理亞「ルビィ..絶対助けにいくからね..」chapter1
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千歌「ルビィちゃんってさ〜」曜「ん〜?」完全版の続編です
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1543156878/
このシリーズには残虐な描写が描かれています
ご了承の上でお読みくださると幸いです 理亞「ついた..」
聖良「理亞..降りるわよ..忘れ物はない?」
理亞「ええ、大丈夫よ姉さま..降りましょう」
私たちは電車から降りると沼津駅の改札に出た
理亞「ついわたね..沼津..」
空を見上げると灰色の曇天の空が広がっていた..
沼津には何回か来ているけれど..毎回毎回澄み渡るような青空だったのに..
今回は沼津市が私たちを歓迎していない..そんな気分になる天気だった 理亞「姉さま..早く内浦行きのバスに乗ろう?」
聖良「待ちなさい理亞..まずは沼津で聞き込みをして情報を集めましょう」
理亞「そんな悠長にグズグズしていたくない!!私は一刻も早く内浦に行ってルビィを探したいの!!」
聖良「理亞..」
私たちが今回沼津市を訪れたのは一通の電子メールが原因だった..
差出人は国木田花丸さんで..ルビィちゃんが突然いなくなった..
内浦の住民総出で探したけれどどこにも見つからない..
理亞ちゃんの元にルビィちゃんからなにか連絡は届いていないか..というモノだった 久しぶりだなw
今度はりあちゃあが犠牲になるのか… 電子メールを読んだ理亞は取り乱したように、ルビィさんに電話を掛けるが、電話がつながることは一度もなく..
この電話番号は現在使われておりませんというメッセージが聞こえてくるだけだった
理亞「姉さま!!私今から沼津に行ってルビィを探してくる!!」
理亞がこう言い出すのにさほどの時間は掛からなかった..
聖良(おかしい..なにかおかしい..ルビィさんと言えば名家の令嬢でボディガードの一人や二人ついているハズ..それなのに手がかり一つ残らずに煙のように消えてしまうなんて変だ..)
聖良(それに..ルビィさんの電話番号が解約されているのがそもそもおかしい..ルビィさんが見つからないように携帯電話を棄ててしまったというのならわかるけれど..どうして電話番号が解約されているのか..失踪する人間が自分から電話番号を解約するだろうか..?)
聖良(おそらく..電話番号を解約したのはルビィさんじゃない誰か..電話番号の解約など本人か親族でないとできないハズ..ということはおそらく電話番号を解約したのはルビィさんの家族か..親しい誰かということになる..) 聖良(失踪した娘を探す親が娘の電話番号の解約をするなんて絶対おかしい..そしてなにより..)
聖良(どうして..ルビィさんの情報が何一つ出てこないの..)
インターネットで検索しても..黒澤ルビィという名前は一切出てこなくなっていて..
Aquorsの動画が全て削除されていた..
聖良「理亞..待ちなさい..何か変よ..」
理亞「変でもなんでもいい!!私は沼津に行ってルビィを探す!!」
聖良「理亞..」
人見知りの激しい理亞は今まで友達ができたことが1度もなく、ルビィさんが初めての友達だった..
その初めての友達が突然行方をくらませたのだ..冷静になれというのが無理な話だろう.. 理亞を一人で内浦に向かわせるのに不吉な胸騒ぎを覚えた私は..
聖良「わかったわ理亞..私も一緒についていく..それが条件よ」
そして..理亞と共に沼津市にやってきた
聖良(この町..前と来た時と雰囲気が全然違う..)
前回沼津市を訪れたときは、Aquorsの顔写真やポスターが町中の至る所に貼られていたのに..
そのポスターが全て剥されて別のポスターに変えられていた..
聖良(Aquorsは沼津市で人気を誇っていたスクールアイドルグループ..それなのに..どうして町からはAquorsの姿が消えているの?)
街を見渡すと..行き交う人々の顔に活気が失われているような気がした 理亞「姉さまが沼津に残るのなら私は一足先に内浦に行くわ」
聖良「理亞..少し落ち着きなさいよ..もう少し町の人達に聞き込みをしてからでも遅くは..」
理亞「遅いわよ!!私たちがグズグズしている間にルビィの手がかりが無くなっちゃうかもしれないじゃない!!」
聖良「理亞..」
理亞「とにかく..私は先に行くわ..先に行って内浦で情報を集める..姉さまが付くころになったら携帯に連絡して」
聖良「わかったわ..くれぐれも用心してね..私もできるだけ早く合流できるようにするから」
理亞「わかったわ..それじゃあ姉さま..ここで」
聖良「ええ..」
内浦行きのバスに乗り込んだ理亞の背中を見送り、私は市街地へと歩き出した ブロロロロ
理亞「.....」
聖良と別れてバスに乗り込んだ理亞は、移りゆく景色を眺めていた
理亞(ルビィ..一体どこへ行ってしまったの..) ルビィ『じゃあ..最後にしなければいいんじゃないかな?』
ルビィ『一緒に歌いませんか..お姉ちゃんに送る曲を作って..この光の中で..もう一度!』
理亞(ルビィ..あなたは私にとっての光だった..姉さまと同じくらいに大切な存在..どこに行ってしまったの..私を置いてどこかへ行かないでよ..)
理亞の目から一筋の涙がツ..と零れ落ちる
理亞は前の座席に顔をうずめて、涙をゴシゴシと拭い去った
理亞(いけない..泣いてばかりじゃダメだ..まずはしっかりしないと..絶対に私がルビィを探し出すんだ..そして..ルビィに危険が迫っているのだったら助ける!!)
熱い決意を胸に秘めた理亞を乗せて、バスは海岸沿いの道路を内浦へ向けて走り続けた ヒソヒソ..ヒソヒソ..
理亞(ん?)
バスの中の乗客たちが理亞の顔を見てコソコソなにかをしゃべっていた
理亞(なんだろう..よそ者の私が珍しいのかな..?) あの子が..
まだ子供じゃない..
かわいそうに..
理亞(何?なんなの?私の事ジロジロみて..なんか..不愉快..)
でも..どうして..?生贄は...ィちゃんだけで十分のハズじゃ..
国...田さん...情...をもら...口封...しかた..
理亞(なに?何か言ってるけど..バスがガタガタ揺れて聞こえない..) ルビィ推しだけど推しじゃない子が犠牲になる方が辛いかもしれん… 理亞が乗客たちの会話に聞き耳を立てようとした時..
運転手「次は淡島マリンパークです..お降りになる方はブザーを鳴らしてください」
理亞(いつの間に..降りなくちゃ!!)
海の中に生えるように存在する淡島が理亞の視界に飛び込んで来て、理亞は慌ててブザーを押した
プーという耳障りな音が車内に響き、バスは速度を緩めて停留所に停車した
理亞(ついた..待っててルビィ..今探し出してあげるから..) 理亞が運賃箱に料金を納めてバスから降りようとした時..
運転手「君..この間不正乗車した女の子だろう..」
理亞「は?」
運転手が理亞の腕を掴んで身に覚えのない言いがかりをつけてきた
理亞「何言ってんの?私この土地の住人じゃないからこのバスを使う事なんてほとんどないんだけど..」
運転手「とぼけたってダメだぞ..ちゃんと証拠は残ってるんだからな..君をここに降ろすわけにはいかない..終点まで大人しくしていなさい」
理亞「なにバカなこと言ってんのよ!!警察呼ぶわよ!!」
運転手「とにかく降りるんじゃない!!」 理亞「付き合ってらんないわ..離してよ!!」
理亞は強引に運転手の手を振りほどいた
運転手「待ちなさい!!」
タラップを飛び降りて走り去った理亞の背中に運転手は手を伸ばすが..
乗客「運転手さん!!」
運転手「ッ..」
バスの中の乗客が咎めるように運転手の行動を制止した
運転手「....発車します」
そして..何事もなかったかのようにバスは再び走り出した.. 警察署
聖良「そんなはずないでしょう?」
警官「ですから..そんな名前の人はいないんですよ」
聖良「バカなこと言わないでください!あなたじゃ話にならないわ!もっと上の人を呼んでください!」
聖良の怒鳴り声が警察署のロビーに響き渡る..
野次馬たちが何事かと、好奇の眼差しを聖良に向けた 警官「そう言われましても..」
聖良「私は黒澤ルビィが行方不明になったと聞いて、沼津に探しに来たんですよ?それが..そんな名前の人は最初から存在していないなんて..そんなことあるわけないでしょう!!」
顔を紅潮させて興奮した聖良の背後で、野次馬たちがガヤガヤと騒ぎ出す
老人「ルビィちゃんは..」
老婆「シッ!あんた!その名前を口に出すんじゃないよ!」
聖良「今ルビィちゃんって言いましたよね!?黒澤ルビィを知っているんですか!?」
老人「あ..いや..」
老婆「バカ..」
老人は困ったように指で頭を掻き、老婆が隣で手を頭に置いて困った顔を浮かべた 聖良「教えてください!ルビィさんはどこにいるんですか!?」
老人「あ..いや..ワシはその..」
警官「......」
聖良に詰め寄られて困った顔を浮かべる老人を、聖良と話していた警察官が無言の圧力を加えるように睨みつけた
聖良「ルビィさんはどうなったの!?どうして沼津でルビィちゃんがいなかったことにされているの!?」
老人「わ..ワシは知らん!」
聖良「隠さないでください!!あなたがルビィさんの名前を口にしたのを私はこの耳ではっきり聞いたんですよ!!」
老人「あ..あうう..」 老人が困り切っていた時..
??「ルビィちゃんはね..鬼たちに殺されて食べられてしまったんだよ」
野次馬の中から若い女性の声が聞こえ、老人たちはギョッとした顔で声の主の顔を覗き見た
聖良「鬼に食べられて..なにを言っているんです?あなたは」
??「フフッ..一緒にきなよ..ここじゃなんだしさ」
帽子をかぶったボーイッシュな少女は快活な笑みを聖良に向けると、警察署の出口へ向けて歩き出す
去りゆく少女の背中を警察官が鬼のような形相で睨みつけていた 聖良「待ってください!!」
聖良は去りゆく少女の背中を追いかけて建物の外に出た
聖良「どういうことなんです?ルビィさんが殺されて鬼に食べられたって..言っていい事と悪い事がありますよ?これが性質の悪い冗談だったら絶対に許しませんよ?」
??「まあまあ..ちょっと落ち着きなよ..どう?おいしいコーヒーを入れてくれる店を知っているんだ..よかったら一緒に行かない?」
聖良「あなたねえ..」
??「月」
聖良「え?」
月「僕の名前だよ..渡辺月っていうんだ..よろしくね?鹿角聖良さん」
月は帽子を脱いで恭しく頭を下げた..その直後風が吹いて、月の可憐な黒髪がふわっと宙を舞った 理亞(なんだったのよ..さっきの運転手..後で会社に苦情の電話を入れてクビにしてやるわ!)
理亞は苛立ちを隠すことができずに、道路に転がっていた石ころを思いっきり蹴り飛ばした
石はポーンと宙を高く舞うと海に落ち、ポチャンという間の抜けた音を立てて海底へと消えて行った
理亞(でも..なんだろ..腕を振り払った時..あの運転手..悲しそうな顔をしてた..あれはいったい..)
理亞が思考の世界に没頭しようとした時.. ブッブー
理亞「あ..」
黒塗りの乗用車が理亞に軽快なクラクションを鳴らした
パワーウインドゥがゆっくりと下へ降りてゆき..
ダイヤ「お久しぶりですわね..理亞さん」
理亞「黒澤..ダイヤ..」
ダイヤ「遠路遥々ご足労頂きありがとうございます..さっ車に乗ってくださいませ...黒澤家へご案内しますわ」
理亞「堅苦しいあいさつはいい..ルビィは..ルビィはどこ!?」
理亞は口角泡を飛ばしながら胸倉を掴まんばかりの勢いでダイヤに詰め寄った ダイヤ「詳しい話は黒澤家でお話しします..とにかく車に乗ってください..」
理亞「....」
理亞は睨みつけるようにダイヤの瞳を見つめた後
渋々といった表情を浮かべ、黒塗りの車に乗り込んだ
理亞(なに..実の妹が失踪したのにどうして取り乱してないの..もっと憔悴していると思っていたのに..)
ダイヤの表情からは、疲労や心労といった感情を感じ取ることができず
むしろ以前より美しさを増したようにさえ感じた 理亞が助手席に乗り込むと、後部座席には思わぬ先客がいた
花丸「理亞ちゃん!」
善子「よくぞ来たわね..この禍々しき地..内浦へ!!」
理亞「花丸.!.善子!」
理亞を内浦へ呼び寄せた張本人たちが歓迎の笑みを浮かべて
理亞を車に迎え入れた
花丸「よく来てくれたね..ごめんね?突然呼び出しちゃったりして..」
理亞「そんなことはどうでもいいから..ルビィの話を聞かせてよ」 ダイヤ「先ほども申した通り、黒澤家で資料を交えて詳しい説明をしますので..」
善子「そういうことよ..もうしばらく我慢しなさい」
理亞(なに?どうしてそんなに飄々としていられるの?妹と友達がいなくなっちゃったのよ..心配じゃないの?)
理亞の胸中の疑念をよそに、ダイヤの車は海岸沿いの道路をゆっくりと走り抜けて行った
理亞(この車..何か変じゃない?後部座席はスモークガラスで覆われて外から見えないようになっているのに..どうして私の座っている助手席だけは外から見えるようになっているの?)
外の景色を見ると内浦の住民たちが側道に立ち、車に乗っている理亞の顔をマジマジと眺めていた 理亞「なんか..町の人間が私のことを見てくるんだけど..なんなの?」
花丸「この土地ではよそから来る人が珍しいからね..」
善子「娯楽の少ない街だからね...見慣れない顔を見ただけでも内浦ではちょっとした話題の種になるのよ」
理亞「あまり..気分のいいモノじゃない..」
人見知りが激しく、他人を嫌う理亞は視線を床に伏せて外の景色が目に入ってこないようにした
ダイヤ(住民に理亞さんをお披露目するためにゆっくりと走らせていますが..あまり露骨にジロジロみると理亞さんが勘ぐってしまうではありませんか..住民の皆様にはもう少し自重していただきたいものですわ)
さて..理亞さんはみなさんのお眼鏡に叶うかしら? 内浦の住民たちが理亞に対してどんな感想を抱いたのか..声をお聞かせしよう..
老人「なんじゃ..ずいぶん性格のきつそうなおなごじゃのお..なんとなくじゃがあれは不味そうじゃな」
老婆「そうねぇ..年頃や背格好もルビィちゃんにそっくりだけど..やっぱりルビィちゃんには遠く及ばなさそうね..」
老人「これ!もうその名前を呼ぶのは禁止のハズじゃぞ?」
老婆「あ..ごめんなさい..うっかりしてたわ」
老人「気をつけんか..まったく..しかし..あれの味はまったくもって極上じゃった」 老婆「当然です!あの子は内浦の住民たちが15年物間手塩にかけて育成した極上の逸品..私たち好みの味と性格になるように真心をこめて育んだんですから..」
老人「はあ..ワシの人生の中でも一番美味かったよ..あの子の肉は..」
老婆「そうねぇ..」
2人の老人は青空を仰いで、かつてこの地で行われた惨劇の夜に思いを馳せ..
ごくりっ..と唾を呑みこみ喉を鳴らした 月「どう?やばコーヒーの味は..?」
聖良「ええ..やばいくらいに..おいしいですよ」
月「はは!聖良さんもダジャレとか言うんだね!」
聖良「それで..?そろそろ教えてくださいよ..さっきあなたが警察署で言ったことと..まずは私の名前を知っている理由からお聞かせ願いましょうか」
月「改めて自己紹介するね?静真高校に通っていてそこで生徒会長を務めている渡辺月です!ヨーロシクー!!」
月は明るく自己紹介をすると、ビシッと敬礼を決めた 聖良「渡辺..」
聖良はわずかに眉をひそめて月に話の続きを促した
月「お..?もしかしてピンときちゃったかな?お察しのとおり僕と渡辺曜ちゃんはいとこです! 曜ちゃんから話は聞いているよ!いとこと、その仲間たちがお世話になったみたいだね!」
聖良「曜さんの..どおりで..」
聖良は曜と仕草がそっくりな月を見て、わずかに笑みを浮かべた 月「話を続けるね?実はね..聖良さんと理亞ちゃんが沼津に来ることを僕はずっと前から知っていたんだよ」
聖良「ほう..どうしてです?」
月「花丸ちゃんから聞いていたからね..理亞ちゃんと聖良さんがこの日に沼津にやってくるって..だから僕はずっと駅のホームから2人ことを尾行していたんだよ」
聖良「尾行..また穏やかじゃありませんね..どうしてあなたがそんなことをするんです?」
月「それはね..」 月は歪な笑みを浮かべて、おもむろにポケットの中に手を突っ込み..
月「こういうことさ♪」
聖良「なっ..!」
拳銃を構えると聖良に向けて引き金を引いた ダアンッ!という銃声が店内に響き渡り聖良の真後ろの窓ガラスに銃痕の穴が空いた
月「ひゅ〜♪さっすが聖良さんだね〜挨拶代わりに一発お見舞いしたけどかわされちゃったよ」
聖良「な..な..」
聖良は突然目の前で起こったことが信じられずに呆然と月を見つめた
月「でもね...さっさと死んでくれないか..な!!」
聖良「!!」
戸惑う聖良に構うことなく月は拳銃の引き金を2度3度と引き絞り、店内にダアン ダアン という銃声が3度響き渡った 聖良「くっ!」
聖良は身を床に投げ出して辛くも月の弾丸を回避した
木製のテーブルが床に倒れて、コーヒーが入ったマグカップや ナイフやフォークが宙を舞い
ガッシャーンという音を立てて床に散らばった
聖良「誰か..誰か助けてください!!」
聖良が店内にいる客や店員に助けを求めると..
客「...」
店員「...」
客や店員はバツが悪そうに顔を床に伏せて、聖良の助けを無視した 月「無駄無駄..内浦や沼津の住民はね?黒澤家と小原家が怖くて逆らう事なんてできないんだからさ」
聖良「どういうことです..どうしてあなたが私を殺そうとするんです..?」
月「これから天国に行っちゃう聖良さんには関係のない話だよ!!そおら!コーヒーのお供にほかほかの銃弾を召し上がれ!!」
聖良「くう!!」
月は再び聖良に銃口を向けると引き金を振り絞った
弾丸が聖良に向けて射出され、熱い弾丸は聖良の頬を掠めて壁に突き刺さった 聖良「この!!」
聖良は月に向けて足蹴りをお見舞いした
月「うわ!」
聖良の足が月の腹部に突き刺さり月は後ろに吹っ跳ぶ..
月「ふ〜危ない危ない..後ろに飛んでダメージを軽減してなかったら床に倒れてたよ」
月は床に倒れそうになったところを辛くも踏みとどまることに成功し..
そして..月は聖良を殺すために3たび拳銃を構えた 聖良「クッ!!」
月「死ね♪」
ダアン ダアンという銃声が響き渡り..聖良は..
聖良「ハアッ!!」
月「な!!」
テーブルに飛び乗り、テーブルを足場にして思い切りジャンプし銃弾の上を飛び越えた
月「銃弾を..飛び越えただって!?そんなムチャクチャな..」 聖良「セイ!!」
月「うわああ!!」
勢いに身を任せた聖良はそのまま月に飛び蹴りをお見舞いした
聖良の蹴りを食らった月は思い切り吹っ飛び、床に体を打ち付けた
月の手から拳銃が滑り落ち軽快に床の上を滑って行った
聖良「はあ..はあ..」
聖良は肩で息をしながら大の字になって床に倒れて月を見下ろした
聖良(やった..のかしら?) 月「この..調子に乗ってくれちゃってええええ!!」
聖良(な..!アレを食らってまだ立ち上がる力があるというのですか!!)
キレた月はスポーツバッグの中からサブマシンガンを取り出した
聖良「マシンガン!?そんなものまで持っているんですか!?」
月「蜂の巣になれえ!」
聖良(まずい!!)
パラララララ..というタイプライターのような軽快な銃声が店内に響き渡った 客「ぎゃあああ!!!」
ほかほかの鉛玉が店内の客に突き刺さり、客の命を奪ってゆく..
頭に血が上った月はお構いなしに銃を乱射した
聖良「わあああああ!!!」
聖良は銃弾を受けて耐久力が落ちていた窓ガラスをぶち破って店の外に転がり逃げた
ガッシャーンという音が響きガラスの破片が店内に散乱する 月「逃がすもんか!!」
月は聖良を確実に抹殺するために店の外に飛び出した
聖良(まずい!ヤツが来る前に早くここから逃げなければ!)
聖良は沼津港の方角へと商店街を走り出した
月「待てーーー!!!」
月が逃げる聖良の背中に向けてサブマシンガンの引き金を引き絞る
パラララララララというタイプライターのような音が商店街に響き、鉛玉のシャワーが商店のシャッターやショーウインドゥに突き刺さる 聖良「はあ..はあ..はあ..はあ..!!」
距離を取らなければ..奴に接近されたらアウトだわ!!
月「逃がすかーー!!!」
パラララララララ
通行人「ギャア!!」
サブマシンガンから射出された弾丸が道を歩いていた通行人を撃ち殺してゆく..
聖良(なんてやつなの..人を殺すことになんの躊躇もためらいももっていない!!)
月(なんて奴だよまったく!!マシンガンの弾が一発も当たってないや) 聖良(こんなに白昼堂々とマシンガンをぶっ放している奴がいると言うのに..どうして警察は来てくれないのです!!)
月「ほらほら〜!!さっさと穴だらけになってくれないかな!!」
パララララ パラララララララ パララララララララ
月は逃げ惑う聖良の背中に目がけて容赦なくサブマシンガンを乱射する
聖良「きゃあああ!!」
聖良は商店街に置かれていた大型のプランターの陰に飛び込んで辛くも銃弾を回避した カシュ カシュ
月「チッ弾切れか..リロードがめんどくさいな..」
月はスポーツバッグの中に無造作に手を突っ込むと代わりのマガジンを取り出して、サブマシンガンの弾倉を取り換えた
聖良(まずはあのサブマシンガンをなんとかしないと..まともにヤりあったら蜂の巣にされてジ・エンドです!)
月「隠れてないで..ササっとあの世に行ってちょうだい!!」 パララララララララララララララ
サブマシンガンから射出された銃弾が暴風雨のごとくプランターを蜂の巣にしてゆく
聖良「くっ!」
月「そこ!!」
聖良はプランターの陰から飛び出して八百屋の中に飛び込んだ
パラララララという銃声の後に聖良のいた場所に銃弾が雨あられと降り注いだが幸運にも銃弾が命中することはなかった 八百屋の親父「な、なんだお前は..!!ウチを巻き込むんじゃない!!」
聖良「ちょっと雨宿りさせてください!!弾が止んだらすぐに出て行きますから!!」
逃げ込んだ先の八百屋の親父は聖良の事を疫病神のように睨み
慌てたように店から出て行くように怒鳴りつけた
月「袋の鼠だよ!!」
月は店の前から身を乗り出すと、サブマシンガンの銃口が店の中目がけて火を噴いた
パラララララ
聖良「くっ!!」
聖良は身をかがめるとレジのカウンターの陰に素早く逃げ込んだ 八百屋の親父「うわああ!!ウチの売り物が!!やめてくれぇ!!」
銃弾に粉々に打ち砕かれたレタスやキャベツが店内に散乱し、積み上げられた段ボールの中から大きなカボチャがゴロゴロと聖良の足もとに転がってきた
聖良「これでも食らいなさい!!」
月「!!」
聖良は月目がけて勢いよくカボチャを投げつけた
サブマシンガンがパラララという軽快な音を立ててカボチャを粉砕し、粉々に砕け散ったカボチャが月の視界を一瞬塞いだ
月「うわ!!」
月はわずかに動揺し、サブマシンガン乱射の手を緩めた 聖良「はあああ!!」
聖良はその一瞬の隙を捕らえて月の眼前に肉薄した
月「ッ!!」
月は眼前の聖良にサブマシンガンの銃口を向けるが..
聖良「遅い!!」
月「え?うわ!!」
聖良に腕を掴まれると一本背負いを決められ、商店街の宙を月が弧を描いて舞った
月「グ!!」
ドシンという音の後、アーケードの上に体を叩きつけられた月はうめき声を上げる
サブマシンガンがカラカラと音を立ててアーケードを滑って行った 月「!!」
月は慌ててサブマシンガンを拾おうとするが..
聖良「お探しのモノはこれですか?」
月「くそ!!」
聖良にサブマシンガンを拾い上げられてしまった
聖良「勝負ありです..大人しく投降してください..」
聖良はサブマシンガンの銃口を月に突きつけて降伏するように促した 月(クソッ!!ここまでか..いや..待てよ? 確か..)
聖良「どうしたのです?腕を後ろに回して組んで、床にひざまずいてください」
月「イ〜ヤ..まだだよ..どうやら運命の神はどうやら僕の味方みたいだ」
月はニヤリと笑みを浮かべるとポケットの中からナイフを取り出した
聖良「!!」
聖良は慌てて銃口を月の腕に向けてサブマシンガンの引き金を引いた..が カチン
聖良「え!?」
弾切れの金属音が虚しくその場に鳴り響いた
月「こういうことさ!!弾を込めないとそのサブマシンガンはただの鉄クズなんだよ!!」
聖良「クッ!」
月はダガーナイフで聖良の体を切りつけた
聖良はダンスを踊るようにステップを踏んでナイフの斬撃を回避する 月「しつこいんだよ!!さっさと死ね!!」
頭に血が上った月は聖良を抹殺せんと斬撃を次々と繰り出した
聖良「クッ!うわ!!」
斬撃を次々とよけるが、バランスを崩しついに..
月「もらった!!」
隙を見せた聖良目がけて月はナイフを刺突した ガキッ!!という固い金属の音が鳴り響く
月「な!!」
聖良「どうやらこの鉄くず..まだ使い道があったようですね..」
弾倉の空になったサブマシンガンの銃身でナイフの刺突と受け止めて聖良は獰猛な笑みを浮かべた
聖良「セイッ!!」
聖良はサブマシンガンを振り上げると月の頭部目がけて思い切り振り下ろした
ガギッ!!という音がして月の頭部に激痛が走る 月「ガッ!」
視界にチカチカと星が舞うのを感じて、激痛が走る頭部を抑えて聖良は後ろに飛び退いた
聖良「そこ!!」
月「来るな!!」
追撃をくわえんと迫りくる聖良にナイフを突きつけ威嚇し、月は距離を取った
月(クソッ!なんて強さだ..ここまで強いとは..手傷を負った状態であの女相手に接近戦を仕掛けるのは不利だ..こうなったら..) 月「おいお前ら!!ボサッと見てないでソイツを捕まえるのを手伝え!!」
月は商店街の隅で遠巻きに2人のことを見ていた男たちに声を掛けた
男「あ..」
男「....」
男たちは気まずそうな顔をすると床に顔を伏せた
月「僕の命令は小原家や黒澤家の命令と同じと思え!!僕に従わないとお前ら全員皆殺しだぞ!!」
男「クソッ!」
男「やるしかない..かかれ!!」
聖良「な!!」 男「暴れるんじゃない!!」
男「アンタに恨みはないが..ここで死んでくれ!!」
沼津の住民たちが聖良を羽交い絞めにして身動きが取れないようにした
月「ふう..よくやく追い詰めたよ..まったく..あんまり手こずらせないでもっとスマートに死んでくれよ..これじゃあなんだかこっちが格好つかないじゃないか」
ナイフを握りしめた月が..息を切らしながらも勝ち誇ったような目で聖良を見据えた これは内浦の忌まわしき風習が征伐される話なのか!? 聖良「なぜです..なぜ私を殺そうとするのです!?私とあなたは初対面のはずでしょう!?」
月「別に恨みなんてものはないよ..そうだね..何も知らずに死んでいくのも不憫だしね..ここまで手こずらせてくれた聖良さんだし..冥土の土産に教えてあげるよ」
月「僕に聖良さんを殺すように命令したのは黒澤家さ」
聖良「黒澤..黒澤ダイヤの差し金ですか?なぜ黒澤家が私を殺そうとするのです?」
月「国木田と津島のバカが理亞ちゃんを呼び寄せちゃったからさ..ルビィちゃんを食べて人肉に味を占めたのか..外部のモノを呼び寄せるなんて..バカめ」
聖良「ルビィさんを食べ..え?」
月「何ハトが豆鉄砲食らったような顔してるのさ..さっき警察署でも話したじゃん..ルビィちゃんは鬼に八つ裂きにされて食べられちゃったんだよって」 聖良「...」
聖良は月が言っていることの意味は分かっていたが..頭がソレを飲み込むことを拒否していた
月「内浦にはね..?人肉を好んで食べると言うイカレタ風習があるんだよ..ルビィちゃんはその生贄に選ばれて少し前にみんなに食べられちゃったんだ♪」
月「本当は20歳になってから殺して食べるはずだったのに..イレギュラーな事態が起こって、急遽殺して食べたんだって..」
月「はあ..曜ちゃんも水臭いな..呼んでくれればいいのに..僕もその場に立ち会いたかったよ..信じていたみんなに拷問されて泣き叫ぶルビィちゃん..かわいかっただろうね..」
月はうっとりと恍惚な笑みを浮かべた
月「おすそわけで曜ちゃんがルビィちゃんの肉を持ってきてくれたんだけどさ..」 月「〜〜〜〜〜」
月は目をギュッと瞑り..そして..
月「これがとってもおいしいんだよ!!僕が食べたのは肝臓!!いわゆるレバーって奴だね!!」
月「バラバラに切り刻まれたルビィちゃんのレバーが僕の舌の上で..優しく融けていくんだ..はあ..あれは極上だったな..」
聖良「ク..狂ってる!!あなたたち全員狂ってます!!」
月「あはは!そんなことはどうでもいいのさ..おいしいモノが食べられれば僕はそれでね!!」
月「内浦で第2の生贄祭が開催される..今度の生贄は理亞ちゃんだ!!」
聖良「理亞!!」 月「僕が聖良さんを狙ったのは..もしも2人が別行動を取るようなことがあったら..聖良さんの方を始末するようにっていう命令を受けていたからさ!!」
月「用があるのは理亞ちゃんで..聖良さんは邪魔なだけだからねぇ・・」
聖良「そんな...それじゃあ理亞は..」
月「今頃内浦で黒澤家の手に堕ちた頃じゃないかな? 聖良さんも理亞ちゃんと一緒に行けば最後の晩餐くらいは食べられただろうに..」
聖良「くっ!」
月「おっとぉ!!動かないでね?聖良さんが抵抗すればするほど理亞ちゃんが苦しむことになるよ?」
聖良(理亞!) 住民「動くなよ..」
住民「悪く思うな..」
男たちは、月に掴みかかろうとする聖良を身動きが取れないよう拘束する力を強めた
聖良「なぜあなたたちはあんな女の命令に従うのです!?私があなたたちに何をしたというのですか!」
住民「....」
住民はバツが悪そうに顔を下に向けて、聖良の問いかけには応えなかった 月「無駄さ..この町は黒澤家と小原家の支配下..警察や行政だってこの二つの家を恐れてる..」
聖良「なぜあなたは黒澤家の命令に従うの?」
月「聖良さんって頭良さそうにみえるのに案外バカなんだね..」
月は聖良を小ばかにするように、けらけらと笑い出した
月「長いモノには巻かれろって教わらなかった?黒澤家の配下になれば色々と厚遇してもらえるんでね..」
月「それに..黒澤家に従っていれば..横暴な振る舞いも..殺しだって正当化されるから..これが理由かな!」 聖良「あら..もっと大物かと思っていましたのに..意外と小物だったんですね」
月「なんだと?」
聖良「かかってきなさい..返り討ちにして差し上げますよ」
月「...この状況が分からないの?聖良さんはもう打つ手なしなんだよ?」
聖良「ええ..確かにこの状況..多勢に無勢なうえ..私は両腕をがっしりとホールドされてしまって身動きを取ることができない..いわゆる絶体絶命って奴ですね」
聖良「それでも..あなたごときを葬り去ること自体..朝飯前だと言っているんですよ」
月「へえ..君結構むかつくね..決めたよ..聖良さんは楽には殺さない..ルビィちゃんみたいに肉を少しずつ..少しずつそぎ取って行って地獄の苦しみの中で殺してあげるよ・・」
月はダガーナイフを右手に握りしめると、聖良の肉をそぎ落とすためにジリ..ジリ..と一歩ずつ歩み寄り距離を詰めはじめた 聖良「ところで..殺す前に一つだけ聞いておきたいことがあるのですが..人肉って..そんなにおいしいものなんですか?」
月「お!聖良さんも人肉に興味があるの? とってもおいしいよ!人肉それ自体もおいしいけど..やっぱりスパイスが大事だと思うんだ!」
聖良「スパイス..ですか?」
月「そう!たとえば自分の好みの人を見つけてその人と仲良しになるんだ..」
月「それでね..獲物のことをスキになればなるほど..殺して食べるときに美味しく感じるものなんだよ」
聖良「仲良しになってからその人を食べる..いい趣味をしていますね」 月「フフッ そうだ!聖良さん僕と友達になってよ!これから聖良さんを食べてあげるからさ!」
聖良「ええ、いいですよ?それじゃあ私と月さんは今から友達ですね♪」
月「おお!いいの!?やったあ! 聖良さんもムチムチしていて..けっこう美味しそうだよね..ルビィちゃんのように泣き叫んで..おいしくなって..ね!!」
月はそう言うとナイフを振り上げて、聖良の腕目がけて振り下ろした
ブシュー!!という噴水のごとく血しぶきが吹き上がる音が鳴り響く..
その直後にギャアア!!という苦悶の悲鳴が響き渡った 月「な!!」
聖良「もぐもぐ..ベッ..ダメですね..ザコの人肉では全然おいしくありません..」
聖良は唾を吐き捨てるように、地面に咀嚼した何かを吐き捨てた
月「お前..まさか!」
聖良が地面に吐き捨てたモノ..それは聖良を羽交い絞めにしていた住民の親指だった 住民「イタイ〜〜!!」
聖良に親指を噛み千切られた男は噛み千切られた指の断面を抑えて地面にうずくまった
聖良は指を噛み千切ることで羽交い絞めから脱出し、聖良に突き刺さるはずだったダガーナイフはもう一人の男の左腕に深々と突き刺さった
住民「痛えよ〜〜!!!痛え〜〜!!」
聖良「....」
聖良は申し訳なさそうな顔を作ると..
男「ギャア!!」
男の首筋に手刀を叩きこんで意識を奪い去った 月「な...」
聖良「ふふ..人を殺せるのが自分だけだと思ったら大間違いですよ? あなたたちがルビィさんを狙っていたように..私もあなたたちを狙っていたんです♪」
月「お前ら何をしてる!!そいつを捕まえろ!!」
月は残りの住民たちに聖良を捕らえるように命令するが..
聖良「遅い..」
聖良は猛禽類のような目で、獲物を狩るハゲタカのごとく、住民たちの首筋に手刀を叩きこんでいった
月「な..武器も使わずに男を5人も瞬殺しただって..」 月の目の前には男たちが大の字になって伸びていた
聖良は両手をパンパンと叩いて
聖良「ふう..いい運動になりましたね..」
何事もなかったかのように言い放った
聖良「私今まであまり友達と遊んだことがないんです..あなたは..私の友達になってくれるんですよね?」
月「.....」
幽鬼のような聖良の表情に月は背筋が凍りつくような気がした
聖良「さあ、遊びましょう..最初の生贄はアナタですよ..月さん♪」 月「くっ!」
月はポケットからナイフをもう一本取り出して、聖良と相対した
聖良「ふふ..」
聖良は妖気な笑みを浮かべるとナイフを地面に投げ捨てた
月「どういうつもりさ..武器を捨てるなんて」
聖良「年下相手に武器を使うのも大人げないですしね..ハンデです♪素手でヤッてあげますよ」
月「舐めるな!!」
月はダガーナイフを握りしめると聖良に向けて突進し‥聖良の腹目がけてダガーナイフを勢いよく突き出した 聖良「ッ..」
月のナイフは寸分狂わず聖良の腹部に突き刺さった
月「な..!」
月は驚愕し両目を大きく見開く..聖良の腹部に突き刺さったナイフは、聖良の肉を貫くことはなく壁にぶつかったかのようにその場で止まってしまった
聖良「ナイフごときで私を殺そうなどと..舐めているのはそちらなのではないですか?」
月(ナイフが..刺さらない!? コイツ..筋肉の隆起でナイフを受け止めたというのか!!) 聖良「スクールアイドルはね..伊達じゃないんです..よ!!」
聖良は月の体を抱きよせて..2人は恋人のようにキスをする距離まで顔を接近させる
月「う...あ...」
聖良「あなた可愛い顔してますね..とてもおいしそうです..」
聖良は子供のようなあどけない笑みを浮かべると..
月「!!!!!!」
月の首筋に嚙みついた 月「〜〜〜〜〜!!」
苦悶の表情を浮かべて、必死に聖良から逃れようと抵抗を試みる月..
聖良は獲物を捕らえて体液を啜り取る昆虫のごとく月をがっしりと拘束し、逃げられないようにした
月「やめ..やめてええええ〜〜!!」
聖良「はは!ボーイッシュな雰囲気をしているのに..なかなか女の子らしい声で鳴けるんじゃないですか! あなたの言っていた意味がわかりました..これが..スキな人を食べるっていうことなんですね!! きっとあなたは美味しいんでしょうね!!」
月「イヤだ..死にたくない!!死ぬのはイヤだよ!!」 聖良「このまま首を噛み千切ってあげますよ..たまには食べられる側に回ってみるのもいいんじゃないですか?」
月「ひっ!」
食べられる恐怖に相対した月は、恐怖で涙をポロポロと流し始めた
聖良「ほら!!もっと..もっと泣いてくださいよ!!」
月「もうやめてください..許して..許してください..」 聖良「あなたたちが殺して食べたルビィさんは..慈悲を乞わなかったのですか?」
月「僕はルビィちゃんを処刑した場に居合わせなかった!僕に罪はない!!」
聖良「でもあなたはルビィさんの肉を食べたのでしょう?だったら同罪です..このまま噛み殺して差し上げますよ」
月「ヤダ..イヤだ〜〜〜!!!食べられるのはイヤァァァァァァ〜〜!!」
聖良「イタダキマス」
聖良が口を大きく開けて、自分にかぶり付いてくるのを見た月は..
月「...」
意識を手放してその場に倒れてしまった 聖良「冗談ですよ..あなたたちと一緒にしないでください..穢らわしい..」
聖良は意識を失った月を無造作にその場に置き捨てた
聖良「.......う!!」
敵を全員倒して脅威が取り払われたことで、聖良にまともな感覚が戻ってきた..
先ほど食いちぎった指の感触を思いだし猛烈な吐き気が込み上げてくる..
聖良「う...ごほっ!ごほっ!」
聖良(脱出するために仕方がなかった..とはいえ..私は人間の指を噛み千切ったのですね..あなたは..どうしてあんなものを好んで食べることができるのです?同じ人間の沙汰とは思えませんよ..) 聖良はナイフが突き刺さった場所をちらりと一瞥して、洋服の生地の裂かれた場所に手を挿しこみ服の中からロケットを取り出した
聖良(理亞..あなたに守ってもらったわね..)
パカッという音を立ててロケットの中から理亞の写真が飛び出した
聖良は目を閉じて理亞の写真に優しく口づけをした
気絶して地面に倒れている月を嫌悪の視線で一瞥すると..聖良はこの後どうするかに思いを巡らせた
聖良「さて..この女このまま放置しておくわけにも行きませんね..かといって殺してしまうのはさすがに..どうしましょうか」 ??「月ちゃん!!」
聖良「!! この声は..」
聖良が声のした方を振り向くと、怒りに顔を歪ませた曜が商店街のアーケードに立っていた
そして..曜の手には刃渡り40センチほどの鉈が握られていた
聖良「曜さん..ですね」
曜「月ちゃんを殺したの!?」
聖良「降りかかった火の粉を払っただけです..それに殺してはいな..」
曜「月ちゃんの仇!!」
怒りで頭に血が上った曜は鉈を振りかざして聖良に切りかかってきた 聖良「クッ!」
聖良はサイドステップで鉈をすんでのところで回避する..
空を切った鉈は商店街の観葉植物の枝を真っ二つに切り裂いた
曜「このぉ!!」
曜は追撃の手を止めることなく聖良の脳天を叩き割らんと鉈を振り下ろした
聖良「うわ!!」
聖良は手に持っていたサブマシンガンの銃身で鉈の刃を防ぐが..
聖良「あう!」
重量のある鉈を完全に防ぎきることはできず、聖良はサブマシンガンを床に落としてしまった
鉄の塊がアーケードの上を滑るように転がってゆく 聖良(さすがにあのサイズの鉈をまともに受けたらただではすみませんね..それにあまり人を巻き込みたくありません..ここは逃げるが勝ちですね!!)
聖良は曜に背を向けると沼津港に向けて走り出した
曜「待て!!」
曜は聖良を真っ二つにすべく、鉈を大きく振りかざして聖良を追いかけた 聖良「はっ!はっ!はっ!はっ!」
曜「待て〜〜!!絶対に許さない..バラバラに切り刻んでやる!!」
聖良(くっ!マズイですね..少しずつですが間を詰められています..あんな大きな鉈を持っているのに私に追いついてくるとはどんな脚力をしているんですか!!)
曜「やあ!!」
聖良「くっ!」
曜が鉈を一振りすると刃物が空を切り裂くブンッという音が鳴り響く..
聖良の背中を鉈の先端がわずかに掠めた 聖良「この!」
曜「うっ!」
聖良は立ち止まり、体を反転させると曜目がけてカウンターパンチをお見舞いする
曜はすんでのところで鉈の側面でガードした
聖良「チッ!」
曜を殴れなかったことに軽く舌打ちして、聖良は再び走り出した
曜「逃がすかーー!!!」
聖良(もう少しです..!あそこまで逃げ切ることができれば...よし!見えてきた!千本松公園ですあそこに逃げ込みましょう!!.)
聖良の視界に松が無数に生い茂る千本松公園が写る..
聖良は追いかけてくる曜をダッシュで振り切ると千本松公園の中に飛び込んだ 千本松公園
曜「出てきなよ!!隠れたって無駄だよ!!」
曜は肩で息をしながら怒鳴り声を上げた
聖良(出てこいと言われてノコノコ出て行くほど私はお人好しじゃないんですよ..)
聖良は松の木の陰に身を隠して離れた場所から曜の様子を伺っていた 曜「クソッ!よくも月ちゃんを!」
曜は癇癪を爆発させるように松の木を鉈の柄でガンガンと叩いた
聖良(この公園は広いですからね..木々の間を縫うように移動して曜さんをうまく巻きましょう..)
聖良が曜から距離を取ろうと松の木を5本ほど移動した時..
それは起こった prrr prrr prrr
聖良(な!!)
運悪くこのタイミングで聖良の携帯電話が鳴り出した
曜「ソコだね!!」
携帯電話の着信を聞きつけた曜は、聖良のいる場所目がけて襲い掛かってきた
聖良「なんでこんなタイミングで!?」
曜「やあ!!」
聖良「うわ!!」
着信の相手を確かめる暇もなく、聖良は鉈を振りかざして切り付けてくる曜の相手で精いっぱいだった 曜「よくも..よくも月ちゃんを!!」
ブオン!! ブオン!! という空を切り裂く音を立てて、2度..3度と曜を叩きつけてきた
聖良「グッ!!」
聖良がしゃがみ込んで鉈を回避すると、鉈は聖良の真後ろの松を横一文字に切り裂いた
聖良「ハアッ!!」
聖良は足のばねを使って思い切り飛び跳ね、曜のアゴ目がけてアッパーを繰り出した 曜「くっ!!」
曜は後ろに飛び跳ね、聖良の拳を回避するも背中を松の木に打ち付けてうめき声を上げた
聖良「もらった!!」
聖良の正拳突きが曜の頬を捕らえた
曜「クッ!」
曜は聖良の拳を鉈でガードしようとするも間に合わず..
曜「アウッ!」
聖良の拳が曜の頬に突き刺さった 聖良「グッ!」
聖良も鉈の刃で手の甲を切り裂かれてしまい、聖良の手から血が数滴ボタボタと滴り落ち、松の木の根を紅く汚していった
曜「もらった!!」
曜が悶絶する聖良の背中に飛びつき、母におんぶをせがむ子供のごとく聖良の背中にしがみついた
曜の手には鉈が相変わらず握られており、鉈の刃が聖良の首筋を切り裂くべく迫ってきた
聖良「ぐううう!!」
聖良は右手で鉈を持つ曜の手首を..
左手で鉈の柄を掴み、鉈が首筋を切り裂かないように必死の抵抗を試みた 柄の刃の部分が聖良の親指の付け根に食い込み灼熱の激痛が走る
刃が食い込んだ箇所からボタボタと血が滴り落ちてゆく
曜「死ね..月ちゃんの仇だ!!」
聖良「あ〜もう!!痛いですね!!離れてください!!」
曜「え?」
聖良は背負い投げの要領で曜を地面に叩きつけた
ドカッ!!という音が千本松公園に鳴り響く 曜「ガッ!!」
地面に叩きつけられた曜は痛みと衝撃で目の前がチカチカするのを感じた
聖良「ハアアアッ!!」
その隙を聖良が逃すはずもなく、聖良は思い切りジャンプをすると曜の顔面目がけて
跳び蹴りを解き放った
曜「グウウ!!」
曜は辛くも体を捻り顔面は回避するも
聖良の足が曜の右肩に命中し鉈を地面に取り落した 曜「クッ!」
肩の激痛にうめき声を上げた曜の首筋に..冷たい鉄の感触を感じた
聖良「勝負ありです..あなたの負けです」
曜「あ...」
鉈を拾い上げた聖良が曜の首筋に鉈を突き当てた
曜「くやしい..月ちゃん..ごめん..仇は討てなかったよ..」 聖良「あなた何か勘違いをしていませんか?私は月さんを殺していませんよ」
曜「え?」
聖良「月さんは気絶しているだけです..放っておけばそのうち目を覚ましますよ..」
曜「なんだ..そうだったのか..よかった私の早とりちで..」
曜はほっとしたように胸を撫で下ろした
聖良「それで..どうしてあなたは鉈なんて持っているんです?あなたも私を殺す気だったのですか?」 曜「...負けた私に黙秘権はないよね そうだよ..私と月ちゃんは聖良さんを抹殺するために送り込まれた刺客だったんだよ」
曜「月ちゃんが僕一人で十分だって言うから..少し離れた場所から2人の戦いを見ていたんだけど..月ちゃんが死んだと思っていても経ってもいられなくなって飛び出してきたんだ」
聖良「どうして私を..ってそれは月さんに聞きましたね..それでは質問を変えます..あなたは..黒澤ルビィさんを殺して食べたのですか?」
曜「え?うん、食べたけど...?」
曜さんは..どうしてそんなことを聞くのか不思議でたまらないという目で..私の事を見つめてきました 聖良「どうして..そんなことをしたのですか?ルビィさんはあなたたちAquorsの大切な後輩だったのでは?」
曜「まあね..大切な後輩だったけど..ルビィちゃんはAquorsのメンバーであるまえに..内浦の風習の大切な生贄だったから..仕方がなかったんだよ」
聖良「仕方がない..で人肉を食べていいと思っているのですか?人間としての倫理を踏み外した行為だと思いますが..」
曜「聖良さんは外の人間だからね..私たちとは違う人間だから..理解しあうことは難しいと思う」
聖良「そうですね..私も理解したいとは思いませんし..正直もうあなたの顔も見たくありません..それでは..最後の質問です」 聖良「理亞をどうするつもりなのですか?」
曜「それは..私にはわからない」
聖良「なぜ?あなたも非道な食人集団の一員なのでしょう?」
曜「理亞ちゃんをどうするかは..内浦のみんなが話し合って決めることだから..」 聖良「どういう意味です?」
曜「もともとは花丸ちゃんの不始末で、理亞ちゃんを内浦に呼ぶことになっちゃって..花丸ちゃんは理亞ちゃんを食べたいみたいだけど..私たちは理亞ちゃんの事は別にどうでもいいんだよ」
聖良「どうでもいい?」
曜「うん..でも理亞ちゃんをこのまま放っておくわけにはいかないからとりあえず内浦に招いて..どうするかを内浦の重鎮たちが話し合って決めることになっていたんだ..みんなの食指が動けば理亞ちゃんをこのまま食べるのかもしれないし..」
曜「お眼鏡に叶わなければ口封じで..でも、みんな優しいから無暗に殺したりはしないと思うんだけど..だからわからないんだ..理亞ちゃんがどうなるのか」 聖良「だったらなぜ私の事を殺そうとしてきたんです?」
曜「ダイヤさんが理亞ちゃんに用があるみたいで..それには聖良さんが邪魔だったんだってさ..だから、もしも聖良さんを抹殺する機会が合ったら抹殺しておくようにって..指令が下っていたんだよ..ほら、私たち沼津だからちょうどいいしね」
聖良「私が..邪魔?黒澤ダイヤは一体何を企んでいるんです?」
曜「それは知らないヨーソロー 後は自分で確かめてみるんだね..さあ、もう語ることは語った..その鉈で私の首を切り落とすといいよ」
曜はそう言うと目を瞑り、首を前に突きだした 曜が生を諦めたその時..
聖良「!!」
聖良は曜から飛び退き松の木に身を隠した
直後パララララララというタイプライターのような音が千本松公園に鳴り響き、松の木をズタズタに切り裂いてゆく
曜「月ちゃん!!」
曜が銃声のした方を振り向くと
月「ユルサナイ..ぶっ殺してやる!!」
怒りに顔を醜く歪ませた渡辺月がサブマシンガンを構えて立っていた 聖良(クッ!もう目を覚ましたのですか..クッ!サブマシンガンを拾ってやってきたのですね..やっかいな..)
月「死ねええええええ!!!」
パララララという銃声が再び鳴り響き、聖良の隠れる松の木の表面をズタズタに切り裂いてゆく
曜「あは♪形勢逆転だね♪聖良さん!!」
曜も鉈を拾い上げて松の木の裏に隠れる聖良に切りかかってきた 聖良「くっ!!」
曜「せい!!」
曜は鉈を聖良の頭目がけて振り下ろした
聖良「わあああ!!」
聖良が辛くも刃を回避すると、松の木に大きな切り傷が刻まれた
月「そこだあ!!」
月は容赦なく聖良目がけてサブマシンガンの銃弾を雨あられと叩きこんだ
聖良「ひゃああ!!」
聖良は慌てて木陰に飛び込み、松の木に蜂の巣模様が刻み込まれた パララララ パララ パラ カチン
月「クソッ!」
聖良(シメタ!!弾切れだ!!今のうちに月さんを仕留めて..)
聖良が月を仕留めようと松の木から飛び出した時..
曜「ハア!!」
聖良「ッ!」
曜の鉈の刃が空を切った
月「曜ちゃんナイスアシスト!」
月はリロードを終えたサブマシンガンを聖良に向けて乱射した パララララララ パララララララ
聖良(まずい..1人でも厄介なのにあの2人を同時に相手にするなんて..まともにやりあったら勝ち目がありません..どうにか片方を先に倒さないと..)
曜「やあ!!」
聖良「クッ!」
月が聖良にマシンガンを乱射し、隠れたところを曜が鉈で襲う..
戦法としては単純だが2人の息のとれた連携は見事な物で聖良は少しずつ追い詰められていった パララララララ パララララララ
サブマシンガンから解き放たれた銃弾が千本松公園の松の木をズタズタに切り裂いてゆく
月(クソ!2対1でこっちはサブマシンガンまで使っているのになんで仕留められないんだよ!!)
曜「やあ!!はあ!!」
聖良「くっ!!」
曜は聖良に猛攻を仕掛け、鉈で斬撃を次々と繰り出し聖良を追い詰め..ついに
曜「そこだ!!」
聖良「しまっ!」
曜の鉈がついに聖良を捕らえた.. 曜「アッ!」
かのように思えたが..曜の手から鉈がすっぽ抜けてしまい
鉈がクルクルと弧を描いて土の上にズザッという音を立てて突き刺さった
曜「あわわわ!!」
曜は慌てて鉈を掴むと聖良から距離を取った
月「曜ちゃん大丈夫?」
曜「うん..ごめんね月ちゃん 足引っ張っちゃって..」
聖良(曜さん..どうやらさっきの蹴りで右肩を負傷しているようですね..右手の力は半減しているとみてよいでしょう..ならここは曜さんを先に仕留めるほうが定石..?) 月「曜ちゃん..右腕ケガしているの?」
曜「あ..大丈夫だから」
月「だったら曜ちゃんがサブマシンガンを使ってよ..僕が鉈で聖良さんを攻撃するからさ」
曜「ごめん..」
曜は申し訳なさそうな顔を作ると月のサブマシンガンを受け取り、交わりに自分の鉈を月に手渡した 月「さあ、続きだよ!!聖良さん!!頭を真っ二つに叩き割ってあげるから...ね!!」
月は鉈を振り上げて聖良に接近し、思いっきり鉈の刃を振り降ろす
聖良「ッ!!」
聖良が体をよじって刃を回避すると、空を切った刃が松の枝を叩き斬った
月「しつこいんだよ!いい加減に死ね!!」
2度3度と聖良目がけて鉈を振り回し、聖良は紙一重で鉈の刃を回避し続ける 聖良「ハア!!」
月「!!」
月の隙を突いて聖良は、月の顔面目がけて渾身の正拳突きを繰り出した
鉈の柄でガードしてガキンという大きな金属音が鳴り響く
ジンジンと痛む手の甲を無視して聖良は何度も何度も正拳突きを繰り出して
月の鉈を殴り続けた
曜「月ちゃん!!」
曜はサブマシンガンの銃口を2人に向けるも月を誤射してしまうことを恐れて引き金を引くことができないでいた 月「曜ちゃんなにしてるんだ!!早くサブマシンガンを撃って!!」
曜「で、できないよ..!月ちゃんに当っちゃったらどうするのさ!!」
月「曜ちゃん!」
月がよそ見をして曜に激を飛ばしている時..
聖良「ハアッ!」
月「しまっ!」
聖良が一瞬の隙を突いて月の眼前に肉薄してきた
聖良は拳を大きく思いっきり振りかぶり.. 聖良「セイッ!!」
月の顔面目がけて渾身の正拳突きを解き放った
月「クッ!」
月は顔面の前に鉈を出し、拳のガードを試みるが..
ガギイン....
鋼を弦で弾くような耳障りな金属音が千本松公園に鳴り響く.. 月「ガ..ア..ア..ァァ..」
聖良は鉈ごと月を殴りつけ、月の顔面に鉈を叩きつけた
鉄で顔を強く殴られたことで月は視線の焦点を宙に彷徨わせフラフラとその場に佇み..
聖良「ハアアアッ!!!」
鬼のような形相をした聖良は手のひらで月の顔面を掴みあげると
勢いよく松の木に月の後頭部を叩きつけた
月「ァ....ァ..」
月は2.3度口を金魚のようにパクパクさせると意識を失い、糸の切れたマリオネットのように手足をブランと脱力させた 曜「月ちゃん!!」
聖良「まずは一人..」
聖良は月の体を投げ捨てると鉈を掴み、曜と真正面から対峙した
曜「月ちゃんから離れろ!!」
曜がサブマシンガンの銃口を聖良に向けてその引き金を引いた.. カチン
曜「な!!」
サブマシンガンの銃口が弾切れの金属音を空しく発し..そして
聖良「はああああ!!!」
その隙を見逃さない聖良は鉈を振り上げ、曜を仕留めるために一気に距離を詰め..
聖良「セイ!!」
聖良は鉈の側面を曜の頭部に力強く叩きつけた 曜「ッ..」
曜はサブマシンガンで鉈を防ぐことに成功したが、サブマシンガンを取り落とし
ガシャンという音を立てて地面に落ちた
曜「あっ..」
聖良「今度こそ勝負ありです..命を狙ってきた相手とはいえ、知り合いを必要以上に痛めつけたくありません..投降しなさい..」
サブマシンガンを踏みつけた聖良は曜の首筋に鉈を突きつけて、鬼神のような形相で敗者を睨みつけた 曜「私は殺してもいいから..お願い..月ちゃんだけは助けてあげて」
聖良「私はあなたたち野蛮人とは違うんです..無暗に人の命を奪うなんてことはしません..あなたたちの処罰は警察に任せることにします」
曜「あはは!!殺人に殺人未遂..銃刀法違反に器物破損ってとこかな?捕まったら当分の間は刑務所だね」
聖良「逃げられませんよ?日本の警察を舐めないでください」
曜「聖良さん..なにもわかってないね..ここは沼津なんだよ? 黒澤家と小原家の命令で行われた殺しはなかったことになるんだよ」 聖良「それなら..私がその腐った内浦を潰して差し上げます..あなたたち全員を..必ず後悔させてみせる」
曜「へえ..聖良さんたった一人なのにずいぶん強気だね..内浦の住民全員が聖良さんの敵なんだよ?どうにかできると思っているの?」
聖良「私は理亞のお姉ちゃんなんですよ?舐めないでくださいね?」
曜「そっか..それじゃあ私は一足先に警察の世話になるとするよ」
ファンファンファンファンというパトカーのサイレンの音が千本松公園に近づいてきた 聖良「あら?黒澤家の命令で行われた殺人はなかったことになるんじゃないんですか?どうして警察がここにやってくるんです?」
曜「私たちが聖良さんの抹殺に失敗したからね..住民も何人か殺しちゃったし警察も動かざるを得ないよ..でも、少ししたら事件自体がなかったことになって私と月ちゃんは晴れて自由の身さ..」
聖良「させませんよ..内浦のお仲間たちも一緒に刑務所に送って差し上げます」
曜「フフッ..楽しみにしてるよ..」
曜は不敵な笑みを浮かべると駆けつけてきた警察官に手錠をはめられてパトカーに連行されていった
聖良(理亞..今助けにいくからね..)
to be continued とりあえずここまでです 続きはまったく書いてないので出来上がったらまたスレ立てます 乙、くそつよ主人公がさらわれた家族助けに行くために組織壊滅させる系洋画みたいで好き ダイヤ、曜は現行犯。黒
花丸は里亞を呼び寄せた。黒
善子は花丸と共謀。黒
果南と千歌は内浦の娘。灰色
梨子と鞠莉は非内浦民。灰色
ルビィ。白
前編読めれてないから推理しよう。
アクションものだけど ルビィは死んだんだよな(´;ω;`)
もし終わったらパラレルでいいから、ルビィが生きてる間に助けに来る奴見たいわ
既にルビィが死んでるのが悲しい
こんなに強かったら助けてくれそうだし >>132
前読んだら分かるけどクソスレだよ
あれの続きって分かって途端に萎えたわ 二度と書くなつったろうがクソゴミが
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