真姫「ずるい人達」
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この私、西木野真姫はスクールアイドルグループ
μ'sのメンバーの1人
私達μ'sは私を含めて9人のグループ。
どの子も個性的で、こんなことは本人たちの前では言えないがみんな優しくいい子達。
私はそんなμ'sのみんなが大好き
でも、私の中で気になるメンバーが居る。
気になるからといってそこに深い意味はない。
あの2人は・・・何というか・・・ずるい人だなと思っている。 エリーこと絢瀬絵里
にこちゃんこと矢澤にこ
この2人はμ'sのミニユニットBi Biでも同じ2人
そして2人は3年生
ユニットが同じということもあってか
同学年である凛や花陽と同じくらいの時間を過ごしている気がする
エリーとにこちゃんこの2人こそ
私がずるいと思っている2人 まずはエリー
何といってもすごく美人
華やかな金髪
そして引き寄せられるぐらい綺麗なアイスブルーの瞳
正直羨ましい・・・
しかもスタイル抜群で・・・
私だって・・・スタイルには自信はあったが彼女の隣たつと引け目に感じてしまう
エリーはずるい 次ににこちゃん
アイドルへの思いは強く、知識も豊富
常に可愛くあろうとあれこれヘンテコな美容法を実践している
そのためか本当に肌は綺麗
顔立ちだって童顔で非常に可愛らしい
スタイルは・・・年齢の割に幼く見える
しかし、にこちゃんと同じくらいアイドル通な花陽いわく需要があるとのこと
若く見られることはそれにいいことだとママが以前言っていたし・・・
にこちゃんはずるい 凛「ねえ真姫ちゃんここ分かんないよ〜」
テストでの赤点回避にむけて凛の勉強を見ていた時のことだ
真姫「ちょっと待ちなさい・・・・。えっと・・・ここは・・」
いくら優秀な成績を収める私だって分からないこともある。
答えに困ってしまった。
絵里「あら、凛。ここ分からないの?これはこうやるのよ」
凛「えっと・・・あっ!ほんとだっ。絵里ちゃんすごいにゃ!」
エリーは私が答えられなかったところすんなり答えてしまう。
困っているところを見て助け船を出してくれたのだろうか。
ありがとうと伝えるべきところだけど・・・
なんだか悔しい・・・ 絵里「真姫。凛の勉強見てくれてたのね。助かるわ。ありがとう」
真姫「べ・・別に、凛が赤点取ったら私達も困るでしょ・・・当然よ」
本当はエリーに助けてもらったことにありがとうを言わなければいけないのに
なぜかエリーに感謝されてしまった。
絵里「フフッ・・・。そうね」
「ほらっ。凛せっかく真姫が見てくれてるんだから頑張りなさい」
凛「うんっ。赤点取らないよう頑張るにゃ!」
絵里「ほんとはもっと頑張ってほしいんだけどね・・・」 エリーは運動だって凛の次くらいに出来る
それなのに成績も常に学年トップクラス
私もエリーと同じくらい勉強できるけど・・・
エリーのように文武両道とまでいかない・・・
エリーはずるい 絵里「あっ。そうだ真姫」
真姫「何?エリー」
絵里「さっきのところ、あとで真姫にも教えてあげるわね」ボソボソ
真姫「っ!・・・・お願いするわ・・・」
こうやって気が回せるところが羨ましい
そしてずるい にこ「ねえ。絵里〜。真姫ちゃん〜ちょっとだけなの〜」
「おねがい〜」
みんなでプールに遊びに行ったときのこと
にこちゃんが私とエリーの2人を用があるといって呼びだした
なんでも・・・にこちゃんがバイトしているプールの中の喫茶店で人手が足りなくなったらしい
そのため、私達に少しの間だけ手伝ってほしいみたいだった。 絵里「いくらなんでも急すぎるわよ・・・」
にこ「そんなこと言わないで〜。それにバイト代も弾んでくれるみたいなのよっ」
絵里「全く・・・仕方ないわね・・・ちょっとだけなんだからね」
にこ「やったー!ねえ真姫ちゃんも〜お願い〜」
真姫「分かったわよっ。全く・・・にこちゃんたら仕方ないんだから・・・」
いつもはみんなに弄られているのに、妙に甘え上手なんだから・・・
ことりの次に断りずらい
にこちゃんはずるい 凛「にこちゃん。にこちゃん!今日ラーメン食べに行こうよっ!」
にこ「仕方ないわね〜。今日はママも家に居るし、付き合うわ」
花陽「今日はご飯大盛りにしようかなぁ・・・」
にこ「花陽・・・ほどほどにしないとまた海未に怒られるわよ・・・」
にこちゃんは家に妹さんと弟さんがいる
そのためか意外と面倒見がいいところがある にこちゃんはすんなり他学年の輪の中に入ることが出来る
私だって・・・μ'sに入ってから凛や花陽と会話できるようになった
上級生もエリーや希の計らいのおかげで少しずつ話せるようになった
しかし・・・それでも・・・口下手な私は言葉に詰まることがある
生まれついての性分なのかなかなか素直になれないところがある
素直に思いを伝えられるにこちゃんが羨ましい 凛や花陽はすごく良くしてくれる
高校生で初めて出来た友達だ・・・
それでも・・・私は昔からずっと一緒に居る2人につい遠慮しがちだ
ずっと一緒にいる2人の邪魔になっていないだろうか・・・
そんな風に考えてしまうこともある・・・
にこちゃんは2人に対してもそんな遠慮はしない
素直でいられて・・・遠慮せずいられるにこちゃん
にこちゃんはずるい にこ「何ぼさっとしてんよ。真姫も行くわよ」
真姫「ええっ・・私もいいの?」
にこ「あんた何遠慮してんのよ・・・もしかして都合悪かったかしら?」
真姫「そんなこと・・・ないけど・・・」
凛「もうっ!真姫ちゃんも行くにゃ!凛のおすすめ教えてあげるにゃ!」
花陽「真姫ちゃんも行こうよ。あそこご飯も美味しいのっ」
にこ「花陽はご飯のことばっかりね・・・」 にこ「ほらほら。真姫も行くわよっ。みんなとラーメン行くのも楽しいわよっ」
真姫「うん・・・。ありがとう」
にこ「・・・・。ねえ真姫。凛にも花陽や私、μ'sのみんなに遠慮なんかしないでいいのよ」
「まあ少しは気持ち分かるけど・・・。私達友達なんだから・・・ね」
普段はすごく子供っぽいのに・・・
時々にこちゃんはお姉さんに見えてすごくかっこよく見える
にこちゃんはずるい ことり「真姫ちゃん・・・・すごく辛そうだよ・・・大丈夫?」
ことりが心配そうに尋ねてきた日があった
その日の前日。私は新曲のイメージがうまくつかめず作曲が出来ないでいた
散々頭を悩ませたが、余計に混乱してしまい
仕方なく眠ろうとするも眠ることが出来ず寝不足だった
真姫「大丈夫よ。ことり。ちょっとぼんやりしてただけなの」 身体は重い。万全のコンディションではない。自分でも分かっている
それでも・・・上手く踊れないところがあって、みんなに遅れをとりたくなかった
なによりμ'sのみんなには心配かけたくなかった
ことり「真姫ちゃん・・・無理しないで・・・」
絵里「ことりの言う通りよ。無茶は駄目よ。今日は無理せず休んだほうがいいわ」
そこまで酷い様子だったのだろうか・・・
有難かったが、遅れをとりたくない 真姫「エリー。私は大丈夫だから。続けさせて」
絵里「駄目よ」
「分かったわ・・・。これは先輩命令です。真姫あなたは私が保健室に連れていくからそこで休んでなさい」
真姫「・・・。分かった・・・」
μ'sに先輩後輩ないはずなのに、禁止にしたはずなのに
こんな時に使うなんて
エリーはずるい 練習中に休ませてもらって時間はどのくらい経ったのだろう
目を開くと心配そうに見つめているエリーの顔があった。
絵里「真姫。身体は大丈夫?」
「それと・・・さっきはきつく言ってしまって・・・ごめんなさい」
自分の体調を顧みずに無理をしていたのは私なのに・・・
私が意地を張って心配かけてしまったのに先に謝られてしまった
真姫「なんでエリーが謝るのよ・・・」
「その・・・身体は大丈夫だから・・・」
「心配かけて・・・ごめん」 絵里「真姫が大丈夫ならいいのよ」
「ねえ真姫。作曲・・・大変なのよね。私はそれにμ'sのみんなは真姫のように出来ないかもしれないけど、大変なら・・・何か手伝わせてほしいの」
真姫「私が迷惑を掛けているのに・・・。これ以上みんなに迷惑はかけられないわ」
絵里「迷惑なんて思ってないわ。そんなこと言わないで」
「私も、μ'sのみんなもあなたが作曲してくれて助かってるのよ。だからたまにはあなたの助太刀をさせてちょうだい」
「真姫にはもっと自分を大事にしてほしいの。私達にもっと頼ってほしいの。私達は友達なんだから」
そっと抱き寄せられ、頭を撫でられる。エリーの手は優しくとても柔らかかった
ねえエリー。女の涙は安くないのよ
エリーはずるい にこ「ねえ。見て見て〜。うさ耳だよ〜。にこに似合うと思うの〜」
希「おおっ!にこっちよく似合ってるやん!ウチはどうしようかなあ〜」
海未「このジンベエザメのぬいぐるみ・・・可愛いです///」
穂乃果「ちょっと海未ちゃん!これはことりちゃんの衣装づくりに必要な資料なんだよっ!遊んじゃ駄目だよっ!」
普段は暴走しがちな穂乃果がみんなをなだめている。
穂乃果には悪いがかなり珍しい光景だ ことりの衣装のアイデアの参考にとにこちゃんがどこから大きな箱を引っ張りだしてきた
こんなのどこにあったのだろう。にこちゃんは物持ちがいいらしい
箱の中には動物をモチーフにしたであろうアクセサリーやぬいぐるみまで・・・
かなりの数入っており、さっきからみんな楽しそうだ
凛「凛は猫耳つけるにゃ〜」
花陽「凛ちゃんよく似合ってるよっ!」 ことり「はわぁ〜みんなすごく可愛いよぉ〜」
肝心の衣装担当がこんな様子では今日は衣装のアイデア出しどころではないだろう
穂乃果「ああっ!ことりちゃん〜。しっかりしてよ〜」
「もうっ!穂乃果だってみんなみたいにする〜」
珍しく場をなだめていた穂乃果もついに折れた
これでいよいよ収集がつかなくなってしまった 絵里「わたしはこのキツネの耳が気に入ったわ。どうかしら?」
ただでさえ美人なんだからそんなの気にしなくても似合うだろう
エリーはずるい
にこ「うさ耳よく似合うでしょ〜。まあにこはなんでも似合うけどね〜」
うさ耳私もつけたかったのに・・・すっかり出遅れてしまったみたい
にこちゃんはずるい こうしてぼんやり眺めているとみんな可愛いななんて思ってしまった
思えばμ'sのメンバーの中でつり目なのはこの私だけ
私の雰囲気や気が強そうと見られがちなつり目のせいで私のことを怖がる子も居たっけ
これは誰にも話したことのない私の小さなコンプレックス
私には似合わない気がする にこ「ねえ絵里〜。見てよ。真姫ちゃんうさぎだよ〜」
絵里「ハラショーよ真姫。可愛いじゃないっ!」
私がぼんやりとみんなを眺めているうちに後ろから
うさ耳をつけられたみたいだ
絵里「ねえみんな見てよ。この真姫すごく可愛いでしょ?」
にこ「にこの次くらい素敵でしょ?うちの真姫ちゃん」
真姫「ちょっとやめてよっ!恥ずかしいんだけどっ!」
希「ほんまや〜。よく似合ってるやん。真姫ちゃん」
ことり「ほんとに可愛いよ〜。ねえみんなでせっかくだから写真撮ろうよっ!」 真姫「ちょっと・・・大事になったじゃない・・・2人のせいで・・」
絵里「そんなこといわないでよ〜せっかく似合ってるんだから堂々としてなさいよ」
にこ「そうよ〜せっかく絵里と2人でプロデュースしたんだから〜」
真姫「私こういうの・・・あんまり似合ってないんじゃないかしら・・・」
絵里「みんなが可愛いって言ってくれてるのよ真姫。自信もちなさい。あなたは可愛いわよ」
にこ「何か気にしてるみたいだけど・・・。あんたにこと同じぐらい可愛いんだから堂々としてりゃいいのよっ」
どうやらこの2人には私の抱えるコンプレックスはお見通しのようだ
マイペースそうに見えてよく周囲に気が利かせられる
2人はずるい ごめんなさい。
限界なので寝ます。
明日には完結させる予定です 素敵なメンバー達を通して真姫ちゃんのかわいいところが味わい深く描かれている 絵里「ねえにこ。こころちゃん達にあげるクリスマスプレゼントはもう準備してるの?」
にこ「当然でしょっ!こういうのは事前のリサーチ力が大事なのよ」
絵里「フフッ・・・。流石にこね。私も亜里沙に何かプレゼントを用意しようかしら?」
真姫「ねえ・・・それどういうことなの?」
クリスマスも近づく冬の日。ユニット練習中に2人が妙な話をしている
クリスマスプレゼントはサンタさんが用意してくれるものなのに・・
真姫「もしかして、にこちゃんとエリーはサンタさんに会ったことがあるの?」
思わず2人に尋ねてしまった 私も毎年サンタさんにお礼の手紙を書いているが・・・
そろそろ直接お礼を言いたい。少しずつ素直になれた今だからこそ
意地っ張りで素直になれない私に変わるきっかけを作ってくれたμ'sのみんなを・・・紹介したい
にこ「ちょっと!まずいのに聞かれたじゃないっ!」
絵里「ごめんなさい・・・。油断してたわ・・・」
何やら2人は慌てふためいている・・・
そんなにまずいことなのかしら・・・ にこ「仕方ない・・・。ねえ真姫。サンタさんなんだけど私も絵里も会ったことがあるの」
絵里「ちょっとっ!にこ!余計に話がややこしくなるじゃない・・・」
普段の落ち着き払ったクールな絵里の姿はどこへやらさっきからずっとあたふたしている
珍しい姿に思わず吹き出しそうになる
にこ「あんたが余計な話振ったからでしょうが・・・にこに話合わせなさいよ・・・」
こそこそとさっきから何を話しているのだろう
やっぱり聞いてはいけなかったのかしら・・・
でも2人だけの秘密なんてずるい 真姫「ねえ・・・。私サンタさんに会いたいの・・・」
絵里「・・・。真姫はどうしてそう思うの?」
これを口にするのは恥ずかしい・・・
でも2人が秘密にしたがってるなら腹を割るしかない
この2人は・・・友達なんだから・・・遠慮なんて必要ない
思い切って聞いてしまえ 真姫「私・・・。年に1度しかサンタさんと交流することはないんだけど・・・」
「サンタさんはいつも私を見守ってくれてるみたいなの・・・とても心配してくれてることもあって・・・」
サンタさんには私は友達が欲しいだの・・・素直になれる薬が欲しいだの随分無茶なお願いをしたことがある
無茶な要求のあとサンタさんは私をかなり心配してくれているみたいだったとパパが言っていたのを思いだす
真姫「私・・・今まで心配してくれたサンタさんにもう大丈夫って伝えたいの・・・」
「こんなに・・・素敵な友達に会えたよって教えたいの・・・」
一気にまくし立ててしまったが・・・誠意は伝わったのだろうか・・・
真姫「どうしたらサンタさんに会えるの?」 にこ「・・・。真姫。あんたの考えは分かったわ・・・」
「でも、ごめんね。今はまだ教えられないわ」
絵里「そうね・・。にこも私も高校3年生でしょ?もう少ししたら大人になれるから知ってるの」
「申し訳ないけど今は教えられない。あんまりわがまま言うとお願い聞いてくれなくなるわよ」
真姫「分かったわ・・・。なら仕方ないわね・・・」
満足いく答えは得られなかったが・・・。2人は真剣に答えてくれたのだ。
諦めるしかないだろう・・・
それにしても・・・高校3年生で先にサンタさんに会えた2人はずるい
羨ましいな・・・ 絵里「今はまだ早いけど・・・。手紙に書いたらいいじゃない。私達のことをもう大丈夫だよって」
真姫「上手く書けるかしら・・・」
にこ「真姫が伝えたいことを思いのまま書いたらいいのよ。きっと伝わるから」
2人がそう言ってくれたのなら・・・大丈夫だろう。
なんだか2人は急に大人びた気がする・・・
ずるいな・・・ そっか・・・2人は高校3年生なんだ・・・
少しだけ早く入学しただけなのに・・ずるい 2人は私より早く大人になるんだ・・・
・・・ずるい にこ「私達が卒業しても・・・あんたたちはスクールアイドルを続くなさい・・。μ'sの名前を残していくのよ」
絵里「私達が居なくなったあとのμ'sのことは・・・。在校生のみんなに決めてほしい」
「私達は卒業するんだから」
年が明けて、ラブライブに向けて練習を続けていく私達
だけど・・・そろそろ3年生が居なくなったあとのμ'sのことを決めなくてはならなかった
このことが全く頭になかったわけではない
今まで希、エリー、にこちゃんが当たり前に居て、9人でスクールアイドルとして輝いていた日々が楽しくて・・・
考えることを避けていたのだ
私達がどんなに願ったところで時は巻き戻ることはないし
3年生は卒業していく
9人で過ごした日々は確実に終わろうとしている これからμ'sは続けることになるのか
それとも3年生の卒業とともに終わりにするのか
1日中考えても答えは出せることはなく
私達在校生が答えをだすことになった
どちらに答えがなろうとも、辛い選択になるのに・・・
私達に決めろなんて・・・ずるい・・ 3年生が居なくなったあとのμ'sをどうするかなんて・・・
初めから決まっているじゃないか
私は・・・にこちゃんがエリーが希が居ないμ'sなんて嫌だ
かわりなんて誰も居ない
μ'sに憧れ、目標とする子達には悪いがμ'sはあの9人だからこそのものだ
それに私とエリーは希がどんな思いでμ'sと名付けたか知っている
にこちゃんだって・・・自分のいないμ'sは嫌なはずだ
私達に比べて多くの挫折を知る彼女にとってμ'sは・・・
ようやく輝くことが出来た唯一の場所なのだから・・・ 答えは終わりが見えた時点で出ている
μ'sは終わりの時が来た
みんなそれがあまりにも辛いから答えたくないのだろう・・・
にこちゃんやエリーはきっと嘘をついている
ずるい・・・ それから、私達はラブライブ終了後にμ'sを終わりにすることを決めた。
たくさん泣いて、いっぱい叫んだ。
それでもわたしは・・・
終わりにすると決めたのに・・・前をむけそうになかった。
一番辛いはずの3年生はウジウジすることなく、残り僅かな時間も精一杯輝こうとしているのに・・・
私はμ'sで居られた時間が終わってしまうことが怖かった
私は・・・ずるい μ'sから3年生が居なくなる。μ'sも終わることになる
それと同時に3年生が所属していたユニットも終わりを迎える・・
私とエリーとにこちゃん3人のBi Biも最後の時が来たのだ
私達3人はBi Biの最後を飾るLIVEの打ち合わせを行うこになった 絵里「私達Bi Biの最後のLIVEよ。これまで応援してくれたファンのみんなに楽しんでもらえるように最高のパフォーマンスを披露しましょう!」
にこ「そうね。最高のパフォーマンスを見せて、私達らしい華々しいラストをかざるわよっ!」
絵里「ラブライブが終了してからにはなるけど・・・気合入れてくわよっ!」
2人は今もこうして残された時間も輝こうとしている
私も・・・前を向かなきゃ。
なのに
真姫「嫌よ」
どうしてこんな言葉出てくるのだろう よせばいいのに
2人はもっと辛いはずなのに
真姫「最後なんて嫌よ」
「これで終わりになるLIVEになんて出たくないっ!」
こんなの子供の癇癪だ
2人をきっと悲しませてしまう
終わりを決めたはずなのにどうして
真姫「この3人のユニットまで終わりにしたくないっ!」
こんな言葉が堰を切ったかのように出てくる
どうしてこんな時に素直になれるのだろう エリーとにこちゃん
この2人は私が持っていないものを持っていて・・・ずっと羨ましかった
だからこそ、この2人の背中を追い続けた。
にこちゃんのように可愛らしい女の子になりたい
エリーのように綺麗なお姉さんになりたい
2人のように・・・優しくなりたい、もっと素直になりたい
勉強やダンス、アイドルのことだって・・・もっと教えてもらいたい
私は2人になりたい自分の姿を重ねていたんだ 今ならもっと・・・
2人に対して素直でいられるのに・・・
ありがとうと伝えられるはずなのに・・・
2人は私に対して与えるばかりで・・・わたしは2人になにひとつ返すことが出来ていない
恩を返すことが出来ないまま居なくなるなんて
ずるい エリーは困っているだろう
にこちゃんはいつまでもウジウジしている私を怒っているだろう
なにより2人は悲しんでるだろう
私は・・・最低だ 「真姫」
2人が私を呼ぶ声にハッとする
ずっとぼやけたままの視界から2人が微笑んでいる姿が見えた
どうして?
「ありがとう。真姫」
優しい2人の声が耳に入ってきた 絵里「真姫が私達のことをそういう風に思ってくれていて嬉しいな」
「私もこの3人で過ごせて本当に良かった」
にこ「真姫が私達に遠慮しないでくれるようになってくれて嬉しい」
「μ'sもそして私達Bi Biのことも大好きだから同じ気持ちで居れて嬉しいわ」
絵里「真姫は私達のことをずるいって思ってたみたいだけど・・・真姫も同じなのよ」
にこ「今になってそういうこと言うなんて・・・ずるいわよ・・」
絵里「私達3人ずるい者同士、似た者同士が集まったわけみたいね」 絵里「μ'sそしてBi Biもスクールアイドルで居られたから輝くことが出来た。本当に楽しい日々が過ごせた」
にこ「でもね。何度も言うけど私達は卒業しちゃうの。もうスクールアイドルで居られない」
絵里「私達は学生の間だからこそスクールアイドルとして輝けた、でももう学生では居られない」
にこ「私達がスクールアイドルとして居られなくなる・・・私達の居ないμ'sは嫌なんでしょ?だからおわりにしようって決めたじゃない」 絵里「それでもあと少しだけ・・・もう少しだけこうしてスクールアイドルとして居られる」
「真姫やみんなのおかげでね」
にこ「私も絵里も希も3年生みんな・・あんた達のおかげでこうした時間が出来た」
「私達は残された時間もスクールアイドルとして精一杯輝きたい」
絵里「でも、誰かが欠けてならないの。限りある時間μ'sのみんながいてくれないとこれは出来ない」
にこ「だから真姫。私達2人だけではBi Biでいられない」
絵里「私達2人のために力を貸してほしい。この3人で・・・最後まで輝きましょう」 どんなに私が駄々をこねても
願っても時は巻き戻ることはないし、終わりが見えた以上避けることは出来ない
だからこそ残された時間も精一杯輝いて、終わりを迎える寂しさをいつか笑いあえる思い出に昇華させようと2人は進むんだ
私は・・・ずるいからまだ2人のように考えられない・・・。
でも・・・そんな風に言われてしまっては拒むことなんて出来ないではないか
ほんとうにずるい
高校1年生と高校3年生・・・
たかが2年の差なのに・・・
2人と同じで居られなかったことが悲しかった にこ「それともう一つお願いがあるの」
絵里「ずるい私達2人から真姫へ最後のお願いよ」
にこ「大事なことだから何度でも言うわ。私達はこのBi Biでの最後のLIVEとラブライブが終わればスクールアイドルで居られない」
絵里「でもね。結局満足できそうにないみたいなの。こんなこと言っても仕方ないのにね」
にこ「こんなにも幸せな夢がみられたのにね。ずるいわよね私達」
絵里「ほんとにね・・・。まだまだ夢の途中のようだわ」 にこ「真姫。あんたまだスクールアイドル続けるんでしょ?まだ真姫には時間がたくさん残されてるじゃない」
絵里「もうスクールアイドルで居られない私達の分まで・・・残りの時間スクールアイドルとして輝いていてほしいの」
にこ「私達が・・・見ることが出来なかった夢の続きを・・・真姫から私達に見せて欲しい」 絵里「真姫がどう思ってるか知らないけど。あなたは本当に素敵な女性になったわ」
にこ「何度も言ったでしょ。自信をもちなさい。あんたにこに負けないくらい可愛いから」
絵里「私達3人でも本当に素敵な時間過ごせたわよね。だから・・・私は真姫のことずっと忘れない。また絶対会えるから」
「穂乃果達だっているのよ。あなたは1人じゃない。寂しいけど・・・今の真姫なら私達がいなくても大丈夫」
にこ「私達のことずっと追いかけてくれてたのよね。だったら大丈夫よ。私達のお墨つきなんだから堂々してなさい」
「それに・・・。お願いしたでしょ?ずっと見守ってるから・・・。真姫ちゃんは1人なんかじゃないよ」
「だから・・・私達に夢の続きを見させてっ!真姫!」 最後の最後に・・・とんでもないお願いをされてしまった
それでも・・・久しぶりに前を向くことが出来るようになった気がする
ウジウジしていた私に・・・終わることに怯えていた私を再び奮い立たせてくれた
今はまだ・・・届かない2人の背中。
それでも、私が見つめる先には2人が居る。
怯えている暇なんかない、先へ行く2人に追いつくために今を精一杯輝くんだ
もう一度前をむこう。 ・・・・あの日からどれぐらい経っただろう
私の先をいく2人のずるいお願いを聞いてから随分経った
穂乃果達も卒業し、凛と花陽それに私。μ'sのメンバーもついに私達だけになり
そして、私達もスクールアイドルとしていられる最後の時間が来た
本当にあっという間に過ぎ去ってしまった
私はあれから凛や花陽、穂乃果達残ったμ'sのメンバーで一緒にパフォーマンスをすることもあったが
少しずつその機会も減っていった
μ'sの9人、そしてBiBiの3人。ずるい私はその場所で歌うことにこだわった
それ以外の場所で歌うことは考えにくかった
凛や花陽は寂しがっていたが、快く私のわがままを受け入れてくれた
そのため1人で歌うことが多くなった。だけど寂しくはなかった 常に私の先にはにこちゃんとエリーが居た
怯えたり、寂しがる暇はなかった
あの2人のように時間の限り精一杯輝いた
そしてついに私もスクールアイドルで居られる時間の終わりを迎える
終わることに怯えていた私はもう居ない。残された時間も輝くためにそんなひまはない
私は・・あの2人に夢の続きを見せることは出来たのだろうか
でも・・・それも今日でおしまい。ずるい私達3人の夢も終わる
そろそろ開演の時間だ。
私は最後となるステージへむかう
残された時間も精一杯輝くために。私達の夢を見るために
最後に最高のパフォーマンスをしよう
開演のアナウンスが鳴る
私達の夢の終わりを告げるように
今、舞台の幕があがる。 これでおしまいです。
ほんとはもっと明るく終わりを迎えたかったのですが、自分の技量不足です。
しんみりした形で終わらせて申し訳ない。 自分で読み返していて恥ずかしくなるとこもありますが・・
色々レスくれたりして嬉しかったです。
お付き合いいただきありがとうございました。
全体的にほの暗くなったのが自分ですごく残念です・・・
何かアドバイス等ありましたら自分としてすごく嬉しいです。 さっき初めてこのスレ見つけたんだけど、とても良かった。
思っていることを素直に口にできない真姫やさりげなく気を使える絵里ちやにこっちが上手く書けてたと思う。
こういう作品好き。
しんみりが悪いみたいな書き方してるけど、明るい終わり方が良くてそれ以外はダメとか言う事は全くない。
アニメでも様々な葛藤が描写されてたし、こういう感情を持ってたとしてもなんら不思議じゃないと思う。 >>75
そう言ってもらえてすごく嬉しいです
本家には遠く及ぶことのない二次創作ですが
大好きなキャラクターの話を描くことが出来て楽しかったです
もっと色んな作品に目を通していきたいなと思いました
貴重なご意見ありがとうございました。 ずるいで区切られてるから短編集みたいで合間合間に読むことができたよ 真姫ちゃんのまきちゃんぶりを感じてまきちゃんだった 真姫ちゃんは劇場版でも終わらせる意志強かったから成長したんだなと読んで思った ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています