【SS】子羊を狂わすルビィちゃん【よしルビ】
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
今、ヨハネはルビィと放課後の教室で先生に勉強を教えてもらっていた。
というのも私は最初の方、学校に通ってない時期があったから、皆と少し出遅れてるのよね。
なんとなくで理解してる部分もあるけど、ちゃんと教えてもらった訳じゃないから自信がない。
そんな事をうっかり口にしちゃったのが全ての始まりで……
それが先生の耳に入っちゃって、こんな事になっちゃったってわけよ。
まぁ、こういう場を設けてくれるのはありがたいっちゃありがたいんだけど、
こういった扱いを受けるのは結構苦手。
でも、私一人じゃないのがせめてもの救いかしらね。
マンツーマンでこんな事されたら、また来なくなってたかも知れないわ。
なんて、そんな笑えない冗談を思いつつ隣に目をやる。
隣にいる子は、綺麗な赤毛をした女の子。
黒澤ルビィ。
なんでこの子も私と一緒に復習を受けてるのかは知らないけど、この場に私だけじゃないのは精神的にかなり楽だった。
私だけだったらこんな風に余所見する隙すらないものね。
ルビィは今、一生懸命先生の話を頷きながら聞いてる。
それは先生が黒板に目をやっている時でも同様で、どうやら真面目アピールをしてるわけでもないみたい。 「……であるから」
しかし、この先生も生徒二人だけのためによくやるわ。
まぁ、こんな事が出来るのも、うちは生徒数が少ないからよね。
普通の高校だったら見捨てられてるわよ。
でも、私のためにやってくれてるのはわかってるけど、そろそろ退屈になってきた。
だって放課後だし、早く帰りたいもの。
「んっ……」
あくびが出そうなのを堪えるのに必死で、さっきから話が入ってこないし、
もう続きは明日にしてくれないかしら……
「よし、じゃあ……」
……あら?
「今日はここまで」
そんな願いが通じたのかしら、抜群のタイミングで先生が言う。
これは今日、この先生が私にしてくれた事で一番感激した場面かもしれないわね。
「黒板の内容全部写したら帰っていいぞ」
そう言って時計を見ると先生は慌ただしく教室を出ていった、
先生も忙しかったのかしら。
わざわざご苦労様な事で。
「ありがとうございましたっ!」
隣のルビィがお礼を言ったので、私も遅れて感謝を述べる。
この子ほど大きな声で言ってないから聞こえたかはわからないけど。 「はぁ……」
後は黒板の文字をノートに写しだすだけ。
でも、これが一番めんどくさい。
「……ん?」
あれってなんて書いてるのかしら?
先生って崩して書くから読めない字がちらほらあるのよね。
それが知らない漢字だと全く理解出来ない。
「ん〜……」
わからないからもうあのまま書き写しましょうか、
でも元が全くわからないから描いてて自信がない。
黒板に書かれたその文字は確かに文字なんだけど、それを書き写した私の字はただの意味不明な記号のように見えて、
それ以外はちゃんと文字を書いてるのに、その一字だけが異質な雰囲気をノートで放っている。
その違和感が気になって一度消して書き直してみたけど、
でも、やっぱり違和感は消えなくて謎の記号にしか見えなくて。
それが気持ち悪くてもう1回消してみるけど、たぶん次も同じことを繰り返しそうで…… 「よしこちゃん」
そんな事をうだうだ繰り返していると、いつの間にやら私の側に来ていたルビィが、
囁くように私の名前を呼んで、そこにペンを滑らせていく。
ふわっとした挙動にあわせて、ふわりと甘い香りが漂ってきた。
ノック部分に可愛いハートの飾りがついたペンで、
ルビィはゆっくり丁寧に私のノートに文字を綴っていく。
……あぁ、そういう字なんだ。
私が理解すると、またふわりと甘い匂いを放ちながら離れていった。 「あ……ありがと」
少しぶっきらぼうにお礼を言う。
だっていきなりだったから……
ちょっと感じ悪かったかも?
そんな心配をしたけどルビィは私を見て、はにかむように笑ったの。
「なっ…………!」
それがとても可愛くて、愛しくて、
これ以降私はこの子を意識してしまうはめになる。
〜〜〜〜〜 「ルビィちゃんの成績?良い方でもないけど、悪い方でもないよ」
「ダイヤさんもいるしね」とずら丸は付け加える。
「そう」と短く返してずら丸にお礼を言った。
こんな質問をしたのは、ルビィがなんで私と一緒に復習なんて受けてたのかが気になったから。
ずら丸の話によると、そこまで悪い成績でもないみたいだし、わざわざ先生に教えてもらわなくてもあの子には3年生の姉がいるみたいで、家で教えて貰おうと思えば簡単に出来るらしい。
それを聞いてますます一緒に復習を受けてた意味がわからなくなる。
別にそんなの一々考えるような事でもないんだけどね。
じゃあ、なんでそんなこと考えてるかというと、
ルビィは私に好意というか興味があるんじゃないかな?というおめでたい思考回路になったからに他ならない。 だって、あの日以降……ルビィを意識して見るようになってから10回くらい目が合ったんだもん。
私が見すぎってのもあるかもしれないけど、向こうもそのくらい私を見てなきゃあんなに目が合う事なんてないはずだわ。
もしかしたら、あの子は私と仲良くなりたいのかも……
いえ、そんなのは願望で私があの子と仲良くなりたいのよ、本当はね。
でも、向こうも同じこと思ってくれてたら……早い話こっちから話しかけやすいじゃない。
安心が欲しいのよ、こっちからグイグイ行っても向こうが引かないっていう安心が。
どうにかしてあの子の気持ちが分かれば良いんだけど。
〜〜〜〜〜 また放課後がやってきた。
私とルビィと先生の3人だけの授業が始まる。
先生はずっと同じ人、自分の担当外の科目でもルビィの教科書を借りながら私達に懇切丁寧に教えてくれていた。
この人、凄く頑張ってるけど先生自体には意味がない行為なのよね。
別に評価が上がるわけでも給料が上がるわけでもないでしょうし……
でも、そんな事を私が考えるのは余計なお世話よね。
先生の善意を無駄にしないように今は真面目にノートを取る事にしましょう。
この前みたいに読めない字もないからスラスラと書き写せて、話もしっかり頭に入ってきていた。
あとルビィの教科書は先生が持ってるから、私達は1つの教科書をみながら受けてるの。
2つの机をくっつけながらね。
だからちょっとでもかっこいい所を見せたいという見栄もあってか、
いつもより真面目に授業を受けていてたの。
そのおかげか時間もあっという間に過ぎていって、今日はいつもより早く授業が終わった気がするわ。 「じゃあ、二人とも気を付けてな」
そう言ってまた慌ただしく教室を後にする先生。
「ありがとうございましたっ!」
「ありがとうございました」
今日はたぶん聞こえたでしょう、この子ほど大きな声じゃないけど。
しかし、今日は真面目にノートを取ってたから体が凝ってるわ。
「んっ……」
軽く伸びをしてほぐしつつ、何気なく隣のルビィを見るとまた目が合った。
いつもは互いに微笑して、ゆっくり目を逸らすんだけど、今日はずっと見つめてみる事にする。
「…………」
「……?」
すると、どうしたんだろうと言いたげな顔でルビィが首を傾けた。
その挙動でまた甘い香りが漂ってくる。
相変わらず凄く良い匂いで、いったいどんなシャンプー使ってるのかしら?
でも今はそんな事より、先に見てたのはあんたの方じゃないと思ったから、
「……なに?ルビィ」と初めて目が合った事について触れてみたの。 「えっ?」
すると調子のはずれたような声を出し、少し困ったような顔をしだす。
「えぇっとね」
頬を軽くかいてまだ困った様子。
なんだか、この状況は優位に立てそうな気がして、
この子の気持ちを確かめるチャンスだと思い詰め寄ってみた。
「なによ?」
「ううん、なんでもないよ」
「……そうかしら?」
「えっ?」
「目が合ったじゃない」
「見てただけだよ」
「じゃあ、なんで見てたのよ」
「えぇっと……」
「なんなの?」
捲し立てるように問い詰めていく。
ルビィの気持ちを暴くみたいに。
そうしていると…… 「うんとね、それは善子ちゃんが美人さんだからだよ」
平然とそんな事を言ってきた。
「は、はぁ?」
「美人だから見てたの、綺麗だなって思ったから」
「私がっ?」
「うん!」
「ふ、ふーんっ……」
「嫌だった?嫌ならもう見ないように……」
「嫌なんて言ってないでしょ、見なさいよ私を」
「えっ?」
「これからも見なさい、私を」
「えぇっと」
「見れば良いのよ見れば」
「……うん、じゃあ見るね」
「えぇ、そうしてっ!」
ドキドキして、どんなやりとりをしたのかうろ覚えだけど、
なんとなく確信したのはルビィは私に好意的という事だったわ。
〜〜〜〜〜 「あぁ……」
その日の夜は眠れなかった。
厳密に言えば少し眠れたんだけど、
誰もいない教室であの子と二人きりで……という最低な夢を見ちゃって目が冴えちゃったの。
「なんであんな夢見るのよ!」
それはルビィに、夢の中とはいえあんな事をしてしまったという罪悪感と、
今日あの子自身が私に言ってきた言葉に対する怒りからかしら?
思わず声に出して叫んでしまう。
だってあんな事言われたの初めてだし、
あんなのほぼ告白じゃない。
だからってあんな夢見るのもどうかしてるけど、でも私がというよりルビィの方が悪いでしょ。 「うぅ……」
美人だなんてあんな事言って……
どういうつもりなの?
ルビィは私の事好きなのかしら?
そう思って大丈夫?
私なんでそんな事考えてるの?
もしそうだとしたら、どうしたいんだろ私……
まさか……夢で見たような事したいのかしら?
あの子の事を考えると連動したみたいに、
あの甘美な甘い香りを鮮明に思い出す。
ごちゃごちゃと頭の中をあの子がかき乱していく。
そのせいで何をしててもあの子の事を考えちゃう。
それは私の中にルビィが住み着いたみたいで……
「黒澤ルビィ……」
なんて罪深い子なの……
〜〜〜〜〜 放課後……
今はルビィと二人っきり。
今日は先生の都合が悪かったみたいで、いつもの授業は中止なの。
でも折角だからってルビィと二人で自習することにしたのよ。
今日も机をくっつけてね。
今までのおさらいとか色々したの。
でも、私は昨日言われた言葉のせいで、
ドキドキして内心それどころじゃない。
「善子ちゃん?」
だから、私の様子がおかしかったのかしら。
ルビィが心配そうに顔を近付けてくる。
それは友達同士なら普通の距離かもしれないし、
もしかしたら友達同士でもちょっと引いちゃう距離かもしれない。
でも、まだ友達じゃない私達には近すぎる距離で心臓の鼓動が更に早まっていく。 「どうしたの?」
その5文字を奏でた、この子の唇に目が釘つけになる。
それはキスしようと思えば出来る距離にあって、
この子の華奢な体も抱き寄せようと思えば簡単に出来る距離にあった。
ダメよ……
そう思ったけど体が勝手に動いてしまう。
甘い香りに誘われるみたいに、体がこの子を求めてた。
いきなりキスなんてしたらどうなるだろ?
驚いて泣いちゃう?
怖がって叫びだす?
それとも私を受け入れたりしてくれるのかしら。
自分勝手な願望なのはわかってたけど、もしそうなったらきっと人生で一番幸せな瞬間になるわね。
「ルビィ……」
そう短く呟いて、この子を抱き寄せた。
そして私の唇には、この子の柔らかな…… ────────────────
────────────
────────
「はっ……」
気がつくと私は寝室にいた。
時計を見ると時刻は午前2時で、3っていう数字が入ってるけどこの時間帯は丑三つ時って言うのよね。
「……夢?」
そんなどうでもいい事は置いといて……
どうやら私ってば、またあの子の夢を見ちゃってたみたい。
今回は本番はなかったけど……
「って、本番ってなによ……」
もうっ、
この様子だと、たぶん今日はずっとこんな調子であの子の夢を見続けると思うわ。
だって見たくない夢ほど連続して見ちゃうじゃない。 別に見たくない夢じゃないんだけど、
むしろ休日だったらいくらでも見たいんだけどね。
「はぁ……」
さっき意識がなくなった時間が1時半過ぎくらいだったかしら。
これはつまり全然眠れてないって事で……
明日も学校だからそろそろ寝ないといけないんだけど、
でも、何回寝ても同じ夢を見続けると思う。
だから、明日は寝不足で登校しないといけないみたいね。
「ふわぁ……」
あの子のせいで……
まったく、なんで私がこんな目に合わないといけないのよ!
これも、私をこの地に陥れた、
あの神様が仕向けた試練なのかしら?
本当に神様っていうのは趣味が悪いわ。
〜〜〜〜〜 「ルビィちゃんの好きなもの?ルビィちゃんはアイドルが大好きだよ」
「ちなみにダイヤさんも好きらしい」とずら丸は付け加える。
それはどうでもいいんだけどと思いつつ……
昨日はあんな事があった上に、
更に昨夜は夢魔に魅了されまくった事もあってか、
私はあり得ない程ルビィを意識しまくっていた。
でも、現実の私達は友達未満の距離感で……
だからなんとか接点を増やしたくてずら丸に色々聞いている最中だったの。 「それより善子ちゃん寝不足?目の周り黒いよ」
そっかルビィはアイドルが好きなのね。
私もアイドルは好きな方だったから、話は合わせられるかもしれない。
あんまり詳しくはないけど、たぶんどうにかなるでしょう。
あの子と楽しいお喋りが繰り広げられるかもしれない接点を見つけて、少し頬が緩むのを感じる。
「な、何ニヤニヤしてるずら……?」 それにしてもアイドルねぇ……
ルビィはやっぱり可愛いものが好きなのかしら。
持ってる物も全部可愛いし、まず本人が一番可愛いものね。
……ん?
ということは美人だって言われた私はどうなのかしら。
この前あの子は私に「美人で綺麗な善子ちゃん」って言ったじゃない。
あの時、私は普通に好意として受け取ったけど、世の中には社交辞令として可愛いとか綺麗って言う場面もあるでしょ?
もしあれが社交辞令だとしたらルビィは自分が好きな「可愛い」という言葉を使わずに「美人」という言葉を使ったって事よね。
社交辞令じゃなかったとしてもルビィの好きな「可愛い」じゃなくて「美人」って言葉を使ったのよ。
という事は「美人」という言葉は必ずしも好意に直結してるとは限らないんじゃ…… 「今度は何をワナワナしてるずら……?」
勝手に舞い上がってたけど、ルビィは別に好意を持って私を褒めてくれてた訳じゃないんじゃないかしら。
だって私は「可愛い」とは言われてないんだから。
だってルビィは「可愛い」が好きなのよ?
でも私はルビィの好きな「可愛い」じゃないんだもん……
「もう用事はない?マルは忙しいからそろそろ行くよ」
そうよ、私が問い詰めたから面倒になってそんな事言ったに違いないわ。
それに気付くと、あの時から止まらない胸のドキドキは全く別の物に変わっていく……
動悸みたいに嫌なドキドキで、自分が信じてたものを根本から破壊されたような絶望感さえ感じたの。
「じゃあね、善子ちゃん」
目がよく合ってた事だって、私の事を変な奴だって思って見てたんだと思えば全部辻褄があう……
そう思えば最初から好意なんて、ルビィからは発信してないのよ。
ちっともね。
全部、私が勝手に想像してたことで……
そもそもノートに文字書いてくれただけじゃない。
なんでこんなに考えが飛躍してるのかしら私って…… 「ふ、ふふっ……ふふ」
そうよ、昔からよく言われてたものね……
「ねぇ、ずら丸!私って昔から変な子だったわよね!」
何故か誰もいない教室に私の声だけが響いた。
「あら!?ずら丸!!?どこいったの!?」
どうやら誰もいないのに一人で何かに向かって話しかけてたみたい。
「ふっ……ふふ……」
ほら、やっぱりね。
私って本当に変な子だわ。
〜〜〜〜〜 〜ルビィ目線〜
今は放課後。
今日も善子ちゃんと一緒に先生の授業を受けています。
でも、それも今日で終わりなんだって。
善子ちゃんが学校に来てない間の授業に追い付いちゃったから。
この間に善子ちゃんと仲良くなりたくて一緒に復習を受けてたんだけど、結局あんまり進展しなかったなぁ。
でも、この間にしたお勉強のおかげでルビィは凄く自信が持てたの。
今度のテストではお姉ちゃんに褒められる点数が取れちゃうかも?
「……以上だ」
先生がそう言ってゆっくりチョークをしまう。
もうこの時間も終わりなんだね。 「じゃあ、この授業もこれでおしまいだな」
「今までありがとうございましたっ、先生」
「……ありがとうございました」
「また、何かわからない事があったら聞くんだぞ」
「はいっ!」
「……はい」
「じゃあ気を付けて帰れよ二人とも」
「はい、さようなら!」
「……さよなら」
あぁ、善子ちゃんとのこの時間もこれで最後かぁ……
結局、仲良くなれなかったなぁ。
「…………」
それにして、さっきから気になってたんだけど、
なんだか今日の善子ちゃん元気がない。
あんまりこっちを見てくれなくて、なんだか自分に自信がないみたいに俯きがちなの。
どうしたのかな? 「善子ちゃん?」
「…………」
「善子ちゃん!」
「っ!な、なに?」
「具合悪いの?」
「へっ?なんで?へーきよ!全然っ」
「本当に?」
大丈夫か心配でルビィは善子ちゃんの顔を覗き込むようにする。
そうすると「近い近い!」って言われて押し退けられちゃった。
「あっ……ごめん近付いちゃって……」
「えっ!別にいいのよ近くいても?ただちょっとびっくりしたって言うか……」
「……?」
やっぱり今日の善子ちゃんはいつもと違う…… 「と、とにかく私はへーきだから!」
「そう?でも今日の善子ちゃんなんか変だよ」
「変っ!?」
「えっ?」
「そ、そうよね!やっぱり変よね私って」
「善子ちゃん?」
「おかしいのよ私って!ふふっ……ふふふふ!」
どうしたんだろ?今日の善子ちゃん。
「大丈夫?善子ちゃん」
「あぁ、その顔……変な奴を見る顔だわ……」
「えっ?」
「そうよ……どうせ私なんて……」
本当にどうしちゃったんだろ善子ちゃん。 「そんな顔してないよ?」
「嘘よウソうそ!ルビィも私の事変だって思ってたからずっと見てたんでしょ」
「えっ?」
「皆、そうなのよ……自己紹介した時とおんなじ……皆ずっと私の事変だって……」
「思ってないよ誰も」
個性的とは思ってるかも知れないけど。
「思ってる!!皆、思ってるもん!」
「思ってないってば」
「ねぇ!ずら丸!私って昔っからこんな目で見られてたわよね!」
「…………」
「ずら丸!あんたもそんな目で私を見てたんでしょ!!」
この場に花丸ちゃんはいないのに、急にそんな事を叫びだす……
疲れてるのかな今日の善子ちゃん。
「ちょっと休もっか?善子ちゃん」
「どうせ私なんて……」
「保健室行こ、ほら手握って」
「どうせ私なんて……」
ぶるぶる震えてる善子ちゃんを連れて教室を出る。
たぶん、連日勉強続きだったから疲れちゃったんだと思う。
少し休ませないといけないから善子ちゃんを連れて保健室へと歩きだした。 その途中……
「ずら?」
「あっ、花丸ちゃん」
「どうしたずら?二人とも」
「えぇっとね、ちょっと善子ちゃんが……」
「ずら丸ぅっ!あんたも私を笑ってた!?」
「へ?」
「あんたも私を笑ってたんでしょ!」
「は?」
「幼稚園の頃よ!あんたも私に指差して笑ってたかって聞いてんのよ!」
「幼稚園の頃?ごめん、あんまり覚えてないずら」
「やっぱり!あんたも笑ってたのね!」
「いや、覚えてないって」
「そうなの?花丸ちゃん」
「だから覚えてないってば」
「うぅっ……うぅぅぅ……!」
善子ちゃんが頭を抱えてしゃがみこむ。 「ど、どうしたずら……」
「善子ちゃん……大丈夫?」
「ううぅぅぅっ!!」
「こんなのもう病気ずら……」
「とにかく、保健室に連れていかないと……」
「いや、病院に連れていった方がいいと思うよ」
「ねぇ?花丸ちゃんも手伝ってくれる?」
「えっ?……あぁ、ごめんね。手伝ってあげたいけど今日は家の用事があるから……」
「そっか……ううん気にしないで、ルビィ一人で平気だから」
「うぅぅ……ぐすっ……ぐすっ……」
「そっちは平気じゃなさそうだけどね」
「じゃあ、また明日ね花丸ちゃん」
「あっ……うん、気をつけてねルビィちゃん」
「ほら、行こ……善子ちゃん」
「うぅぅ……」
「二人とも大丈夫かなぁ……」
〜〜〜〜〜 保健室について善子ちゃんをベットに寝かしつける。
無人だったから勝手に使っちゃってるけど……大丈夫かな?
でも、善子ちゃんも大丈夫じゃない状態だし……
だから勝手に使っても仕方ないよね。
「はい、ちゃんとお布団かけてね」
「うぅぅ……」
「じゃあ、しばらく休んでて」
軽く善子ちゃんの肩を叩いて立ち上がる。
すると服の袖を掴まれた。
「……どこいくの?」
「えっ?」
「私を見捨てるつもりなのね」
「えぇっと、教室に荷物取りに行こうと思ったんだけど……」
「ふん、私の事なんてほっといてどこにでも行くといいわ……ぐすんっ……」
そんな事を言いつつ、掴んだ袖は離そうとしない。
「もう……困らせないでよ」
なんでこんなにワガママさんになっちゃったんだろ?
「善子ちゃん、今日はどうしちゃったの?」
「だって……ルビィが……」
「えっ?」
「ルビィが言わないんだもん……」
「……な、なにを?」
「可愛いって……」
「かわいい?」
「私はルビィの好きな可愛いじゃないんだわ……」
……善子ちゃんが何を言ってるのか殆ど理解できなかったけど、
要するにルビィにかわいいっていって欲しかったのかな? 「えっと……善子ちゃんはかわいいよ?」
「嘘、この前は美人って言った」
「うん、言ったね」
「綺麗って言ったし、かっこいいって言ったわ」
「かっこいいは言ってないと思うけど……」
「なに?かっこよくないの?」
「いや、かっこいいとは思ってたけど……」
「可愛いとは?」
「えっ?」
「可愛いって思ってた?」
「……それは正直に言ったら思ってなかったかも」
ルビィにとって善子ちゃんはかっこよくて綺麗な人だったから……
「ほらね!ルビィは私の事嫌いなんだわ!」
「なんでそうなるの……?」
「一人で浮かれてバカみたい、ルビィが私の事好きなんて……」
「……えっ?」
「そうだって思ってたから、ずっとドキドキしてたのに……本当滑稽だわ。悲しいピエロよ私って……」
これってどういう事だろ?
善子ちゃんは勘違いしてたって事?
確かに色々誤解が生まれてるみたいで……
たぶん、一つ一つ解いていくのは難しいと思う。
でも、ルビィが善子ちゃんを好きなのは勘違いじゃないから、それが事態を余計にややこしくする。 「……あのね?ルビィは善子ちゃんの事、好きだよ?」
「うそよ……」
「本当だってば」
「可愛いのが好きなんでしょ」
「……?好きだけど、善子ちゃんも好きなの」
「可愛いくないのに?」
「かわいくない事はないと思うけど……」
「なんで好きなの」
「えぇっと……モデルさんみたいに綺麗で、美人で憧れちゃったから……かな?」
「っ!……なんでそんな恥ずかしい事言えるのよ!」
「善子ちゃんが聞いてきたからじゃん……」
「じゃあ、私の思い違いじゃないの?」
「うん、そうだね」
「私の事好き?」
「好きだよ」
「ふ、ふーん……そう……へぇ……」
機嫌を直したみたいに笑顔になる。
これで少しは元に戻ったかな?
「じゃあ……これってあれ?今日から恋人って事?」
「うん?」
「付き合ってくれるの?」
「…………えっ?」 「違うの?」
「えぇっと……」
「……やっぱり嫌なのね!私の事が!」
「いや、そうじゃないけど……」
「じゃあ、どういうことよ?」
「それは……こっちが聞きたいかな……」
「だって好きなんでしょ?私の事が」
「好きだけど……」
「じゃあ、なんで?」
それは、そういう好きではないからだと思う……
「だってほら、ルビィ達女の子同士だし……」
「別に良いじゃない……女の子同士でも……」
「よくないよ」
「……そんなの関係あるの?」
「あると思うよ」
「でも……私は好きなのよ……」
「きゃっ……」
掴まれてた袖が引っ張られて体がベットに引き寄せられていく。
「好きなの……」
そう告げた善子ちゃんの顔はさっきとは全然違っていて……
「ダ、ダメだよ……善子ちゃん……」 善子ちゃんに抱き寄せられると、
さっきまでいた場所じゃないみたいに部屋の空気も変わっちゃって、
それはまるで別の世界に飛ばされたみたいだった。
よくない事が起きそうだったから咄嗟に離れようとしたけど、強く抱き締められて身動きが取れない。
「好き……」
そう囁きながらルビィのほっぺや首元にキスをしていく。
「ちょっと……善子ちゃん……!」
それは雰囲気的に冗談でした行為じゃないのはわかったから、拒絶するみたいに暴れる。
でも、ルビィの力じゃ逃れられなくて。
「なんで逃げようとするの……?」
「ダメだって……善子ちゃん」
「私の事、好きじゃない?」
「好きだけど……そういう好きじゃ……」
「良いじゃない、好きなら……」
「だ、だめだよ……」
「ねぇルビィ……」
「……?」
「好きって言って?」
「……っ」
それはまるで神様に見捨てられた羊さんみたいな要求で……
だからルビィは上手に断れなかったの。
それは前にもこんなことがあったからかな。
あの時みたいだなって昔の事を思い出しちゃって。
ここで善子ちゃんを拒んだら、
記憶の中にいるあの子の事も拒んじゃうような気がして、抵抗出来なくなっちゃったの。 それはね。
中学生の時に図書室で出会った女の子とのお話し。
その子もすっごい美人さんだったんだ。
おしとやかな雰囲気を出していて本を読んでる姿はとっても絵になっていて、
透明感があって綺麗だったの……
ルビィはその子に憧れてね。
お友達になりたいって思っちゃったんだ。
ルビィには不釣り合いかもしれないって思ったけど、仲良くなりたいって願っちゃったの。
それでね。
ルビィは図書室に通うようになって、度々目を合わせて微笑み合う関係から始めたんだ。
だけど話かける勇気はなかったから、ずっとそれの繰り返しだったんだけどね……
でもある日、その子の方から声をかけてきてくれてね、
そこからはあっという間に仲の良いお友達になれたの。
それから毎日が楽しくて、
毎日少しずつ仲良くなってるのを感じて……
そんな毎日がとっても幸せだったの。
でもね。
その子にもある日、今日みたいな事されちゃったんだ。 『ルビィちゃんが悪いんだよ』
『えっ……』
『マルの心の中に入ってくるから』
『いたっ……いたいよ……』
『一人で平気だって思ってたのに』
『どうしちゃったの……?怖いよ……』
『マルの中に居座って……住み着くから……』
『っ!やだっ!やめて……!』
『ルビィちゃんのせいだもんっ!!』
あの時、乱暴に衣服を剥がされて……
『ルビィちゃんは何なの……?』
そんな事を何度も聞いてきて、
何度もキスされた。
それは唇だけじゃなかったよ。
『なんでこんな事しちゃったんだろ……』
そしてたくさんいけない事をされちゃった後、
その子が冷静になったように言うの。
それで元に戻ったんだって安心したんだけど……
『ルビィちゃんのせいだから……』
そう言ってまた怖い顔に戻る。 その時、これはルビィのせいなんだって思ったから。
それまでにされた事もそれからされる事も仕方ないって思ったんだ。
だってあの子はこんな事するような子じゃなかったんだもん。
きっとルビィがあの子にああさせちゃったんだって……
あの時の事はルビィの過ちで、だから仕方ないんだって思ったの。
だから、何度も謝ってあの時の事は記憶に蓋をして、
その代償みたいにあの子と親友になったんだ。
「ルビィ……」
今はあの時と同じ事が起きてる……
なんでだろ?
気を付けてたはずなのに……
ルビィ、善子ちゃんに酷い事させてる。
どうして?
もしかして、お友達ってこうやって作るからなのかな?
お姉ちゃん達もこんな事したのかな…… なんて……そんなわけないよね。
ルビィが友達作るの下手くそだからこんな事になったんだよね。
だから、全部ルビィのせいで……
だから、善子ちゃんは悪くなくて……
だから……
「ごめんね、善子ちゃん……」
今のルビィは学校にはとてもそぐわない姿にされている。
学校でこんな姿を晒すのも2回目で……
こんな行為に及ぶのも2回目で……
でもここは中学じゃないから1回目にカウントされるのかな?
だけどトータルで言うなら中学生の時に、
お互いの家でされたことも何回かあるから、1回目でも2回目でもないんだけどね。
そんな事を考えながらぼんやり天上を見つめてると、視界に善子ちゃんが入ってきた。
「ルビィ……」
自分の唇に善子ちゃんの唇が触れる。
そこにキスされた相手はこれで2人目……
これは間違いないの。 善子ちゃんは優しくキスしたあと、ルビィの髪をかき撫でながら囁いてきた。
「ねぇ?好きって言って?」
その「好き」は、
ちょっと前までルビィが口にしていた「好き」とは意味合いが違うものを要求しているのはわかってた。
そして、その意味合いでの「好き」を言うのは善子ちゃんで二人目で……
だから、この特別な「好き」を二人もの相手に言っていいのか凄く悩んじゃうんだけど、
きっと言わないと、善子ちゃんが悲しむから言わないといけなくて……
でも、それを口にしたら取り返しのつかない事態に足を踏み入れていく事もわかってた。
「ルビィ……言ってよ……」
だけど、どうしたってもう取り返しのつかない事になってしまったんだから、その「好き」を口にしてしまう事にしたの。
だって、あの時と同じでルビィが全部悪いんだもんね。
「善子ちゃん……好きだよ」
そう言えば花丸ちゃんの読んでた本に書いてたよ。
罪は必ず報われるって。
だとしたら……
罪の報酬って何なのかな?
翌日。
「ふふーん」
「ずらぁ」
「えへへ」
今日は、花丸ちゃんと善子ちゃんの3人で登校してるの。
いつもは花丸ちゃんと2人っきりだから今日はちょっと新鮮なんだ。
「ルビィちゃん達。昨日で復習終わったんだ?」
「うん、そうなの」
こうして3人で歩いてると、お姉ちゃん達みたいだなって思えてちょっと嬉しくなる。
お姉ちゃん達でいうなら善子ちゃんが果南ちゃんで、花丸ちゃんが鞠莉ちゃんかな?
そしてルビィはお姉ちゃん?
なんて、ルビィはあんなにしっかりしてないよね。 「ふふ、ずら丸?昨日までの私とは違うのに気付いたかしら?」
「いや、昨日がみっともなさすぎて気付くもなにもないんだけど」
「忘却されていた知識を取り戻した私に格の違いを感じてしまったかしら!ギラン!」
「何かっこつけてるずら?ムカつくんだけど」
2人が仲良く話してる。
幼稚園の頃一緒だったからかな?
凄く打ち解けて話してて、この2人の話を聞いてるだけでも凄く楽しいんだ。
「昨日あんな姿晒しておいて」
「ふふん、何の事かしら?」
「……?」
花丸ちゃんがルビィの方に来て内緒話でもするみたいに話しかけてきた。
「善子ちゃん昨日の事覚えてないの?」
「うん、所々しか覚えてないみたい」
あの事は覚えてると思うけどね……
「ふーん、そうなんだ」
近くに花丸ちゃんが来たから服装を正すみたいに首周りをいじる。
それは花丸ちゃんの目には咄嗟に素肌を隠すみたいに映ったかもしれない。 「ねぇ?あの後、どうしたの?」
「えっとね、善子ちゃんを寝かしつけて、しばらく安静にしてたら元気になってくれたの」
「ふーん」
花丸ちゃんが更に近くに寄ってくる。
「そしたらこんなに仲良くなったんだ?」
それは何か、含みがある言い方で……
こういうのを悪寒っていうのかな?
それが首の後ろを走っていく。
でも、そんな様子は表には出さないで平静を装った。
「うん、そうだよ」
「そっか、よかったねルビィちゃん」
「うん」
「でも、それだけ?」
花丸ちゃんがルビィの髪を軽くかき上げて耳元に顔を近付けてくる。
「……な、なに?」
「ねぇ、ルビィちゃん」
そんな囁きと共に感じたのは耳たぶへの強い痛みで……
「マルの事捨てたら許さないから……」
そう耳元で囁き直して、花丸ちゃんは少し先を歩いてる善子ちゃんの方へと駆けて行った。 ルビィは思わずそこで立ち尽くしちゃったけど、これは報いの一部だからショックなんて受けてる場合じゃなくて、
そもそもこれはルビィが悪い事だから当然の報いなんだってすかさず思うようにした。
「なにしてんのよルビィ?」
「ずらぁ?」
とりあえず今は平静を装わないといけないから、笑って2人の後をついていく。
でも、2人の間にはスペースがなくて……
それはルビィが2人と並んで歩くにはどちらかの隣に行かないといけない事を意味してたの。
別に少し後ろを歩けば良いとも思ったけど、2人はそれを許さないみたいにルビィの名前を呼んでくる。
それはまるで、どちらかを選べって言ってるみたいで、
また血の気が引いてきちゃった。
でも……
「えへへ、いーれて」
その行為を上手くやったとは思わないけど、
今はそれしか思いつかなかったから2人の間に無理矢理入り込む。
顔は怖くて見てないけど、きっと2人共面白くなさそうな顔をしたと思う。
もしかしたら2人とも笑ってるかもしれないけど……
見る勇気がないから、これは一生の謎だね。
お姉ちゃんならもっと上手くやったのかな?
そもそもお姉ちゃんならこんなことにならなかったのかな?
どこで自分が間違えちゃったのかわからないけど、
今はこうして仲良し3人組でいる事しか出来ないから、ルビィはそれを演じることにしたの。
花丸ちゃんの本で記されてた通りに……
いつか罪の報酬がもたらせられるその日まで、
じっと待つことを選んだの。
scene.花丸
最近、善子ちゃんがルビィちゃんの質問をやけにしてくる。
どうやら友達になりたいみたい。
マルもルビィちゃんの友達が増えるのは嬉しい事だから快く教えてあげる事にしてるけど……
でも、次第に善子ちゃんが友達以上を求めつつあるのに気付いたの。
それはある日の授業中、善子ちゃんはルビィちゃんをずっと見ていた。
そしてその日のお昼、一緒にご飯を食べていた時。
善子ちゃんの顔はマルの方を見ていたけど体の向きは不自然にルビィちゃんの方を向いていた。
そしてある日、目の周りを真っ黒にさせて登校してきた。
それは何だか昔の自分を見ているようで、きっと善子ちゃんがマルと同じ道を歩んでるんだとすぐにわかってしまう。
マルの時はもっとゆっくりだったけど、善子ちゃんは異常な早さでルビィちゃんに魅了されていたみたい。
きっと対人付き合いの少なさと精神年齢の差なんだろうと思ったけど、それはルビィちゃんの身が危ない事を意味していた。 でも、そこに不思議と危機感は感じてなくて……
それはルビィちゃんが自分以外とそんな行為に及ぶわけないという、そんなおめでたい考えをしてた訳じゃない。
これがマルに対する報いなのかなって思ったからだよ。
だから、静観する事にしたの。
ルビィちゃんはどうするのか……
善子ちゃんはどうするのか……
神様はどうするのかを見定める事にしたの。
保健室の中から聞こえてくる、愛しいあの子の声。
それを聞きながら、ずっと考えてた。
あの時、ルビィちゃんはマルを受け入れたんじゃなくて、
時の流れっていうのかな……
たぶん運命みたいなものを受け入れたんだなって思ったの。
それはつまり……マルに言った「好き」は偽物で、善子ちゃんに言った「好き」も偽物って事。
薄々気付いてたけど、やっぱりショックだなぁ…… ねぇ、神様……
これがマルに対する報いなの?
だとしたら、これから枝分かれしていくマルの心と、
それによって引き起こされる出来事は承認されたものなのかな?
例えば逆上したり、嫉妬に狂ってみたり、自暴自棄に陥ったり。
そんな状態になってマルが犯す行為は全部認められた事なのかな?
それとも、それを耐えるのが罪への報い?
たぶん、どれだけ考えても答えは出てこなかった。
だって正しいがないんだもん。
だからマルもね?
ルビィちゃんみたいに受け入れてみる事にしたの。
考える事を破棄して、時の流れに身を任し、思った通りに行動する。
だからあんな事言えたんだろうね。
「マルの事捨てたら許さないから……」
これからどうなるんだろ?
このまま3人仲良く過ごせるならマルはそれも良いなって思うんだけど。
でも、マルはもう感情のままに動く事にしたからあまり制御はできないの。
せめて、ルビィちゃんに酷いことしないといいけど……
でも、もししちゃっても……
それが神様の課した試練なんだよね。
だから、しょうがないのよね?
ルビィちゃん。 >>42-43
ここめっちゃ好き
地の文ばっかでしんどいけど読んでみると面白かったです乙 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています