海未「ひこうき雲」
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穂乃果「あっ飛行機だよ海未ちゃん」
海未「ええ」
穂乃果「飛行機雲が伸びていくね」
海未「ええ」
穂乃果「…ねえ海未ちゃん」
海未「何ですか?」
穂乃果「ユーミンのひこうき雲っていう歌知ってる?」
海未「知ってますよ。 …確か、亡くなった友達のことを想って作られた曲だったと思いますが」
穂乃果「うん、そうだよ…」
穂乃果「海未ちゃん」
海未「何ですか?」
穂乃果「……」
穂乃果「…もし」
穂乃果「穂乃果が死んじゃったら、海未ちゃんは」 海未「っ!!」
海未「穂乃果っ!!!」
海未「何を言い出すのですか!!」
穂乃果「……ごめん」
穂乃果「海未ちゃん」
穂乃果「穂乃果ね、ときどき不安になることがあるんだ」
穂乃果「ある日、突然なんの前触れもなく」
穂乃果「誰か私の大切な人が死んじゃったらどうしようって」
海未「……」
穂乃果「…この前、音ノ木坂の学区内で事件があったでしょ」
海未「…ええ」
海未「通り魔だったらしいですが」
穂乃果「私たちが何気なく過ごしている今日が、明日も当たり前のように来る保証なんてどこにもない」
穂乃果「この日常が、海未ちゃんやμ'sの皆と過ごせる日々が明日も来るとは限らない」
穂乃果「…そんな気になるの」
穂乃果「ときどき」
海未「……」 海未「穂乃果」
穂乃果「海未ちゃん…」
海未「…穂乃果の気持ちは…分かります」
穂乃果「え…?」
海未「私も…そんな気持ちになったことがありました」
海未「まだ小さい頃…穂乃果やことりと仲良くなって間もない頃です」
海未「あの頃の私は弱気で…友達ができて嬉しかった反面、その友達がある日いきなりいなくなってしまったらどうしようなんて」
海未「そんな気にもとめても仕方ないことで不安になって…泣いてましたよ」
穂乃果「海未ちゃん…」
海未「…そう、仕方ないんですよ。そんな事をいくら気にとめても」
海未「明日のことは誰にも分かりません。何かいいことがあるかもしれないし、明日で人生が終わるかもしれない」
海未「…だから明日に希望が持てるんです。誰もがあらかじめ運命が分かるのであれば、近いうちに死ぬ運命が見えた人たちに世界中をめちゃくちゃにされてしまいます」
海未「分からないからこそ、日々を精一杯生きようという気になれるんです」
海未「…たとえ明日に何が起ころうと、後悔しないように」 穂乃果「…海未ちゃん」
海未「何ですか?」
穂乃果「海未ちゃんはすごいね… 穂乃果にはそんな考えは思いもよらなかったよ」
海未「…ただの理想論ですよ。実際に後悔しないように日々を過ごしているかといえば、そんなことは」
穂乃果「うん…穂乃果も全然ダメだね」
穂乃果「毎日海未ちゃんに怒られてばっかりだしなぁ…タハハ」
海未「いい機会ですよ。これを機に少しはしっかりしてください」
穂乃果「う… が、頑張るよ…ア、アハハ」
穂乃果「……」
穂乃果「…ねえ、海未ちゃん」
海未「何ですか?」
穂乃果「さっきの海未ちゃんの話、すっごく心に残ったんだ」
穂乃果「これからは、人生がいつ終わってもいいように後悔を残さないように生きていこうと思うよ」
海未「それはいい心がけです。でしたらこれからはもっとしっかり…」 穂乃果「だから今まで言えなかったけど言うね」
穂乃果「海未ちゃん。大好き」
海未「?!///」
海未「」
穂乃果「海未ちゃん?」
海未「」
穂乃果「海未ちゃ」
穂乃果「…」
海未「」
穂乃果「…」
穂乃果「…海未ちゃん…死んじゃった」グスッ
完 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています