穂乃果「卍解」千歌「なん…だと…」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
???「この辺りですか…」
一月十八日。午後二時二十三分 金曜日
???「――成程…強い魄動を感じます…。」
斯くて刃は振り下ろされる。 ことり「言ったよね?」
ことり「『小夜啼鳥恋詩』の中では硬さなんて無力」
ことり「愛情たっぷりの私の『輝夜』は万物を貫通しちゃいます♡」
ルビィ「善子ちゃんっ!」グルッ
善子「あ………っ……」ガクガク
ルビィ「急所……は外れてる」ホ…
ことり「外したんだよ」
ルビィ「!」
ことり「なんでって?決まってるでしょ?」
ことり「死んで楽になんてさせない」
ことり「私の善子ちゃんには、もっともっと痛くて苦しくて惨めで悔しい目にあってもらうんだからね♡」 花丸「瞬閧!」
ルビィ「!」
花丸「『刀剣乱舞』!!」ズドアッ
ルビィ「花丸ちゃん!まだ無理しちゃ――」
花丸「たあっ!」ブンッ
花丸がことりの背後に飛んで、『お休南無三』を首筋めがけて振り下ろす。
ブツッ
花丸「!!」 花丸「な……」
花丸(斬りつけたこっちの刃が……欠け……)
ことり「愛情たっぷりの私の体は、敵意ばっかりの花丸ちゃんの刃を貫通する」
ことり「ルール通りだよ」
ルビィ(滅茶苦茶だ…)
花丸(こっちの理屈はまるで通じないずら!)
ことり「こうして戦えば戦うほど、みんなは私が怖くなっちゃう」
ことり「私はそんなみんなを見て、もっともっとイジメたくなっちゃう」
ことり「つまり…戦えば戦うほどみんなの愛は無くなっちゃうし、私の愛はどんどん大きくなっちゃうんだよ♡」
善子(こんな……こんな愛があってたまるか!)ワナワナ 花丸「こうなったら…」ズドアッ
ことり「!」
花丸「この鳥籠をぶっ壊すしかないずら!」ブンッ
ことり「アハ♡」
ガキイイイン…
花丸「……ッ」ジーン…
ルビィ(びくともしない…)
ことり「確かに、卍解自体を壊しちゃえば、全てが愛に左右される世界は終わる」 ことり「でも、もちろんこの卍解自体にもルールは適用される」
ことり「卍解と持ち主は一心同体……」
善子「…………ッ」
ことり「だから結局、みんなが私に愛で勝たなきゃ、鳥籠を壊すこともできないよ♡」
花丸「イカレてるずら……こんな能力…!」
善子(…そうだわ!)ハッ
善子(こんなスゴい卍解…必ず何かの制限があるハズ……)キョロキョロ
善子「!」
善子「あれは……」
てがかりを探す善子の目が、上空――鳥籠の頂点で止まる。 善子(砂時計――!時間制限だ!!)パア…
ことり「……」クスリ
善子「え…………」
一瞬晴れかけた善子の顔が、すぐにまた絶望に変わる。
善子(なんで…まだあんなに…)
善子(あれじゃ……あと……何時間…………)
ことり「にわか知識だね♡善子ちゃん♡」
ことり「こういう、持ち主自身にも能力が適用される場合は、それ自体が最大のリスクなんだから」
ことり「制限なんてないか、あってもゆるゆるだよ♡」 善子「そんな……」グスン
ことり「泣いちゃったぁ♡」ジーン
善子「だっ…誰か!!」
善子「誰か…………助けてー!!」
ことり「アハハハハハ♡」
ことり「カワイイ♡カワイイよぉ♡」
ことり「でも……それは花陽ちゃんの特権だよね」
花丸「助けてずらー!!」
ことり「残念♡無念♡ムダムダムダ♡」
ことり「この鳥籠は音も光も通さないんだから」 ルビィ「じゃ、じゃあ…どうやっても、外から助けが来ることはないの……?」
ことり「アハ♡」
ことり「ないよ」
ルビィ「誰も…………絶対に気づいてくれないの……?」
ことり「気づいてくれないよ」
ルビィ「絶対に……?」
ことり「しつこいなあ」
ことり「な・い・よ♡」
ルビィ「…そっか…」 ルビィ「ありがとう」
ことり「うん?」
ルビィ「――――がんばり狂え」
パアアアアアアアア
ことり「!?」
聞きなれぬ解号で、ルビィの『紅降倫』が紅く発光しながら孔雀のように広がる――。
ルビィ「『紅玉色降倫(ルビーいろぷりん)』」 南ことり――『皆臨好(みなりんすき)』
卍解:『小夜啼鳥恋詩』
形状:巨大な鳥籠。頂点に砂時計がついている。
能力:敵と自分を籠の中に閉じ込める。籠の中では、霊圧の大小・硬度にかかわらず、愛(相手をカワイイと思う気持ち)の強い方が弱い方を貫通する。 ことり「何……コレ……」
グルッ グルッ
ことり「!」
ギュウウウウウウ
ことり「――ッ!」
ルビィの斬魄刀――元は盾だったソレが、触手になってことりの体に絡みつく。
ことり「こんなもの……」グッ…
ルビィ「ムダですよ」 ことり「んっ…!」
キュウウウウウ
ことり(力が……吸われる……!?)
ことり「!」
ポタ…ポタ…
触手の根本――斬魄刀の持ち手の下から、何か黄色い液体が垂れる。
チュルルル…
ことり(プリン……!?)
ルビィ「そのプリンは……ことりさんの霊圧を絞って作ってます」 ルビィ「今からことりさんの霊圧を全部……プリンにして頂いちゃいます」
ことり「そんなことさせると…」グッ
ギュウウウウウウ
ことり(動けない…!)
ことり「…どうして今になってこんな技を……」
ルビィ「ルビィは……この『紅玉色降倫』を人に見せたくないんです」
ルビィ「いや……見せちゃいけないんです」
ことり「なんで――」 ルビィ「怒られるから」
ことり「…え………?」
ルビィ「前にお姉ちゃんのプリンを食べちゃった時から……」
ルビィ「お姉ちゃん……『紅玉色降倫』を見ると……すっごく怒るから……」
―
――
―――
ルビィ「がんばり狂え!『紅玉色降倫』!」キャッキャ
ダイヤ「片付けて」
ルビィ「え……」
ダイヤ「それ……見たくない」 ことり「…くっ……」
ことり「『輝夜』!」ピカッ
ボスッ…
ことり「!」
レーザービームは、『紅玉色降倫』を貫かない。
ルビィ「ムダですよ」
ルビィ「もうことりさん、ルビィのことを怖がってる」
キュウウウウウウウ
ルビィ「カワイイなんて思えなくなってる」
ことり「…………!」
ルビィ「…年季が違うんだよ」 ルビィ「ルビィはずっと!μ’sのことが大好きだった!」
ルビィ「ことりちゃんのことも、ずっとカワイイって思い続けてきた!」
ルビィ「今さらちょっぴり怖いところ見せられたって――――」
キュウウウウウウ
ことり「ぐっ……」
ルビィ「ことりさんは!カワイイ!」
キュウウウウウウウウ…
ことり「……はっ…」
ルビィ「……」
ことり「はっ……はぁ……」 ことり「こ…こんな……はぁ…」
ことり「こんな…ッ」ダラダラ
ルビィ「………………」
ルビィ「アハ♡」
ことり「――ッ」
ルビィ「苦しそうなことりさん…」
ルビィ「ルビィに負けて死んじゃうことりさん……とってもカワイイですよ♡」
パリィィィン
ことり「」ガクンッ
鳥籠が割れて消え、ことりは遂に力尽た……。 ルビィ「ふう…」
善子「やったわね…ルビィ」ヨロッ…
花丸「ルビィちゃん、すごいずら…」ヨロヨロ
花丸「でも知らなかったな…『紅降倫』が本当の始解じゃなかったなんて……」
ルビィ「うん…『紅降倫』はお姉ちゃんのために作った仮の名前なんだ」
ルビィ「この名前だと、途中までしか解放できなくて…」
ルビィ「それでも形が盾にはなるから、使いようはあるしね」
善子「…でもよく使わずに我慢してたわね」
善子「あのままだったら私たち……」
ルビィ「お姉ちゃんの嫌がる顔は、もう絶対に見たくないもん」
ルビィ「敵に負けて、死ぬことになってもね」
善子「…大した奴だわ…ホント……」 ルビィ「あっ、でも、ゴメンね!」
ルビィ「善子ちゃんや花丸ちゃんには、そんなの関係ないのに…」シュン…
善子「バカ」
善子「今更そんな遠慮のいる仲じゃないでしょ。好きにすりゃいいわ」
善子「私だって好きにやるしね」
花丸「完全に同上ずら」
ルビィ「…二人とも…ありがとう……」ニコッ…
花丸「それより……」ペロリ
ルビィ「?」
花丸「そのことりさんの霊圧で作ったプリン、食べられるずら〜?」
ルビィ「…!うんっ! 」 ルビィ「これを食べれば、傷も霊圧も一気に回復……」
プルプル…
ルビィ「ん?」
プルプルプル…
花丸「プリンが……震えて……」
善子「――ッ!」ゾクッ…
善子「違う!!」
花丸「え?」
ドドドドドドドドドドド
善子「震えてるのは……空気よ…………!」 ルビィ(まさか――)グルッ
ルビィ「!」
ことり「……」ムク…
ルビィ(まだ息があったの――!?)
ことり「…………」
ルビィ(でも…『紅玉色降倫』で搾り取ったからもう霊圧は空っぽのハズ……)
ことり「…」グニャアアアア…
ルビィ「!」 花丸「な…なんずら……!?ことりさんが…………」
ことり(?)「…ちゅんちゅん………」グニャアアアアア
花丸「変身………」
ドドドドドドドドドドドドド
ルビィ(さっきまでのことりさんじゃない……新しい霊圧が……!)
ルビィ(…この感じ………)
善子「…………ッ」ガクガク
ルビィ(まるで善子ちゃんと…“ヨハネ”ちゃんと同じ……)
???「ルビィちゃんの“始解”ごときで……“神”の遣いが殺せると思うなちゅん!!」
to be continued… 黒澤ルビィ――『紅玉色降倫(ルビーいろぷりん)』
解号:「がんばり狂え」
形状:触手。
効果:からめとった相手の霊圧を搾りつくしてプリンにする。
備考:『紅降倫』はコレに変化する途中の状態。ルビィがダイヤに怒られないように半ば無理やり抑えつけているだけ。 カッ
花丸「――ッ」ギュッ!
ルビィ「うわっ」バッ
善子「眩しッ!」
変わりゆくことりを白色の光が包む―――。
「いや〜〜〜」
「まさかこの姿まで追い詰められるとは…………」
…サア…
三人「!!」
(・8・)「思わなかったちゅんなぁ!」 善子「な………」
バサ…バサ…
(・8・)「ちゅん、ちゅん」
善子「何よ…………アレ………」
ルビィ「ことりさんが……鳥になっちゃったぁ……!」
花丸「鳥……ずらか…………アレ……」
(・8・)「知らないちゅん?」
(・8・)「この変身状態の名前は“帰刃(レズレクシオン)”」
善子「レズ……レク……」
(・8・)「失礼、“変身”は不適切だったちゅんね」 (・8・)「“戻った”…って言った方が良いちゅんかな?」
(・8・)「これこそ欲望を剥き出しにしたトッリ原初の姿ちゅん」
ルビィ「―ッ」キッ
ルビィ「『紅玉色降倫』!」バッ
パリイイイイン
ルビィ「なっ…」
伸ばした触手は、トッリの身体に触れた瞬間、割れて消えうせた。
(・8・)「残念ちゅねん」
(・8・)「もうトッリを殺せる武器はこの世にないちゅんよ」 (・8・)「トッリの身体はハノケちゅん以外の全てを拒み、貫通する」
(・8・)「そこに“ことほの”以外の入り込む余地はないちゅん」
花丸「そんな…!」
(・8・)「トッリは最初にハノケちゅんに付き従った、最初のμ’sのメンバー」
(・8・)「ハノケチュンの最高の伴侶」
(・8・)「そのトッリがAqours如きに遅れをとるなんて」カッ…
ルビィ「!!」
ルビィ(あの光は――!)
(・8・)「あってはならない事だちゅん!!」
(・8・)「鳥閃(セロ)!!」
ドォン
トッリの放った白色光線が辺りを埋め尽くした―――。 希「あ〜あ」
希「黒澤ルビィちゃん、エラいことしてくれたね」
海未「パンドラの箱を開けてくれましたね」
・音の木の海未と希。海未は窓から遠くを、希は手元の水晶を見ている。
海未「この戦争ももう終わりです」
海未「“ことほの”以外を皆殺しにするまでトッリは止まりません」
希「Aqoursちゃんの細胞1つたりともこの世に残らんやろうね」
希「花陽ちゃんが悲しむなあ」
海未「…それで済めばまだいいですが……」
海未「あの化け物…もしかするとこの町全てを更地に変えてしまいますよ」 (・8・)「………………」バサ…バサ…
し〜ん…
空から地上を見下ろすトッリ。
地面は巨大なクレーターで道路ごと抉れ、その断面は入刀されたチーズケーキのように滑らかである。
言うまでもなく、動くものは跡形もない。
(・8・)「ま、ざっとこんなもんちゅんね」
(・8・)「ハノケちゅんのところに戻るちゅん!」
バサバサバサ
(^8^)「ハノケちゅん褒めてくれるちゅんかな?」
(^8^)「いい子いい子してくれるちゅんかな!?」
ピュー… 花丸「はぁ…はぁ……」
花丸「ギリギリ…間に合ったずら……」
ルビィ「ありがとう、花丸ちゃん…」
善子「…ここは…」キョロキョロ
花丸「縛道の四十八『GALAXY HidE and SeeK』」
花丸「空のことりさんの影の中にかくれんぼしたずら」
善子「影の中に…!」
花丸「あんまり長い時間は、居られないけど…」ハァハァ
花丸「限界までここで息を潜めて、やり過ごすしかないずら」
ルビィ「うん…」 花丸「あのトッリさんは……次元が違いすぎるずら」
花丸「天地がひっくり返ってもマル達に勝てる相手じゃないずら」
ルビィ「…うん…」
ルビィ「勝ち目があるとすれば…お姉ちゃんか……曜ちゃんか……」
ルビィ「…それか…」チラッ
善子「……」
ニュルルルルルル
三人「!!」
(・8・)「困るちゅんなぁ〜〜」
花丸「な………」 (・8・)「キミたちを殺し損ねると……ハノケちゅんにいい子いい子してもらえないちゅんなぁ〜〜〜〜」ニュルルルルルル
善子「あ……あ……」ガクガク
(・8・)「“ことほの”の――“神”の遣いを欺こうとするなんて……」ニュルルルルル
(・8・)「罪深いちゅん」
花丸「な…なんで……」
(・8・)「言ったはずちゅん」
(・8・)「トッリは“ことほの”以外の万物を貫通する」
(・8・)「影の中だって―――」カッ…
善子(終わった…)
(・8・)「例外じゃないちゅん!」ブワッ… (・8・)「キミたちを殺し損ねると……ハノケちゅんにいい子いい子してもらえないちゅんなぁ〜〜〜〜」ニュルルルルルル
善子「あ……あ……」ガクガク
(・8・)「“ことほの”の――“神”の遣いを欺こうとするなんて……」ニュルルルルル
(・8・)「罪深いちゅん」
花丸「な…なんで……」
(・8・)「言ったはずちゅん」
(・8・)「トッリは“ことほの”以外の万物を貫通する」
(・8・)「影の中だって―――」カッ…
善子(終わった…)
(・8・)「例外じゃないちゅん!」ブワッ… ルビィ「瞬閧!『椎羅姦酢』!」バヒュッ!
(・8・)「!」
ガシィッ
善子「――」
ルビィが善子と花丸の手を引いて爆速で駆け出す。
(・8・)「ムダなことを…」
(・8・)「トッリから逃げられるとでも思って……」
ルビィ「花丸ちゃん!」
花丸「うん!」バッ 花丸「『GALAXY HidE and SeeK』!」
花丸「閉じろっ!」
グニンッ
(・8・)「!」
ググググ
(・8・)「“影”を閉じて……外界との境界線にトッリを挟み込んで切断する気ちゅんか!?」
ググググググググググググ
善子「……ッ」アゼン
花丸「善子ちゃん!一緒に閉めるずら!」 善子「…でも……」
善子(こんなんで倒せるの――この鳥を――)
花丸「一緒に閉めるずら!!」カッ
善子「…分かったわよ!」バッ
(・8・)「こんなので倒せるとでも……」
善子「とりゃっ!」グッ
(・8・)「ムッ!」
ルビィ「フンヌヌヌヌ」
ググググググググ
(・8・)「あれ?およ?およよのよ?」 (・8・)(動けないちゅんねえ…)
(・8・)「ちょっとタンマ……」
花丸「ちぎれろー!」
グググッ!
(・8・)「いたっ、痛い、いたた」
グググググ
(・8・)「いたたたたたたたたた」
善子「…イケ……」
(・8・)「痛いって言ってるちゅんなぁ!」カッ ブワンッ
花丸「うわっ!」ズコッ
ルビィ「ピギッ!」ズテンッ
バサ…バサ…
(・8・)「ルッビ、ズッラ…そしてヨッハ……」バサバサ
善子「だ…ダメだぁ…」ワナワナ
(・8・)「冷えてるちゅんか〜?」
(・8・)「武器では死なず、次元の出入り口で挟み込んでも首を落とせない」
ルビィ「……ッ」
(・8・)「“ことほの”は絶対」
(・8・)「“ことほの”は正義」
(・8・)「“ことほの”は永遠」
(・8・)「“ことほの”は勝利」 (・8・)「“ことほの”だけが唯一絶対の“神”なんだちゅん!」
(・8・)「全ての罪深い異物共は“ことほの”の前に死あるのみ!」
ルビィ「逃げよっ!!」
ルビィ「『椎羅姦酢』!!」バヒュッ
花丸「『刀剣乱舞』!!」ズドアッ
善子「『堕天降臨』!!」
善子「くっそおお!」ダアンッ
(・8・)「シュンコウ飛ばして“逃げ”に全力ちゅんか」ス…
ヴォン
ルビィ「――!」
(・8・)「罪深いちゅんね」 花丸(響転――)
善子(逃げられない――)
ルビィ「あっ!」ズテッ
善子「ルビィ!」
ルビィ「いたた…」
ルビィ「ハッ!」
(・8・)「ルッビ……」
花丸「ルビィちゃん!」
(・8・)「最初に消えるのは貴様ちゅん!」 善子「くっ!」ダッ
花丸「善子ちゃん!」
ルビィ「逃げて!ルビィの事は――」
善子「バカ!バカバカ!」
善子「アンタが死んじゃったら私は…」ウルウル
ルビィ「…善子ちゃん…っ」
(・8・)「ア〜ッ…“よしルビ”ちゅんなぁ〜〜〜ッ」
(・8・)「罪深い………」
(・8・)「罪深いものを見せられると…眼が乾くちゅんなあ〜〜〜」シュコシュコ
善子「来るなら来いッ!くそバード!!」 (・8・)「ん〜〜〜」シュコシュコシュコ
(・8・)「丸腰で威勢だけはいいちゅんねえ…」シュコシュコシュコ
善子「……」プルプル
(・8・)「それじゃあまあお望み通り……」ブワッ
花丸「ルビィちゃん!善子ちゃん!」
(・8・)「さようちゅんなら!」
カッ
花丸「――――ッ」
キラッ…
(・8・)「ん?」 カッ
(・8・)「うわーッ!」
(・8・)「あぶなっ」ヴォンッ
ドォン…
(・8・)「…鳥閃を……ハネ返した……!?」
「“津島善子”は……私のことを怖れていた……」
(・8・)「!」
「故に日頃から国木田花丸等に“私”の降臨を妨げるよう頼んでいた」
「愚かなことです」 「“彼女”は理解するべきだったのです」
「“私”の力は敵を血に染める為のものではなく」
「仲間を血に染めないための防御の力だったという事を」
花丸「よ…」
ルビィ「よし…イヤ、よは…」
(・8・)「おでましちゅんなぁ!」
ヨハネ「教えましょう。神の力さえ跳ね返すこの呪われた左手の名は」
ドドドドドドドドド
ヨハネ「『悪魔の左腕(ブラソ・イスキエルダ・デル・ディアブロ)』」
to be continued… 南ことり――『皆臨好(みなりんすき)』
帰刃:『トッリ』
形状:(・8・)
能力:”ことほの”以外万物貫通。 毎度遅くて済まぬ
多分明日…遅くとも土曜には更新します 鞠莉「ど〜こ行っちゃったんだろうね〜?」ジャラジャラ
穂乃果「…………」
・穂乃果と鞠莉。先に行くダイヤを止めるべく穂乃果の『焔饅頭』が放った爆炎は、鞠莉の介入で不意に消えたのだった。
鞠莉「ホノカの…ホノオ?」テヘペロ
穂乃果「鞠莉さんの仕業、ですね…」
穂乃果「どうやったんですか?」
鞠莉「素直に言うと思う?」
鞠莉「もう一回打ち込めば、分かるか〜も、よ♪」 穂乃果「…」
穂乃果「それもそっか……」ス…
メラメラ
穂乃果「じゃあ遠慮なくいきますっ!」
穂乃果「『焔饅頭』…」ブンッ…
鞠鞠「――って…素直にやらせると思う?」クルクルクル
穂乃果「!」
鞠鞠「『金属宿』」ピシッ
ボオオッ
穂乃果「!?」
穂乃果「鞠莉さんの剣先から炎が――」 鞠鞠「返しマ〜ス!」
穂乃果「くっ!」ブンッ
ボワアッ…
両者から放たれた爆炎は相殺して消えた……。
穂乃果「…ナルホド…」
穂乃果「刃に一旦敵の技を吸い込んで返す能力…」
鞠莉「イェス…」
穂乃果「でもそれだけじゃない」
穂乃果「そのジャラジャラついてる五つの鍵で、返す技の速さや力を狂わせてる」
穂乃果「相手が躱すタイミングを逃すようにほんの少しだけ――」 鞠鞠「オ〜!ワンダフォー!」
鞠鞠「一回でそこまでバレるとは思わなかったわ」
穂乃果「明るいキャラの割に……すごく性格の悪い能力ですね」
鞠莉「お泊り頂いたお客様に、来た時よりプラスの状態で帰って頂く」
鞠莉「一流のホテルとはそういうものよ」
穂乃果「屁理屈ばっかり…」
穂乃果「…まあでも…鞠莉さんの能力が、理屈もなんにもなくただ反射する能力じゃなくてよかった…」
穂乃果「一度吸収するからには、吸収限界があるはずだもんね」ス…
ボオオオオオオオ
穂乃果「同じ場所に、一振りで千発も炎を撃ち込めば返せませんよね?」
鞠鞠「……!」
穂乃果「『焔饅頭・二ツ目……』」 小原鞠莉――『金属宿(ヘヴィホテル)』
解号:「ブチ上げろ」
形状:金色のレイピア。ホテルのマスターキーのようにジャラジャラと鎖と鍵がついてる。
能力:相手の技を一度吸収し、任意のタイミングで返す。 (・8・)「…待ってたちゅんよ……」
・トッリと堕天使とルビィと花丸。
(・8・)「ヨッハも帰刃ができることは既に知っていたちゅん」
(・8・)「ただ…」
ヨハネ「…………」ギラギラ
ヨハネの左腕――『悪魔の左腕』は黒色の輝きを放っている。
(・8・)「ソイツは知らないちゅんなぁ〜?」
(・8・)「“神”の力をハネ返すだってぇ〜〜〜?」
ヨハネ「ハイ」 (・8・)「自惚れるなちゅん!」
(・8・)「一介の堕天使風情が“ことほの”の……“神”の力をハネ返すなんて…」
ヨハネ「貴方達でしょう?この力を私に与えたのは……」
ヨハネ「貴方達神々の罪でしょう?」
(・8・)「…ンン〜…言ってる意味はまるで解らないけど…」
(・8・)「“神”と呼ばれるのは悪い気がしないちゅんねえ…」
ヨハネ「私の美しさに嫉妬して天上から追放したその醜い罪を…」
ヴォンッ
(・8・)「!」
(・8・)「響転!」
ヨハネ「今ここで償うのです」ボッ… (・8・)「その腕でトッリをブン殴るちゅんか!?」
(・8・)「いいちゅんよ!殴ってみろちゅん!」
(・8・)「トッリを殴れるのはハノケちゅんだけ……」
ヨハネ「殴る…?神というものは随分と平和ボケしているのですね」
ヨハネ「この腕で貴方を殺すのですよ」
カッ…
(・8・)「!」
ヨハネ「堕天閃(セロ)」
ドォン
ルビィ「やった!」
花丸「どうずら!?」 (・8・)「フンッ!」バサアッ
ルビィ「!」
白色光線の余韻――砂煙の中からトッリが上に飛び出す。
花丸「きっ…効いてないずら!」
(・8・)「何度も言わせるなっちゅんなぁ!」
(・8・)「トッリの身体が受け付けるのはハノケちゅんだけ!」
(・8・)「それ以外の攻撃は――イヤ攻撃でなくとも!」
(・8・)「万物を貫通するんだちゅん!!」
ヨハネ「……」タンッ… (・8・)「その身に浴びて思い知れ!」バサバサ
(・8・)「これが天上天下唯一至高の“ことほの”―――」
ブワッ
ルビィ「おっ…大きすぎる!」
花丸「この町ごと消す気ずらか!?」
(・8・)「鳥閃!!」
カッ…
ヨハネ「何度も言わせないで下さい――」ギラン
(・8・)「!」 ヨハネ「私の『悪魔の左腕』は……“神”の力をハネ返す」
カアアッ
(・8・)「うわああああああ」
ドォン……
ヨハネ「威力や種類の問題ではないのです…」
ヨハネ「“神”の力に則る限り……全ての技はこの“悪魔”の力の前に問題にならない」
ヨハネ「ちょうど“人間”が“神”に勝てないのと同じように――」
(・8・)「…グフッ…」パラパラ…
(・8・)「解った……解ったちゅんよぉ〜…」
ニュルルルルル…
ルビィ「なっ…」
花丸「なんずらぁ!?」 (・8・)「“ことほの”の覇権の為――貴様はどんな“手”を使っても殺すちゅん!!」バン
ルビィ「う…腕が生えた……」
ルビィ「鳥なのに…!」
花丸「鳥……ずらか……??」
(・8・)「“神”の遣いに二度目の油断はないちゅん!」
ヴォン
ヨハネ「!」
グルグルンッ
花丸「あれは!」
ルビィ「“乱装天傀”!」 ギュウウウウウ
ヨハネ「――!」
トッリの紡ぐ霊子の糸でヨハネが縛られる。
(・8・)「思った通り――」
(・8・)「“神”の……“ことほの”の力はハネ返せても、一スクールアイドル南ことりの力は防げないみたいちゅんなぁ!」
ギュウウウウウウ
ルビィ「マズい!アレじゃ『悪魔の左腕』が使えないよ!」
(・8・)「このままジワジワ首を絞めて殺してもいいちゅんけど……」
(・8・)「トッリはことりちゃんと違って優しいちゅんからねぇ…」
ブワッ (・8・)「頭から“ことほの”の力を浴びせて一瞬で消してやるちゅん」
ルビィ「ヨハ…」
花丸「善子ちゃん!!」
ヨハネ「…『気配が消えた…?』」
(・8・)「…ハァ〜?」
ヨハネ「『私の呼吸が』」
ルビィ花丸「!」
ヨハネ「『荒く激しく辿る手がかり』」
ズズズズ
(・8・)「!」 ヨハネ「縛道の九十四」
ヨハネ「『Daydream Warrior』」
ズズズズズズズズズ
(・8・)「黒い扉が…」
(・8・)「…ああ〜!」
(・8・)「思い出したちゅん!たしか、にこちゃんとの戦いの時、一瞬使ってたちゅんねえ」
(・8・)「結局効果はワカらずじまいちゅんけど……」
ギイ…
(・8・)「今更こんなものに怯えると思うちゅんか?」
(・8・)「九十番台だろうと所詮は人間の“歌道”!」
(・8・)「鬼が出ようと蛇が出ようと、このトッリを殺せるものは存在しないちゅん!」 ヨハネ「…そうでしょうか」
ドドドドドド
(・8・)「!」
ヨハネ「この世に一人だけ…いるのでしょう?」
ヨハネ「貴方を倒せる人間が…」
ドドドドドドドドドドドドドド
(・8・)「こっ、この霊圧は……!」
ギイイイイイ…
(・8・)「扉の向こうにいるのは――まさかッ!」 (・8・)「ほっ」
バタンッ
穂乃果「……」ズ…
(^8^)「ハノケちゅん!!」
ピューッ!
穂乃果「…………」
(^8^)「トッリの為に来てくれたちゅん!」
(^8^)「今トッリはあの悪いヨッハたちにいじめられて…とっても怖かったちゅん!」
(^8^)「良い子良い子してほしいちゅん!してくれればまた戦えるちゅん!」スリスリ 穂乃果「え、ちょっとやだ、何さわってるのっ?!」
(・8・)「!?」
穂乃果「っていうかアナタ誰ですか!?」
(・8・)「!!?」
(・8・)「じょっ…冗談キツイちゅんハノケちゅん!」
(・8・)「トッリはハノケちゅんの恋人の南ことり……」
穂乃果「ことりちゃんはそんな変な顔してません!」
(・8・)「!!!???」
穂乃果「…っていうか恋人でもないし……」 (・8・)「なっ何を言ってるちゅん!?」
(・8・)「ウッミでもエッリでもツッバでもユッキでもない!!」
(・8・)「ハノケちゅんはトッリのことが世界で一番好きで……」
穂乃果「始まれ」ボオオオッ
(・8・)「!!」ビクッ
穂乃果「『焔饅頭』……」メラメラ
(・8・)「ひえ〜〜〜〜っ」
ヨハネ「…どうしてあなたが敵なのか?」
ヨハネ「現実なのか?悪い夢なのか?」 穂乃果「たああっ」ブンッ
ボオオオオオオオオ
(・8・)「あづー!!」
(・8・)「熱いちゅん!熱いちゅんハノケちゅん!死ぬちゅん!」
穂乃果「『二ツ目』…」
穂乃果「『炎熱地獄』」」ボメラアアアアアアアアア
(・8・)「ハノケちゅんったら〜!」ボオオオオ
ヨハネ「きっと誰にもわからない……私にも…扉をくぐる者にも……」
ヨハネ「それが縛道の九十四、『Daydream Warrior』」
(・8・)「ヨッハ!キサマァー!!」ボオオオ
(・8・)「このトッリを、ハノケちゅんに倒させようなんて――」
穂乃果「トドメっ!」ブンッ 斬ッ
(・8・)「――――」
ボオオオオオオオオオ…
(・8・)「…………………………」
(・8・)「…あア〜ッ…………」
穂乃果「……」メラメラ…
(^8^)「罪深いちゅん」
パリィィィィン (^8^)「やっぱり、“ことほの”なんだよちゅんなあ…」パラパラ…
良いながら、トッリは粉々に散体して地上に降り注ぐ。
ス…
ことり「」
入れ替わるように、どこからともなく、気を失っている人間――南ことりが現れた。
ヨハネ「……」クラッ…
花丸「善子ちゃん!」
ドサッ
同じくヨハネも、力尽きたようにその場に倒れこんだ。 善子「ハッ!」ガバッ
善子「アレ、私、また……」
ルビィ「うん…」
善子「…迷惑かけたわね」シュン…
花丸「何言ってるずら!」
花丸「マルもルビィちゃんも、善子ちゃんのおかげで助けられたずら!」
ルビィ「うん!」
ルビィ「ありがとう!善子ちゃん!」ニコッ
善子「……」
善子「ヨハネ、だってば…」 津島善子――(斬魄刀解放:未習得)
帰刃:『堕天使ヨハネ』
形状:漆黒のゴスロリ、漆黒の翼、漆黒の輪っか。
能力:『悪魔の左腕』…“神”の力をハネ返す。 鞠莉「…ええと…」パチクリ
ポツーン…
鞠莉「ホ・ノ・カ、ちゃ〜ん……」
し〜ん…
鞠莉「…………………………」
鞠莉「what?」
to be continued… ドドドドド…
善子「…遠くの方のこの霊圧は……」
花丸「真姫さんずら」
ルビィ「うぅ…今は誰と戦ってるんだろう……」
善子「…大丈夫よ」
善子「曜も千歌も三年生も、私たちよりずっと強いんだから!」
ルビィ「…うん!」
花丸「みんななら、必ず…」
穂乃果「疲れた〜!」ズチャ…
三人「!!?」ビクッ 穂乃果「…あれ?私今まで何してたんだっけ……?」
穂乃果「…思い出せないけど…とにかく疲れた〜〜〜!」ノビーッ
花丸「よ、善子ちゃん!」ヒソヒソ
ルビィ「あの穂乃果さん、なんでまだいるの!?」ヒソヒソ
善子「知らないわよ!私に聞かれても!」ヒソヒソ
花丸「“歌道”はとっくに終わってるのに!」ヒソヒソ
ルビィ「まさか、本物を呼んじゃったの!?」ヒソヒソ
善子「知らないってば!」ヒソヒソ 「穂乃果!!!」
穂乃果「わっ!?」
三人「!!」
海未「何やっているんですかッ!!」
穂乃果「海未ちゃん!」
海未「貴方という人は……」ズカズカ
海未「あの程度の“歌道”にまんまとハマって敵にいいように使われるなど言語道断です!」
海未「そもそも貴方は乗せられやすいんですから、その手の対策は怠らないようにいつも言っているでしょう!?」
穂乃果「う…海未ちゃん…なんの話して…」
海未「貴方が大馬鹿だという話です!」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています