穂乃果「アンデッドハント、ファイトだよ!」
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穂乃果「海未ちゃーん!そっち一体行ったよ!」
海未「分かっています。ことりは下がっていてください!」
ことり「うん、お願い!」
海未「―――シッ!」
「ぎみっ!?」
海未「穂乃果!止めを!」
穂乃果「狙いを定めて…いっけぇぇぇぇぇ!!」
「み゛ゅっ!!!!」 穂乃果「ふぃぃぃ……よーし、アンデッド討伐完了っ!」
海未「油断し過ぎです。聖地に帰るまでが討伐任務ですよ」
ことり「まぁまぁ、海未ちゃん。この辺りのアンデッドは兵士さん達が弱らせてくれてたんだし大丈夫だよ」
穂乃果「そうだよー。私達もう魔力使えるようになってもう結構経つんだよ?こんな任務だけじゃ兵士さん達に悪いよ」
海未「ことりは穂乃果に甘すぎます。いいですか、それは私達がまだまだ力を認められていないという証なんです。私達もこれから修行を…」
穂乃果「帰ったら何食べる?」
ことり「うーん…ことりはマカロンがいいかなぁ」
海未「ま、待ってください二人共ぉ〜!」 遥か未来
かつての文明の大半は失われ、アンデッドに地上を支配された暗黒の世紀
人々は残り僅かな聖地に居を構え、明日に怯えていた
これは世にも珍しい太陽の力を持つ少女、高坂穂乃果とその仲間の物語 【聖地、アキハバラ】
結界に囲まれた街、アキハバラへと少女たちは凱旋する。
結界の中に並大抵のアンデッドは侵入できず、人影は疎らながらもそこには確かに人々の営みがあった。
商店も所々に見られ、任務完了後の報酬で街をうろつくのが彼女たちの日課だ。
穂乃果「あーあ、もっと強いアンデッド任せてくれればいいのに。ことりちゃん今度理事長に言っておいてよ」
ことり「うんっ。今度言ってみるね」 海未「確かに毎度傷ついて帰ってくる兵士の方々を見るのは忍びないものがありますが…」
穂乃果「海未ちゃん、穂乃果たちが男の人より強くいられるのなんてあと何年持つか分からないんだよ?」
海未「分かっています。だからこそ、私達が倒れるわけにはいかないのです」
穂乃果「負けなければいいんだよ!そうすれば人が住めるところだってもっと広がって――――」
海未「簡単に言いますが……貴女、この国がどれくらいアンデッドに侵されているか分かっていますか?」
穂乃果「うーーーん……結構侵略されてるんだよねぇ。七割くらい?」
ことり「あはは…そのくらいで済んでたらいいなーなんて」 海未「ことり、教えてあげてください」
ことり「穂乃果ちゃん。ニッポンはね、およそ九割以上がアンデッドの支配下にあると言われてるの」
穂乃果「うへぇ…そんなに?」
海未「優れた兵士、私達のような魔力を使える少女達、そして稀代の英雄と言われる人物たちが戦い抜いてこれなのですよ」
穂乃果「それなら尚更だよ」
ことり「穂乃果ちゃん…」
穂乃果「こんな悲しい毎日は……終わらせないといけない」
海未「穂乃果…」 蒼い眼に曇天を映し、凛と見上げる。
すぅっと大きく胸を膨らませて深呼吸。
めいっぱい今の気持ちを空にぶつける!
穂乃果「雲よーーーーー!!晴れろーーーーーーーーーっ!!」 海未「う、嘘でしょう…」
ことり「わぁぁ…!お日様♪」
暗雲を切り裂いて出ずる一筋の光。
声など反響するはずもない空の下、その叫びは不思議と響き渡った。 【?????????????????????】
一筋の光すら入る余地のない完全な闇。
その中に闇よりなお濃い影が三つ。
三者一様、姿形こそ人のそれだがその肌からは生気が感じられず、闇に良く映える白で彩られている。
「あんもぅ……聖地の中なんて入るから髪が焼けこげちゃったじゃない。あのまま一気に暴れたら良かったのにぃ」 「何か」の山に腰をかけたセミロングにウェーブのかかった少女は唇を尖らせ、不機嫌そうにクルリクルリと毛先を遊ばせている。
そして手品のように髪は少女が触れたところからたちまちと元の艶髪へと輝きを取り戻す。
「うぅ…」と力を抜き取られた何かが最期の呻き声をあげる。
「はい、元通り♪」 「あのレベルの結界を強引に破ったんだ。いかに私達と言えど落とすのは少し手間だぞ」
ふぅ、と軽い溜息をつきながら割かし背の高い少女は「何か」で出来た壁にもたれかかり腕を組む。
言葉とは裏腹に口元は吊り上がり、表情からは余裕の色すら窺えるほどだ。
「あんじゅの気持ちも分かるけどね。私達に時間の束縛はないんだから気長に行きましょう?」
「何か」で構成された床に立つ、最も小柄な少女はセミロングの少女あんじゅに語り掛ける。
そう、彼女たちはアンデッド。人ならざる者。
そしてその最高位に位置する者たち。 あんじゅ「ツバサはのんき過ぎなのよ。私達の時間は永遠でも遊び相手は時間が経つだけで死んじゃうんだから。ねぇ、英玲奈?」
あんじゅは小柄な少女をツバサ、背の高い少女を英玲奈と呼んだ。
足をパタパタと動かすその様はまさに退屈を持て余している。
英玲奈「そう言うな。我々ばかり魔力を蓄え続けても仕方ないだろう」
ツバサ「そうそう、弱い子達にも人間の生気を吸わせて強くなってもらわないと」
あんじゅ「つまらないわぁ〜。ワンペアどころかブタよ」 ツバサ「ふふ、そこまでいうなら今度見に行きましょうか?」
英玲奈「珍しいな。ツバサが遊びに出たがるだなんて」
ツバサ「そうかもしれない。少し面白そうな気配を感じたものだから」
あんじゅ「ふーん。その子、今度私にも教えてね」
ツバサ「この先の戦いで彼女が生きていられたら自然と会うことになるでしょ」
英玲奈「それは胸が高鳴るな…!!」
ツバサ「生きていられればの話だけれど。とりあえず今回はこれで解散かしら」
英玲奈「異議なし」
あんじゅ「異議なーし」 ツバサ「それでは次が数週間後か数年後か……いつになるか分からないけどおやすみ、二人とも」
空間が崩れ始め、音を立てて空間を構成していた何かが呑まれ始める。
中にはかろうじて息がありうめき声をあげる者も。
人。ヒト、ひとヒト人ヒト………………………………
大量の人。
プツンと鳴る短い音と共に闇は閉じられた。
彼女たちは深淵へ。より深い闇へ。 【chapter.1 廃界の報せ】
聖地アキハバラの一角、オトノキ区
小さな菓子屋の娘、高坂穂乃果の朝は早い。
海未「穂乃果ぁー!貴女から修練を早めようと言ったんでしょう!?何分遅刻してるんですか!?」
ことり「海未ちゃん、まだ朝早いから大きな声は…」
海未「わ、私としたことが………すみません」
穂乃果「ごめ〜ん!すぐに出るよ!」
訂正。普段に比べれば格段に早い。 顔を洗い、歯磨きを済ませさっさと朝食に口に詰め込む。
勿論一日の始まりはパンだ。
このご時世に毎朝パンを食べられるのは実はいいとこのお嬢さんの証……という話は今は割愛。
身なりを簡単に整え、ほの髷を結う。
ブラッシングに手櫛でなく櫛を使うのはせめてもの乙女心。
顔を軽くはたき、鏡越しにキリリと眉をあげて見せれば準備完了!
ここまでおよそ十分! ことり「おはよう、穂乃果ちゃん♪」
海未「おはようございます、穂乃果」
穂乃果「おはよう!二人ともお待たせ、修練いっくぞ〜!!」
【オトノキサカ学園・修練場】
今の文明では使われていない太古の文字で「体育館」と表記された場所には、朝特有のピンと張りつめた空気に精気滾る兵士たちの怒号。
空気を読んでか読まないでか、彼女たちは訪れた。
穂乃果「おはようございま〜す!」
海未「おはようございます」
ことり「おはようございますっ♪」 「お、今日は海未ちゃんだけじゃなく穂乃果ちゃんもいるのかい?」
「穂乃果ちゃんって言うと…高坂さんとこの?綺麗になったねぇ〜!」
「理事長さんの娘さんまで。これは修練場が華やかになるなぁ」
穂乃果「いやぁ〜それほどでもぉ」
海未「皆さん、あまりおだてると調子に乗りますので控えてください」
「怖い怖い。さ、俺達も修練と行きますか…」
ことり「怪我をされた方は申し出てくださいね。ことりの修行も兼ねてヒーリングしちゃいます♪」
おぉぉぉぉぉっ!!と野太い声を皮切りに朝の修練は再開される。 穂乃果はオーソドックスな西洋のロングソードを、海未は上品な拵えの日本刀を手に向かい合う。
ことり「それでは…はじめっ♪」
穂乃果「とぉぉぉぉぉっ!!」
海未「すぅぅぅぅぅぅっ……ハッ!!!」
穂乃果「あでっ」
振りかぶって大きく縦に一閃!
決まれば文句なしのクリーンヒットだが、如何せんおお振り過ぎた為か軽くいなされ鞘で頭を小突かれる。
ことり「はい、一本♪」 海未「あのねぇ…いくら何でも大振りすぎでしょう」
穂乃果「アンデッドなら当たるもん」
海未「素早いアンデッドだって確認されていますし、そもそも人型ばかりではないんです。可能な限り隙は見せないのが定石です」
穂乃果「だって穂乃果銃剣士だよ!?その隙を補うための銃なのに練習だと使えないんだもん!」
海未「魔力込めた弾丸なんて放たれてたまりますか!それに私だって弓は持っていないんですから条件はイーブンです」
穂乃果「ケチ〜!」
海未「せめて私から一本とれないようでは、魔力が使えたところで兵士の方々の先陣を切って出ることなどできませんよ?」
穂乃果「むっ。こうなったら一本取るぞぉ!とりゃー!」
ことり「うんうん、二人とも頑張ってー!」
結局、理事長に呼び出されるまでの数時間、穂乃果は一本も取ることが出来ず修練を終えた。 【オトノキサカ学園・理事長室】
品のあるアッシュグレーの髪にすらりと伸びた長い脚、凡そ経産婦には見えない妙齢の女性、通称「理事長」は静かに三人を待ち受けた。
聖地アキハバラの管理を任されている最高責任者なのだが、謎多き美女であり様々なうわさが今日もなお飛び交っている。
老けないのは実はアンデッドであるだとか眉唾ものが大半ではあるのだが、中には妙な説得力を持たせるものもあり…
その全ては娘であることりにも計り知れない…とかなんとか。
ことり「どうしたのお母さん?」
理事長「ことり、ここでは理事長と呼びなさいって言ってるでしょう?」
ことり「ごめんなさい…」
海未「話を遮るようですが私達を呼び立てた理由とは何でしょうか」
理事長「えぇ、あなた達を呼び出したのは他でもありません。アンデッド討伐班を編成してもらう為です」 海未「幾らなんでも急すぎます!!私達が戦場に出るようになってまだ一月です!」
穂乃果「……何か悪い事でもあったんですか?」
それまでどこかおどけた雰囲気を醸し出していた穂乃果が表情を変え切り出す。
智謀に長けたタイプの人間ではないが、本質的な物事の理解は早い方だ。
NOであってほしいという願いも込められつつ、その瞳には確信の色を滲ませている。
きっと悪い事があったのだろう、と。
そしてそれは外れていなかった。 理事長「その通り。事態は急を要します。残念だけど、貴女達をゆっくりと育てる時間はアキハバラに残されていないみたい」
一通の真黒な封筒に綴じられた、これまた黒い便箋が一通。
封筒には鮮血を思わせる真っ赤な文字で「廃界」とだけ。
魔力がない者にも感じられる程の禍々しさを放ち、魔力に目覚めた3人であれば殊更それを強く感じられる。
ことり「このお手紙…やだ」
海未「理事長、これは……」
理事長「『廃界』の通達です」 >>32
>ほ
リ´・-・) あーもっぺん穂乃果の時代こねえかなぁ ほの18
http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1536374997/
216 名前:名無しで叶える物語(たこやき)(ワッチョイ 27f7-zmX4) :2018/09/08(土) 18:25:49.11 ID:Ut5ZcKC/0
特に問題がなければほのうしに適当な名前付けてLINEスタンプで出そうと思ってる >>32
>ほ
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>ほ
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特に問題がなければほのうしに適当な名前付けてLINEスタンプで出そうと思ってる >>32
>ほ
リ´・-・) あーもっぺん穂乃果の時代こねえかなぁ ほの18
http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1536374997/
216 名前:名無しで叶える物語(たこやき)(ワッチョイ 27f7-zmX4) :2018/09/08(土) 18:25:49.11 ID:Ut5ZcKC/0
特に問題がなければほのうしに適当な名前付けてLINEスタンプで出そうと思ってる >>32
>ほ
リ´・-・) あーもっぺん穂乃果の時代こねえかなぁ ほの18
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特に問題がなければほのうしに適当な名前付けてLINEスタンプで出そうと思ってる >>38
>日付変わった辺りからまた投下してく
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特に問題がなければほのうしに適当な名前付けてLINEスタンプで出そうと思ってる >>38
>日付変わった辺りからまた投下してく
リ´・-・) あーもっぺん穂乃果の時代こねえかなぁ ほの18
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特に問題がなければほのうしに適当な名前付けてLINEスタンプで出そうと思ってる リ´・-・) あーもっぺん穂乃果の時代こねえかなぁ ほの18
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216 名前:名無しで叶える物語(たこやき)(ワッチョイ 27f7-zmX4) :2018/09/08(土) 18:25:49.11 ID:Ut5ZcKC/0
特に問題がなければほのうしに適当な名前付けてLINEスタンプで出そうと思ってる 穂乃果「廃界?」
廃界とは拠点を制圧する際に用いられる彼らの言葉である。
雲が立ち込めているとはいえ日中の行動が鈍くなるアンデッド達は集落の数キロから数百メートル地点を中心に拠点を構え始める。
上級アンデッドを中心に複数の拠点が構えられ、彼らの準備が整い次第たちまち集落は市の街と化す。
理事長「通例として特級に値するアンデッドが差し出しすモノよ。強固な結界に守られたアキハバラも例外ではなかったようね…そして、この通告を受けて堕ちなかった拠点や集落は……ありません」
ことり「そんなぁ!私達、今まで頑張って生きてきたのに…」
海未「何か防ぐ手段はないのですか!?」 理事長「無論、こちらも黙ってはいません。その為の討伐班編成です」
穂乃果「私達は何をすればいいんですか?」
理事長「話が早くて助かるわ。貴女達にはこの近くにあるアンデッドの拠点を叩いてもらいます。」
ことり「アキハバラの周辺にはまだ大きな拠点は構えられてなかったはずだよね…」
理事長「敵の準備が整いきらない今のうちに、ということね。拠点攻略の中では難易度が低い部類にはなるわ」
海未「私達に出来るでしょうか……」
ことり「理事長!どうしても私達じゃないといけないんですか?」
理事長「どうしてもというのであれば別の班を編成しますが……覚えていて。我々が明日を勝ち取る方法はただ一つ、勝って生き残ることだけなのよ」 実の娘を死地に送り出したい親が何処へ居ようか。
眉間には深く皺が寄せられ、組んだその手は微かに震えすらしている。
その震えた手を両の掌で包み込むように穂乃果が覆う。
穂乃果「やろう。海未ちゃん、ことりちゃん」
海未「しかし…」
ことり「怖いな…」
穂乃果「このチカラだっていつ消えちゃうか分からない。なら、今を一生懸命生きないときっと嘘だよ」 海未「全く、貴女には昔っから振り回されっぱなしです………やりましょう、私も明日が欲しい」
ことり「そうだね。穂乃果ちゃんが居てくれるならことり、頑張れそう」
理事長「当然上級アンデッド「数字持ち」との交戦も考えられますが、貴女達にも名うての剣士を同行させます。貴女方で有能な人材を見繕っていただいても結構」
以上、との言葉で解散令を受け、理事長室を後にする。
班を組む剣士は聖地内ではよく知られた人物ではあるが、改めて軽く挨拶に向かい街に繰り出す。
作戦の決行まで残り一週間。 穂乃果「わ〜〜ん!どうしよ海未ちゃ〜〜〜ん!!」
海未「私に言わないでください!だから私は修練に時間を費やすべきだといったでしょう!」
ことり「うーん……ミカちゃん達が来てくれればよかったんだけど…」
穂乃果「そうだよ!穂乃果あの3人が来てくれると思って理事長にもやりますって言いきったのに」
海未「仕方ないでしょう。別任務なのですから……それよりこれからどうするかです」
ことり「兵士さんに声をかけてみる?もう班に入ってる強い剣士さんみたいな人は難しいかもしれないけど」 海未「それは私も考えましたが、それだと構成が前衛に寄りすぎる気もしますね」
穂乃果「弓兵さんとか銃兵さんは?全然見ないけど」
海未「あのねぇ穂乃果。授業で習ったこと聞いていましたか?」
穂乃果「聞いてたもん!忘れちゃっただけだよ!」
海未「威張ることですか!」
穂乃果「うわ〜ん!海未ちゃんがイジメるよー」
ことり「よしよし♪あのね穂乃果ちゃん、兵士さんに遠距離攻撃を専門とする人が少ないのには理由があるの」 ごく一部の例外を除き男性は魔力を持たない。
そしてアンデッドへ絶命の一撃を叩きこむには魔力が必要不可欠である。
点の攻撃である銃や弓での攻撃は効果が薄く、時間稼ぎという意味ですら有効だとはなり難い。
刀剣による薙ぎ払いや切り落としであれば、絶命に至らしめることは及ばずとも、長時間アンデッドの無力化が可能であり貴重な魔力保有者である穂乃果達のような少女への負担を軽減させることができる。
消耗品としてア祈りを込めた弾丸や破魔の弓の携行を許可されている兵士もいるが、いずれも貴重品であり緊急時や重要任務に用いられるものであって一般の兵士がおいそれと使えるものではない。
このことから、兵士の道を選んだ男性の大半は過酷な前線での戦闘を強いられることとなる。
全ては明日を掴むため。
ことり「以上、ことり先生の復習授業でした〜♪」
穂乃果「うわぁ…穂乃果女で良かったかも」 海未「貴女前に出たがるでしょう、一緒じゃないですか」
穂乃果「そうだけどほら、穂乃果は下がろうと思えば銃で攻撃すればいいし」
海未「まぁそうですが……だからこそ、彼らの働きを無駄にしないためにも私達は確実にアンデッドを倒さなければなりませんね」
ことり「それでどうしよっか。やっぱり魔力を持った女の子がいいんだよね?」
海未「私としては防御魔法に富んだ大地の属性、もしくは強力な範囲攻撃を可能とする炎の属性を持った方が居れば嬉しいのですが」
穂乃果「じゃあそれで!!」 海未「そんな簡単でいいのですか?」
穂乃果「大丈夫だよ。海未ちゃんのこと信じて間違ったことないから」
海未「穂乃果……」
ことり「うんうん♪じゃあ出発だね、ことり可愛い女の子がいいなぁ〜♪」 【聖地外・近郊の町】
3人は装備を整え聖地の外へと繰り出した。
聖地と違い結界こそ張られていないが、昼間ということもあってかアンデッドも殆ど見られない。
近郊では兵士によるアンデッド狩りが頻繁に行われ為、聖地ほどではないにせよ比較的安定した暮らしが望めるのだ。
とは言えここは聖地の外、建造物や人々の暮らしは聖地に住む者よりも水準が低くお世辞にも治安がいいとも言い難い。
ひび割れた石造りの家、旧時代の建造物をそのまま使用したモノ、整地されていない道を風が吹きすさぶ中進んでいく。 海未「またどうして聖地の外へ?」
穂乃果「うーん……勘?」
ことり「聖地よりは人も多いし間違ってはいないと思うんだけど」
海未「……見られてますね」
ことり「聖地暮らしってだけで目の敵にする人もいるからね」 人々の恨めし気な視線が三人に突き刺さる。
聖地という恵まれた土地で暮らすには家柄や寄付金の多寡、戦力としての価値に叡智などが求められる。
兵士の派遣や配給などもあり決して無碍にされているわけではないのだが、恵まれたものを妬むのもまた人の性。
どうにも三人は歓迎されていないらしく、心から余裕をなくした人の中には罵詈雑言を浴びせるものまでいた。
「帰れよ!」
「こんなところにお嬢さん方が何の用なんだ!?」
「アンデッドだけで十分だ!惨めな気持ちにさせないでくれ!」 海未「―――――ッ!」
ことり「穂乃果ちゃん……」
海未「やはりここは引き返した方が」
穂乃果「皆さん、聞いてください!私達はアンデッドを討伐する仲間を探しにこの街へやってきました。そして、約束します!聖地に…この街にもきっと太陽を取り戻してみせます!だからもう少しの間…待っててください」
ザワザワと喧騒こそ止まないが、少女の力ある声に面と向かって異を唱えるものなどそこにはいなかった。
ことり「それでこそ穂乃果ちゃんだね」
海未「行きましょう。どちらにせよこの場には戦いに向いた人はいないようです」
穂乃果「そうだね、場所を変えよう」 三人は再び歩を進める。
小一時間も歩くと建物も少なくなり、露店がチラホラと見受けられる程度であからさまに人の気配がなくなっていく。
これより先に進もうものなら、いよいよアンデッドの支配する闇の大地だ。
穂乃果「ていうかさー!先の人達よく考えたら酷くない!?穂乃果達だって頑張ってアンデッド倒してるのにー!」
海未「今更ですか?」
ことり「でも、ことり達も聖地で育ててもらえなかったらあんな風になってたのかも」
海未「否定できませんね………人々が手を取り合わなければならない時に同族を憎まなければならないとは皮肉なものです」
穂乃果「怒ってもしょうがないかぁ。人もいないしどうしよう」
ことり「露店でも見て今日は帰る?」
海未「無駄遣いはいけませんよ」
「さぁ寄っていって見ていって!貴重な貴重な電気だよー!!」 ことり「あ、電気屋さんだ♪海未ちゃぁん寄って行っていーい?」
穂乃果「珍しいね電気屋さんだなんて!」
電気屋とはこの世界ではよく知られた商売である。
字面で判断すればごく一般的な家電量販店を想像するかもしれないがその実態は全くの別。
文字通り電気屋とは電気を売ることを生業とするものをさす。
雷の魔力を持つ女性がその魔力の続く限りその力を金銭に替える職業。
基本的には娯楽品、贅沢品である電化製品を持つ富裕層の人間が多く住まう聖地等で商いを行うのが一般的ではあるのだが、目の前の少女は少し別のようだ。 海未「電化製品なんて贅沢品ですよ!電気というのはいざという時の為に…」
ことり「海未ちゃん………おねがぁい」
穂乃果「寄ってこうよー。穂乃果の家もそろそろ電気切れそうなんだ」
海未「ぐっ、二対一とは卑怯ですよ……はぁ、しょうがないですね」
ことり「やったぁ♪」 穂乃果「こんにちは、あなた雷の魔力を持ってるの?」
「うん。凛の魔力は雷!こうして電気を売って生活してるんだ………って言っても今日はボウズなんだけどね」
海未「それはそうでしょう。言っては何ですがここはアンデッドもそれなりに出ます。魔力を持った貴女は大丈夫かもしれませんが危険を冒してまで買いに来る人は少ないでしょう」
凛と名乗った少女は困ったように笑いながら軽く首をかしげて見せる。
凛「そうなんだ。でも、凛には大事な友達が居るから…此処からは離れられない」
穂乃果「凛ちゃん!よかったら私達と一緒にアンデッドと闘ってくれない!?」
海未「あなた人の話を聞いていましたか?」
ことり「でも海未ちゃん、凛ちゃんとっても可愛いよ?」
海未「編成に可愛さは関係ありません。可憐な容姿はしていますが」
凛「え、えーっと…あはは。凛には無理だよ、ここを動けないし」 穂乃果「そのお友達はどこにいるの?」
凛「この近くの農場だよ?かよちんって言ってとっても可愛い女の子なんだにゃ!」
海未「かよちん…というのはニックネームか何かですか」
凛「うん。名前は花陽っていうんだ」
ことり「へぇ〜ことり気になります♪」
穂乃果「よーし、その花陽ちゃんに会いに行こう!」
凛「かよちんに会いに行くなら気を付けてね。この辺りアンデッド出るから」
穂乃果「大丈夫!私達アンデッドハンターだから。行くよ、海未ちゃんことりちゃん!」
ことり「は〜い」
穂乃果「また会いに来るよ。私は高坂穂乃果、貴女のお名前は?」
凛「私は星空凛、また会いに来てね」
ことり「またね〜♪」
凛「あ、電気買ってもらってない…」 とりあえずこの辺で
投下ばっかでロクに書いてないので書いてきます 0060 HG名無しさん 2015/07/30 06:32:55
夢枕獏の小説餓狼伝の、3流の偽物、漫画、板垣餓狼伝と、1流の偽物、ゲーム、餓狼伝説のキャラクターが戦った。
丹波文七vsテリー・ボガード。
あらゆる格闘技を覚えていてもテリーに勝てるはずがない。バーンナックルのような超攻撃を受け文七は敗北。
さらにはテリーにはパワーウェイブのような遠距離攻撃もあり、文七は手も足も出ない。
クライベイビーサクラvsアンディ・ボガード。
残像を作り出す斬影拳のスピードをサクラが見きれる訳がなかった。
幻影不知火で蹴られてサクラは気絶した。
グレート巽vsジョー・ヒガシ。
ハリケーンアッパーの竜巻に巻き込まれ絶体絶命の巽。
史上最強の爆裂ストレートを叩き込まれ、ジョーの激烈完勝。
松尾象山vsギース・ハワード。自慢の空手正拳突きもギースに簡単に防御され、真空投げ、巴投げ等で投げられ、虎殺掌やレイジングデッドエンドを打ち込まれギースの完全圧勝。
これらの裁きは原作餓狼伝、しいては夢枕獏がいるからこそ板垣餓狼伝及び餓狼伝説が成り立っており、餓狼伝説はともかく、
板垣派はそれに対する敬意が無いばかりか板垣が書いた時点で餓狼伝は板垣の物などと頭に乗り冒涜したことに対する鬼の裁きである。
板垣餓狼伝の面々は今回の件により餓狼伝説の面々に裁かれる次第となった訳である。
もちろんバキ世界の最強(嘲笑)の範馬勇次郎もボガード兄弟やギースに勝てないwwwwwwwww 電気屋の少女凛の元を去り穂乃果達は農場へと向かう。
いよいよ建物はなくなり、あるのは広大な大地とアンデッドの群れだけだ。
穂乃果「あ、電気買うの忘れてた…」
ことり「ホントだ。ことりも買ってないよ、帰りにも居てくれるといいんだけど…」
海未「言い辛いんですが本来の目的を忘れてませんか?」
穂乃果「ううん、凛ちゃんは私達に必要な仲間になる……絶対に」
海未「星空凛……と言いましたね。何か引っかかる名前ですが」
ことり「その為に花陽ちゃん?を説得しに行くの?」
穂乃果「そう!なんだけど農場ってどこなんだろう……」 海未「近くとは言っていましたが瘴気が濃くなるばかりでそのようなものは見えませんね」
「ダ、ダレカタスケテーーーーーーー!!!」
絹を裂くような乙女の悲鳴、アンデッドの気配!!
穂乃果「行くよ、海未ちゃん!!ことりちゃん!!」 小泉花陽にとってこれは日常であった。
聖地を覆う結界が今より広かった頃から、代々農業を生業とする一族小泉。
結界の端で農業を営みながら彼女たちは細々と、それでいて人々に食の豊かさを提供することに誇りを持っていた。
十数年前に起きたアンデッド大侵攻の際、雷光の名を冠する女傑や英雄と呼ばれる男性ながらに魔力を持つ者の奮闘により、聖地はその侵攻を払うことに成功する。
しかし、代償は大きく雷光は倒れ聖地を覆う結界は縮小せざるを得なくなった。
闘いに貢献した小泉も聖地に住まうことを許可されたが、一族はこれを頑として拒否。
父はアンデッドとの戦いで、母は病、優しかった兄も花陽が魔力に目覚めるのを見届けると眠るように逝ってしまった。
以降小泉花陽は友と二人、身を寄せ合ってこの地を守り続けている。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています