ダイヤ「PM10時に貴女と繋がる」
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prrrr!prrrrr!
千歌「ん?ダイヤちゃん?」
千歌「もしもーし!」
ダイヤ「千歌さん?お久しぶりです」
千歌「久しぶりだねダイヤちゃん!」
千歌「どうしたの突然?」
ダイヤ「いえ、このような事態ですから、気になってしまいまして」
ダイヤ「遅くにごめんなさい、お時間大丈夫ですか?」
千歌「うん!大丈夫!」
ダイヤ「状況はどうですか?」
千歌「うーん、なんだろ、退屈かなぁ」
千歌「お手伝いもすることないし、歌詞も思いつかないし、勉強は分からない!」
ダイヤ「最後は堂々と言うことではないですが…」 ダイヤ「千歌さんの家は旅館ですから困ったことも多そうですね」
千歌「うーん、難しいことまでは分からないけど…」
千歌「それより!ダイヤちゃんは大丈夫なの?」
千歌「東京って大変そうだけど」
ダイヤ「そうですね、未曾有の危機ですからね」
ダイヤ「新しい生活に慣れない土地でこんなことになるなんて想像もしておりませんでしたわ」
千歌「みぞー?」
ダイヤ「とても珍しい、ということです」
千歌「なるほど、勉強になります!」 千歌「こっちに帰ってきたりできないの?」
ダイヤ「私が帰ることでルビィ達家族に迷惑をかけてはいけませんので」
千歌「そういうものかなぁ」
ダイヤ「そういうものです」
千歌「と・こ・ろ・でー?」
ダイヤ「なんですか急に気持ちわるい」
千歌「ダイヤちゃん辛辣…」
ダイヤ「貴女が急に変な声出すからです」
ダイヤ「で、なんですの?」 千歌「どうして私に電話してきたの?」
千歌「千歌ボイスが聞きたくなったとかー?」
ダイヤ「…そう、かもしれませんわね」
千歌「ふぇ?」
ダイヤ「もちろん、ルビィとは毎日連絡を取ってます」
千歌「毎日…」
ダイヤ「鞠莉さんも果南さんもなんだかんだ上手くやれてるようです」
ダイヤ「まぁ、あの二人ですから心配はしていませんけれど」
ダイヤ「そんなときにふと千歌さんの声が聞きたくなったのです」
ダイヤ「なぜだかは分かりませんがね」
千歌「ぇ、ぅぁ、そ、なんだ」 ダイヤ「ふふ、照れているのですか?」
千歌「だって、ダイヤちゃんにそんなこと言われるなんて考えたこともなかったし」
ダイヤ「貴女が言い出したことではないですか」
千歌「そうだけどー、そうじゃないの!」
ダイヤ「ややこしいですわね」
千歌「なんか、ダイヤちゃんに上手くしてやられてる気がする…」
ダイヤ「気のせいですわ」
千歌「卒業生てまだそんなに経ってないのに大人になった?」
ダイヤ「なにも変わってはいませんわ」
ダイヤ「ただ、Aqoursでの活動がほんの少し、ほんの少しだけ私を素直にしたのかもしれません」
ダイヤ「リーダーの性格が少し移ったのかもしれませんね」
千歌「えへへ…ダイヤちゃんとお話するの楽しいな!」
ダイヤ「褒めてもなにも出ませんわよ」 千歌「それでね、梨子ちゃんったらひどいんだよー」
ダイヤ「ふふ、それは千歌さんの自己責任では?」
千歌「あぁーもう!ダイヤちゃんまでー!」
ダイヤ「あら、もうこんな時間ですか」
ダイヤ「そろそろお開きにしましょうか」
千歌「えー、まだ大丈夫だよー」
ダイヤ「いけません、ずっと家にいるからといって生活リズムを崩してはいけませんので」
千歌「ちぇー」
ダイヤ「久々に千歌さんの声が聞けてよかったですわ、ありがとうございました」
千歌「うん…」 ダイヤ「なんですか、そんな暗い声出して」
千歌「だって…寂しい」
ダイヤ「そんな子どもみたいなこと」
千歌「いいもん、私まだ高校生で子どもだもん」
ダイヤ「電話ぐらいいつでもできるでしょう?」
ダイヤ「卒業したからといって私達の絆まで切れてしまったわけではないですから」
千歌「いいの?」
ダイヤ「構いませんわ」
ダイヤ「可愛い後輩の頼みは断れません」 千歌「じゃあ、明日も電話してもいい?」
ダイヤ「急ぐことなら今でも聞きますわよ?」
ダイヤ「話すだけでも気が紛れるかもしれませんし」
千歌「ううん、話したいけど、明日にする!」
千歌「その方が明日もダイヤちゃんの声が聞けるし」
ダイヤ「そうですか、ではまた明日」
千歌「うん、またね?」 ダイヤ「断れない…か」
ダイヤ「電話かけたのは私なんですけどね」
ダイヤ「ふぁ…久々にたくさんおしゃべりして疲れましたわ」
ダイヤ「もう遅い時間ですし、このまま寝てしまいましょうか」
ダイヤ「今夜はいい夢が見れそうです」
ダイヤ「誰もいないと分かってはいますが…」
ダイヤ「おやすみなさい、千歌さん」 千歌「ふっ!」ガバッ
千歌「時間決めておけばよかった…」
千歌「いつなら大丈夫だろ」
千歌「こんな朝から電話するのも迷惑だよね」
千歌「昨日と同じ時間ならいいかな」
千歌「連絡してみよ」
千歌「おはようございます!昨日と同じ時間に電話してもいいですか?と」
千歌「さぁ、今日はなにしようかなぁ…」
千歌「課題はあるけどやる気出ないし、歌詞も思いつかないし…」 ダイヤ「こんばんは」
千歌「ダイヤちゃん!」
ダイヤ「しょっぱなからテンション高いですわね」
千歌「だって退屈だったんだもん」
千歌「ダイヤちゃんとの電話が楽しみで待ちきれなくて…」
ダイヤ「なっ…」
ダイヤ「ゴホン…学校から課題くらい出てるでしょう?」
ダイヤ「計画的にやっておかないと学校が始まったときについていけなくなりますわよ」
千歌「えー、だってもうついていけてないし…」
ダイヤ「Aqoursのリーダーがそんなのでどうするんですの!」
千歌「えー、だってぇ…」 ダイヤ「だってぇ、ではありません!」
ダイヤ「卒業できなくなっても知らないですわよ」
千歌「そこまでバカじゃないよぉ」
ダイヤ「今後の話ですので、今までは関係ありません」
ダイヤ「曜さんや梨子さんと一緒に卒業できなくなっては嫌でしょう?」
千歌「それは、絶対いや!」
ダイヤ「なら、今頑張りましょう?」
ダイヤ「この間に曜さんも梨子さんも追い抜かしてびっくりさせてやりましょう」
千歌「じゃあ…さ、教えてくれる?ダイヤちゃんが勉強…」
ダイヤ「へ?」 千歌「ごめんね、やっぱりダイヤちゃんも忙しいよね」
千歌「ちゃんと自分で頑張るから…」
ダイヤ「いえ、少しぐらい構いませんわよ?」
ダイヤ「私も…今は時間を持て余しておりますし…」
ダイヤ(千歌さんと話せる時間も…)
千歌「ほんと!やったぁ!」
千歌「ダイヤちゃん?聞いてる?どうしたの?」
ダイヤ「いえ、千歌さんと話せる時間も少しは増えるのかなと思いまして…ハッ」 千歌「えー、そんなに私と話せるの嬉しいー?」
ダイヤ「ニヤニヤしないでください」
千歌「見えてないじゃんー」
ダイヤ「電話越しに伝わってきます」
千歌「最近の電話ってすごいねー」
ダイヤ「私はガラケーですがね」
千歌「じゃ、私とダイヤちゃんがすごいんだ」
千歌「心も繋がってるんだよ」 ダイヤ「…やはり、貴女にはかないませんわ」
千歌「なにが?」
ダイヤ「なんでもありません」
千歌「えー、なんでもあるじゃん!」
千歌「教えてよー」
ダイヤ「昨日千歌さんに電話をした私は間違ってなかったということです」
千歌「んんー?どゆこと?」
ダイヤ「昨日は偉そうにこんな状況ですが大丈夫ですかと電話しましたが」
ダイヤ「大丈夫でないのは私だったのです」 ダイヤ「大丈夫でないのは私だったのです」
ダイヤ「全く新しい新生活のはずがこれですからね」
ダイヤ「右も左も分からないような土地、大学のシステム」
ダイヤ「不安にならないなんて到底無理なことです」
千歌「ダイヤちゃん…」
ダイヤ「そんなときに、不思議なことに千歌さんの声が聞きたくなったのです」
ダイヤ「果南さん、鞠莉さんと仲直りできたときのように導いてほしかったのか、私らしくないとちゃんとしてなさいと諭されたかったのか」
ダイヤ「Aqoursのリーダーとして最高の輝きを放つ貴女に私の暗い心を照らして欲しかったのかもしれません」 千歌「ダイヤちゃん!」
千歌「ルビィちゃんにもらったぬいぐるみ!あるでしょ?」
ダイヤ「なぜそれを千歌さんが…」
千歌「そのぬいぐるみギュッてして?」
ダイヤ「ぬいぐるみを?」
千歌「うん、私もね今ギュッてしてるの」
千歌「ね、なんだかあったかい気がしない?」
ダイヤ「そう、ですね」
ダイヤ「暖かい…です」
千歌「ほら、やっぱり心は繋がってる!」 千歌「ダイヤちゃんは今1人だけど、いつでもそばには私達がいるよ!」
ダイヤ「ありがとう、ございます」
ダイヤ「すごく心が軽くなりました、それと…」
ダイヤ(見えるはずがないですが、それでもやっぱり貴女の笑顔が見れたような気がします)
千歌「それと?」
ダイヤ「ふふ、秘密です」
千歌「えーずるい!」
ダイヤ「千歌さんの成績が上がれば教えてあげます、きっと」
千歌「むぅぅ…」 ダイヤ「さ、今日はもうおやすみしましょうか」
ダイヤ「明日は朝から課題に取り組んでくださいね?」
千歌「えーもう?」
千歌「もう少し…」
ダイヤ「ダメです、夜はしっかり眠って朝勉強した方が効率がいい…らしいですよ」
千歌「でもぉ…」
ダイヤ「それから…」
ダイヤ「明日はまた同じ時間でよろしいですか?」
千歌「うんっ!!」
ダイヤ「では、また明日、おやすみなさい千歌さん」
千歌「おやすみなさい、ダイヤちゃん」 千歌「えへへ…」
千歌「ハッ!顔がにやけちゃってる」
千歌「いっぱい勉強すれば褒めてもらえるかな?」
千歌「分からないところいっぱい質問しちゃおうっと」
千歌「さ、早く寝ようっと」
千歌「おやすみ、ダイヤちゃん!」 ダイヤ(あれから毎日決まった時間に貴女と話すのがお決まりになっていましたが…)
ダイヤ「そろそろ学校も再開ですね」
千歌「うん」
ダイヤ「久々の練習で倒れてはダメですわよ?」
千歌「ちゃんと自主練もしてるから大丈夫だよー」
千歌「ダイヤちゃんも学校始まるの?」
ダイヤ「そうですね」
ダイヤ「徐々に…ではありますが始まっていくようです」
ダイヤ「今までも遠隔授業も多少はありましたが…」
千歌「じゃ、あれだよね、忙しくなっちゃうよね?」
ダイヤ「…今までのようにはいかないでしょうね」
千歌「そ、だよね」 ダイヤ「別に学校が始まったからといって、今後一切おしゃべりできなくなるわけではないでしょう?」
ダイヤ「授業を受けて、目一杯勉強して練習して、仲間と悩んで成長して、疲れて帰ってきて眠りにつく」
ダイヤ「それでいいのではありませんか?」
千歌「そう…だよね」
千歌「私このままじゃ、ダイヤちゃんに頼りっきりなっちゃうね」
千歌「ダイヤちゃんがいなくてもこれだけやれるぞ!もっとすごいんだぞ!って見せなきゃダメだもんね!」
ダイヤ「ふふ、私達も新生Aqoursのパフォーマンスを楽しみにしております」
千歌「でも、なんだかやっぱり寂しいなぁ」
千歌「この時間にダイヤちゃんと話してるのが当たり前の気がして…」
ダイヤ「寂しいのは私もですわ」 ダイヤ「でも、これが終わるということは今度は手を取り合いながらお話もできる時が近づいているということです」
ダイヤ「そのときには、色々なところに行きましょう」
ダイヤ「先日話していたカフェに行くのもいいですし、水族館で一日のんびりするのもいいかもしれません」
千歌「ダイヤちゃん…」
千歌「それって…デートのお誘い?」
ダイヤ「ふふ、そうかもしれませんね」
千歌「へ?」
千歌「もうっ、ダイヤちゃんも冗談が上手くなっちゃって」
ダイヤ「千歌さんの指導の賜物かもしれませんね」
ダイヤ「でも、いいでしょう?」
ダイヤ「今後の楽しみを決めておくのも」
千歌「うん…」 千歌「ね、ダイヤちゃん、今日はもうちょっと…」
千歌「もうちょっとだけ…いい?」
ダイヤ「…ええ、いいですよ」
千歌「私ね、このお休みの間に勉強もいっぱいしたし、練習もいっぱいしたし、作詞もした」
千歌「Aqoursのみんなともいっぱいお話したの」
千歌「曜ちゃんと梨子ちゃんとは今まで以上にお話したと思う」
千歌「曜ちゃんは飛び込みもある、船長さんになるって夢もある」
千歌「梨子ちゃんはピアノがある」
千歌「私にはなにがあるんだろうって」
千歌「Aqoursの活動は楽しい、それもとっても」
千歌「でも、一人でいるとその先が私には見えないの」
ダイヤ「…千歌さん」 ダイヤ「私だってそんなもの分かりませんわ」
千歌「え?でもダイヤちゃんはお家が…」
ダイヤ「そんなもの誰にも分かりませんわ?」
ダイヤ「すべてルビィに押し付けて私は何処かへ逃避行、なんてことがあるかもしれない」
千歌「ダイヤちゃんはそんなことしないでしょ?」
ダイヤ「ま、例えばの話ですわ」
ダイヤ「この大学生活で私にもどうしても叶えたい夢ができるかもしれない」
ダイヤ「私の家だって昔からあるだけで、時代の流れでそのあり方も変わってくるでしょう」
ダイヤ「夢がなくったって結構じゃないですか」 ダイヤ「夢がないということは夢を見つけられる楽しみがあるのですから」
千歌「夢を見つける楽しみ…」
ダイヤ「そのためにたくさん勉強するのもいいかもしれないですし、スクールアイドルとして最高に輝くこともいいかもしれない」
ダイヤ「すべてを今決める必要なんてありません」
ダイヤ「色々な出会い、出来事で今があるでしょう?」
ダイヤ「それを追いかけてればいずれ何か見つかるかもしれません」
ダイヤ「未来はいつだって自由です」
ダイヤ「なんて、私も今探している最中ですので、明確な答えなんてありませんが…」
千歌「ううん、ありがとう!」
千歌「私追いかけたいもの見つけちゃった!」 千歌「ね、ダイヤちゃんの大学ってどれぐらい難しい?」
ダイヤ「え?私は推薦ですので受験難度は詳しくないですが、一般的には高い方なのでしょうね」
千歌「そっか、でも私頑張る!」
ダイヤ「千歌さんが私の大学に?」
千歌「うん、勉強もスクールアイドルも全力で!」
千歌「私は全力でぶつかることしかできないからさ」
ダイヤ「千歌さんならきっと問題ありませんわ」
ダイヤ「千歌さんと一緒に勉強できる日を楽しみにしております」 ダイヤ「そのときには時間を気にせずに、いつからだっていつまでだってお話しましょうか」
千歌「うんっ!」
ダイヤ「今度はその笑顔をじっくりみたいものです」
千歌「ふふ、見えてないでしょ?」
ダイヤ「では、違うのですか?」
千歌「ううん、正解っ!」
ダイヤ「でしょう?」
ダイヤ「心はいつだって繋がっていますからね」 おしまい!
この機会をと思ってこの状況のお話しばかり書いてる気がする
千歌ちゃんとダイヤさんって案外千歌ちゃんがからかわれてたりしそうかな?
過去分も見て頂けると喜びます。
ついったーにまとめてます。
@fffssyou 途中1行ぐらい被ってたり、ダイヤさんが頭痛が痛いみたいな重言になってしまってることはご容赦ください。
あげた後で気付くとしょんぼりしちゃう。 乙
久しぶりにダイちか読んで心がほっとしました
言葉尻は別にそんなに気にしなくていいと思います、読んでて気にならなかったので
過去作も読ませていただきますね この状況ならではだね、いいちかダイだった
ダイヤさんの大学の不安にも共感してしまう ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています