そして時々、男が耳を甘噛みしたり
うなじ、首筋に唇を這わせるのだ
「……ッッ♡」
声も出ないような震えが、唇が触れる度に
ぞくぞく
ぞくぞくっ
と脳天をしびれさせる
正直、こういう行為にかけては
私と男では到底復せないほどの経験の差があると認めざるを得ない
私はもうただのお客状態だ
また、乳首をくりっとひねられて
「はうっん」
と声と震えが同時に出た
男は私を蕩かしもするが、決して忘我の域には追い込まない
もう少し、というところで刺激を与えて
意識を戻させるのだ
そうして、最終的な判断を私に求めてくる
『乳首はもう少し強くねじってもよいか?』
『乳房は強く揉まれるのと今のと、どっちが好きじゃ?』
『うなじを吸っても良いか?』
耳元で深く響く低い男の声に、私は震えながら頷いたり、首を振ったりして
かろうじて意思表示をする
そうして私が好きなことをずっと続けるのだ
ずるい男だ、といわれればそうなのだと思うが
強姦されるよりは何倍もマシで、お互いに理解もできている
今はそう考えるのが精一杯だった