穂乃果「卍解」千歌「なん…だと…」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
???「この辺りですか…」
一月十八日。午後二時二十三分 金曜日
???「――成程…強い魄動を感じます…。」
斯くて刃は振り下ろされる。 氷雪系最強の噛ませポジションになりそうなのは誰なんだ?
氷…寒い…ロシア… 理亞「うわあああああん!!」
理亞「ぶっころしてやる!!!」
穂乃果「その意気だよ!!」
理亞「私のブレード返せ〜〜〜〜!!」ジダンダ
穂乃果「それはダメ!」ブーッ
千歌「楽しそうですね」ザッ…
穂乃果「!」
千歌「天下の高坂穂乃果さんが弱い者いじめが好きなんて知りませんでした」
理亞「弱い者…」グスン
穂乃果「…嫌いだよ、弱い者いじめは…」 穂乃果「だから千歌ちゃんとも、戦いたくないんだけどな……」
千歌「ほざけーっ!」バッ
千歌「『金毘加』!!」ピッカアアアアア!
穂乃果「うわまぶしっ!」
シュンッッ
千歌「ほら!」グイッ
穂乃果「あっ…」
千歌「お姉さんが妹からもの取り上げちゃダメでしょーが!」ビシッ
千歌「はい理亞ちゃん!」ポイッ 理亞「って!」シュンッ
パシッ
理亞「投げないでっ!」
千歌「どういたしまして!」
理亞「お礼言ってない!」
穂乃果「…いいね、千歌ちゃん」パチクリ
穂乃果「よーしそれならっ!」バッ
千歌「!」
ボオオオオオオオオオオオ 理亞「千歌、さ――」
ボオオオオオオオオオオオ
穂乃果が『焔饅頭』を解放して振ると、千歌と二人、爆炎の中に包まれる。
穂乃果「これで二人きり、ジャマは入らないよ」ニコッ
千歌「望むところです!」グッ
ボオオオオオ…
海未「やれやれ、『城郭炎上』ですか」
海未「暑苦しくて参りますね……」 海未「にしても」
曜「………」
海未「思ったより冷静ですね」
海未「穂乃果と一対一…」
海未「死にますよ、千歌」
曜「……千歌ちゃんのスゴさは、私が一番よく知ってる……」
海未「はあ」
海未「で?」
曜「負けるよ、穂乃果ちゃん」
海未「…………」
曜「海未ちゃんとどっちが早いかな…」 海未「フフ…抜かしてくれます」
海未「その減らず口を叩けなくしてあげましょう」クルッ
ス…
海未が背中を向けて髪をかき上げる。うなじに刻印。
“3”
曜「……海未ちゃんほどの力で、まだ三番目なの…!?」
海未「私ほどの力?」
海未「私の力の底など、まだ貴方に見せた覚えはありませんよ…?」ドオッ
曜「!!」
曜「月ちゃん下がって!」
月「う、うん!」ブウンッ 海未「『さかさまのさかさまを見てごらん』」
海未「『スキは常にキライの裏』」
曜「…………」
海未「『かわいくて憎らしいそうよそうよ』」
海未「『それがいわゆる恋なんです』」
海未「縛道の九十六――『るてしキスキしてる』」
カッ
曜「!?」
海未「ようこそ――さかさまの世界へ」 曜「何…コレ……」
海未「言いましたよ曜」
海未「縛道の九十六『るてしキスキしてる』」
海未「数多くの“歌道”とその詠唱を開発した私ですが…これは中々の自信作です」
曜(上下――――…)
曜(いや、左右も逆か)
海未「ご覧の通り、見えてるものの上下左右を逆にします」
海未「曜、いくら貴方が天才といえども、この状態で私の『神弓』を――」キリキリ…
逆さまの世界で海未が矢をつがえる。
海未「躱せますかねっ!」ヒュッ 曜「すごい…上下左右がまるで反対だ」
ビュインッ
曜「前後もね」クルッ
海未「!」
曜「気づかないとでも思った!?」ブンッ
スカッ
曜「え!?」
ブスウウッッ
曜「――――ッ」 曜「なっ……」
背中から、海未の『神弓』は曜の身体を深々と貫いた。
海未「気づかなかったようですね。上下左右前後逆……」
海未「ついでに、見えてる方向と射られる方向も逆です」
曜「……つ…っ」ガクンッ
海未「…これがAqoursの飛車角の一角を謳われる渡辺曜の最期ですか」
海未「呆気ないにも程があります、興ざめですね」
曜「」
海未「はてさて、次に私の『神弓』が射抜くのは……果南か、それとも…」 バシャアッ
海未「!?」
海未(曜の身体が溶け――)
ピチャピチャ…
海未(これは…水人形!?)
サアッ…
海未「!」
海未(月に切り落とされた“夢の木”の残骸が消え…)
ゴオオオオオオオオオ ブクブク…
海未(…空中に水が集まっていきます……)
海未(しかももの凄い量…)
ブクブクブクブク…
海未(これは)
「念を入れておいてよかった…」
海未「!!」
曜「こんな子供だまし、一回しか通じないだろうけど…それで十分」スクッ…
曜「もう“詰み”だからね」 曜「卍解――――」
ド ン
曜「『大紅蓮曜候丸』」
海未「なるほど」
ゴオオオオオオオオオオ ブクブク ブクブク…
海未「花陽じゃ勝てぬわけです」
曜「海未ちゃんもだよ」 渡辺曜――『蒼浪丸』
卍解:『大紅蓮曜候丸』
形状:空中戦艦。それに乗る曜にも制服と帽子ができる。全部水。
能力:水分の隷属(人体は対象外)。水を操る攻撃の威力も始解時とはケタが違う。 希「穂乃果ちゃんと〜千歌ちゃん」
希「フムフム」
希「で」
希「海未ちゃんと〜曜ちゃん」
希「フムフムフム」
希「でで」
希「ウチと〜…」ツー…
鞠莉「ハロー♪」
ダイヤ「よろしくお願いいたします」
希「う〜ん、なんで?」 聖良「同感ですね」
聖良「余計なお世話ですよ…というか邪魔です」
ダイヤ「そう言わないでください」
鞠莉「千歌っちはAqoursのリーダー」
鞠莉「リーダーが敵のリーダーとタイマン張るって言うなら、私たちは黙って見守るしかできない」
ダイヤ「曜さんは天才です」
ダイヤ「その戦いに私達が手を貸す理由はありませんわ」
聖良「私もないと思うんですけど」
ダイヤ「相手が違うでしょう」 ダイヤ「要は希さん…貴方を買っているのですわ」
希「ありがた迷惑やね」
聖良「はあ………まあ良いですけど、足は引っ張らないでくださいよ」
ダイヤ「誰にものを言っているんですの?」
ダイヤ「『舞武天盾』」バサアッ
鞠莉「『金属宿』!」ジャラジャラン
聖良「…潮時ですかね」
聖良「理亞!」
理亞「!」
理亞「……」シュンッ… 希「?」
希「なんで理亞ちゃんを?」
理亞「…………」ムス…
聖良「私達は二人で二本です」
希「???」
聖良「行きますよ、理亞」
理亞「うん」
聖良理亞「今踊れ」
ジャギイイイイン…
聖良「『雪天狂骨』」 花陽「あれは!!」
花陽「スクールアイドル界広しといえども二つしかない“二刀一対”の斬魄刀、『雪天狂骨』!!」
花陽「まさかこの戦いで拝めるとは…!」
凛「かよちん楽しそうだにゃ〜」
花陽「ちなみにもう一つはにこちゃんの『政宗』です!」ビシッ
真姫「聞いてないわよ」
花陽「そしてこっちは…何度見てもスゴい!」
花陽「曜さんの『大紅蓮曜候丸』!!デカい!デカすぎます!」
真姫「…あれが…………」
真姫「フンッ」プイッ 花陽「こんな戦いが見られるなんて…」ウットリ
花陽「やっぱり皆さんを『ORION』から出してあげて良かったぁ〜」
凛「よかったね!かよちん!」
果南「へえ…曜ったらもう卍解出すんだ」
果南「ずいぶん買ってるんだね、海未ちゃんのこと」
真姫「……」ジトー…
真姫「果南、貴女…」
果南「ん?なに?」
真姫「なにって…私達と一緒に呑気してていいわけ?」
真姫「貴女以外のAqoursはみんな戦ってるけど」 果南「う〜ん…そう言われても」ポリポリ
果南「他対一は趣味じゃないんだよね〜…」
真姫「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」ハア…
真姫「どこまでおめでたい頭してるのよ…」
「全くね」ザッ…
真姫凛花陽「!!」
絵里「揃いも揃って…本当におめでたい……」
凛「あ……あ……」ガチガチ
真姫「…絵里………ッ」プルプル 絵里「敵をのこのこ戦場まで運んだ裏切り者が……高見の見物でスクールアイドルの戦いを楽しむ」
絵里「認められないわ」
凛「絵里ちゃん…」オロオロ
真姫「…………」ドッドッドッ…
花陽「…………せん」
絵里「え?」
花陽「誰であろうと!絵里ちゃんであろうと!!」
花陽「私の“研究”とご飯の時間を邪魔するのだけは許しません!!」
絵里「…許さないと…どうなるのかしら」
花陽「踏み出せ!!」バッ 花陽「『炊込地蔵』!!」
凛「かよちん!落ち着――」
絵里「だからおめでたいというのよ」
ス…
絵里「露(さら)け出せ」
凛「ひっ…」
真姫「………………」ドドドドドドド
コオオオオオオオ…
絵里「『永零智禍(えれちか)』」
to be continued… 何気に歌道の発想がすごい。ちょっと感心してしまった のぞえりは格が違う感じなのかな
明らかに値下がりしてるうみみはちょっと応援してる 破道の九十『黒乳首』を期待してスレ内検索したのに無かったので残念 >>641
エアプどころか確信アンチなみの頭の悪さ 絵里「…………」コオオオオオオオ
“解放”された絵里のラブライブレードは露のように消えうせた……。
花陽「『永零智禍』」
花陽「世にも珍しい、刃のない――実体のない斬魄刀」
凛「〜〜〜〜〜」ガチガチガチガチ
真姫「…………」ドドドドドドド
花陽「なのに美しい」
花陽「おかしな話だけど、見えない刀を美しいと感じてしまう」
花陽「不思議です…」
絵里「…流石に肝が据わっているわね」
絵里「この状況で落ち着いている。中々できることじゃないわ」 花陽「いいえ!」
花陽「落ち着いてなんかないよ、絵里ちゃん」
絵里「……」
花陽「さっきから、ホラ…」
花陽「震えが…」プルプル
絵里「…正直ね」
花陽「震えが……!」ブルブル
絵里「そういうところはあなたの良いところ…」
花陽「絵里ちゃんみたいな最高のスクールアイドルを好き放題できるって考えたら!!」
花陽「震えが止まってくれないのぉ!!」 花陽「いただきます!!」バッ
ザアアアアアアア
凛(お米の波状攻撃!速い!)
真姫(また腕を上げたわね…)
ピタアアアアッ
花陽「!」
真姫(でも)
絵里「興奮するとどうにも抑えが効かなくなる」
絵里「そういうところはあなたの……悪いところよ、花陽」コオオオオオ パリイイイイイン
花陽「白米が…」
絵里「で、もう終わり?」
花陽「…………」プルプル
絵里「無駄な抵抗は」
「待ちなよ」
四人「!」
果南「よそのグループやり方に口出しするのは野暮だけどさ」
果南「3年生、それも生徒会長が1年生をイジめるなんて……感心しないな〜ん」 絵里「…下手な嘘はやめなさい」
絵里「あなたが突っかかってきたのはそんな理由じゃないでしょう」
果南「アハハ、バレた?」
果南「噂通り賢そうだね…」
真姫「……果南…ッ」
絵里「それと私は元会長よ」
果南「どうでもいいよ。さっきのはタテマエだからね」
絵里「……」
果南「始めようか」ニカッ 絵里「…………」
絵里「救えないわね」
果南「?」
絵里「そんな全身水分の身体で私の前に立つなんて……」
コオオオオオオオオ
真姫「!!」
絵里「自殺行為もいいところだわ」
真姫「果南下がって!!」
真姫「既に『永零智禍』の射程距離に入って――」 果南「」カッチコーーーン
凛「あ……ああ〜!」ガクガク
絵里「伝えるのが遅すぎたわね、真姫」
真姫「馬鹿!何しに出てきたのよ!!」
絵里「私の『永零智禍』は氷雪系最強」
絵里「その“冷気”の刃に触れるものはみな全て、一瞬のうちに凍りつく」
花陽「………………」ブルブル
絵里「果南ならいざ知らず…残ったあなたに言っても」
絵里「釈迦に説法ではあるけどね…………花陽」
花陽「…いただきます……いただきますよ絶対……」ブルブルブル 絢瀬絵里――『永零智禍』
解号:「露(さら)け出せ」
形状:気体。不可視。
能力:瞬間冷凍。 希「贅沢な眺めやね」
希「強い強いスクールアイドルの斬魄刀解放を、同時に三つも拝めるなんて」
ダイヤ鞠莉「…………」
希「鞠莉ちゃんの『金属宿』」
希「ダイヤちゃんの『舞武天盾』」
希「それに…」
シュンッッ
希「ん」
聖良「『雪天狂骨』」バッ
聖良「『雪合戦』」ブンッ ボボボッ
希「好きやねえ不意打ち!」ヒョイッ
希「説明ぐらいしてくれても…」
聖良「――」シュンッッ
希「!」
聖良が希の頭上に飛ぶ。
聖良「『滑雪』」ビュインッッ
希「お〜こわっ」シュンッッ
聖良「…………」キキィーッ 希「はいはい、一旦落ちつこっか」
聖良「…………」
ダイヤ(恐ろしく速い反応)
ダイヤ(付け入るスキがありませんわね)
鞠莉(三…四対一とはいえ、簡単には勝たせてもらえそうにないわね)
希「で、結局教えてくれないの?」
希「その『雪天狂骨』の能力…」
理亞「馬鹿じゃないの!?そんなの言うわけ――」
聖良「“遊び”ですよ」
理亞「姉様!?」 聖良「私達の『雪天狂骨』の能力は子供の“遊び”を現実化することです」
希「へえ、遊びを」
理亞「………」
聖良「理亞!」
理亞「!」
聖良「『狂骨』を私に」
聖良「あなたは後衛から“歌道”中心にサポートお願いします」
理亞「………」コクリ
ポイッ
聖良「どうも」パシッ 希「晴れて二刀流…ここからが本領ってワケやね」
希「恐いな〜…」
聖良「そう思うなら、“解放”したらどうですか?」
希「…それもそうやね……」
ゴゴゴ…
全員「!」
ゴゴゴゴゴゴ
希「…何、これ……」
希「雲が……っ」
ダイヤ「…やはりこちらに来て正解でしたわね」チラッ… 鹿角聖良・理亞――『雪天狂骨』
解号:「今踊れ」
形状:二刀一対の青竜刀。
能力:子供の遊びを具現化する。 ゴオオオオオオオオ ブクブクブクブク…
海未「大層な卍解ですね……」
海未「数多くのスクールアイドルの卍解を目にしてきた私ですが」
ゴオオオオオオオオオオオオオオ
海未「これほどの巨大さは……はて」
海未「今まであったかどうか…」
曜「だろうね」
曜「この船より巨きいのは、私も見たことがない」
海未「とはいえ」
曜「……」
海未「とはいえです、曜」 海未「ウドの大木という言葉もあります」
海未「大きさだけでは卍解の性能は測れません」
海未「そして、忘れたわけではありませんよね?」
海未「曜、貴方は既に私の…『るてしキスキしてる』の術中にあります」
曜「…………」
海未「どんな大砲もどんな強弓も、当たらなければ無用の長物」
海未「立派な“大木”ですよ」クスリ
曜「…本当はね」
曜「私の『大紅蓮曜候丸』のデザインに…“大砲”は要らないんだよ」
海未「…?」
曜「まあ、かっこいいから要るんだけど…」 ゴゴ…
海未「!」
曜「『大紅蓮曜候丸』の“砲身”は“空”」
ゴゴゴゴゴゴ…
海未(穂乃果が『焔饅頭』で掻き消した雲がまた…)
曜「“砲弾”は……その下の全ての水だよ」
パラ…
海未(雨…)
曜「『水天百海葬』」 ポツンッ…
海未「――!」
ブワアアンッ
海未「なっ…」
海未の肩――落ちた雨粒を始点に、水が広がる。
ザバザバザバザバ…
水は油を注いだ炎のように、みるみる増え広がっていく。
海未「なんですこれは………!!」
曜「『水天百海葬』」
曜「こうやって空は雨をつくり、雨は海をつくってきた…」 ザバザバ…
海未(空間が…水で満たされていきます…!)
ザバザバザバザバ…
海未(溺れる……!)
海未「くッ!」バシャッ
曜「……」
海未「こんなもの、私の“歌道”で吹き飛ばし――」
ポツン…
海未「……――――」ゾク…
ザアアアアアアアアアアアアア 降り注ぐ雨。水の塊は海未を飲み込み、尚際限なく拡がっていく……。
海未「こっ――」ゴボ…
ザブンッ
海未「ぷはぁっ」
海未「ッこんな――」ゴボゴボ…
曜「人間は海には勝てないよ」
曜「海未はあなただけどね」
海未「――……」ブクブク…
曜「ごめんね」
曜「穂乃果ちゃんには………会わせてあげられない」 渡辺曜――『蒼浪丸』
卍解:『大紅蓮曜候丸』
形状:空中戦艦。それに乗る曜にも制服と帽子ができる。全部水。
能力:水分の隷属(人体は対象外)。水を操る攻撃の威力も始解時とはケタが違う。 穂乃果「よしこいっ!」
千歌「たああっ!」シュンッッ
穂乃果「!」ヒョイッ
カスッ…
穂乃果「速いね!」
穂乃果「流石に理亞ちゃんとは“瞬歩”のレベルが違う…」
千歌「そりゃどうも!」シュンッッ
穂乃果「“瞬歩”では互角かな――」
千歌「はあっ!」ブンッ 穂乃果「いや!」シュンッッッ
スカッ
千歌「――!」
穂乃果「私の方がちょっとだけ速いね!」
穂乃果「もらった!」ブンッ…
千歌「ふんっ!」ピッカアアアアア!
穂乃果「わっ!」ガバッ
千歌「ていっ!」ブンッ
穂乃果「っ!」シュンッッ
千歌「ちぇっ、惜しい…」
穂乃果「目が!目が〜!」 穂乃果「“輝き”で目潰しって!」ゴシゴシ
穂乃果「やることがセコいというか、主人公の戦い方じゃない…」パチクリ…
穂乃果「!」
千歌「だったら……これならどうです!?」
ドドドドドドドドドド
千歌「主人公らしいでしょ〜〜〜!」
穂乃果(これは…花陽ちゃんが言ってたやつ!)
千歌「『輝ラ輝ラ天衝!!』」ブンッ
キラアアアアアアアアアア 穂乃果「あぶないっ!」シュンッッ
千歌「…!」
ボッ…
“輝き”は穂乃果の影をとらえらえず、二人を囲う爆炎の中に消えた……。
穂乃果「うっわぁ〜…あんなの当たったらひとたまりもないよ……」
穂乃果「当たらないけどねっ!」ビシッ
千歌「…………」
穂乃果「さ〜て、そろそろこっちからも…」
千歌「当たらないなら…」
穂乃果「え?」 千歌「当たらないなら、捕まえちゃえばいい!」
千歌「縛道の十二!」
千歌「『サンシャインぴっかぴか音頭』!」ピッカピカ!
穂乃果「!」
千歌「さあさあ!」
千歌「よっといでよっといで〜!」クイックイッ
穂乃果「光が……」
シュウウウウ…
穂乃果「あっちからこっちから……身体にまとわりついて…!」モゾモゾ
穂乃果「動きづらい!!」
千歌「あそ〜れそれ!」 穂乃果「…馬鹿にしないでよね…!」モゾモゾ
穂乃果「こんなの私の『焔饅頭』で一思いに…」
千歌「無理だね!」バッ
千歌「縛道の四十一!『想いよひとつになれ』!」
穂乃果「!」
ギュウウウウウ
穂乃果「光が…重…!」
千歌「想いがいっぱい詰まってるからね!」
穂乃果「………完全に動けない……」ギュウウウ… 千歌「あ、今のは“想い”と“重い”をかけた……」
穂乃果「…『だいじな』」
千歌「!」
穂乃果「『ことは』」
千歌(…ヤバい……!)
穂乃果「『あしたを信じる』」
千歌「もっと重く…」グッ…
穂乃果「『アリアケエガオ』――――」 千歌「くうっ――」
穂乃果「破道の九十一」
穂乃果「『愛は太陽じゃない?』」
バアアアアアアンッ
千歌「うわーっ!」バッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
千歌「た…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
千歌「太陽を……創った……!」
千歌「熱――」 カッ…
千歌「!」
穂乃果「強い光は弱い光をかき消す…」パラパラ
穂乃果「こんな風にね」ニコッ
千歌「くっ…」
穂乃果「さあ千歌ちゃん!」バッ
穂乃果「攻守交替だよ!私の太陽!」
穂乃果が千歌に向けて直接太陽をぶっ放す。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
穂の果「さばいてごらん!」 千歌「…得意の“歌道”でも全然歯が立たないなんて…」
千歌「やっぱりスゴいな……穂乃果さんは……」
穂乃果「…ありがとう」ニコッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
言っている間にも、太陽はゆっくりと千歌に迫っていく……。
千歌「しかたない!」
穂乃果「…?」
千歌「昨日の今日どころか今日の今日…実戦で使うのは初めてだけど」ス…
千歌「ここで使わずいつ使う!」
バッ
千歌「卍解!!」 ピッカアアアアアアアアア
穂乃果「わっ!!」ギュッ
輝き一閃。爆炎の中が光で満ちる――。
穂乃果「…っ」パチクリ…
キラキラキラキラキラキラ…
穂乃果「……」
穂乃果「キレイ……」
穂乃果の瞳に、光輝く黄金の建造物が映る……。
千歌「『金毘加蜜柑甘々照(きんぴかみかんかんかんでり)』」 カッ
穂乃果「うわっ!」バッ
ピッカアアアアアアアア
穂乃果「“輝き”が、また一段と……」クウ…
シュン…
穂乃果「あっ!!」
穂乃果「私の『愛太陽』が!」
千歌「…………」
ピッカアアア…
穂乃果「消えちゃっ、た…!?」 千歌「何を驚いてるんです?」
千歌「自分で言ったばっかじゃないですか」
穂乃果「……!」
千歌「強い光は、弱い光をかき消す!」
キラキラキラキラキラキラキラキラキラ
千歌「つまり!」
カッ
穂乃果「ぐッ!?」バッ
千歌「いちばーん強い私の“輝き”は!!」
ピッカアアアアアアアアア
千歌「全てをかき消すのだ――!!」 穂乃果「……っ」ギュッ…
ピッカアアアアアアア
穂乃果(全身がヒリヒリする…!)
穂乃果(服の上からでも関係ない…これじゃ日焼けしちゃうよ〜!)
千歌「フンッ!」グッ
カアアアアアアアアアアア
穂乃果(ま、まだ“輝き”が上がるの!?)
穂乃果(これじゃとても目を開けられない…)
千歌「さあて…」ス…
ドドド…
穂乃果「!」 千歌「今度は当てますよ…」
千歌「いくら私でも…目も見えない穂乃果さんにコイツを当てられないほどドジじゃない……」
ドドドドドドドド
穂乃果「……っ」
千歌「“輝き”は100倍!だから威力は10000倍!!」
千歌「喰らって爆発四散しろーっ!!」キラキラキラキラ
穂乃果(マズい……!)
千歌「卍解版!!」
千歌「『輝ラ輝ラ天衝オオオオオオ』!!」ブワンッ
キラアアアアアアアアアア カッ
千歌「!」
パラパラ…
穂乃果「ふう…間に合ったね」
千歌「な……」
穂乃果「卍解」
千歌「なん…だと…」
プスプスプスプス…
穂乃果「『あんこの太刀』」
to be continued… カアッッ
曜「!?」
ジ…
鞠莉「な――」
ダイヤ「なんですかこれは!?」
聖良「…熱い……」
希「…『あんこの太刀』……」チラッ
ボオオオオオオオオオ…
希「…終わりやね、千歌ちゃん」 フツフツ…
曜「!!」
シュウウウウ…
曜「海が……『水天百海葬』が…………」
シュウウウウウウウウ
曜「蒸発していく……!」
海未「ぷっはぁ!」バシャアッ
曜「…………」
海未「全く……ッ……馬鹿にしてくれましたね…曜……」ハアハア
海未「この借りは高くつきますよ……」 千歌「な……」
千歌「何……ソレ……」
穂乃果「『あんこの太刀』」プスプス…
穂乃果の手に持つ刀は『焔饅頭』のときより小さく、黒く煤焦げている。
穂乃果「私の卍解だよ」
千歌「…私の…」
千歌「私の…『輝ラ輝ラ天衝』は……?」
穂乃果「消し飛ばした」
千歌「!!」
穂乃果「この子でね…」プスプス… 千歌「…そんな……!」
千歌「そんなちっぽけな刀で……私の1万倍『輝ラ輝ラ天衝』を……!」
穂乃果「見た目で判断しちゃダメだよ」
穂乃果「『あんこの太刀』の熱量は、『焔饅頭』の1000倍」
穂乃果「だから威力は100万倍だよ」
千歌「ひゃく……ま…」
ジッ…
千歌「ううッ!」
千歌「…熱い……ッ」ダラダラ
穂乃果「さあ千歌ちゃん!もう一回!」ス…
千歌「……!」 穂乃果「千歌ちゃんの“輝き”と私の“熱”……」
穂乃果「どっちが強いか勝負だよ!」ビシッ
千歌「…………」
千歌「…アハ」
穂乃果「……」
千歌「流石……流石穂乃果さん……」
千歌「最高ですよ……そういうの……」
穂乃果「ありがとう」
千歌「でも」 千歌「後悔しますよーっ!!」バッ
ピッカアアアアアアアアアア
穂乃果「!」
キラキラキラキラキラキラ…
穂乃果「これは…!」
千歌「私の卍解の…『金毘加蜜柑甘々照』の全ての輝きをこの一撃に込める!!」キラキラキラキラ
ドドドドドドドドドドドドド
千歌「最後の『輝ラ輝ラ天衝』だーーー!!」 千歌「今更ヤメなんて言わないでくださいよー!」
千歌「穂乃果さん!!」
穂乃果「もちろん!!」
穂乃果「私も、私の“熱さ”を全部次の一刀にこめる……」ス…
シュウウウウウウウウ…
二人を取り囲む『城郭炎上』の爆炎が、『あんこの太刀』に戻っていく…。
曜「!」
曜「アレは…」
海未「ほう…まだ息がありましたか、千歌」
穂乃果「燃やし切ってあげるよ!千歌ちゃんの輝き全部!!」 千歌「やれるもんなら――」
千歌「やってみろーーーー!!」ブワアンッ
千歌「『輝ラ輝ラ天衝オオオオオオオオアアアアア』!!」
キラアアアアアアアアアアアアアアア
穂乃果「………」スッ…
Dear 千歌ちゃん
穂乃果(千歌ちゃんは――Aqoursは、本当にすごいスクールアイドルになったね)
ブンッ…
穂乃果(確かに――輝いてたよ)
斬ッッッ カッ
千歌「!!」
パラパラ…
千歌「…ッ」
千歌「そんな……」
穂乃果の一振りで、放たれた“輝き”は空しく霧散した。
千歌「私の…最後の『輝ラ輝ラ天衝』が…………」
穂乃果「………」
千歌「…くっそ………」
穂乃果「千歌ちゃん……」
千歌「くっそおおおおおお!!」 シュンッッ
千歌「!」
穂乃果「惜しかったね」ブンッ
グサアアッ
千歌「――――ッ」
穂乃果「あと、もう一欠けら……」
穂乃果「もう一粒でも“輝き”が多かったら、私が負けてたよ」
千歌「……ゲホッ」
穂乃果「本当に…がんばったね……」
千歌「く……そ………っ」
ガクンッ 千歌「」
穂乃果「……ふぅ」
穂乃果のブレードに貫かれ、千歌は力尽きた……。
穂乃果「危なかった…千歌ちゃんがここまでやるなんてね…」
穂乃果「Aqoursは、私達が最初思ってたより、もっと強いスクールアイドルになってたんだね……」
穂乃果「海未ちゃんは大丈夫かな……?」
海未「穂乃果!!」
穂乃果「!」
穂乃果「良かった、海未ちゃ――」
海未「貴方一体何やっているんですかッッ!!?」 穂乃果「え――――」
「ほ……」
ぐにゃあ…
穂乃果「!!?」
ことり「ほ……穂乃果…ちゃん……」ゲフッ…
穂乃果「えっ」
穂乃果「こっ…………ことりちゃ…!?」
見ると、穂乃果が串刺しにしているのは千歌ではなくことりだった。
穂乃果「えっ!?なんで!?」
穂乃果「どっどっどっどういうこと!?!?」 千歌「ごめんなさい千歌さん」ザッ…
穂乃果「!!」
穂乃果「千歌ちゃ…」
千歌「さっき貴方に見せた卍解……『金毘加蜜柑甘々照』」
千歌「アレは嘘です」
穂乃果「なっ…」
千歌「私の本当の卍解の名前は『金毘加水月』」
千歌「有する能力は――完全催眠です」
穂乃果「かんぜん……さいみん!?」
千歌「もう少し優しく言うなら」
千歌「一度でも私の『金毘加』の解放時の輝きを見た人に対して、五感全てを支配する」 穂乃果「そんな……っ!」
穂乃果「じゃあさっきまでのは全部……」
千歌「幻です」
千歌「夢って言ったほうが、もしかしたら分かりやすいかもしれませんね」
穂乃果「……いつから…?」
千歌「はい?」
穂乃果「一体いつから、『金毘加水月』を使ってたの!!?」
千歌「いつから……?それならこちらも聞きます」
千歌「一体いつから…『金毘加水月』を使っていないと錯覚してたんですか?」 穂乃果「…くっ……」
ことり「…ゲフッ」ビクンッ
穂乃果「!!」
ことり「…な……」
穂乃果「ことりちゃん!しゃべらないで!」
穂乃果「待っててね!今“回道”で…」
ことり「何度も…言おうとしたよ……」
穂乃果「……………………」
穂乃果「えっ……?」 ことり「でも穂乃果ちゃん……千歌ちゃんと闘うのに夢中で……」
穂乃果「……………」
ことり「気づいて欲しかったよ……穂乃果ちゃんには…」
ことり「一番に気づいて欲しかった…」
ことり「だって穂乃果ちゃんは初めてできた友達だよ…ずっとそばにいた友達だよ……」
穂乃果「…あ…」
ことり「そんなの…」
海未「穂乃果!!」
海未「耳を貸してはいけません!!けして――」
穂乃果「うわあああああああああ!!!」
千歌「……」
穂乃果「千歌――」バッ… ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています