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穂乃果「アンデッドハント、ファイトだよ!」
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0001名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 00:52:27.09ID:h9/MTg7S
穂乃果「海未ちゃーん!そっち一体行ったよ!」

海未「分かっています。ことりは下がっていてください!」

ことり「うん、お願い!」

海未「―――シッ!」

「ぎみっ!?」

海未「穂乃果!止めを!」

穂乃果「狙いを定めて…いっけぇぇぇぇぇ!!」

「み゛ゅっ!!!!」
0002名無しで叶える物語(やわらか銀行)垢版2018/11/04(日) 00:53:12.78ID:9C8zBSeE
エルカンターレ ファイトだよ!
0003名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 00:53:54.46ID:h9/MTg7S
穂乃果「ふぃぃぃ……よーし、アンデッド討伐完了っ!」

海未「油断し過ぎです。聖地に帰るまでが討伐任務ですよ」

ことり「まぁまぁ、海未ちゃん。この辺りのアンデッドは兵士さん達が弱らせてくれてたんだし大丈夫だよ」

穂乃果「そうだよー。私達もう魔力使えるようになってもう結構経つんだよ?こんな任務だけじゃ兵士さん達に悪いよ」

海未「ことりは穂乃果に甘すぎます。いいですか、それは私達がまだまだ力を認められていないという証なんです。私達もこれから修行を…」

穂乃果「帰ったら何食べる?」

ことり「うーん…ことりはマカロンがいいかなぁ」

海未「ま、待ってください二人共ぉ〜!」
0004名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 00:55:16.58ID:h9/MTg7S
遥か未来

かつての文明の大半は失われ、アンデッドに地上を支配された暗黒の世紀

人々は残り僅かな聖地に居を構え、明日に怯えていた

これは世にも珍しい太陽の力を持つ少女、高坂穂乃果とその仲間の物語
0006名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:01:18.85ID:h9/MTg7S
【聖地、アキハバラ】

結界に囲まれた街、アキハバラへと少女たちは凱旋する。

結界の中に並大抵のアンデッドは侵入できず、人影は疎らながらもそこには確かに人々の営みがあった。

商店も所々に見られ、任務完了後の報酬で街をうろつくのが彼女たちの日課だ。

穂乃果「あーあ、もっと強いアンデッド任せてくれればいいのに。ことりちゃん今度理事長に言っておいてよ」

ことり「うんっ。今度言ってみるね」
0007名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:03:03.14ID:h9/MTg7S
海未「確かに毎度傷ついて帰ってくる兵士の方々を見るのは忍びないものがありますが…」

穂乃果「海未ちゃん、穂乃果たちが男の人より強くいられるのなんてあと何年持つか分からないんだよ?」

海未「分かっています。だからこそ、私達が倒れるわけにはいかないのです」

穂乃果「負けなければいいんだよ!そうすれば人が住めるところだってもっと広がって――――」

海未「簡単に言いますが……貴女、この国がどれくらいアンデッドに侵されているか分かっていますか?」

穂乃果「うーーーん……結構侵略されてるんだよねぇ。七割くらい?」

ことり「あはは…そのくらいで済んでたらいいなーなんて」
0008名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:05:03.76ID:h9/MTg7S
海未「ことり、教えてあげてください」

ことり「穂乃果ちゃん。ニッポンはね、およそ九割以上がアンデッドの支配下にあると言われてるの」

穂乃果「うへぇ…そんなに?」

海未「優れた兵士、私達のような魔力を使える少女達、そして稀代の英雄と言われる人物たちが戦い抜いてこれなのですよ」

穂乃果「それなら尚更だよ」

ことり「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「こんな悲しい毎日は……終わらせないといけない」

海未「穂乃果…」
0009名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:07:43.04ID:h9/MTg7S
蒼い眼に曇天を映し、凛と見上げる。

すぅっと大きく胸を膨らませて深呼吸。

めいっぱい今の気持ちを空にぶつける!

穂乃果「雲よーーーーー!!晴れろーーーーーーーーーっ!!」
0010名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:11:22.10ID:h9/MTg7S
海未「う、嘘でしょう…」

ことり「わぁぁ…!お日様♪」

暗雲を切り裂いて出ずる一筋の光。

声など反響するはずもない空の下、その叫びは不思議と響き渡った。
0011名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:15:55.17ID:h9/MTg7S
【?????????????????????】

一筋の光すら入る余地のない完全な闇。

その中に闇よりなお濃い影が三つ。

三者一様、姿形こそ人のそれだがその肌からは生気が感じられず、闇に良く映える白で彩られている。

「あんもぅ……聖地の中なんて入るから髪が焼けこげちゃったじゃない。あのまま一気に暴れたら良かったのにぃ」
0012名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:17:50.41ID:h9/MTg7S
「何か」の山に腰をかけたセミロングにウェーブのかかった少女は唇を尖らせ、不機嫌そうにクルリクルリと毛先を遊ばせている。

そして手品のように髪は少女が触れたところからたちまちと元の艶髪へと輝きを取り戻す。

「うぅ…」と力を抜き取られた何かが最期の呻き声をあげる。

「はい、元通り♪」
0013名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:20:53.77ID:h9/MTg7S
「あのレベルの結界を強引に破ったんだ。いかに私達と言えど落とすのは少し手間だぞ」

ふぅ、と軽い溜息をつきながら割かし背の高い少女は「何か」で出来た壁にもたれかかり腕を組む。

言葉とは裏腹に口元は吊り上がり、表情からは余裕の色すら窺えるほどだ。

「あんじゅの気持ちも分かるけどね。私達に時間の束縛はないんだから気長に行きましょう?」

「何か」で構成された床に立つ、最も小柄な少女はセミロングの少女あんじゅに語り掛ける。

そう、彼女たちはアンデッド。人ならざる者。

そしてその最高位に位置する者たち。
0015名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:26:48.56ID:h9/MTg7S
あんじゅ「ツバサはのんき過ぎなのよ。私達の時間は永遠でも遊び相手は時間が経つだけで死んじゃうんだから。ねぇ、英玲奈?」

あんじゅは小柄な少女をツバサ、背の高い少女を英玲奈と呼んだ。

足をパタパタと動かすその様はまさに退屈を持て余している。

英玲奈「そう言うな。我々ばかり魔力を蓄え続けても仕方ないだろう」

ツバサ「そうそう、弱い子達にも人間の生気を吸わせて強くなってもらわないと」

あんじゅ「つまらないわぁ〜。ワンペアどころかブタよ」
0016名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:29:58.41ID:h9/MTg7S
ツバサ「ふふ、そこまでいうなら今度見に行きましょうか?」

英玲奈「珍しいな。ツバサが遊びに出たがるだなんて」

ツバサ「そうかもしれない。少し面白そうな気配を感じたものだから」

あんじゅ「ふーん。その子、今度私にも教えてね」

ツバサ「この先の戦いで彼女が生きていられたら自然と会うことになるでしょ」

英玲奈「それは胸が高鳴るな…!!」

ツバサ「生きていられればの話だけれど。とりあえず今回はこれで解散かしら」

英玲奈「異議なし」

あんじゅ「異議なーし」
0017名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:31:25.40ID:h9/MTg7S
ツバサ「それでは次が数週間後か数年後か……いつになるか分からないけどおやすみ、二人とも」

空間が崩れ始め、音を立てて空間を構成していた何かが呑まれ始める。

中にはかろうじて息がありうめき声をあげる者も。

人。ヒト、ひとヒト人ヒト………………………………

大量の人。

プツンと鳴る短い音と共に闇は閉じられた。

彼女たちは深淵へ。より深い闇へ。
0018名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:34:59.43ID:h9/MTg7S
【chapter.1 廃界の報せ】

聖地アキハバラの一角、オトノキ区

小さな菓子屋の娘、高坂穂乃果の朝は早い。

海未「穂乃果ぁー!貴女から修練を早めようと言ったんでしょう!?何分遅刻してるんですか!?」

ことり「海未ちゃん、まだ朝早いから大きな声は…」

海未「わ、私としたことが………すみません」

穂乃果「ごめ〜ん!すぐに出るよ!」

訂正。普段に比べれば格段に早い。
0019名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:36:58.49ID:h9/MTg7S
顔を洗い、歯磨きを済ませさっさと朝食に口に詰め込む。

勿論一日の始まりはパンだ。

このご時世に毎朝パンを食べられるのは実はいいとこのお嬢さんの証……という話は今は割愛。

身なりを簡単に整え、ほの髷を結う。

ブラッシングに手櫛でなく櫛を使うのはせめてもの乙女心。

顔を軽くはたき、鏡越しにキリリと眉をあげて見せれば準備完了!

ここまでおよそ十分!
0020名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:39:53.50ID:h9/MTg7S
ことり「おはよう、穂乃果ちゃん♪」

海未「おはようございます、穂乃果」

穂乃果「おはよう!二人ともお待たせ、修練いっくぞ〜!!」

【オトノキサカ学園・修練場】

今の文明では使われていない太古の文字で「体育館」と表記された場所には、朝特有のピンと張りつめた空気に精気滾る兵士たちの怒号。

空気を読んでか読まないでか、彼女たちは訪れた。

穂乃果「おはようございま〜す!」

海未「おはようございます」

ことり「おはようございますっ♪」
0021名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:41:31.46ID:h9/MTg7S
「お、今日は海未ちゃんだけじゃなく穂乃果ちゃんもいるのかい?」

「穂乃果ちゃんって言うと…高坂さんとこの?綺麗になったねぇ〜!」

「理事長さんの娘さんまで。これは修練場が華やかになるなぁ」

穂乃果「いやぁ〜それほどでもぉ」

海未「皆さん、あまりおだてると調子に乗りますので控えてください」

「怖い怖い。さ、俺達も修練と行きますか…」

ことり「怪我をされた方は申し出てくださいね。ことりの修行も兼ねてヒーリングしちゃいます♪」

おぉぉぉぉぉっ!!と野太い声を皮切りに朝の修練は再開される。
0022名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:43:37.14ID:h9/MTg7S
穂乃果はオーソドックスな西洋のロングソードを、海未は上品な拵えの日本刀を手に向かい合う。

ことり「それでは…はじめっ♪」

穂乃果「とぉぉぉぉぉっ!!」

海未「すぅぅぅぅぅぅっ……ハッ!!!」

穂乃果「あでっ」

振りかぶって大きく縦に一閃!

決まれば文句なしのクリーンヒットだが、如何せんおお振り過ぎた為か軽くいなされ鞘で頭を小突かれる。

ことり「はい、一本♪」
0023名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:48:00.01ID:h9/MTg7S
海未「あのねぇ…いくら何でも大振りすぎでしょう」

穂乃果「アンデッドなら当たるもん」

海未「素早いアンデッドだって確認されていますし、そもそも人型ばかりではないんです。可能な限り隙は見せないのが定石です」

穂乃果「だって穂乃果銃剣士だよ!?その隙を補うための銃なのに練習だと使えないんだもん!」

海未「魔力込めた弾丸なんて放たれてたまりますか!それに私だって弓は持っていないんですから条件はイーブンです」

穂乃果「ケチ〜!」

海未「せめて私から一本とれないようでは、魔力が使えたところで兵士の方々の先陣を切って出ることなどできませんよ?」

穂乃果「むっ。こうなったら一本取るぞぉ!とりゃー!」

ことり「うんうん、二人とも頑張ってー!」

結局、理事長に呼び出されるまでの数時間、穂乃果は一本も取ることが出来ず修練を終えた。
0024名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:51:29.80ID:h9/MTg7S
【オトノキサカ学園・理事長室】

品のあるアッシュグレーの髪にすらりと伸びた長い脚、凡そ経産婦には見えない妙齢の女性、通称「理事長」は静かに三人を待ち受けた。

聖地アキハバラの管理を任されている最高責任者なのだが、謎多き美女であり様々なうわさが今日もなお飛び交っている。

老けないのは実はアンデッドであるだとか眉唾ものが大半ではあるのだが、中には妙な説得力を持たせるものもあり…

その全ては娘であることりにも計り知れない…とかなんとか。

ことり「どうしたのお母さん?」

理事長「ことり、ここでは理事長と呼びなさいって言ってるでしょう?」

ことり「ごめんなさい…」

海未「話を遮るようですが私達を呼び立てた理由とは何でしょうか」

理事長「えぇ、あなた達を呼び出したのは他でもありません。アンデッド討伐班を編成してもらう為です」
0025名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:54:10.64ID:h9/MTg7S
海未「幾らなんでも急すぎます!!私達が戦場に出るようになってまだ一月です!」

穂乃果「……何か悪い事でもあったんですか?」

それまでどこかおどけた雰囲気を醸し出していた穂乃果が表情を変え切り出す。

智謀に長けたタイプの人間ではないが、本質的な物事の理解は早い方だ。

NOであってほしいという願いも込められつつ、その瞳には確信の色を滲ませている。

きっと悪い事があったのだろう、と。

そしてそれは外れていなかった。
0026名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/04(日) 01:57:50.42ID:h9/MTg7S
理事長「その通り。事態は急を要します。残念だけど、貴女達をゆっくりと育てる時間はアキハバラに残されていないみたい」

一通の真黒な封筒に綴じられた、これまた黒い便箋が一通。

封筒には鮮血を思わせる真っ赤な文字で「廃界」とだけ。

魔力がない者にも感じられる程の禍々しさを放ち、魔力に目覚めた3人であれば殊更それを強く感じられる。

ことり「このお手紙…やだ」

海未「理事長、これは……」

理事長「『廃界』の通達です」
0032名無しで叶える物語(笑)垢版2018/11/04(日) 17:04:30.08ID:qJxrzvwt
0039名無しで叶える物語(茸)垢版2018/11/04(日) 20:11:50.21ID:/UJ3ntTp
>>38
>日付変わった辺りからまた投下してく
リ´・-・) あーもっぺん穂乃果の時代こねえかなぁ ほの18
http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1536374997/

216 名前:名無しで叶える物語(たこやき)(ワッチョイ 27f7-zmX4) :2018/09/08(土) 18:25:49.11 ID:Ut5ZcKC/0
特に問題がなければほのうしに適当な名前付けてLINEスタンプで出そうと思ってる
0040名無しで叶える物語(茸)垢版2018/11/04(日) 20:12:03.57ID:Cpx8Rcz5
>>38
>日付変わった辺りからまた投下してく
リ´・-・) あーもっぺん穂乃果の時代こねえかなぁ ほの18
http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1536374997/

216 名前:名無しで叶える物語(たこやき)(ワッチョイ 27f7-zmX4) :2018/09/08(土) 18:25:49.11 ID:Ut5ZcKC/0
特に問題がなければほのうしに適当な名前付けてLINEスタンプで出そうと思ってる
0043名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/05(月) 00:32:04.87ID:1Ui84U9U
穂乃果「廃界?」

廃界とは拠点を制圧する際に用いられる彼らの言葉である。

雲が立ち込めているとはいえ日中の行動が鈍くなるアンデッド達は集落の数キロから数百メートル地点を中心に拠点を構え始める。

上級アンデッドを中心に複数の拠点が構えられ、彼らの準備が整い次第たちまち集落は市の街と化す。

理事長「通例として特級に値するアンデッドが差し出しすモノよ。強固な結界に守られたアキハバラも例外ではなかったようね…そして、この通告を受けて堕ちなかった拠点や集落は……ありません」

ことり「そんなぁ!私達、今まで頑張って生きてきたのに…」

海未「何か防ぐ手段はないのですか!?」
0044名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/05(月) 00:42:52.73ID:1Ui84U9U
理事長「無論、こちらも黙ってはいません。その為の討伐班編成です」

穂乃果「私達は何をすればいいんですか?」

理事長「話が早くて助かるわ。貴女達にはこの近くにあるアンデッドの拠点を叩いてもらいます。」

ことり「アキハバラの周辺にはまだ大きな拠点は構えられてなかったはずだよね…」

理事長「敵の準備が整いきらない今のうちに、ということね。拠点攻略の中では難易度が低い部類にはなるわ」

海未「私達に出来るでしょうか……」

ことり「理事長!どうしても私達じゃないといけないんですか?」

理事長「どうしてもというのであれば別の班を編成しますが……覚えていて。我々が明日を勝ち取る方法はただ一つ、勝って生き残ることだけなのよ」
0045名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/05(月) 00:53:28.21ID:1Ui84U9U
実の娘を死地に送り出したい親が何処へ居ようか。

眉間には深く皺が寄せられ、組んだその手は微かに震えすらしている。

その震えた手を両の掌で包み込むように穂乃果が覆う。

穂乃果「やろう。海未ちゃん、ことりちゃん」

海未「しかし…」

ことり「怖いな…」

穂乃果「このチカラだっていつ消えちゃうか分からない。なら、今を一生懸命生きないときっと嘘だよ」
0046名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/05(月) 01:03:58.63ID:1Ui84U9U
海未「全く、貴女には昔っから振り回されっぱなしです………やりましょう、私も明日が欲しい」

ことり「そうだね。穂乃果ちゃんが居てくれるならことり、頑張れそう」

理事長「当然上級アンデッド「数字持ち」との交戦も考えられますが、貴女達にも名うての剣士を同行させます。貴女方で有能な人材を見繕っていただいても結構」

以上、との言葉で解散令を受け、理事長室を後にする。

班を組む剣士は聖地内ではよく知られた人物ではあるが、改めて軽く挨拶に向かい街に繰り出す。

作戦の決行まで残り一週間。
0047名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/05(月) 01:33:14.90ID:1Ui84U9U
穂乃果「わ〜〜ん!どうしよ海未ちゃ〜〜〜ん!!」

海未「私に言わないでください!だから私は修練に時間を費やすべきだといったでしょう!」

ことり「うーん……ミカちゃん達が来てくれればよかったんだけど…」

穂乃果「そうだよ!穂乃果あの3人が来てくれると思って理事長にもやりますって言いきったのに」

海未「仕方ないでしょう。別任務なのですから……それよりこれからどうするかです」

ことり「兵士さんに声をかけてみる?もう班に入ってる強い剣士さんみたいな人は難しいかもしれないけど」
0048名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/05(月) 01:51:43.16ID:1Ui84U9U
海未「それは私も考えましたが、それだと構成が前衛に寄りすぎる気もしますね」

穂乃果「弓兵さんとか銃兵さんは?全然見ないけど」

海未「あのねぇ穂乃果。授業で習ったこと聞いていましたか?」

穂乃果「聞いてたもん!忘れちゃっただけだよ!」

海未「威張ることですか!」

穂乃果「うわ〜ん!海未ちゃんがイジメるよー」

ことり「よしよし♪あのね穂乃果ちゃん、兵士さんに遠距離攻撃を専門とする人が少ないのには理由があるの」
0049名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/05(月) 01:53:06.69ID:1Ui84U9U
ごく一部の例外を除き男性は魔力を持たない。

そしてアンデッドへ絶命の一撃を叩きこむには魔力が必要不可欠である。

点の攻撃である銃や弓での攻撃は効果が薄く、時間稼ぎという意味ですら有効だとはなり難い。

刀剣による薙ぎ払いや切り落としであれば、絶命に至らしめることは及ばずとも、長時間アンデッドの無力化が可能であり貴重な魔力保有者である穂乃果達のような少女への負担を軽減させることができる。

消耗品としてア祈りを込めた弾丸や破魔の弓の携行を許可されている兵士もいるが、いずれも貴重品であり緊急時や重要任務に用いられるものであって一般の兵士がおいそれと使えるものではない。

このことから、兵士の道を選んだ男性の大半は過酷な前線での戦闘を強いられることとなる。

全ては明日を掴むため。

ことり「以上、ことり先生の復習授業でした〜♪」

穂乃果「うわぁ…穂乃果女で良かったかも」
0051名無しで叶える物語(笑)垢版2018/11/05(月) 02:36:11.43ID:jBsIxnO4
おつ
おもしろいから飽きないことを期待してる
0052名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/05(月) 20:42:30.06ID:1Ui84U9U
日付変わった辺りからまた投下してく
0053名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/06(火) 01:01:18.10ID:z6KMRz3g
海未「貴女前に出たがるでしょう、一緒じゃないですか」

穂乃果「そうだけどほら、穂乃果は下がろうと思えば銃で攻撃すればいいし」

海未「まぁそうですが……だからこそ、彼らの働きを無駄にしないためにも私達は確実にアンデッドを倒さなければなりませんね」

ことり「それでどうしよっか。やっぱり魔力を持った女の子がいいんだよね?」

海未「私としては防御魔法に富んだ大地の属性、もしくは強力な範囲攻撃を可能とする炎の属性を持った方が居れば嬉しいのですが」

穂乃果「じゃあそれで!!」
0054名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/06(火) 01:04:46.49ID:z6KMRz3g
海未「そんな簡単でいいのですか?」

穂乃果「大丈夫だよ。海未ちゃんのこと信じて間違ったことないから」

海未「穂乃果……」

ことり「うんうん♪じゃあ出発だね、ことり可愛い女の子がいいなぁ〜♪」
0055名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/06(火) 01:10:15.19ID:z6KMRz3g
【聖地外・近郊の町】

3人は装備を整え聖地の外へと繰り出した。

聖地と違い結界こそ張られていないが、昼間ということもあってかアンデッドも殆ど見られない。

近郊では兵士によるアンデッド狩りが頻繁に行われ為、聖地ほどではないにせよ比較的安定した暮らしが望めるのだ。

とは言えここは聖地の外、建造物や人々の暮らしは聖地に住む者よりも水準が低くお世辞にも治安がいいとも言い難い。

ひび割れた石造りの家、旧時代の建造物をそのまま使用したモノ、整地されていない道を風が吹きすさぶ中進んでいく。
0056名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/06(火) 01:17:45.11ID:z6KMRz3g
海未「またどうして聖地の外へ?」

穂乃果「うーん……勘?」

ことり「聖地よりは人も多いし間違ってはいないと思うんだけど」

海未「……見られてますね」

ことり「聖地暮らしってだけで目の敵にする人もいるからね」
0057名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/06(火) 01:21:17.91ID:z6KMRz3g
人々の恨めし気な視線が三人に突き刺さる。

聖地という恵まれた土地で暮らすには家柄や寄付金の多寡、戦力としての価値に叡智などが求められる。

兵士の派遣や配給などもあり決して無碍にされているわけではないのだが、恵まれたものを妬むのもまた人の性。

どうにも三人は歓迎されていないらしく、心から余裕をなくした人の中には罵詈雑言を浴びせるものまでいた。

「帰れよ!」

「こんなところにお嬢さん方が何の用なんだ!?」

「アンデッドだけで十分だ!惨めな気持ちにさせないでくれ!」
0058名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/06(火) 01:39:42.10ID:z6KMRz3g
海未「―――――ッ!」

ことり「穂乃果ちゃん……」

海未「やはりここは引き返した方が」

穂乃果「皆さん、聞いてください!私達はアンデッドを討伐する仲間を探しにこの街へやってきました。そして、約束します!聖地に…この街にもきっと太陽を取り戻してみせます!だからもう少しの間…待っててください」

ザワザワと喧騒こそ止まないが、少女の力ある声に面と向かって異を唱えるものなどそこにはいなかった。

ことり「それでこそ穂乃果ちゃんだね」

海未「行きましょう。どちらにせよこの場には戦いに向いた人はいないようです」

穂乃果「そうだね、場所を変えよう」
0059名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/06(火) 01:55:45.72ID:z6KMRz3g
三人は再び歩を進める。

小一時間も歩くと建物も少なくなり、露店がチラホラと見受けられる程度であからさまに人の気配がなくなっていく。

これより先に進もうものなら、いよいよアンデッドの支配する闇の大地だ。

穂乃果「ていうかさー!先の人達よく考えたら酷くない!?穂乃果達だって頑張ってアンデッド倒してるのにー!」

海未「今更ですか?」

ことり「でも、ことり達も聖地で育ててもらえなかったらあんな風になってたのかも」

海未「否定できませんね………人々が手を取り合わなければならない時に同族を憎まなければならないとは皮肉なものです」

穂乃果「怒ってもしょうがないかぁ。人もいないしどうしよう」

ことり「露店でも見て今日は帰る?」

海未「無駄遣いはいけませんよ」

「さぁ寄っていって見ていって!貴重な貴重な電気だよー!!」
0060名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/06(火) 01:56:23.27ID:z6KMRz3g
この辺で休みだから昼に書けたら書く
0062名無しで叶える物語(SB-iPhone)垢版2018/11/06(火) 13:22:32.58ID:TBWQCnDe
昼だよっ!
0063名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/06(火) 15:54:00.98ID:z6KMRz3g
ことり「あ、電気屋さんだ♪海未ちゃぁん寄って行っていーい?」

穂乃果「珍しいね電気屋さんだなんて!」

電気屋とはこの世界ではよく知られた商売である。

字面で判断すればごく一般的な家電量販店を想像するかもしれないがその実態は全くの別。

文字通り電気屋とは電気を売ることを生業とするものをさす。

雷の魔力を持つ女性がその魔力の続く限りその力を金銭に替える職業。

基本的には娯楽品、贅沢品である電化製品を持つ富裕層の人間が多く住まう聖地等で商いを行うのが一般的ではあるのだが、目の前の少女は少し別のようだ。
0064名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/06(火) 15:57:13.05ID:z6KMRz3g
海未「電化製品なんて贅沢品ですよ!電気というのはいざという時の為に…」

ことり「海未ちゃん………おねがぁい」

穂乃果「寄ってこうよー。穂乃果の家もそろそろ電気切れそうなんだ」

海未「ぐっ、二対一とは卑怯ですよ……はぁ、しょうがないですね」

ことり「やったぁ♪」
0065名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/06(火) 16:03:31.61ID:z6KMRz3g
穂乃果「こんにちは、あなた雷の魔力を持ってるの?」

「うん。凛の魔力は雷!こうして電気を売って生活してるんだ………って言っても今日はボウズなんだけどね」

海未「それはそうでしょう。言っては何ですがここはアンデッドもそれなりに出ます。魔力を持った貴女は大丈夫かもしれませんが危険を冒してまで買いに来る人は少ないでしょう」

凛と名乗った少女は困ったように笑いながら軽く首をかしげて見せる。

凛「そうなんだ。でも、凛には大事な友達が居るから…此処からは離れられない」

穂乃果「凛ちゃん!よかったら私達と一緒にアンデッドと闘ってくれない!?」

海未「あなた人の話を聞いていましたか?」

ことり「でも海未ちゃん、凛ちゃんとっても可愛いよ?」

海未「編成に可愛さは関係ありません。可憐な容姿はしていますが」

凛「え、えーっと…あはは。凛には無理だよ、ここを動けないし」
0066名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/06(火) 16:14:16.61ID:z6KMRz3g
穂乃果「そのお友達はどこにいるの?」

凛「この近くの農場だよ?かよちんって言ってとっても可愛い女の子なんだにゃ!」

海未「かよちん…というのはニックネームか何かですか」

凛「うん。名前は花陽っていうんだ」

ことり「へぇ〜ことり気になります♪」

穂乃果「よーし、その花陽ちゃんに会いに行こう!」

凛「かよちんに会いに行くなら気を付けてね。この辺りアンデッド出るから」

穂乃果「大丈夫!私達アンデッドハンターだから。行くよ、海未ちゃんことりちゃん!」

ことり「は〜い」

穂乃果「また会いに来るよ。私は高坂穂乃果、貴女のお名前は?」

凛「私は星空凛、また会いに来てね」

ことり「またね〜♪」

凛「あ、電気買ってもらってない…」
0067名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/06(火) 16:17:21.80ID:z6KMRz3g
とりあえずこの辺で
投下ばっかでロクに書いてないので書いてきます
0068野島健一(茸)垢版2018/11/06(火) 17:25:11.02ID:KSnyp3hd
0060 HG名無しさん 2015/07/30 06:32:55
夢枕獏の小説餓狼伝の、3流の偽物、漫画、板垣餓狼伝と、1流の偽物、ゲーム、餓狼伝説のキャラクターが戦った。

丹波文七vsテリー・ボガード。
あらゆる格闘技を覚えていてもテリーに勝てるはずがない。バーンナックルのような超攻撃を受け文七は敗北。
さらにはテリーにはパワーウェイブのような遠距離攻撃もあり、文七は手も足も出ない。

クライベイビーサクラvsアンディ・ボガード。
残像を作り出す斬影拳のスピードをサクラが見きれる訳がなかった。
幻影不知火で蹴られてサクラは気絶した。

グレート巽vsジョー・ヒガシ。
ハリケーンアッパーの竜巻に巻き込まれ絶体絶命の巽。
史上最強の爆裂ストレートを叩き込まれ、ジョーの激烈完勝。

松尾象山vsギース・ハワード。自慢の空手正拳突きもギースに簡単に防御され、真空投げ、巴投げ等で投げられ、虎殺掌やレイジングデッドエンドを打ち込まれギースの完全圧勝。

これらの裁きは原作餓狼伝、しいては夢枕獏がいるからこそ板垣餓狼伝及び餓狼伝説が成り立っており、餓狼伝説はともかく、
板垣派はそれに対する敬意が無いばかりか板垣が書いた時点で餓狼伝は板垣の物などと頭に乗り冒涜したことに対する鬼の裁きである。
板垣餓狼伝の面々は今回の件により餓狼伝説の面々に裁かれる次第となった訳である。
もちろんバキ世界の最強(嘲笑)の範馬勇次郎もボガード兄弟やギースに勝てないwwwwwwwww
0070名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/07(水) 04:17:10.53ID:tb2y5IGU
電気屋の少女凛の元を去り穂乃果達は農場へと向かう。

いよいよ建物はなくなり、あるのは広大な大地とアンデッドの群れだけだ。

穂乃果「あ、電気買うの忘れてた…」

ことり「ホントだ。ことりも買ってないよ、帰りにも居てくれるといいんだけど…」

海未「言い辛いんですが本来の目的を忘れてませんか?」

穂乃果「ううん、凛ちゃんは私達に必要な仲間になる……絶対に」

海未「星空凛……と言いましたね。何か引っかかる名前ですが」

ことり「その為に花陽ちゃん?を説得しに行くの?」

穂乃果「そう!なんだけど農場ってどこなんだろう……」
0071名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/07(水) 05:35:28.20ID:tb2y5IGU
海未「近くとは言っていましたが瘴気が濃くなるばかりでそのようなものは見えませんね」

「ダ、ダレカタスケテーーーーーーー!!!」

絹を裂くような乙女の悲鳴、アンデッドの気配!!

穂乃果「行くよ、海未ちゃん!!ことりちゃん!!」
0072名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/07(水) 05:52:20.12ID:tb2y5IGU
小泉花陽にとってこれは日常であった。

聖地を覆う結界が今より広かった頃から、代々農業を生業とする一族小泉。

結界の端で農業を営みながら彼女たちは細々と、それでいて人々に食の豊かさを提供することに誇りを持っていた。

十数年前に起きたアンデッド大侵攻の際、雷光の名を冠する女傑や英雄と呼ばれる男性ながらに魔力を持つ者の奮闘により、聖地はその侵攻を払うことに成功する。

しかし、代償は大きく雷光は倒れ聖地を覆う結界は縮小せざるを得なくなった。

闘いに貢献した小泉も聖地に住まうことを許可されたが、一族はこれを頑として拒否。

父はアンデッドとの戦いで、母は病、優しかった兄も花陽が魔力に目覚めるのを見届けると眠るように逝ってしまった。

以降小泉花陽は友と二人、身を寄せ合ってこの地を守り続けている。
0073名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/07(水) 05:52:54.20ID:tb2y5IGU
この辺で
日付変わったあたりに多分投下する
0075名無しで叶える物語(茸)垢版2018/11/07(水) 16:02:27.73ID:YQOK8zor
世界観がいいね
0076名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/07(水) 22:18:04.88ID:IH26ZZpn
花陽のおいたちが可哀そう
0077名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/08(木) 00:48:53.80ID:1fiwu+QA
今日のアンデッドは人型が6体、四足歩行の獣型が8体、この程度であれば十分許容範囲内だ。

花陽「アンデッドさん、この地は誰にも譲れません!!巨人の掌よ、我を守護したまえっ!」

重い音を響かせながら大地を切り裂き五メートルに達するであろうかという鉄甲冑の手が二つ、アンデッドの前に聳え立つ!

「ぎゅぎゅ!!!?」

大地から現れる刹那、指先に軽く触れたアンデッドはまるで紙屑のように崩れ去った。
0078名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/08(木) 01:09:05.34ID:1fiwu+QA
「ぎみみみみっ!!!」

「ぎゅあーーーーーーーーーー!」

剛健たる巨人の手甲はアンデッドの攻撃を弾く、弾く、弾き続ける。

攻撃が止んでなお傷一つ負うことなく、悠然とその姿を誇示し続けて見せる。

花陽「お願い…早く帰って……!もう諦めて」

掌の陰で花陽は祈るように頭を抱え、固く瞼を瞑る。

アンデッドが諦めて帰るまでずっと、毎日、魔力に目覚めたその日から今までずっと。
0079名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/08(木) 01:19:30.86ID:1fiwu+QA
そんな花陽に転機が訪れる。

今日の来客はアンデッドだけではなかった。

海未「凄まじい防御力ですね…」

穂乃果「よーし!そのままパンチだ!」

花陽「えぇっ!?喋れるアンデッドさん来ちゃったのぉ!?どうしよう…!」

ことり「ことりたちはアンデッドじゃないよー!花陽ちゃんだよね?あなたにお話があってきたの」

花陽「人間?」

海未「私達はアンデッドハンターです!」
0080名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/08(木) 01:22:14.66ID:1fiwu+QA
花陽「この辺りまでは聖地の人も全然来ないのに…」

穂乃果「ちょっとお話があるんだけどダメかな?」

花陽「まずはアンデッドさんをどうにかしないと…」

穂乃果「花陽ちゃんそのおっきい手でやっつけられないの?」

花陽「無理ですぅ…こうして耐えて耐えて、諦めてもらうのを待ってるの」

穂乃果「そういうことなら…!ことりちゃん!」

ことり「はいっ!」
0081名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/08(木) 01:33:05.39ID:1fiwu+QA
穂乃果の合図を皮切りに背中に風の魔力を集中させ翼を形成、大きく飛翔!

ことり「白翼の弾丸っ!えぇーい!」

「ガルっ……!」

「みゅっ!!」

「あぎっ・・・・・」

軽快な音とともに放たれた魔弾は巨人の手に集中していたアンデッド達にことごとく命中。

致命傷に至らずとも魔力の散弾は確実に機動力を削ぐことに成功!

穂乃果「海未ちゃん!次!」

海未「―――――言われずとも!」
0082名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/08(木) 01:37:59.04ID:1fiwu+QA
未の姿は消失、一踏みで六メートルはあろうかという距離を詰め寄り一斬!

姿を消しては斬撃、斬撃を躱し反撃に転じたと思えば、姿を消し背後に回り弓の一撃。

素早い獣型アンデッドにも追従できない圧倒的な機動力。

早さの余り消えたように見えるのではない。本当に海未は0コンマ数秒この世界から消え、人間の脚力を超えた地点に移動しているのだ。

海未「名付けて園田流、叢雨の型一式、サイレントファントム……」

穂乃果「長いよ……横文字混ざってるし、結構取り逃してるし」

海未「し、仕方ないでしょう!!位置の指定がなかなか難しいんですよ!」

ことり「あのー……喧嘩もいいんだけど来てるよ?」

穂乃果「大丈夫、もう『溜まった』から」
0084名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/08(木) 01:44:56.97ID:1fiwu+QA
しまった
一旦書き終わったら上げるようにしときます
読んでくれてる人ありがとね
0086名無しで叶える物語(茸)垢版2018/11/08(木) 15:16:55.08ID:VlYgXWV6
おつ、無理せずー
0087名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/09(金) 00:50:40.30ID:Th+6yxAQ
午後に更新する
0088名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)垢版2018/11/09(金) 01:39:58.84ID:tDWHQT3p
まってるぜ
0089名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/09(金) 17:08:39.59ID:Th+6yxAQ
腰のホルスターに収められた一風変わった銃。

グリップ部分と銃身部分が別パーツで構成されており、穂乃果が握りしめていた部分は彼女の心を象徴するような暖かなオレンジ色の光で仄かに染まっている。

カチャリと子気味のいい音を立てグリップを装着。

光は瞬く間に銃身へ銃口へ、銃口からは行き先を求めたこぶし大のエネルギーが解放を求めて今か今かと唸りを上げる!

穂乃果「お母さん直伝の…ほむら玉っ!!!」

放たれた小さな太陽は大地を抉りながらアンデッド達を削り飛ばしていく。

一体二体三体四体…五体!!臨界を迎えたエネルギーは大きく炸裂!弾の軌道にないアンデッドをも巻き込み、数メートル規模のクレーターをしかと大地に刻み付けた。

穂乃果「はぁ…はぁ。これで全部…かな?」
0090名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/09(金) 18:26:34.95ID:Th+6yxAQ
海未「穂乃果危ない!!」

「ガルルルルルル!!!!!!」

取り残したアンデッドが一体。
巧妙に視界から姿を晦ましていた獣型は跳躍し穂乃果の喉笛を噛み切らんととびかかる。
低級アンデッドと言えど急所への一撃を受ければ絶命は必至。

穂乃果「やっば…!」

海未「この距離では…!」

穂乃果の大ぶりの剣は勿論、海未の瞬間移動も二度の跳躍を要する距離。

ことりはようやく迎撃の準備を開始するが、到底間に合うタイミングではない。

花陽「巨人の掌よ!」

「ぎゃっ!!ぎぁぁぁぁん……」

間一髪、アンデッドは花陽の召喚した巨人の掌に阻まれ勢いを殺すことすら能わず、グチャリと嫌な音を立て力無く倒れる。
肉の崩れる不快音と黒煙を立ち上らせ、この世界の外へと旅立つ。

魔力を注ぎ込まれたことによるアンデッドの完全な死。

穂乃果達の勝利だ。
0091名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/09(金) 19:52:59.79ID:Th+6yxAQ
ことり「大丈夫!?穂乃果ちゃん!」

穂乃果「なんとかねー…全部やっつけたと思ってたよ」

海未「頼もしい盾ですね」

花陽「いえ…私も凛ちゃんと同じくらい強い人、久しぶりに観ました」

穂乃果「そう言えば自己紹介がまだだったね、私は高坂穂乃果。私達の討伐班の一員になって欲しい」

海未「是非!是非お願いします!」

花陽「えっと…その…」

ことり「海未ちゃん」
0092名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/09(金) 21:34:06.43ID:Th+6yxAQ
海未「はっ……すみません。しかし、貴女のような優れたメンバーが必要なのも事実なのです…」

ことり「近々ことりたちはアンデッドの討伐任務に出るの。花陽ちゃんも来てくれたらことりはとっても嬉しい♪」

穂乃果「あなたのお友達、凛ちゃんにも声をかけるつもりだよ。花陽ちゃん、あなた達は私達に絶対必要な仲間になるの」

花陽「少し待ってもらえませんか?その作戦の決行日は…」

穂乃果「2日後の朝」

花陽「ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!ダレカタスケテーーーーーーーー!!!」
0093名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/09(金) 21:37:29.10ID:Th+6yxAQ
その日の夜、花陽は人生で一番悩んだ。

心の天秤は初めから大きく傾いていたが、どうしても踏ん切りがつかない。

自分を必要としてくれる人がいる。自分だってこの土地を、世界を守りたい。

それだけではない、運命的な何かが花陽の心を揺り動かす。

理屈じゃない衝動的な感情。

この機を逃せば自分はただただ魔力の続く限り畑を守り、いずれ倒れる存在だろう。

最後の一歩を後押ししたのは彼女の最も大切な親友、星空凛だった。

凛「凛知ってるよ。かよちん、あの人たちと一緒に行きたいんだよね?」
0094名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/09(金) 21:42:26.99ID:Th+6yxAQ
花陽「でも…」

凛「大丈夫!お兄さん達もかよちんが行きたいって言えばきっと許してくれるよ」

花陽「お父さん、お母さん……お兄ちゃん」

敷地の片隅に埋めた簡素な墓。

想像するだけで涙が溢れそうになる、戦いに出るということはこの農場との別れ。

泣き虫な自分を家族は知っている。ならば旅立ちの前に涙など見せられようものか。

ぐっと歯を食いしばり懸命に振り絞った声で伝える。

花陽「私…花陽ね、花陽を必要だって言ってくれる人に出会えたの……………!!
もうお父さんたちと過ごしたこの場所を守れないかもしれない。
でも私、この世界を守りたいっ。いつか世界に平和が戻ったらこの場所から農地をもっともっと増やして、秋に実る黄金の大地をこの目で見たいの……!!
だから……ちょっとの間だけお留守番お願いします…!」

凛「決まりだね!」
0095名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/09(金) 23:02:11.32ID:Th+6yxAQ
この辺で
明日は更新できないかも
0096名無しで叶える物語(茸)垢版2018/11/10(土) 13:37:47.05ID:nOuTDqrr
花陽の決意、良いね
0098名無しで叶える物語(茸)垢版2018/11/11(日) 11:12:36.40ID:99KOJQ3d
0099名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 16:20:16.90ID:UUoacGKb
【聖地アキハバラ】

『作戦決行日』

時刻は早朝。拠点に辿り着くまでの時間と攻略までを考えれば夜間に突入してしまうことだけは避けたい。

故にアンデッド討伐の遠征は朝方から行うことが定石、揃ったメンバーは穂乃果達の三人に上級剣士が一人、そこに花陽たちの姿はなかった。

剣士「時間だ。これ以上は待てないよ」

穂乃果「そんな…!」

ことり「もう少し待てませんか?」

剣士「これ以上はアンデッドの力を増長につながりかねない。このメンバーで臨もう」

海未「止むをえません…」

花陽「待ってください!!!はぁ…はぁ…準備してたら丸一日かかっちゃって……!」

凛「フル充電完了だよ〜〜!!テンション上がるにゃーーーー!!」

剣士「決まりだね。二人の戦法把握はここを出てすぐ始める」

穂乃果「よーーし!討伐班出発―――!!!」
0100名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 17:38:44.08ID:UUoacGKb
【西木野邸】

聖地アキハバラから少し外れた、かつて高級住宅街だった場所に構えられる豪邸が一つ。

他の家屋がアンデッドの襲撃と風化により見るも無残な形と化していく中、西木野邸は未だ健在。

何故か?

答えは単純にして明快、西木野邸に立ち入ることができないからだ。

「み゛ゅ゛っ!?」

今日もまた一体、屋敷に張られた結界にかかる愚かな不死者が一体。
聖地の結界がアンデッドが近寄りたくなくなる忌避の効果を兼ね備えているのに対して、西木野は真逆。

羽虫を誘う炎のように西木野邸の結界はアンデッドを誘惑し消滅させる。
0101名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 17:42:50.03ID:UUoacGKb
「キモチワルイ」

身を焦がすアンデッドに対して短く一言。

赤く癖のある毛先をクルクルと遊ばせる少女。

彼女は西木野真姫。

真姫「もう…見送りなんていいわよママ」

真姫ママ「そう言わないの、南さんには言っておいたから。何でも討伐班が向かってるそうだし、初陣にしても簡単すぎるかもしれないけど」

そして今日、西木野の若き魔術師真姫は初陣を迎える。

深紅のローブの下には医師を彷彿とさせる白衣、腰のホルダーには本を携えいざ出発!
0102名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 17:45:08.78ID:UUoacGKb
真姫「それじゃ行ってきます」

「ガルルルルルル…………………!!!」

「ォォォォォォォォォォォォォ………!」

「シャァァァァ…」

真姫の行く手を阻むように取り囲むアンデッドが四十と数体。

全て西木野邸に引き寄せられたアンデッド達、まだ母の目の届く範囲内、真姫は静かに本を取る。

真姫「詠唱もあなた達には要らないわね。サヨナラ」

やれやれと本を畳むと全く同時、十数メートルに達するであろう火柱が真姫を取り囲み瞬く間にアンデッド達を文字通り消滅させていく。

轟轟、堂堂、立ち上る爆炎に対して真姫の表情は至って怜悧。
0103名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 17:47:30.38ID:UUoacGKb
「ガッ!?」

「ォぐっ!!!」

「キッ!!!!!!!!!!!」

真姫「記録に残す必要……なさそう」

パンパンと煤を払い、一瞥くれてやるのを最後に真姫は歩を進める。

恐れることなく、上級アンデッドが支配する魔の境地へ。

真姫「上級アンデッドだっけ……アレは記録に残さないと。焼滅師として」

焼き、滅するもの。焼滅師、それが意味するところとは……………

真姫「強い気配が…………2体?大丈夫なのかしら、討伐班って人達。ま、関係ないわね」
0104名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 17:50:17.29ID:UUoacGKb
【chapter.3 拠点へ】

一行は拠点を目指し進む。

兵士たちの斥候と安全なルートの選定のおかげもあってか、未だアンデッドとの遭遇はない。

剣士「簡単にブリーフィングのおさらいをするよ」

剣士の号令をもってブリーフィングが開始される。

ここから先数キロの地点にアンデッドのものと思われる館が建設され始めたとの報告アリ。

上級アンデッド単体では討伐に向かうまでの時間では拠点の完成は困難であると推測される。

討伐対象は上級アンデッド「3」

2〜10の数字を与えられたアンデッドは数字の大きさがそのまま序列に。

特級アンデッドと呼ばれる特に強力なアンデッドはかつて使われていた英字のA、J、Q、Kが当て嵌められている。

こちらの序列は不明、また「A」を冠するアンデッドは未だ確認されていない。
0105名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 17:53:16.71ID:UUoacGKb
剣士「報告では確認されている上級アンデッドは「3」の一体だ。通常序列の低い者から出現する傾向があるらしいが……」

ことり「一番弱い人がよかったなぁ」

海未「とにかく、本来会敵するはずの敵よりも強いのであれば気を引き締めなければいけません」

剣士「頼もしいな。僕も力の限り剣を振るうがアンデッド戦の主役は君達、それを自覚した振る舞いを期待するよ」

穂乃果「はいっ!みんなも頑張ろうねっ!」

剣士「よし、続いて隊列だが前衛は近接戦闘に優れた僕と園田さんで務める。大丈夫かな?」

海未「修練場では後れを取りましたが、アンデッド戦では私に背中を預けてください」

剣士「次に隊列中央、威力のある遠距離攻撃が期待できる高坂さん、最も機動力に長けている星空さんでお願いするよ」
0106名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 17:56:04.49ID:UUoacGKb
穂乃果「穂乃果も前衛いけるのになー」

星空「そうにゃそうにゃ」

剣士「後ろの二人を守れるのは君たちが適任だと思っているよ。剣士は人を庇って動くのには向いてないからね」

星空「はい!かよちんは凛が守るにゃ!」

穂乃果「バッチリ任せてことりちゃん!」

剣士「最後に後列二人は南さんと小泉さん。防御魔法と回復魔法で僕たちのアシストを」

花陽「が、頑張りますっ!」

ことり「任せてくださいっ♪」
0107名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 17:57:01.20ID:UUoacGKb
剣士「それと…今は僕が暫定的に班長を任されているけれど、高坂さん。僕は君がそう遠くない内に班長………いや、もっと大きなリーダーになることを確信しているよ」

穂乃果「えっ、穂乃果が!?」

剣士「そう構えなくていい。ただ、君は僕が知っている人によく似ていてね。この戦いが終わったら話をしようか」

海未「気になる話ですね…」

剣士「それにはまずは皆が生きて帰ることだ。ここから先はアンデッドも増える。行こう」
0108名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 17:58:41.11ID:UUoacGKb
洋館・最深部】

「…………姉さん」

「お前も気が付いたようね……そう、風が変わってきているわ。
恐らくは……世界が変わり始めようとしている。でも、それは我々の栄華を表している」

「……………ドール。増える?」

「えぇ、増えるわ。女の子が五体、男の子が一体」

「………男の子、要らない」

「そう言わないの。うふふっ、女の子だけだと寂しいかもしれないでしょう?」

「姉さん……………笑うと怖い………」

「そんなことないわ。咲良。お前の力が、運命を切り開く鍵となるのよ」

「戦闘…………緊張」

「人形、二体ほどよろしくね。私はしばらく眠りにつくから」

「おやすみ…咲夜姉さん」
0109名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 17:59:46.75ID:UUoacGKb
【洋館】

漸く敵の拠点が見えてきたころ、一行は朝一番の出撃が功を奏しアンデッドの動きも鈍く、損害は軽微。

長丁場慣れしている剣士が率先して剣を振るったこともあり、女性陣の魔力消費は極めて少ない。

これから起こりうる戦闘の主役は自分でないことを彼は重々承知している。

聖地から六時間ほど歩いたところで、一行は指定ポイントである上級アンデッドの拠点に辿り着くことができた。

アンデッドだからってあからさまな洋館だなんて構えないだろうという予想を裏切るベタもベタな洋館である。

耽美が過ぎる倒錯的な美的感覚が随所に見られ、洋風建築に良く映える鋳物作りの重厚な門から覗く黒薔薇が丁寧に切りそろえられたバラ園、
溢れ出る液体が血だと一目でわかる赤い噴水、どこからともなく流れる不協和音のヴァイオリン。
0110名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:01:19.50ID:UUoacGKb
穂乃果「報告じゃここまで完成してないはずなのに…」

海未「敵も一筋縄ではいかないということでしょう」

花陽「凄い力を感じます」

凛「ビリビリするにゃ…」

海未「フム……裏口や別の侵入経路を探すべきでしょうか」

ことり「でも侵入者が来るって分かってるならそっちに味方を置いていくんじゃ…」
0111名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:02:31.68ID:UUoacGKb
穂乃果「正面から行きましょう。どっちにしろ歓迎はされてないみたいだし、時間は早い方がいいよ」

荘厳な気配を醸し出す門戸に手をかけ、恐る恐る魔の門を開いて見せる。
もうあとには戻れない



穂乃果「行こう」
0112名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:04:12.25ID:UUoacGKb
【洋館・中庭】

黒薔薇が咲き誇る洋館の庭内。

迷路のように入り組んだ半天然の要塞に足が進まない討伐班。

心なしか洋館も遠ざかって見えてきた………否、事実遠ざかっている。

入口の門が眼前に迫ってきたところで一行は一度歩みを止める。

海未「妙ですね……」

凛「ちっとも進まないにゃ〜」

同じ所をぐるぐると何度も何度も歩まされている。

天然の迷路は気付かされないよう巧妙に形を変えながら一行を門の前へと誘う。

ことりが短時間の飛翔で上から偵察するかだとか、凛が高速移動で駆けまわる等、様々な提案が飛び交うがいずれも解決策には少し遠い。

堂々巡りを繰り返しているうちにも時間は過ぎていく。
0113名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:07:05.05ID:UUoacGKb
穂乃果「じゃあ穂乃果の銃で屋敷まで植木をぶち抜く!とか」

海未「全力で打った後の魔力量考えてます……?」

穂乃果「撃つだけならあと二発はいけると思う!」

海未「身体強化に回す分を考えないでどうするんですか!」

剣士「高坂さんの魔力は取っておきたいところではあるけどこのままでは…」

穂乃果「撃ちます!上級アンデッド相手でも二発全力で打ち込めば大丈夫と思う!みんな下がってて…」

「あら、そうはさせなくてよ?」

ことり「助けて穂乃果ちゃん!」

花陽「い、いやっ!!

短い声と共に現れる茨の蔓。

完全なる不意打ち。そう、ここは既にアンデッドの魔力が満ちる領域内。

瞬きも許さぬ間にことりと花陽は緑の闇へと引きずり込まれ消えていく。
0114名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:08:18.85ID:UUoacGKb
剣士「刃が通らないか…!」

凛「かよちんを返して!こんのぉぉぉぉぉ!!!ダメ…電気も効かないよぉ…」

予測して然るべきだった、予測できなかった。

上級アンデッドを相手取り生還したものはそう多くない。

瞬時に判断を分けるは経験と直感、彼女達には経験が圧倒的に不足していた。

海未「私が瞬間移動で追います!!館の最深部で落ち合いましょう!」

穂乃果「約束だからね!」

凛「かよちんをお願い!」

障害物を通り抜けつつ、ことりと花陽を追うべく海未はその姿を消す。

警戒に気付いたか、追撃の様子はない。
0115名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:09:41.23ID:UUoacGKb
穂乃果「凛ちゃん、剣士さん。周りをお願い」

穂乃果「早く合流しないと…これが今の穂乃果の最大……『陽杭(ソルドライバー)』いっけぇぇぇぇぇ!!!!!!」

杭の形に生成された光の一撃は闇の魔力で構成された茨の迷路を貫き館へと突き進んでいく。

再生も許さない光弾の勢いはすさまじく、茨の層を20層ほど突き破ったところで館の扉へと着弾!!

穂乃果「はぁっ…!はぁっ!はっ…扉を開ける手間が省けたね…!急がないと…」
0116名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:11:03.13ID:UUoacGKb
【洋館・海未side】

薄暗く埃くさい館内の一室。

部屋の全貌がうかがえる程度には光が漏れ、突貫工事で仕上げた粗相なつくりであることがうかがえるのと同時に
積もった埃やかびたにおいは年季を感じさせ、まるで古い館に迷い込んだような奇妙な気分を覚えさせる。

結果から言えばことりと花陽は無事だ。

蔦に絡めとられては居たが傷を負ってはいない。

寧ろ二人の絹のような柔肌を包み込むように棘は全て外に向けられている。

手傷を負わせることが目的ではないというのは海未にとって予想外だったが、これはよい方向に出てくれた。

海未「(二人とも無事のようですね)」
0117名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:13:35.17ID:UUoacGKb
海未は黙考する。

後衛二人と共に行動する以上は自分が最前線で戦い続けなければならない。

とすると、気がかりなのは己の心配でなく魔力消費の方だ。

海未や穂乃果が前線で男性兵士以上に戦うことができるのはアンデッドに対して止めをさせることでもなく、強力な魔術を行使できることでもない。
それ以上に全身に張り巡らされた魔力による身体能力強化によるところが大きい。

特に海未のような前衛タイプは身体能力強化に割く魔力消費ウエイトが大きく、また海未は自分の魔力量がそう多いわけではないことも熟知している。

剣に自らの属性、水の魔力を纏わせること、これはとりわけ燃費がいい

弓の射出も剣と要領は同じだがこちらは一発ごとに使いきりの為、撃てる数はそう多くない。

海未が行使できる魔術の中で最も強力であり燃費が激しいもの、それが瞬間移動なのだがここまで来るのに10回は使ってしまっている。

他の魔術を優先して使わなければいけない以上、戦闘中に使える回数は多くて三回ほどだろう。
0118名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:16:14.64ID:UUoacGKb
ことり「んん………ここは」

花陽「っ……」

海未「二人とも目が覚めましたか」

ことり「うん。穂乃果ちゃん達は?」

花陽「凛ちゃんも…」

海未「はぐれてしまいましたが問題はありません。ですがここに長時間留まるのも危険。先を急ぎましょう」

二人の後衛の不安を拭い去るように部屋を後にする。

大丈夫だと自分に言い聞かせて。
0119名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:18:57.40ID:UUoacGKb
【洋館・穂乃果side】

穂乃果一行へ向けられた迎撃は苛烈を極めていた。

樹木や蔦をふんだんに使ったブービートラップから、仕掛け部屋、迫りくる低級アンデッド達。

正面から門をぶち破ったから……と言えば考えられないことではないが、本人たちからすればたまったものではない。

凛の雷体術に穂乃果の太陽を宿した剣が剣士のアシストなど待っていられないとバッサバッサとなぎ倒していく。

剣士がなるべく矢面に立ち彼女たちの負担を軽減させようとはしているものの、
穂乃果と凛は親友を目の前で奪われ明らかに気が立っており、我を失うようなことはなくとも魔力のペース配分は出鱈目だ。

残念なことに男性である彼には魔力を持った戦闘が分からない以上、本人たちに大丈夫と言われてしまえばそれまで。

それでも目の前の少女二人は目に見えて疲弊してきている。

魔力が体に満ちていようが元々の体力が尽きてしまえば元も子もない。

何より彼女たちのダウンは自らの生命線にも関わる重要事項。
0120名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:21:11.13ID:UUoacGKb
穂乃果「〜〜っ!この部屋も違う、海未ちゃん、ことりちゃん…!」

「ギギギギギギ……」

凛「凛たちは急いでるの!退いてよ!!!………雷穿爪!!」

壁を、床を、天井を、縦横無尽に踏み砕き、予測できぬ猫のようなしなやかな動き。

垂直落下の重力と錐もみ回転の力を加え、身軽な凛の弱点軽さを補う猫の雷爪が一閃!!

「ギギっ…!」

凛「そんなっどうして倒れないの!?」

本来の凛の実力であれば一撃で屠れた敵であった。

実際これまで何度も倒したことのあるアンデッドだった。

だが、疲弊かアウェーの影響か、あるいは焦りによる判断ミスか。

事実、アンデッドは今もなお凛たちに牙をむく!
0121名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:23:04.96ID:UUoacGKb
穂乃果「今度は穂乃果が!ソード、エンチャントソル!倒れろーーーーーーーーーーーーー!!」

陽光を宿した剣の一撃。

大振りは相変わらずだがこの局面では吉と出たようで重量の乗った一撃はマミー型アンデッドの頭を勝ち割り、見事消滅させてみせた。

穂乃果「ふぅー…次の部屋だね」

扉に手をかけ、開かれた先にあったのはダンスホールのような大広間。

アンデッドの趣味なのか、単純に脆いのか、所々朽ちつつも絢爛な作りは退廃的な美すら感じさせる。

屋敷の外見から判断すれば、間取り的にこのような大広間を拵えるのは不可能だ。

それを実現させているのはひとえにアンデッドの魔力のなせる業。
0122名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:24:56.83ID:UUoacGKb
「お待ちなさい」

剣士「ッッッ!!!!!!!!!!!!」

先と違い、油断は一切していなかった。

音も気配も、第六感すら容易に潜り抜けた闇の権化が側に降り立つ。

雪より白い純白の肌に、煌々と輝く赤い瞳、人ならざる縦長の瞳孔。

どす黒い瘴気に身の毛は世立ち、直感はただ逃げろ、今すぐ逃げろと吠える。

「はぁ…折角寝ていたのにこうも五月蝿くては寝られないわ」

穂乃果「あなた……誰!!」

「自己紹介?咲夜、黒羽咲夜よ。ふふふ……世界を相手に戦うスクールアイドルは、私くらいかしら?」

凛「スク…何…?」

剣士「何故お前が旧文明の事を…!」

咲夜「そんな事を話している場合?私は「3」の数字を与えられしローズアンデッド、貴方達は既に私の掌の上なのよ」

穂乃果「そっか。あなたを倒せば任務完了だね、凛ちゃん、剣士さん………行くよっっっ!!!」

咲夜「血に染まった真っ赤な薔薇を咲かせてあ・げ・る」
0123名無しで叶える物語(プーアル茶)垢版2018/11/11(日) 18:26:24.49ID:UUoacGKb
書き溜め殆ど終わり
忙しくなりそうだからあまり書けないと思うんだけど速報にうつったがいいのかね
落とすなら落とすで、とりあえずここまで
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