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【SS】ダイヤ・ルビィ 「「ブレイブ・ストーリー」」
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0001名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 20:53:13.12ID:RbpNbZMD
大空へと放り出された私の体。

翔ぶための翼も持たない私は、真っ逆さまに広大な草原へと落ちていく。

私の体は、背にした陽の光と、凄まじい風とで挟み撃ちにされる。くるくると回りながら、徐々に落ちるスピードを増していく。

藁にもすがる思いで、携えていた貰ったばかりの“剣”を抱きしめるが、剣も私と同じように、地へと引き付けられていくだけだ。


ルビィ 「お姉ちゃぁぁぁぁん! 助けてぇぇ!」


――これは私の、勇気の物語。

ーーーーーー
ーーーー
ーー
0002名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 20:53:47.82ID:RbpNbZMD
千歌 「いったぁぁぁぁぁい!!」

ルビィ 「千歌ちゃんっ!」

曜 「今日はもうここまでにしておこう? いくら砂浜とはいえ、これ以上は危ないよ。怪我したら元も子もないよ……」

千歌 「駄目っ! 絶対成功させなきゃ。Aqours WAVE! ……たぁっ!」


地区予選大会を控え、私たちの練習にはより熱が入っていた。特に千歌ちゃんは、かつて果南ちゃん達が断念した大技、Aqours WAVEを成功させるために躍起になっていた。


千歌 「やぁっ!」

果南 「っ! いけっ……千歌!」
0003名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 20:54:22.68ID:RbpNbZMD
千歌 「あっ、わわぁっ!?」

梨子 「千歌ちゃん! 大丈夫!?」

鞠莉 「今のは惜しかったわね……。でも、この調子なら」

ダイヤ 「……無茶は禁物ですわ。危険なら、すぐにでもパフォーマンスを変更します」

千歌 「大丈夫だよ! 絶対できる!」

果南 「千歌……」
0005名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 20:55:27.47ID:RbpNbZMD
ダイヤ 「ですがあなたが怪我をしては! 誰がAqoursを引っ張っていくのですか!?」

千歌 「しない! 私は絶対成功させる!」

曜 「千歌ちゃん、今日はもう辞めよう? 一回落ち着いた方が……」

千歌 「時間が無い。少しでも多く練習しないと!」

ダイヤ 「千歌さんっ!」

千歌 「たぁぁっ!!」
0006名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 20:55:57.13ID:RbpNbZMD
千歌 「やぁっ! ……わぁぁっ!?」

ダイヤ 「千歌さん!」

果南 「……今日はここまでだね。これ以上やっても、今日は怪我が増えるだけだよ」

千歌 「そんな! 私、まだ……っ!」


ダイヤ 「千歌さん、お気持ちは分かります。ですが休息をとるのも成功させるのには必要です」

千歌 「ダイヤさん……」
0007名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 20:56:24.84ID:RbpNbZMD
曜 「今日は帰ろう? ……立てる?」

千歌 「……うん、大丈夫。ありがと」

ダイヤ 「みなさん、もう辺りも暗いですから、気をつけて帰るのですよ」

善子 「今日はまだ堕天の時ではなかった。では、私はこれにて……」

花丸 「いいから帰るずら」

善子 「いいからって何よいいからって!」
0008名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 20:57:00.80ID:RbpNbZMD
一人、また一人と帰路につく。
海岸には、私とお姉ちゃんの2人だけが残った。みんなが居なくなると、波の音がより鮮明に聞こえる。


ルビィ 「みんな帰ったね。お姉ちゃん、ルビィ達もそろそろ」

ダイヤ 「……いえ、私はもう少し、ここに残りますわ」

ルビィ 「でもお姉ちゃん、あまり外には」

ダイヤ 「ここは空気が綺麗ですから。ここにいると、少しは“症状”も軽くなります」

ルビィ 「……無理しちゃ、駄目だよ?」
0009名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 20:57:40.48ID:RbpNbZMD
ダイヤ 「ルビィは優しい子ですね。ありがとうございます」


お姉ちゃんは私の頭を優しく撫でる。
沈みかけの夕日に照らされたお姉ちゃんの優しい笑顔は、どこか儚げに感じた。


ルビィ 「……ルビィも、一緒に残るよ」

ダイヤ 「えぇ。もう少し、ここでお話しましょうか」

ルビィ 「……うん」
0010名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 20:58:19.55ID:RbpNbZMD
ダイヤ 「千歌さんは、成功させられるでしょうか。あの技を」

ルビィ 「出来るよ、きっと」

ダイヤ 「そうですね。彼女はいつもそうです。無茶で無謀で、でもいつも、奇跡を起こす。私達は振り回されてばかりですけど」

ルビィ 「ふふっ……そうだね」

ダイヤ 「彼女がいれば、Aqoursは大丈夫」


ダイヤ 「私が、いなくなっても」
0011名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 20:59:24.99ID:RbpNbZMD
ルビィ 「……なんで、そんなこと言うの」

ダイヤ 「私なりの覚悟です。ルビィも、分かっているでしょう?」

ルビィ 「お姉ちゃんがいなくなるなんて、信じられないよ。お姉ちゃんがいないAqoursも」

ダイヤ 「ですが、いつか向き合わなくてはいけない真実です。私は恐らく、Aqoursとして決勝の舞台に立つことは出来ない」


ルビィ 「……余命宣告なんて、きっとお医者さんの勘違いだよ! だからっ」

ダイヤ 「ルビィ! ……自分の体のことは、自分が一番よくわかります。私はもう、長くありません」
0013名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 20:59:58.67ID:RbpNbZMD
ルビィ 「やだ……そんな弱気なお姉ちゃん、見たくない」

ダイヤ 「……ごめんなさい。そうですわよね、いつか来るその時まで、しっかり生きないと」

ルビィ 「……来させない。そんな日」

ダイヤ 「ふふっ、やはりルビィは、優しい子ですね」

ルビィ 「……ぐすっ……うゅ……」

ダイヤ 「こうしてあなたを撫でられるのも、あとどれだけか。…………うっ…ごほっ…!」

ルビィ 「っ! お姉ちゃん!」
0014名無しで叶える物語(笑)垢版2018/11/04(日) 21:00:27.17ID:qJxrzvwt
0015名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:00:38.71ID:RbpNbZMD
ダイヤ 「ごほっ……がはっ……! はぁっ……」


口を抑えた掌には、所々血がついていた。
顔を歪め、お姉ちゃんは海へと走り、手を海水で洗いだした。

その背中は、とても小さくて、弱々しくて。

いつも追いかけていた、お姉ちゃんの背中とは、まるで正反対だった。


ルビィ 「……っ! お姉ちゃんっ!!」


思わず、お姉ちゃんの背中に飛びかかる。
突然のことにバランスを崩したお姉ちゃんは、海水に真正面から突っ込んだ。
0016名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:01:23.66ID:RbpNbZMD
ダイヤ 「わぁっ!? うぐっ……ぷはぁっ!」

ルビィ 「わぁあっ!? ごめんお姉ちゃん!」

ダイヤ 「ふふっ……あはははっ! 何をするのですか、ルビィ!」


お姉ちゃんはお返しだと言わんばかりに、私に水をかけてきた。陽が沈み、光を浴びなくなった海水はとても冷たかった。


ルビィ 「わぁっ!? えぇい……このぉっ!」

ダイヤ 「やりますわねルビィ! 喰らいなさい!」
0017名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:02:12.16ID:RbpNbZMD
数分後には、お互い全身びしょ濡れだった。
お互いの顔を見て笑い合う。

お姉ちゃんの顔から、水滴が一滴、頬を伝って落ちる。


ルビィ 「……いなくなっちゃ、嫌だよ」

ルビィ 「まだ、教えて欲しいことも沢山ある! もっと一緒に遊びたい! もっと一緒に、お姉ちゃんと過ごしたい!」

ダイヤ 「……そうですわね」

ルビィ 「お姉ちゃん……」
0018名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:02:44.82ID:RbpNbZMD
ダイヤ 「あなたのその泣き虫が治るまでは、心配でとても旅立てなさそうですから」

ルビィ 「……うん」

ダイヤ 「……さ、そろそろ帰りましょう」


先に歩き出したお姉ちゃんは途中で足を止め、くるっと振り返る。笑顔だった。
0019名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:03:17.66ID:RbpNbZMD
ダイヤ 「こんなにびしょ濡れでは、ご飯の前にまずお説教ですわね」

ルビィ 「……えへへっ、そうだね」


……泣き虫が治るまで。
こんな日々が続くなら、私は一生泣き虫でもいい。そう思った。

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0020名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:04:35.60ID:RbpNbZMD
地区予選前日の早朝。
みんな、吸い寄せられるように、いつもの
海岸に集まっていた。

千歌ちゃんは、もう全身をボロボロにしながら、それでも練習を続けていた。


梨子 「自分のことを普通だって思いっている人が、諦めずに挑み続ける。それが出来るって、すごいことよ! すごい勇気が必要だと思う!」

曜 「そんな千歌ちゃんだから、みんな頑張ろうって思える。Aqoursをやってみようって、思えたんだよ」

梨子 「恩返しなんて思わないで。みんなワクワクしてるんだよ!」

梨子 「……千歌ちゃんと一緒に、自分たちだけの輝きを見つけられるのを」


千歌 「みんな……」

鞠莉 「新たなAqoursの“WAVE”だね」

果南 「千歌!」
0021名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:05:26.71ID:RbpNbZMD
果南 「時間だよ。準備はいい?」

千歌 「……うんっ!」


千歌ちゃんは果南ちゃんの元へ駆け出す。
その姿を、私たちは横から見守る。陰ながら練習していたみんなは、所々に湿布や絆創膏を貼っていた。


果南 「……ありがとう、千歌」

千歌 「たぁぁぁっ!!!」


勢いよく踏み出した千歌ちゃんの体は、大きな弧を描いて、力強く回った。

Aqours WAVE、完成の瞬間だった。
0022名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:06:05.53ID:RbpNbZMD
梨子 「…………やった……」

曜 「すごい……すごいよ…千歌ちゃんっ!」

千歌 「はぁっ、はぁっ……私……出来たの?」

花丸 「やったずらぁぁ!!」

鞠莉 「Excellent! 最高だよ、千歌っち!」


みんな千歌ちゃんの元へ駆け寄り、傷だらけの体を抱きしめる。


ダイヤ 「……千歌さん、ありがとうございます」

千歌 「ダイヤさん……私、やりました」

ダイヤ 「えぇ。あなたは本当に…………」
0023名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:07:15.11ID:RbpNbZMD
そこまで言いかけて、お姉ちゃんの動きが止まった。目を大きく見開き、やがて体ごと震わすような酷い咳をしながら座り込んでしまった。


ダイヤ 「ごほっ! がはッ!!うっ…げほっ!」

千歌 「えっ……ダイヤさん!?」

果南 「ダイヤ!? どうしたの……って……」

鞠莉 「何……その血……」


口を抑えた掌には、もはや肌色が見えないほど、べっとりと血がついていた。
0024名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:07:56.06ID:RbpNbZMD
ダイヤ 「なぜ……こんな時にっ、ゲホッ! うぅぁ……っ……ガハッ!」

ルビィ 「お姉ちゃんっ!! 早く、救急車!!」

梨子 「う、うん!!」


救急車はすぐに到着した。
私はお姉ちゃんと一緒に救急車に乗り込み、他のみんなは、千歌ちゃんのお姉ちゃんが出してくれた車で、程なくして病院に到着した。

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0025名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:08:43.79ID:RbpNbZMD
ダイヤ 「…………ここは……」

ルビィ 「病室。“いつもの”病院の」

曜 「急に血を沢山出したから、ショックで気を失ってたんだよ」

ダイヤ 「そう……でしたか……」

果南 「……いつものってことは、何回も来てるんだね。それも同じ症状で」

ダイヤ 「…………。」

鞠莉 「血を吐くなんて普通じゃない。ダイヤ、一体何を隠してるの?」

ルビィ 「……実は」
ダイヤ 「ルビィッ!」
0026名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:09:20.22ID:RbpNbZMD
鞠莉 「……ダイヤは黙ってて」

果南 「ルビィ、教えて。ダイヤは今、どんな状態なの?」


ルビィ 「……末期の、肝臓癌です」


花丸 「…………癌? ダイヤさんが……?」

果南 「……どういうこと? 末期って」
0027名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:09:55.15ID:RbpNbZMD
ルビィ 「……余命宣告をされてる状態です」

曜 「…………嘘でしょ?」

ルビィ 「3ヶ月、生きられるかどうかって」

果南 「いつから……分かってたのさ」

ルビィ 「……2ヶ月前。ちょうど、2学期が始まる少し前です」

果南 「てことは、余命1ヶ月ってこと……?」

鞠莉 「なんで……なんでもっと早く!!」

ルビィ 「肝臓癌は初期症状がほとんどないんです! 自覚症状が出る頃には、もう手の施しようが……」

鞠莉 「そうじゃないッ!!」
0028名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:10:33.78ID:RbpNbZMD
鞠莉 「なんでもっと早く言わなかったの!? こんな体で今まで練習してきてたって言うの!?」

ダイヤ 「……ラブライブに挑むことが決まって。廃校を覆そうとAqoursが一丸になって」

ダイヤ 「これは、私の問題ですから。……私が我慢すれば、迷惑をかけずに……」

果南 「結局こうなったら意味ないじゃんか!」

ダイヤ 「……今回の予選が終わったら、告白する予定でした。まさか、こんなに早く……」

千歌 「………………。」
0029名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:11:06.31ID:RbpNbZMD
善子 「……明日は、無理なの?」

ルビィ 「さっき、お医者さんと話したけど、しばらく入院が必要だって……」

ダイヤ 「申し訳……ありません」

曜 「大丈夫っ、大丈夫ですよ! 私たち、絶対決勝に進んで来ますから!」

梨子 「曜ちゃん……」

曜 「やるよね……千歌ちゃん」

千歌 「………………。」

曜 「……なんで、さっきからずっと黙ってるの?」
0030名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:11:55.57ID:RbpNbZMD
曜 「私だって分かる! 千歌ちゃんの気持ち、痛いほどわかる!」

曜 「ダイヤさん抜きでパフォーマンスして、それで勝っても、なんの意味があるのかって……」

曜 「それは、本当にAqoursなのか……」

曜 「でも、やっと成功したんだよ!? 今私たちがやるべきなのは、ダイヤさんの分まで、全力でパフォーマンスをすることだよ!」

曜 「だから……だから……」


梨子 「……曜ちゃん、その話は後で…」

曜 「もう時間が無いんだよ!? ダイヤさん抜きでやるなら、またフォーメーションも考えなきゃいけない! それにっ」

千歌 「曜ちゃんッ!!」
0031名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:12:31.49ID:RbpNbZMD
鞠莉 「……千歌っち」

千歌 「分かんないよ……なんで、なんですぐに大会のこと考えられるの?」

千歌 「ダイヤさんが……ダイヤさんが死んじゃうかもって状態なんだよ!? 大会!? そんなのどうでもいいよ!」

梨子 「千歌ちゃん……」

千歌 「私、分からないよっ! どうするべきかなんて、考えられないっ!」


ダイヤ 「……出なさい」
0032名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:13:20.01ID:RbpNbZMD
千歌 「ダイヤさん……?」

ダイヤ 「なんのためにAqours WAVEを完成させたのですか? なんのために大会に出るのですか?」

ダイヤ 「……私がこんな事言うのも変かもしれません。ですが言わせていただきます」

ダイヤ 「みなさんは大会に出るべきです。出なくてはいけません」

千歌 「……分からないよ」

ダイヤ 「落ち着いて考えれば、答えは明白です。あなたもきっと分かっている。今は混乱しているだけですわ」
0033名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:13:55.78ID:RbpNbZMD
ダイヤ 「……今日は、もう帰りなさい」

ルビィ 「お姉ちゃん……」

ダイヤ 「みんなで話し合いなさい。そうすればわかります。自分たちがどうするべきなのか」

ダイヤ 「もうみんな、分かっているはずでしょう? ……ゲホッ! ガハッ! う……ぅっ」

果南 「ダイヤ!!」

鞠莉 「わかった、分かったから! もう寝てて」
0034名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:14:24.89ID:RbpNbZMD
果南 「……千歌、帰るよ」

千歌 「果南ちゃん……」

鞠莉 「そうね、みんな一度帰って、準備が出来たら部室に集まりましょう?」

梨子 「……はい」

果南 「じゃあ、ダイヤ。また来るね」

ダイヤ 「えぇ。次来る時は、いい知らせと一緒にでお願いします」
0035名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:15:01.79ID:RbpNbZMD
端に血がついた口で、力なく笑顔を作る。
みんな、急なことで現実味がないという顔をしていた。……当然だ。私もそうだった。

私は少しの間、病室に残ることにした。


ダイヤ 「……分かっていますね、ルビィ」

ルビィ 「お姉ちゃん……」

ダイヤ 「大会に出なさい。……いえ、出てください」
0036名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:15:40.72ID:RbpNbZMD
ルビィ 「……まだ、ルビィにも分からない。このまま大会に出ていいのか」

ダイヤ 「ルビィ、何を」

ルビィ 「でも、お姉ちゃんが望むなら」

ルビィ 「ルビィはそうする。大丈夫、お姉ちゃんには心配かけないから」

ダイヤ 「……ありがとう、ルビィ」

ーーーーー
ーーーー
ーー
0037名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:16:18.77ID:RbpNbZMD
夜の病室は少し肌寒く、そして不気味だ。
隣のベッドから時々咳払いが聞こえる。その度に気になってモゾモゾと体が反応してしまい、なかなか寝付けない。


ダイヤ (……明日はいよいよ地区予選ですわね)

ダイヤ (はぁ。眠れないですし、出場グループのおさらいでもしておきましょうか)


スマホを取り出し、出場する地区のラブライブ予選ページを開く。


ダイヤ 「…………えっ」
0038名無しで叶える物語(庭)垢版2018/11/04(日) 21:16:36.58ID:FaFocIQM
てす
0039名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:16:48.07ID:RbpNbZMD
【重要なお知らせ】
エントリーナンバー03 : Aqours
出場辞退について
0040名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:17:33.66ID:RbpNbZMD
病室を飛び出し、エレベーターホールへと駆け出す。居てもたってもいられなかった。


ダイヤ 「なんでっ……どうしてっ!? ルビィっ!!」


ダイヤ 「はぁっ……はぁっ! もしもし、果南さん!?」

果南 『ダイヤ……どうしたの?』

ダイヤ 「どうしたのじゃありません! どういうことですか? 出場辞退って!!?」

果南 『あぁ、うん……。意見は割れたんだよ。でも、さ……』

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ーー
0041名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:18:19.66ID:RbpNbZMD
ルビィ 「ダメですっ!!」

善子 「ルビィ……」

千歌 「ルビィちゃん、ごめん。分かって」

ルビィ 「なんで! お姉ちゃんは、あんなに大会に出てほしいって言ってたのに!」

果南 「それでも。……Aqoursは、大会出場を辞退する」

曜 「……千歌ちゃん、本当にいいの?」

千歌 「……うん」
0042名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:19:01.56ID:RbpNbZMD
ルビィ 「だからどうしてっ!?」

千歌 「Aqours WAVEは、私だけじゃない。Aqoursのメンバー、学校のみんな、街のみんな、全員で完成させたものなんだ」

千歌 「一人でも欠けたらダメなんだよ。ダイヤさん抜きのパフォーマンスを考えるなんて、出来なかった」

曜 「……ごめん。あんなこと言ったけど、私もフォーメーションを考えてるうちに、分からなくなっちゃった」

果南 「……それにきっと、こんな状況で大会に出ても、いいパフォーマンスなんて出来ない」

ルビィ 「そんなの重要じゃない! 大事なのは、大会に出ることだよ!」

梨子 「ううん。重要だよ、ルビィちゃん」
0043名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:19:31.37ID:RbpNbZMD
梨子 「私たちはいつでも全力で、最高のパフォーマンスをしてきた」

千歌 「今回この状況で、ルビィちゃんは出来る?」

ルビィ 「それは……」

花丸 「ダイヤさんもあぁ言ったけど、きっと後悔する。きっと大会に出ても、そこにいるのはAqoursじゃない何かでしかない」

善子 「そんな姿、今のダイヤに見せたくないってことよ」
0044名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:20:13.50ID:RbpNbZMD
ルビィ 「善子ちゃん……」

千歌 「今じゃなくてもいい。ラブライブに拘らなくてもいい。きっといつか、ダイヤさんも一緒に、全力で輝ける日が来る」

千歌 「……だから、今回は……ね?」

ルビィ 「……変だよ、今の千歌ちゃん」

千歌 「ルビィちゃんも、きっと、いつか分かる」

鞠莉 「諦める勇気も、時には必要よ」
0045名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:20:42.71ID:RbpNbZMD
鞠莉 「出場辞退を表明する文書は出来てる。これを送るかどうかの判断は、千歌っちに任せる」

千歌 「……みんな、いいよね」


千歌ちゃんはEnterキーに人差し指を置き、みんなの目を見る。
みんな、何も言わず頷いた。それを確かめた千歌ちゃんは最後に、私の目を見た。


千歌 「……辛いのは分かる。でもこれは、ダイヤさんのためでもあるんだよ」
0046名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/04(日) 21:20:44.87ID:WiSF8P9X
梨子 「私たちはいつでも全力で、最高のパフォーマンスをしてきた」

千歌 「今回この状況で、ルビィちゃんは出来る?」

ルビィ 「それは……」

花丸 「ダイヤさんもあぁ言ったけど、きっと後悔する。きっと大会に出ても、そこにいるのはAqoursじゃない何かでしかない」

ミリィッ

ミリミリミリ

バキバキバキ

花丸「!?!?!?!?」

果南「国木田花丸は五体引き裂かれて内蔵引き千切られて血反吐撒き散らしてのたうち回って死に晒せ!!!!!!!!!!!!!」

グワバアアアアア!!!!!!!!!!!!!

花丸「────」

ドッバシャアアアアアア!!!!!!!!!!!

ビチャビチャビチャ!!!!!!!

果南「こんな、腟内部から股割きなんてエグい真似はさぁ、鞠莉にはとても出来ないね」

鞠莉「Oh!花丸の身体が縦に真っ二つね!!!ミラクル!イッツ・ミラクルよ!!!マイ・ダーリン!!!!!」
0047名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:21:11.90ID:RbpNbZMD
カチッ、という音とともに、パソコンの画面には『送信しました』の文字が表示された。


ルビィ 「…………お姉ちゃん……」

曜 「絶対、いつか完成させよう。Aqours WAVE」

ルビィ 「……その“いつか”って、いつ来るんですか」

ルビィ 「みんなの……ばかぁっ!!!」


花丸 「ルビィちゃん! どこに行くずら!?」
0049名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/04(日) 21:21:55.39ID:WiSF8P9X
鞠莉 「出場辞退を表明する文書は出来てる。これを送るかどうかの判断は、千歌っちに任せる」

千歌 「……みんな、いいよね」

梨子「!!?…し…っ、しいたけちゃん…♡」トローン♡

梨子「しいたけちゃ〜ん♡♡♡」ガバッ♡

しいたけ「わふんっ♡」ムギュッ

梨子「しいたけちゃん♡しいたけちゃん♡」チュッチュッ♡チュウウウ♡

しいたけ「わふ♡わふ♡あうん♡」チュウウ♡レロレロレロ♡

梨子「んん〜〜っ♡ちゅうううう♡れろれろちゅばぁ♡」ブチュウウウウウウッ♡♡♡

梨子「しいたけちゃん、愛してる♡ねぇ、シて♡」スリスリ

しいたけ「わふっ♡はっ♡はっ♡はっ♡はっ♡」パンパンパンパンパンパンパン♡

梨子「あっ♡やあっ♡しいたけ、ちゃんに♡犯っ♡されっ♡るっ♡ああん♡もっとぉ♡」パンパンパンパンパンパンパン♡

梨子「イくうううっ♡イちゃうううううううう♡あああああああああああああっ♡♡♡♡♡」ビクンビクンビクン♡

http://i.imgur.com/N63s3Ww.jpg
http://i.imgur.com/a3IFgLG.jpg
0050名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:22:02.31ID:RbpNbZMD
善子 「……そっとしておきなさい」

花丸 「なんでっ、追わなきゃ!!」

曜 「1番辛いのはルビィちゃんだよ。私たちよりも、どうすればいいのか分からなくなってる」

果南 「……これでいいんだよ。これで」

ーーーーーー
ーーーー
ーー
0051名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:22:37.49ID:RbpNbZMD
―大会当日、私たちには関係の無い日。
ただの休日。

布団からなかなか出ることが出来なかった私は、母の大きな声で飛び起きた。


母 「ルビィッ!! 起きなさいっ! 早く!」

ルビィ 「どうしたのお母さん。大会なら辞退して……」

母 「そうじゃありません! ダイヤが……ダイヤがぁっ!!」

ルビィ 「えっ…………」

ーーーーーー
ーーーー
ーー
0053名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:23:07.22ID:RbpNbZMD
果南 「はぁっ、はぁっ……ルビィ、本当なの!?」

鞠莉 「ダイヤが、いなくなったって!」


いつの間にか、病院にはお姉ちゃんを除いたAqours全員が集まっていた。

お姉ちゃんがいなくなったことが分かったのは今朝。朝の検診の際、既にお姉ちゃんの姿はなく、着替えやお見舞いでもらった果物などは、全て残されていた。

そしてベッドの上には、手紙が置いてあった
0054名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/04(日) 21:23:38.08ID:WiSF8P9X
カチッ、という音とともに、パソコンの画面には『送信しました』の文字が表示された。


ルビィ 「…………お姉ちゃん……」

曜 「絶対、いつか完成させよう。Aqours WAVE」

ルビィ 「……その“いつか”って、いつ来るんですか」

ルビィ 「みんなの……ばかぁっ!!!」


花丸 「ルビィちゃん! どこに行くずら!?」

ね」

ゴスッ

グジュリッ プシャアアアア

花丸「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!」

鞠莉(これは痛いわねぇ)

鞠莉(もんどりうっちゃって面白い)くすくす

果南「おや?鞠莉今のウけたかい?」

鞠莉「GOODよ、かなぁん」
0055名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:23:55.52ID:RbpNbZMD
Aqoursの皆様へ


あなた達は間違っています。

しかし、これは全て私のせいです。

何もかも、私が病にかかり、Aqoursにとっても浦の星にとっても大切な時期に迷惑をかけてしまった私の責任です。


責任を取って、私はこの世を去ることにしました。


また違う世界で、再びあなた方にお会いできることを信じて。

それでは、さようなら


黒澤ダイヤ
0056名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:24:25.32ID:RbpNbZMD
ルビィ 「お姉ちゃん……私のせいだっ! ルビィが、みんなを説得できてれば……あぁぁ!」


部室に場所を変え集まった私たちの空気は、淀みきっていた。
私はただ、残された手紙を握りしめ、泣きじゃくることしか出来なかった。


千歌 「……違うよ。ルビィちゃん」

千歌 「悪いのは私。全部、私が悪いんだよ」

曜 「千歌ちゃん、そんなこと」
0057名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:25:33.67ID:RbpNbZMD
千歌 「いつか分かる……? 何分かったようなこと言ってるんだろ、私。あははっ……」

千歌 「ルビィちゃんの言う通りだった! 大会に出ていれば、こんなことには……!!」

花丸 「千歌ちゃん、あまり自分を責めたらダメずらよ……」

梨子 「そうよ! それに、私たちも千歌ちゃんの考えに賛成した。それなら私たちだって」


千歌 「…………私、Aqoursを辞める」
0058名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/04(日) 21:25:38.88ID:WiSF8P9X
ルビィ「・・・・あんな恥ずかしい格好でヘラヘラしなきゃいけないなんて、ルビィだったら死にそう」

善子「み、見てないで助けて・・・・////」ジョボボボボ

子供「おいよしっこ!いつになったら小便止まるんだ?www」
0059名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:26:05.27ID:RbpNbZMD
ルビィ 「……いま……なんて……」

千歌 「私辞める。Aqoursを、スクールアイドルを」

曜 「……千歌、ちゃん…?」

千歌 「…………っ!!」


千歌ちゃんはそう言って、部室を飛び出した。追いかけることは、誰にも出来なかった。

……数日後、Aqoursの解散を告げるメールが、全員の元に届いた。

ーーーーーー
ーーーー
ーー
0060名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:26:45.85ID:RbpNbZMD
ルビィ 「……入るね、お姉ちゃん」


Aqoursの解散が決まった日の夜。
私はお姉ちゃんの部屋にいた。

大会に出られなかった。
お姉ちゃんを失った。
Aqoursを失った。

……居場所を失った。何もかもを、失った。

そんな私はただ、すがるものを探していた。
0062名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:27:17.75ID:RbpNbZMD
ふと見ると、お姉ちゃんの机の上に、一冊の絵本が置かれているのが目に入った。

見覚えがあった。私はこの絵本が大好きで、よくお姉ちゃんに読み聞かせてもらってたっけ。

タイトルは、『ブレイブ・ストーリー』

……確か、お父さんとお母さんをなくした少年が、不思議な扉の奥にある異世界で冒険をして、現世での願いを叶える物語。
0063名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:27:50.37ID:RbpNbZMD
ルビィ 「私の前にも、こんな扉が現れたら」

ルビィ 「運命を……変えられるのかな」


本を手を取った時、その下にあったものが目に付いた。
便箋。病室に残されていた、手紙と同じものだった。

その時、あの手紙の文章が脳裏を過った。


『責任を取って、私はこの世を去ることにしました。』

『また違う世界で、再びあなた方にお会いできることを信じて』
0064名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:28:24.60ID:RbpNbZMD
ルビィ 「もしかして、お姉ちゃん……」


絵本を持ち、家を飛び出した。
この絵本の主人公は、運命を変えるために異世界への扉をくぐり、その先で数多の試練を乗り越え、願いを叶えた。

その扉があったのは、廃ビルの屋上。

この近くにちょうど、取り壊される予定の廃ビルが一件あった。

根拠なんてなかった。でも、縋れるものはそのフィクションである物語だけだった。


ルビィ 「はぁっ、はぁっ……」


廃ビルの屋上へと繋がる階段を目にした時、確信した。
この物語は、フィクションなんかじゃない。
0065名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:28:58.05ID:RbpNbZMD
その階段は、屋上になんて繋がっていなかった。今まで登ってきた鉄製の階段とはうって変わり、コンクリート製の階段がそこにはあった。

階段は天高く、どこまでも伸びており、明らかに現世ではない、どこか違う世界に繋がっている様子だった。


登っていくと、そこには巨大な扉があった。
扉自体が白く輝き、羽のような形をした紋章が中央に描かれていた。それは、絵本で見た異世界へ通じる扉、そのもの。


ルビィ 「お姉ちゃん……そっちに、いるの?」

ルビィ 「この扉の向こうに行けば、運命が」
0066名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:29:25.80ID:RbpNbZMD
医者 『落ち着いて聞いてください。ダイヤさんの余命はあと3ヶ月といったところでしょう』

果南 『Aqoursは、大会出場を辞退する』

ダイヤ 『私はこの世を去ることにしました』

千歌 『私、Aqoursを辞める』


ルビィ 「こんな運命……間違ってる!!」

ルビィ 「お姉ちゃんっ! ルビィ、行くよ! この扉の向こうで、運命を……っ!!」


ルビィ 「変えるっ!!!」
0067名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:30:36.15ID:RbpNbZMD
私の叫びに応じるかのように、扉はゆっくりと開いていく。
向こう側からとてつもなく強い風が吹き込んでくる。負けじと一歩一歩足を踏み出す。

途中、あまりの強風に耐えきれず、手に持っていた絵本が吹き飛ばされてしまった。

それでも構わず前へ進む。

……そして私の体は、眩い光の中へと消えていった。

ーーーーーー
ーーーー
ーー
0068名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:30:58.45ID:RbpNbZMD
――これは私の、勇気の物語。
0069名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 21:31:33.23ID:RbpNbZMD
本日はここまでとさせていただきます

なるべく毎日更新する予定ですが、仕事の都合などで更新できない日があるかもしれません。よろしくお願いします
0070名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/04(日) 21:31:57.66ID:WiSF8P9X
ルビィ 「こんな運命……間違ってる!!」

ルビィ 「お姉ちゃんっ! ルビィ、行くよ! この扉の向こうで、運命を……っ!!」


ルビィ 「変えるっ!!!」

池沼ルビィ「おねぇちゃぁ……りゅびぃたのしみだったらいぶちゅうしになっちゃったぁ……」
0072名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/04(日) 21:35:26.84ID:WiSF8P9X
私の叫びに応じるかのように、扉はゆっくりと開いていく。
向こう側からとてつもなく強い風が吹き込んでくる。負けじと一歩一歩足を踏み出す。

途中、あまりの強風に耐えきれず、手に持っていた絵本が吹き飛ばされてしまった。

それでも構わず前へ進む。

……そして私の体は、眩い光の中へと消えていった。

ーーーーーー
ーーーー
ーー

梨子「!!?…し…っ、しいたけちゃん…♡」トローン♡

梨子「しいたけちゃ〜ん♡♡♡」ガバッ♡

しいたけ「わふんっ♡」ムギュッ

梨子「しいたけちゃん♡しいたけちゃん♡」チュッチュッ♡チュウウウ♡

しいたけ「わふ♡わふ♡あうん♡」チュウウ♡レロレロレロ♡

梨子「んん〜〜っ♡ちゅうううう♡れろれろちゅばぁ♡」ブチュウウウウウウッ♡♡♡

梨子「しいたけちゃん、愛してる♡ねぇ、シて♡」スリスリ

しいたけ「わふっ♡はっ♡はっ♡はっ♡はっ♡」パンパンパンパンパンパンパン♡

梨子「あっ♡やあっ♡しいたけ、ちゃんに♡犯っ♡されっ♡るっ♡ああん♡もっとぉ♡」パンパンパンパンパンパンパン♡

梨子「イくうううっ♡イちゃうううううううう♡あああああああああああああっ♡♡♡♡♡」ビクンビクンビクン♡

http://i.imgur.com/N63s3Ww.jpg
http://i.imgur.com/a3IFgLG.jpg
0073名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/04(日) 21:40:14.27ID:WiSF8P9X
ダイヤ 「……今日は、もう帰りなさい」

ルビィ 「お姉ちゃん……」

ダイヤ 「みんなで話し合いなさい。そうすればわかります。自分たちがどうするべきなのか」

ルビィ「お、お姉ちゃん! おまた激しくしないで!」 

ダイヤ「おだまらっしゃい!」クチュクチュクチュ
0079名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:50:15.64ID:XYzR1civ
光に包まれた私の体は、何かに吸い込まれるように落ちていく。まるでウォータースライダーに乗っているかのような感覚。薄緑色の霧の中を、ただ下へ下へと進んでいく。


『……まさか、本当に来るなんて』

ルビィ 「ピィッ!? だ、誰?」


聞き覚えのない、少女らしき声が聞こえた。
声の主らしき姿は見えず、その声は脳裏にのみ響いているもののようだった。
0080名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:50:44.85ID:XYzR1civ
『私が誰かは、旅をしていけばいずれ分かる。それよりあなたは、今自分がすべきことに集中しなさい』

ルビィ 「すべきこと?」

『あなたは今から、“お試しの洞窟”というところへ行く。旅人になるために必要な儀式なの』

ルビィ 「儀式……」

『せいぜい気をつけてね。冒険が始まる前に死ぬとか、シャレにならないし』

ルビィ 「えぇっ!? し、死ぬこともあるの?」

『当たり前でしょ。願い事がそう簡単に叶うなんて思わないことよ』
0081名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:51:23.92ID:XYzR1civ
『……そろそろ始まるみたいね。大丈夫、あなたなら必ず帰って来れるわ、ルビィ』

ルビィ 「えっ、ちょっと待って! どうして私の名前……わぁぁっ!!?」


突如目の前から、鳥の大群が現れた。それぞれ赤青緑色の小さな鳥たちが大量に集まり、まるでその色の波かのように押し寄せる。
私の体はその波に飲み込まれ、洞窟の中を進んでいく。

途中、どこからか誰かが歌う声が聞こえた


『お試しならば命を大事に』

『問いには答えを 答えには問いを』

『導師様は大あくび!』

『かえる道はかえる。千年かけても解けはしまい!』
0082名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:52:02.19ID:XYzR1civ
ルビィ 「いっ……たたた……」


波はどこかへと消え去り、私は遺跡のような場所に取り残された。
暗く、殆ど何も見えない遺跡の中をさまよっていると、突然あたりの灯火がつき、4つの大きな銅像が現れた。


銅像1 「我は運命の女神様を奉じる。東方を守る暁の神将。旅人よ、汝、勇気を望むか」

ルビィ 「ゆ、勇気……?」

銅像2 「汝、知恵を望むか」

銅像3 「汝、元気を望むか」

銅像4 「汝、喜びを望むか」
0083名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:52:38.45ID:oXcfJ93S
映画版か?
0084名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:52:55.30ID:XYzR1civ
ルビィ 「こ、この中から選ぶってこと?」


「勇気を!」 「知恵を!」 「元気を!」 「喜びを!」

「「「「望むか!!?」」」」


ルビィ 「……選べない。前に進む勇気も」

ルビィ 「あのとき、どうすれば良かったのか、それが分かる知恵も」

ルビィ 「いつでも明るくいれる元気も」

ルビィ 「あの、喜びに満ちた日々も」


ルビィ 「今のルビィには全部足りない!! 全部、ルビィにくださいっ!!!」
0085名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:54:01.41ID:XYzR1civ
そう答えた瞬間、最初に喋り出した銅像が動きだした。そして携えていた巨大な石斧を振りかざしてきた。


ルビィ 「きゃぁぁっ!!? もしかして、間違えた!?」

銅像 「我より逃げ切って森に帰って見せよ!」

ルビィ 「森に……? そっか、帰る道を探せば!」


銅像から逃げていくと、目の前には幾つもの扉があった。


ルビィ 「あった! 多分どれかが出口……!」


しかし、どの扉を開けても出口には繋がっておらず、その先にあったのは動物の形をした銅像だけだった。鶏だったり、カエルだったり、狼だったりと様々だった。
0086名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/05(月) 23:54:18.50ID:OiiiviaF
ルビィ 「……選べない。前に進む勇気も」

ルビィ 「あのとき、どうすれば良かったのか、それが分かる知恵も」

ルビィ 「いつでも明るくいれる元気も」

ルビィ 「あの、喜びに満ちた日々も」


ルビィ 「今のルビィには全部足りない!! 全部、ルビィにくださいっ!!!」

ミリィッ

ミリミリミリ

バキバキバキ

ルビィ「!?!?!?!?」

果南「産廃池沼黒澤ルビィは五体引き裂かれて内蔵引き千切られて血反吐撒き散らしてのたうち回って死に晒せ!!!!!!!!!!!!!」

グワバアアアアア!!!!!!!!!!!!!

ルビィ「────」

ドッバシャアアアアアア!!!!!!!!!!!

ビチャビチャビチャ!!!!!!!

果南「こんな、腟内部から股割きなんてエグい真似はさぁ、鞠莉にはとても出来ないね」

鞠莉「Oh!クソルビィの身体が縦に真っ二つね!!!ミラクル!イッツ・ミラクルよ!!!マイ・ダーリン!!!!!」
0087名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:54:44.69ID:XYzR1civ
ルビィ 「どうしよう……どこにも出口がない!」


後ろから徐々に銅像が迫ってくる。追い詰められるのも時間の問題だ。


ルビィ 「問いには答えを……答えには問いを」


ここへ来る途中聞こえてきた、謎の歌を口ずさむ。ヒントがあるとすればそこしかない。


『かえる道はかえる。千年かけても解けはしまい!』

ルビィ 「……! かえる道は、カエル!」
0089名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:55:37.96ID:XYzR1civ
大急ぎでカエルの銅像があった扉の元へ駆ける。銅像の周りを必死に探るも、出口らしきものは見当たらない。


ルビィ 「ない……ないない無い! どうして!」


そうこうしているうちに、銅像はすぐ後ろに迫っていた。
絶体絶命。異世界での冒険を始める前に、私はここで死ぬのだろうか。


ルビィ 「嫌だ……そんなの……!」

ルビィ 「ルビィはお姉ちゃんの病気を、治さなきゃいけないんだ!!」
0090名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:56:21.18ID:XYzR1civ
扉から離れ、助走を付けてカエルの銅像へと走り出す。
そうだ、銅像が動いて私を襲うなら、このカエルの銅像が動いたって何ら不思議なことではない。

思いっきり踏み出し、カエルの銅像へと飛び込む。


カエル 『…………ゲロッ』

ルビィ 「……!!」


カエルの銅像は、まるで本物かのように滑らかに動き出し、私の体をひとのみにした。

カエルの体の中は、これまたウォータースライダーのようになっており、私の体はカエルの体内を滑り落ちていき、最後には森へと放り出された。
0091名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:56:58.61ID:XYzR1civ
ルビィ 「ピッ! いっ……たた……」

『……4分50秒』

ルビィ 「だ、誰!?」


また、どこからともなく謎の声が聞こえてきた。今度の声は先程の声と違い、老人のような声だった。


「……上じゃよ、上」

ルビィ 「上? ……わぁっ!? 浮いてる!?」

「全く、先だっての旅人は40秒で謎を解いたというのに」
0092名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:57:29.86ID:XYzR1civ
杖をたずさえ、浮いていた謎の老人は、ぶつぶつと文句を言いながら地に降りたった。


「お主、ダイヤとかいう少女よりも大分劣るな」

ルビィ 「……! お姉ちゃんを知ってるんですか!?」

「勿論。ワシは全ての旅人を管理する者。ラウ導師じゃ」

ルビィ 「ラウ……導師?」

ラウ導師 「“様”を付けなさい。……さて、新たなる旅人、ルビィよ」

ルビィ 「えっ……あっ、はい!」
0093名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/05(月) 23:57:46.50ID:OiiiviaF
ルビィ 「きゃぁぁっ!!? もしかして、間違えた!?」

銅像 「我より逃げ切って森に帰って見せよ!」

ルビィ 「森に……? そっか、帰る道を探せば!」


銅像から逃げていくと、目の前には幾つもの扉があった。


ルビィ 「あった! 多分どれかが出口……!」

梨子「!!?…し…っ、しいたけちゃん…♡」トローン♡

梨子「しいたけちゃ〜ん♡♡♡」ガバッ♡

しいたけ「わふんっ♡」ムギュッ

梨子「しいたけちゃん♡しいたけちゃん♡」チュッチュッ♡チュウウウ♡

しいたけ「わふ♡わふ♡あうん♡」チュウウ♡レロレロレロ♡

梨子「んん〜〜っ♡ちゅうううう♡れろれろちゅばぁ♡」ブチュウウウウウウッ♡♡♡

梨子「しいたけちゃん、愛してる♡ねぇ、シて♡」スリスリ

しいたけ「わふっ♡はっ♡はっ♡はっ♡はっ♡」パンパンパンパンパンパンパン♡

梨子「あっ♡やあっ♡しいたけ、ちゃんに♡犯っ♡されっ♡るっ♡ああん♡もっとぉ♡」パンパンパンパンパンパンパン♡

梨子「イくうううっ♡イちゃうううううううう♡あああああああああああああっ♡♡♡♡♡」ビクンビクンビクン♡

http://i.imgur.com/N63s3Ww.jpg
http://i.imgur.com/a3IFgLG.jpg
0094名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:58:03.19ID:XYzR1civ
ラウ導師 「結果発表」


導師様がそう言うと、周りにいた小鳥が集まり、赤緑青それぞれの色のタワーを作った。


ラウ導師 「特殊技能、ゼロ」

緑の鳥 「ゼロゼロゼロゼロ」


緑の鳥のタワーが跡形もなく崩れた。


ラウ導師 「体力は平均より少し上」

赤い鳥 「ヘイキンヘイキン」


今度は半分くらい崩れた。
なるほど、メーターの役割か。
0095名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:58:49.37ID:XYzR1civ
ラウ導師 「勇気は最低ランク」

青い鳥 「サイテイサイテイ」

ラウ導師 「お主の総合評価は40点。よって見習い勇者の装備を与える」


導師様が私に向かって杖をふりかざす。
するとキラキラとした光が私を包み込み、みるみるうちに衣服が変わっていった。

オレンジ色のヘルメットのような硬い帽子。
身を守るための鎧。動きやすい、ジャージのような素材のズボンに、膝あて。

そして背中には、1メートルほどの剣が携えられた。
0096名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/05(月) 23:59:28.72ID:XYzR1civ
ルビィ 「わぁっ!? なにこれ!?」

ラウ導師 「なんじゃ、何も知らんのか。まぁよい」

ラウ導師 「運命の女神様は、お主のような、現世(うつしよ)から幻界(ヴィジョン)にやってきた旅人の願いを、ひとつだけ叶えてくださる」

ルビィ 「願い……それって、どんな事でもですか?」

ラウ導師 「あぁもちろん。勇者の剣をご覧」


言われるままに、剣を背中の鞘から抜く。
0097名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/06(火) 00:00:01.82ID:jP4TD15M
ラウ導師 「柄の部分に5つ、穴があるじゃろう。その穴全てに宝玉をはめた時、運命の塔に登ることが出来る」

ラウ導師 「そこに運命の女神様はいらっしゃる」

ルビィ 「宝玉を5つ……集めれば」

ラウ導師 「そしてこれは、ワシからの旅人への餞じゃ」


そう言うと導師様は、どこからか赤い宝玉を取り出した。するとその宝玉は、まるで吸い寄せられるように柄の穴にはまった。


ルビィ 「これを、集めるんですか?」
0098名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/06(火) 00:00:36.27ID:jP4TD15M
ラウ導師 「そうじゃ。さぁ行け! 見習い勇者よ!」

ルビィ 「えぇっ!? もう!?」

ラウ導師 「迷わず進め! そなたの願いの叶わんことを!」


導師様が杖を振ると、私の体は空へと投げ飛ばされた。なすすべも無く、剣を抱いたまま私は外へと放り出された。


ルビィ 「待って! 宝玉がどこにあるのかとか、まだ聞きたいことがぁぁぁ!!」
0099名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/06(火) 00:00:48.61ID:ljHpYlYl
こんにちは!こんばんは!
随分久しぶりの更新でごめん。

書く意欲はすごいあるんだけど
書きたいこといーっぱいあって
まとまらないんだわ。めんごめんご

さてさて!
CYaRon松山ありがとうございました!

今回は汗が尋常じゃなかった。
特に夜の部めっちゃ汗かいたーーーーー

もっと汗かいてるのを見てるせいか
あのくらいじゃ杏樹も拭いてくれないんだよね
床に私の跡ついててさすがに焦った。笑

でも杏樹も汗だくの斉藤を見て笑いが隠しきれてなくて
なんかふふってなった。CYaRon!のこのアットホーム感、、、すき。

実は中盤からビューイングあるの忘れててさ
かなり自由に、恥ずかしい話も含めてしちゃった気がするんだよね
CYaRon!の仲良しエピソードとして、みんなの脳内にしまっておいてくださいっ

私としては、松山どころか四国が初めてで
CYaRon!としゃろとものみんなで
楽しくも暖かい思い出が作れて良かったですっ
また来られるようにがんばろう!って本当におもいます。

会場のみんな
ビューイングのみんな
応援してくれたみんな
本当にありがとうございました。

さて!さてさて!!
いきなり話が変わるやつ。
杏樹から聞いたんだけどこのスレが今日で1周年!
うおおおおおおおってなった

斉藤からしたらなぜ続いてるのかよく分からないんだけど
みんな私のこと好きだね!このこのーー
んん。私もみんなのこと好きだよっ

なんだかんだいつも楽しく2人で見てるよん
これからもよろしくお願いします

そんじゃ今日はここらで
ばいっ
0100名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/06(火) 00:01:17.40ID:jP4TD15M
……大空へと放り出された私の体。

翔ぶための翼も持たない私は、真っ逆さまに広大な草原へと落ちていく。

私の体は、背にした陽の光と、凄まじい風とで挟み撃ちにされる。くるくると回りながら、徐々に落ちるスピードを増していく。

藁にもすがる思いで、携えていた貰ったばかりの“剣”を抱きしめるが、剣も私と同じように、地へと引き付けられていくだけだ。


ルビィ 「お姉ちゃぁぁぁぁん! 助けてぇぇ!」

ーーーーーー
ーーーー
ーー
0101名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/06(火) 00:01:59.07ID:jP4TD15M
ルビィ 「…………あれっ?」


地面に衝突する直前、私の体はふわりと浮いた。まるでそこに、空気のクッションがあったかのように。
そしてストンと、私の体は無傷のまま着地することが出来た。


ルビィ 「ここが……幻界? すっごく広い……」


見渡す限りの草原。地平線なんて初めて見た。感激してしばらく太陽のある方角を眺めていると、地平線から何かがモコモコと迫ってきているのが見えた。


ルビィ 「もしかして、人? おーい!!」
0102名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/06(火) 00:02:35.23ID:jP4TD15M
迫ってきた人らしき影に駆け寄る。
まずはこの世界のことを知らなければ。宝玉を集めるためには情報が必要だ。


ルビィ 「はぁっ、はぁっ……あれっ?」

ルビィ 「違う……あれ、人じゃない!」


迫ってきていた影は人ではなかった。
それはおびただしい数の、オークだった。


ルビィ 「敵だぁぁぁぁ!!!」
0103名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/06(火) 00:02:46.44ID:ljHpYlYl
ルビィ 「待って! 宝玉がどこにあるのかとか、まだ聞きたいことがぁぁぁ!!」

ゴスッ

グジュリッ プシャアアアア

ルビィ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!」

鞠莉(これは痛いわねぇ)

鞠莉(もんどりうっちゃって面白い)くすくす

果南「おや?鞠莉今のウけたかい?」

鞠莉「GOODよ、かなぁん」
0104名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/06(火) 00:03:05.69ID:jP4TD15M
昔マンガで見た事があるもの、そのままのオークが、集団で迫ってくる。一目でそれらは味方でないことが、その瞳の狂気で分かる。


ルビィ 「む、無理無理! あんなのと闘うなんて、絶対無理!!」

オーク達 「「「「△※〇◇☆!!」」」」

ルビィ 「どこまで追いかけてくるの!? 助けてぇ!!」


?? 「捕まって!! 早く!!」
0105名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/06(火) 00:03:40.16ID:ljHpYlYl
りきゃこ「えーw これが?w」
ツンツン

小林「んひゃっ! も、もう……べつにいいじゃん、あたしのなんだから名前くらい好きに付けたって……」

りきゃこ「ギルティスティックww 名前負けにも程があるでしょww」

りきゃこ「それに、きゃんきゃん夜鳴きしてどうしようもないからって私を呼び出したの誰だったかなぁー?」

小林「ち、ちがうもん……夜鳴きなんて……あたしはただ、りきゃこに会いたかったから……」

りきゃこ「じゃあしなくていいの?」

小林「……す、する」

りきゃこ「ふふw」

小林「じゃ、じゃあ……おっぱい触っていい……?」

りきゃこ「そういうのいいからw」

小林「え…?」

りきゃこ「いきなり挿れていいよ。そのきゃんきゃんスティック見てたら私も興奮してきたし」

小林「ほ、ほんと!?」

りきゃこ「ほんとほんとw」
0106名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/06(火) 00:03:58.69ID:jP4TD15M
突如声をかけられ、差し出された手を咄嗟にに握る。馬車に乗っていたその人物は、私の体を軽々と抱えると、オークの集団を一瞬にして撒いてしまった。

フルフェイスの兜に、見るからに頑丈そうな、緑を基調とした鎧に身を包んだその人は、私を隣に座らせ、軽くため息をついた。


?? 「まったく、女の子ひとりがこんな所で何してるの。ここらはオークのキャンプ地だよ」

ルビィ 「す、すごい。ありがとうございます」

?? 「気にしないで。困ってる人を助けるのも、冒険者の務めだからね」
0107名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/06(火) 00:04:15.98ID:ljHpYlYl
小林「挿れるね……?」

りきゃこ「あ、電話だ。もしもしー?あんじゅー?」
ピッ

小林「ぁ……」

りきゃこ「あんじゅ、ちょっと待ってて」

りきゃこ「ねぇあいきゃん、気にしないで続けていいよ」

小林「う、うん…」

小林(気にしないでって言われても……)

りきゃこ「もしもしー? あーなんでもないなんでもない。え? そうそうw ヤってるとこw」

小林「んっ……」

小林(挿った……やば、やっぱりりきゃこのなか、すんごいあったかくてきもちいい……////)

りきゃこ「あははw えーマジでー? ウソだろー?w」

小林「ふっ……んっ、ぅっ……!」
ギッギッ

りきゃこ「え、近くいるのー? 私もそっち行きたーいw」

小林「りきゃこ……っ、りきゃこっ……////」
0108名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/06(火) 00:04:27.88ID:jP4TD15M
?? 「剣を持ってるってことは私と同じ冒険者?」

ルビィ 「いえ、冒険者というか、見習い勇者……? みたいで」

?? 「勇者? 聞かない職だねぇ」

ルビィ 「あの、失礼かもしれませんけど」

?? 「ん、なに?」



ルビィ 「その声……もしかして女性ですか? なのに冒険者って凄いですね」

?? 「あぁそっか。これかぶってるから、男か女か分からないよね」
0109名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/06(火) 00:04:52.13ID:ljHpYlYl
小林「んっ……く、んぅっ……!」

りきゃこ「きゃははw なにそれなにそれー? やばw 優勝w」

小林(りきゃこはあたしとエッチするより友達と喋ってる方が楽しいのかな……)

りきゃこ「優勝w 私の中での優勝w」

小林(ていうか突きまくってるのに普通に電話してるとか……りきゃこ、不感症なの……?)

小林(こうなったらあたしのギルティスティックでひゃんひゃん喘がせて……あっ)

小林「んぁっ、きもちいぃ……イ、イクっ……!」
シュビュビュビュッ

小林(はぁ……またすぐイっちゃった……でも気持ちよかったからいっか……////)

りきゃこ「ん? あ、終わった? って……はぁ?」

小林「りきゃこ」

りきゃこ「え、なんで中に出してんの?w」

小林「ご、ごめん……なんていうか、その……抜きそびれちゃって」

りきゃこ「はぁ?w」

りきゃこ「もしデキちゃったらどうするつもりなの?w」

小林「せ、責任とるからっ…」
0110名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/06(火) 00:05:29.65ID:ljHpYlYl
りきゃこ「あ、ごめんごめん。なんでもなーいw それで、今から行っていいの?」

りきゃこ「ホント? すぐ行くすぐ行くーw」

小林「ね、ねぇ、りきゃこ…」

りきゃこ「あいきゃん、シャワー借りるね。その間に服アイロンかけといてーw」

小林「え? 泊まっていくんじゃないの?」

りきゃこ「急用できちゃったw」

小林「……」



りきゃこ「んじゃ行ってくるねー!」

小林「ねぇ、りきゃこ……あたしたち、付き合ってるんだよね?」

りきゃこ「ばいばーいw」

小林「……い、いってらっしゃい…」


小林「…………」

小林「はぁ……今日は一緒にいられると思ったのに……」


小林(でも、今日もかわいかったなぁ……りきゃこ)

小林(りきゃこはあたしの恋人……見ての通り、超ド級のまぐろ)

小林(まぐろとりきゃこ……いや、まぐろのりきゃこ)
0111名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/06(火) 00:05:35.50ID:jP4TD15M
フルフェイスの兜を取り外し、頭を左右に振って長い髪を振り下ろす。


果南 「私は松浦果南。よろしくね」

ルビィ 「………………ピッ」

果南 「ぴ?」


ルビィ 「ピギャァァァァァァァァ!!?」


ーーーーーー
ーーーー
ーー
0112名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/06(火) 00:06:04.44ID:ljHpYlYl
翌日


小林(昨日はうっかり中出ししちゃったけど、大丈夫だったかな……)

小林(りきゃこ、まったく返信してくれないし)

小林「……まぐろ」

あいにゃ「まぐろ?」

小林「あ、いや、こっちの話!」

あいにゃ「なにそれ? ま、いいや。小林、まぐろ買ってきてー!」

小林「なんで!?」

あいにゃ「小林がまぐろまぐろ言ってるから食べたくなっちゃったのー! ねー小林ー! はーやーくー!」

小林「やだよっ! てか小林小林ってあたしの方が歳上だからね!?」

あいにゃ「ここでは私の方が先輩じゃーん!」

小林「それはそうだけど……まぁべつにいっか。ていうかバイト中なんだからちゃんと働いて!」

あいにゃ「はぁーい!」


あいにゃ「ね、小林。終わったらお寿司食べいこうよ!めっちゃお寿司の気分になっちゃった!」

小林「あ、ごめん。今日はこの後、約束あるんだ」

あいにゃ「えーー!! つまんなーーい!!」
0113名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/06(火) 00:06:49.83ID:ljHpYlYl
あいにゃ「…なに、まさか彼女とかー?」

小林「違うって。友達だよ、友達」

あいにゃ「だよねー! 小林に彼女とかいるわけないもんねー!」

小林(いるし…)

あいにゃ「小林ってモテなさそうだもんね」

小林「うるさいよっ」

小林(まぁ事実だけど……恋人だってりきゃこが初めてだから……)

小林(だからこそ、りきゃこを満足させてあげたいけど……どうしたらいいんだろ)

あいにゃ「小林? なんか今日微妙に元気なくない?」

小林「昨日ちょっとあって…」

あいにゃ「……?」

小林「そうだ、あいにゃってさ」

あいにゃ「うーん?」

小林「エッチする時、声どんくらい出すの?」

あいにゃ「え?」
0114名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/06(火) 00:07:39.67ID:jP4TD15M
本日はここまでとさせていただきます
0115名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/06(火) 00:09:15.58ID:ljHpYlYl
あいにゃ「むぅ…」

小林「機嫌直してよー! あいにゃー!」

あいにゃ「……お好み焼き食べる」
ジュー

小林「それ、これからお客さんに出す用の…」

あいにゃ「そんなのもう1枚焼けばいいじゃん」

小林「え、えぇー……」

あいにゃ「小林はいらないの? はい、あーん?」

小林「い、いいのかな……でもおいしそうだし……」

小林「…あーん……はむっ、んんっ、熱っ、あちゅいっ!」

あいにゃ「あははっ! そりゃ熱いに決まってるじゃーん! 小林っておもしろっ!」

小林「はふはふっ……けほっ、けほっ……し、死ぬかと思った……口の中、ヤケドしちゃったよ……」

あいにゃ「はい、お水」

小林「ん、ありがと……ごくっ」

あいにゃ「小林。あーんしてあげたんだから、私にも食べさせて」

小林「え、そんなの自分で食べれば…」

小林(なんて言ったらまたぎゃーぎゃー言われるんだろうなぁ)

小林「熱いから気を付けてね……ふーふー……はい、あーん」

あいにゃ「ん、はむっ……もぐもぐ」
0116名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/06(火) 00:10:00.11ID:ljHpYlYl
あいにゃ「優しいよね、小林って」

小林「そう?」

あいにゃ「そういうとこ嫌いじゃないかな」

小林「素直に好きって言ってくれればいいのに」

あいにゃ「す、好きとかっ……そんな、恥ずいこと言わないしっ…」

小林「そんなもの?」

あいにゃ「じゃあ小林は私のこと、好きなの…?」

小林「普通に好きだよ。なんだかんだ一緒にいて楽しいし」

あいにゃ「そ、そう…? …………あり、がと…」

小林「??」

小林(よかった。機嫌直してくれたみたい)


あいにゃ「…で、さっき変なこと聞いてきたけど」

あいにゃ「なんなの? そのアンケートって」

小林「え? あ、えっと……その、友達の……そうっ、友達の話なんだけどね! あたしじゃないよ絶対に!」

あいにゃ「…?」

小林「と、友達がね、彼女とエッチする時に……その彼女が全然感じてくれない、というか感じてるかもしれないけど、それを表情とかに出さないって悩んでて…」
0121名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/06(火) 22:15:03.14ID:yMRBXIez
0122名無しで叶える物語(なっとう)垢版2018/11/06(火) 22:29:54.37ID:XwRtwIy2
0125名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:49:30.22ID:5JiaegW4
果南 「なるほど、旅人さんか。通りでここらのこととか何も知らないわけだ」

ルビィ 「果南ちゃ……いや、果南さんは、ずっとこうやって旅してるんですか?」

果南 「ちゃん付けでもいいよ。向こうの世界の私と知り合いだったんでしょ? 呼びやすい方でいいよ」

ルビィ 「知り合いというか、一緒にアイドルやってて」

果南 「アイドル? なにそれ」

ルビィ 「えっと、歌って踊るグループというか……」

果南 「なるほど、歌劇団みたいなものか」
0126名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:50:15.98ID:5JiaegW4
近くの街まで連れていくと言って、果南ちゃんは私を乗せて馬車を動かす。
途中、私たちは言葉を交わす中で、お互いに知っていることを教えあった。

果南ちゃん曰く、

果南 『この世界は一種のパラレルワールドみたいなものでね。現世と同じ人間が生活してるんだ。性格とかは違うみたいだけど』

ということらしい。


果南 「たまに来るんだよ。願いを叶えるために、現世から旅人が」

ルビィ 「私以外にも、いるんですか?」

果南 「うん。過去にも願いを叶えた旅人は、何人もいたらしいよ。会ったことは無いけどね」


果南 「ルビィは、どんな願いを叶えるために来たの?」
0127名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:50:58.70ID:5JiaegW4
ルビィ 「ルビィは……お姉ちゃんの病気を、治すために」

果南 「優しいんだね、ルビィは。私に手伝えることがあったらなんでも言って」

ルビィ 「すいません、こんなに良くしてもらっちゃって」

果南 「気にしないで。それに、旅人さんは私達にとって、幸運の証なんだから」

ルビィ 「幸運の証?」

果南 「運命の女神様を信仰してる人にとって、現世からやってくる旅人は幸運の証なんだ。ほら、私も信者の一人なんだ」


そう言って、果南ちゃんは鎧の下から羽のような形の紋章がついたネックレスを取り出した。その紋章は、この世界へと繋がる扉にあった紋章と同じものだった。
0128名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:51:23.39ID:5JiaegW4
果南 「これは運命の女神様の、信者の証でね。常に身につけてるんだ」

ルビィ 「へぇ……綺麗」

果南 「旅人に出会った信者の中には、美人と結婚した人、一夜にして億万長者になった人……挙げればキリがないほどの伝説があるんだ」

ルビィ 「じゃあ果南ちゃんも、きっと幸運になれるね」

果南 「そうだといいね。……あっ、ほら。そろそろ着くよ」
0129名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:51:53.75ID:5JiaegW4
大きな門をくぐり、街の中へ入る。
多くの人で賑わう商店街、中央にある大きな建物。目に入る全てが現世とはまるで雰囲気が違い、とても新鮮だった。


果南 「ここがインベイ地区の街。すごく賑やかでしょ? ここらじゃ特に活気のある街なんだ」

ルビィ 「すごい……。人が沢山!」

果南 「さて、宝玉探しだよね。それなら、あの中央の建物に行こうか」

ルビィ 「あそこってなんなんですか?」

果南 「あそこはこの地区の“ハイランダー”の本部だよ」

ルビィ 「ハイランダー?」
0130名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:52:26.20ID:5JiaegW4
果南 「罪人を捕まえたり、裁いたりする人達って言えばいいかな。こういう小さな街だと、政治もハイランダーに一任されてることもあるんだ」

ルビィ 「なるほど! じゃあそこに行けば、いろんな情報が入るかもですね」

果南 「この地区ではそれなりに私の名前も知られてるから、すぐ上の人にも会えると思うよ」

ルビィ 「果南ちゃん、そんなに凄い人だったんだ……」

果南 「むー……私そんな弱そうに見えた?」

ルビィ 「いやっ、そういう訳じゃ!」

果南 「冗談。さ、行こ?」

ーーーーーー
ーーーー
ーー
0131名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:52:44.83ID:5JiaegW4
ルビィ 「鞠莉ちゃん!?」

鞠莉 「……ねぇ果南。この子、地区隊長をいきなり“ちゃん”付けで呼ぶって、どういうこと?」

果南 「もしかして、鞠莉とも向こうの世界で知り合いだったの?」

鞠莉 「向こうの世界ってことは……Wow! もしかして旅人さん!?」

ルビィ 「は、はい! 黒澤ルビィです! 見習い冒険者で……」

鞠莉 「すっごいじゃない果南! 旅人を見つけてくるなんて」

果南 「偶然だよ。それで鞠莉、相談なんだけど」
0132名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:53:18.44ID:5JiaegW4
鞠莉 「旅人さんを連れてきたってことは、宝玉のことでしょ? でもごめんね、この辺りでは宝玉の話、最近聞かないの」

果南 「そっか……残念」

鞠莉 「まぁきっと、旅をしていればその内見つかるわよ。果南がルビィの面倒、しばらく見るんでしょ?」

果南 「まぁ、そのつもりだったけど」

鞠莉 「じゃあ果南、宝玉探しついでに、ルビィのこと鍛えてあげなさい。その体じゃ、最下級のモンスターにも手を焼いちゃうわよ」

果南 「そうだね。じゃあルビィ、しばらくは宝玉探しより、体作りを優先して……」


ルビィ 「だ、駄目ですっ!!」
0133名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:53:38.74ID:5JiaegW4
鞠莉 「ルビィ……?」

ルビィ 「ダメなんです……。お姉ちゃんは病気で、もう長くないんです。だから、急いで宝玉を見つけないと!」

果南 「それなら安心しなよ。この世界と現世では時の流れが違うんだ」

鞠莉 「そうそう。ルビィがこの世界にどれだけ滞在しても、現世では1秒も経過しないのよ」

ルビィ 「……来てるんです。お姉ちゃんが」

果南 「来てるって、まさかここに?」

鞠莉 「……それは大問題ね」
0134名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:54:27.23ID:5JiaegW4
果南 「あれ、でもお姉ちゃんが来てるなら、なんでルビィも来たのさ。お姉ちゃんが自分で願いを叶えれば、ルビィがわざわざ危険を犯す必要なんて」

ルビィ 「もう1ヶ月しか生きられないんです! そんな体で無茶してたら、願いを叶える前に……」

果南 「……鞠莉、願いを叶える前にこの世界で力尽きたら、どうなるんだっけ」

鞠莉 「その魂は、永遠に幻界を彷徨う。つまり、二度と現世には帰れない。行方不明のまま、永遠に見つからなくなる」

ルビィ 「そんな……っ!」
0135名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:54:57.96ID:5JiaegW4
鞠莉 「これはVery hardな問題だね。そういうことなら、一刻も早く宝玉を集めないと」

果南 「何か、いい手は無い?」

鞠莉 「そうねぇ……それなら、」


『緊急! 緊急!』


ルビィ 「ピィッ!? な、なにこれ!?」

鞠莉 「緊急警報……!? 一体どこで!?」


梨子 「隊長!」
0136名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:56:05.73ID:5JiaegW4
ルビィ 「えっ、梨子ちゃん!?」

梨子 「ん? どこかで会った? あぁ、それどころじゃない! 隊長、隣のマーシワ地区の街で、大規模な放火が!」

鞠莉 「放火……? って、まさか」

梨子 「恐らく、先日の山火事と、同一犯と見られます」

果南 「待って、なんの話……?」

鞠莉 「最近、各地で大規模な放火が相次いでるの。目撃者によると、一人の魔法使いが、強大な魔法で焼き払ってるって……」

果南 「山1つを焼き払うほどの魔力って、そんなの聞いたことないよ。一体誰が」
0137名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:56:31.53ID:5JiaegW4
梨子 「私たちも、まだ何一つ手掛かりが掴めていない状況です。あなた、たしか冒険者の果南さんですね? よろしければご一緒に……」

果南 「言われなくてもそうする。ルビィ、アンタはここで待ってて」

ルビィ 「そんな、ルビィも行くよ!」

果南 「危ないって! 願いを叶える前に、倒れでもしたらどうするつもりさ!」

ルビィ 「でもっ!」

鞠莉 「果南、大丈夫。いざという時はルビィのこと、私たちも全力で援護する。それにもしかしたら、宝玉の手掛かりもあるかもしれない」
0138名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:57:00.88ID:5JiaegW4
果南 「でもっ……もし何かあったら」

梨子 「あぁもう! 早く決めてくださいっ! そうこうしているうちに犯人が!」

果南 「っ! ルビィ、危なくなったら、私の馬車の中に隠れてるんだよ!」

ルビィ 「……! うんっ!」

鞠莉 「じゃあ行くわよ。インベイ地区隊、マーシワ地区に出動します!」

ーーーーーー
ーーーー
ーー
0139名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/07(水) 21:57:14.58ID:5JiaegW4
本日はここまで
0141名無しで叶える物語(庭)垢版2018/11/08(木) 07:00:36.07ID:52HvQYmD
おつほ
0142名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:00:44.56ID:zBDC4zPa
梨子 「……ひどい」

果南 「なにこれ、家ひとつ残ってないじゃんか……」


たどり着いたマーシワ地区は、形容し難いほどの惨状だった。燃え崩れた家々は、まるで薪のように炎を上げ、火の粉を弾き散らしていた。
そしてなによりも、この鼻につく異臭。


ルビィ 「なに、この臭い……うぇっ……」

梨子 「この臭い、恐らく」

鞠莉 「梨子! ……やめなさい。ルビィには、少し刺激が強すぎる」

果南 「こんな幼い子まで……っ! 最っ低」
0143名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:01:42.94ID:zBDC4zPa
梨子 「でも、どうしてこの街を? 山のこともですが、何か目的が?」

鞠莉 「分からない。こんなことしてもメリットがあるとは思えないけど。愉快犯にしては、規模が大きすぎる」


ルビィ 「……ん?」

?? 「っ!!」ササッ!

梨子 「どうしたの? ルビィちゃん」

ルビィ 「今、そこに誰かいたような……」


グルルルルル……


ルビィ 「ひっ……!? な、なんの声?」

果南 「ッ!! ルビィ、上だっ!!」


果南ちゃんが私の体を突き飛ばす。
するとさっきまで私がいた場所に、1匹のモンスターが上から飛び掛ってきた。
0144名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:02:13.44ID:zBDC4zPa
鞠莉 「あれは……ジャコウビースト!」

果南 「死体に群がるハイエナ野郎か。なるほど、アイツにとって今ここはバイキング状態ってわけか」

梨子 「1匹だけじゃありません! 周りにもうじゃうじゃと!」

果南 「ルビィ! 私の馬車の中に逃げて!」

ルビィ 「そんな、ルビィも戦うよ!」

鞠莉 「この数相手じゃ、さすがに守りきれる保証はない! 今は言う通りにしなさい!」

ルビィ 「鞠莉ちゃん……」

梨子 「ほら、早く! 私の手を握って」
0145名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:02:53.70ID:zBDC4zPa
梨子ちゃんに手を引かれ、私は馬車の中へと放り込まれる。


梨子 「しばらくここで大人しくしてて。いい子だから、ね?」


腰からレイピアを抜き、梨子ちゃんはジャコウビーストの群れへと向かう。
果南ちゃんは剣を、鞠莉ちゃんはムチのような武器を使ってバタバタと敵をなぎ倒す。


ルビィ 「3人とも、すごい……!」


『……ずっと隠れてるつもり? ルビィ』
0146名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:03:36.71ID:zBDC4zPa
ルビィ 「っ! その声、お試しの洞窟の時の!」

『ガッカリするわ。やっと本格的に冒険が始まったと思ったら、戦いもせずただ眺めてるだけなんて』

ルビィ 「だって、ここで待ってろって!」

『言われたからって、本当にそうしているつもり? はぁ、まぁいいわ。どうせすぐにそこから出ることになるし』

ルビィ 「えっ、それってどういう」


グガァォァォァァァァォァァ!!!
0147名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:04:05.59ID:zBDC4zPa
鞠莉 「何……あれ。あんな巨大なジャコウビースト、見たことない!」

梨子 「あの群れの主でしょう。隊長、きますよ」

果南 「ルビィにかっこ悪いとこは見せられないもんね! たぁぁっ!!」


『……あの3人と言えど、アレ相手じゃ苦戦は必至ね。1人くらいやられてもおかしくないかも』

ルビィ 「そんな!! でも、どうしたら……!」

『あなたは旅人でしょ? 導師様からもらったその宝玉は、なんの為にあるの?』
0148名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:04:46.10ID:zBDC4zPa
ルビィ 「宝玉……これ?」


剣の柄に埋め込まれた赤い宝玉に手をかざすと、突如、その宝玉が眩く光り出した。


ルビィ 「うわぁっ!?」

『旅人は、手に入れた宝玉に従ってスキルを得る。ルビィのスキルは……説明するより、使ってみた方が早いかもね』

ルビィ 「えぇ!? どんなスキルなのか教えてよ!」

『いいから。さぁ、あの敵めがけて走りなさい』
0149名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:05:29.68ID:zBDC4zPa
ルビィ 「うぅ……やるしか、無いんだよね」


剣を力強く握りしめると、宝玉の輝きが一層強くなった。そして私の体は、自然と巨大な敵へと動き出した。


果南 「なに、あの光?」

鞠莉 「聞いたことある。旅人は手にした宝玉によって、強力なスキルを身につけられるって!」

梨子 「まさかルビィちゃんが!?」


ルビィ 「やぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
0150名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:05:54.54ID:zBDC4zPa
ルビィ 「てぇぇぇいっ!!!」グサッ!!

梨子 「……! やった、腹部に命中した!」

鞠莉 「でも駄目! 傷が浅すぎる!」

果南 「待って!? あれ見て!」

鞠莉 「何あれ……剣が、回転してる?」


敵の腹部に刺さった剣先が、グルグルと回転しだす。敵はクルクルと回り、傷がどんどん広がっていった末に、木端微塵に消し飛んだ。


グルウォォォァァァァゥォァァ!!?


果南 「す、すごい……!」
0151名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:06:45.23ID:zBDC4zPa
消し飛んだジャコウビーストは、緑色に輝く光を残した。その光は次第に一箇所に集まり、やがて形となった。


梨子 「隊長、あれ!」

鞠莉 「緑の宝玉! Congratulations!!」

ルビィ 「はぁっ、はぁっ! やった、2つ目の宝玉!」

果南 「すごいじゃんかルビィ。私たちが苦戦した相手をあんな一瞬で」

ルビィ 「えへへ、あの声のお陰かな……。あっ、そういえば!」クルッ


?? 「……っ!!」ギクッ!


ルビィ 「やっぱりいた! さっきから誰かいるような気がしてたんだ」
0152名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:07:14.84ID:zBDC4zPa
振り向くと、物陰からこちらを覗いている人物が目に入った。
その人物は恐る恐る、私たちの前に姿を現した。


花丸 「…………。」

ルビィ 「えっ、花丸ちゃん!?」

花丸 「ひっ……! なんで、私の名前を?」

鞠莉 「あの娘も向こうの世界での知り合い? 私たちといい、偶然にしては出来すぎね」

花丸 「さっきの宝玉……もしかして、旅人?」

ルビィ 「は、はい! 願いを叶えるために、宝玉を探していて……」


花丸 「ッ!! 旅人……ッ!!」
0153名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:07:58.57ID:zBDC4zPa
突然息を荒らげ始めた花丸ちゃんは、懐から何かを取り出し、こちらへ向かってきた。


果南 「それ、ナイフ!? どうして!」

花丸 「うるさいっ!! お前らの……旅人のせいでみんながぁぁっ!!!」

鞠莉 「っ! やめなさい!」シュン!

花丸 「なっ!? む、ムチ……? 体を縛るのにも使えるなんてっ! 離して、離してぇ!!」

梨子 「なんでルビィちゃんを襲おうとしたですか? あなたに何も危害は加えてませんよ」

花丸 「……私、見たんです。この街を焼き払った魔法使い……! いや、魔女を!!」
0154名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:08:32.19ID:zBDC4zPa
花丸 「あの魔女は、突然私たちの前に現れました。そしてこう聞いてきたんです」


『宝玉を出せ。私には時間が無い』


花丸 「宝玉の在り処なんて知りませんでした。だから、正直に知らないって言ったんです! そしたら……!」

鞠莉 「この街を、焼き払った?」

花丸 「確かに見たんです。あの魔女が持っていた杖に埋め込まれた、3つの宝玉」


花丸 「あれは……旅人でした」
0155名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:09:26.61ID:zBDC4zPa
梨子 「まさか……ここ最近の放火事件の犯人は、旅人?」

花丸 「フードをかぶっていたので顔はよく見えませんでしたが、あの瞳だけは……!」

花丸 「あの忌々しい、青緑色の瞳だけは、絶対に忘れないっ!!」

ルビィ 「……っ!?」


鞠莉 「……ルビィ」

ルビィ 「違いますっ!! お姉ちゃんは、絶対そんなことしません!!」
0156名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:09:48.24ID:zBDC4zPa
果南 「鞠莉、やめなよ。ルビィ達のほかに旅人が来てる可能性だってあるでしょ」

鞠莉 「……それもそうだけど。“時間が無い”って発言も、ルビィのお姉さんの状況に」

果南 「だからやめなよっ!!!」

ルビィ 「お姉ちゃん……嘘だよ。絶対、何かの間違いだよ」

梨子 「ルビィちゃん、あなたが疑っちゃったらダメだよ! 大丈夫。私も、あなたのお姉ちゃんがそんなことするなんて信じてない」

ルビィ 「……そうだよね。お姉ちゃんがそんなことするはずない。お姉ちゃんは、すごく優しいもん」
0157名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:10:22.38ID:zBDC4zPa
花丸 「……あの、ごめんなさい」

ルビィ 「ううん、そんなことがあったなら、気が動転しても仕方ないよ」

花丸 「……来て欲しい場所があるんです。着いてきてくれますか?」

鞠莉 「えぇ。拘束も解いてあげる」シュルル

花丸 「ありがとうございます、こっちです」
0158名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:11:00.29ID:zBDC4zPa
梨子 「これって、教会?」

花丸 「周りは見ての通り、全部焼けちゃいました。でもこの教会だけは、崩れずに残ったんです」

ルビィ 「……この銅像って」

果南 「運命の、女神様」

花丸 「……私達にとって、旅人さんは幸運の象徴でした。なのに今回、こんなことになって」

花丸 「死んでいった仲間たちは、どんな気持ちだったんでしょう。幸運の象徴であったはずの旅人に、街や、仲間を焼き払われて」

ルビィ 「あの……」

花丸 「ごめんなさい、あなたを責めてるわけじゃないんです」
0159名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:12:02.41ID:zBDC4zPa
花丸 「えっと、ルビィ……さん?」

ルビィ 「ルビィちゃん、って呼んでよ」

花丸 「……ルビィちゃん、あなたは、私たちの幸運の象徴になってくれる?」

ルビィ 「……必ず見つけるよ。こんなことをした犯人」

果南 「ルビィ、でも……」

ルビィ 「違うよ、果南ちゃん。お姉ちゃんは絶対に犯人じゃない」
0160名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:12:38.26ID:zBDC4zPa
ルビィ 「本当の犯人は絶対に私が見つける。だから安心して」

花丸 「うんっ……!」

鞠莉 「あなた、これからどうする? 望むのなら、インベイ地区に住居を用意するけど」

花丸 「いえ、私はここに残ります。この教会があれば、しばらくは大丈夫です」

梨子 「そういうことでしたら。ですが定期的に様子は見に来ます」

花丸 「はい、よろしくお願いします」


鞠莉 「……戻りましょう」
0161名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:13:05.46ID:zBDC4zPa
花丸 「……あ、あのっ!」

ルビィ 「どうしたの?」


花丸 「……あなた方に、女神様の御加護があらんことを」


力なく笑った花丸ちゃんは、静かに涙を流していた。街が、仲間がこんなことになっても尚、他人を思いやるその優しさは、現世の花丸ちゃんそのものだった。


ルビィ 「ありがとう。花丸ちゃんも、気をつけてね」

花丸 「うんっ……!」


梨子 「馬車出すわよ。急いで」

ルビィ 「はい! じゃあね、花丸ちゃん!」
0162名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:13:46.68ID:zBDC4zPa
ルビィ 「…………。」


『違うよ、果南ちゃん。お姉ちゃんは、絶対に犯人じゃない』


確かに自分が発した言葉。
だけど、その旅人の『時間が無い』という発言。青緑色の瞳。
考えたくもない、考えてはいけない疑惑が、帰りの馬車の中で、ずっと頭の中をぐるぐると回っていた。

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0163名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/08(木) 23:15:06.30ID:zBDC4zPa
本日はここまで
0165名無しで叶える物語(庭)垢版2018/11/09(金) 07:04:43.26ID:N5VPeuIB
0168名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/10(土) 23:17:06.30ID:yNnoEovE
0170名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/12(月) 21:58:07.84ID:szf9OmqN
0171名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/13(火) 08:32:36.67ID:T9KjOdRi
0172名無しで叶える物語(なっとう)垢版2018/11/13(火) 22:04:52.90ID:j83LqP/P
ほ?
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