梨子「わ、私と曜ちゃんの」曜「短編集だよ!」
レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。
【朝】
梨子「曜ちゃん、朝だよ」
曜「んー……」
梨子「ほらほら、早く起きて」ユサユサ
曜「まだ眠いー……」
梨子「だめだよ、学校遅刻しちゃうから」
曜「はーい……」モゾモゾ
梨子「ふぅ」
曜「隙ありー!」
梨子「きゃっ!?」
曜「えへへ?梨子ちゃんいい匂い?」ギュー
梨子「もー……遅刻しちゃうよ」 今度の映画と同時上映するって本当ですか!?
また飲み物に薬混ぜてて草 感動した中言うのもあれだけど
えっちって言う梨子ちゃんめっちゃえっち 梨子(曜)「……あれ?」
梨子「ここ何処だろう?さっきまで自分の部屋にいたはずなのに」
梨子「って梨子ちゃんの部屋じゃんここ!」
梨子「いつの間に来ちゃったんだろう」チラッ
梨子「ん?」
梨子「あれ?」
梨子「梨子ちゃん?」
梨子「私、梨子ちゃんになってる!?」 梨子「……ごくっ」フニッ
梨子「柔らかい……」フニフニ
梨子「なるほど、これは夢だね。ということは何してもいいんだよね」
梨子「ん……こほん」
梨子「曜ちゃん、私ね、曜ちゃんのことが大好きなの」
梨子「だからね、えへへ、曜ちゃんがしたいこと……なんでもしてあげる」
梨子「っ〜〜〜〜なーんて言っちゃったりっっっ!!」
梨子「せっかくだから録音しておこっと」
梨子「あ、スマホロックされてる」
梨子「0419……と」ポチポチ
梨子「おおー、開いた」
梨子「やっぱり夢の中だねー」 prrr
梨子「ん?電話?」
梨子「曜ちゃんから……って私?」
梨子「もしもしー?」
曜(梨子)『もしもし、曜ちゃん!?』
梨子「そうだけど、もしかして梨子ちゃん?」
曜『うん!なんでか分かんないけど、私たち入れ替わっちゃったみたいなの!』
梨子「なるほどねー」
曜『とりあえずお互いにバレないように振る舞おう』
曜『怪しまれないように、私は今日はすぐ寝ちゃうから!』
梨子「うん、分かった」
曜『それと、机の上の日記帳は絶対見ないでね!絶対だよ!』
梨子「了解ー、日記帳ってこの水色のやつだよね?」
曜『うん、それだよ』
梨子「◯月×日、今日は曜ちゃんと手を繋いだ。胸の音が凄くうるさかった。顔が赤いのバレてなかったよね?」
曜『読まないで!曜ちゃん、分かった!?』
梨子「はいはーい」 梨子「どれどれー」ペラペラ
◯月△日
飛び込みで疲れてた曜ちゃんに膝枕しちゃった。
みんなのヒーローの曜ちゃんも、その時だけは私だけの曜ちゃんだった。
えへへ、曜ちゃんの寝顔たくさん堪能しちゃった。
曜ちゃん、大好き。ちゅっ♡。
梨子「おおー、流石私の夢」
梨子「梨子ちゃんメロメロじゃないですか」
梨子「よーし、お返事書いておこうっと」
梨子「『私も好きだよ。ちゅっ♡』と」カキカキ
梨子「他のページも全部私のことだしなー」
梨子「全部お返事書こうかな」カキカキ 梨子「ん、このノートは?自作の小説?」
梨子「『堕ちていく天才ピアニスト〜逃げ場のない船上〜』……どんな内容なんだろう」
梨子「ふむふむ……おおー」
梨子「梨子ちゃんが私に無理やり襲われてる」
梨子「夢の中の梨子ちゃんはマゾなんだねー」
梨子「いやー、本物の梨子ちゃんがこれ書いてたら興奮しちゃうなー」
梨子「あー、せっかくだし夢の中でしかできない何かをしたい」
梨子「そうだ、梨子ちゃんの姿でしよっと」
梨子「何か道具も……お!押入れの中に発見!」
梨子「後はスマホで動画とりながらっと」
梨子「ん……こほん」
ポチッ
梨子「はじめまして、曜ちゃんのことが大好きな桜内梨子です」
梨子「今日は、曜ちゃんのことを想いながらしちゃいたいと思います」
ーーー
ーー
ー 曜「ん……?」
曜「もう朝?」
曜「あ、元に戻ってる!」
曜「当たり前か。夢だし」
曜「はー、楽しかったなーまた見たいなー」
「曜ー!起きなさいー!朝ごはんできてるわよー!」
曜「はーい!」
曜「よーし、今日も一日頑張りますか!」 〜教室〜
曜「お、梨子ちゃん発見!」
曜「梨子ちゃん、おはヨーソロー!」
梨子「おはヨーソロー、じゃないわよ!」
曜「え?」
梨子「曜ちゃんのばかっ!あほっ!変態!すけべ!すけこましっ!」
梨子「私のスマホで何撮ってるのよ!」
曜「え……?」
梨子「あ、あんな……あんな、へ、変態な動画!」
梨子「し、しかも曜ちゃんのこと好きっていいながらっ!」
梨子「信じられない!この変態!」パシーン 曜「え、あ、嘘、あれ夢じゃないの?」
梨子「夢じゃないわよ!昨日電話したでしょ!」
曜「う、嘘……」サァァァァ
曜「で、でも、おかしいよ!だって梨子ちゃんのスマホの暗証番号、私の誕生日だったよ!?」
梨子「っ///」
曜「日記も全部私のことばっかりだったし!」
曜「しかも私と梨子ちゃんを題材にしたえっちなしょうせーー」
梨子「ば、ばかー!」パシーン
梨子「もー!曜ちゃんのばかばかばかー!」
梨子「こんなのもうお嫁にいけないじゃないー!」
梨子「責任取って貰いなさいよ!ばかー!」パシーン
曜「え、つまり、梨子ちゃんって私のこと好きなの?」ヒリヒリ
梨子「っ〜〜〜///」
梨子「曜ちゃんのばかーーーー!」パシーン
ルビィ(善子)「ルビィの部屋……私の写真ばっかりじゃない……」ガタガタ
善子(ルビィ)「……この姿なら、ルビィの方が力が強いよね?」
ルビィ(善子)「ひっ!?」 曜ちゃんの誕生日は0417やで
自分が誕生日同じだから覚えてるんだけども 曜ちゃんの誕生月と梨子ちゃんの誕生日を合わせた可能性 「渡辺先輩のことが好きです!付き合ってください!」
曜「ありがとう、嬉しいよ」
曜「でもごめんね、私は君のこと、友達としか思えないの」
「っ……そんな」
曜「これからも、友達でいようね」
「……はい」 曜(少し優しくしたりするだけで惚れちゃうんだから、人間って単純だよね)
曜(やっぱり楽しいな、人を好きにさせるのは)
曜(次はどの子にしようかなー)
「転校生を紹介するぞー」
梨子「東京から転校してきた、桜内梨子です。よろしくお願いします」ペコリ
曜「……へぇ」
曜(東京の子かぁ、結構可愛いね)
曜(大人しそうで全然恋愛も知らなさそう)
曜(よし決めた、次はあの子に決定) 曜「初めまして、梨子ちゃん」
梨子「は、初めまして」
曜「私は渡辺曜。曜ちゃんって呼んでね」
梨子「え、えっと……曜、ちゃん」
曜「うん!」
曜「まだ来たばっかりで慣れてないよね」
曜「私が学校を案内するよ」ギュッ
梨子「あ……っ///」
曜(手を繋いだくらいで赤くなるんだ)
曜(これは簡単に堕とせそうだなー) 曜「梨子ちゃんは何か好きなものあるの?」
梨子「ピアノ、かな」
曜「弾けるんだ?」
梨子「ちょっとだけだよ」
曜「そうなの?聞いてみたいな」ギュッ
梨子「きゃっ!?」
曜「ねえ、梨子ちゃん」
梨子「か、かお、ちかっ……///」
曜「ん?」
梨子「わ、分かった!分かったから///」
曜「ありがとう、梨子ちゃん」
曜「じゃあ音楽室に行こうか」ギュッ
梨子「っ///」
曜(やっぱり近い距離間に慣れてないんだね)
曜(顔真っ赤にしちゃって、可愛いなぁ) 〜〜〜〜♪
梨子「どう、だった?」
曜「上手だったよ」
曜「感動しちゃった」
曜「梨子ちゃんは凄いんだね」
梨子「そんなことないよ」
曜「ううん、そんなことあるよ」
曜「私、梨子ちゃんのこともっと知りたくなっちゃった」
梨子「え?」
曜「今週デートしよっか」
曜「土曜日と日曜日どっちがいい?」
梨子「いや、えっと……」
曜「私は土曜日がいいんだけどいいよね?」
梨子「あ、うん……」
曜「よし、決まり」
曜「じゃあ、駅に10時に集合ね」 〜土曜日〜
曜「あーん」
梨子「あ、あーん///」パクッ
曜「ここのケーキ美味しいでしょ?」
梨子「うん……///」
〜
曜「この服似合うんじゃない?」
曜「着てみてよ」
梨子「え、でも」
曜「大丈夫、梨子ちゃんなら何着ても絶対可愛いから!」
曜「ほらほら、早く」
梨子「///」
〜
曜「梨子ちゃんは恋愛映画好き?」
梨子「好き……だよ」
曜「私も好きだよ」
曜「それに、参考にもなるしね」
曜「これから梨子ちゃんと一緒にいる時のさ」
梨子「え、えっと……っ///」
曜「ふふ、半分くらい冗談だよ」
曜「でも、もう半分は……分かんないよ?」ギュッ
梨子「///」 曜「あー、楽しかった」
曜「梨子ちゃんといると時間があっという間だよ」
曜「梨子ちゃんはどうだった?」
梨子「楽しかった……です」
曜「そっか、良かった」
曜「それじゃあさ、最後にもっと楽しいところいく?」
梨子「え、それって……」
曜「ホテルだよ。沼津だと仲のいい子がホテルに行くのは普通なんだ」
曜「来てくれるよね、梨子ちゃん?」ギュッ
曜(はい、堕ちた)
曜(簡単すぎるなー、やっぱり)
梨子「ごめんなさい……!今日は、もう帰らないと」
曜「え?」
梨子「じゃ、じゃあまた明日ね、曜ちゃん!」ダッ
曜「……嘘」
曜「タイミングが早すぎた?いや、そんなわけ……」
曜「……ふふ、ちょっと面白くなってきたね」
曜「絶対私に惚れさせてあげるよ、梨子ちゃん」 〜一ヶ月後〜
曜「……なんで?」
曜「なんで梨子ちゃんは私に靡かないの?」
曜「あんなに顔真っ赤にしてるのに」
曜「しかも、最近はなんだか私といると辛そうにしてる」
曜「直接聞いてみようかな」
曜「うん、そうしよう」 曜「ねえ、梨子ちゃん」
梨子「なに?」
曜「なんで最近、そんなに辛そうな表情してるの?」
梨子「っ……別に、そんな表情……」
曜「元気出してよ」ギュッ
梨子「…………」
曜「ほら、やっぱり」
曜「辛いことがあるなら教えてよ」
曜「力になるからさ」
梨子「……ない、よ」
曜「ふーん、そっか」
曜「それとね、もう一つ聞きたいことがあるんだ」
曜「梨子ちゃん、どうして私のことを好きになってくれないの?」
曜「私は、こんなに梨子ちゃんのこと好きなのに」ギュッ 梨子「……てよ」
曜「え?」
梨子「やめてよ」
曜「……?」
梨子「心にも思ってないこと、簡単に、言わないでよ」
曜「梨子、ちゃん?」
梨子「好きにならない理由なんて、なんで聞くの?」
梨子「そんなの、簡単じゃない」
梨子「だって、曜ちゃん、私が、ぐすっ、好きに、なったら、離れ、ちゃうんでしょ?」
曜「!」
梨子「酷いよ、こんなの、酷い、よ」
梨子「好きなのに、言えないなんて、こんな、の、」
梨子「っ!」ダッ
曜「まっーー」
タタタタタ 曜「……梨子ちゃん、泣いてた」
曜「私のせい、だよね」
曜「そっか、バレてたんだ」
曜「それじゃあ仕方ないよね、堕とせなくても」
曜「……あれ、なんでだろう、心が、痛い」
曜「なんで、涙が、出て、」
曜「……ばか」
曜「私は、本当、ばかだ」
曜「梨子ちゃんを傷付けて、やっと分かった」
曜「私のしてきたことが、最低だったことに」
曜「梨子ちゃんのことが、好きだってことに」
曜「……謝らないと」
曜「それで、許してもらえるなら、私から……」 曜「ここにいたんだ、梨子ちゃん」
梨子「……さっきはごめんね」
梨子「いきなり泣いちゃって」
曜「ううん、むしろ、私の方が謝らないと」
曜「ごめん、梨子ちゃん」
曜「私、最初は梨子ちゃんを惚れさせて遊ぼうとしてた」
曜「最低だった。梨子ちゃんを傷付けて、初めてそれに気付いたんだ」
曜「本当に、ごめん」
梨子「曜ちゃん……」
曜「虫のいい話かもしれないけど、聞いてほしい」
曜「私、梨子ちゃんのことがーー」 曜「…………っ!」
曜(あれ、言えない?)
曜(なんで?)
曜(好きっていうだけなんだよ?いつも言ってたでしょ?)
曜(ほら、早く言わないと)
曜(でも、断られたらどうしよう)
曜(今までの関係が壊れたら)
曜(……怖い)
曜(告白するのが、怖い)
曜(みんな、こんなことしてたんだ)
曜(っ、言わないと)
曜(言え、言えっ!言えっ!!)
曜「っ、す、好き、です」
曜「だ、だから、わ、わたし、と、その、つ、付き合って、く、くだ、」
梨子「……っ、ふふっ」クスッ
曜「え?」 梨子「ごめんね、でも、なんだか凄く新鮮だったから」
曜「新鮮?」
梨子「うん。曜ちゃんっていつも余裕の表情だったけど、今は恋する普通の女の子なんだもん」
曜「い、言わないで///」
梨子「……私と、同じだね」
曜「え?」
梨子「私も、曜ちゃんのことが好き」
曜「!」
梨子「えへへ、やっと言えた」
梨子「ずっと、言いたかったんだもん」
曜「……ごめんね、待たせちゃって」
梨子「いいよ、その分、これからたくさん言うんだから」
梨子「大好きだよ、曜ちゃん」
曜「えへへ、私も梨子ちゃんのこと、だーいすき」
鞠莉「後輩は素直になったけど、果南はいつ素直になるんでしょうねー?」
果南「……うっさい」 え〜ホテルに行ってるとか
この曜ちゃん非童貞なんか 「えーん、えーん!」
「こんにちは。どうして泣いてるの?」
「え……?な、なんでここに人が?」
「うーん、たまに遊びに来る森だし、なんでと言われても」
「……ごめんなさい。すぐに出て行くね」
「いや、いいよ。ここはみんなの森だし」
「……うん」
「私は曜。曜ちゃん、って呼んでね」
「曜ちゃん……」
「それで、どうして泣いてたの?」
「お父さんに、酷いことされるの。もうあんなところ帰りたくない」
「そうなんだ……じゃあ私の家に来る?」
「……だめ。絶対に、帰らないといけないから」
「そんなの倒しちゃえばいいんだよ」
「無理だよ。お父さん、世界で一番強いから」
「それじゃあ、私がいっぱい修行して、世界で一番強くなって、助けに行くね!」
「え?本当に?本当に、助けてくれるの?」
「本当だよ。そうしたら、私の家に来られるもんね」
「……約束だよ、待ってるから」
「うん!」 〜10年後〜
曜「今日から勇者として旅立つぞー!」
曜「まずは仲間を集めないとね!」
梨子「あの、勇者様ですよね?」
曜「ん?君は?」
梨子「私は梨子っていいます。もしよければ、勇者様のパーティーに加えてもらえないでしょうか?」
梨子「こう見えても魔法に自信があります」
曜「いいよ!」
梨子「え、いいんですか?」
梨子「こんなに簡単に?」
曜「うん!こういうのは直感が大切だからね」
曜「よろしくね、梨子ちゃん」
梨子「よろしくお願いします」
梨子「……曜ちゃん」
曜(あれ、私名乗ったっけ?)
曜(まあいいか) 〜とある洞窟〜
梨子「ファイヤーボール!」
ドーン!
曜「おお!梨子ちゃん凄い!」
曜「敵が一気に消し炭になった!」
梨子「こんなの、大したことじゃないよ」
曜「ううん、凄いよ!」
曜「この力で、世界のみんなを救おう!」
曜「魔王を倒すんだ!」
梨子「……うん」 〜野宿〜
パチパチパチパチ
曜「こうやって火をたくのも、『冒険に出たー!』って気分になって楽しいね」
梨子「途中から嫌になると思うよ」
曜「なるわけないよ。だって梨子ちゃんが一緒だと楽しいんだもん!」
梨子「……///」
曜「そうだ、梨子ちゃんはなんで私についてきたの?」
曜「梨子ちゃんぐらいの強さがあれば、お城で宮廷魔術師にもなれるんじゃない?」
梨子「冒険に、出たかったの」
曜「冒険に?」
梨子「うん。いつも家の中にいたから、外の世界を見たかった」
梨子「だから、かな」
曜「そうなんだ。じゃあ、いっぱいいろんな世界を見ないとね」
梨子「うん」 〜vs四天王〜
曜「せやぁっ!」ズバッ
「グァァァァァァッッッ!」ドターン
曜「ふぅ、結構苦戦したね」
梨子「曜ちゃん、凄い」
曜「え?何が?」
梨子「だって、魔王軍の四天王を倒したんだよ?」
曜「梨子ちゃんが手伝ってくれたからだよ」
梨子「そんなことない。私の魔法は全然効いてなかったから」
曜「そんなことないと思うけどなー」
梨子「曜ちゃんなら、もしかしたら……」
曜「ん?何?」
梨子「ううん、なんでもないよ」 〜ダンジョン〜
曜「こっちも行き止まりかー」
曜「どうしよう、このままだと食料が尽きちゃうね」
梨子「……ごめん、なさい」
梨子「私が、私が罠にかかったせいで……」グスッ
曜「梨子ちゃんのせいじゃないよ」
曜「私が前にいても変わらなかったからさ」
梨子「で、でも、このままじゃ……」
曜「大丈夫だって、なんとかなるから」
曜「梨子ちゃんと一緒なら、なんだってできる気がするもん」
曜「こんなの余裕だよ、余裕」
梨子「……曜ちゃん」
梨子「……ありがとう」ギュッ 〜宿屋〜
曜「あー、久しぶりに疲れた」
曜「回復魔法、ありがとうね、梨子ちゃん」
梨子「ううん、私の方こそありがとうだよ」
梨子「動けなくなった私を背負ってくれて……」
梨子「……なんで、置いて行かなかったの?」
曜「そんなの、私が梨子ちゃんといたいからに決まってるじゃん」
梨子「っ……ずるい。そんなこと言われたら、なんにも言えないよ」
曜「えへへ、勇者ってずるいんだよ」
曜「だから梨子ちゃんよりも先に寝ちゃうんだよね、おやすみー」
梨子「……ばか」
梨子「おやすみ、曜ちゃん」
梨子「……さて、と」 「いかに勇者様が強くても、寝てる間は無防備よね」
「ふふ、骨抜きにしてあげる」
梨子「《メガフレア》」
「イヤァァァァァァァッッ!!!」
梨子「全く、曜ちゃんに変なことをしようだなんて許さないんだから」
梨子「曜ちゃんはこういうのに弱そうだから、私が守ってあげないとね」
梨子「……そう、私が守るの」
梨子「曜ちゃんを、あいつから」
梨子「そのために私は強くなった」
梨子「誰にも負けないくらい、強く」 〜vs四天王〜
曜「これで最後、かな」
曜「後は魔王を倒して、世界を救うだけ」
梨子「……そうだね」
梨子「ねぇ、曜ちゃんはどうしてこんなに強くなったの?」
曜「うーん、分かんない」
曜「でも、昔約束した気がするんだ」
曜「強くなって、助けるって」
梨子「!」
曜「だから、いっぱい修行したんだと思う」
曜「ってこれじゃあ意味わかんないよね、ごめん」
梨子「……ちゃんと消したはずなのに、覚えててくれたんだ」ボソッ
曜「ん?何か言った?」
梨子「ううん、なんでもないよ」
梨子「最後の戦いも、頑張ろうね」 〜玉座〜
曜「魔王、観念しろ!」
曜「お前を倒して、世界を救う!」
「脆弱な人間風情がよく吠えるな」
「梨子!遊びは終わりだ!こちらに戻ってこい!」
梨子「……いやよ」
梨子「私はこの場であなたを倒す」
曜「どういうこと?」
梨子「私は、魔王の娘なの」
梨子「でも、考え方に付いていけなかった」
梨子「嫌なことも、たくさんされた」
梨子「だから、あいつを倒すために曜ちゃんと一緒に旅をしてた」
梨子「騙してて、ごめん」
曜「いいんだよ。梨子ちゃんは梨子ちゃんだもん」
梨子「……ありがとう」
曜「背中は預けたよ!」
梨子「うん!」
「……友情ごっこか、ははは、面白いな」
「やれ、梨子」
グチャッ!
曜「か、はっ、」ドサッ
梨子「……え?」ピチャ 梨子「な、なんで、私、」
「ははは、幼い頃から魔術でお前を操っていたのだ」
梨子「うそ……いや、いやぁ!」
梨子「しっかりして、曜ちゃん!」
「無駄だ。人間は脆いからな」
「やはり楽しいな、他人が泣き叫ぶ姿を見るのは」
梨子「っ、ぅ、ぁ、ぁぁっ、」
梨子「守るって、決めたのに、」
梨子「なんで、なん、でぇ、」
曜「……梨子ちゃんを、泣かせたな」ググッ
「なんだと……!?その傷で、何故!」
「怒りか……?友情ごときのために……」
曜「友情じゃ、ない!」
曜「私のは……愛情だっ!」
曜「やぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」ズバッ
「ぐぁぁぁぁっっっ!!!」
「ばかな……この私が……人間に……!」 曜「えへへ、やったよ、梨子ちゃん」
梨子「っ、ばかっ!なんで、こんなにボロボロになってまで、戦うの!」
梨子「なんで、私なんかのために……!」
曜「……昔、約束したでしょ」
梨子「え?」
曜「私が一番強くなって、梨子ちゃんを助けるって」
梨子「っ!覚えて、たんだ」
曜「当たり前だよ」
曜「でも、ちゃんと思い出したのは魔王と戦ってから、かな」
曜「約束、果たせて良かったな」
梨子「……ありがとう。曜ちゃん」 曜「よし、完全回復」
曜「やっぱり梨子ちゃんの魔法は凄いね」
梨子「そう、かな?」
曜「うん!」
曜「それじゃあ、魔王も倒したし、私の家に行こうか」
梨子「え?」
梨子「みんなに報告はしなくていいの?」
曜「うーん、まずは私の両親に報告がいるかなって」
梨子「え?魔王を倒したって?」
曜「ううん、梨子ちゃんがお嫁に来るって」
梨子「え?///」
曜「お家に来るって約束したもんね」
梨子「ま、待って、それってそういう意味で///」
曜「いやまあ、梨子ちゃんのこと好きだし……ほら、私勇者じゃん?」
曜「だったら、少しくらい我儘言ってもいいかなって」ギュッ
梨子「っ……///」
曜「梨子ちゃん、来てくれるよね?」
梨子「ふ、不束者ですが、よろしく、お願いします///」
花丸「魔王様が死んだずら」
千歌「人間の街に移住しようか」 パシーン!
梨子「曜ちゃんのバカ!浮気者!」
曜「いきなり叩かないでよ!」
曜「別にいいじゃんこれくらい!」
梨子「っ、私はいやだもん!」
梨子「もう曜ちゃんなんて知らない!」
曜「あ、ちょっと!どこ行くの!」
梨子「もう出てく!ばか!」
曜「まっーー!」
バタン! 〜数日後・居酒屋〜
曜「うっ、うううっ、ぅっ、がなんぢゃぁぁぁぁん!」
果南「いきなりこんなところに呼び出してどうしたの?」
果南「いやまあなんとなく分かるけど……」
曜「梨子ちゃんがぁっ、梨子ちゃんがいえでじじゃっだのぉっ!」
曜「ぜんぜんっ、がえっで、ごなぐでっ、ひぐっ、でんわもっ、でて、くれないっ、」
曜「うっ、ぐずっ、わたじっ、ぎらわれじゃっだっ、」
曜「ぅ、ひぐっ、えっ、ぇぐっ、」
果南「そっか」 果南「なんで梨子ちゃんは出て行ったの?」
曜「わだじがっ、りこじゃんに、ひどいごと、ぐすっ、したからっ、」
果南「何したの?」
曜「こうはいのこにっ、おちゃに、さそわれで、それで、いっちゃったの、」
曜「うっ、ううぅっ、ぇぐっ、」
果南「うーん、まあ、確かにそれくらいならって思うかもだけどさ」
果南「曜は梨子ちゃんと付き合ってるわけだし」
果南「他の子と軽率に遊びに行くのはーー」
曜「うぇぇぇぇぇぇぇんんんりごちゃんごめんなざぃぃぃぃぃぃっっっ」
果南「…………」 曜「やだぁ、やだよぉ、」
曜「りこちゃんが、ぐずっ、いないとっ、なんにも、できないよぉ、」
果南「曜はモテるんでしょ?」
果南「他の子じゃいけないの?」
曜「やだぁっ、りごちゃんじゃないと、だめなのっ、」
曜「ぅぅぅ、もどってきてぇ、りこじゃぁん、ぐすっ、」
果南「はぁ……そろそろ許してあげたら、梨子ちゃん」
曜「え……?」
梨子「……///」 曜「り、梨子ちゃん……?」
梨子「曜ちゃん……その、ごめん、ね」
梨子「私も良くなかったと思う……ヤキモチ妬いて、すぐ感情的になっちゃった」
梨子「でも、曜ちゃんが他の子と二人で遊びに行くのは、いや、だもん……」
曜「うぇぇぇぇぇぇんんんんっっっ」ギュッ
曜「りごじゃぁん、ごめんなざいっ、」
曜「すてないでぇっ、」
梨子「っ///も、もぅ///曜ちゃんは、し、しょうがないんだから///」
梨子「……今回は許してあげる///」ギュー
曜「ぅっ、ぐすっ、っ、りこじゃあん」ギュー
梨子「全く///曜ちゃんは私がいないとダメダメなんだから///」
梨子「えへへ///」
果南「疲れたー。あの二人もいろいろ大変だねー」
花丸「なんで毎日マルの家にくるずら……」 後輩「アイスティーしかなかったんですけど宜しいでしょうか?」 リリちゃんへ
文通を始めてからそろそろ2年ぐらい経つのかな?
少しずつ温かくなってきたけど、まだまだ寒くてベッドから出るのが大変だよー。
この前そのせいでバスに乗り遅れちゃったし。
リリちゃんが毎日起こしに来てくれれば寝坊もしないんだけどなー。
東京は寒いの?この前大雪でニュースになってたけど大丈夫だった?
風邪ひかないように注意してね。
それと、私が風邪ひいたら看病に来てね! 千歌「よーちゃん、また文通?」
曜「うん!リリちゃんに出すんだ!」
曜「はー、返事が来るのが楽しみだなー」
千歌「そんなにすぐ来ないでしょ」
曜「まあそうだけど……でも楽しみだもん!」
曜「いつか会いたいなー」
千歌「何処に住んでるんだっけ?」
曜「東京だよ!」
曜「凄くお洒落で、綺麗な子なんだろうなー」
千歌「曜ちゃんそればっかりだよねー」
千歌「もしかして、好きなの?」
曜「……そ、そんなんじゃないって///」 〜数日後〜
曜「ただいまー」
曜「手紙来てる!リリちゃんからだ!」
ユウちゃんへ
こっちもまだ寒いよ。ユウちゃんは寒がりだから、大変だよね。
寒い時はね、手を繋ぐと温かくなるよ。
一緒の学校に通えたら、手を繋いで登校ができるのに。
ふふ、なーんて、このやり取りも何回目だろうね。
風邪はひいたらだめだよ。私が心配して、眠れなくなっちゃうから。
それとね、実は私、引っ越すことになったの。
何処へ行くと思う?
それはね、なんと、ユウちゃんと同じ沼津です。
向こうで落ち着いたら、ユウちゃんに会いたいな。
えへへ、ユウちゃんってどんな人なんだろう。
会うのが楽しみだな。
曜「リリちゃん、沼津に来るの!?」
曜「どうしよう、凄く嬉しい!」
曜「……私も、会いたいな」 「転校生を紹介するぞー」
千歌「転校生だって!曜ちゃん!」
曜「楽しみだねー」
曜(リリちゃんもそのうち転校してくるのかな)
曜(うーん、でも多分内浦には来ないよね)
梨子「東京から転校してきました、桜内梨子です」
曜「……綺麗」
曜(東京の子って、あんなに綺麗なんだ)
曜(……って何見惚れてるの私!)
曜(私はリリちゃん一筋なんだから)
「席は渡辺の隣な」
曜「よろしくね、梨子ちゃん」
梨子「よろしくお願いします……えっと、」
曜「渡辺曜だよ。曜ちゃんって呼んでね」
梨子「よ、曜……ちゃん///」 〜数日後〜
曜「へー、じゃあ梨子ちゃんは千歌ちゃん家のすぐ隣に住んでるんだ」
梨子「うん。曜ちゃんは遠いんだっけ?」
曜「そうなんだよ。だから朝早く起きないといけなくて」
ビュォォォォォォォッ
曜「……さむっ」
曜「春の天気じゃないよこれ……」
梨子「確かに寒いよね」
曜「…………」
ギュッ
梨子「え?」
曜(あれ、私、何やって……)
曜(これ、リリちゃんとしたかったことなのに……)
梨子「曜、ちゃん?」
曜「寒い時は手を繋ぐといいんだって」
曜「どう、温かくなった?」
梨子「……うん///」
梨子「……凄く、あったかい///」ピトッ
曜「っ///」 〜数日後〜
曜「……なんて、返せばいいんだろう」
曜「あれだけリリちゃんに会いたかったのに、今はもう合わせる顔がない」
曜「リリちゃんのことが、好きだったはずなのに」
曜「なんで、梨子ちゃんのことが、こんなに気になって……」
曜「……謝ろう、リリちゃんに、ちゃんと」
リリちゃんへ
ごめん。リリちゃんに、言っておかないといけないことがあるの。
私、好きな人ができたんだ。
リリちゃんと同じで、東京から転校して来た子なの。
ずっと、私はリリちゃんのことが好きだった。
でも、今は、多分その子の方が好きになっちゃってる。
もう、リリちゃんに合わせる顔がない。
ごめん。本当にごめん。 ユウちゃんへ
謝らないといけないのは、私の方だよ。
私も、ユウちゃんのことが好きだった。
でも、今は他に好きな人ができたの。
まだ会ってからそんなに日が経ってないけど、臆病で、引っ込み思案な私の手を引いて、いろんな景色を見せてくれる人なの。
みんなの人気者だから、多分私は相手にされないと思う。
でも、好きになっちゃったから、頑張りたいの。
来週、告白しようと思ってる。
ごめんね、ユウちゃん。
会えるの、本当に楽しみにしてたの。
でも、お互いのけじめのために、もう文通も終わりにしよう。
今までありがとう、ユウちゃん。 〜数日後・放課後〜
曜「ごめんね、急に呼び出して」
曜「梨子ちゃんに渡したいものがあって」
梨子「ううん、平気だよ」
梨子「私も曜ちゃんに渡したいものがあったから」
曜「それなら丁度良かった」
曜「じゃあ、同時に渡そうか」
梨子「うん」
曜(……リリちゃんと文通してた時の便箋)
曜(これでラブレターを書くことになるなんて、思わなかったな)
曜(今までありがとう、リリちゃん)
曜(……さようなら)
ようりこ「「これ、受け取ってください」」 曜「……ん?手紙?」
梨子「え?」
曜「あれ、その色……」
梨子「絵柄、見覚えが……」
曜「も、もしかして……リリ、ちゃん?」
梨子「え!?な、なんでその名前……」
梨子「……ユウちゃん、なの?」
曜「え、ほ、本当に!?」
曜「……これは、なんというか、その」
梨子「……普通、気付くんじゃないの?」
曜「え?」
梨子「手紙と同じタイミングで、転校して来たら」
曜「その……なんというか、一目惚れしちゃって頭が回らなかったの」
梨子「///」
曜「それを言うなら、梨子ちゃんだって、私が手を繋いだの……梨子ちゃんからの受け売りだよ」
梨子「……嬉しくて、真っ赤になってたの」
梨子「何にも考えられないわよ」
曜「///」 曜「でも、すごい偶然だよね」
曜「文通で好きだった人に一目惚れなんてさ」
梨子「それもお互いに……ね」
梨子「告白の仕方も同じだし」
曜「ふふ、こういうのもなんだか嬉しいね」
梨子「えへへ、小さな幸せ、だね」
曜「この後どこ行こうか?」
梨子「待って、まだ返事を聞いてないよ」
曜「そうだった。じゃあ、お手紙に書くね」
梨子「もー、すぐに手紙にするんだから」
曜「梨子ちゃんも同じこと考えてたでしょ?」
梨子「……あたり」
曜「じゃあまた明日、放課後に」
梨子「うん。楽しみにしてるね」
曜「さようなら、リリちゃん」
梨子「うん。さようなら、ユウちゃん」
ダイヤ「果南さん、こちら返事になります」
果南「お願いだからメールで送って……」 もうすぐ1000か
この調子でEP1000までお願いしますね 曜「梨子ちゃん!梨子ちゃん!」
梨子「どうしたの?」
曜「『好き』って10回言って!」
梨子「好き……」
梨子(これ、引っ掛けのやつだよね)
梨子(うーん、答え知らないやつだ)
梨子(まあ、曜ちゃん楽しそうにしてるし、いいかな)
梨子「うん、いいよ」
梨子「好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き」
梨子「好き」
梨子「はい、10回言ったよ」
曜「えへへー、私も好き///」
梨子「っ///もー、ばかぁ///」
ルビィ「……好き、って言ってくれないんですか?」
果南「……まあ」 レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。