよね…?」
善子「知らないと、思うけど…多分…」
鞠莉「そ、そう、そうよね…」
善子「…どうしたの?」
鞠莉「ううん、何でもない。なんでもないの…」 《黒澤家》
ルビィ「ふー…ふー…」
ルビィ「(まだ、ドキドキ、してる)」
ルビィ「(ルビィ、お姉ちゃんを守れた…)」
ルビィ「(花丸ちゃんと、善子ちゃんから、お姉ちゃんを悪く言う2人から、お姉ちゃんを守れたんだ…)」
カチャッ
ルビィ「!!お姉ちゃん!!」
ダイヤ「ルビィ、いい子にしていましたか?」
ルビィ「うんっ!あのね、お姉ちゃん聞いて!今日善子ちゃんと花丸ちゃんが来てねっ、それで、それでルビィ、」
ダイヤ「…今、なんと?」
ルビィ「っえ、えっと、今日、善子ちゃんと、花丸ちゃんが来て…」
ダイヤ「…会ったのですか?」
ルビィ「う…ごめんなさい……でも、カーテン越しだったから、窓は開けてなーーーー」
ドスッ!!!
ルビィ「っぐゅあ!?げほっ!げほっ!!」
ダイヤ「言いつけも守れないのですか?」
ドカッ!!!
ルビィ「ぎっ!!ゃ!いたぁっ!!ごめっ、ごめんなさい…っ!」
ダイヤ「あわよくば抜け出そうとでも考えていたのですか?」
ルビィ「ちっ、違うよぉっ!!ルビィは、ルビィは…っ!っあぁ!!」 ダイヤ「何故、なぜ言うことが守れないのですか?!そんなにルビィは私のことが嫌いですの!?」
ルビィ「ちがっ、ちがうよぉっ!そんなわけっ…ぃいっ!?痛い!痛いよ!お姉ちゃん!!!髪、引っぱらないでぇ!!」
ダイヤ「汚い!汚らわしい!!ああっ!もう!!またルビィが汚されてしまった…!」
バチンッ!!
ルビィ「いっ…!い、ぁッ…!」
ダイヤ「私のルビィが!!」
バシンッ
ルビィ「ぐっ…ううっ…!ご、っめなさい!ごめん、なさい…ッ!!許し…ッ」
バチンッ!!!
ルビィ「ぅああっ!!いぁッ」
ルビィ「(お姉ちゃんに叩かれるほっぺたが、身体が燃えるように熱くて、痛い)」
ルビィ「(こんな風に声を上げちゃ、だめなのに)」
ルビィ「(お姉ちゃんを責めるような声を出しちゃ、だめなのに、抑えられない)」
ルビィ「(ごめんなさい、お姉ちゃん。お姉ちゃん。お姉ちゃん。ルビィが悪い子で、ごめんなさい)」
ダイヤ「…来なさい」
ガラッ
ドサッ
ルビィ「ッ、ごほっ、ごほ…ッ!!」
ダイヤ「ここで反省しなさい」
ルビィ「っえ…?な、なんで、ここ…」
ダイヤ「“綺麗”にしましょうね、ルビィ?」 シャァァ…
ルビィ「ーーーっつ!?冷たいっ!!や、やだぁっ!!お姉ちゃ、冷たいッ…!!!」
ダイヤ「冷水シャワーぐらい我慢しなさい。ルビィが悪いのですよ?」
ルビィ「で、でもっ…!さむ…っ、さむいよぉ…!!う…ぁ…!」ガタガタ
ダイヤ「……」
ダイヤ「はぁ…ルビィ、悪い子は誰?」
ルビィ「る、っ、ルビィ、ですっ…!」ガタガタ
ダイヤ「そうね。じゃあごめんなさい出来る?」
ルビィ「!!う、うんっ…!」
ダイヤ「ほら、ここに来て?」
ルビィ「うん、…っちゅ、んむ…ぅ…ふぁ」
ダイヤ「んっ……綺麗ですわよ…ルビィ…」
ルビィ「ごめんなさい、ごめん…なさい、お姉ちゃん…」
ダイヤ「ルビィは私と離れたいんですの?だからカーテンを開けて花丸さんや善子さんとーー…」
ルビィ「ちがっ、ちがうのっ!!お姉ちゃんのこと、大好きだよ!?」
ダイヤ「なら、見せて?」
ルビィ「えっ…?」
ダイヤ「私の前に脚を開いて、気持ちよくなるところを見せて下さる?」
ルビィ「……っ!」 ダイヤ「ほら、オモチャは抜いて差し上げますわ」
ググッ
ルビィ「ぃあぁあッ!?!」ビクンッ
ダイヤ「あら、間違えて押し込んでしまいましたわ…ふふっ、もう達してしまったの?」
グリグリ
ルビィ「ご、ごめんなさ…!アァっ!?!やぁああ!!」
ダイヤ「はしたないですわよ、そんなにヨダレを垂らして」
ルビィ「ぅあ!ああッ!や、やめッ…!!?な、なんでッ!?」ビクンッ ビクンッ
ダイヤ「とっても敏感な身体になりましたわね、ルビィ…ほら、ここも、赤く腫れてとても可愛いですわ……」
コリッ
ルビィ「ーーーーッッ?!!!あァああっ、いやあぁッ!!!」ビクンッ ルビィ「や、ぁあ!もっ、くるし…っ」
ダイヤ「何を言っていますの?いい子なルビィはもっと頑張れますわよね?ほら、自分で脚を広げなさい?」
ルビィ「ふ、ぅっ…!うぅうっ」
ダイヤ「…もっと」
ルビィ「〜っ!!これ以上、はっ!は、ずかし…っ」
ダイヤ「…」
バチンッ!!
ルビィ「ぅぐっ…!?」
ダイヤ「広げなさい?何度も言わせないで」
ルビィ「ぅ、うっ…ふぅう……っ」ポロポロ
ダイヤ「……そう。いい子ですわね。ご褒美を上げなくては」
ルビィ「ごほうび…?」
ダイヤ「そのまま広げてなさい?」
ちゅる…ぴちゃっ
ルビィ「ぅああッー?!やッ!!そんな、とこ舐め…っないで…ぇっ!!やぁあっ!!!!」 千歌「果南ちゃんなんかしってるよね?」
梨子「グルになってるとおもう」
曜 「ルビィちゃんに会えない、、、さみしいであります」 ダイヤ「可愛いですわ、もっと感じて、ルビィ」
くちゅっ、ぴちゃ…
ルビィ「んぅっ…んんッ!アァっ!お、おねぇ、ちゃ…っ、や、なんか、きちゃ…っ」
ダイヤ「いいですわよ、ほら、可愛くイキなさい」
ルビィ「ゃっ、もぉ、やぁ…っ!!あぁああァッ!!!」ビクンッ
ダイヤ「上手にイケましたわね、いい子ですわ」
ルビィ「はぁ、はぁ…えへへ…おねぇちゃん、すき……」
ダイヤ「ええ、私も大好きですわ。ずっと一緒にいてくださいね?」
ルビィ「うん、いる…ルビィ、おねぇちゃんのそばに、ずっといる…」 ーーーー
ーー
ー
『ーー……る…ルビィ、おねぇちゃんのそばに、ずっといる…』
鞠莉「…ッ、ぐ、ぅ…っ」
善子「…大丈夫?そんな、無理してみなくても、」
鞠莉「いいの、これは自分への戒めだから」
善子「だからって…」
ガチャ
果南「鞠莉、体調どうー?って、あれ、善子ちゃん」
善子「………果南…」
果南「あれ、ヨハネよっ!って言わないんだ」
善子「…気分じゃないわ」
果南「何それ、まぁいいけど」
善子「…」
果南「もー鞠莉、それ見るのやめなって言ったじゃん」
鞠莉「…でも」
果南「だいたい、よく盗撮カメラなんて付けられたよねあの黒澤家に。見つかったらどうなるかわかってるの?」
鞠莉「その時はその時よ」
果南「はぁ……そんなの見て何が楽しいのさ」
鞠莉「楽しくなんてないわよ」
果南「じゃあなんのために見てるの?」
鞠莉「それは…」 果南「まぁ聞かなくてもわかるけどね、いい加減にしとかないと後々大変だよ」
果南「ね、“お姉ちゃん”」
鞠莉「……っ!うるさいっ!!果南には関係ない!」
善子「ま、鞠莉、落ち着いて」
鞠莉「果南も善子も今日はもう帰って」
善子「で、でも鞠莉」
鞠莉「1人になりたいの」
善子「…そう、わかったわ……何かあったら無理しないで頼ってよね…」
鞠莉「ええ、ありがとう善子」
善子「ヨハ……、ううん、じゃあまたね、鞠莉」
果南「今来たばっかりなのに」
鞠莉「いいから帰ってよ」
果南「はいはい。あ、知ってるかもだけど、今日ダイヤが学校来たよ。生徒会の仕事終わらせていった」
鞠莉「…そう」
果南「じゃあまた」
鞠莉「ええ」
バタン
鞠莉「……」
ピッ
『ーー……る…ルビィ、おねぇちゃんのそばに、ずっといる…』
鞠莉「………ふふ」
鞠莉「可愛いわ、ルビィ……」
鞠莉「私の“妹”……」 《学校》
千歌「おかしいっ!!!!!」バンッ
梨子「きゃっ!び、びっくりしたぁ…いきなりどうしたの?」
千歌「おかしいったら、おかしい!なんでダイヤさんもルビィちゃんも学校来ないの!?」
曜「花丸ちゃんも来てないよ」
梨子「花丸ちゃんは体調が悪いって連絡が来てたけど、鞠莉ちゃんもあれ以来学校に来てなさそうね…」
千歌「あーもやもやする〜!!絶対みんななにか隠してるよね!?」
曜「落ち着いて千歌ちゃん…でも、わたしもそう思う、なんか置いてきぼりにされてるような…」
千歌「分かる!?さすが曜ちゃんだよ〜!持つべきものは幼なじみ!」
曜「えへへ、そうかなっ」
梨子「…こほん。で、でも私もなにか引っかかる気がする」
千歌「だよねだよね!梨子ちゃんなら分かってくれると思ってた!」
梨子「そ、そう…?」
曜「…それより、どうしようか?このまま部室にいてもモヤモヤするだけだよねー」
梨子「もう1回ダイヤさんの家に行ってみる?」
千歌「うーーん」
曜「鞠莉ちゃんの家は?」
千歌「うーーーーん」
千歌「……善子ちゃん!」
千歌「善子ちゃんに話を聞こう!」 曜「善子ちゃん?」
梨子「どうして?」
千歌「だって今日学校休んでるし、何かしらは知ってると思うんだよね!それに、善子ちゃんって嘘ついたり隠し事出来なさそうだし…」
梨子「それは…言えてるかも……」
曜「でも休んでるのに家に行くのは迷惑じゃない?」
千歌「あーそっかぁ…そうだよねぇ…」
千歌「わーん!もうどーしたらいいのー!」
ガラッ
千歌「ふぇ?」
梨子「えっ」
曜「えっ」
善子「……なに?」
千歌「え、え?本物?善子ちゃん??本当に?」
善子「本物に決まってるじゃない…」
曜「今日学校休んだって聞いたけど…」
善子「あー…、うん、部室には、顔出そうかなって」
梨子「っていっても、私たちしかいないのよ…」
善子「分かってる」
千歌「ねぇ、善子ちゃん」
善子「なに?」
千歌「善子ちゃんは、何か知ってる?皆がなんで休んでるのか」 善子「…多分知ってる。全部じゃないけど」
千歌「えっ、ほんとに?教えてーー」
善子「ごめん、それは無理」
千歌「なんで?」
善子「無理なものは無理なの」
千歌「なんで?このままだとAqoursバラバラになっちゃうよ?ねぇ?そんなのいいわけないよね?ねぇ、善子ちゃん!」
曜「千歌ちゃん」
善子「……ごめん」
梨子「言えない理由があるの?」
善子「そういう訳じゃ、ないんだけど…」
梨子「…誰かを庇ってる?」
善子「…っ」
梨子「…そう、分かったわ」
千歌「善子ちゃん…」
善子「ごめん、千歌。私が今日ここに来たのは、しばらく部活を休みたいって言いに来たの」
千歌「え…」
善子「自分勝手で、ごめん。本当にごめんなさい。…それじゃ」
千歌「えっ!?ちょ、ちょっと待って善子ちゃん!善子ちゃん!!」
ガラッ
バタン!!
千歌「なに、それ…」
千歌「なにそれ」
千歌「…千歌、除け者じゃん」 曜「千歌ちゃん…」
千歌「なんで、リーダーなのに、なんで」
梨子「と、とりあえず今日は帰りましょう?」
千歌「なんで…なんで…なんで……」
梨子「…千歌ちゃん」
曜「千歌ちゃん…」
千歌「千歌はAqoursのリーダーなのに、なんにも出来てないじゃん…!なんで!なんで!!」
梨子「千歌ちゃん、落ち着いて?ねっ?みんな理由があってー」
千歌「だからその理由が分かんないんじゃん!!」
梨子「…っ!そ、そうよね、ごめんなさい」
千歌「あっ…ご、ごめん梨子ちゃん…」
梨子「ううん、私が悪いの」
曜「…やっぱり、もう1回行ってみようよ、ダイヤさんの家」
千歌「…でも」
曜「元はと言えば、ルビィちゃんとダイヤさんが来なくなったことが始まりなんだし、もう1回ちゃんと聞いてみようよ」
梨子「そうね、いつまでも私たちだけで考えても仕方が無いもの」
千歌「…わかった」
千歌「じゃあ、行こう」 《黒澤家》
花丸「(気づいたらここに来ていた)」
花丸「(1度も不自然なほど開かないカーテンをただ見つめてもうどれぐらいが経ったんだろう)」
花丸「(まるがこうやってる間にも、ルビィちゃんはダイヤさんに酷いことをされているかもしれない)」
花丸「(助けてって叫んでるかもしれない)」
花丸「(やだ、やだよ、ルビィちゃん)」
花丸「(こんな形でお別れなんて、絶対、嫌だよ)」
花丸「(だから、だからーーーー)」
花丸「まるが、まるが助けなきゃ……何をしてでも、何を、されてもまるが、ルビィちゃんを……!」
…ポチ
ピンポーン
ガラッ
ダイヤ「どうぞ、花丸さん。よくいらっしゃいましたね」ニコッ
花丸「…ルビィ、ちゃんを、返してください」 ダイヤ「さぁまずは上がって下さいな、お茶をご用意致しますので」
花丸「…いらないです」
ダイヤ「花丸さんの好きなお茶菓子もありますわよ?」
花丸「いらないです!!ルビィちゃんはどこですか!?」
ダイヤ「…はぁ、何を勘違いしているか分かりませんけれど、ルビィは元気ですわよ?」
花丸「そんなわけ…っ、そんなわけ、ないずら!あんな、裸で、首輪つけられてっ…」
ダイヤ「全てルビィが望んだことですわ」
花丸「嘘つかないでください!」
ダイヤ「ふぅ……どうしたら信じてくださいますの?」
花丸「まるは、ルビィちゃんの言葉しか信じないずら、絶対に」
ダイヤ「なるほど、では、ルビィが今が幸せだと心から言ったならば信じるのですね?」
花丸「うん。…そんなこと、あるわけないと思うけど」
ダイヤ「だそうですよ、ルビィ」
ダイヤ「出ていらっしゃい?」
花丸「………!」 花丸「る、びぃ、ちゃん…?」
ルビィ「……」ニコッ
花丸「ルビィちゃん、どう、したの、その顔…」
ルビィ「……」ニコッ
花丸「なんで、そんなに腫れてるの…?ダイヤさんにやられたんでしょ?痛いよね?病院に行こう?ねぇ、まるもついてくから」
ルビィ「……」フルフル
花丸「ねぇルビィちゃん、なにか喋ってよ…ねぇ…ねぇ…ルビィちゃん…っ」
ルビィ「……」ニコッ
花丸「やだ、やだよ、ルビィちゃん!まる、ルビィちゃんの声が聞きたい…っ」
ダイヤ「ルビィ、ほら紙とペンですわよ」
花丸「…!」
ルビィ「……」ニコッ
《これはおねえちゃんに愛されてるだけだよ》
《ルビィが汚くなったらきれいにしてくれるの》
花丸「顔の傷が綺麗…?そんなに殴られて、綺麗なわけ、っ」
《ルビィはきれいでいたいの》
《おねえちゃんがいればそれでいいの》
《花丸ちゃん》
花丸「や、やめて、」
《ルビィは》
花丸「やだ、見せないで、言わないで、お願い」
《しあわせだよ》
花丸「ーーーーーーー」 ダイヤ「また遊びにいらしてくださいね」
ダイヤ「ルビィもきっと喜びますわ」
花丸「……」
ガラッ
花丸「……」
花丸「……」
花丸「………」
花丸「しあわせ」
花丸「ルビィちゃんは、しあわせ」
花丸「そっか」
花丸「ルビィちゃんは、しあわせなんだ」
花丸「そっか、そっか」
花丸「しあわせ、なんだ………」
善子「…花丸」
花丸「善子ちゃん!あのね、ルビィちゃんはしあわせなんだって」
善子「うん」
花丸「しあわせなんだって」
善子「…ん」
花丸「まるね、まる…あのね、ルビィちゃんがね、」
ぎゅっ
善子「もう、いいわよ。…よく頑張ったわね」 花丸「……あはは。なんで、かな、涙出てこないの、おかしいね」
善子「おかしくなんてないわよ、悲しすぎるだけ」
花丸「まる、こんなに冷たい人間だったんだ」
花丸「だからルビィちゃんのことも助けられなかったんだ」
花丸「そっか、そっか……はは…」
善子「…帰りましょ、花丸」
花丸「…うん、そうだね」
花丸「バイバイ、ルビィちゃん」
花丸「助けられなくて、ごめんね」 《黒澤家前》
千歌「…」ムスッ
曜「門前払い、されちゃったね」
千歌「納得いかない!!」
梨子「そうね……あら?」
千歌「!!果南ちゃーん!!」
果南「えっ、あ、あはは、こんなところで会うなんてねー元気?」
千歌「なにそれ嫌味…?元気なわけないじゃん…」
果南「はは、そっかあ」
曜「ねぇ果南ちゃん、果南ちゃんはなにか用事出来たの?」
果南「え?あ、んーあー…そうだね」
梨子「…ずいぶん曖昧ね」
果南「あはは、気にしないでよ」
千歌「さては、果南ちゃん何か知ってるなー?」
果南「えっ」
千歌「間違いない!その顔!絶対何か知ってるでしょ!ねぇ教えて!教えてよー!!」
果南「わ、わかったわかった!ここじゃアレだから場所移してから!ね!?」
千歌「むーーーわかった、その代わりちゃんと教えてよね」
果南「はぁ、分かったよ、本当こういう時鋭いんだから…」 果南「(……さて、困った)」
果南「(ルビィがダイヤに監禁されてることを言う訳にはいかないし)」
果南「(鞠莉が精神的に参ってダイヤに自己投影してることも言えないし)」
果南「(うーーーん)」
果南「(汚れ役はしたくないしなあ)」
果南「(上手く誤魔化すしかないか…)」
千歌「かーなーんーちゃーん、ねぇどこまで行くのー?!もうここら辺でいいよ人いないし」
果南「あ、あぁ…そうだね」
千歌「さ!早く教えて!」
果南「それは…」
千歌「それは?!」
果南「それは…」
千歌「もー!!もったいぶらないで教えてよ!」 曜「…」トントン
梨子「?……!」コクン
梨子「千歌ちゃん、バスの時間もうすぐよ?」
千歌「えぇっ!?」
果南「!ごめん千歌、話長くなるからさ、明日部室で話してもいい?」
千歌「えぇえ!?仕方ないなあ…絶対だよ?」
果南「うん、絶対ね」
千歌「もー歩き損だよー」
梨子「じゃあ私と千歌ちゃんは先に帰るわね」
千歌「曜ちゃんは?」
曜「ちょっと用事があって!ごめんね、また明日」
千歌「えーわかった、また明日ね!」
曜「うん、ばいばい!」
曜「…さ、聞いてもいいかな、果南ちゃん」
曜「ルビィちゃんはダイヤさんに監禁されてる、違う?」 果南「……当たり。よく分かったね」
曜「何となくだけど、そうかなって」
果南「いつから気づいてたの?」
曜「この間家に行った時。なんか、雰囲気で。」
果南「へぇ、すごいね」
曜「…何でそんなことになったの?ルビィちゃんは無事なの?」
果南「経緯については教えられない。今のルビィは…どうなんだろう…無事、だろうけど」
果南「でも、もうAqoursは続けられないと思う」
果南「ダイヤとルビィ、…鞠莉も」
曜「なん、で…なんでそんなことになったの?千歌ちゃんすごく落ち込んでるんだよ?どうするの?」
果南「そんな事言われても」
曜「そんなこと言われてもって…だいたい、果南ちゃんは何しにダイヤさんの家に行ったの?」
果南「ちょっとしたお使いだよ」
曜「……そっか」
果南「ごめん、届けなきゃいけないから」
曜「…うん」
果南「曜からなんとか言ってくれないかな?ちょっと誤魔化してさ」
曜「えっ…」
果南「ね、お願い」
曜「……わかった…」 【翌日】
曜「はぁ…どうしよう…考えすぎて寝れなかったよ…」
曜「千歌ちゃんになんて言おう…千歌ちゃん、意外に鋭いところあるからなぁ」
曜「嘘ついたなんてバレたら…」
ーー千歌『よーちゃんなんてもう友達じゃない!』ーー
曜「…っ」ゾクッ
曜「だめだだめだ…やっぱり千歌ちゃんには、千歌ちゃんにだけには本当のこと言っーー」
千歌「よーちゃんっ」
曜「ふぇああ!?!」
千歌「ど、どうしたの、そんなにびっくりして」
曜「あはは、ごめん…ちょっと考え事してて…おはよ、千歌ちゃん」
千歌「おはよお、ね!ねぇ、それよりっ!早く果南ちゃんに話聞きに行こうよ!」
曜「あっ…」
千歌「もー気になって気になって昨日寝付けなかったんだよー」
曜「そ、それなんだけど、あの」
千歌「?」
〜♪ 千歌「んー?あれ、果南ちゃんからだ」
曜「(わたしにもだ…)」
千歌「なになに…?えー!?果南ちゃん今日休むって…って、ん?話は曜から聞いて……曜ちゃん知ってたの!?」
曜「えっ!?」
千歌「果南ちゃんが曜ちゃんから話聞いてって言ってるんだけど…」
曜「あ、ああ、うん、実は、あの後話聞いて」
曜「(果南ちゃん……なんて言うか期待してるよ、あとで千歌から話聞くからね…って、なんで、ひどいよ…)」
千歌「えー!?なんですぐ教えてくれなかったのー?気になって寝れなかった千歌がばかみたいじゃん!」
曜「ご、ごめんね千歌ちゃん」
千歌「それでそれでっ?」
曜「あ、えっと…」
千歌「早く教えてよ〜ね〜曜ちゃーん」
曜「…っあ、あのねっ、実はねっ」
曜「(千歌ちゃんにだけは、本当のこと言おう)」
曜「(嘘、つきたくないもん)」
曜「(大好きな千歌ちゃんに、嫌われたくないから)」
曜「(千歌ちゃんにだけは…)」
曜「実は、実はね、ルビィちゃんはダイヤさんにーーー」
梨子「2人ともおはようっ」 曜「…!」
千歌「あっ梨子ちゃん!おはよー!きいて、あのね昨日あの後曜ちゃん、果南ちゃんから話聞いたんだって」
梨子「そうなの?」
曜「う、うん…」
曜「(って、梨子ちゃんは知ってるじゃん…)」
千歌「だから、今話を聞こうと思って」
梨子「そうだったのね。私も聞いてもいいかな?」
千歌「もちろんだよ!ねっ曜ちゃんっ」
曜「う、うん、もちろん…」
梨子「あっ、でもその前に…曜ちゃんちょっといい?」
曜「えっ、う、うん」
梨子「…千歌ちゃんには“本当のこと”教えちゃダメよ」コソッ
曜「っ!?な、なん…」
梨子「万が一、助けに行こう!なんてことになったらどうするの?」
曜「それは…そうだけど…でも、」
梨子「今はAqoursを守る方が先よ、千歌ちゃんの為にも今は言うべきじゃないと思うの」
曜「でも、わたし千歌ちゃんに嘘は…」
梨子「曜ちゃん、千歌ちゃんが大切でしょう?」
曜「そんなの当たり前だよ、なんで梨子ちゃんにそんなこと言われなきゃいけないの?」
梨子「なら今は嘘をつくしかないって分かるでしょ?」
曜「…っ」
千歌「ねー!2人で何話してるの!?」
梨子「ふふ、ごめんね」
曜「あ、あのね千歌ちゃん」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています