果南「欠けた約束と満ちた月、結ぶ月」
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果南「もしもーし、善子起きてる?」
善子「もしもし、果南?どうしたの?」
善子「大体真昼間なんだから起きてるに決まってるでしょ」
果南「いやー、昼まで寝てたりするのかなーって」
善子「私を何だと思ってるのよ」
果南「ゲームで夜更かしするとか言ってたから」
善子「ま、そういう日もなくはないけど…」 善子「で、要件は?」
果南「善子苺好きだったよね」
善子「ま、人間界では中々の供物ね」
果南「はいはい」
善子「流すな!」
善子「で?苺がどうしたの?」
果南「天体観測に行くよ!」 善子「どういうこと?何の関係があるの?」
果南「まぁまぁ、とにかく行こうよ」
善子「はいはい、行けばいいんでしょ?」
果南「よし、じゃあ開けて?」
善子「は?」
果南「今丁度着いたから」
善子「嘘」ソー 善子「ほんとだ」
果南「嘘なんかつかないよ」
善子「今開けるわ」
善子「向かいながら約束取り付ける人がいるかな普通」
果南「堕天使なんだから普通じゃないかなって」
善子「ま、それはそうだけど…」
善子「とにかく一旦上がって?」
果南「お邪魔しまーす!」 善子「で、苺が好きなことと天体観測の何が関係あるの?」
果南「いやー、6月の満月ってストロベリームーンって言うんだって」
善子「それで苺?」
果南「そう!これはもう善子を誘うしかないなって」
善子「ほとんど関係ないじゃない…」
果南「まぁ、いいじゃん」
果南「たまには先輩と水入らず月を眺めようよ」 善子「お月見にはまだ早いけどね」
果南「さぁさぁ、準備して」
善子「早くない?天体観測って夜にするものじゃないの?」
果南「夜に出かけるのは危ないからね」
果南「月なら夕方でも見れるでしょ?」
善子「なるほどね」
果南「早く行かないと帰り遅くなっちゃうからね」
善子「はいはい、ちょっと待ってて」
果南「はーい、焦らなくていいからね」 善子「お待たせ」
果南「早いね」
善子「まぁ、荷物もないしね」
果南「よーし、それじゃ行こうか」
善子「どうやって行くの?」
果南「んー?私の愛車!」
果南「取ってくるかちょっと待ってて」
善子(愛車?果南って誕生日まだよね?バイクとか?) 果南「お待たせ!」チリンチリン
善子「自転車かい!」
果南「どうしたの?」
善子「なんでもないわ、気にしないで」
果南「さ、後ろ乗って!」
善子「後ろ?」
善子(自転車で二人乗り?最高にリア充じゃない…) 果南「善子?」
善子「あ、ごめん、乗る乗る」
善子「っしょ…これでいいの?」
善子「てか、なんでこの自転車座布団ついてるのよ」
果南「昔から千歌とか曜とか乗せてたからね」
果南「よーし、しゅっぱーつ!」
善子「きゃっ…」ギュ 果南「お、善子そんなに抱きついちゃって、怖い?」
善子「こ、怖いわけないでしょ…てか、ヨハネだってば」
果南「はいはいヨハネ様、そのまま掴んでてね?」
善子「うむ、我を運ばせてあげっ…ひゃぁっ!」
果南「ごめんごめん揺れちゃったね」
善子「大丈夫…だけど、できればなるべく揺らさずお願い」
果南「りょーかい!」 善子「というか、そもそも私が断るかもって考えなかったわけ?」
果南「んー、善子なら付き合ってくれるかなって」
果南「そこまで考えてなかったなぁ」
善子「考えなさいよ…」
果南「そうだね、さすが善子、勉強になるなぁ」
善子「はぁ…で、どこまで行くの?」
果南「ほんとは山頂まで行きたいけど…」
果南「まぁ、今回のメインは月だから近くの公園でいいかな」 果南「善子もそれでいい?」
善子「ま、私は天体観測詳しくないから果南に任せるわよ」
果南「オッケー、じゃ、このままのんびり行こうか」
善子「大体なんで私を誘ったの?」
果南「ん?さっきも言ったじゃん」
果南「ストロベリームーンだから苺好きな善子が思い浮かんだの」
善子「それだけ?」 果南「ん…それだけ、ではないけど秘密!」
善子「なんで!教えなさいよ」
果南「月を見ながら教えてあげる」
善子「そんなもったいぶらなくたっていいじゃない」
果南「まぁまぁ、せっかく月を見るんだから」
善子「はぁ、分かったわよ」
果南「よしよし、そろそろ到着だね」 善子「ちょっと早かったんじゃないの?」
果南「いいじゃん、暗くなるのを待とうよ」
果南「なんだかんだ後少しだよ」
善子「そうね」
善子「あそこのベンチでいいんじゃない」
果南「そうだね、ちょっと待っててね」
果南「ほい、飲み物」 善子「わっと、お金払うわよ」
果南「いーよいーよ」
善子「そういうわけにはいかないわよ」
果南「今日無理やり連れ出したお詫びと付き合ってくれたお礼ってことで、ね?」
果南「たまには先輩風吹かさせてよ」
善子「分かったわ、そういうことにしといてあげる」
果南「ふふ、ありがと」 善子「そもそもストロベリームーンて何?」
善子「月が苺っぽくなるの?」
果南「その月の満月にはそれぞれ名前がついてるの」
果南「6月の満月はストロベリームーンって名付けられてるってわけ」
善子「ふーん、詳しいのね」
果南「好きだからね」
善子「じゃ、なんでストロベリーなの?」
果南「アメリカでの野苺の収穫がこれぐらいの時期らしいよ」
果南「そういう風に決めておくことで季節や何月かって把握してたのかもね」 善子「なるほどね」
善子「ちゃんと勉強してるのね」
果南「後輩にいいカッコしたいからね」
善子「それ言ったら台無しじゃない」
果南「あ、そうだった」
善子「ま、果南らしいわ」
果南「それって褒めてる?」
善子「褒めてるわよ」
果南「そうかなぁ?」
善子「私はストレートに言葉伝えたりなんてできないもの」 果南「私だって得意じゃないよ」
果南「鞠莉やダイヤと疎遠になってたのは私が素直になれなかったせいだからね」
善子「そんなの誰のせいでもないわ」
善子「また仲良くなれた、それでいいじゃない」
果南「善子…ハグっ!」
善子「ちょ、ちょ、急になによ」
果南「やっぱり善子はいい子だなって」
善子「ヨハネ!ヨハネは堕天使だからいい子なんかじゃないの!」
果南「堕天使だって元は天使でしょ?」
果南「いい部分も残っててもいいじゃない」
善子「ぅ…」
善子「もういいから!離して!」 果南「あぁ…」
善子「なに名残惜しそうにしてんのよ」
善子「で、話戻すけど…ストロベリームーンの由来が収穫時期ってことは別に月が赤くなったりはしないわけ?」
果南「そうだね、赤く見えるかもしれないけど、それはこの日限定じゃないしね」
果南「月の位置が低かったら光の加減で赤く見えることはあるらしいよ」
果南「詳しい原理はわかんないから理由は聞かないでね」
善子「理由は分からなくても別に気にしないわ」 善子「赤い月なんて堕天使にピッタリなんだけどな」
善子「月が赤くなると妖気たっぷりで堕天使パワーもアップしちゃうかも!」
果南「ふふ、今日赤く見えるといいね」
善子「あ、もう満月でてるわよ」
果南「嘘!先越されちゃった」
善子「別に先見たからって得があるわけじゃないでしょ」
果南「いやなんとなくさ」
善子「まぁ、綺麗な満月ではあるけど、赤くは見えないわね」
果南「辺りもまだ明るいしね」
果南「もうちょっと暗くなるまでのんびりおしゃべりでもしようか」
善子「のんびりねぇ…」
果南「いいでしょたまには、疲れた体もリフレッシュ!」 果南「おしゃべりしてたらちょっと暗くなってきたね」
果南「冷えたりしてない?大丈夫?」
善子「大丈夫よ、暑いくらい」
果南「夏の始まりだねぇ」
善子「そういえば、さっきの秘密ってなに?」
果南「あ、覚えてた?」
善子「当たり前でしょ」
果南「いや、この前善子だけ来れなかったでしょ?」
善子「あー、あったわね」 果南「善子寂しかったかなーって」
善子「別に…慣れてるから」
善子「楽しみな約束とかは雨が降ったり体調崩したりするものだと思って過ごしてるから」
果南「こら、卑屈にならないの」
果南「でも、それなら今日の私の行動は正しかったわけだ」
善子「どういうこと?」
果南「事前に約束してたら善子が風邪ひいてたかもしれないでしょ?」
善子「ふふ、確かにね」
果南「あの時の約束は善子が欠けちゃったからさ、埋め合わせじゃないけど…」
果南「なんて言ったらいいのかな」
善子「まぁ言いたいことはわかるわ、ありがと」 果南「せっかくだから願っとこうか」
果南「ストロベリームーンは願いが叶うとか幸運に恵まれるとか言われるみたいだよ」
善子「ふーん、願えばヨハネも不幸体質がなくなるのかしら」
果南「そうだといいね」
善子「ま、願うだけ願ってみるわよ」
善子「ん?月ちょっと赤い?」
果南「ん、そうだね、赤く見えるかも」
善子「じゃ、ある程度効果はあるみたいねこの月も」
善子「堕天使ヨハネを祝福してくれてるのかしら」
果南「早速願いが叶って良かったじゃん」 善子「果南はなにを願うの?」
果南「そうだなぁ…」
果南「私が願うのはストロベリームーンの一番有名なおまじない」
果南「赤い月の妖気にやられちゃったかな」
果南「ね、善子」
果南「月が綺麗だね」 おしまい!
ロマンティック果南ちゃん。
ストロベリームーンは今日から明日までみたいなのでちらりと覗いてきます。
過去分も見て頂けると喜びます。
ついったーにまとめてます。
@fffssyou ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています