ルビィ「よっちゃんおかえりー」善子「……なんであんたがいるの?」
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ルビィ「聞いてない?」
善子「うん、なにも」
ルビィ「今日よっちゃんのお母さんいないでしょ?」
善子「飲み会で遅くなるから泊まってくるってことだったわね」
ルビィ「よっちゃんのお母さんがね、心配だから誰かに面倒を見てもらおうってなったらしくて」
ルビィ「折角だから花嫁修業も兼ねてルビィが行きなさいってお母さんに言われてきたの」
善子「折角誰もいなくて羽が伸ばせると思ったのに……」
ルビィ「堕天使の羽?」
善子「そうよ、堕天使の羽」 善子「ってか、あんた家事とかできるわけ?」
ルビィ「よっちゃん、ルビィのことバカにしてるでしょ」ムーッ
善子「いやだってそういうのできそうなイメージ全然ないし」
善子「東京で布団用意した時だって転んでたし」
ルビィ「あれはちょっとバランス崩しただけだもん!」
善子「それにルビィまだ小さいし」
ルビィ「同い年!」 ルビィ「よっちゃんいっつもそうやってルビィのこと子供扱いして……」ムスッ
ルビィ「今日のルビィはよっちゃんのお嫁さんなんだからね!」
善子「は?」
ルビィ「だって花嫁修業の一環で来てるでしょ? だからよっちゃんのお嫁さん♡」
善子「そういうものなの?」
ルビィ「そういうものなの!」 ルビィ「ちゃんとお嫁さんらしくお料理してよっちゃんの帰りを待ってたんだよ?」
善子「料理? そういえばいい匂いが」クンクン
善子「カレー?」
ルビィ「あたり!」
善子「まあカレーは嫌いじゃないし嬉しいわ」
ルビィ「よかった……。って、あぁっ!」
善子「ど、どうしたのよ急に大声出して」ビクッ
ルビィ「ちょっと忘れてたことがあって」アセアセ
善子「忘れてたこと?」 ルビィ「えっと、こほん。ご飯にする? お風呂にする? それとも――」
ルビィ「ルビィ?」ウワメ
善子「……。誰に習ったの?」
ルビィ「鞠莉ちゃん」
善子「まあ、そこくらいしかいないわね……」ハァ
ルビィ「鞠莉ちゃんに今日のこと話したらよっちゃんが帰ってきたらすぐやるように言われてたのに……」
善子「いやそんなのやる必要ないから……」 善子「でも、そうね。練習で汗かいたしお風呂先に入るわ」
ルビィ「うゆ! もう沸かしてあるからすぐ入れるよ!」
ルビィ「ルビィはよっちゃんがお風呂入ってる間にご飯の用意しちゃうね」
善子「……ほんとに新婚みたい」
ルビィ「ルビィはよっちゃんのお嫁さんだもん」エッヘン
善子「そんな誇ることでもないと思うけど……」 ――
善子(まさか帰ってきたらルビィがいるとは思わなかったわ……)
善子(お母さんもそれなら一言くらい言っていきなさいよ!)
ルビィ「よっちゃん?」
善子「は、はいぃっ?」
ルビィ「お湯加減はいかがですか?」
善子「あ、え、えっと。ちょうどいいわよ?」
善子(びっくりしたぁ、お風呂に入ってるとこに話しかけてくるとは思わなかった……) ルビィ「それじゃあルビィも失礼しまぁす♡」
善子「はあ!?」
ルビィ「背中流してあげようと思って」
善子「いやもう身体洗っちゃったけど」
ルビィ「え?」
善子「湯船に浸かる前に身体洗った――」
ルビィ「……」ウルウル
善子「あ、あー! でももう1回身体洗いたい気分かも!」アセアセ
ルビィ「っ! じゃあルビィが洗ってあげるね♡」パアアアアアアアアアア ルビィ「ごしごし。気持ちいい?」
善子「ん、もっと力弱いのかと思ってた」
ルビィ「ルビィだってスクールアイドルだもん」
善子「まああのメニューこなしてるしね」
ルビィ「ごしごーし♡」
善子(なんていうか、お嫁さんっていうより娘に背中洗ってもらってる気分)
善子(なんて、言ったらルビィは怒るんだろうけど)クスッ
ルビィ「あっ、くすぐったかった?」
善子「ううん、ちょうどいいわ」ニコニコ
ルビィ「? 変なよっちゃん」ゴシゴシ ――
善子「まさか身体まで拭かれるなんて……」
ルビィ「お嫁さんとして当然だよ♡」
善子「ヨハネとあんたのお嫁さん像に大分食い違いがあることはわかったわ」
ルビィ「さ、よっちゃん。ご飯冷めちゃうよ?」グイッ
善子「ちょ、そんな引っ張らなくてもいくから!」
ルビィ「ルビィが折角作ったんだからはやく!」グイグイ
善子「いくから!」
善子(これ絶対お嫁さんっていうより子供よね……) 善子「……うわ、普通にまともなカレー」
ルビィ「ルビィだってカレーくらい作れるもん」ムスーッ
善子「レトルトじゃないわよね?」
ルビィ「レトルトを手作りって言って出さないよ!」
善子「……じゃがいも多くない?」
ルビィ「おいしいからいーっぱい入れたの♡」
善子「そういえばポテト好きだったわね……」 ルビィ「はい、じゃあ座って座って」
善子「だから急かさないでってば」
ルビィ「ルビィも向かいに座って――」
ルビィ「えへへ、こうして大好きな人と向かい合って食べたかったんだ♡」
善子「これはそのための修業でしょ?」
ルビィ「……」ムスッ
善子「なによ」
ルビィ「ルビィ、今はよっちゃんのお嫁さんなの!」
善子「そこやけにこだわるのね……」 善子「まあいいわ、それじゃあいただきま――」
ルビィ「すとっぷ!」
善子「?」
ルビィ「あーん」
善子「はあ?」
ルビィ「口開けて?」
善子「いや、そういうのいいから」
ルビィ「ルビィのこと嫌い……?」ウルウル
善子「そういうんじゃなくて! 恥ずかしいから!」アセアセ ルビィ「……」ウルウル
善子「……あーん」
ルビィ「えへへ、あーん♡」
善子「あむっ」モグモグ
ルビィ「どう?」ドキドキ
善子「おいしい……!」
ルビィ「よかったぁ♡」パアアアアアアアアアア
ルビィ「愛情たーっぷりこめたんだ♡」ニコッ
善子「!」ドキッ ルビィ「ほら、よっちゃんもう一口♡」
善子「あーん」
善子(ルビィ好みの味なのか、やけに甘いけど)
善子(お母さん以外の手作りカレーなんて初めて食べた)
善子(正面でにこにこしてるこの子がいるからかしら)
善子(辛い方がヨハネ好みなのに、今まで食べたカレーの中で一番おいしいかも) ――
ルビィ「すぅ……すぅ……」
善子「……一緒にテレビ見たいって言い出したのあんたでしょうに」コツン
善子「まあヨハネのために色々頑張ってくれたのよね、この小さな身体で」
善子「……」スッ
善子「かっる、ほんと子供みたい」
ルビィ「んん……」
ルビィ「あれ、よっちゃん……?」コスリコスリ
善子「ベッド連れてってあげるから寝てなさい」
ルビィ「あっ♡ お姫様だっこだ♡」
善子「嫌だった?」
ルビィ「んーん、嬉しい♡」 善子「ほら、ベッド使っていいから」
ルビィ「よっちゃんは?」
善子「あっちのサメで寝る」
ルビィ「……」ソデクイッ
善子「……なに?」
ルビィ「一緒に寝よ?」
善子「いや狭いし」
ルビィ「ルビィちっちゃいから平気」
善子「普段私が言うと不機嫌になる癖にこういうときは自分で言うのね」
ルビィ「だって、よっちゃんと一緒に寝たいもん」 善子「……どうせこうなったら譲らないでしょ?」
ルビィ「……」
善子「そっち詰めて」
ルビィ「わーい♡ よっちゃんと一緒♡」
善子「はあ、高一にもなって友達と一緒のベッドで寝るって……」
ルビィ「今はルビィ友達じゃなくてお嫁さんだもん♡」
善子「はいはい、そうね。ちっちゃなお嫁さん」 よしルビは今はまだ癌には効かないが、そのうち効くようになる。 ――
善子「んん……」
ルビィ「すぅ……すぅ……」
善子「うわぁ!?」ズテン
ルビィ「うゆ……?」コスリコスリ
善子「起きたら目の前にルビィがいるからびっくりした……」
ルビィ「あ、よっちゃんおはよー」
善子「お、おはよう」
ルビィ「? なんでそんなところで寝てるの?」
善子「いや、ちょっとね」
ルビィ「ま、いっか。朝ごはん、昨日のカレーの残りあっためるからちょっと待ってて」
善子「うん、ありがと」
ルビィ「いいの、お嫁さんなんだから♡」 ――
ルビィ「はぁ……」
善子「どうしたのよ」モグモグ
ルビィ「よっちゃんのお嫁さんでいられる時間もそろそろ終わりなんだなって。あーん」
善子「あむっ。ほんとあんたそれこだわるわね」モグモグ
ルビィ「それはこだわるよ」
ルビィ「だってルビィ、よっちゃんのお嫁さんになりたいんだもん」
善子「……は?」
ルビィ「よっちゃん、あーん」
善子「あーん、じゃない!」ガタッ
ルビィ「ぴぎぃ!?」 善子「なに今の!? 告白!?」
ルビィ「んー、まあそうかも」
善子「ムードもへったくれもないのよ!」
ルビィ「ぴぎぃ!?」
善子「っていうか!」
ルビィ「……?」
善子「そ、そういうのって普通そっちから言うものじゃないでしょ?」モジモジ
ルビィ「え?」 善子「ルビィと一晩過ごしてヨハネも気付いたの」
善子「ルビィと一緒にいると楽しいし、幸せだって思えたし」
善子「私のためにいっぱい頑張ってくれて、すごく愛しく思えて」
善子「……結婚するならルビィがいいなって」
善子「ううん、ルビィしかいないなって」
善子「だからっ!」
善子「私のお嫁さんになってください!」
ルビィ「ふ、ふつつかものですが、よろしくお願いします……!」
おわり ||^.- ^||b|三|c||^.- ^|| 良かったですわぁ〜〜 >>7
聖火リレーなのにお前の命風前のともし火やんけ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています