梨子「『I love you.』の意味」
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千歌「り、梨子ちゃんっ」
梨子「千歌ちゃん! どうしたの? 体育館裏に呼び出しなんて……」
千歌「あ、あのねっ。その、えっと……」
千歌「こ、これっ、受け取ってくださいっ!///」サッ
梨子「わあっ! 手紙? ありがとう!」
千歌「……その……」
梨子「ん、どうしたの?」
千歌「て、手紙を渡しておいてアレだけど……で、出来れば、今開けてほしいなって///」
千歌「それで、その……中を、読んでほしいっていうか……」
梨子「……わかったよ、千歌ちゃんがそういうなら」ニコッ
千歌「あ、ありがとっ」
梨子(えーっと、封を切って……中身中身)パサッ
梨子(……一文だけ、英語で書いてあるこれは……)
梨子(「I love you.」……つまり……) 梨子(……えっ、千歌ちゃんって曜ちゃんが好きだったの!?)
梨子(いや、いやいや……で、でも、ここに明らかに「I love 曜.」って書いてあるんだけど)
梨子(えっ、この状況謎過ぎない? なんで千歌ちゃんが私に曜ちゃんへの好意を伝えてるの?)
梨子(無理やり、無理やりそれはわかるとする……いや、わからないけど)
梨子(わかったとして、なんでこんな大げさな舞台設定に? わざわざ体育館裏呼び出しとか……手紙の一文とか)
梨子(「曜ちゃんとの恋愛の相談に乗ってほしい」的な意味なら、二人でいる時とか、家で通話で良くない?)
梨子(ダブルで難解……ダブなん……)
千歌「……む〜!///」
梨子「ひゃっ!?」ビクッ
千歌「わっ、ご、ごめん!」
千歌「でも、そうやってまじまじ読まれても……そ、その……へ、返事が、欲しいな……///」モジモジ
梨子(いや、返事と言われても何を返事すれば良いのかさっぱりなんだけど)
梨子(そもそも何一つ理解できてないし。でも千歌ちゃんは返事を求めるし) 梨子(……と、とりあえず返事ね、えーっと……)
梨子「あー……う、うん、いいと思う!」
千歌「……へ?」キョトン
梨子(えっ、なんでピンと来ないみたいな顔を? ピンとくる返事が不可能だと思うんだけど)
千歌「え……えーっと、その……OKかNOで答えてほしいなーって」
梨子「え、えぇ……そ、それは勿論(曜ちゃんと千歌ちゃんの恋愛は)OK(だと思う)よ!」
千歌「えっ、いいの!?」
梨子「もちろんよ、だって(曜ちゃんと千歌ちゃんは)お似合いだと思うもん」
千歌「え、(チカと梨子ちゃんが)お似合い?」
梨子「うんっ、だって(曜ちゃんと千歌ちゃん)いっつも一緒にいるし……」
千歌「い、いや、それ(チカと梨子ちゃん)はそう(一緒にいることが多い)だけど……」
梨子「私ね、いっつも思ってたんだ」
梨子「――(曜ちゃんと千歌ちゃんの)二人がいつか、結ばれたらな……って」ファサッ 千歌「り、梨子ちゃん……結構ロマンチックというか、不思議な言い回しをするんだね……」
梨子「ふふっ、意外な一面だったかな?」
梨子「でもね……恋人同士になるってことは、意外な一面がたくさん見えるものよ」
梨子「……ねぇ、私と約束して」
千歌「や、約束?///」ドキッ
梨子「どんな一面が見えても――(曜ちゃんのことは)嫌いにならないこと、いい?」ニコッ
千歌「えっ……う、うんっ! 勿論!」
梨子(え、えーっと、これでよかったのかしら……)
千歌「じ、じゃあこれで……ねぇ、改めて聞いていい? ……その……」
千歌「(チカの事)好き――なんだよね?///」
梨子「えっ」
千歌「えっ」 千歌「いや『えっ』じゃなくて」
梨子「あっ、ご、ごめんなさい」
梨子(まずい、つい理解が追い付かなくて声が出てしまったわ……)
梨子(ええっと、落ち着いて……さっきの「好きなんだよね?」の意味は……)
梨子(……曜ちゃんの事よね)
梨子(えっ、なんでここにきて私の曜ちゃんへの好意を問われるの?)
梨子(もしかして「チカと曜ちゃんが結ばれても、3人ずっと友達だよ!」的な?)
梨子(全く、余計な心配ね。私たちはいつでも一緒よ)
梨子(……でも、ありがとう)クスッ
梨子(千歌ちゃん、あなたは――本当に、優しいのね)
梨子(ここは、中途半端に答えるべきではないわね。千歌ちゃんの気持ちのためにも)
梨子「……もちろん」
千歌「も、もちろん?」ドキドキ
梨子「もちろん……(曜ちゃんのことは)大好きよ」 千歌「ほ、ホントっ!?」
梨子「ええ、ここまで来て嘘を言うはずないじゃない」ニコッ
千歌「そ、そっか……よかった……」ウルッ
梨子(えっ、泣くほど感動したの?)
千歌「ぐすっ……うわぁぁぁぁぁん!! わたし、もっ……チカもっ、(梨子ちゃんの事)大好きっ!」ダキッ
梨子(はいはいようちか尊い尊い)ナデナデ
梨子(……本当に(曜ちゃんの事)大好きなのね)クスッ
梨子(まいったなぁ、これじゃあ……)
梨子(……私の入り込む隙間なんて、どこにもないじゃない……)グスッ 千歌「ぐすっ……梨子ちゃん?」
梨子「……っと、ううん、なんでもない」ゴシゴシ
梨子(そうそう、今は恋する乙女(千歌ちゃん)と鈍感王子(曜ちゃん)を応援するモブ、桜内梨子でいないとねっ)
千歌「……ち、ちなみにさ」
梨子「なあに?」
千歌「梨子ちゃんはその……(チカの)ど、どんなところが好きなのかなって」
梨子(えっなにそれは)
梨子((曜ちゃんの)好きなところって……そこまで細かく確認するの!?)
梨子(め、面と向かって言われるとなかなか思いつかない……いいや、勢いで適当にごまかしちゃえ) 梨子「……それはね――」顎クイッ
千歌「ひゃっ!?///」ドキッ
梨子「――(曜ちゃんの、好きなところくらいは)自分で確認するものよ?」ウインク
梨子「……なーんてね♪」
千歌「(チカのどこを好きになったのか、チカ自身が確認しろなんて)り、梨子ちゃんって、結構大胆なんだね///」ポーッ
梨子「えぇ、(曜ちゃんと千歌ちゃんの)恋のためなら」ニコッ
千歌「(チカと梨子ちゃんの)こ、恋……もうっ///」バシッ
梨子(ふふっ、照れてる照れてる。何とかごまかせたかな?)
千歌「……で、でも、ごまかされはしないよ? 大事なことだもん」
梨子(いやいや、そんなに大事なのこれ? そんなに私の(曜ちゃんへの)好意を再確認したいの? ともすれば三角関係になって事故るわよ?)
千歌「ほ〜ら、(梨子ちゃんがチカの)好きなところを具体的に挙げるまで、帰さないからっ!」
梨子(うわ〜、完全に惚気話……まぁ、せっかくだから付き合ってあげようかな。(曜ちゃんに)恋する乙女ってかわいいし♪) 梨子「はいはい、わかったわかった。えーっと、まず……」
梨子(曜ちゃんの好物って、確か……)
梨子「みかんを食べてるところ、かな。こないだ、(曜ちゃんが)一人でみかんをたくさん食べてるのを見ちゃって……かわいかったなぁ」
千歌「も、もうっ、恥ずかしいよ///」
梨子(えっ千歌ちゃんが恥ずかしがるのそこ?)
梨子「え、えーっと、あとは……元気なところ!」
千歌「うんっ、(チカの)数少ない取り柄だと思ってる!」
梨子(千歌ちゃんが(曜ちゃんの取り柄を)数少ないって言っちゃうの!?)
梨子「え、え、えーっと……ば、バストとか! 私ってほら、あんまり大きくないし……82cmもあるって、羨ましいなぁ」
千歌「……も、もう、エッチ/// ……こ、今度触ってみる? なんちゃって///」テヘヘ
梨子(ええぇっ!? 友人に恋人の胸触らせるの!? エッチなのはどっちよ!?) 曜「……あっ! おーい!」タッタッタッ
梨子「あ、曜ちゃん」
千歌「よ、曜ちゃんっ」
曜「おーぅ? 二人で密会なんて、羨ましいでありますなぁ」ニヤニヤ
梨子(まずい、これじゃあ(私と千歌ちゃんが愛し合ってるみたいな)変な誤解が……!)
梨子「ち、違うの!」
千歌(えっ違うの? どう考えても密会なんだけど?)
曜「そっか、なんか二人でいい雰囲気だったみたいだからさ〜」
梨子「まさかまさか、そんなこと全然ないって!」
千歌(えっそこまで言う?)
曜「ひょっとして……二人とも、相思相愛!?とか思っちゃった」エヘヘ
梨子「ないないない、絶対ないって! そんなことあるわkへぶっ!?」バシーン!! 千歌「梨子ちゃんのばかっ! 曜ちゃんっ、一緒に帰ろうっ!」プンプン
曜「え、えーっと、うん? り、梨子ちゃん……大丈夫?」
梨子(い、いたたた……な、なんでフォローしたのに千歌ちゃんのビンタを……)ヒリヒリ
梨子(……あれ、待って……? 「I love you.」って……)
梨子「曜ちゃんを(愛しているって意味じゃなくて)……」
曜「え、私?」キョトン
梨子「あなたを、愛している(って意味だった!?)……」
千歌「」
曜「え、えっ!?///」
梨子「ち、違う! 今……(間違いに)気づいたの!」
千歌「」
曜「い、今(私への気持ちに)気付いたの!? っていうか何が違うの!?///」
梨子「千歌ちゃん……(間違いに気づかなくて)ごめん……」
曜(えええええっ!? 謝る!? 千歌ちゃんに謝って私に告白!? 二人が結ばれるも、3人の友情関係にひびが入るドロドロの恋愛ドラマスタート的な!?///)
ビッターン!! バシーン!
梨子「」ヒリヒリ
曜(何故私も……)ヒリヒリ
千歌「しいたけ、一緒に帰ろっか」
しいたけ「わんっ!」
完 以上です、読んでくださった方がいれば感謝を
ありがとうございました ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています