花陽「日雇い8000円のネカフェ暮らし……辛いよお」
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歌舞伎町 ネットカフェ
花陽「…………」カタカタターン
ネカフェ2年目だけど質問ある?(874)
年収1千万以上なんだが(252)
深夜のラーメンテロスレ(600)
花陽「ふうー……また同じスレ巡回しちゃってるよ」
花陽「漫画は大体読んじゃったもんね、ドリンクなんて何回同じ物飲んだんだろう」
花陽「……あ、おしっこしてこよ」 ガラララ……パタン
花陽「何も盗られてないね」
花陽「うーん……まだ眠くないな……」
花陽「……そうだ、ネットニュース見てみよう」カチカチ 花陽「ふーん……路上で怪しい露店の取り締まりがあったんだ」
花陽「ニシキノビルの路地裏でクサの取引……いつもの事だね」
花陽「えっ、コシヒカリの収穫量が例年より下がってるのお!?」
花陽「ショックだよぉ……ここのネカフェはコシヒカリ使ってるから気に入ってるのに」
花陽「ふわあ……丁度良く眠くなってきたよ」
ゴロン
花陽(マット固い……でも明日も仕事だし寝なきゃ……)
花陽(お休み……)スー…… カチカチ……
花陽「ふわ……」
花陽(あ、今通った人カウントしてなかった)
花陽(交通量調査って楽そうだと思ったけど……お尻が痛い……)
花陽「ね、眠たい……」ウトウト
絵里「……大丈夫?」
花陽「ひゃあああっ!?」 絵里「わっ、もうびっくりしたじゃない!」
花陽「ご、ごめんなさい……」
絵里「眠たいんでしょ?これ飲む?」スッ
花陽「こ、コーヒー!そんな悪いですよ……」
絵里「良いのよ、間違えて買っちゃったし」
花陽「あ、ありがとう御座います……」
絵里「それ飲んでお仕事頑張って♪じゃあまたね」スタスタ
花陽「は、はいまたいつか!」
花陽「よし、これ飲んで目を覚まそう」ゴクゴク
花陽(んっ……苦い……でも頑張らなきゃ!) 「はい、小泉さん。今日の分ね」スッ
花陽「あ、ありがとうございますっ!」
「また頑張ってね、じゃあ」
ネカフェ
花陽「8000円……ちょっと少ないなあ」
花陽「実際9時間ぐらい座ってた気がするよ……」
花陽「まあ生活できてるし、貯金も少しだけあるからまだ良いかな?」
花陽「……うん、今日は奮発して定食食べに行こう!」 街中
花陽「うう……人がいっぱい居て苦しい〜」ギュウギュウ
ドンッ
花陽「ぴゃっ!」
「あ、すいません」タタタタ
花陽「あ、こちらこそ……」
花陽(気をつけてよ……) 矢澤食堂
花陽「にこちゃーん!」タタ
にこ「すいませ〜ん、今日は店仕舞いで……あ、花陽!」ガラガラ
花陽「あ、もう閉店なの……?」
にこ「そうよー、でもアンタが来たなら開けるしかないじゃない」
花陽「ほんと!?にこちゃん大好き!」ギュッ
にこ「ぬわあっ、もうしょうがないわねー//」カラララ
花陽「じゃあ、お邪魔しまーす」カラララ 凛「あ、かよちんだにゃー!かよちーん!!」スリスリ
花陽「ひゃあっ、凛ちゃんいきなりだよぉ」
にこ「まったく……人前でイチャイチャしてんじゃないわよ」スッ
花陽「あ、日本酒だあ♡」
凛「凛はにこちゃんの事も好きだよ?」
にこ「なっ///バカ言ってんじゃないわよ!」
凛「ほんとだよ〜」
にこ「じゃあ溜まったツケ返して」
凛「ごめん無理」
にこ「やっぱりね」 凛「にこちゃんとの縁を切りたくないんだよー、だからお金は返さない!」
にこ「何思い切った発言してんのよバカ」
凛「バカって言った方がバカなんだよ!」
花陽「にこちゃん、定食欲しいな」
にこ「良いわよ、ちょっと待ってなさい」
凛「無視するにゃー!」 花陽「定食美味しい〜♡」モグモグ
にこ「はいはい、あんた達の為に表閉めて営業してんだから感謝しなさいよ」
凛「そんな事言ってにこちゃんだって寂しいだけだにゃ」
にこ「そ、そんなわけないでしょ!」
凛「図星だにゃー」ケラケラ
にこ「こらー、凛!」ゴン
凛「痛いにゃー!」シャー
花陽「あははは!」カオマッカ 花陽「は〜……楽しいな〜」プワー
にこ「アンタ、最近どうなのよ?」
花陽「相変わらずだよぉ、日雇いのネットカフェ暮らし」
にこ「ふうん……中々抜け出せないってのは本当なのね」
花陽「うん……ジュースも飲めるし、何よりネットし放題だし……」
凛「良いなあ、凛も家賃4万のボロアパートよりそっちの生活にしようかな?」
にこ「いや、アンタは布団敷ける時点でこの中じゃ一番よ」
花陽「にこちゃんは店の2階だっけ?」
にこ「ほんと狭くてね……まともに寝られやしないわ」
凛「皆苦労してるにゃー」 花陽「花陽もアパートで暮らせる様にしたいけど……まだまだお金が足りないよ」
にこ「この食堂も売上全然無いわ……皆洒落た店で飲み食いするのよ」
凛「お酒とギャンブルのせいでカツカツだよー」
『はあー……』
花陽「って、ダメダメ!折角3人で飲んでるんだし楽しく行こうよ!」
凛「そうだにゃー、何とかなるにゃー!」
にこ「……そうね、今日はとにかく飲むわ」 凛「あははは!!にこちゃんもっと飲むにゃー!」
にこ「ちょ……もう、無理だって……あー、明日は休業しよ……」
花陽「うふふふふ……♪」
にこ「悪いけどにこは休みたいわ……アンタら帰ってくれる?」
凛「えー、まだ飲みたいのに」
花陽「しょうがないよぉ、じゃあお会計しよっ?」
凛「はーい……」
花陽「えーっと……あれ?」ゴソゴソ 花陽「あれ、あれ!?」
凛「かよちんどうしたの?」
にこ「あ、アンタもしかして」
花陽「……財布ない」サー
にこ「マジで……?」
凛「どこかに落としたんだよ!今すぐ探そう!」
花陽「う、うん!」 凛「かよちーん、見つかった?」
花陽「無い……どこに行ったんだろう」
花陽「……うーん、あっ!」
花陽『ぴゃっ!』
『あ、すいません』タタタタ
花陽『あ、こちらこそ……』
花陽(あの時ぶつかった人だ!)
凛「かよちん?」 花陽(あの人を探さなきゃ!)タタタタ
凛「かよちんどこ行くの!」タタタ
花陽「財布を盗った人探すんだよ!」
凛「ええっ!?財布盗られたの!?」
花陽「今すぐ取り返さなきゃ!」タタタタ
凛「あ、かよちん待ってー!」 路地裏
ミカ「姉さん、今日の分です」パサッ
希「おー。結構集まったなあ」
ミカ「スリなんて始めてで緊張しましたよ……」
希「ええよええよ、これだけ集まったらしばらく遊べるわ」
ミカ「しかし……サツの奴に捕まったらどうします?」
希「その時はその時や。ウチのスピリチュアルパワーでどうとでもなるわ」
ミカ「姉さん……」
希「さ、ここを出よか」スタスタ
絵里「ちょっと待ちなさい」 絵里「貴方達よね?今日、交差点のすれ違い様に私の財布をスったのは」
希「そんな事せえへんよー、ウチらはか弱い夜遊び人や」
絵里「その財布の中にGPS機能付きのタグ入りのがある筈、それが私のよ」
ミカ「それって……このお洒落な……」
絵里「やっぱりね、尻ポケットが軽いと思ったわ」
希「今更気付くんか……」
絵里「うるさいわね、早く返した方が身の為よ?」 希「ふふ、お姉さんが喧嘩強くてもこっちは2人や。勝ち目はこっちにあるよ?」
絵里「……私、こういう者だけど」スッ
ミカ「サツ!?」
希「あらら、まさかのアンラッキーだわ」
絵里「貴方達の顔に見覚えあると思ったら……最近路上を騒がせている怪しい露店販売人じゃない」
希「げっ、そこまでバレとるんか」
絵里「スリと路上占拠の罪で2人ともムショ行きよ、住む場所が出来て良かったわね」
ミカ「姉さんどうしましょう!?」
希「しゃーない……これでどうや!」ヒュッ
絵里「……!」サッ にこは布団敷けないレベルならもう店に布団敷けば…? 日雇いって性格悪すぎて人生終わってるオッサン多いよな
西川とか高萩とか 真姫「待ち伏せされていた?」
絵里「えぇ、警報が鳴って追手が来るまでのタイミングが早すぎたわ」
にこ「あらかじめ、こっちが来るのがわかっていたって思うくらいにね」
真姫「....成程」
絵里「別に私達は予告状を送ってる訳でもないし、待ち伏せされることはないはずなのにね」
にこ「...いや、ないことはないわよ」
真姫「そうね、私達やlily whiteを警戒して警備を強化してる可能性もあるし」
絵里「あー....」
にこ「はぁ...やりづらくなったものね」 ごめんなさい、スレを間違えました
本当にすいません.... >>40-41
誤爆したら宣伝までしていくのが礼儀だぞカス ボフン モクモク……
絵里「煙幕!?」
希「逃げるよミカちゃん!」
ミカ「は、はいい!」
タタタタ
絵里「くっ、待ちなさい!」タタッ 花陽「はあ……はあ……私の財布はどこなの?」
ドンッ
ミカ「いたっ!」
花陽「いたた……あ、貴方は……!」
ミカ「ん?あっ、アンタ……」
花陽「さっきぶつかった人だ!財布返して下さい!」
ミカ「そ、それは無理だよ」
花陽「そんな……」 希「ミカちゃんどうしたん?」
ミカ「あ、姉さん……実は」
花陽「この人が花陽の財布を盗ったんですっ!」
希「あらら……しゃあないな」スッ
花陽「な、何を……ひやあっ!」
絵里「追い付いたわよ……って貴方は!」 花陽「あ、貴方は朝出会った……!」
絵里「ええ……まさか貴方もスリの被害に」
花陽「は、はいい……」
希「おーっと、それ以上近づいたらこの子の命は保障せんよ?」カチャ
花陽「ひいいぃっ!!」
ミカ「助けて欲しかったら私達を見逃して貰おうかな」
絵里「……分かったわ、貴方達の条件を飲む」
絵里「早くその子を離してあげなさい」 希「分かったよ、ほい」ポンッ
花陽「は……はああ……」ブルブル
希「じゃあねサツさん」ダッ
絵里「待ちなさい、財布を返しなさい!」
ミカ「そんな条件聞いてないよ?」
絵里「ふざけた真似を……!」
希「なら何かウチらに得する様な物が無いとなあ」
絵里「くっ……」
花陽「だ、誰か助けてー!!」
凛「かよちーん!!」ダダダッ ドンッ
ミカ「っ!?」ドサッ
希「ミカちゃん!」
凛「かよちんを返せー!!」
花陽「凛ちゃん!」
凛「かよちーん!」ギュー
絵里「良かった……友達が来てくれたのね」
凛「もしかしてかよちんを助けてくれたの?ありがと−!」
絵里「こちらこそ、さてと悪党をしょっ引かないとね」ギロッ
希「……ふふふ、こんな所で捕まるウチやないよ!」ボフン
モクモク
絵里「また煙幕を……逃がさないわよ!」ダッ 花陽「凛ちゃん……助けに来てくれてありがとう!」ギュッ
凛「えへへ、かよちんの為なら火の中水の中だにゃー!」
花陽「一件落着だね!あ、財布を返してもらって無かったよ……」シュン
凛「え、もしかしてこれ?」つ財布
花陽「え!?いつ取ったの?」
凛「さっき突進した後だよ」グッ
花陽「ありがとう凛ちゃん……!」 花陽「にこちゃんごめんね」スッ
にこ「大丈夫よ、あー……いたた」
にこ「ごめん飲みすぎで頭痛いから寝るわ」
花陽「うん。また一緒に飲もうね!」
にこ「勿論よ、じゃあね」スタスタ
花陽「はー……ネカフェ戻らなきゃ」 花陽「……よし、お金は盗られて無いね」
花陽「さてと……また明日から頑張りましょう……ってね」カタカタ
花陽「そろそろ寝よう……お休み」スー
スリにあったんだがwww(24) 「はい、今日の分」
花陽「ありがとうございますっ」
ネカフェ
花陽「ふうー、今日も良く働きましたっと」カタカタ
花陽「あ……この前立てたスレ伸びてる!」カタカタ
花陽「やっぱり掲示板は最高だよぉ」カタカタ ゴクゴク
花陽「さてと……ぴゃっ!」スクッ びきっ
花陽「こ、腰が痛いよ……」
花陽「やっぱりマットじゃ寝られないね……よしこんな時は」 スーパー銭湯
花陽「はぁ〜……気持ち良いよぉ♡」
ガヤガヤ
花陽「ふふふ、ここに居る皆が運命共同体って感じですっ」
絵里「ほんとにね」
花陽「ひゃっ!」 絵里「はぁい♡」
花陽「え、何で貴方が……」
絵里「今日は非番なのよ。それで日頃の疲れを癒しにね」
花陽「そ、そうなんですか……」
絵里「あら、緊張してる?」
花陽「そ、そそそそんな事は……!」カァー
絵里「……えい」ツン 花陽「きゃっ///」プニュ
絵里「ふふふ、結構育ってるじゃないの」フニフニ
花陽「あ、あああ……」
花陽(この人レズ!?)
絵里「別に女好きとかじゃないわよ?」
花陽「ひゃあっ!聞こえました……?」
絵里「顔に出てるわ」クスッ
花陽「お恥ずかしい……」 絵里「気にしないわ……それに裸の付き合いなんだし名前で呼びましょうよ」
花陽「あ、小泉花陽って言います……」
絵里「私は絢瀬絵里。まあ知ってると思うけど私服警官よ」
花陽「私服警官……何か特殊な事とかあるんですか?」
絵里「服が違うだけよ、ちなみに私は警部ね」
花陽「す、凄い……」 花陽「あ、この前の2人はどうなったんですか?」
絵里「残念ながら捕り逃してしまったわ……」
花陽「ええ、大丈夫なんですか!?」
絵里「逃げ足が速くてね……でも心配は無いわ」
絵里「あの露店コンビはいつも歌舞伎町の周辺を住処にして商売しているのよ」
絵里「露店の開く場所は決まって路地裏、人目が付きにくいからね」
絵里「だから私は歌舞伎町の路地裏を徹底的に洗うつもりだわ」
花陽「路地裏……そういえばニシキノビルの路地裏でも怪しい取引があったって」
絵里「ネットニュースでも見たの?そうよ、監視カメラにはうっすらとしか映っていなかったけど」
花陽「路地裏って思ったより怖いんだね……」
絵里「ええ。でも安心してその為に私達警察が居るんだから」
花陽「かっこいいです……!」キラキラ 絵里「ふう……そろそろ上がりましょう?のぼせてしまうわ」ザパッ
花陽「はい!」ザパ
休憩所
絵里「はい、牛乳」
花陽「あ、ありがとうございます!」
絵里「風呂上りはこれよねー♪」ゴクゴク
花陽「えへへ、そうだね」ゴク 絵里「花陽、この後何か予定はあるの?」
花陽「特には無いかな……絵里ちゃんは?」
花陽「って、ついちゃん付けで///」
絵里「構わないわよ♪それに私も用は無いわ」
花陽「じゃあ……ちょっと行きたい所があるんだけど……」
絵里「良いわ、行きましょう?」
花陽「うん!」 カンカン……
絵里「地下降りるの?何があるのかしら」ワクワク
花陽「うふふ。一度行ってみたかったんだ」
『おかえりなさいませ、ご主人様♡』 絵里「メイド喫茶!?」
花陽「うん、このビルの地下にあるって聞いたんだけど一人だと怖くて……」
絵里「へえ……でも結構お洒落で従業員も可愛いじゃない」キョロキョロ
花陽「良かったあ、連れてきて」
「今日は私がご主人様達のお世話をさせて頂きます♡」 絵里「あら。貴方は一際可愛いじゃない」
「ええ〜?ありがとうございます〜♡」
花陽「あ、あのお名前は……」
「そうですね〜……ミナリンスキーって呼んで下さいっ♪」
ミナリンスキー「では、こちらがメニューになります♡」 花陽「わあ……あれがメイドさんなんだ」
絵里「成る程、表情や声まで洗練されたプロって感じね」
花陽「絵里ちゃん……評価する所そこなの?」
絵里「長い事警察やってると人となりが分かるわ、あの子は色んな意味で侮れないってね」
花陽「大げさだよぉ、普通のメイドさんなのに」
絵里「見た目はね……まあこれ以上は憶測でしかないから今は置いておきましょう」 花陽(何があったんだろう……?気になるけどお腹空いちゃった)グゥー
絵里「あらお腹の虫が泣いてるじゃない、このオムライスでも頼みましょうか?」
花陽「うん!それと……この、か、カップルジュースってなんだろう……?」
絵里「知らない?ハートマークを模した2本のストローで大きなジュースを飲むのよ」
花陽「そ、そうなんだ……ちょっと気になるなぁ」
絵里「よし、そのジュースも頼みましょう、私はこのサンドイッチにするわ」
花陽「じゃあ呼ぼう……すいませーん」
ミナリンスキー「はぁ〜い♡」 ミナリンスキー「お待たせしました〜、こちらカップルジュースになりますっ♡」
絵里「へえ、結構大きいわね」
花陽「本当にストローがハートマークだよ……!」
絵里「さて飲みましょう?」チュー
花陽「う、うん」チュー
花陽(近いぃぃ///そういえば最近こんな近くで人と接した事ない……)フーフー
絵里(照れてるのかしら、鼻息がくすぐったいわ……あ、味は良いわね)
花陽(近くで見ると絵里ちゃん凄い綺麗……ていうか味分かんないよぉ)ギュッ
絵里(あら、目を閉じちゃった……やっぱり照れ屋さんね)
絵里「御馳走様」
花陽「ご、ご馳走様でした……」 ミナリンスキー「ありがとうございました♪またお越し下さいご主人様♡」
花陽「す、凄かったよね!」
絵里「ええ、花陽の可愛い顔も見れたわ」
花陽「も、もうからかわないでよ///」
絵里「照れちゃって」ウフフ 絵里「しかしジュース飲むなら牛乳はやめておくべきだったわね、お腹がタプタプだわ」
花陽「そ、そうだね……でもお風呂上りの牛乳はどうやっても外せないよぉ」
絵里「分かるわ。ふふ、やっぱり私達気が合いそうね」
花陽「じゃ、じゃあまた……」
絵里「ええ。一緒に銭湯行きましょう?」
花陽「やったあ……!」
絵里「ふふっ。じゃあ今度ね」
花陽「うん、また会おうね!」 花陽「はぁー……今日は楽しかったなあ」
「あー、ちょっとそこの君良いかな?」
花陽「は、はい?」
「カバンの中見せてくれる?」
花陽「あ、はい……」
花陽(職務質問だ……)
「うーん……特に怪しい物は無いね」
花陽「あ、あの何かあったんですか……?」
「いやー実はこの辺で違法営業があってね。警戒中なんだ」
花陽(違法営業……あ、そういえば絵里ちゃんが何か言ってた様な)
「足を止めてごめんね、じゃあ気をつけて」
花陽「は、はい……お仕事頑張って下さい」
「ありがとうね」 ネカフェ
花陽「はぁー……」カタカタ
花陽(職務質問されるなんて……花陽がネカフェ暮らしなんて知られなくて危ない所だったよ)
花陽(ううん、警察の人もお仕事でやってるんだ。外出中は気を付けなきゃ)
花陽「ふわ……ゆっくりお湯に浸かったから眠いよぉ」
花陽「あ、腰がちょっと楽になってる……今日は良い夢見れそうだね」
花陽「お休み……」
歌舞伎町地下のメイド喫茶に行ってみたよ(373) 派遣会社
「小泉さん、今日はここに行ってくれる?」
花陽「は、はい……」
花陽(力仕事だ……花陽の苦手なジャンルだなあ)
花陽(でもお金貰わなきゃ……頑張ろう!) 「では小泉さんはここにある土を運んでください」
花陽「は、はい!」
「無理をしないで下さいね」ニコッ
花陽(良かった……優しそうな人だ)
ヨロ……ヨロ……
花陽「ふう……ふう……」
花陽(思ったより重くて疲れるよ……)
「おー、頑張ってるね!」
花陽「あ、いえ……」
「この作業終わったら休憩行こうよ!」
花陽「え、もうそんな時間ですか?」
「うん、早く終わらせよう!」
花陽「はい!」
花陽(やった……!もう汗びしょびしょだよ……) 休憩所
「いやー、疲れたよー!」
花陽「は、はい……」
「あ、喉乾いてるよね。これ飲んで良いよ!」スッ
花陽「あ、ありがとうございます!」
花陽(この人も優しい……今日は良い現場引いたよ) 「そういえば名前聞いて無かったかな?」
花陽「あ、小泉花陽です」
「そっか、じゃあ花陽ちゃんだね!」
花陽(ちゃ、ちゃん!?)
「私は穂乃果!高坂穂乃果だよっ!」
花陽「穂乃果さんですか」
穂乃果「穂乃果で良いよ!」
花陽「……じゃあ……穂乃果さ……ちゃん……///」
穂乃果「へへー、花陽ちゃん可愛いね!」ナデナデ 花陽「あ、ああう……//」
穂乃果「ごめんごめん。でも花陽ちゃんって日雇いの人だよね?」
穂乃果「折角仲良くなれそうなのに今日限りなんて寂しいなー……」シュン
花陽「あ……」
穂乃果「そうだ!花陽ちゃんLINEしてるよね?交換しよっ!」
花陽「え、良いんですか?」
穂乃果「もちろん!今度飲みに行こうよ!」ニカッ
花陽「……はい!」
花陽(……本当に今日は良い日だな)ホッ 花陽「そういえば給料は担当の人から手渡しだったね……よし」コンコン
「どうぞ」
花陽「失礼します……」
「こちらにお掛け下さい」
花陽「はい」スッ
花陽(給料貰うだけなのに……何か緊張するよ) 「小泉さん、本日はどうもお疲れ様でした」ペコリ
花陽「あ……はい」
「こちらが本日分の給料です」スッ
花陽「ありがとうございます!……わっ、ちょっと多い様な……」
「ええ、貴方の働き具合を評価した分ですよ」
花陽「そ、そうなんですか?」
「本来なら日雇い分の一万円だけですが小泉さんはそれ以上に頑張ってくださいましたから」
「私としては是非正規の社員として迎え入れたい所ですね」
花陽「ほ、褒め過ぎですよ……」
「……良ければこちらを受け取って下さい」スッ 花陽「め、名刺ですか?」
園田建設社長兼代表取締役 園田海未
花陽(ひゃあ……凄い肩書……)
海未「もし仕事に困ったらこちらの名刺を使って連絡を下さい」
花陽「それって……」
海未「はい。社員として迎えますよ」ニコッ
花陽「あ、ありがとうございます!!」ガバッ
海未「ではその時が来たら一緒にお仕事しましょう。それでは」ペコッ
花陽「は、はい!失礼しました!」
ガチャ ネカフェ
花陽(ひゃあああああ〜〜〜!!)
花陽(何か社員さんになれる道が開けたよぉー!)
花陽(いつもより多くお金も貰えたし……今日は豪遊だね!)
花陽「力仕事で汗もかいちゃったし、銭湯行こう!」 花陽「ふうー……やっぱりここのスーパー銭湯は最高ですぅ」
凛「かよちーん!」ギュッ
花陽「ひゃああ!」バシャ
凛「久し振りだにゃー!」
花陽「凛ちゃんいきなりびっくりするよぉ〜」 凛「えへへ、ごめんだにゃー」
花陽「もう……でも凛ちゃんが銭湯って珍しいよね?」
凛「ふっふー、今日は凛にとって最高の日なんだにゃ」
花陽「何か嬉しい事でもあったの?」
凛「なんと……ギャンブルで10万勝っちゃったんだ!」
花陽「ええええー!?す、凄いよ凛ちゃん!」 花陽「でも、ギャンブルってこの近くだとニシキノグループが関わってるあの……」
凛「そう、裏カジノだにゃー」
花陽「やっぱり……日本で唯一のカジノ場って言われてる所だよね」
凛「実は前々から会員証を作って通ってたんだけど、そこのポーカーで大勝ちしたんだ!」
花陽「い、色んな意味で凄いね……会員証ってあるんだね」
凛「うん。ちょっとプレイ費が安くなるんだ」
花陽「詳しいね……」 凛「今度かよちんも行こうよ!もし大勝ちしたらご飯沢山食べられるよ?」
花陽「それは魅力的だけど……私はギャンブル苦手だから……」
凛「そういえば前に誘った時もノリノリじゃ無かったね、まあ仕方ないにゃ」
凛「でも一人で行くのはなあ……あ、にこちゃんでも誘おう」
花陽「あんまり危ない橋渡っちゃダメだよ?」
凛「何言ってるのかよちん!折角天下の歌舞伎町でギリギリの暮らししてるんだよ」
凛「危ない橋を渡って一発逆転を夢見るのがロマンって物だにゃ」
花陽「それは分かるよ」
花陽(社員の話しようと思ったけど……やっぱりやめておこうかな) 花陽「凛ちゃんこれからどうするの?」
凛「前から気になってた中華料理屋に行ってくるにゃー!かよちんも行く?」
花陽「花陽はここの食堂でゆっくりご飯でも食べようかな」
凛「そういえばここのスーパー銭湯食堂あったね、じゃあ今日はバイバイにゃー!」
花陽「またね」
凛「今度飲みに行こうねー!」ブンブン
花陽「うん!」 おばちゃん「はい、定食とビールお待ちー」
花陽「ありがとうございますっ」
花陽「んっ……んっ……ぷは、牛乳も良いけど湯上りのビールも最高だよぉ」
花陽「定食も美味しい〜♡」
花陽「そしてビールを……んっ……ぷはー!」
花陽「幸せぇ〜♡」 花陽「あ、そうだ……スレ立てておこう」
花陽「スマホでも掲示板でスレ立ては出来ますっ」スッスッ
花陽「食べて寝てスレ立てて……これが今の花陽の生きがいだよぉ」
モブ1「あそこのキャバ行こうぜ!」
モブ2「え、格安って聞いたけど危なくねえか……?」
モブ1「何言ってんだよ、危ない橋渡ってこそ人生だろうが」 花陽「ごくごく……ふう」
花陽(危ない橋を渡る……凛ちゃんも言ってたね)
花陽(確かに一度きりの人生なんだしちょっとは危険な事しても良いのかも)
花陽「んぅ……ねむい……」ウトウト
花陽(でも臆病者の花陽はビールで気持ちを誤魔化します)
花陽(既に日雇いのネカフェ暮らしという危ない橋を渡ってるんだもん……これ以上は心が持たないよ)
花陽(園田建設の社員……考えてみても良いよね……)
花陽「ふわ……ここ24時間だからちょっと寝ても良いよね……」
花陽「お休み……んっ……すぅー」
ポトッ
日雇いだが社員のお誘いが来た……(596) おばちゃん「ちょっと、お客さん?」トントン
花陽「ん、んん〜……?」
おばちゃん「随分寝てたけど大丈夫かい?朝の9時だけど」
花陽「9時……?……あっ!」
おばちゃん「目が覚めたね。温かいお茶いる?」
花陽「いえ!どうもすみませんでしたぁ!」
花陽(やばい、寝すぎたよ!) 花陽「はぁ〜……24時間で良かったよ……」
花陽「でも花陽以外にも割と寝てる人居たけど……まさかね」
花陽「うーん……もう9時だけどお仕事無いかな?」
花陽「お金はあるから今日一日ぐらいならなんとかなるけど……」
花陽「……やっぱり探そう、今からでもあるよね」
花陽「よーし……え、あれ?スマホは??」ゴソゴソ 花陽「慌てて飛び出してきたから置いてきちゃったかな!?」
花陽「今から戻るのは恥ずかしいな……でもしょうがないね」
おばちゃん「スマホ?あぁ携帯の事かい」
花陽「はい、緑色ですけど……」
おばちゃん「緑ねぇ。ちょっと待っててね」
花陽「はい」
おばちゃん「ごめんね、緑色のは無かったって」
花陽「あ、そうなんですか……」
おばちゃん「どうしてもって時は公衆電話ならこの近くにあるからね」
花陽「はい、ご親切にどうもありがとうございます」ペコリ ビル前
花陽「あ、あった!あれが公衆電話だね」
花陽「使った事無いから分からないなあ……えーっと」
プルルルル
花陽「やっと掛かったよ……」
「現在、9時25分です」
花陽「うん。ちゃんと使えるね」
花陽「じゃあ自分の番号に掛けてみよう」
プルルルルル…… 「もしもし」
花陽(あれ……?低い声……?)
花陽「あ、もしもし……」
「誰だ?もしかしてこの携帯の持ち主か?」
花陽「あ、はい……」
「すまない。諸事情で今は私の手に渡っているんだ」
「手間掛けるだろうが、今から言う場所に向かってくれないか」
花陽「じゃ、じゃあ返してくれるんですか……?」
「もちろんだ。お互い穏便に行こうじゃないか」 「場所はUTXビル前だ」
花陽「え!?」
「どうした?」
花陽「あ、なな……何でもないデス……」
「そうか、出来れば早く頼むぞ……では」
ツーツー
花陽「……UTXって……まさかあのアライズの……?」 花陽「……って、UTXビル前って言ってもどこにあるのか分からないよぉ!」
絵里「はぁい♡」
花陽「あ、絵里ちゃん!」
絵里「どうしたの?UTXのビル前に居るけど」
花陽「……え、もしかして」クルッ
案内板「UTXビル」
花陽「ええー!?」
絵里「?」 花陽「全然気付かなかった……」
絵里「何かあったの?このビルってVIPしか入れないって所だけど」
花陽「そうなの!?いや、実は……」
絵里「へえ……それって罠とかじゃなくて?」
花陽「怖い事言わないでよぉ……」
絵里「分かったわ、私がボディーガードするから」
花陽「心強いよ……!」
絵里「じゃあ行きましょう」 ウィーン
花陽「わあ、エレベーターがガラス張りだあ」
絵里「良い景色が眺めるわね」 絵里「へえ、やっぱりVIPしか入れないって本当ね」
花陽「え?」
絵里「見て、入口がカード認証システムなのよ」
花陽「本当だ……花陽入れません……」
絵里「任せて」ピッ
ウィーン 絵里「開いたわよ」
花陽「絵里ちゃんカード持ってたの?」
絵里「ふふ、ちょっとね」
花陽「流石警察です……!」キラキラ
絵里「さてと。あら」
ガチャン
絵里「扉が閉まったわね……オートロックの様ね」
花陽「え」 「構えろ!」
カチャ……ガチャガチャ
花陽「ひゃぁっ!!」
絵里「待って、私達は敵じゃないわ」
花陽「そ、そそそそうですっ!あの……携帯を持ってる人にここに来てと頼まれて……」
「なんだと……?わざわざそんな嘘を付きに来たのか?」
花陽「う、嘘じゃないですよぉ!」
「待て」 英玲奈「お前達やめろ、相手は素人と警察の役人様だ」
「姐さん、しかし……」
英玲奈「下がっていろ」
「……分かりました」
絵里「流石ね」
花陽(……え?) 英玲奈「さてと、まずはウチの若い者が驚かせてすまなかった」
絵里「本当よ。私の彼女が腰引けちゃって」
英玲奈「ほう……?」ニヤ
花陽「ち、違いますよ!絵里ちゃんも何勝手言ってるの!」
絵里「冗談よ」
英玲奈「ふふ、お前が言うと冗談には聞こえないぞ」
絵里「そうかしら」 花陽「あ、あの……さっきから気になってたんだけど」
花陽「2人は知り合いなの?結構仲良い様に見えるよ……」
絵里「そうね……犯罪者と警察官の腐れ縁って感じね」
英玲奈「きつい言い方だ、だが事実だな」
花陽「やっぱりそうなんだ……」
英玲奈「何、私はビジネスとして割り切っている。みだりに人命を奪う事などしない」
絵里「アライズの幹部ってだけで本来ならムショ行きなんだけど?」
英玲奈「ふふ、それもそうだな」
花陽「アライズ……」
絵里「どうしたの?」 花陽「ネットで見た事あります、アライズというマフィアグループが歌舞伎町に来ているって」
英玲奈「ほう……私達も有名になったもんだ」
絵里「ていうかこんな目立つビルをアジトにしていたら誰でも気付くわよ」
英玲奈「気付いた所で……私達を捕まえられるわけが無い。そうだろう?」
絵里「ええ、痛い程分かってるから」
花陽「絵里ちゃん……」 英玲奈「無論このビルはVIPという名の権力者達の隠れ家としても機能している」
英玲奈「仮に現場の警察達が正義感に燃えようと、上層部が良い顔をしないだろうな」
絵里「……そうね」
花陽「……」
英玲奈「おっと、話が逸れてしまった。これは返そう」
花陽「あ、花陽のスマホ!」
英玲奈「私の部下がどういう訳かスーパー銭湯で盗ってきたと言ってな」
英玲奈「遊び好きな部下を持つと困るものだ……」
花陽「は、はは……」
絵里「用事は済んだわね。じゃあ私達は帰るわよ」
英玲奈「ああ、また顔を見せてくれ」
花陽「じゃ、じゃあさようなら!」ペコリ 路上
花陽「ああー……!怖かったよぉ……!」
絵里「……ふう、危なかったわね」
花陽「あ、絵里ちゃん一緒に行ってくれてありがとう」
絵里「ええ」
花陽「……絵里ちゃん?何か顔が怖いよ……」
絵里「いつか捕まえてみせるわ……英玲奈」
花陽「……それって上層部がどうとか」
絵里「あの子はそう言うけど私は関係無い。上が文句言ってくるなら自分から辞表を叩き付けてやるわ」
花陽「何かあったの……?」
絵里「……花陽には知らなくて良いわ。じゃあね」
花陽「あっ……」 ネカフェ
花陽「絵里ちゃん……絶対英玲奈って人と何かあったよね……」カタカタ
花陽「でもあんなに怖い顔してるなら聞けないなあ……」カタカタ
花陽「……まあ良いかな、花陽が気にする事じゃないし絵里ちゃんも優しい顔に戻るよね」
花陽「……よし、スレは立てたし今日は寝よう」ターン
花陽「お休み……」
【速報】マフィアグループ『アライズ』のアジトに行ってみた【やばい】(1000) ヒデコ「はー……疲れたー」
にこ「ちょっと、今いける?」
ヒデコ「はっ。いらっしゃいませー!」
にこ「これ身分証だから」スッ
ヒデコ「どうも。ではオープンとボックスどちらにしますか?」
にこ「ボックスで頼むわ。ナイトパックの12時間ね」
ヒデコ「畏まりましたー、こちらが伝票になります」スッ
ヒデコ「お帰りの際に提示下さい。ごゆっくりどうぞ」
にこ「ありがとうね」スタスタ ヒデコ(ふう……やっぱり夜は泊まり利用が多いな)
ヒデコ(泊まりと言えば……今日もあの人来るんだろうな)
花陽「あ、ヒデコさん!」
ヒデコ「やっぱり」
花陽「へ?」
ヒデコ「いえ、今日もいつもの席で良いですよね」
花陽「はい!いつもすいません」ペコリ
ヒデコ「いえいえ、ごゆっくりどうぞー」
花陽「本当にありがとうございます」ペコペコ
ヒデコ(天使だ、天使が居る) ヒデコ(ネカフェバイトで3年目、ほぼ毎日花陽さんが来る)
ヒデコ(日雇いの人がメインのここネカフェで唯一と言って良い程の良客で)
ヒデコ(噂では花陽さんも日雇い生活者らしいけど……それであの礼儀正しさは奇跡的だよ)
ヒデコ(っと、今日もまた魑魅魍魎の夜が始まるな……気合入れていかないと)
客1「おい」 ヒデコ「はい、どうしました?」
客1「ここのネカフェは煙草吸えないのか?」
ヒデコ「すいません当店は禁煙です」
客1「ちっ、んだよ……どうせお前ら従業員も裏で煙草吸ってんだろ?」
ヒデコ「とんでもありません。とにかく禁煙ですので」
客1「ロボットかよ、もう良いよ外で吸ってくるわ」 ヒデコ「あ、すみませんお客様。外出の際は預かり金をお支払い下さい」
客1「ああ!?ちょっと煙草吸ってくるだけだろうが!」ドン
ヒデコ「っ!すいません……ですがルールですので」
客1「高々バイトがルール語ってんじゃねえよ」
ヒデコ「すいません……ですが料金は支払って下さい……」
客1「めんどくせえな……ほらよ」ボスッ
ヒデコ「ありがとうございます……」 アァンッ……イチャイチャ……チュッチュ
ヒデコ(出たー……ボックスのカップル席でイチャイチャする男女)
ヒデコ(やるならラブホでやってほしいよね……)
ヒデコ(周りの人達にも迷惑だし注意しないと)コンコン
ガタガタッ!
ヒデコ「すいませーん」
カップル男「はい!?な、なんでしょう?」
カップル女「あっ……あはは……」カァー
ヒデコ(うわ、ベタだなー) ヒデコ「あの……そういった行為は周りに迷惑を掛けるので控えて頂きますか?」
男「あ、はい……すいません」
女「えー……謝っちゃうの?」
男「しょうがないだろ、ホテル行こうよ」
女「んー。帰るね」スタスタ
男「何で!?」
女「ペコペコしてる人ってダサいしテンション下がるんだよね」
男「おい、ちょっと待ってくれよ!」ダッ
ヒデコ(あちゃー、揉めちゃった) 女「じゃあねー」
男「ちょ、おいおいおいっ!」
男「何だよもう……アンタのせいだぞ!」
ヒデコ「も、申し訳ありませんでした」
男「金は置いてくからな、片付けしとけよ」
ヒデコ「はい」
ヒデコ(もう来ないでね) ヒデコ(うわ、ティッシュ置きっぱなしだ)
ヒデコ(お金も全然足りないし……あのカップル出禁にしよ)
ヒデコ(よし、綺麗になったね)
客3「ぐがー……」
ヒデコ(あ、次の爆弾だ) ヒデコ「すいません、お客様」
客3「あ……んあ?」
ヒデコ「大きないびきを立てられるとご迷惑になるので……」
客3「ちょっとくらい良いだろ……」
客3「俺だって疲れてんだから寝かせてくれよ」
ヒデコ「疲れているのは分かりますが……」
客3「あのな、昼間は重労働で疲れてな」
客3「ここで寝なきゃ次の日仕事出来なくなるんだよ、分かる?」
ヒデコ「はい……」
ヒデコ(皆一緒だよ) 客3「アンタが起こすから眠くなくなったよ、どうしてくれんだ?」
ヒデコ「すいません……」
客3「もう良いわ。早く他行け」
ヒデコ「はい……」
ヒデコ(めんどくさ) ヒデコ「お客様、あまり多くのコップを使わないで頂けると……」
「たった10個だろ?良いじゃねえか」
ヒデコ「あ、お客様。裸で徘徊はご遠慮下さい」
「あ〜そう?ごめんねえ、お詫びに飴ちゃんあげる」カサッ
ヒデコ「お客様。漫画を汚すのはおやめ下さい」
「すいませんでした〜ぁ……ちっ、うるせぇな……」ボソッ
ヒデコ(やばい、キレそう) ヒデコ(大学生だったりおばさんだったりおっさんだったり……何でこんなに常識無いんだろう)
ヒデコ(昔からアウトロー系の漫画や映画が好きでこういう非日常の世界に飛び込んで見たくて始めたアルバイト)
ヒデコ(今となってはそんな判断をした3年前の自分を思いっきり殴りたい気分だよ)
花陽「あ、ヒデコさん」
ヒデコ「は、はい!」
花陽「あの……お握り下さい」
ヒデコ「……畏まりました!お席までお持ちしますね」
花陽「はい!ありがとうございます」ニコッ
ヒデコ(やっぱり天使だ) ヒデコ「こちらお握りになります!」スッ
花陽「わあ……いつもありがとうございます」パァッ
ヒデコ「ごゆっくりどうぞ」
カウンター
ヒデコ(うん……後少しは頑張れるね) ほぼ毎日かよちんが来るなら俺もネカフェで働きたいわ ネカフェで働くと>>149->>158みたいなカス共相手にしなきゃならないから客として行くのが良いんじゃないかな
かよちんは女神 花陽「ふわ〜……今日はお仕事いかないとね」
にこ「花陽」
花陽「ひゃあっ!どうしてにこちゃんがネカフェに?」
にこ「ちょっとね。しばらくここに居る事になるわ」
花陽「そうなんだあ……一人だと心細かったから嬉しいな」ニコッ
にこ(天使だわ)
にこ「それよりにこも日雇いしたいんだけど」
花陽「あ、じゃあ花陽と一緒の現場行こう?」 にこ「すいませ〜ん、ティッシュ要りませんか〜?」
「結構」
花陽「あ、ティッシュどうですか……?」
「ありがとう」
にこ「花陽、アンタどう?」
花陽「うん。これだけ捌けたかな」
にこ「私の方は全然受け取ってくれないんだけど」
花陽「にこちゃん頑張って♡」
にこ「何か腑に落ちないわね……」 にこ「ティッシュどうですか〜?」
「あら、ありがとう」
花陽「……あ、絵里ちゃん!」
絵里「花陽!」
にこ「え、知り合い?」
絵里「ええ。裸の付き合いをした仲だわ」
花陽「絵里ちゃん!?」
にこ「……アンタ進んでるわね」ニヤッ
花陽「ち、違うからぁ///」 花陽(でも良かった、絵里ちゃんが怖い絵里ちゃんじゃなくて)ホッ
絵里「健全な仲よ、そういう貴方は?」
にこ「飲み仲間の常連客ってとこね」
絵里「客?」
にこ「私、食堂経営してるから」
花陽「うん。そこでいつも定食食べながら飲むんだあ」
絵里「それってあの矢澤食堂?」
にこ「あ、知ってんの?」
絵里「たまに行くんだけど……覚えてないかしら」
にこ「あ……ああー!あの金髪のお客さん?」
絵里「そうよ、ボトルキープしてるあの客よ」
花陽(絵里ちゃんキープしてるの!?) にこ「それなら今度来た時サービスでもしてやりたいんだけどねえ……」
絵里「何かあったの?」
にこ「いや……また後でゆっくり話すわ」
花陽「あ、そういえばティッシュ配りしてたんだ!」
絵里「あら、悪いわね……じゃあ仕事が終わったら飲みにいきましょう?」
にこ「おっけー。予約入れておくわ」
花陽「うん!お仕事頑張って終わらせるね」 「お疲れ様でした、今日の分どうぞ」
にこ「ありがとうございます〜♪」
花陽「あ、ありがとうございます」
にこ「ふんふん……ちぇっしょっぱいわね」ピラピラ
花陽「しょうがないよぉ。明日も頑張ろう?」
にこ「そうね。じゃあ……行く?」クイッ
花陽「うん、絵里ちゃんも今終わったって」
にこ「丁度良いわね。行きましょ」
花陽「うん!」 居酒屋
にこ「よっ」
花陽「絵里ちゃんこんばんは」
絵里「あら、来たわね」
にこ「私はビールで良いわ、花陽は日本酒よね」
花陽「うん。絵里ちゃんは?」
絵里「私はもう頼んじゃったわ。ただ座ってるわけにもいかないし」
にこ「そう、でも乾杯は付き合って貰うわよ」
絵里「ふふ、勿論よ」
花陽「じゃあ……すいませーん」 「お待たせしましたー」
絵里「あら、来たわよ」
にこ「じゃあ早速」スッ
花陽「うん。3人とも今日はお疲れ様でした」スッ
『乾杯』カチン
花陽「んっ…あぁ〜…この一杯の為にお仕事頑張れるよね」
にこ「分かるわ」
絵里「労働の後は格別よね♪」
花陽「うんうん……うふふ♪」
絵里「ハラショー、この焼き鳥美味しいわ!」
にこ「揚げ出し豆腐も絶品よ、まあウチの店には負けるけど」
花陽「焼きお握り香ばしくて美味しいよぉ」 花陽「うふふふ……♪」ニパー
にこ「すっかり出来上がっちゃって……」
絵里「そういうにこも顔が赤いわよ?」
にこ「完全に酔えないってまあまあ辛いわよ」
にこ「ていうか、にこって呼んでるけど」
絵里「あら、不味かった?」
にこ「別に良いわよ。私も絵里って呼んで良い?」
絵里「もちろんよ。よろしくねにこ」ガシッ
にこ「こっちこそ」ガシッ
絵里「って握手なんてしちゃって……ふふっ」
にこ「酒が入ると何か変な事しちゃうわよねえ……ぷぷ」 花陽「そういえばにこちゃあん、何でネカフェに泊まりに来たのぉ?」
にこ「あー……そんな話だったわね」
絵里「そうそう。酒の席なんだし隠し事は無しよ」
にこ「しょうがないわねえ〜、実は私の店に地上げが来てね……」
えりぱな『うんうん』 食堂
にこ「今日もウチは客が来ない……閑古鳥はいつまで鳴くつもりなのよ」
にこ「また凛と花陽でも呼ぼうかしら。でもこの前来てくれたばかりよね……」
にこ「あー、誰か来てくれないかしら!」
ガチャ
にこ「あ、いらっしゃいませ〜!」 あんじゅ「あらあ〜、こんな古臭い食堂が天下の歌舞伎町にあるのねえ〜」
にこ「お客さん……って訳じゃなさそうね。アンタ誰よ」
あんじゅ「やだ怖い。アナタがここのオーナー?」
にこ「だとしたら何よ」
あんじゅ「そうね……皆来て」
にこ「皆?」 バキッ!
構成員『……』ギロッ
にこ「!」
あんじゅ「この子達血の気が多くてねえ、まあこんな店5人ぐらいで十分よね」
にこ「へえ、アンタ等地上げ屋?」
あんじゅ「そうよお、怖くてごめんねえ」
にこ「はん……店に客が来ない事より怖い事なんて無いわ」
にこ「それに、あんまり私を舐めない方が良いわよ?」コキッ
あんじゅ「うふふ、アナタも血の気が多そうね……さて遊んであげなさい貴方達?」
構成員『はっ!』ダッ 構成員5「こ、この……!」ヒュッ
にこ「ふん、麺棒で伸びてなさい!」バキッ
「ぐわぁっ!」ドサッ
あんじゅ「あら、凄ぉ〜い」パチパチ
にこ「はあ……はあ……どんなもんよ」 にこ「ふう……アンタもやるの?」
あんじゅ「そんなわけないじゃない、喧嘩は兵隊のお仕事よ?」
にこ「分かんないわね。喧嘩程楽しい瞬間は無いのに」
あんじゅ「うふふ……そんな事よりこの店の土地を頂けないかしら?」
にこ「だったら私と戦いなさい!」
あんじゅ「嫌よ」バキュン
にこ「がっ!うう……」バタン にこ「で、気が付いたら店の郵便受けに立ち退きの通知書が入っててね」
にこ「それに店の前にあいつ等の仲間がウロウロ見張ってて帰るに帰れないのよ」
花陽「へえ……そうだったんだあ」
絵里「地上げ屋ね……もしかするとアライズの仲間かもしれないわ」
花陽「え、そうなのぉ!?」
にこ「アライズ?」
絵里「最近歌舞伎町に来たマフィアグループの名前よ」
にこ「へえ……ていうか詳しいわね絵里」
絵里「ええ、警察だもの」
にこ「警察!?」 絵里「あら、言ってなかった?」
にこ「聞いてないわよ、花陽アンタ凄い人脈持ってるわね」
花陽「えへへ///」
花陽「でも地上げ屋とマフィアが繋がってるって怖いよね……」
にこ「歌舞伎町の裏は想像以上に根深いって事ね」
絵里「そうね。警察の方でも厳重な警戒と対策、そして情報収集をしておくわ」
にこ「こっちも出来る限り協力するわ、だから早いとこ捕まえてよね」
絵里「勿論よ」
花陽「花陽も気をつけないと……」
絵里「いざとなったら私が駆け付けるから安心して」
花陽「絵里ちゃん……うん!」
花陽(やっぱり絵里ちゃんは頼りになるなあ……///)ポー ネカフェ
花陽「今日は楽しかったよぉ……あれ、にこちゃんもう寝るの?」
にこ「明日からも仕事があるでしょ。アンタも早く寝なさいよ」
花陽「うん、じゃあお休み」
にこ「お休みー」カラララ パタン
花陽「……ふう」 花陽(地上げ屋か……もしこのネカフェに来たらどうなるんだろう)カタカタ
花陽(そんな時こそ絵里ちゃんの出番……いや、花陽も立ち向かえる様に体を鍛えなきゃ)カタカタ
花陽(今度、休みの日にでもにこちゃんとジムに行ってみよう)カタカタターン
花陽「よし。スレ立てたし寝よう……明日からにこちゃんと頑張らなきゃ」
花陽「お休み……」
【急募】喧嘩強くなりたいんだが方法教えて(400) なんでこんなにかよちんと2ちゃんの親和性高いんだろうな 花陽「うーん……」カタカタ
にこ「花陽、今日の仕事は?」
花陽「今探してるんだけどあんまり良いのが無いんだよ」
にこ「そうね……力仕事なら結構あるけど」
花陽「お給料は良いんだけど次の日が大変なんだよねえ」
にこ「何か軽作業ないかしら……おっ」
花陽「どうしたのにこちゃん?」 にこ「この警備とかどうかしら?」
花陽「あ、良いね!でも足が痛くなっちゃうよ……」
にこ「日給1万円よ?ちょっと多めに貰える分頑張るわよ」
花陽「はーい……」
花陽(良いマッサージ屋さん探しておこう……) 「じゃあ2人は交通誘導をお願いします」
花陽「はい!」
にこ「分かりましたあ♪」
にこ「さ、現場行くわよ」
花陽「うん。確か道路工事の誘導だよね?」
にこ「そうよー。車に気を付けなさいよ」
花陽「もちろんです!」 ガガガガ……
プァーン
花陽「ひゃあ!」
にこ「言ったそばから危ないわね」
花陽「お、思った以上に工事の音が大きくてびっくりするよ……」
にこ「まあね。でも金の為に頑張るわよ」
花陽「はぁい……」
「おや、小泉さんでは?」
花陽「へ?」クルッ 海未「やはり小泉さんですね。お久し振りです」
花陽「あ、園田さん!こちらこそお久し振りで……」
海未「どうも。おや、貴方は初めて見る顔ですね」
にこ「矢澤にこよ」
海未「園田海未と申します。建設業を営んでいます」スッ
にこ「あ、名刺ありがとうね」
海未「お二人が工事警備の担当だったとは、つくづく世の狭さを感じますね」
花陽「私もそう思います」 にこ「でも花陽、この人と何の繋がりがあるの?」
花陽「えへへ、前に日雇いのお仕事でお世話になった人なんだあ」
にこ「へえー」
海未「その節はこちら側もお世話になって……あの話は考えてくれていますか?」
花陽「はい!」
にこ「あの話?」
花陽「実は園田さんに社員として働きませんかって言われちゃって……///」
にこ「社員!?それって正規の!?」
海未「ええ、小泉さんなら勤まるかと」
にこ「アンタほんと凄いわね……」
花陽「えへへ……///」 にこ「じゃあアンタはいずれは……」
花陽「うん、園田さんの所に入社しようかなって」
海未「私は何時でも歓迎していますので」ニコッ
にこ「そう、まあ花陽の人生なんだから自分の好きに生きるのよ!」ポン
花陽「にこちゃん……うん!」
海未「良い友人を持っていますね小泉さん」
にこ「そ、そう?」
花陽「あ、ありがとうございます園田さん!」ペコッ
海未「ではお互い仕事に戻りましょう、またいつか」スッ 花陽「うふふ……園田さんやっぱりかっこいいなあ」テレテレ
にこ「ふにゃふにゃになってるわよ」
花陽「あ、にこちゃんごめんね……ずっと日雇いでお仕事したかったんだけど」シュン
にこ「生意気に私の心配してんじゃないわよ」コツン
花陽「ぴゃっ」
にこ「さっきも言ったけどアンタの人生はアンタが決めて良いんだから」
にこ「遠慮してチャンス逃すみたいなバカな事するぐらいなら遠慮なんて捨てちゃいなさい?」
花陽「……うん!花陽頑張るからね!」グッ
にこ「へっ、良い顔してんじゃない」
プアー
花陽「あ、車が来た!こっちでーす!」サッ
にこ「私も頑張ろ、こっちにどうぞー♪」ササッ 「2人ともお疲れ様でした、今日の分です」
花陽「1万円だー♪」
にこ「いやー、足痛いわね」
花陽「うん……でもこれで明日の分は何とかなるよ」
にこ「あれ。明日は仕事行かないの?」
花陽「……足が痛いです」ウルウル
にこ「あー、アンタ飛ばすから……」ハア 「オラァッ!」バキッ
「ぐっ」ドサッ
にこ「ん!?」
花陽「喧嘩だよぉ!」
「あーん?お前ら何見てんだよ?」
花陽「み、みみ見てましぇん!」
にこ「な、何よ来るなら来なさいよ!」
花陽「にこちゃん!?」 「こんのチビがぁ……舐めやがって」ユラユラ
にこ「けっ、酔っ払いね」サッ
花陽「に、にこちゃん……危ないよ」
にこ「花陽、これが私の好きな生き方なのよ」
花陽「……そっか、もう止めないよ」
にこ「丁度暴れたかったのよ。アンタ先にネカフェ戻っときなさい?」
花陽「うん、すぐ帰ってきてね!」タタッ 警視庁
絵里「はい警視庁……え、歌舞伎町で喧嘩?」
絵里「分かりました、すぐ向かいます」
絵里「もしかして……あの子かしら」 にこ「そらぁっ!」バキッ
酔っ払い「ぐほあっ!」ドサッ
にこ「ふんっ、どんなもんよ」
絵里「通報を受けて来たけど……やっぱり貴方なのね」
にこ「あ、絵里!」 絵里「この酔っ払い……成る程ね」
にこ「ん、どうしたの?」
絵里「何処かで見たと思ったら……この近くのキャバレー関係者だわ」
にこ「キャバレーって言ったら『夜鳥』?」
絵里「そうよ、歌舞伎町NO.1のね」
にこ「ええー……何でそんな奴が酔っ払ってフラフラしてんのよ」
絵里「所詮末端の人間でしょうね」
絵里「とはいえ危険性はあるわ。この男は私がしょっ引いておくわね」カチャ
にこ「頼むわよ?アンタと知り合えて本当に良かったわ」
絵里「ふふっ、私も貴方みたいな良い意味でお馬鹿な人間は好きよ」
にこ「はん。どーも……じゃあ帰るわね」
絵里「ええ、気をつけてね」 花陽「あ、にこちゃんからLINEだ」
花陽「キャバレー夜鳥!?ネットで見た事あるような……」カタカタ
花陽「成る程……やっぱり黒い部分はあるっぽいね」
花陽「あ、所在地だ……えっ!?ここ絵里ちゃんと行った事ある……!」
花陽「にこちゃん大丈夫かな……?」
コンコン
にこ「よっ」ガラララ
花陽「ひゃあっ!」
にこ「LINE見てくれた?」
花陽「う、うん……大丈夫だったんだね」
にこ「ボコったやつなら絵里がしょっ引いてくれたわ」
花陽「良かった……歌舞伎町はやっぱり怖い所だね……」
にこ「そんな街でネカフェ暮らししてるアンタは中々度胸あるわよ」 花陽「うん……その為に自分の身を守れる様に体は鍛えたいなあって思うよ」
にこ「ジムとか行ったら?私も付き合うわよ」
花陽「わあ、やっぱり行ってくれるの?前々からにこちゃん誘おうとしてたんだあ」
にこ「良いわよ。にこも喧嘩の仕方を教えてあげるわ」
花陽「お願いしますっ」ペコッ にこ「で、今日はどうするの?まだ寝るまで時間あるけど」
花陽「お互いゆっくり過ごそうよ。明日はジムに行きたいし」
にこ「そうね、金は取っときましょ」
花陽「うん、じゃあまた明日ね!」
にこ「ええ」パタン 花陽(キャバレーかあ……裏と繋がってるなんて怖いね)カタカタ
花陽(園田建設の社員……体鍛えたら受けてみようかな?)カタカタ
花陽(今のままだと重たい物とか持ち上げられないもんね)カタカタ
花陽(鍛えたら園田さんや穂乃果ちゃん達と一緒にお仕事出来るよね!)カタカタターン
花陽「よし、スレも立てたし寝よう……お休み」
【悲報】キャバレー『夜鳥』裏と繋がっていた……(1002) 読むのが怖くなってきた、でも続きが楽しみで仕方ない にこ「花陽、ジム行くわよ」
花陽「緊張してきたよお」
花陽「花陽みたいなのが行って笑われないかな……」シュン
にこ「気にしてんじゃないわよ、逆にブッ飛ばすぐらいの気持ちで行きなさい!」
花陽「喧嘩は怖いけど……分かったよ!」グッ ジム
「ほあっ!」ドゴッ
「シッシッ……」シュシュ
「ぜえ……ぜえ……」ダダダダ
花陽「す、凄いなあ……!」
にこ「揃いも揃ってやる気があるわね!」
にこ「さ、にこはサンドバック殴ってくるわ」
花陽「あ、じゃあ花陽は重量上げしてくるよ」
にこ「30分経ったら休憩しましょ、じゃあ後でね」
花陽「うん、お互い頑張ろうね!」 にこ「ふん!」ドゴッ
にこ「そこっ!」ボゴッ
にこ(結構疲れるわね……でももっとスタミナ付けないと)
にこ(あの地上げ屋連中を追い出すぐらいにはね!)
花陽「うううー……!」グググ
花陽「……やあー!!」グググッ
花陽(やった!20kgのダンベル上げられた……!)
花陽(20kgでも時間掛かっちゃうな……もっと早く上げられる様に頑張ろう!)
にこ「せやっ!」ボゴォッ
花陽「やぁー!」グアッ 30分後
花陽「ぜぇ……ぜぇー……にこちゃあん……」ビリビリ
にこ「うわっ、凄いグロッキーじゃない……」ハァハァ
花陽「腕が痛いですぅ……」
にこ「はい、スポーツドリンク飲みなさい」ポンッ
花陽「あ、ありがとう……美味しい」ゴクゴク
にこ「私も飲むわ。はぁー……沁みるわね」ゴクッ 「はっ!」ドゴッ
にこ「へえー……あの人凄い力ね」
花陽「ほんとだあ……」
「ん、君は……あの時の」
にこ「え?知り合い?」
花陽「えっと……どこかで会った様な……」
「統堂英玲奈だ。忘れたか?」
花陽「……あ、ああー!思い出しました!」
英玲奈「やっとか、人違いかと思ってドキドキしてしまったよ」
花陽「すみません……」 英玲奈「いや良いんだ。私はトレーニングが趣味でな、いつもこうして体を鍛えている」
にこ「へえ、アンタもなのね」
英玲奈「おや、君もか……どちら様だ?」
にこ「矢澤にこ。そこの花陽とは飲み仲間よ」
英玲奈「成る程な」
花陽「そうなんです……それで今日は体を鍛えようってにこちゃんと一緒に」
英玲奈「良い趣味だ。良ければこれを受け取ってくれないか」スッ
花陽「これは?」 英玲奈「会員バッジだ。2つあるから君達に譲ろう」
にこ「くれるの?サンキュー」
花陽「かっこいいけど……何か良い事あるの?」
英玲奈「何、このジムの全設備が使い放題になるだけだ」
にこ「マジで!?」
花陽「そ、それってお金は……」
英玲奈「勿論必要無い。全て君達の好きに使ってくれて構わないぞ」
にこ「でもこれ持ってるってアンタ……」
花陽「あ、もしかして英玲奈さんって……」
英玲奈「ふふふ。まあこれ以上は言わなくても分かるだろう?」
英玲奈「お互いメリットがあるんだ、余計な詮索はしない方が良い」
花陽「そ、それもそうですね……」
にこ「まあタダで使えるんなら何でも良いわ!」 英玲奈「そうだ、折角ここで会ったんだ。少し手合わせをお願いできるか?」
にこ「よーし、にこが相手に……」
英玲奈「君では無い」
花陽「わ、私ですか!?」
にこ「ぬわんでよっ!」
英玲奈「何、私の見た所そっちの君は戦いに慣れて無いと思ってな」
英玲奈「初陣が私では不服かな?」
花陽「そ、そんな事ないですっ!全力で戦います!」
英玲奈「良い返事だ。ならば君は審判を頼めるか?」
にこ「良いわよ、じゃあ行くわよ……」
にこ「始め!」バッ 花陽「やぁーっ!」ダダダ
英玲奈(やはり不慣れだな、いきなり突っ込んでくるとは)
英玲奈「(あえて受けてみるか……)さあ、来い!」バッ
花陽「はっ!」ボゴッ
英玲奈「ぐっ!」ズン
英玲奈(何だこの一撃は……!?)
花陽(もう一発!)ヒュッ
英玲奈「くっ」サッ
花陽(避けた!流石です……)
にこ(英玲奈って奴……流石に良い動きするわね)
にこ(だけどそれ以上に花陽のパンチが深めに入ったのに眉一つ動いていない)
にこ(思ったよりやるじゃないアイツ……) 英玲奈「本気で行くぞ……はっ!」シャッ
花陽「わあっ!」バッ
英玲奈(直前で防いだか……)
英玲奈「だが下が空いているぞ?」ガッ
花陽「きゃあっ!」ドサッ
花陽(あ、足払いされた……あの一瞬で)
にこ(やっぱり英玲奈が花陽の上を行ってるわね)
にこ(いや、むしろ今日鍛え始めた花陽があれだけ動けてるのが凄いくらいだわ……) 英玲奈「これで終わりだ」ガシッ
花陽「ひいっ!」
英玲奈「投げ技だ。初めて喰らう気分はどうかな?」
花陽(このままだと地面に打ち付けられて負けちゃう!)
花陽「させません!やあーっ!!」ガッ
英玲奈「っ!腰など掴んでどうする?」
花陽「こうするんですっ!」グワッ
英玲奈(っ!?持ち上げられた……!?)
花陽「はあっ!!」ドンッ
英玲奈「ぐはっ!」ドサッ
にこ(花陽が競い勝ったわ!凄い……)
にこ「って私が審判だったわ。勝者、花陽!」 花陽「え、花陽が勝ったんですか……!?」
英玲奈「はぁ……はぁ……ああ、君の勝ちだ」スクッ
花陽「や、やったあ!」ピョンピョン
にこ「良かったわね花陽!」ギュッ
英玲奈「……ふっ。負けて悔い無しと言った所だ」
英玲奈「良ければまた手合わせ願いたい。構わないか?」
花陽「あ、はい!花陽で良いならいくらでも!」
英玲奈「……ああ、花陽さん……いや、花陽で良いかな」
花陽「はい、花陽で良いですよ」ニコッ
英玲奈「……ふ、また会おう……ではさらばだ」タッタッタ にこ「はー……アイツも中々強かったわね」
花陽「うん、本気じゃなかったのかも」
にこ「でも花陽はアイツに勝ったんだから、胸張って良いわよ?」
花陽「えへへ……///嬉しいです……!」
にこ「あれぐらい動けるなら喧嘩の仕方を教える必要も無いわね」
花陽「け、喧嘩は苦手だよぉ……」オドオド
にこ「あんだけ動けてまだビビってるのおかしいでしょ!」
花陽「あれで良いの?にこちゃんや凛ちゃんみたいに動き回れてないのに……」
にこ「全然問題無いわ、まあ元々体を鍛える目的でジム来てるんだし」
にこ「アンタの場合、喧嘩は二の次で良いわよ」 花陽「うん……とりあえず仕事の為に筋肉は付けなきゃ」
にこ「なら後2ヶ月ぐらいは掛かるわね」
花陽「長いね……」
にこ「短い方よ?まあ仕事しながらでもジムは通えるんだから頑張りなさい」ポン
花陽「うん!」 ネカフェ
にこ「今日は疲れたわねー」
花陽「ゆっくり休んでね」
にこ「アンタもね、お休み」
花陽(腕が痛いよぉ……)カタカタ
花陽(あれから40kgにも挑戦してみたけど無理でした……)カタカタ
花陽(にこちゃんの言う通り時間を掛けて頑張らないとね)カタカタターン
花陽「よし、スレ立て終わった……寝よう」スヤー
【歌舞伎町】ジム通い 一日目(1001) かよちんはこういったスレを建てて大丈夫なのだろうか
ネカフェを計算にいれているのか ヒデコ「ふわ〜……今日は珍しく暇だね」
ヒデコ「そうだ、裏でゲームしてこよっと」
ゾロゾロ
「良いか?」
ヒデコ「あ、ご利用ですね」
「5人とも30分で」
ヒデコ「はい、こちら伝票です」スッ
「行くぞ」ゾロゾロ……
ヒデコ(この時間に30分……?怪しいな) 花陽「すー……」
にこ「ぐぅ……」
「おい、コイツらだ」
『おう』
ガシッ
花陽「ん……?んんー……」グー
にこ「ぬわぁによぉ…………」グー
「連れ出せ」
ダッ ヒデコ「あ、お客様外出ですか?」
「急用が出来た。すぐ出るから会計してくれ」
ヒデコ「分かりましたー」
「帰るぞ」
ゾロゾロ
ヒデコ(何だったんだろ、あの人達) ヒデコ「あ、もう0時だ……」
ヒデコ「そういえばそろそろ花陽さんがお握り注文してくる頃だけど……おかしいな?」
ヒデコ「外出中かな、ちょっと部屋覗いてみよ」
コンコン
ヒデコ(ん、反応が無い?)
ヒデコ「失礼しまーす……」 ヒデコ「あれ、居ないな」
ヒデコ「どこ行ったんだろ……ん?何か焦げ臭い様な……」
パチパチ……
ヒデコ「え……」
ヒデコ「か、火事だぁー!!」
「何だ何だ?」
「うわ、燃えてるぞ!」
「助けてくれー!!」
ヒデコ「ど、どどどうしよう……!」
バチバチ……ボォッ! 花陽「うーん……はっ!」
「目が覚めたか?」
花陽「あ、あ、あああなたは誰ですか!?」
「答える必要は無い」
花陽「じゃあ……にこちゃんはどこなんですか?」
「連れの奴なら別室だ」
「今頃痛い目にあってるだろうな……」
花陽「そ、そんな……!」 「だがこうなったのはお前の所為だ」
花陽「な、何で……」
「素人が不用意に“裏”の事情を書き込む事がどれだけ恐ろしい事になるのか……分からないか?」
花陽「書き込み……あっ!」
「やっと気付いたか。我々はネットカフェからのデータを追跡し、突き止めたという事だ」
花陽「で、でも私が書き込んだ証拠は無いんじゃ……」
「データが保存されたままのパソコンを見つける事ぐらい容易い」
花陽「え……あっ!!」
花陽(そういえばデータが消えちゃうからずっと起動したままだった……!)
花陽(そんな所から分かるなんて……ちゃんとシャットダウンしておくべきだったよ……)
花陽「は、花陽達をどうするつもりですか……!?」 「連れはお前の仲間だろう?2人まとめて消してやる」
花陽「やめて下さい……死にたくないです!」ブルブル
「仕方ないな、お前達は知りすぎたんだ」
「簡単にはやらん。じっくり痛め付けてやる」
花陽(ど、どうしよう……!)
「助けは来ないぞ。ここは人目には付かないからだ」
「さあ、始めるぞ」チャキッ
花陽「……誰か助けてー!!」 ドン!
「誰だ!?」
絵里「警察よ。それ以上動けば撃つわ」カチャ
花陽「絵里ちゃん!!」ワッ
「クソ……!」 にこ「ま、待ちなさいよー!」ヒョコヒョコ
花陽「にこちゃん!」
花陽「って、傷だらけだけど大丈夫!?」
にこ「こいつら容赦なくってね……!絵里が助けにきてくれなかったら負けてたわ」
絵里「逆にマフィア相手に良くやるわよ」
花陽「ま、マフィアって……」
「そうだ……俺達はあのアライズだ!」
絵里「アライズ……民間人に手を出すなんて腐ってるわ」 「ただの民間人ならだが……こいつらは幹部の英玲奈様に喧嘩を仕掛けたんだ」
「このくらいの報復なら考えられるだろう?」
絵里「にこならともかく花陽がアライズに喧嘩なんて仕掛けるわけないでしょう」
花陽(け、喧嘩はしたけど……何か勘違いしてるよ)
「しかし警察と争うのは英玲奈様が許さないだろう、大人しく身を引こう」
にこ「アンタらの独断なの!?」
「当たり前だ。幹部がやられたままで部下が何もしないわけにはいかない」
絵里「それはそうでしょうね、マフィアにも縦社会があるもの」
花陽「へ、へえ……」 「だがお前達これで終わったと思うなよ……?」
絵里「それはこっちの台詞よ、次は容赦しないわ」
「不可能だな、俺達のバックには警察より上が居る」
絵里「ならリーダーに言っておきなさい」
「何?」
絵里「貴方達を潰す為なら私は自分の命も惜しくない……ってね」
花陽(あ、絵里ちゃんの顔……あの時と同じ顔してる……)
にこ(絵里の奴……アライズと何かあったわね)
「……ああ。覚悟しておこう」ダッ 花陽「はあ……」ヘタッ
絵里「大丈夫?」サッ
花陽「あ、絵里ちゃんありがとう……助けてくれて」
絵里「警察として当然の事をしたまでよ、それに友達でしょう?」
花陽「絵里ちゃん……///」
にこ「にこも居るんですけど」
花陽「あ、にこちゃん!」
絵里「貴方も怪我は大丈夫なの?」
にこ「ええ、今すぐにでも病院行きたいわ」
絵里「この近くなら……西木野総合病院かしら」
にこ「場所どこよ?」
絵里「連れて行ってあげるわ。花陽も肩貸して」
花陽「うん!」
ブーブー 絵里「あ、通信入ったわ」ピッ
絵里「……え!?歌舞伎町のネットカフェが……!?」
絵里「分かったすぐ行くわ!!」ピッ
花陽「え、絵里ちゃんどうしたの!?」
絵里「ごめんなさい花陽!場所は書いておくから2人で病院行ってちょうだい!」
にこ「事件でも起きたのね……分かったわ!」
絵里「これメモだから、行ってくるわね!」ダッ
花陽「あ、気を付けてねー!」
にこ「じゃあ行くわよ花陽……痛たた」
花陽「にこちゃんも気を付けてね、じゃあ行こう!」 西木野総合病院
花陽「ここだよ……わあっ!」
ガヤガヤ……
にこ「す、凄い人ね……!」
花陽「何かあったのかなあ……」
「すいません、何か御用ですか?」
花陽「あ、友達が怪我しちゃって……」
「ならしばらくお待ち下さい、今込み合っていますので……」
花陽「分かりました」 ヤザワサーン
花陽「あ、にこちゃん呼ばれたよ」
にこ「じゃあ行ってくるわ……痛たた」
花陽「肩貸すよぉ」ヒョイ
にこ「悪いわね……」 おつおつ
流石に今回はスレ立てせずに終わったか…… >>277
独断でやったとしてもバレたら使用者責任で英玲奈も色々ヤバそうだから下手したら…… 花陽「じゃあにこちゃん頑張ってね!」
にこ「ちょっと見て貰うだけよ」
にこ「じゃ、行ってくるわ……いたたた」ヨロヨロ
花陽「大丈夫かなぁ……」
「今日はどんな御用でしょうか」
にこ「ちょっと怪我してるんだけど見てくれない?」
「そうですか、では失礼」スッ
にこ「いたっ!」 「これは……2、3日入院した方が良いかと」
にこ「入院!?」
「すいません、西木野先生が居ればすぐに治療できるのですが……」
にこ「その先生は今居ないの?」
「お忙しい方ですので……それに今は緊急事態で使用できるベットが無いんですよ」
「ですので少しお時間を頂ければ空き次第案内致します」
にこ「そう、ならそうさせて貰うわ」
「すいません、こちら応急処置として痛み止めと包帯です」
にこ「ああ、ありがとう……じゃあ空いたら呼んでよ」ヨロヨロ
「分かりました」 花陽「あ、にこちゃん!どうだった?」
にこ「ちょっとの間入院する事になったわ……しかも今ベット空いてないから待たなきゃダメだって」
花陽「にゅ、入院!?」
花陽「にこちゃん……」ウルウル
にこ「ちょっ!死ぬわけじゃないから大丈夫よぉ!」
花陽「よ、良かったぁ……」 待合室
「た、助けて……!」
「ごはっ!ごほっごほっ!」
「うう……」
「おい、早く担架を!」
「はい!」
にこ「それにしても、やけに人が運ばれてるわよね」
花陽「ほんとだ……ちょっとスマホでネットニュース見てみますっ」
ピッピッ
花陽「…………え?」
花陽「嘘…………」ポトッ
にこ「花陽、花陽?どうしたのよ」
にこ「……はっ!?」
”歌舞伎町某ネットカフェで火災発生。200人に及ぶ大被害に” 花陽「火災……?ネットカフェ燃えたの……」
にこ「この写真……野次馬が盗ったんでしょうね」
花陽「何で?何でこんな事になってるの!?」
にこ「落ち着きなさい花陽!」
花陽「…………もしかしてあの人達がやったのかな」
にこ「それは……そうでしょう。他にこんな事する奴居ないわ」 花陽「やっぱり私があんな書き込みしちゃったから……」ブルブル
にこ「アンタのせいじゃないって」
花陽「でもそれ以外にないよ……私が、私のせいで!!」ガタッ
にこ「待って、興奮しちゃ駄目よ!」
花陽「じゃあどうすれば……!?」
にこ「どうって……」
花陽「……もう、分かんないよ」ガクッ 花陽「分かんない、何も分かんないよ……」
花陽「何でこんな事になっちゃったの……」ポロポロ
にこ「花陽……」
ギュッ
花陽「にこちゃん……?」
にこ「アンタはいつもそう、全部自分のせいって背負い込んで」
にこ「今回ばかりはアイツらが悪いわ。アンタは匿名で書き込んだだけ」
花陽「そんな……そんな事……」
にこ「第一アンタの書き込みだって100%事実とは分からないのに、向こう側が躍起になってるだけよ」
花陽「でも……実際に沢山の人が被害に……」
にこ「……不幸中の幸いってこの事かもね」
花陽「……え?」
にこ「ネットニュースのここ。見てみなさい」スッ 花陽「怪我200人……死者は幸いにも0人……!?」
にこ「アルバイトが活躍したおかげで殆どの人が軽症で済んだってね」
花陽「す、凄い……!」
にこ「怪我人は出てるけど、むしろこの被害で済んでいるのが奇跡なぐらいよ……」
花陽「……そっか、良かった……皆生きてて」
花陽「良かった……」ポロッ
にこ(それにしても……赤の他人にここまで感情的になれるのは花陽ぐらいのもんね) 絵里「花陽、にこ!」
花陽「わあっ!」
にこ「あ、アンタ仕事は終わったの?」
絵里「いえ。ここの病院に怪我人が搬送されてるから様子見と警備に来たわ」
花陽「そうなんだ……」 絵里「しかし……酷い話よね」
絵里「今回の件はアライズの構成員達が独断で行ったのよ」
花陽「やっぱり……」
にこ「それは……花陽の?」
絵里「ええ、だけどここまで悪質かつ外道な行為を働くなんて……腐ってもマフィアって所ね」
花陽「あ、そういえば絵里ちゃん。皆生きてるって話だったけど……」
絵里「そうそう、それについてはあの子から話して貰った方が良いわね」
にこ「え、誰?」
絵里「貴方達も良く知ってる顔よ、さあいらっしゃい」
ヒデコ「あ、どうも……」ペコペコ
花陽「ヒデコさん!」 ひ 普通の髪 0
ふ ポニーテール 1
み 2つ結び 2 にこ「あ、アンタってあの……!」
ヒデコ「あ、そうっす。夜勤バイトのヒデコですどうも」ペコペコ
花陽「いつもお握り持ってきてくれてありがとうございます」ペコ
ヒデコ「こ、こちらこそいつもご利用頂き……」ペコペコ
絵里「はいはい。これ以上は話が進まないから説明してちょうだい?」
ヒデコ「分かりました……実は」 少し前のネカフェ
ゴゴォォッ!パチパチ……
ヒデコ「あ、あわわわわ……!こういう時は消火器か……?」
ヒデコ「どこだどこだ……あった!」
ヒデコ「これで……どうだっ!」
プシュウウウウウ……! プスプス……
ヒデコ「や、やった」
ヒデコ「後は……人を誘導しなきゃ!」
「うう……!」
「ごほっごほっ!!」
「た、助けてくれ……!」
ヒデコ「とりあえず、自力で歩ける方は外に出て下さい!」
「店員さん……苦しいです……!」
ヒデコ(救急車はまだなの……!?) 「おい、肩貸すぞ!」
「あ、ありがとうございます……!」
ヒデコ「お客様!」
ヒデコ(この前イビキかいてたおじさんだ……!)
「こんな時こそ助け合わないとな。他にも力のある奴は動けない奴を助けてやれ!」
『はいっ!!』
ヒデコ「……はっ、私も運ぶの手伝わないと!」 パチパチ……ボオッ
ヒデコ「っ!?また火が!」
「確か……火って再燃するって聞いた様な……!」
ヒデコ「そんな……よし、これしかない!!」
ヒデコ「そこのお客様、これを持ち上げるの手伝ってください!」
「僕ですか?任せて下さい!」
ヒデコ「よいしょっ!」
「よいしょ!」
ガッ 「でもドリンクバー補充用のタンクなんて持ち上げてどうするんですか?」
ヒデコ「火を消します!」グワッ
ザッパーン……!
シュウウゥゥゥ……
「き、消えましたね……!」
ヒデコ「はい、ご協力頂き有難う御座いました!」
ヒデコ(よし、後は消防車が来るだけだ!) ヒデコ「……そして、駆け付けた救急車と消防車。更に警察の方達に事情を説明したわけなんです」
花陽「そ、そうだったんですね……」
にこ「凄い活躍ね……」
ヒデコ「いやいや、皆が協力してくれなかったら死人が出てましたから……」
絵里「それもそうだけど貴方の勇気ある行動が良い方に転がったのよ、英雄だわ」
花陽「うん!皆の命の恩人ですっ!」
ヒデコ「恩人なんて恐れ多いです……」ペコペコ にこ「なんにせよ、世の中捨てたもんじゃないわね」
ヒデコ「はい。でもネカフェはどうなるんですかね?」
絵里「良くて長期の営業停止か、最悪取り壊しだと思うわ」
花陽「えっ……!?」
絵里「火災が原因でパソコンの殆どがダメになってるし……建物全体が崩壊寸前だもの」
絵里「何より火災の起きたネットカフェなんて縁起が悪くて客足が遠のいて、結果的に……ね」
花陽「や、やっぱりそうなるんだね……」シュン ヒデコ「いやー、自分も今後どこでバイトすれば……」
にこ「定職見つけないと苦労するわよー」
ヒデコ(日雇いするしか無さそうだな……)
花陽「じゃ、じゃあ花陽とにこちゃんはこれから先どこに泊まれば良いんだろう……?」
絵里「他のネットカフェは?」
花陽「うーん……でもそれだと変わらない様な気がして」
絵里「そうね……」 プルルル
にこ「はい……え、ベットが空いた?分かったわ!」
絵里「どうしたの?」
花陽「あ、にこちゃんは2,3日入院するんだ」
絵里「その怪我じゃ仕方ないわね……すぐ行ってきなさい」
にこ「悪いわね。あ、花陽!」
花陽「えっ?」
にこ「私の事は気にしなくて良いから、これからの生活をしっかり考えなさいよ?」
花陽「にこちゃん……うん!」コクッ
にこ「じゃ、行ってくるわ……いたた」
絵里「気をつけなさいよー!」
にこ「分かってるわよ…………いたっ!」ヨロヨロ
花陽(にこちゃん大丈夫かな……?) おつおつ
イビキかいてたおじさんは仕事中は有能マンなのかな? 絵里「さて、貴方は今回の件で重要な証言者として警察側で保護させて貰うわ」
ヒデコ「マジっすか、お手柔らかにお願いします……」
絵里「悪い様にはしないわ。少しの間だけ事務所に居るだけだからね」
ヒデコ「分かりました」コクリ
絵里「で、私はこの子連れて行くけど……花陽はこれからどうするの?」
花陽「私は……」
花陽「少し外に出て考え事したいな」
絵里「そう……身の安全に気をつけてね」
花陽「うん」 歌舞伎町 元ネットカフェ前
ガヤガヤ パシャッ
「危ないので下がってください!」
花陽(わあ……)
花陽(火は消えてるけど、もうネカフェとして機能はしなさそうだね……)
花陽(2年ぐらいお世話になったけど……なんだろうあんまり名残惜しさは無いな……)
花陽「やっぱり心のどこかでアパート暮らしした方が良いって思ってるからだよね……」
「アパート?」
花陽「うん、花陽はネットカフェ暮らしだったから……えっ?誰?」
「私ですよ」 花陽「あ、園田さん!」
海未「騒ぎになっていたので何かと思えば……小泉さんもこのネカフェに暮らしていたのですね」
花陽「さんもって事は園田さんも……?」
海未「いえ、穂乃果の事です」
花陽「穂乃果ちゃ……高坂さんが!?」 海未「穂乃果で良いですよ。ええ、少し前まで」
花陽「そ、そうだったんですね……」
海未「穂乃果が小泉さんの事を気に入っていた様ですが、同じ境遇を察したのでしょうね」
花陽「あ、あはは……お恥ずかしい限りで」
海未「そんな事はありません。真面目に仕事に取組んでいるのならネカフェ暮らしでも立派だと思います」
花陽「園田さん……」 海未「しかし小泉さん、これからどこを宿にするつもりですか?」
花陽「あ、それは……」
海未「またネカフェ暮らしでしょうか、ですが再びこの様な惨劇が起きては危険ですよ」
花陽「そうなんです、どこか安くて良い所があれば……」
海未「そうですね……では私と来て下さいませんか?」スッ
花陽「え、それって……」
海未「社員の話、受けて下さるなら今すぐにでも宿を手配いたします」
花陽「ほ、本当ですか!?」
海未「勿論強制はしません、小泉さんのお好きな様に選択して下さい」ニコッ 花陽「す、少し考えさせて下さい」
海未「どうぞ」
花陽(社員か……本当はすぐにでも受けたかったけど)
花陽(私はドジだから園田さん達に迷惑掛けちゃうと思って、今まで避けてたんだよね……)
花陽(でもこのままネカフェ暮らし続けても体を壊しちゃうだけだから……よし、受けてみよう!)
花陽「園田建設に入社させて頂きます!よろしくお願いします!」ペコッ
海未「良い返事を有難う御座います、こちらこそ宜しく御願い致します」ペコッ
花陽「じゃあ早速……」
海未「ええ、これから忙しくなりますよ」
海未「まずは諸々の手続き、準備をしていきましょう」
花陽「はいっ!」 穂乃果「……へえ!じゃあ花陽ちゃん今日から一緒にお仕事するんだね!」
花陽「穂乃果ちゃん、改めてよろしくお願いします!」
穂乃果「よろしくー!じゃ、握手しよっ」スッ
花陽「は、はい!」ギュッ
穂乃果「うーん、やっぱり花陽ちゃんって落ち着くー」ギュー
花陽「ひやああああ……///」 ガチャ
海未「穂乃果、あまり新入社員を困らせない様に」
穂乃果「はあーい。ごめんなさい海未ちゃん」
海未「仕事の時は社長と呼びなさい!」
穂乃果「ひえーん、怖いよー!」
花陽「あ、あはは……」 海未「小泉さんおはよううございます。寮の内装など不満はありませんか?」
花陽「いえいえ!むしろあんなに綺麗で立派な部屋に住めるって考えたら嬉しいです……」
穂乃果「へへー、あの寮は海未ちゃんが作ったんだよね!」
花陽「ええ!?す、凄い……」
海未「とんでもない。社長として当然の事をしたまでです」
海未「穂乃果はもちろん、小泉さんも綺麗に使って下さいね」
花陽「分かりました!」
穂乃果「はーい」 海未「では本日の仕事はガラスの張替えです」
穂乃果「おー、楽そうで良かった」
海未「穂乃果?」
穂乃果「い、いやー!今日も仕事頑張るぞー!」
花陽「ガラスの張替えですか?」
海未「ええ、これも建設業の一つですよ」
穂乃果「うんうん。お家建てたりするだけじゃなくて色々種類があるんだよねー」
花陽「成る程……」メモメモ 「あ、工事の人?」
海未「ええ。本日はご依頼ありがとうございます」
「ちょっとねーあそこの窓見てくれるかな」
穂乃果「わあ、割れちゃってる」
花陽「原因は……?」
「多分誰かのイタズラか、喧嘩しててぶつかったか……」
海未「最近は特に物騒ですからね」
「まあ取り替えてくれ。俺は仕込みしてくるから」
海未「はい。終わり次第呼びますので」
「頼むよー」 海未「では早速取り替え作業に取り掛かりますよ」シュルッ
花陽「は、はいっ!」
穂乃果「あ、花陽ちゃん手袋した方が良いよ?ガラスで手を切っちゃうから」シュルッ
花陽「成る程……分かりました!」シュルッ
海未「ふふ、何度も切った穂乃果が言うと説得力ありますね」
花陽「ええ!?」
穂乃果「もーっ!海未ちゃん言わなくて良いよー!」 穂乃果「じゃあ取り替えるよー、そっち持って!」
花陽「はい!」
ほのぱな『よいしょ、よいしょ……』
穂乃果「じゃあ新品を付けるよー」
花陽「分かりました!」
穂乃果「サッシにしっかり嵌る様にね」
花陽「はい!」
スッ キュッキュッ 海未「ふう、終わりましたね」
穂乃果「うん!」
花陽「やった……出来た!」
海未「お二人ともお疲れ様でした」
「おっ、綺麗になってる。お疲れさま」
海未「見積もりはこちらになっています」
「分かったよ。払っておくから」
海未「またご利用下さい……それでは失礼します」ペコッ 事務所
海未「穂乃果、小泉さん。今日はお疲れ様です」
穂乃果「いやー、1件だけだったけど疲れたよー」
花陽「緊張しました……花陽、ちゃんとやれてたかな……」
海未「もちろんです、これからも精進して下さいね」
花陽「分かりました、よろしくお願いします!」 穂乃果「よーし、じゃあ仕事終わったし今日は飲みに行こう!」
花陽「え、良いの?」
穂乃果「うん!先輩である穂乃果が奢ってあげようー」
海未「明日もあるのですから量は飲まない様に」
穂乃果「分かってるよー!じゃあ行こう花陽ちゃん!」タッタッタ
花陽「は、はいい!」タタタ かよちんがネカフェ暮らしじゃ無くなってしまった・・・
いや、その方が良いんだけどなんか・・・ね ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています