ダイヤ「ポッキーゲーム、とは?」 善子「自分で調べなさいよ」
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ダイヤ「善子さん、あの…よろしいでしょうか?」
善子「ん? どうしたの、ダイヤさん?」
ダイヤ「少々お聞きしたいことがあって…生徒会室まで来ていただけますか?」
善子「珍しい…ここじゃダメなの?」
ダイヤ「ダメというか、人のいるところではその…あまり人に知られたくないのが正直なところで」
善子「なるほど密会を…くっくっく、ヨハネの智慧を所望するというのなら授けてやらないこともないが、相応の代償を」
ダイヤ「はぁ…なんでもいいのでお時間をいただきたいのです」
善子「なんて投げやりっ!?」 ダイヤ「すみません、突然のお願いなのに付き合っていただいて」
善子「いいわよ別に、暇だったし。で何、ダイヤさんがヨハネに聞きたいことって。珍しいじゃない?」
ダイヤ「私も珍しいとは思っていますが、善子さんが最適かと思いまして」
善子「頼りにされるのは嫌いじゃないけど…ダイヤさんの口からって気味悪い…」
ダイヤ「これでも善子さんのことは買っているのですよ?」
善子「見えないけど」
ダイヤ「それは普段の可笑しな言動のせいですわ。大人しくしていれば…って今は善子さんを評価している場合ではなくて」
善子「どうしてヨハネなの? マリーとかルビィに聞けばいいじゃない、あとずら丸」
ダイヤ「鞠莉さんは変なことを聞いて茶化されてる気がして…ルビィには姉の威厳と言いますか変なことは聞けないと」
善子「ヨハネが茶化さないとでも?」
ダイヤ「茶化しますね…でも背に腹は代えられないというか、花丸さんとも考えましたが、俗世の知識は善子さんが確かかと」
善子「持ち上げられてるの? 馬鹿にされてるの?」
ダイヤ「すみません、言葉が悪かったですね。頼れる、という点では確かですので」
善子「まぁずら丸は昔の知識とか豊富だけど…話戻して、でヨハネに聞きたいことって?」 ダイヤ「その前に…笑われるのは絶対かと思いますが、他言無用と約束してくださいますか?」
善子「内容によっては笑い話に…って冗談よ」
ダイヤ「不安ですが…あのですね」
善子「うん」
ダイヤ「今日はポッキーの日らしいではないですか」
善子「そう言われてるみたいね」
ダイヤ「でですね、教室内でポッキーの日の話題が出たときに…ポッキーゲームなる言葉を聞きまして」
善子「おぅ…」
ダイヤ「その反応、善子さんはポッキーゲームが何たるかを知っていらっしゃるようで」
善子「自分で調べることをオススメするわ、それじゃ」 ダイヤ「ちょっとお待ちなさい」
善子「何でよ!」
ダイヤ「私は自分で調べることの延長線上に、善子さんに聞くという選択肢を選んだのですわ」
善子「他にもあるでしょ調べ方。スマホでチョチョイと…ってガラケーだっけダイヤさん」
ダイヤ「ええ」
善子「だったらググるとか、ここのパソコンは飾り物?」
ダイヤ「パソコン…ああ検索と言う手もありましたね、普段あまり使わないので」
善子「だったら解決じゃない、それじゃ」
ダイヤ「お待ちなさい」
善子「裾を離してよっ!」
ダイヤ「あ、もしかして…口では言えないようなことを善子さんに聞いてしまっているのですか私は?」
善子「いや、そこまでは…」
ダイヤ「そうですか、安心しました…で、ポッキーゲームとは?」
善子「えぇ…本当にヨハネが説明する流れ…?」
ダイヤ「是非お願いします」 善子「まぁ…珍しいダイヤさんのお願いだし…いいか…いい? ポッキーゲームっていうのはね」
ダイヤ「はい」
善子「その名の通りポッキーを使ったゲーム…まぁゲームというよりは遊びみたいなものね」
ダイヤ「どういった内容の?」
善子「簡単な内容よ。二人でやるゲームなんだけど、ポッキーの両端をお互いに咥えて」
ダイヤ「それで?」
善子「スタートの掛け声に合わせて互いに食べ進めるわけ」
ダイヤ「なるほど、その後は?」
善子「え、それで終わりだけど?」
ダイヤ「進行内容は分かりましたが、勝敗の判定は? より多く食べたほうが勝ちと?」
善子「勝ち…はないんじゃない? 口を離したり折ったら負けだけど」
ダイヤ「勝ちの無いゲームですか…なんとも不毛な遊びですね」
善子「いや、あるか…勝ちは一応…気持ち的なものだけど」
ダイヤ「どんな勝ち方ですの?」
善子「それはその…ってかなんでこんな真剣にヨハネは説明してるのよっ! 大体は分かったでしょ、あとはダイヤさんで考えて。それじゃ!」
ダイヤ「では今後の為に一度実践をしたいのですが」
善子「いやだからほんと離してって」 ダイヤ「ここにひと箱、ポッキーがありますの」
善子「なんであるのよ、生徒会室はおやつ食べてもオッケーなの?」
ダイヤ「禁止はしていませんし、先に教室で一つ頂いたのです。ですので、せっかくなので」
善子「いやよ私は。ダイヤさんとはやりたくないの」
ダイヤ「確かに時間を取らせてしまっているのは承知していますが、もう少々いいではないですが。善子さんゲーム好きでしょ?」
善子「どっちかっていうとアナログは…じゃなくて」
ダイヤ「それとも、このゲームで善子さんは初心者の私にでも勝てないものがあるのですか?」
善子「煽られてもイヤなものはイヤ」
ダイヤ「そこまで毛嫌いをしなくても…何か理由が?」
善子「あーもう! 一から考えてみなさいよ!」
ダイヤ「一から…あぁルールをですね。まず善子さんと私が互いに両端を加えて、スタートの掛け声で食べ進める…口を離したり折ったら負け…それで?」
善子「それでじゃない、鈍いわね! 互いに最後まで食べたらどうなるのよ! てか何でヨハネとダイヤさんなの!?」
ダイヤ「騒がしいですね、もう少し静かにと何時も言ってるでしょ」
善子「誰のせいよ…っんとに」
ダイヤ「最後まで食べたら?」
善子「最後まで食べたら」
ダイヤ「最後まで食べたら当然、勝敗は…ついて……」
善子「…… 」
ダイヤ「かちは……」
善子「……」
ダイヤ「……」
善子「……そういうことよ」
ダイヤ「……ああぁぁぁぁ!!」 善子「だらかヨハネは説明なんかしたくなかったのよ! 何なのよこの羞恥プレイ、罰なの? 実はダイヤさんが陥れるために仕組んだんでしょ!」
ダイヤ「す、すみません…こんなゲームとは露知らず…あの、本当にごめんなさい」
善子「謝ってくれるのはいいけど…その、ヨハネで良かったわね、聞く相手がルビィとかじゃなくて」
ダイヤ「ご迷惑をおかけしました…自分の無知を露呈しましたわ」
善子「うん…」
ダイヤ「あの…厚かましいお願いですが、この件は他の方には内緒にしておいてくださいますか?」
善子「当然よ…いやダイヤさんの為もだけど、事細かに説明した私がバカに見えてくるわ…」
ダイヤ「はい、ありがとうございます…」
善子「…じゃ、今度こそ戻るわね」
ダイヤ「はい」 善子「……」
ダイヤ「……」
善子「いや、もう裾は離してって。まだ何かあるわけ?」
ダイヤ「ついでと言ってはあれですが…」
善子「何よ?」
ダイヤ「…差し支えなければ、一度試してくださいませんか? ポッキーゲーム」
善子「……は?」
ダイヤ「いえ、もちろん、チョコレート側を善子さんにしてあげますわ」
善子「何よその譲歩…じゃない! 何言いだしてるのダイヤさん? 何も分かってないの?」
ダイヤ「ゲームの内容は理解いたしました…理解したのですが…」
善子「理解したなら触れないでそのままサヨナラにしてよ。掘り返すのはお互い恥ずかしすぎるでしょ?」
ダイヤ「恥ずかしいは承知ですが、先ほど…勝負の結末を想像したら…えっとですね、善子さんとのキ、キスを想像したら…」
善子「直接的言い方止めて!?」
ダイヤ「胸のドキドキが止まらなくなってしまって…ですから」
善子「え、何、ダイヤさん? ダイヤさんってそんな雰囲気に流される人だったっけ?」
ダイヤ「分かっています! 自分が変な変なことを口走っていることは」
善子「分かってるなら」
ダイヤ「…善子さんは、私のことを嫌いですか?」
善子「飛躍しすぎよ! 好きとか嫌いとか…別に嫌いじゃないけど」
ダイヤ「でしたら」
善子「でも嫌。場の雰囲気だけでキスするとか…というか貞操概念のあるダイヤさんなら真っ先に嫌うところでしょ?」
ダイヤ「それは…確かにそうなのですが…」
善子「だったら尚更流されちゃだめじゃない! もう、何で私が説教してるのよ、普通逆でしょ?」
ダイヤ「う…面目ありません…」 善子「普段しっかりしてるのに肝心なとこでダイヤさんは…それに、私はダイヤさんとキスするならちゃんとした場所でキスしたいの」
ダイヤ「……はい?」
善子「この話はおしまい。、ほんとダイヤさんちゃんと考えて発言してよね?」
ダイヤ「…え、善子さん、今」
善子「ヨハネの前以外だったら世間に顔向けもできないほどの赤っ恥よ、末代まで感謝して讃えなさい?
ダイヤ「え、あ、えぇ分かり…ましたわ」
善子「それじゃ本当の本当に、これでヨハネは戻るから」
ダイヤ「はい、ありがとうございました…?」
善子「あ、後、ダイヤさん?」
ダイヤ「はい、なんでしょうか」
善子「ヨハネ以外にポッキーゲームの話、持ち掛けないようにしなさい?」
ダイヤ「それは重々に」 善子「それと…ヨハネがなんか変なこと口走ったけど、一切忘れること! いいわね?」
ダイヤ「無理ではないですか?」
善子「無理でもよ!」
ダイヤ「ど、努力はいたしますが」
善子「…ダイヤさんには、ちゃんと好きだって伝えるから…それじゃあね!」
ダイヤ「あ、善子さん」
善子「もう、何よ!」
ダイヤ「その時を、楽しみにお待ちしておりますわ」
善子「…っもう!」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています