花丸「ところで式はいつにする? 善子ちゃん」
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善子「は? アンタ何を言ってるの?」
花丸「だから結婚式はいつにするか、って聞いてるずら」
善子「うん、その言葉も意味も理解できるけど、何でそんな事を言ってるのかが理解できないの」
花丸「16歳になれば結婚はできるけど、でも学生のうちは学業を優先しないとね」
善子「その心がけは肝心ね、でも私の話も聞いて」
花丸「でも籍だけ入れて式は後からっていうのもアリだよね」
善子「話を聞け」
花丸「卒業式と一緒にやっちゃう?」
善子「はーなーしーをーきーけー!」 善子「結婚も何もまだ付き合ってすらいないじゃない!」
花丸「え…」
善子「えっ、付き合ってたっけ? いつの間に?」アセアセ
花丸「こないだ皆の前で言ったずら」
善子「こないだ!? っていうか皆の前!? ヤバい全然覚えてない…」
花丸「そう、これは2週間ほど前の部活の時の事…」
善子「え、何? 回想入るの?」 曜『ワン ツー ワン ツー』
千歌『よっ、ほっ』
果南『じゃあそろそろ休憩にしようか』
善子『あ、暑い…』ハァハァ
ルビィ『その黒いの脱いだらいいんじゃないかな…?』
善子『そうね、ここまで暑いとさすがにこれを着たままじゃ…』
フラッ
善子『あっ…』
花丸『善子ちゃんっ!』ダッ
\ドターン/ ダイヤ『善子さん! 花丸さん! 大丈夫ですか!?』
善子『痛たたた…ちょっと擦りむいたけど、それ以外は大丈夫ね』
花丸『オラも特に…痛っ!』
善子『ずら丸っ!? その足、もしかして私のせいで…』
鞠莉『たぶん捻挫だとは思うけど…とにかく手当よ、2人とも保健室に行きましょう』 花丸「…って事があったよね?」
善子「そうね、勿論それは覚えてるわ」
花丸「じゃあその後の事は?」
善子「その後は保健室に行って手当をして…他に何かあったっけ?」
花丸「ハ〜…」クソデカタメイキ
善子「うわっ、厭きれっぷりが溜息のデカさに表れてる」
花丸「仕方ないなぁ、続きを話すからしっかり聞くずら」 梨子『2人とも大した怪我じゃなくて良かったね』
善子『私は擦り傷程度で済んだけど、でもずらマルは…』
花丸『軽い捻挫だし、ちょっと練習には参加できないけど大怪我ってワケじゃないから大丈夫ずら』
善子『でも私のせいでする必要のない怪我をさせてしまって…本当にごめんなさい』
花丸『大丈夫、気にしないで』ニコッ
善子『でも…あ、そうだ!』
ルビィ『どうしたの?』
善子『誰がどう言おうと私が怪我をさせてしまった、それは事実。だから…』
花丸『だから?』
善子『だから責任をとってアンタの面倒を最後までみるわ!』
花丸『えっ!/// 善子ちゃん、それって…///』
善子『苦労させないよう私も頑張るから、これからよろしくね!』
花丸『ふ、不束者ですが…よろしくお願いします…///』 善子「…別に普通じゃない? あんたの顔が赤かった以外は」
花丸「 >>6 の下から四行目をよく見るずら」
善子「急にメタいわね」
花丸「要するに…」
善子『だから責任をとってアンタの面倒を"最期"までみるわ!』
花丸「これはつまりプロポーズって事だよね?」
善子「はぁぁぁぁぁ!?///」
花丸「だからオラも『末永くお願いします』という意味で返事をしたずら」
善子「そ、そういう意味じゃなくて、怪我が治るまでって意味よっ! っていうか字も違うし!」
花丸「またまた〜」
善子「いやいや照れ隠しとかじゃないから! って言うか…」
花丸「あ、オラはここでバス降りるからまた明日ね」ノシ
善子「えっ、あ、ちょっと!」 〜in津島家〜
善子「津島善子、恋人いない歴=年齢に終止符が打たれる時がきました」
善子「よーし、今年の夏休みはリア充の仲間入りね☆」
善子「なぁぁぁんて言ってる場合かぁ! どういう事? 一体どういう事なのこれは!?」
善子「落ち着け、落ち着いて素数を数えるのよ…2、3、5、7…」
善子「ふぅ、少しは落ち着いたわ…」
善子「はぁぁぁぁぁ!? 意味わかんねー!」
\ウルサイワヨー!!/
ゴメンナサーイ!! チュンチュン
善子「はぁ、昨日はよく眠れなかった…」
善子「どんな顔してずらマルに会えばいいのやら…」
善子「ま、今日は休みだしその辺の事は考えずにのんびり過ごしましょう」
ガチャッ
善子「おはよ…」
善子母「って事が小学生の頃にあってね〜」
花丸「そうなんですね」フフッ
善子「!?」ズコー!! 善子「はぁぁぁぁ!?」
花丸「あ、おはよう善子ちゃん」
善子母「おはよう、朝から元気ね」
善子「な、なな、な、な…」
花丸「7?」
善子母「こら善子、起きたらまずはおはようでしょ」
善子「あ、おはよう…」
善子母「ご飯にする? パンにする?」
善子「えっ、じゃあパンで…」
善子母「ん、花丸ちゃんそこからパンとってくれる」
花丸「はぁい」
善子母「3人ぶん作るからちょっと待っててね〜」
善子「…何これ」 \イタダキマース/
善子「で、何で朝っぱらからここにいるの?」
花丸「昨日バス降りる時に『また明日ね』って言ったずら」
善子「言ったけども、確かに言ったけど流石に早すぎでしょ」
花丸「まぁその辺はおいといて…」
善子「いや、おいとかないでよ」
花丸「今日来たのはお義母さんへのご挨拶とか色々ずら」
善子「はぁ? っていうかお義母さんってアンタ」
善子母「やるじゃない善子、あんたいつの間にかこんな可愛い彼女捕まえたのね」
善子「いや、ずらマルは…」
善子母「幼稚園でお別れした時から会ってないけど、こんなに可愛くなってるなんてね〜」
花丸「お義母さん、可愛いだなんてそんな…///」
善子母「善子、しっかりしなさいよ」
善子「待って、本人放置で話を進めないでくれる?」 花丸「あ〜美味しかった」
善子「人ん家にご飯を食べに来たの?」
花丸「いやいや、これもリサーチの一環ずら」
善子「リサーチ?」
花丸「そう、お義母さんに善子ちゃんの好きな食べ物を訊いたりお袋の味を教わりにきたんだ」
善子「お義母さん言うな。っていうか好きな食べ物くらい直接私に聞けばいいじゃない」
花丸「それでもいいんだけど、どうせならいきなり手作りを振舞って善子ちゃんを驚かせたいなって思って///」テレテレ
善子「ずらマル…///」キュン
花丸「それに胃袋をしっかりつかんでオラ以外の料理を受け付けないようにすれば他の人に靡く事もなく安泰ずら」
善子「さっきのときめきを返せ。っていうか重いを通り越して怖いわ」 花丸「時に善子ちゃん、卵かけご飯は好き?」
善子「ホント唐突ね。まぁどちらかと言えば好きかしら」
花丸「わぁぁ…やっぱりオラ達は結ばれる運命だったずら…!」
善子「え、今の流れのどこでそう思ったの?」
花丸「いい善子ちゃん? 卵かけご飯というのは卵とご飯を混ぜたものだよ?」
善子「それくらい言われんでもわかるわ」
花丸「卵の色は黄色でオラの色、ご飯の色は白で善子ちゃんの色、つまり卵かけご飯は実質オラ達って事ずら」
善子「えぇぇ…それと一緒にされても…」 善子「ハァ…アンタの頭の中いったいどうなってんのよ」
花丸「多分こうなってる」ヒョイッ
善子「ひぃぃっ、脳みそ!?」
花丸「腸とか他の臓器もあるよ」ヒョイ ヒョイ
善子「えぇぇ…ってよく見たら模型?」
花丸「うん、先生が人体模型を廃棄するっていうから善子ちゃんにあげようと思ってもらってきたずら」
善子「コレを私に? 何で?」
花丸「こういうの善子ちゃんがやってる生配信の雰囲気に合うかなって思って」
善子「生贄を捧げるような儀式をした覚えは無いわよ」 花丸「そっかぁ、合うと思ったんだけどなぁ」
善子(でもコレは私の事を想って持ってきてくれたのよね…モノはともかく、それは素直に嬉しいかな…うん)
花丸「…」ジーッ
善子「どうしたの? 臓器の模型をじっと見て」
花丸「なんだかもつ鍋が食べたくなってきたずら…」
善子「ホントに頭の中どうなってんのよ」 花丸「でも水族館を見に行った後にお寿司とか食べたくなったりしない?」
善子「うっ、それは…あるかも」
花丸「それに牧場にバーベキューができる施設が併設されてる事もあるよね」
善子「た、確かに!」
花丸「だから臓器を見てもつ鍋を食べたくなるのも自然の摂理ずら」
善子「いや、それは違うと思うわ」 〜夜、花丸帰宅後の津島家〜
善子「あ〜、今日は朝から疲れたわ」
善子「しっかし明日から学校でどんな顔してアイツに会えばいいのやら…」
善子「って今朝も同じこと言ってたわね」
〜♪
善子「LINE…ずらマルからか」
花丸:今日はありがとう、朝から一緒にいれて楽しかったよ
次はちゃんと外でデートしようね
その時はお義母さんに教えてもらった料理を作っていくね
トリコリコにしてあげるずらっ
善子「デ、デートって…/// いやいやまだそんな関係じゃないし!」 〜♪
善子「また通知…ん、ルビィ?」
ルビィ:二人は朝からデートだったの? 明日学校でお話聞かせてね!
曜:よーしこー! 私は一足先にバスの中で詳しく聞かせてもらおうか
鞠莉:アツアツで羨ましいわね♪
花丸:あ
花丸:間違えた
花丸:ゴメン、みんな無視してください
善子「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁ!/// 個別トークじゃなくてAqoursのグループじゃないこれ!」
善子「何て事してくれてんのよアイツはぁぁ!」
善子「明日どんな顔してアイツらに会えばいいのやら…」 善子「あー、学校行きたくない…」
曜「おはよーしこー!!」
善子「うわっ早速会ったし」
曜「朝イチで人の顔を見るなり『うわっ』とは失礼な」
善子「いや、だって…」
曜「っていうか『ヨハネよっ!』てツッコミは無いの?」
善子「そんな元気ない」 曜「何で?」
善子「これからの事を考えたらそりゃ憂鬱でしかないわよ」
曜「これから…あー、昨日のデートの事を聞かれるから?」
善子「そうね、デートでは無いけど」
曜「でも朝からずっと一緒にいたんでしょ?」
善子「私の家でね」
曜「おっ、おうちデートですかぁ? このこのぉ」
善子「ウザっ! だからデートでは無いってば」
曜「なるほど、じゃあ彼女を親に紹介したんだ」
善子「してない、というか寧ろ私が起きたらもう仲良しだった」
曜「既に仲良しなら嫁姑問題は無さそうだね」
善子「そこの心配するの早すぎない?」 千歌「ねぇねぇ、おうちデートってどんな事してたの?」
梨子「千歌ちゃん、恋人が一つ屋根の下にいるって事は…そういう事よ」
千歌「家でする事と言えば…あ、トランプ! いや、オセロとかボードゲームか!」
梨子「千歌ちゃん…」 鞠莉「ハァイ善子、昨日はお盛んだったのかしら〜?」ムフフ
果南「こら鞠莉、そんなストレートに聞かないの」
ダイヤ「恋愛は別に構いませんが、部活動に支障が無いように気を付けてくださいね」 ルビィ「昨日はどういうデートだったの?」
花丸「もちろん恋人なんだからここでは言えないような事をしたずら///」
ルビィ「キャ〜!///」
善子「待てい」 花丸「あ、善子ちゃんおはよう」
ルビィ「おはよう」
善子「おはよう、じゃないわよ。何を言ってるのよ」
花丸「何って昨日の事を…」
善子「言えないような事をした覚えは無いわよ」
花丸「え、じゃあ言っていいの?」
善子「はいはい、どうぞどうぞ」
花丸「それじゃあお義母さんから聞いた中二…いや、厨二の頃のお話を」
善子「待てい」 善子「それより下駄箱にアンタからのラブレターらしきものが入ってたんだけど…」
花丸「あ、もう読んでくれた?」
善子「読んだけど、まさか新聞から文字を切り貼りした文章とは予想外だったわ」
花丸「ただ書いても印象に残らないと思ったから演出に凝ってみたずら」
善子「確かに印象には残ったわね」
花丸「やった! ドキっとした?」
善子「したした、悪い意味で。脅迫状かと思ったわよ」 花丸「おかしいなぁ、『これで善子をドキっとさせられるわよ♪』って鞠莉ちゃんに教えてもらったのに」
善子「ある意味ドキっとしたから正解だけど、鞠莉の意見は今後参考にしない事ね」
花丸「だったら果南ちゃんの案に従って赤いインクで書いた方が良かったずら?」
善子「それはそれで血文字みたいで怖いわ」
花丸「む〜、善子ちゃんはワガママだなぁ」
ルビィ「そうだねぇ」
善子「え、コレ私が悪いの?」 キーン コーン カーン コーン〜♪
善子「さてお昼休みね」
花丸「善子ちゃん、今日はお弁当持ってきてないよね?」
善子「昨日そう言われたから持ってきてないわね」
ルビィ「という事は…もしかして愛妻弁当!」
花丸「正解〜! という事で善子ちゃんにはこのお弁当を進呈します!」
善子「…卵かけご飯とか言わないわよね?」
花丸「ある意味では惜しいけど、でも違うずら」
善子「え、惜しいの? 蓋を開けるのが怖くなってきた…」 善子「では…」
パカッ
ルビィ「わぁ…!」
善子「これは…卵そぼろ? あ、下にご飯がある!」
花丸「さすがに卵かけご飯をお弁当にするのはどうかと思ったので、こういう形にしてみたずらっ」ドヤッ
善子「なるほど、だから"ある意味惜しい"だったのね」
花丸「ちなみにもう一つの容器は普通におかずが入ってるよ」
善子「わ、美味しそう…!」
ルビィ「花丸ちゃんすごい! お料理上手だったんだね!」
花丸「これも愛のなせる事ずら」
善子「なっ…!///」
ルビィ「照れてる照れてる」フフフ
善子「て、照れてないっ!///」
ルビィ「顔を真っ赤にして言っても説得力無いよ」
善子「だぁぁぁぁぁぁぁっ!///」 〜放課後〜
果南「はい、じゃあ今日の練習はこれでおしまい」
千歌「ふへぇ、今日も疲れたね〜」
ルビィ「し、しばらく動けない…」
曜「あーっ!」
梨子「曜ちゃん?」
曜「バスの時間! もうすぐ来ちゃうよ!」
善子「え…あ、ホントだ!」
曜「よーしこー、バス停に急ごう!」ダッシュ!
善子「だからヨハ…って言ってる場合じゃなーい!」マッテヨー!
ダイヤ「元気ですわねぇ…」 曜「ふー、なんとか間に合ったね」
善子「今日は不幸属性が発揮しなかったようね、良かった…ハァハァ」
曜「じゃあいつものように一番後ろに座って、と」ストン
善子「あー、疲れた」ストン
曜「これ飲む? ぬるいかもだけど」
善子「自分のは飲み切っちゃったし、いただくわ…」
曜「ところで今日のお昼は愛妻弁当だったんだってね?」
善子「!?」ブーッ 曜「ちょっと、人があげたやつ吹き出すとかどういう事?」
善子「そっちが変なこと言うからでしょうがっ! っていうか何で知ってるの!?」
曜「LINEで来てたじゃん」
善子「え、いつの間に? っていうかずらマルのやつまたAqoursの方に…」
曜「や、花丸ちゃんじゃなくてルビィちゃんだよ」
善子「ルビィィィィィィ!」 曜「まぁそれはともかく、奥さんの手作り弁当だなんて羨ましいねぇ」
善子「奥さんじゃないし、っていうか付き合っても無いから」
曜「…」ウーン
善子「…どうしたの?」
曜「質問していい?」
善子「何よ」
曜「付き合う気は無いの?」
善子「…ずらマルと?」
曜「もちろん、他に誰がいるっていうのさ」
善子「そうよね…」
曜「っていうか思い切って聞いちゃうけど、花丸ちゃんの事どう思ってるの?」
善子「……わからない」 曜「…ん?」
善子「わからない…自分の気持ちがわからないの」
曜「え、好きとか嫌いってわからないもんだっけ?」
善子「正直に言えば好きよ、でもその"好き"がどういう意味なのかがわからないの」
曜「…友達としてなのか、それとも恋愛感情なのか、って事?」
善子「簡単に言うとそういう事ね」
曜「あれ、そんなに難しいっけ?」
善子「悲しい事に私みたいな人付き合いが苦手な人間はそこの境界がハッキリとはわからないのよ」
善子「好きだと思ってるのも、もしかしたらたまたま近くにいたからじゃないかとか、私を好きでいてくれるからつられちゃってるんじゃないかとか…」
善子「そんな曖昧な気持ちでオッケーして、将来的に別れる事になっても嫌だし…」
曜「…ずいぶんと難しく考えてるんだね」
善子「本能で答えが出せない人間はこうやって考えるしかないのよ」 (曜ちゃんとの間接キスは浮気認定されないのか…!?) 曜「もっと気楽に考えてもいいんじゃないかな?」
善子「気楽に?」
曜「そうそう。告白されたから付き合っちゃおう、みたいな軽いのはさすがにどうかと思うけど…」
善子「告白されては無いけどね」
曜「…そっか」
善子「えぇ、ずらマルの中では私から言った事になってるから」
曜「そ、それは置いといて…例えば美味しい物を食べた時、綺麗な景色を見た時、悲しい事があった時、そういう時に一緒にいたい人は誰? それくらいの気持ちでいいんじゃないかな?」
善子「一緒にいたい人…」
曜「お見合いなら結婚前提の話だからまた別だろうけどさ、もっと気楽にいっていいと思うよ?」
善子「そう、ね…」 曜「でも今の例えでも善子ちゃんは考えすぎそうな気がするし、いっそデート…というかお出かけしてみたら?」
善子「お出かけ?」
曜「うん、改めて意識したうえで一緒にいたら何か見えてくるんじゃないかな」
善子「そうね、考えとくわ」
曜「あ、これ絶対やらないやつだ」
善子「なっ! 誘う、ちゃんと誘うわよ!」
曜「よし、その意気だ! 頑張ってね!」
善子「ふ、二人は何だか緊張するからルビィも誘っていいかしら?」
曜「ダメに決まってるでしょ」 善子「デート…じゃなくてお出かけのお誘いか」
善子「電話しようと思ったけど…緊張するぅぅぅぅ」
善子「家電にするわけでも無いのに何でこんなに緊張するのよ」
善子「ずらマルなんて会ったら普通に喋ってるっていうのに…」
善子「あとはこの発信ボタンを押すだけなんだけど…」
善子「ンー…」
5分後
善子「ええいっ!」ポチッ
Prrr
善子「ひぃぃっ、かかっちゃった!」
善子「…」ドキドキ 花丸『もしもし』
善子「あ、ずずずらマル? いっ今大丈夫?」アセアセ
花丸『うん』
善子「そ、そう」
善子(大丈夫じゃなくても良かったのに…って何でよ!)
花丸『今はお風呂上がりで涼んでたところだよ〜』
善子(風呂上がり…!///)
花丸『あ、今マルの姿を想像してたでしょ?』
善子「し、ししし、してないわいっ!///」 善子(落ち着け、落ち着くのよ善子…じゃなくてヨハネっ)
善子「あの…今度の休日なんだけど、部活も休みの日じゃない?」
善子「その日って予定入ってたりする?」
花丸『その日は…まだ何もないよ』
善子「キター!! じゃあそのまま空けといて!」
花丸『いいけどどうしt』
善子「ありがとう、じゃあまたね!」
花丸『え、ちょっと』
プー プー
善子「あ、肝心の約束をしてない!」
※あとで誘い直しました 〜デート当日〜
善子「いや、デートじゃないから!」 善子「5分前、もうそろそろ来る頃かしら」
善子「服…変じゃないわよね? 大丈夫よね?」
善子「っていうかむしろアイツの方が心配だわ…私のフルグラTシャツとか着てきたらどうしよう…」
スッ
善子「!?」
「だ〜れだ?」
善子「フフッ、ビックリしたけどさすがに声でわかるわよ。ずらマルでしょ?」クルッ
曜「残念、曜ちゃんでした☆」
善子「は?」 花丸「あ、声はマルだよ?」
曜「そう、渡辺曜(CV:国木田花丸)が正解でした!」
善子「わかるかっ! っていうか何で二人が一緒なのよ!」
花丸「マルは普通に待ち合わせ場所に向かってたんだけど途中で声かけられて…」
曜「私もこっちの方で用があるから一緒に来たのでありますっ」ビシッ
善子「あっ、そう」
曜「自分から聞いといて反応冷たくない?」
善子「ソンナコトナイヨ」
曜「あ、ちなみに今のは曜ちゃんの"よう"と用事の"よう"が…」
善子「あっ、そう」
曜「やっぱり冷たくない?」 曜「善子ちゃんご機嫌斜め?」
善子「誰のせいよ」
曜「ハハハ、ごめんね。私はもう行くからあとはお二人で楽しんでね」バイバーイ
花丸「じゃあね」フリフリ
善子「まだどこにも行ってないのに疲れた…」ハァ
花丸「お、お疲れ様…」 善子「ところでその服…」
花丸「服?」
善子(…カワイイ/// 白ワンピに黄色のカーディガン)
善子(わかりやすく言うなら1期BD3巻で着てた服みたいな!)
善子(詳細が知りたい人は自分で検索しなさい!)
花丸「これはね、ルビィちゃんが選んでくれたんだ」
善子(ルビィさんグッジョブ!)
花丸「本当は善子ちゃんのフルグラTシャツ来て行こうとしたんだけど止められちゃった」
善子(ルビィさん本当にグッジョブ…!)ッテイウカ ヨソウ アタッテタシ!! 花丸「で、今日行くのはケーキ屋さんだっけ?」
善子「そうよ、こないだお母さんが買ってきてくれたんだけどとっても美味しくってね、イートインスペースもあるから今度はお店で食べてみたいなって」
花丸「楽しみだなぁ…この日の為にあれから甘い物を控えてたし、今日はお昼ご飯もいつもより少なくしてきたずらっ」
善子「そんなに楽しみにしてたのね」
花丸「うん! ルビィちゃんも行きたいって言ってたから後でまた行こうね」
善子「え、うん…」
善子(…あれ、何で残念がってるのかしら? ルビィだって大切な友達なのに…)
花丸「善子ちゃん?」
善子「何でもないわ。というかまだ行ってないのにまた行こうってのも変じゃない?」
花丸「あ、それもそうだね」ハハハ
善子(…ま、いっか) 〜ケーキ屋さん〜
善子「さて何にしようかしら…これだけ種類があると迷うわね」
花丸「そうだね〜…あ、ミルフィーユ!」
善子「ミルフィーユ好きだったっけ? そんな印象無いけど…」
花丸「あんまり食べた事は無いんだけど、ルビィちゃんがおすすめって言ってたずら」
善子「ルビィが? 来た事あるのかしら?」
花丸「そう言われてみると確かに…で、善子ちゃんは何にするの?」
善子「そうね、私は…あ、苺チョコケーキ! これにする!」 よしまる「いただきまーす」
善子「うん、美味しい♪ 甘さもちょうどいいし苺とチョコのバランスも私好み!」
善子「ずらマル、そっちは…どう…」
花丸「待って、コレ食べるの難しい…」ンー
花丸「切ろうとするとグラグラするし…あっ! 切る時の圧力で中身が…」アタフタ
花丸「どうしよう善子ちゃん、ミルフィーユ食べられないずらぁ…」ウルウル
善子(…か、かわいすぎかぁぁぁぁぁぁ!!) 善子(何? ルビィはコレを見越してずらマルにミルフィーユを勧めたっていうの? 策士か!)
花丸「善子ちゃぁん…」
善子「…ハッ! ミルフィーユはそのままじゃなくて倒しちゃってから食べた方が楽よ」
花丸「えっ、倒していいの?」
善子「種類にもよるけど、こういう四角いのは倒しちゃった方がむしろキレイに食べられるわよ」
花丸「そうなんだぁ…ありがとう、善子ちゃん」ニコッ
善子「///」ドキッ
花丸「…顔赤いよ? 大丈夫?」
善子「大丈夫っ、大丈夫だから!///」 善子「ごちそうさま、美味しかったわね」
花丸「そうだね、次に来た時は何を食べようかなぁ」
善子「食べたばかりなのにもう次の話? 食べ足りなかったのかしら?」
花丸「べ、別にそういう事じゃないよっ?」アセアセ
善子「そんなに焦らなくてもいいのに」クスッ
花丸「もー! からかうのはダメずらっ///」
善子「はいはい、それでこの後どうしようかしら?」
花丸「ん〜、じゃあちょっとその辺お散歩でもしよっか」
善子「そうね」 花丸「そう言えばこの前―…で―…が―…」
善子(何だろう、すっごく可愛く見える)
善子(昔から可愛かったし高校で再会した時にもそう思ったけど、でもそういうのじゃなくて…いつも以上に可愛く見える、みたいな)
善子(私服だから? それともデートみたいな環境だからそう思っちゃうだけ?)
善子(それとも…好かれてるから気になり始めちゃっただけ?)
善子(…なんてね、本当はもう自分でもわかってる)
善子(私は…)
善子(ずらマルの事が、好き) 花丸「それでね…って善子ちゃん?」
善子「…」
花丸「よーしーこーちゃん」
善子「え、あ、何?」
花丸「ボーっとしてどうしたずら?」
善子「ちょっとね…それよりずらマル、まだ時間は大丈夫よね?」
花丸「バス? それならまだまだ大丈夫だよ」
善子「そう、ならちょっと歩くけどびゅうおに行かない?」 〜びゅうお〜
花丸「わ〜、久々に来たけどここはいい景色だね」
善子「そうね、私も久しぶりに来たわね」
花丸「今日は天気も良いから遠くまで見渡せるね」
善子「はいはい、あんまりはしゃがないの」
善子(って言ってみたけど、それは半分は自分にも言い聞かせてるのかもね)
善子(うるさい心臓に向かって"落ちつきなさい"ってね) 善子「ねぇ、知ってる?」
花丸「何?」
善子「曜さんが言ってたんだけど、ここってぶっちゃけトークをする場所なんですって」
花丸「そうなんだ? 聞いたこと無いずら」
善子「私も最近まで聞いたこと無かったけどね、まぁ由来とかそんな事はどうでもいいのよ」
花丸「という事は…何かぶっちゃけとーくしたい事でもあるの?」
善子「えぇ、すごく大事な話」
花丸「じゃあ隣に座って聞こうかな」スッ
善子「ど、どうぞ」 善子「えーっと…その…」
善子(ヤバい、いざ言おうと思ったらめちゃくちゃ緊張してきた)ドキドキ
善子(っていうか今さっき急に決心したから何て言うか全然考えてない!)
善子(告白する時は良いシチュとセリフを用意するつもりだったのに…)
善子(どうしようどうしようどうしようどうしよう)
花丸「善子ちゃん」
善子「な、何?」
花丸「これから言おうとしてる事はきっとそう簡単には言えない事なんだよね」
花丸「ちゃんと伝えたい、でも勇気が出ない…そんな感じかな?」
花丸「もしあと少しの勇気があれば大丈夫って言うなら…」
ギュッ
花丸「オラがこうして手を握ってあげるずらっ」
善子「ずらマル…」 善子(ホンット優しいんだからコイツ…)
善子(事故紹介のせいでしばらく学校を休んでた時、バスでも30分はかかるのにそれでも毎日家まで来てくれたり)
善子(学校に行くようになってからも色々と気にかけてくれたり)
善子(ルビィがアイドル始める時も、部に入りやすいように色々とサポートしたり)
善子(まぁ自分の事を隠してしまうのは玉に瑕ではあるけど)
善子(そんな優しいあんたの事が…)
善子「ありがとう、ずらマル…もう大丈夫」
花丸「勇気出た?」
善子「えぇ、今からちゃんと伝えるわね」
善子「ずらまる、好きよ」 花丸「マルも善子ちゃん好きだよ」
善子「や、そういうんじゃなくて…こう…つまり…」
花丸「つまり…」スッ
チュッ
善子「!?///」
花丸「こういう事でいいんだよね?」
善子「そ、そうです…///」
花丸「だよね! …不束者だけど、よろしくお願いします」ペコリ
善子「こ、こちらこそ! よろしくお願いします」ペコリ
花丸「あ! そういえばこれ言うの2回目だね」
善子「え? あ、保健室でもそう言えば言ってたわね」
花丸「フフ…」
善子「フフフ…」
よしまる「アハハハハ!」 花丸「マルの返事はわかってたはずなのに何でそんなに緊張してたの?」
善子「そりゃするでしょ…それに…」
花丸「?」
善子「アタックされてる間、私は結構あしらう感じだったからそうしてるうちに気持ちが離れてったりしてないか不安もあったのよ」
花丸「善子ちゃん、意外と小心者なんだね」
善子「うっさい」 花丸「でもそれはマルも一緒だよ」
善子「あんだけ積極的にアピールしてきたくせに何言ってるの」
花丸「だからだよ、もしかしたらウザがられて嫌われたんじゃないかとか考えたり…」
花丸「それにさっきも、本当はフられるんじゃないかって思ってすっごく怖かった…」
花丸「善子ちゃんは優しいからなんとか傷つけないように言葉を選んで、それで悩んでたんじゃないかって思って」
善子「ずらマル…」
花丸「だからね、そうじゃなくて好きって言ってもらえて嬉しかったの!」
善子「ごめんなさい、私がヘタレなばかりに…」
花丸「ううん、上げてから落とされるのは辛いけど、下げてから上げられたから大丈夫ずらっ!」
善子「何それ、私は落としたつもりなんてないわよ?」フフ
花丸「マルはそう感じたの、ヘタレの誰かさんのせいで」
善子「それはすいませんでした」アタマサゲー 善子(ずらマルの勘違いから始まった恋だった)
善子(でも本当はそんなこと無くて、もっと前から好きだったんだと思う)
善子(自覚していなかった想いが今回の件でようやく自覚できたというだけで、もっと前からあの子に惹かれていたはず)
善子(あなたといると不思議と素直になれた)
善子(そんなあなたと"友達"よりもっと近付きたかった)
善子(そして今、ようやく叶った…!)
善子「花丸」
花丸「!」
善子「好きよ」
花丸「マルも好きだよ、善子ちゃん」
善子「改めて、これからもよろしくね」
花丸「うん!」 エピローグ
善子「前はずらマルにお弁当作ってもらったから今日は私が作ってみたわ」
花丸「ありがとう、善子ちゃん♪ 朝からずっと楽しみにしてたずら〜」
善子「 >>13 のずらマル理論を参考に白と黄色の組み合わせにしたし、きっと喜んでくれるはず!」
花丸「ね、開けていい?」
善子「いいわよ、早く食べましょう」
花丸「何が出るかな〜」
パカッ
花丸「これは…卵サンド?」
善子「料理が得意ってワケじゃないからたいした物は作れなかったんだけど、でも愛情はたくさん込めたわよ///」
花丸(サンドイッチ=梨子さんの好きな食べ物=善子ちゃんは梨子さんが好き!?)
善子「ね、食べてみてよ」ワクワク
花丸「浮気ずらー!」ビエーン
善子「えぇぇぇぇっ、何故に!?」
花丸「正式にお付き合いを始めてまだそんなに経ってないのに浮気とは…」
善子「ちょっ、浮気なんてしてな…」
花丸「前途多難ずらー!」
善子「それはこっちの台詞よー!」
おわり 以上です、お付き合いありがとうございました。
普段はSS速報VIPで書いてたんですが、スレ立てできなかったので初めてこちらをつかわせてもらいました。
良かったら過去作もよろしくお願いします。
千歌「Aqours集合ー! 番号ー!」
果南「AZALEAの」花丸「短編集?」ダイヤ「ですわ!」
曜「きみからみたわたし」 >>73
よしまるレベルで貴重とかマイカプに喧嘩売ってるのか 特に良作でもない平凡なSSなのによしまるってだけで打線とか言っちゃうカプ厨まんさん
でも>>1完走乙
希主人公の愛されSSやよしまるは楽に自投マンレス付くから他のカプでもSS挑戦してほしい ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています