花丸「うんこを漏らすということ」
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小さい頃から目立たない、地味な子だった
ずっと本が友達だった
時々ちょっと寂しかったけれど
それでも、本があれば大丈夫だと思った
それでも本があれば
それでも
それでも……
小学生の時
1人の帰り道
太陽が半分沈んで
薄暗い空をふと見上げて
ふと考えたことがある
マルはいったい、なんの為に生まれてきたんだろう
一人ぼっちの悲しさから思い浮かんだ疑問だったかどうか、今となってはよく覚えてないけど
きっと皆考えるようなことだと思う
でもその時は
その答えは、でなかった
読んでる本に、それらしいことが書いてあることもあったけど
それが正解だとは思わなかった
思えなかった
マルはいったい、なんの為に生まれてきたんだろう
その答えにはまだ、辿り着けずにいる ──────うんこが漏れそう
曜「ちょっと!花丸ちゃん!花丸ちゃん!」
花丸「……ずらっ!」
曜「なにボーッとしてるの花丸ちゃん!お腹痛いんでしょ!?早くトイレ行かないと!」
花丸「あ、曜ちゃん……」
曜「肩貸してあげるから、ほら!」
花丸「あ、ありがとう……ちょっと物思いに耽ってて……」
曜「そんな場合じゃないよ!練習中に突然『漏れるずらあああああああ!!!』って叫んで、皆心配してるよ!ヤバいんでしょ!?」
花丸「曜ちゃん……」
曜「?」
花丸「人間はいったい、なんの為に生まれるんだろうね」
曜「バカなこと言ってないで早くトイレ行くよ!うんこ漏れるよ!!」 でも中学生のとき
ほんの少しだけ、その答えに近付いたと
そう思ったことがあった
ずっと1人だったマルに、友達ができた
大切な友達ができた
その子は黒澤ルビィちゃん
アイドルが大好きなその子はとても可愛らしく
とても優しく
マルと一緒に図書館で過ごしてくれた
アイドルの雑誌を読んでニコニコするルビィちゃん
そんなルビィちゃんを見て、頬が緩んでる自分
いつの間にか、そんな風景は日常になっていた
人間がなんの為に生まれるのか
マルはなんの為に生まれたのか
それはまだ、分からないけど
でも、人間がどうやって生きるのかは、わかる気がしたの
それはきっと、温もりを得るために…… 曜「花丸ちゃん、トイレはもうすぐだよ!」
花丸「曜ちゃん……」
曜「どうしたの?というか、凄く辛そうな顔してる……」
花丸「そこのトイレじゃダメずら……1階の端っこのトイレじゃないとダメ……ぐぅ!」ギュルルルルル
曜「な、なぜ」
花丸「ウォシュレットあるのはそこしかない……から…………マルは……ウォシュレットがないとうんこしたくないずら……!ぐぅ!」ギュルルルルル
曜「んなこと言ってる場合じゃないよ!うんこ漏れるよ!!」
花丸「紙で拭くだけならいっそここで漏らす!!!ずら!!!!!」
曜「わーかったわかったって!連れてくから!お願いだから漏らさないで!」
花丸「ウォシュレットは……未来ずら……便座の温もりが……」
曜「漏らしたら未来も無くなるんだよ!!」
花丸「曜ちゃん……」
曜「なに!」
花丸「人間はきっと、温もりを得るために……」
曜「うんこ漏れるよ!!!!」 私の親友、ルビィちゃんは
とても優しくて
優しすぎて
そんな優しさで
自分のことを閉じ込めてしまうことがあった
大好きなスクールアイドルを
大好きで大好きでたまらないスクールアイドルを
お姉ちゃんのために、嫌いになろうとしていた
悲しかった
そんなルビィちゃんを見ているのが悲しくて
だからマルは
そんな溢れんばかりのルビィちゃんの優しさを
大空に、羽ばたかせたかった 花丸「──────大空に」
曜「またボーッとして!ひ、冷や汗ダラダラしてるけど本当に大丈夫!?」
花丸「羽ばたかせたかった」
曜「よく分かんないけど大空には羽ばたかないよ!というか羽ばたかないで!閉じ込めた便意をどうするかが先!」
花丸「閉じ込めた……?ルビィちゃんが優しさで自分を閉じ込めて大空に羽ばたかせるマルはなんの為に生まれてきて温もりを感じて生きる?ぐぅ!」ギュルルルルルルルルルル
曜「錯乱しないで!!」
花丸「……あ」
曜「……へ??」
花丸「あ、いや、なんでもないずら」
曜「本当に!?本当に本当だよね!?ここで嘘つくと流石の私でもとんでもなくキレるよ!?」
花丸「いや本当に。ただ……」
曜「ただ!?」
花丸「まあ、限界は見えてきた……。あぁ!」ギュルルルルル
曜「その限界はトイレまで持つの!?」
花丸「…………五分五分」
曜「そんな危険な賭けやだよ!」 マルの家はお寺なの
とっても古いお寺で、家の中は至る所で木の匂いがする
新しいものなんてウォシュレット以外何も無いその家で、マルはずっと「無」について考えてた
何も無いということは、すなわち「無」があるということ
マルはこの言葉が好きだ
好きだけど
正直に言うと、この言葉を「理解」できたことはない
言いたいことがなんとなく
それしかまだ、分からない
この言葉が何を伝えたいのか
本当に伝えたいことはなんなのか
いつか、分かるのかな 曜「花丸ちゃん!もうトイレの入口は目の前だよ!早く中に入ろう!」
花丸「……歩け、な、」
曜「あぁ!すっごい内股に!」
花丸「漏、れ、、あ、、も、、ダ、メ、、、、」
曜「花丸ちゃん!!」
花丸「ちょ、、、、大声、、、、、やめ、、、、、響く、、、、、ぅゲ、、」
曜「花丸……ちゃん…………?」
花丸「……………………」
曜「……………………」
花丸「……無というのはすなわち」
曜「花丸ぅうううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!」 マルには好きなことがある
それは、『食べること』
皆には食いしん坊って言われちゃうこともあるけど
ちょっとだけ、本当にちょっとだけ、太ったりすることもあるけど
それでも、マルは食べることが大好きなの
それは、生命を頂いてると実感できるから
マルの家はお寺だから、小さい時からそういうことはいっぱい教えられてきた
そういう教えを身をもって実感できる日常的な行為が、食べること
今日も私は生きている
頑張ろうって気になる
そういう実感が得られるの
生命は粗末にしてはいけない
たとえちょっと苦手なものでも、たとえちょっと悪くなったものでも
大事に大事に、食べなければいけない 曜「嘘だよね!?嘘だよね!?嘘だよね!?嘘って言って!嘘でしょ!?」
花丸「……嘘もなにも、何も、言って、ないずら。漏らしては、ないから、安、心、して……」
曜「じゃあなんで急に……」
花丸「だから無を理解、したん、ずら。なんか無心になれば、急に、少しだけ、楽になったの」
曜「それならまあいいけど……」
花丸「ありがとう、空海」
曜「バカなこと言ってないで早くトイレ入るよ!うんこ漏れるよ!!」
曜「……って!!」
花丸「……ああ!!」
曜「そんな……」
花丸「たった一つのトイレが……」
曜&花丸「 使 用 中 !?」
千歌(なんか外うるさい……)ジョロジョロ マルはよくおっとりしてるって言われる
でもそれは、良く言えばってことなんだと思う
悪く言えば、どんくさい
今はマルとか言ってるけど
本当は、気を抜くと『オラ』とか言っちゃうの
語尾には『ずら』とか付けちゃって
本当、田舎って感じだと思ってる
小さい頃はそれで悩んだこともあったけど
あるときルビィちゃんが言ってくれたことがある
『そういうところが、花丸ちゃんの良さなんだよ!』
よくあると言えばよくある励まし
だけど
私はそんなありふれた励ましが……
ルビィちゃんの屈託のない笑顔が、嬉しかった
私は私らしく
たとえどんくさくても
たとえばおっとりしてても
それは、私らしさ
そう思う 花丸「ぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおお早く出てこいコラァァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ドゴンドガンバキンドンドンドンドン
千歌「!ひい!なんですか!?ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
曜「は、花丸ちゃん!」
花丸「漏れる!早く!ねええええええええええええええ早くううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!」
千歌「すみません急ぎます急ぎます急ぎます!」
曜「な、中入ってたの千歌ちゃんだったのか……い、急いで千歌ちゃん!」
千歌「いま終わりましたいま履きましたパンツ履きました!いま出ます!」
花丸「はやく!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 そういえばマルは、最近まで聖歌隊に入っていたの
本当はお寺の子だから、大きな声で言えないんだけど
神様がいるかどうかは、考えたことはない
仏様はいると思うけど
考えたことがないのに聖歌隊なんて、いいのかな
信じてもいないのに聖歌隊なんて、いいのかな?
仏様と神様、喧嘩しないかな?
なんて、ね 花丸「あああああ神様あああ!!!!!!!!!!お願いしますお願いしますお願いします!!!!あと少し!!!!だけッ!!!!!!!」
曜「あ、便意の神様に祈りだした……」
千歌「便意の時だけ祈られる神様って可哀想だよねー」パンツハキー
曜「いいから早く出てきて千歌ちゃん!」
千歌「ほいさ」ドア開け
花丸「……!…………!!!!ずらァ!」ドア閉め
千歌「わっ」
曜「よかったー……間に合った……」
千歌「花丸ちゃん……漏れそうだったの?」
曜「あー、さっきまで千歌ちゃんいなかったもんね……突然皆の前で漏れるって絶叫して大変だったの」
千歌「わぁ」
曜「ヒヤヒヤしたよ……」
花丸「ふー……でももう大丈夫ずら!」
曜「というかもう屋上に帰っていい?これからうんこするんでしょ?」
花丸「まあねw」
曜「まあねって……まあいいや、戻るね?」
千歌「やれやれだねー」
花丸「ふー…………」
花丸「……………………」
花丸「あ、紙ない……」 マルは文学少女
本があれば、大丈夫だと思った
本の世界が、大好きだった
いつも本と一緒にいたかった
だから
今日も本は、一緒にいた
胸に忍ばせた、ポケットの小さな文庫本
ルビィちゃんも、Aqoursの皆も大好きだ友達だけど
同じくらい、大好きな友達
いつもありがとう
今までありがとう
花丸「……おやすみなさん」
これで、マルの話はおしまい
というか、文学少女としておしまい ウォシュレットがあるから水に流せるずら……
つってね 昔、野糞した後近くに落ちてたエロ本でケツ拭いたなぁ うんこ系アイドルを自称してたきんちゃん担当キャラなだけはあるな(錯乱) 川添枯美の小説みたいだった
正直引き込まれたわ
他にもあるなら尻から出せ 俺も品川駅で漏らしたけど実際やってみると誰も俺の事なんか気にしてくれない
いつもの日常 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています