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梨子「鈍い獣の流す涙よ」

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2019/10/13(日) 06:06:30.81ID:0TbttT5L
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第□△回ラブライブ開催決定!
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NOK賞受賞『鈍獣』続々重版!
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キキィーーーッ

ドッ

「線路内に障害物があったため、列車を急停止しています。ご迷惑をおかけします」
2019/10/13(日) 06:41:00.78ID:0TbttT5L
果南「そーだよねぇ。さて、ここにいる善子がさぁ、生き遅れないか心配なんだよねあたしは」

果南「料理もできるし、悪い子じゃないし」

果南「あーあ、どっかに善子をもらってくれる善子のことを好きな人がいないかなーん」

花○「……」

善子「……」

果南 (流石に強引だったか? いや……)



花○「じゃあ、オラが立候補してもいいずら?」

果南「ビンゴ! もちろん! 即決だよ!ねえ善子!!」

花○「えへへ」

善子 (勝手に進めるな……!)

果南「さっそくマルの家に住まわせてやって欲しいな」

花○「いつでも大丈夫ずら」

果南「よし! お世話になってきな!」

花○「燃えてきたずら〜」

果南「はっはっはっ!」


―――
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2019/10/13(日) 06:42:03.05ID:0TbttT5L
梨子「ちょっと待って……」

千歌「待つよ」

梨子「善子ちゃん」

善子「はい?」

梨子「先生と……寝たの?」

善子「そりゃまあ……同棲してたし……まあ一応……」

梨子「…………ぅぅ〜〜」

梨子「むふぅ〜〜〜くぅ〜〜〜」ボロボロ

千歌「うわっ、泣いちゃった」

梨子「私……先生好きだったのにぃ〜〜………!!」

善子「えぇっ!? それはごめんなさいというか……でも知らないわよそんなの」
2019/10/13(日) 06:43:10.96ID:0TbttT5L
果南「まあまあ、落ち着きなって」

梨子「グスッ……それは一旦さておき……」

梨子「色々頑張ってたみたいだけど、『鈍獣』が休載したことはなかったはずよ」

果南「そうなんだよなーん」
2019/10/13(日) 06:44:32.42ID:0TbttT5L
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バー十千万


果南「善子ォ!!!」

善子「ぎゃっ!! なんなのよもう!」

曜「隣町まで響いちゃうよ」

果南「ちゃんと見張ってたのかお前はァ!!?」

果南「見てみろこれ最新話の『鈍獣』だ! また載ってるぞ!!」

善子「ずっと監視してたわよ……でも見てた限りじゃ書いてる素振りはなかったわ」

善子「私が仕事に行く時も、少し遅れてすぐに十千万に来てたでしょう?」

善子「小説家っていうの嘘なんじゃないかしら」

果南「じゃあなんでまだ連載が続いてるんだよ」

千歌「今日は先生はどうしてるの? いないみたいだけど」

善子「ああそれは――」
2019/10/13(日) 06:45:55.61ID:0TbttT5L
果南「どうでもいいそんなこと!!」

果南「もう放っちゃおけないよ。日和ってられない」

果南「今回の『鈍獣』はあたし達の問題の核心に近付いてきていた……」

果南「そのうち必ず暴露するぞ……」

果南「何が目的なんだ! 復讐か!? あれを公表すれば自分の首だって絞めるんだぞ!」

千歌「もうこうなったらダイヤさんとかに頼んでまた……」

果南「ダイヤも鞠莉も、もう殺しの方は応じちゃくれないよ」

果南「あの時にずいぶん呆れられちゃったからね」

千歌「でも事情を話せばきっと……」

果南「死んだ花丸が蘇ってあたし達を陥れようとしてるって? 出来の悪いジョークだよ全く」
2019/10/13(日) 06:47:02.76ID:0TbttT5L
果南「もう自分でやっちまうか……」

曜「後処理なら私も協力するでありますよ!」

果南「おっ、警官に言って貰えると心強いね」


カランコロン


花○「おしまい? もうおしまいずら?」

果南「……」

果南「なにやってんの二人とも、お客様だよ」

果南「ちゃんとお出迎えして」

千歌「いらっしゃいませー」

善子「いらっしゃいませ……」

曜「今日も一緒に飲もうであります!」

花○「ずら〜」
2019/10/13(日) 06:48:25.17ID:0TbttT5L
千歌「シャイニーでいいですか?」

花○「いいずら」

千歌「はーい」ゴソゴソ

果南 (……貸して)

千歌「あっ」

果南「……」ゴソゴソ

曜 (!! 果南ちゃんそれは……!)

千歌 (殺鼠剤のリンチャンイラズ!?)

果南「ねぇマル」

花○「ずら?」

果南「あんたの書いてる小説、次回あたりには何か驚きの展開があるんじゃないの? 相当ヤバいのが」

果南「構想練ってあるなら教えてよ」

花○「うーんと……覚えてないずら」
39名無しで叶える物語(たまごやき)
垢版 |
2019/10/13(日) 06:49:35.29ID:b5K9ataa
おもろい
2019/10/13(日) 06:49:39.75ID:0TbttT5L
果南「……もしマルが私達のマルでも、そうじゃないとしても、これ以上変なこと書かれるのはよくないんだよね」

花○「変なことは何も書いてないずら。書けるわけないずら」

果南「これからもそんなつもりはないって?」

花○「もちろんずら」

果南「ふぅん」

果南「そっか」ニッコリ

果南「はい、どうぞ」コトン

花○「いただくずら」

曜 (先生ェそれにはリンチャンイラズが……ひえぇぇ〜〜……)

ゴキュゴキュゴキュ

果南 (バイバイ、マル)






―――
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2019/10/13(日) 06:53:30.38ID:0TbttT5L
梨子「……」

梨子「いっぱい、言いたいことあるんだけど、順番に聞くわね」

梨子「曜ちゃん、警察官だったんだ……」

曜「人は警官ではないと言っていない以上、誰しも警官である可能性はあるのであります!」

梨子「あ、そう……」
2019/10/13(日) 06:54:34.79ID:0TbttT5L
梨子「で、さんざん引っ張ってきた暴露とか復讐とかって、そもそも何があったのよ?」

果南「あっそれ知りたい?」

善子「ここから先は逃れられぬカルマ……」

梨子「黙ってて!!」

善子「」シュン




果南「んーまあなんつーか」




果南「私がマルを殺しちゃったんだよね。7年前に」

梨子「はあ?」

果南「そんなつもりはなかったんだけどさ、あいつがぬるい事言うから……」
2019/10/13(日) 06:55:42.65ID:0TbttT5L
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「〜〜〜」

「今更そんなこと言ってられっか! こンのわからず屋ァ!!」

「なにをするずら! やめるずら!」

「痛い痛い痛いぎぃぃぃやぁぁぁああ〜〜〜〜!!!!」

メリメリメリッ

「はぁ……はぁ……」

「クソッ……やっちまった……」

「ンマー! メンバーにまで手を出すのはいけませんことよ!」

「しばらくは大人しくすると約束するデース」

「わかってるよ……」


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2019/10/13(日) 06:56:44.98ID:0TbttT5L
果南「梨子は途中で転校してきたからさ、いわば外の人間ってわけだ。だから知らないのも無理はない。沼津では神隠しなんて珍しいもんじゃないんだよ」

千歌「要人がたまに消えちゃうことってあるよね。あの頃だと餃子屋の人とか、あとは……」

千歌「有力候補のスクールアイドルとか」

梨子「信じられない……私以外はみんな承知で……?」

果南「そうだよ。ラブライブで勝つために、仕方なく」

果南「疑問に思わなかった? まともにやってたら私達が全国の猛者達を相手に勝ち抜いていけるわけがない」

果南「まあ花丸は耐えられなくなってああなっちゃったけど」

果南「時機が来たら梨子にも言おうと思ってた。でも、花丸の死を受けて卒業後は東京に行っちゃったからね」

果南「知らないなら知らないで、そのままの方がいいと判断した」
2019/10/13(日) 06:59:25.36ID:0TbttT5L
梨子「花丸ちゃんはハグ死だったのね」

梨子「なるほどね……花丸ちゃんが自分を事故死扱いで処理したことをバラすと思って、疑惑の花○先生を殺そうとしたのね」

果南「最悪ほかのことは証拠を揃えるのは難しいからともかく、花丸の殺害は花丸自身が証人だ。それが明るみに出るのはまずい」

果南「ところで、花○先生はリンチャンイラズを飲んで死んだかもしれないのに、ずいぶん冷静だね」

梨子「先生が失踪したのは『鈍獣』の単行本が出たあとで、つい最近だもの。連載中の時点の話ってことはまだ心配ないわ」

梨子「それより先生はいま無事なのかどうかが聞きたいんだけど?」
2019/10/13(日) 07:00:45.27ID:0TbttT5L
果南「……」

果南「あいつ死なないんだよ……何をやっても……」

果南「リンチャンイラズをどれだけ飲ませたと思う?」

果南「リンチャンイラズのシャイニー割り、リンチャンイラズ入りヨキソバ、リンチャンイラズ入りAqours丼!」

果南「飲み過ぎて気持ち悪くなって帰ることがせいぜいで、翌日元気になってやってくるんだよ」

梨子「先生、強いのね」

果南「いやーまいったよ。手段を選ばずやっていったのはこっちなのに、逆に追い詰められてるようだった」

果南「アレでさえ通用しなかったし」

梨子「アレ?」
2019/10/13(日) 07:01:50.78ID:0TbttT5L
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―――


バー十千万


果南「なんなんだよアイツはァ!!」壁ドゴォ

果南「殺鼠剤連日しこたま飲んどいてなんで死なないの!?」

曜「果南ちゃんじゃあるまいしね」

果南「キッ!」

曜「ヨーソロー……」

果南「気味悪いからって善子も同棲解消して逃げてくるし」

善子「当たり前でしょ! 気色悪い!」

果南「まあいい、監視も意味なかったしね」

果南「ん? 待てよ……」
2019/10/13(日) 07:03:44.31ID:0TbttT5L
果南「善子!あたしら昔一緒に温泉入ったよな? 2年生組抜きで!」

善子「ええと……そうだっけ……」

果南「その時花丸の乳首が3つあるって騒いだろ!?」

善子「……ぁあーっ! あったあった!! その場のメンバーだけの内緒にしようって!!」

千歌「へーそうなんだ」

曜「内緒のままでよかったであります」

果南「そんで同棲中に花○と寝たんたなら見たろ! 裸!」

果南「左胸の下! 第3の乳首あったか!?」

善子「いちいち見てないわよそんなの」

果南「」ドゴォッ

善子「ピギッ」
2019/10/13(日) 07:05:30.27ID:0TbttT5L
果南「今日はひと味違うよ」スッ

千歌「なにそれー?」

果南「トリカブト。この前山頂アタックして仕入れてきた」

果南「効果はリンチャンイラズの数十倍のはず」

曜「おぉーそれならいけそうでありますな!」

果南「たぶん気を失うぐらいはすんだろ。そんで倒れたあとは、船で沖まで運んで海の音を聞いてもらおう。一番よく聞こえるところで」

果南「昨日もいっぱい飲ませたけど、死んでないならそろそろ来る頃だ」

果南「善子、パンケーキ丼作っといて。トリカブト混ぜてね」

善子「ピギィッ……」フラフラ
2019/10/13(日) 07:07:04.62ID:0TbttT5L
カランコロン


花○「おしまい? もうおしまいずら?」

果南「やってるよ」

花○「お邪魔するずら」

曜「ヨーソロー!」

千歌「どうぞー(リンチャンイラズの水割り)」

花○「ありがとうずら」

果南「ねぇマル。急に善子が出ていったみたいで悪かったね。紹介したの私だし、責任感じてるよ」

果南「ほら、謝って」

善子「すみません……」

花○「人には相性があるずら。気にしてないずら」

果南「心遣い感謝するよ」

果南「お詫びのしるしに、善子がパンケーキを作ったんだ。食べてくれるかな?」スッ
2019/10/13(日) 07:08:17.25ID:0TbttT5L
花○「嬉しいずら」

花○「いただくずら」

花○「」モグモグ

花○「……!」

花○「ムグ……ウッ……」

花○「オエェェエ!!」ジタバタ


果南「やった! 流石にこれは応えたか!!」

果南「曜! 車まで運ぶよ!」

曜「了解!」

花○「ウグッ……」バタッ

果南「……死んだ? とにかく海まで……」





―――
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2019/10/13(日) 07:09:33.55ID:0TbttT5L
梨子「……」

果南「……」

梨子「少なくともつい最近までは生きていたって知ってるからあれだけど」

梨子「本当なら殴りかかりたいところよ。よくもそんなことができたわね……」

果南「大丈夫、沈めてないから。な、曜」

曜「車に乗せたはよかったけど、少ししたら気分良くなったって起きちゃったんだよね」

梨子「無敵か……」

果南「そうこうしてるうちにタイムリミットさ」

果南「『鈍獣』の連載は終わり、単行本になった」

千歌「NOK賞も取ったんだよね。すごいよね」
2019/10/13(日) 07:10:47.47ID:0TbttT5L
梨子「そう、それで私から受賞を伝えたかったのに、その時から先生に連絡が取れないのよ」

梨子「あれ? そういえば結局Aqoursの悪事の秘密は描かれなかったわよ」

果南「ああ、全部読んだから知ってるよ」

梨子「じゃあ、もう殺す必要はないのね! 別人ってこともわかって!」

梨子「さあ、先生はどこ?」
2019/10/13(日) 07:12:06.47ID:0TbttT5L
果南「……」


果南「梨子は、今日ここまで、列車で来たんだよね」


梨子「ええ」


果南「途中で、鉄橋、あったろ? そのあたりで急停止しなかった?」


梨子「ええ。確か障害物がどうとかで……」

梨子「……」

梨子「まさか……」

果南「……」

千歌「……」

曜「……」

善子「……」

梨子「最低よあなたたち!」ダッ
2019/10/13(日) 07:13:11.67ID:0TbttT5L
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―――


花○「こんなところまで来て手錠までかけてなんの遊びずら?」

果南「いいからこのダンボールに入ってて」

花○「ずら」

果南「曜、手錠サンキュー。あと、銃も貸しといて」

曜「いいよー」スッ

果南「オッケー。先に店戻ってていいよ」

果南「そういや梨子がこっち向かってるんだってね」

曜「私がお出迎えするんだよ!」

果南「うん、歓迎してやろう」

曜「じゃ、お先に!」

果南「うーい」
2019/10/13(日) 07:14:14.21ID:0TbttT5L
果南「さて」

果南「ねぇマル」

花○「ずら?」

果南「結局どっちなんだ? あんたは」

花○「ずら」

果南「まあ、どっちでもいいか」

果南「でも一応確認しとこうか。確認できる手段があるんだから」
2019/10/13(日) 07:15:16.71ID:0TbttT5L
果南「……」スッ

果南「あるね」

果南「あんた、花丸か」

花○「ずら」

ドンッ ドンッ

花○「うっ……」ドクドク

果南「両足撃ち抜けば動けないだろ」

果南「じゃあね」スタスタ



ゴォォォォーーーー


キキィーーーッ

ドッ

「線路内に障害物があったため、列車を急停止しています。ご迷惑をおかけします」



―――
――――――
―――――――――
2019/10/13(日) 07:16:44.13ID:0TbttT5L
梨子「最低よあなたたち!」ダッ


カランコロン

ドンッ

梨子「痛たた……」

梨子「えっ? あなた、血だらけで、ボロボロ……」


花○「おしまい? もうおしまいずら?」

果南「マル! よく来たね!」

千歌「いらっしゃいませー」

善子「いらっしゃいませ」

曜「今日も一緒に飲むヨーソロー!」

花○「ずら〜」
2019/10/13(日) 07:17:35.32ID:0TbttT5L
終わり
2019/10/13(日) 07:17:51.21ID:L0WTmIn9
ええ…
2019/10/13(日) 07:21:42.15ID:0TbttT5L
元ネタ
宮藤官九郎『鈍獣』
2019/10/13(日) 09:24:45.26ID:K4Phpx7J
>>31
金田!?
2019/10/13(日) 10:21:44.09ID:x47tRGAq
面白かった
64名無しで叶える物語(もみじ饅頭)
垢版 |
2019/10/13(日) 15:55:02.18ID:9mp8ei0X
こわ
2019/10/13(日) 15:56:09.70ID:46lMnY+m
剥ぐされまくってる花丸だからそら死なないよな
2019/10/14(月) 05:43:55.32ID:j/8OwwDo
おつおつ オチが良いな
2019/10/14(月) 05:57:25.23ID:FV3Yrffo
鈍獣は舞台と映画があるから見ろよ見ろよ
2019/10/15(火) 03:51:20.32ID:1S1RM/9+
不気味で面白かった
元ネタはクドカンのなんだ
2019/10/15(火) 14:12:33.01ID:lbzaBCLg
面白かった
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