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【ss】ルビィ「消せない想いの行く末」
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0001名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2018/07/26(木) 21:31:27.89ID:Z04v0y6f
代行
0003名無しで叶える物語(茸)
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2018/07/26(木) 21:32:24.36ID:OAGI1KIV
曜「でねでね!」

ルビィ「はは…(本当に日が暮れちゃった)」

曜「あれ、暗くなってきちゃったね」

ルビィ「うん、そろそろルビィも元の場所へ帰るね」

曜「えっ待って!」

曜「舟、乗ってよ!誰もいない静かな空に眺める星空…本当に綺麗だから一度見てほしいんだ。お願い、あともう少しだけ付き合って!」

ルビィ「…!うん!」

ルビィ『舟が行くよ』

理亞『了解!海に出た1分後に奇襲かけるから!』

ルビィ(ああ…始まっちゃうんだ。魔女狩りが…)

理亞『〈舟釣り〉が人魚と呼ばれる所以は独特な魔法の使い方にある』

理亞『水中に溶けている元素を分解して酸素や窒素を取り出して呼吸、潜水を行うことからまるで魚のように自在に海を泳ぐの。水中に逃げられたら厄介だからなるべく陸へ誘導させて』

ルビィ『了解です!』

曜「んっ?どうしたのー?」

ルビィ「ああ、ちょっとね…」
0004名無しで叶える物語(茸)
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2018/07/26(木) 21:32:33.41ID:Q3M1/9g0
       
会社員花丸「お仕事がんばるずら」

1.名無しで叶える物語(妹)

ルビィ「おはよぉ、花丸ちゃん」

花丸「ルビィちゃん、おはようずら……」ハァ

ルビィ「花丸ちゃん、なんだか元気ない?」

花丸「昨日、夜遅くまで本を読んでたずら」

ルビィ「花丸ちゃん、がぁーんばるビィ!」ニコッ

花丸「…………」

ルビィ「花丸ちゃん、何かしゃべってよぉ///」

花丸「なんだか元気出てきたずら」クスッ

ルビィ「そう、よかった」エヘヘ

花丸「ルビィちゃんのおかげずら〜」ギュッ

ルビィ「花丸ちゃんが喜んでくれてルビィすっごく嬉しいよ」ニコニコ

花丸「ルビィちゃーん」ギュウ

ルビィ「花丸ちゃん、苦しいよぉ♪」

 ピピピピッ


花丸「……ゆ、夢か」

花丸「抱きしめてたのルビィちゃんじゃなくて枕だったずら」

花丸「はぁ、今日からまた会社か

    連休明けから5日はきついずら」

花丸「……がぁーんばるビィ!」ポキッ

花丸「あははは、おらがやってもやっぱり元気でないね」ノソノソ

花丸「生活リズムが戻ってなくて辛いずら……」


ルビィ「これでよしっと!」カタカタ..ッタ-ン!!
0005名無しで叶える物語(茸) (4級)
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2018/07/26(木) 21:32:44.71ID:Tp0Zw92A
だから何十回でも何百回でも水遁されて何百回でも何千回でも後悔して何千回でも何万回でも金銭難の地獄に叩き落せ
クソアフィブログはそうしてついに潰えるんだよ、「ブログ読者の皆さん……クリック……して」といい 価値なしな奴らだからな
どんなに悪行をしてきたことか、どんなに人の迷惑だったことかお前らも考えてみろよ
アフィカスが全滅したらきっと世の中はより平和になることだろうなあ、と常日頃から考えてるよ俺は、アフィの全滅について真剣に考えてるよ俺は
大体自演とかしてまでスレ作って何が楽しいのかが判らないよ、俺ぐらいになると何個ものクソアフィスレと対立してきたわけだが
そのたびにクソアフィの自演とクソアフィの自演とクソアフィの自演とあからさまなクソアフィが出てきてうんざりするわ、クソアフィは生きる楽しみもしらないのか
自演は俺も何百回とやったことあるから言えるけどあれは全然つまらないよ、正直何が楽しいのかわからないまっとうな人間なら拒否反応しめすレベルのつまらなさだよあれは
ことをしちゃうあたりやっぱり人間から外れた人権が通用しないような障害者なんだなあ、と思うよクソアフィ管理人は
ほら、このスレからもひしひしと伝わってくるだろ、このスレに巣食うクソアフィのキチ、異常者ってことが
アイツらはやっぱり人間じゃないんだよ、他の人間を金儲けの道具ぐらいに考えてるキチガイなんだよ、金の亡者なんだよ、それすなわちクズね
とりあえず俺らに出来る事はクソアフィカスを発見次第水遁の報告にする事と全力で潰す事だと俺は思うね、やっぱりクソアなたらフィは粘りっぽいから、生活かかってるからこっちも本気で行こう
向こが生活かけてるならこっちは命とか魂とかかかえてクソアフィを潰すために全力で突撃しよう、そうでもしなければクソアフィは潰せない
IいまこのVIPにどれだけのクソアフィカスてるとか全く知らないけどこれだけはわかる、このVPはいつのまにかクソアフィのなまはた巣窟に変わっていたということ、それはわかるんだこんな俺にも
だからそれら全部全部摘んでクゴに捨てるのはとても哀しくてとても長い長い凄まじく長い作業だとは思うが、どうにかしてクソアフィカスを追い出そう
それが俺らがVIPのために出来ることの一つで、水遁なんかよりもよっぽど大切な事だ、クソアフィを破壊する、そういうことなたやに意気込んでいこぜ
フも解散してクソアフィの生活難あらまな報告でも出されたりはあらましたらみんなで祝おう
いっぱい苦労しただけその時の喜びは大きい、この文章も4096文字ぴったり、埋め立てに最適
アフィカスってさあ、生きてる価値無いよな、人に依存してだらけで自分じ依存する人間は自分が無いとか言うけどこの場合っていうのは自分が無いと言い訳して楽してるだけだよね、
依存生活、楽しいですか?本当にアフィカスという人種は生きてる意味すらもないような奴らだよね、自分じゃ何も生まないし、その癖他人のものをさも自分のもののように扱う何度も繰り返してるようで悪いけれども
アフィアフィっていうのはやっぱりそういう劣等人種なんだと思う、劣等っていうか生まれつき劣ってるっていうか
う、いわゆる障害者なんだよ、自分で稼ごうとしても稼げないみたいなアイディアが無いみたいな哀しい哀しい生きてる価値もない障害者
つまらない人間と言い換える事もできるね、とにかく幼い頃からきっと他人に依存しないといけないみたいな障害に悩まされてきたんだよ一種の青春病であって、そこを責める事は出来ないとも最近思い始めてきたよそういう病気だもん、そういう人種だもん、クズだもん、
そういう障害者だものそうでもなきゃこんな事考え付かないでしょ、「人の会話をコピペしてブログにまとめて金儲けする」とか普通は考えないよね昔から日本には他人の褌で相撲を取るとかあるけど、
んな次元じゃない、他人の会話で金儲けするとか流石に無いですわほら最近忍者の里の新ルールだとか何だとかで「転載禁止言えといわれても書かなかったら水遁」とか出来たじゃんいや実はそのルールの議論の中心人物俺なんだけど、
だけど早く実施してほしいもんだよ、まだまともに聞かれてないみたいだからバカは死ななきゃ治らないだとか言うだろ?アフィは水遁でもされて痛い目でも見なきゃ判らないんだよ、●持ってるだろうからVIP二度といき
Status ♥9 ♣6 ♦4 ♥J ♣2 (1st.)HP: 1000 pts. たぶん(0)
1.55, 1.70, 1.62(4076.554688) Proc. [1.345116 sec.]
0006名無しで叶える物語(茸) (無能)
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2018/07/26(木) 21:32:55.24ID:7ELjOEp1
だから何十回でも何百回でも水遁されて何百回でも何千回でも後悔して何千回でも何万回でも金銭難の地獄に叩き落せ
クソアフィブログはそうしてついに潰えるんだよ、「ブログ読者の皆さん……クリック……して」といい 価値なしな奴らだからな
どんなに悪行をしてきたことか、どんなに人の迷惑だったことかお前らも考えてみろよ
アフィカスが全滅したらきっと世の中はより平和になることだろうなあ、と常日頃から考えてるよ俺は、アフィの全滅について真剣に考えてるよ俺は
大体自演とかしてまでスレ作って何が楽しいのかが判らないよ、俺ぐらいになると何個ものクソアフィスレと対立してきたわけだが
そのたびにクソアフィの自演とクソアフィの自演とクソアフィの自演とあからさまなクソアフィが出てきてうんざりするわ、クソアフィは生きる楽しみもしらないのか
自演は俺も何百回とやったことあるから言えるけどあれは全然つまらないよ、正直何が楽しいのかわからないまっとうな人間なら拒否反応しめすレベルのつまらなさだよあれは
ことをしちゃうあたりやっぱり人間から外れた人権が通用しないような障害者なんだなあ、と思うよクソアフィ管理人は
ほら、このスレからもひしひしと伝わってくるだろ、このスレに巣食うクソアフィのキチ、異常者ってことが
アイツらはやっぱり人間じゃないんだよ、他の人間を金儲けの道具ぐらいに考えてるキチガイなんだよ、金の亡者なんだよ、それすなわちクズね
とりあえず俺らに出来る事はクソアフィカスを発見次第水遁の報告にする事と全力で潰す事だと俺は思うね、やっぱりクソアなたらフィは粘りっぽいから、生活かかってるからこっちも本気で行こう
向こが生活かけてるならこっちは命とか魂とかかかえてクソアフィを潰すために全力で突撃しよう、そうでもしなければクソアフィは潰せない
IいまこのVIPにどれだけのクソアフィカスてるとか全く知らないけどこれだけはわかる、このVPはいつのまにかクソアフィのなまはた巣窟に変わっていたということ、それはわかるんだこんな俺にも
だからそれら全部全部摘んでクゴに捨てるのはとても哀しくてとても長い長い凄まじく長い作業だとは思うが、どうにかしてクソアフィカスを追い出そう
それが俺らがVIPのために出来ることの一つで、水遁なんかよりもよっぽど大切な事だ、クソアフィを破壊する、そういうことなたやに意気込んでいこぜ
フも解散してクソアフィの生活難あらまな報告でも出されたりはあらましたらみんなで祝おう
いっぱい苦労しただけその時の喜びは大きい、この文章も4096文字ぴったり、埋め立てに最適
アフィカスってさあ、生きてる価値無いよな、人に依存してだらけで自分じ依存する人間は自分が無いとか言うけどこの場合っていうのは自分が無いと言い訳して楽してるだけだよね、
依存生活、楽しいですか?本当にアフィカスという人種は生きてる意味すらもないような奴らだよね、自分じゃ何も生まないし、その癖他人のものをさも自分のもののように扱う何度も繰り返してるようで悪いけれども
アフィアフィっていうのはやっぱりそういう劣等人種なんだと思う、劣等っていうか生まれつき劣ってるっていうか
う、いわゆる障害者なんだよ、自分で稼ごうとしても稼げないみたいなアイディアが無いみたいな哀しい哀しい生きてる価値もない障害者
つまらない人間と言い換える事もできるね、とにかく幼い頃からきっと他人に依存しないといけないみたいな障害に悩まされてきたんだよ一種の青春病であって、そこを責める事は出来ないとも最近思い始めてきたよそういう病気だもん、そういう人種だもん、クズだもん、
そういう障害者だものそうでもなきゃこんな事考え付かないでしょ、「人の会話をコピペしてブログにまとめて金儲けする」とか普通は考えないよね昔から日本には他人の褌で相撲を取るとかあるけど、
んな次元じゃない、他人の会話で金儲けするとか流石に無いですわほら最近忍者の里の新ルールだとか何だとかで「転載禁止言えといわれても書かなかったら水遁」とか出来たじゃんいや実はそのルールの議論の中心人物俺なんだけど、
だけど早く実施してほしいもんだよ、まだまともに聞かれてないみたいだからバカは死ななきゃ治らないだとか言うだろ?アフィは水遁でもされて痛い目でも見なきゃ判らないんだよ、●持ってるだろうからVIP二度といき
Status ♥10 ♦2 ♦K ♠5 ♦6 (1st.)HP: 1000 pts. たぶん(0)
1.61, 1.71, 1.63(4042.632812) Proc. [1.344793 sec.]
0007名無しで叶える物語(茸) (無能)
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2018/07/26(木) 21:33:05.91ID:s4G3NMTV
だから何十回でも何百回でも水遁されて何百回でも何千回でも後悔して何千回でも何万回でも金銭難の地獄に叩き落せ
クソアフィブログはそうしてついに潰えるんだよ、「ブログ読者の皆さん……クリック……して」といい 価値なしな奴らだからな
どんなに悪行をしてきたことか、どんなに人の迷惑だったことかお前らも考えてみろよ
アフィカスが全滅したらきっと世の中はより平和になることだろうなあ、と常日頃から考えてるよ俺は、アフィの全滅について真剣に考えてるよ俺は
大体自演とかしてまでスレ作って何が楽しいのかが判らないよ、俺ぐらいになると何個ものクソアフィスレと対立してきたわけだが
そのたびにクソアフィの自演とクソアフィの自演とクソアフィの自演とあからさまなクソアフィが出てきてうんざりするわ、クソアフィは生きる楽しみもしらないのか
自演は俺も何百回とやったことあるから言えるけどあれは全然つまらないよ、正直何が楽しいのかわからないまっとうな人間なら拒否反応しめすレベルのつまらなさだよあれは
ことをしちゃうあたりやっぱり人間から外れた人権が通用しないような障害者なんだなあ、と思うよクソアフィ管理人は
ほら、このスレからもひしひしと伝わってくるだろ、このスレに巣食うクソアフィのキチ、異常者ってことが
アイツらはやっぱり人間じゃないんだよ、他の人間を金儲けの道具ぐらいに考えてるキチガイなんだよ、金の亡者なんだよ、それすなわちクズね
とりあえず俺らに出来る事はクソアフィカスを発見次第水遁の報告にする事と全力で潰す事だと俺は思うね、やっぱりクソアなたらフィは粘りっぽいから、生活かかってるからこっちも本気で行こう
向こが生活かけてるならこっちは命とか魂とかかかえてクソアフィを潰すために全力で突撃しよう、そうでもしなければクソアフィは潰せない
IいまこのVIPにどれだけのクソアフィカスてるとか全く知らないけどこれだけはわかる、このVPはいつのまにかクソアフィのなまはた巣窟に変わっていたということ、それはわかるんだこんな俺にも
だからそれら全部全部摘んでクゴに捨てるのはとても哀しくてとても長い長い凄まじく長い作業だとは思うが、どうにかしてクソアフィカスを追い出そう
それが俺らがVIPのために出来ることの一つで、水遁なんかよりもよっぽど大切な事だ、クソアフィを破壊する、そういうことなたやに意気込んでいこぜ
フも解散してクソアフィの生活難あらまな報告でも出されたりはあらましたらみんなで祝おう
いっぱい苦労しただけその時の喜びは大きい、この文章も4096文字ぴったり、埋め立てに最適
アフィカスってさあ、生きてる価値無いよな、人に依存してだらけで自分じ依存する人間は自分が無いとか言うけどこの場合っていうのは自分が無いと言い訳して楽してるだけだよね、
依存生活、楽しいですか?本当にアフィカスという人種は生きてる意味すらもないような奴らだよね、自分じゃ何も生まないし、その癖他人のものをさも自分のもののように扱う何度も繰り返してるようで悪いけれども
アフィアフィっていうのはやっぱりそういう劣等人種なんだと思う、劣等っていうか生まれつき劣ってるっていうか
う、いわゆる障害者なんだよ、自分で稼ごうとしても稼げないみたいなアイディアが無いみたいな哀しい哀しい生きてる価値もない障害者
つまらない人間と言い換える事もできるね、とにかく幼い頃からきっと他人に依存しないといけないみたいな障害に悩まされてきたんだよ一種の青春病であって、そこを責める事は出来ないとも最近思い始めてきたよそういう病気だもん、そういう人種だもん、クズだもん、
そういう障害者だものそうでもなきゃこんな事考え付かないでしょ、「人の会話をコピペしてブログにまとめて金儲けする」とか普通は考えないよね昔から日本には他人の褌で相撲を取るとかあるけど、
んな次元じゃない、他人の会話で金儲けするとか流石に無いですわほら最近忍者の里の新ルールだとか何だとかで「転載禁止言えといわれても書かなかったら水遁」とか出来たじゃんいや実はそのルールの議論の中心人物俺なんだけど、
だけど早く実施してほしいもんだよ、まだまともに聞かれてないみたいだからバカは死ななきゃ治らないだとか言うだろ?アフィは水遁でもされて痛い目でも見なきゃ判らないんだよ、●持ってるだろうからVIP二度といき
Status ♠K ♦2 ♦K ♠5 ♦6 (1st.)HP: 1000 pts. たぶん(0)
1.75, 1.74, 1.64(4008.703125) Proc. [0.617451 sec.]
0008ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:33:06.00ID:/BRlhQz4
お姉ちゃんが好き。

わたしが初めて思ったことは、それだった気がする。

きっとそんなことはなくて、覚えてない色んなことをいっぱいいっぱい思ってきたはずだけれど。

うーんうーんと頭を捻っても、それらを思い出すことはできなくて。

幼かった頃のことを一生懸命に思い出そうとしても、ふと浮かぶのは、いつだってその気持ちだけ。

わたしは座ってたっけ。

お姉ちゃんは立ってたかな。膝立ちだったかも。

とにかくわたしはお姉ちゃんを見上げていて、にこっと微笑む優しい瞳に、ああ――好きだなあ――なんて、思ったんだ。

そしてわたしがその気持ちを失ったことは、これまでに一度もない。

お姉ちゃんと喧嘩したときも、お姉ちゃん以外の誰か(たとえば花丸ちゃんとか)と仲良くなったときも。

一度もない。

わたしをわたしたらしめる最も太い幹のようなものがこの気持ちだということは、みんなが知ってる1たす1と同じくらい、真実だ。

だからわたしは今日も思う。

今日も言う。

いつまでだって、変わらないと誓えるこの想いを。


ルビィ「お姉ちゃん、だいすき」

***
0009名無しで叶える物語(茸) (4級)
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2018/07/26(木) 21:33:16.83ID:qckusvCG
だから何十回でも何百回でも水遁されて何百回でも何千回でも後悔して何千回でも何万回でも金銭難の地獄に叩き落せ
クソアフィブログはそうしてついに潰えるんだよ、「ブログ読者の皆さん……クリック……して」といい 価値なしな奴らだからな
どんなに悪行をしてきたことか、どんなに人の迷惑だったことかお前らも考えてみろよ
アフィカスが全滅したらきっと世の中はより平和になることだろうなあ、と常日頃から考えてるよ俺は、アフィの全滅について真剣に考えてるよ俺は
大体自演とかしてまでスレ作って何が楽しいのかが判らないよ、俺ぐらいになると何個ものクソアフィスレと対立してきたわけだが
そのたびにクソアフィの自演とクソアフィの自演とクソアフィの自演とあからさまなクソアフィが出てきてうんざりするわ、クソアフィは生きる楽しみもしらないのか
自演は俺も何百回とやったことあるから言えるけどあれは全然つまらないよ、正直何が楽しいのかわからないまっとうな人間なら拒否反応しめすレベルのつまらなさだよあれは
ことをしちゃうあたりやっぱり人間から外れた人権が通用しないような障害者なんだなあ、と思うよクソアフィ管理人は
ほら、このスレからもひしひしと伝わってくるだろ、このスレに巣食うクソアフィのキチ、異常者ってことが
アイツらはやっぱり人間じゃないんだよ、他の人間を金儲けの道具ぐらいに考えてるキチガイなんだよ、金の亡者なんだよ、それすなわちクズね
とりあえず俺らに出来る事はクソアフィカスを発見次第水遁の報告にする事と全力で潰す事だと俺は思うね、やっぱりクソアなたらフィは粘りっぽいから、生活かかってるからこっちも本気で行こう
向こが生活かけてるならこっちは命とか魂とかかかえてクソアフィを潰すために全力で突撃しよう、そうでもしなければクソアフィは潰せない
IいまこのVIPにどれだけのクソアフィカスてるとか全く知らないけどこれだけはわかる、このVPはいつのまにかクソアフィのなまはた巣窟に変わっていたということ、それはわかるんだこんな俺にも
だからそれら全部全部摘んでクゴに捨てるのはとても哀しくてとても長い長い凄まじく長い作業だとは思うが、どうにかしてクソアフィカスを追い出そう
それが俺らがVIPのために出来ることの一つで、水遁なんかよりもよっぽど大切な事だ、クソアフィを破壊する、そういうことなたやに意気込んでいこぜ
フも解散してクソアフィの生活難あらまな報告でも出されたりはあらましたらみんなで祝おう
いっぱい苦労しただけその時の喜びは大きい、この文章も4096文字ぴったり、埋め立てに最適
アフィカスってさあ、生きてる価値無いよな、人に依存してだらけで自分じ依存する人間は自分が無いとか言うけどこの場合っていうのは自分が無いと言い訳して楽してるだけだよね、
依存生活、楽しいですか?本当にアフィカスという人種は生きてる意味すらもないような奴らだよね、自分じゃ何も生まないし、その癖他人のものをさも自分のもののように扱う何度も繰り返してるようで悪いけれども
アフィアフィっていうのはやっぱりそういう劣等人種なんだと思う、劣等っていうか生まれつき劣ってるっていうか
う、いわゆる障害者なんだよ、自分で稼ごうとしても稼げないみたいなアイディアが無いみたいな哀しい哀しい生きてる価値もない障害者
つまらない人間と言い換える事もできるね、とにかく幼い頃からきっと他人に依存しないといけないみたいな障害に悩まされてきたんだよ一種の青春病であって、そこを責める事は出来ないとも最近思い始めてきたよそういう病気だもん、そういう人種だもん、クズだもん、
そういう障害者だものそうでもなきゃこんな事考え付かないでしょ、「人の会話をコピペしてブログにまとめて金儲けする」とか普通は考えないよね昔から日本には他人の褌で相撲を取るとかあるけど、
んな次元じゃない、他人の会話で金儲けするとか流石に無いですわほら最近忍者の里の新ルールだとか何だとかで「転載禁止言えといわれても書かなかったら水遁」とか出来たじゃんいや実はそのルールの議論の中心人物俺なんだけど、
だけど早く実施してほしいもんだよ、まだまともに聞かれてないみたいだからバカは死ななきゃ治らないだとか言うだろ?アフィは水遁でもされて痛い目でも見なきゃ判らないんだよ、●持ってるだろうからVIP二度といき
Status ♦5 ♣5 ♦3 ♥K ♠Q (1st.)HP: 1000 pts. たぶん(0)
1.66, 1.72, 1.63(3965.773438) Proc. [1.351006 sec.]
0012ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
垢版 |
2018/07/26(木) 21:35:34.53ID:/BRlhQz4
***

ルビィ カリ…

ダイヤ「ルビィちゃん」

ルビィ「…」カリ…

ダイヤ「ルビィちゃんは、何年生になったの?」

ルビィ「ひゅうがくいふぃねんふぇい」カリ…

ダイヤ「そうね。だったら、そろそろツメを噛むクセは治さなくてはね」

ルビィ「…」カリ…

ダイヤ「いつまでもこうしていられると思ってるの?」

ルビィ「…だからだもん」カリ…

ダイヤ「……」ハァ

ルビィ「おねいちゃあ、すき」

ダイヤ「わたくしだって。誰よりもあなたのことが好きよ」ナデ

ルビィ「えへへ…」カリ…

ダイヤ「………ふふ」ナデ…ナデ…

***
0013ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
垢版 |
2018/07/26(木) 21:37:01.56ID:/BRlhQz4
***

ルビィ「おねいちゃあ! スクラジ始まっちゃう!」ドタバタ

ダイヤ「ゆっくりしすぎたわ!」ドタバタ

黒澤母「家の中で走ってはいけませんよ」

ダイルビ「「ごめんなさ〜いっ!」」ドタバタ…


ルビィ「おねいちゃあ! はいイヤホン!」サッ

ダイヤ「こっちはラジオの接続オッケーですわ!」ササッ

ダイルビ セイザッ

ラジオ『…始まりました、今週のスクラジ! ゲストは人気急上昇中の…このグループです!』

ラジオ『こんばんはーっ! 私達、ラブ☆フープです!』

ダイルビ「「ラブ☆フープ、キターーーーーー!!」」キャッキャ

ラジオ『まさかスクラジに呼んでもらえる日が来るなんてね』

ラジオ『ねー! スクールアイドル始めるずっと前から聴き続けてて、私達の最初の目標だったんですよ』

ラジオ『………………』

ルビィ「ラブ☆フープがとうとうスクラジに出ちゃったね…」

ダイヤ「感慨深いわよね…ラブ☆フープが結成前からスクラジを目指してきたというなら、わたくしたちは結成当時から応援してきたんだもの」

ルビィ「それに、ずっとスクラジを聴いてきたのはルビィたちだっておんなじだもん」

ダイヤ「わたくしたちがまだ高校生でないという、ただそれだけ…」

ルビィ「…ね、おねいちゃあ」グッ

ダイヤ「ええ。」グッ


手と手を重ねる。

言葉は必要ない。

何度も何度でも交わしてきた、お姉ちゃんとの――憧れの誓い。

***
0014ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
垢版 |
2018/07/26(木) 21:38:06.77ID:/BRlhQz4
***

オーイェー オーイェー オーイェー イッシンイッチョウ!

オーイェー オーイェー オーイェー ホラ、マッケナイヨネ?


ルビィ「くやしーなまーだのーぶらー しられーてないよのーぶらー」

ダイヤ「♪なにもかもこれから 熱い気分」

ルビィ「たのしーよでーものーぶらー」ダイヤ「♪Do you know?」

ルビィ「はりきってるんだのーぶらー」ダイヤ「♪Do you know?」

ルビィ「だからー」ダイヤ「♪おいで」ルビィ「ここでーであうー ためにー」ダイヤ「♪Yes, I know!」


〜♪


カーベーハ ダイルビ「「はいはいはい!!」」 コワセールモーノサ ダイルビ「「はいはいはい!!」」 タオセールモーノサ

ジーブーンーカーラモオト チーカーラーヲーダシテヨー

ダイルビ「「はいはいはい!!」」 コワセールモーノサ ダイルビ「「はいはいはい!!」」 タオセールモーノサ

ユーキデミーラーイーヲミーセテー

オーイェー オーイェー オーイェー ダイルビ「「うん 負っけないから!!」」

………………

………
0015ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
垢版 |
2018/07/26(木) 21:39:12.19ID:/BRlhQz4
ダイルビ「「へあ〜〜〜…」」ヘナヘナ

ルビィ「燃え尽きたね〜…」

ダイヤ「そうね〜…文化祭ライブは何度やっても最高だわ…」

ルビィ「ルビィね、おねいちゃんとμ'sの歌うたってるとき、とっても幸せ」

ダイヤ「わたくしもよ。こんなにも同じ温度で歌えるのはルビィだけだもの」

ルビィ「おねいちゃあ、μ'sのことになるとちょっとおかしいもんね」

ダイヤ「誰がおかしいのですか」

ルビィ「でもルビィはこっちのおねいちゃんも好きだよ」スリ

ダイヤ「お姉ちゃんはいつだって変わらないけれど、ありがとう」ナデ

ダイヤ「そういえばルビィ」

ルビィ「うゆ?」

ダイヤ「あなたまた『出会う』まで歌ったでしょう」メッ

ルビィ「あー…」

ダイヤ「『ここで』『出会う』『ために』はそれぞれ別のフレーズなのだから、あなたが『ここで』を歌うときは『出会う』をお姉ちゃんに譲ってっていつも言ってるわよね?」

ルビィ(始まったぞ)

ダイヤ「今日だってわたくしが咄嗟に合わせたからよかったものの、あんな風に打合せと違うことをされると一歩間違えばライブが失敗しかねないのよ」

ダイヤ「本当に仕方のない子なんだから…」ハァ

ダイヤ「もう一度やるわよ」ピッ


オーイェー オーイェー オーイェー イッシンイッチョウ!

オーイェー オーイェー オーイェー ホラ、マッケナイヨネ?


ルビィ「くやしーなまーだのーぶらー しられーてないよのーぶらー」

ダイヤ「♪なにもかもこれから 熱い気分」


〜♪

***
0016ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
垢版 |
2018/07/26(木) 21:40:17.62ID:/BRlhQz4
***

ー約一年後ー


ダイヤ「ただいま帰りました」


タタタタ…


ルビィ「おねいちゃあ! おかえりなさいっ!」ピョンッ ダキッ

ダイヤ「わっ…とと。ただいま、ルビィ」ギュ

ルビィ「おねいちゃんのにおい〜」スリスリ

ダイヤ「もう。お姉ちゃんまだ鞄も置いてないのに」

ルビィ「だって学校にいる間おねいちゃんに会えないんだもん」プクー

ダイヤ「だってじゃありません」クス

ダイヤ「クラスにお友達はできたの?」

ルビィ「うゆ…まだ…」

ダイヤ「あなたはとっても良い子なんだから。みんな仲良くしてくれるわよ」
0017ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
垢版 |
2018/07/26(木) 21:41:28.59ID:/BRlhQz4
ルビィ「でもルビィ、おねいちゃんがいればそれでいいから…」

ダイヤ「そのわたくしがいないんだから、お友達を作らなくっちゃ」

ルビィ「でもぉ…」

ダイヤ「でもじゃありません」クス

ダイヤ「ほら、あの子たちは? 石野さんと吉木さんでしたっけ」

ルビィ「クラスはなれちゃったからあんまり会わない…」

ダイヤ「あらら。せっかく仲良くなれたのにね」

ダイヤ「また新しくお友達を作らなくっちゃね」

ルビィ「もうやだぁ」

ダイヤ「やだと言っても仕方がないでしょう。お弁当も一人で食べて、教室移動も一人でするつもり?」

ルビィ「そんなの気にしないもん」

ダイヤ「あと二年間も?」

ルビィ「うう…」ピ…

ダイヤ「高校に入ってからも、わたくしと一緒にいられるのは一年間だけなのよ。残りの二年間、またおんなじように一人で過ごすの?」

ルビィ「うううう……」グズ…
0018ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
垢版 |
2018/07/26(木) 21:42:54.36ID:/BRlhQz4
ダイヤ「よしよし、泣かないの」ナデ

ダイヤ「みんな、最初に話し掛けるのは怖いのよ。ルビィだけじゃなくて、みんな同じ。だからこそ、勇気を出して話し掛けてくれたら誰だって嬉しいし、お友達になりたいって思うの」

ルビィ「…………」

ダイヤ「頑張れるわね?」

ルビィ「……」コク

ダイヤ「さすが我が妹。お姉ちゃんも応援してるからね」

ルビィ「うん…がんばる!」

ダイヤ「よーし。それじゃ、一緒にμ'sのライブを観ましょうか! 今日はどれにしましょうね〜」

ルビィ「ルビィあれ観たい! 凛ちゃんの!」

ダイヤ「ファッションショーの? あれ好きねえ、ルビィは」

ルビィ「うん! はやく観よー!」グイグイ

ダイヤ「もう。引っ張らなくたって、お姉ちゃんは逃げませんわよ」

***
0019ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
垢版 |
2018/07/26(木) 21:43:57.77ID:/BRlhQz4
***

カラリ…


ルビィ「おねいちゃあ。いっしょに寝ていー?」

ダイヤ「あらルビィ」

ダイヤ「構わないけれど、わたくしはもう少し起きてるわよ?」

ルビィ「お勉強?」

ダイヤ「そうよ」

ルビィ「えー。おねいちゃんならだいじょうぶだよ。いっつも一番だったもん」

ダイヤ「中学生の頃はね。高校に入ってからどんどん難しくなっていくからね、きちんと復習しておかないと」

ルビィ「どのくらいするの?」

ダイヤ「そうね…あと一時間くらいかしら」

ルビィ「じゃあ待つ!」ボフン

ダイヤ「ええ? 構わないけれど…眠くなったら寝るのよ」

ルビィ「うん! 本読んでるね」

ダイヤ「はいはい」

ダイヤ「…………」カリカリ

ダイヤ「…………」カリカリ

ダイヤ「……」チラッ

ルビィ スピー

ダイヤ「…ふふ、ほらね」

ダイヤ「まったく。すぐわたくしの布団を占領するんだから」

ダイヤ「お休みなさいな、ルビィ」チュ
0020ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:45:06.16ID:/BRlhQz4
ルビィ「ふあ…」パチ…

ルビィ「んあ。ここどこ…?」モゾモゾ キョロ

ダイヤ スー

ルビィ「あ。そっか、ルビィまたおねいちゃんのお布団で…」

ダイヤ スー

ルビィ「…えへへ」

ルビィ モゾモゾ


ギュ


ルビィ「おやすみなさい、おねいちゃあ」

ルビィ スピー

***
0021ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:46:09.69ID:/BRlhQz4
***

ドンナーアーシターガー

マッテールンダローナンテネボクハー ボクタチハー

スコシ、ズツ、テサ、グリシテッター


ルビィ「はーげーまーしあってー ぶーつーかーりあったーときでさえー」

ダイヤ「♪わかってた」

ルビィ「おん、な、じー ゆーめをみてーるーとー」キャッキャ

ダイヤ「♪目指すのはあの太陽……あら、ルビィ。間もなくお稽古の時間になるわ」ハッ

ルビィ「あっ…」ハッ

ルビィ「わすれてたー! すぐ準備してくるから!」パタパタ

ダイヤ「はいはい」

ダイヤ(どうもあの子は稽古を忘れがちね) フウ…

ルビィ「おまたせ、おねいちゃあ」テテテ

ダイヤ「では行きましょうか」スッ

ルビィ「うん!」
0022ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:47:20.14ID:/BRlhQz4
ダイヤ「今日はなにをするの?」

ルビィ「課題曲の大詰めやるってゆわれた」

ダイヤ「そう。原本先生のお持ちになる課題曲は難しいわよね」フフ

ルビィ「うん。でもおねいちゃんなら楽勝だったでしょ」

ダイヤ「そんなことないわよ。お姉ちゃんだって時間が掛かったわ」

ルビィ「うそだー…おねいちゃんのほうは、集まりの練習?」

ダイヤ「そうよ。この時期だからね」

ルビィ「どう?」

ダイヤ「特に不安もないわよ。もう毎年のことだもの」

ルビィ「すごいなあ…あんなたくさんの人の前で弾くなんて、ルビィには絶対できないもん…」

ダイヤ「ルビィだって、立奏ができるようになったのでしょう?」

ルビィ「そうだけど、立奏なんておねいちゃんは六年生でできたのに…」

ダイヤ「…ふふ」

ダイヤ「あなたにはあなたのペースがあるのだから、わたくしと比べる必要なんかありませんわ」
0023ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:48:25.08ID:/BRlhQz4
ダイヤ「さあ、行ってらっしゃい」

ルビィ「うん」

ルビィ「おねいちゃんはなにするの?」

ダイヤ「そうねえ。ライブの続きを観ちゃおうかしら」

ルビィ「だーめーっ! ルビィのお稽古終わったら一緒に観よう! それまで待っててー!」

ダイヤ「ふふ、冗談よ。勉強でもしてるつもり。終わったら一緒に観るって約束するから、お稽古を一生懸命やってきなさい」

ルビィ「はあい」

ルビィ「…おねいちゃんとお稽古の時間一緒だったらよかったのに」

ダイヤ「え?」

ルビィ「そしたらもっとたくさんおねいちゃんといられるのになって…」

ダイヤ「ルビィ…」

ダイヤ「先生が違うのだから仕方ありませんわ」ポン

ダイヤ「その分、一緒に過ごせる時間をもっともっと大切にしていきましょう。ね?」

ルビィ「うん…」

ダイヤ「さ、ほらお行きなさい。先生をお待たせしてはいけませんから」ナデ

ルビィ「はあい。いってきます」テテテ…

***
0024ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:49:16.67ID:/BRlhQz4
***

お姉ちゃんと遊んで、歌って、お話しして。

お姉ちゃんに甘えて、頼って、守られて。

お姉ちゃんが好きで、好きで、大好きで。

ルビィだけの大切なお姉ちゃん。


それは、ずっと変わらないと思っていました。

***
0025ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:50:56.71ID:/BRlhQz4
***

アイセー ヘイ! ヘイ! ヘイスターダッ!

ヘイ! ヘイ! ヘイスターダッ

〜♪


ルビィ「うぶげのことりーたちーもー いつかそらにはばたくー」

ルビィ「おおきなつよいーつばーさーでー と、ぶ!」キャッキャ

ダイヤ ジィッ…

ルビィ「……?」

ルビィ「おねいちゃあ?」

ダイヤ ハッ

ダイヤ「ああ、なあに? ルビィ」

ルビィ「なんだかぼーっとしてたから…」

ダイヤ「ふふ。そう見えた? ぼーっとしてたんじゃなくて、じーっと観てたのよ」

ルビィ「今日は歌い狂わないの?」

ダイヤ「わたくしは歌い狂ったことなどありません」

ダイヤ「ちょっとね、ダンスとか…しっかり見たくて」

ルビィ「…? そういう日もあるよね」ウンウン

ルビィ「じゃあ今日はルビィもダンスしっかり見る日!」
0026ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:52:02.83ID:/BRlhQz4
ルビィ ジィッ…

ダイヤ ジィッ…


アシタヨ カ、ワ、レ! キボオニ カ、ワ、レ!


ルビィ ウズ…


マブシーヒカーリーニー テラサーレテーカワレー


ルビィ「すたーっ!」バッ

ダイヤ ビクッ

ルビィ「かなしみにーとーざされーてー なくだけのーきーみじゃなーいー」キャッキャ

ダイヤ「ふふ…」


キイトー キイトー キミノー ユメノー

チカラー イマヲー ウゴカスチカラー


ダイヤ ジィッ…

ダイヤ「なるほど…」

***
0027ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:53:20.54ID:/BRlhQz4
***

コンコン カラリ


ダイヤ「ルビィ」

ルビィ「なーに?」

ダイヤ「『月刊スクールアイドル』何冊か借りてもいいかしら」

ルビィ「うん、いーよ。どれがいい?」

ダイヤ「そうねえ…あれ何月号だったか覚えてる? あわじきんちゃくともちピーポーが特集されてたの」

ルビィ「あわじきんちゃくさんは去年の6月号で、もちピーポーさんは今年の2月号だよ」

ダイヤ「ありがとう。それと、うーん……ああ、この辺なんか良いかも」ヒョイヒョイ

ルビィ「………」ジッ

ルビィ「みんな三人組のだね」

ダイヤ「ええ、そうね。参考にしたくて」ンー

ルビィ「参考? なんの?」

ダイヤ ハッ

ダイヤ「あ、えっと、その…授業の課題でね、音楽と体育の」

ルビィ「そっかあ! がんばってね!」

ダイヤ「ええ、ありがとう。借りていくわね」

ルビィ「は〜い」


カラリ… パタン


ルビィ「〜♪」

ルビィ「…音楽と体育の??」ン?

***
0028ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:54:51.43ID:/BRlhQz4
***

梅雨。

ルビィのあんまりすきじゃない季節。

しとしと、しとしと。

毎日、音を立てずに雨が降り続けます。

クラスに、何人かお友達ができました。

お弁当を一緒に食べて、教室移動を一緒にするお友達が。

でも、どんくさいルビィはいっつも会話についていけなくて、移動にもついていけなくて、相づちを打つのも隣に並ぶのもやっとです。

正直、つかれます。


ルビィ「おねいちゃんだったら、お話しするのも歩くのも合わせてくれるのにな」


居間で一人、お姉ちゃんの帰りを待つ時間。

学校は楽しいことばっかりじゃない。

どちらかと言えば楽しくないことのほうが多いようにさえ思います。

それでも、学校に行かなくなることだけはしたくない。

たとえば嫌いな教科しかない日でも、たとえばお友達と気まずくなった次の日でも、それだけは。

だって、わたしは黒澤ルビィ。

黒澤ダイヤの妹だから。

わたしが情けないと、お姉ちゃんが責められる。

それだけは絶対に嫌だから。
0029ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:56:11.54ID:/BRlhQz4
それに、学校があんまり楽しくないことなんて、実はルビィにとってそこまで大きな問題じゃないのです。

家に帰ればお姉ちゃんがいる。

そう思うだけで、昔から国語だって算数だってへっちゃらでした。

同じ学校に通っていたときは、毎日お姉ちゃんの教室の前で待って、一緒に帰っていました。

二つも学年が違うから、一時間や二時間待つことだってよくあったけれど、そんなのは全然たいしたことじゃなくて。

教室から出てきたお姉ちゃんに飛び付く瞬間が、なによりもなによりも幸せでした。

お姉ちゃんが中学校や高校に上がってしまっても、それは変わらない。

こうやって居間でお姉ちゃんが帰ってくるのを待って、そして、一番に「お帰りなさい」を言う。

お姉ちゃんは、用事があってもいつでもまっすぐ帰ってきて、必ず一度帰ってきて、「ただいま」と言ってくれる。

ルビィが待っているのを知っているから。

その優しさが嬉しくて、そんなお姉ちゃんが大好きで。

ねえ、お姉ちゃん。

ルビィはずっとお姉ちゃんのことが大好きだよ――お姉ちゃんも、同じだよね……

………………

………
0030ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:57:16.40ID:/BRlhQz4
ルビィ「…んぁっ」


からだがビクリと跳ねて、目を覚ます。

うとうとしちゃっていたみたいです。


ルビィ「…おねいちゃんは?」


慌てて時計を見ると、六時になろうとしている。

外は雲と雨で明るくはないけれど、まさか朝方なんてことはないはずで…

玄関へ行き、靴を確かめます。


ルビィ「…ない」


まだ帰ってきていないのか、それとも帰ってきて出かけてしまったのか。

帰ってきたなら居間のわたしに気付かないはずがないし、気付いたなら声を掛けてくれないはずがない。

前に一度、それでわたしがひどく拗ねちゃったことがあるから。

なにか学校で用事があって、たとえば先生にお願い事をされちゃったとか、お友達にお勉強を教えてあげてるとか、どうしても断れない用事があって、遅くなってる…ん、だよね。

だって高校生だもん。色んなことがあるはずだもんね。


ルビィ「おねいちゃあ…」


ぐずぐずとした空は、雨のにおいだけを強く振り撒いています。

………………

………
0032ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:58:41.08ID:/BRlhQz4
ガラガラ、と扉が引かれる。

聞き間違えるはずのない足音。


ダイヤ「ただいま帰り――

ルビィ「おねいちゃあっ!」ピョンッ ダキッ

ダイヤ「きゃっ?!」ギュ

ダイヤ「もう、危ないわよ。まだただいまを言い切っても…」

ルビィ「おかえりなさい…遅かったね」ギュウ…

ダイヤ「え? ええ、そうね」

ルビィ「………」ギュウッ

ダイヤ「………?」


気持ちが抑えられない。

お姉ちゃんはまだ足が片っぽ家に入っていなくて、わたしは靴下のままで、戸惑う息づかいも伝わってくる。

けれど、なんだかとっても不安で。

なにかが変わってしまったような胸騒ぎに、お姉ちゃんの腰に回した腕に、ぎゅうっと力を込める。


ルビィ「帰ってこないかと思った…」
0033ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 21:59:40.47ID:/BRlhQz4
情けない本音に、ふふ、と優しい声。


ダイヤ「ばかね。そんなわけがないでしょう?」ナデ

ルビィ「うん…」ギュ

ダイヤ「とりあえず、家にあがってもいいかしら」

ルビィ「あっ! ごめんなさい!」バッ

ダイヤ「ルビィなんかつっかけもなしに。汚れを落としてからあがるのよ?」クス

ルビィ「はあい」


玄関で両足をはたく。

お姉ちゃんは傘を閉じて、鞄を置いて、靴を脱いで。

大好きなにおいにすっかり気持ちは晴れてしまった。

お夕飯までは時間があるから、先にお風呂に入っちゃおうかな。


ルビィ「ねえ、おねいちゃあ。一緒にお風呂、

ダイヤ「そうそう、ルビィ。話したいことがあるのよ」

ルビィ「へ?」

ダイヤ「お部屋に行ってもいいかしら」

………………

………
0034ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/26(木) 22:00:51.49ID:/BRlhQz4
ルビィ「スクールアイドルを…」

ダイヤ「ええ。果南さんはわかるわよね。それと、同じクラスの鞠莉さんって方とね、三人で」


お姉ちゃんがスクールアイドルを始めた。

三人で。


ダイヤ「ダンスも、歌も、全部自分たちで作るの…スクールアイドルなら当然のことなのですけどね」

ダイヤ「実際にやってみて初めてわかったわ。すごく大変」


頭の中で、いくつかのことがパチパチとパズルみたいに繋がった。

ダンスを熱心に見ていたのも、スクールアイドルの雑誌を借りていったのも。


ダイヤ「あわじきんちゃくも、もちピーポーも、もちろんあのμ'sだって通った道ですものね」

ダイヤ「わたくしたちには真姫さんも海未さんもエリーチカもいないけど、絶対にやれるって…そう感じるの」


そして、今日、帰りが遅かったのも。


ダイヤ「ね、ルビィ。応援してちょうだいね」

ダイヤ「あなたが浦女に入ったら、一緒にやりましょうね」


全ては、スクールアイドルを始めたから。


ルビィ「…うん! がんばってね、おねいちゃあ!」

***
0035ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
垢版 |
2018/07/26(木) 22:01:50.41ID:/BRlhQz4
***

嫌な気持ちはなかった。

なによりも驚きが強かったのと、それに、ここから始まるーーそんな期待が強かったから。

お姉ちゃんとルビィは、物心がついてから、ずっとずっとスクールアイドルに憧れてきました。

ルビィも高校生になったら始めるつもりです。

だから、ここからお姉ちゃんが走り始めることを思うと、わくわくしてどきどきして、がんばれ!って、それしか考えられなくって。

誰よりもおっきな声で、誰よりもおっきな拍手で、応援できる。


はず、でした。

***
0038名無しで叶える物語(茸)
垢版 |
2018/07/26(木) 22:38:51.13ID:bTB08PRj
いつも気持ち悪い庭が粘着してて好きなカップリングでも読む気起きないからそのうち違う名前でpixivにでも上げてくれ
0040名無しで叶える物語(禿)
垢版 |
2018/07/26(木) 23:39:38.57ID:piaTYweG
ぬしってのはいらないです
0041名無しで叶える物語(庭)
垢版 |
2018/07/26(木) 23:46:31.88ID:SV3ndTjn
元が茸だからあったほうがいい
変なのと分けやすい

あって困ることなんかあるのか?
0042名無しで叶える物語(禿)
垢版 |
2018/07/26(木) 23:51:22.34ID:emRBZuj+
トリップもしくは有限の箱庭という名前でも見分けは付きますが

理由になってないと文句でも言うかな?
0043名無しで叶える物語(庭)
垢版 |
2018/07/26(木) 23:58:12.66ID:4HF8JBVR
それもわかるけど、駄目な理由ご不明かな
作者の好きなようにしてもらって嫌なら見なきゃいい、それだけだし
0044ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
垢版 |
2018/07/27(金) 00:46:13.98ID:m/AF1QoJ
***

カラリ…


ルビィ「おねいちゃあ。いっしょに寝ていー?」

ダイヤ「あら、ルビィ。構わないけれど、わたくしはもう少し起きてるわよ」

ルビィ「今日もお勉強?」

ダイヤ「勉強…といえば勉強ね」

ルビィ「?」

ダイヤ「スクールアイドルのね。作詞を担当することになったの」

ルビィ「おねいちゃんが作詞するの?!」

ダイヤ「そうよ。だから、色んなスクールアイドルの曲を聴いて、お勉強なの」

ルビィ「すごいすごい! できあがったらルビィにいちばんに読ませてね!」ピョンピョン

ダイヤ「ええ〜? 果南さんたちよりも先に?」

ルビィ「先にー! ルビィが最初!」

ダイヤ「もう…仕方ありませんわねえ」クス

ルビィ「じゃあ終わるまで本読んでるね」ボフ

ダイヤ「またわたくしのお布団に…はいはい」
0045ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 00:47:00.57ID:m/AF1QoJ
ルビィ「〜♪」パタパタ

ルビィ「あ」

ルビィ「そうだ、ねえおねいちゃあ」

ダイヤ「…」

ルビィ「…おねいちゃあ?」

ダイヤ「…」

ルビィ「あ、イヤホンか…」

ルビィ「…あとにしよっと」

***
0046ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 00:48:02.28ID:m/AF1QoJ
***

ダイヤ「ただいま帰りました」


タタタタ…


ルビィ「おねいちゃあ! おかえりなさいっ!」ピョンッ ダキッ

ダイヤ「わっ。…とと、ただいまルビィ」ギュ

ルビィ「くんくん…汗のにおいがする」

ダイヤ「んなあっ?! お、おやめなさい!」// ジタバタ

ルビィ「今日もいっぱい練習おつかれさま、おねいちゃあ」ニコッ

ダイヤ「あ…」ピタ…

ダイヤ「ええ。たくさん踊ってきたのよ」

ルビィ「今日はなに踊ったの?」

ダイヤ「ふふ。覚えているかしら、この前の曲」

ルビィ「おねいちゃんが作詞したやつ!」

ダイヤ「そう。果南さんが考えてきてくれたダンスをね、みんなで合わせてみたの」

ダイヤ「まだまだ課題だらけだけれど、だからこそやりごたえも感じられる」

ダイヤ「ルビィとも、早く一緒にやりたいですわね」ニコッ

ルビィ「うう〜……」

ルビィ「ルビィもやりたい! ね、おねいちゃあ。ダンス教えて!」

ダイヤ「ええ? わたくしたちがやってるやつを?」

ルビィ「うん! おんなじの踊りたいーっ」グイグイ

ダイヤ「も、もう…疲れちゃったから、また今度でもいい?」

ルビィ「えー」

ダイヤ「約束。必ず教えるから。ね?」

ルビィ「うゆー……はあい」プクー

***
0047ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 00:49:11.55ID:m/AF1QoJ
***

カラリ…


ルビィ「おねいちゃー。いっしょにライブ観よー」パタパタ

ダイヤ「ああ…ごめんなさい、ルビィ。今日はこれから出掛けるのよ」

ルビィ「えー、おでかけ?」

ダイヤ「お出掛け…という感じではないわ。スクールアイドルの練習に、ね」

ルビィ「ああ……」

ダイヤ「だから、ごめんね。もう少ししたら出ちゃうの。夕方には戻るから、帰ってきてから一緒に観ましょう?」

ルビィ「うん…」

ルビィ「……」

ルビィ「ルビィも行っていい?」

ダイヤ「えっ。来ても楽しくないでしょう」

ルビィ「楽しくなくてもいいの。いっしょに行っていい?」

ルビィ「スクールアイドルのことならわかるし、お手伝いもできるよ」

ダイヤ「うーん…果南さんたちに聞いてみますね」

ルビィ「うん」

ダイヤ「…あ、もしもしダイヤです。少しよいですか?」

………………

………
0048ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
垢版 |
2018/07/27(金) 00:50:20.90ID:m/AF1QoJ
果南「あ。ダイヤ来た」

鞠莉「ハァイ、ダイヤ!」ノシ

ダイヤ「遅くなりましたわ」

果南「あれ? ルビィも来るんじゃなかったの?」キョロ

ダイヤ「え? あら? ルビィ?!」キョロキョロ

鞠莉「ねえ、もしかしてあれじゃない?」

壁|ビィ コソ

果南「ほんとだ」

ダイヤ「〜〜〜っ…もう、あの子ったら」スタスタ

ダイヤ「ルビィ。こんなところにいないで、向こうでお二人にご挨拶なさい」

ルビィ「うゆ…」モジ

ダイヤ ハァ

ダイヤ「じゃ、お姉ちゃんと手を繋いでいきましょう。それなら怖くないでしょ?」スッ

ルビィ「うん…」スッ


トテトテトテ…


果南「手ぇ繋いでる」

鞠莉「カワイーね!」
0049ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 00:52:46.46ID:m/AF1QoJ
ダイヤ「ご存知とは思いますが、妹のルビィですわ」

ルビィ「お、おねいちゃんの妹の黒澤ルビィです…」ペコッ

果南(お姉ちゃんの妹…)

鞠莉(苗字も名乗った…)

ダイヤ「果南さんと、」

果南「やっほー、ルビィ。久し振り」

ルビィ「あ…おひさしぶりです」ペコッ

ダイヤ「こちらは鞠莉さんよ」

鞠莉「チャオ〜」

ルビィ「こんにちは…」ペコッ

果南「しばらく見ない間に、またダイヤに似てきたねえ」

ダイルビ「「そ、そうですか?」」テレ

果南「顔立ちはまだまだあどけないけどね」

鞠莉「なんだか小動物みたいね」

ルビィ「ぴっ?!」ビクッ

ダイヤ「ルビィは怖がりなのですから、あまり変なことを言わないでください。…鞠莉さん、ルビィとは初めましてではありませんわよね」

ルビィ「えっ」

鞠莉「そうね。ダイヤの家に遊びにいくと、必ずいたもんね」

ルビィ チラッ

ダイヤ「本当よ。鞠莉さんは何回か我が家に遊びにきているし、ルビィもほとんど毎回同席していたのだけれど…」
0050ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 00:54:48.81ID:m/AF1QoJ
果南「ルビィはダイヤにべったりだったからねー。私だって小学一年生の頃から遊びにいってたのに、三年生くらいにしてやっと口きいてもらえたし」アハハ

ダイヤ「果南さんは怖がられていましたからね」

果南「えー、そうなの? なんで?」

ダイヤ「ルビィに絡もうとしてやたら追い掛け回していたからですわ」

果南「そうだっけ?」

鞠莉「追い掛けるのやめたらお話ししてくれたの?」

果南「わかんない。忘れちゃった」

ダイヤ「……初めてお二人が話をした日は、果南さんが『渾身の秘策』と称して、ルビィの好きな飴を用意してきたのです」

鞠莉「食べ物で釣ったの…」

果南「食べ物で釣れたの…」

かなまり((あとなんでそんなことまで覚えてるんだ…))

ルビィ「…あのとき果南さんにもらったあめ、まだ残ってます」エヘヘ

かなダイまり「「「??!!」」」

………………

………
0051ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 00:55:55.31ID:m/AF1QoJ
果南「それじゃ、始めよっか」


少しの雑談の後、果南さんがそう言いました。

やっと相づちが打てるくらいに緊張が解けてきたと思ったんだけど…でも、そもそも今日は遊びにきたわけじゃないし。

お姉ちゃんは、その言葉でぱっと真剣な表情に変わりました。

それは、日舞のお稽古をするときのすごく真剣な表情とは全然ちがう――真剣で、でもどこか楽しそうな表情。

真剣な笑顔、とでも言えばいいのかもしれない。

ふと見てみたら、果南さんも鞠莉さんも同じ表情で。


ルビィ「…………」モヤ…
0052ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 00:59:26.81ID:m/AF1QoJ
果南「ルビィ。ラジカセお願いしてもいい?」

ルビィ「あ…はい」

鞠莉「急いで立ち位置に入らなくていいから助かるね」

ダイヤ「ふー……」

鞠莉「ダイヤ、もしかして緊張してる?」

ダイヤ「…少し」

果南「ルビィの前だもんね」

ダイヤ「あのねルビィ、まだ始めたばかりだから、その、」

ルビィ「…大丈夫だよ、おねいちゃあ。穂乃果ちゃんもエリーチカも、最初はへたっぴだったんだもん」

果南「ふふ。ルビィのほうが私たちよりよっぽどオトナかもね」

ダイヤ「わたくしの妹ですもの。当然ですわ」

鞠莉「ダイヤよりオトナよ」

ダイヤ「んなあっ?! そんなこと…いえもちろんルビィもオトナなのですが、わたくしより…だからといって」

ルビィ「音楽スタート」カチッ

ダイヤ「早い!!」

果南「さ、お喋りはおしまいだよ」


そして、曲が始まった。

………………

………
0053ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 01:00:22.68ID:m/AF1QoJ
それから約四時間。

お昼ごはんや休憩を挟みながら、お姉ちゃんたちは練習を続けた。

歌って、踊って、話し合って、筋トレして。

その一つひとつが、たどたどしくって、ういういしくって――なんて、やったことのないルビィが言うのは失礼だけれど。

プロのアイドルにも、μ'sにも、それ以外のスクールアイドルにだって遠く及ばないそれらは、人から見ればお遊戯会と大差なかったかもしれない。

でも。


果南「鞠莉! また声裏返っちゃってるよ!」

鞠莉「あ〜ん、もうっ。why?! こんなメロディラインにしたの」

ダイヤ「そういう果南さんこそ、手が左右逆ですわよ」

果南「あれー?! 完璧だったと思ったのに」


その全てを、心の底から楽しんでいて。


ダイヤ「ふうっ」

ダイヤ「…ね、どうかしら。お姉ちゃんたちの練習」

ルビィ「……うん! すっごくかっこいい!」


真剣な笑顔が三人だけの合言葉であるかのように、ルビィには感じられました。

***
0054ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 01:21:08.11ID:m/AF1QoJ
***

カラリ…


ルビィ「おねいちゃー……」


ガラン…


ルビィ「…あれ?」





ルビィ「?」スッ

ダイヤ『おはよう。今日も練習に行ってくるわね。夕方には戻ります』

ルビィ「………っ」


ルビィ「……おねいちゃあ…」

***
0055ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 01:43:00.25ID:m/AF1QoJ
***

ダイヤ「ありがとうございました。またよろしくお願いいたします」スッ パタン…

ルビィ「おねーちゃ」

ダイヤ「あら、ルビィ。待っててくれたの?」

ルビィ「うん、お稽古お疲れさま。お琴ルビィが持つ!」カシテー

ダイヤ「ありがとう。それじゃお願いするわね」ハイ

ルビィ「おねいちゃんのお琴、廊下でずっと聴いてたの。やっぱり上手だなあって思った」テトテト…

ダイヤ「ふふ…わたくしの音を最も純粋に楽しんでくれるのは、きっとルビィなのでしょうね」スタ…スタ…

ルビィ「絶対そうだよ! おねいちゃんのことすきな気持ちはルビィ誰にも負けないもん!」

ダイヤ「わたくしだってそうよ。ルビィのことを好きな気持ちは誰にも負けませんわ」

ルビィ「えへへー」テレテレ

ルビィ「ね、おねいちゃあ。今日はもうなにもないでしょ? 案内所にみかんアイスでも食べに…」

ダイヤ「あ…ごめんね、ルビィ。実は、三時から果南さんたちと集まることになったのよ。ダンスで確認したいところがあるからって」

ルビィ「……そっか」

ルビィ「練習なら仕方ないね」

ダイヤ「ええ…ごめんね」

ルビィ「ううん、平気」フルフル

ルビィ「…」

ダイヤ「……あ、ルビィも一緒に来る? ほら、ダンス教えるって約束、まだ果たせてなかったし…せっかくなら、」

ルビィ「行かない」
0056ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 01:44:18.72ID:m/AF1QoJ
ダイヤ「…ルビィ」

ルビィ ハッ

ルビィ「あ、あの、せっかく集まるのにルビィに教えるので時間使っちゃったらもったいないから、練習はしっかりやらなきゃ意味ないし、だから、うん、今日は行かない。また今度行く」アセ

ダイヤ「そ…そうね。急についてきたら果南さんたちの練習予定も狂うものね。また今度、事前に申し出ておいてから一緒に行きましょうね」

ルビィ「うん…そうする」

ルビィ「…おねいちゃあ、準備してきていいよ。お琴はルビィが片付けとくから」

ダイヤ「え? いや、それは悪いから…」

ルビィ「いいから。ね? 急がないと、走って行かなきゃいけなくなっちゃうよ」

ダイヤ「…ええ、それじゃ任せるわね」

ルビィ「うん」

ダイヤ「また、後でね」

ルビィ「うん。いってらっしゃい」


スタスタ…


ルビィ「…っ」


――鞠莉『もー、ダイヤってば』アハハ

――果南『しっかりしてよー? ダイヤ』アハハ

――ダイヤ『お、お二人だってー!』

ワイワイ… ワイワイ…


ルビィ「おねいちゃあ…」グスッ

***
0057ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 06:57:05.10ID:m/AF1QoJ
***

タタタ… ガラッ


ダイヤ「ただいま帰りましたわ!」ハアッ


シン…


ダイヤ「…あら?」

ダイヤ「ルビィ?」

ダイヤ「ルビィ、いないのー?」


シン…


ダイヤ「あの子のほうが遅いなんて…」スッ

ダイヤ『帰ったわよ。出掛けてるの?』スマスマ

ダイヤ「ルビィに『おかえり』と言われないのは、いつぶりでしょうね」

ダイヤ「…」

ダイヤ「急いで帰ってきたんだけどな…」

………………

………
0058ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 06:58:05.76ID:m/AF1QoJ
ルビィ「ただいまー」

ルビィ「あれ? おねいちゃんの靴だ…」

ルビィ トコトコ…


タタタ…


ダイヤ「ルビィ?!」バッ

ルビィ ビクッ

ルビィ「あ、おねいちゃあ…ただいま。どうかしたの? 早かったね」

ダイヤ「どうかしたのはお姉ちゃんの言葉よ…帰ってきたらあなたいないし、連絡しても返事もないから…」

ルビィ「え?」スッ

ルビィ「あっ。ごめん、見てなかった」

ルビィ「ちょっと学校に居残ってただけだよ」

ダイヤ「そう…」

ダイヤ「それならよかった…」ヘナ

ルビィ「心配かけちゃってごめんなさい」

ダイヤ「いいのよ。たまたまわたくしのほうが早かっただけなのね」

ダイヤ「さ、疲れたでしょう。お姉ちゃんがお茶淹れるから、居間でライブでも観ましょう」

ルビィ「お菓子も食べていー?!」

ダイヤ「お菓子はだめです。お夕飯前よ」メッ

ルビィ「はあい…」

ダイヤ「鞄を置いていらっしゃい」クス

ルビィ「うん! すぐ戻るね」テテテ…

***
0059ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 06:58:39.33ID:m/AF1QoJ
***

ー数日後ー


ダイヤ「ただいま帰りました」


シン…


ダイヤ「今日もいないのね…」

………………

………
0060ぬし ◆z9ftktNqPQ (帝国中央都市)
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2018/07/27(金) 06:59:57.13ID:m/AF1QoJ
『スクールアイドルの歴史』


ルビィ「 」ペラ… ペラ…


放課後、学校の図書室。

ここ最近、ルビィは授業が終わってから図書室に行くことが多くなりました。

学校が終わったら走って帰って、居間でお姉ちゃんを待って、そして一番に「おかえりなさい」を言う。

いつからか、もう数年間も欠かしたことがなかったのに、それができなかった。

そのことが、ほんとは悔しくって――でも。

何年間も続けてきたこだわりはルビィの一人相撲かもしれない。

そんな風に考えていたけれど、そんなことはなかったんです。


――ダイヤ『ルビィ?!』バッ

――ダイヤ『帰ってきたらあなたいないし、連絡しても返事もないから…』

――ダイヤ『よかった…』ヘナ


帰ってきてルビィがいないと、お姉ちゃんは心配する。

何事もなかったとわかったら、お姉ちゃんは安心する。


ルビィ「うふふ…」


ね、お姉ちゃん。

一人って、結構さみしいものでしょ?

ルビィがいないと、さみしいでしょ――?

***
0061ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:14:34.52ID:ZOT8RwaC
***

委員長「きりーつ、きをつけー、れー」


それから二週間ほど経ちました。

今日もルビィは図書室に向かいます。

最初はただ時間を潰すためだけに選んだ場所だったけれど、少しずつ図書室そのものが好きにもなってきました。

スクールアイドルの本、可愛い衣装の本、懐かしい童話。

本がたくさんあって、今日はなにを読もう、明日はなにを読もう、なんて考えるのが楽しかったりします。

ちなみに昨日は『おいしいイチゴ図鑑』を読みました。

うゆゆ…イチゴ食べたい。
0062ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:15:28.46ID:ZOT8RwaC
ー図書室ー


カラリ


ルビィ スタスタ…

ルビィ キョロキョロ

ルビィ「うーん…」

??「なにか捜してるの?」

ルビィ「ピギャッ?!」ビクッ

ルビィ ビュン!

??「あ…図書室では走っちゃだめずら」

ルビィ ササッ コソ…

??「もしかして、驚かせちゃった? ごめんね」

ルビィ「…だれ」コソ

国木田「おらは国木田。図書委員だよ」

ルビィ「と、しょ…委員さん…」

国木田「うん」

ルビィ「図書委員さんなんていたんだ…」

国木田「そりゃいるよ。図書室があるんだもん」

ルビィ「だって、今まで会ったことないもん…」

国木田「あなた、よく図書室に来るの?」

ルビィ「…最近は毎日」

国木田「あ〜。ってことは、やっぱりみんなさぼってるんだ」

ルビィ「…」モジ
0063ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:23:35.74ID:ZOT8RwaC
国木田「ほんとは交代ばんこで毎日図書委員が来ることになってるんだよ。でも、図書室の利用者なんかいないからって、みんなさぼっちゃうみたいなの」

ルビィ「…そうなんですか」

国木田「うん。…なんでそんなずっと隠れてるずら?」

ルビィ「…」モジ

国木田「図書室に来てくれる人がいて、おら嬉しいな。ね、一緒に本読もうよ」

ルビィ「…うん」ソロソロ…

国木田「お名前は?」

ルビィ「…黒澤ルビィです」

国木田「ルビィちゃん! きらきらした名前ずら〜」

国木田「ルビィちゃんは明日も図書室に来る?」

ルビィ「たぶん」

国木田「じゃあ、明日からおらも来ようっと!」

ルビィ「交代ばんこじゃないんですか?」

国木田「どうせみんな来たがらないから、おらが代わるって言ったら喜んで譲ってくれるに決まってるずら」

国木田「ね、明日からも一緒に本読もうよ!」

ルビィ「う、うん…」

国木田「よろしくね、ルビィちゃん!」
0064ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:24:07.78ID:ZOT8RwaC
そうして知り合った国木田さん。

言葉通り、次の日も図書室に行くと国木田さんが待っていました。

その次の日も、その次の日も。

やがてルビィは放課後になると毎日図書室へ行くようになって、国木田さん――花丸ちゃんと本を読むのが日課になりました。
0065ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:25:23.16ID:ZOT8RwaC
ルビィ「はなまるちゃん、今日はなに読むの?」

花丸『エルマーの冒険』サッ

花丸「これ!」

ルビィ「ぶあつい…」

花丸「そんなことないよ。読み始めたら面白くて夢中になっちゃって、このくらいあっという間ずら!」

ルビィ「はなまるちゃん、これまでにどのくらい本読んだの?」

花丸「わかんないなあ。でもばあちゃんが持ってるのは全部読んじゃったから、千冊くらいなのかな」

ルビィ「せんさつ!!」

花丸「一日一冊読んだら三年で千冊だもんね。もっと多いか」アハハ

ルビィ「ごめんちょっと笑いどころがわからないかも」


どれだけ早く帰っても、お姉ちゃんが帰ってくるのは遅い。

それなら、花丸ちゃんと本を読んでから帰っても変わらない。

それに、万が一お姉ちゃんのほうが早くても。


――ダイヤ『よかった…』ヘナ


ルビィ「…♡」

***
0066ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:26:56.89ID:ZOT8RwaC
***

ダイヤ「ルビィ、最近なんだか楽しそうね」


ふと、お姉ちゃんがそんなことを言った。


ルビィ「えっ。そうかな?」

ダイヤ「ええ。学校に行くのも嫌じゃなさそう」


なんだろう。

自分ではそんなつもりなかったけれど、…でも。


ダイヤ「お友達でもできた?」


お姉ちゃんの言葉に、はっとする。


――花丸『ルビィちゃん!』


ルビィ「あ、そっか…」

ダイヤ「ん?」

ルビィ「そう、お友達ができたんだよ」

ダイヤ「あら! なんて子なの?」

ルビィ「はなまるちゃん!」
0067ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:27:45.48ID:ZOT8RwaC
学校に行くのが楽しい。

そうかもしれない。

クラスが違うからお昼の間は一緒にいることはないけれど、放課後に花丸ちゃんと本を読む時間は好き。

花丸ちゃんはしっかりしてるけどのんびり屋さんだから、どんくさいルビィでも無理せずお話しできる。

うふふ…

やっと、ちゃんと「お友達」って呼べる相手ができたんだ。

嬉しいな――


ダイヤ「花丸さん。可愛らしいお名前ね」

ルビィ「――――――は?」


思考がぴたりと止まる。

今、お姉ちゃん、なんて…?
0068ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:28:44.74ID:ZOT8RwaC
ダイヤ「そのうちお家に連れていらっしゃいな。ご挨拶を、」

ルビィ「つれてこないよ」

ダイヤ「…ルビィ?」

ルビィ「はなまるちゃんなんか、つれてこないもん」

ダイヤ「ルビィ。せっかくのお友達になんてことを言うの。『なんか』なんて言いかたしちゃ失礼でしょう」

ルビィ「はなまるちゃんなんか可愛くないもん」

ダイヤ「可愛く…? とにかく、お友達の悪口はいけません!」

ルビィ キッ

ダイヤ「?!」ビクッ


――ダイヤ『花丸さん。可愛らしいお名前ね』


ルビィ「はなまるちゃんは、可愛くなんかない」


――ダイヤ『誰よりもあなたのことが好きよ。ルビィ』


ルビィ「お姉ちゃんには絶対会わせないから」

ダイヤ「な、えっ、ちょっとルビィ…」

ルビィ タタタタタッ バタン!

ダイヤ「ルビィ?! お待ちなさい、ルビィ!」

………………

………
0069ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:29:52.75ID:ZOT8RwaC
ールビィの部屋ー


ルビィ「 」 ←布団に潜ってる


うう…やってしまった。

お姉ちゃんにあんな言いかたするつもりも、花丸ちゃんのことを悪く言うつもりもなかったのに。

なんだかついかっとなってしまって、抑えられなかった。

後でお姉ちゃんに謝らなきゃ…明日花丸ちゃんにも謝らなきゃ…でも謝ってもなんのことか伝わらないよね…

やっと、無理せず付き合えるお友達ができたのに。

大切なお友達なのに。

お姉ちゃんにも紹介したいし、お家に遊びにもきてほしい。

絶対に会わせないなんて、そんなの本気じゃ――


――ダイヤ『花丸さん。可愛らしいお名前ね』


お姉ちゃんはそう思ったからそう言っただけ。

なんの意味もない言葉だって、わかってるけれど…

…でも……


ルビィ「うう〜………ううう…………」

***
0070ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:32:15.72ID:ZOT8RwaC
***

ー次の日、放課後ー


『スクールアイドルの歴史』


ルビィ「 」モクモク…


ガラリ


ルビィ「!」

花丸「あ。ルビィちゃんもう来てたずら〜」トコトコ

花丸「早かったね」


――ルビィ『はなまるちゃんは、可愛くなんかない』


ルビィ「う、うん…」

花丸「? …またその本読んでるんだね。好きだね、それ」

ルビィ「え。あ、うん。ルビィ、スクールアイドル好きだから…」

花丸「そうなんだね〜」

花丸「ところで、すくーるあいどるって、なんずら?」

ルビィ「えっ?!」バッ

花丸「えっ?!」ビクッ

ルビィ「はなまるちゃん、スクールアイドル知らないの?!」

花丸「う、うん…あの、図書室では静かに…」

ルビィ「ルビィたち以外誰もいないから今は平気だよ!!」

花丸「うん、平気かもしれないけど、だとしてもそれを言っていいのは図書委員だけだと思うよ」
0071ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:33:22.22ID:ZOT8RwaC
ルビィ「スクールアイドルっていうのはね、高校生アイドルのことなんだよ! ほらこれ!」ササッ

花丸「高校生アイドル…」ジッ


『始まりのスクールアイドル A-RISE(UTX)』

『スクールアイドルが国内500組を突破』

『国立音ノ木坂学園 スクールアイドル μ'sに密着!』


ルビィ「スクールアイドルは学校の名前を背負って活動するんだよ! だからね、素人とはいっても覚悟が必要だし、どのグループも本気でやるからとっても輝いてるの!」

花丸「へえ〜」シゲシゲ

花丸「これはなんて読むの?」

ルビィ「アライズだよ」

花丸「こっちは?」

ルビィ「ミューズ!」

花丸「みんな都会的で未来的なんだねえ」

花丸「東京にはこんなのがあるんずらか〜」ホエー

ルビィ「うふふ…内浦にもいるんだよ、スクールアイドル」

花丸「え? そうなの?!」

ルビィ「うん。山の上の浦の星女学院にね。グループ名はまだ決めてないって言ってたけど」

花丸「ってことは結成したばっかりずら? よく知ってるね」

ルビィ「えへへ…だって、ルビィのおねいちゃんのグループなんだもん!」
0072ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:34:41.37ID:ZOT8RwaC
花丸「お姉ちゃん? ルビィちゃん、お姉さんがいるの?」

ルビィ「いるよ。とっても綺麗で頭も良くって優しいの!」

花丸「はーっ…それは確かにアイドルさんに向いてる感じがするね」

ルビィ「うん! そのうちはなまるちゃんも会いに…」


――ルビィ『お姉ちゃんには絶対会わせないから』


ルビィ「…っ」グッ…

花丸「ルビィちゃん?」

花丸「…」ジッ

花丸「あ!」

ルビィ「うゆ?」

花丸「ルビィちゃんのお姉さんって、ダイヤさんか!」

ルビィ「えっ。はなまるちゃん、おねいちゃんのこと知ってるの?」

花丸「そりゃそうだよ。内浦に住んでて黒澤家のダイヤさんを知らない子なんかいないずら。あ〜、苗字ですぐに気付けたよね…恥ずかしいなあ」

ルビィ(そっか、お姉ちゃん町内の行事とかに顔出すから…)

花丸「そう言われてみると、確かに似てるもんね」

ルビィ「えっ? ルビィとおねいちゃんが?!」キラ

花丸「へ? う、うん…髪の印象もそうだけど、目元とか顔立ちが…」

ルビィ「え〜…やだあ…」// テレテレ

花丸(ええええ…こんな嬉しそうなことあるの…)

花丸(姉妹で似てるのってそんなに嬉しいことなんだ…)

花丸「姉妹揃って美人さんなんて羨ましいね」

ルビィ「ええ? ルビィはそんなことないよ!」アセアセ ブンブン

花丸(確かに美人というよりは可愛いほうかも) クス
0073ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:36:19.91ID:ZOT8RwaC
花丸「それにしても、ダイヤさんなら、とっても人気が出そうだね」

ルビィ「…! 人気が…?」

花丸「うん。だって美人だし、きっとファンなんかもたくさんできるずら!」

ルビィ「…」


――ファン『ダイヤさん! いつも応援してます!』キャー

――ダイヤ『ありがとうございます。皆さんの応援がわたくしの一番の力ですわ』ニコッ


ルビィ「……っ」ギリ…

花丸「おら、アイドルなんて全然わかんないけど…ダイヤさんだったら見てみたいな〜。きっとすぐにトリコになっちゃう」

ルビィ「!」


――ダイヤ『花丸さん。可愛らしいお名前ね』


ルビィ「…だめ」ボソ

花丸「え? なんずら?」

ルビィ「おねいちゃんの応援はしないで」

花丸「え? な…なんで?」

ルビィ キッ

ルビィ「はなまるちゃんはおねいちゃんの応援はしないで!!」

花丸 ビクッ

ルビィ「おねいちゃんは…おねいちゃんはルビィだけの…」ブツブツ

花丸「ど…どうしたの、ルビィちゃん…」

ルビィ ハッ

花丸「…っ」ビク…

ルビィ「あ、あの、ごめん、ルビィ…」オロ

ルビィ「ごめんね! 今日は帰るっ!」バッ

花丸「あっ、ルビィちゃん!」


ガラッ タタタタ…

………………

………
0074ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:37:21.59ID:ZOT8RwaC
ルビィ「はっ、はっ、はっ、はっ」タタタ…


――果南『うん! ダイヤの書いた歌詞はいいね。こりゃ私たちのグループの代表曲になるよ』


ルビィ「……っ、はあっ…はあっ…」タタタ…


――鞠莉『ンー、一番ダンス映えするのはやっぱりダイヤねー。線も細いし女性らしいし… leader はダイヤに決まりね!』


ルビィ「はあ…っ、はあ……っ、はあ………っ」タタ… ピタッ


――花丸『ダイヤさんなら、とっても人気が出そうだね。きっとすぐトリコになっちゃう』


ルビィ「………っ、………………」ゼエ…ゼエ…


――にこ『アイドルに色恋なんて厳禁! だって、アイドルの恋人はファンのみんななんですもの』

――ツバサ『みんな! 今日も最後までついてきてくれてありがとう! 愛してるわ!』

――穂乃果『私、自分のこととか将来のこととか全然考えてなくって。だって今、目の前のアイドルで精一杯なんです。考えてないっていうか、だから、考えられないっていうほうが正しいのかも』

――海未『みんなのハート、撃ち抜くぞ〜っ♡』


ルビィ「うう…」ゼエゼエ…… …ギリリ
0075ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:38:11.56ID:ZOT8RwaC
お姉ちゃんがスクールアイドルを始めたことは、嬉しい。

ずっと一緒に憧れてきたことだから。

ここからお姉ちゃんの物語が、そしてあと二年もすれば私も一緒に二人の物語が始まっていく。

ずっとずっと楽しみにしてきたことで。

だけれど。


ルビィ「おねいちゃんが…遠く、なっちゃう…」


ファンなら誰でも知ってること――アイドルはみんなのもの。

それはつまり、お姉ちゃんがルビィだけのお姉ちゃんではなくなるということ。
0076ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:39:18.04ID:ZOT8RwaC
気付いていなかったんだ。

スクールアイドル黒澤ダイヤの始まりが、ルビィとお姉ちゃんの絆の終わりだってことに。

そんなことにも気付かないで、憧れて楽しみにして――ばかみたい。

お姉ちゃんがルビィだけのものでなくなるのなら、そうしてまで誰がスクールアイドルなんかやりたいものか。

いらないいらない。

お姉ちゃん以上に大切なものなんか、ルビィには、ない。


ルビィ「…」

ルビィ「…っはあ……」ユラ…

ルビィ「…帰ったらおねいちゃんに言お」トコ…トコ…


きっと同じ気持ちのはずなんだから、お姉ちゃんもルビィが言い出すのを待ってくれてるはずなんだ。

みんなの手前、一度決めたことを取り下げるなんて、黒澤ダイヤにできるはずがないから。

帰ったらルビィがちゃんと言うんだ。

スクールアイドルを、辞めて。

ってね。

………………

………
0077ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:39:59.47ID:ZOT8RwaC
『ダイヤの部屋』


ルビィ「…」フウ


コンコン


ダイヤ「はい、います。手が放せませんので、入っていただいて構いませんわ」


ガラリ


ルビィ「おねいちゃあ」

ダイヤ「あら、ルビィだったの?」カリカリ

ルビィ「うん」

ダイヤ「ノックなんかするから、てっきりお母さまだと思ったわ。お入りなさいな」カリカリ

ルビィ「うん」
0078ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:41:06.33ID:ZOT8RwaC
部屋に入ると、お姉ちゃんは机に向かっていた。

手を放せないとの言葉通り、なにか一生懸命にペンを走らせている。


ルビィ「なにやってるの?」


片耳だけイヤホン。


ダイヤ「曲の歌詞をね、メモしてるのよ」カリカリ

ルビィ「そっか。じゃあ待ってる」テテテ… ポフ


ベッドに座って、そんな後ろ姿を眺める。

やがてペンが止まり、お姉ちゃんがふーっと大きく息を吐く。


ルビィ「終わった?」

ダイヤ「ええ、お待たせ。終わったわ」

ルビィ「見てもいー?」

ダイヤ「いいですわよ」ハイ


受け取った紙には、最近よく聞くスクールアイドルグループの名前と、確か再来週CDが発売になるという曲のタイトル、そして殴り書きにも近い字で綴られた歌詞らしき文章。


ルビィ「…」ジッ

ダイヤ「汚いから、あんまりまじまじ見られると恥ずかしいわ」

ルビィ「おねいちゃんの走り書きなんて滅多に見ないから、ルビィ結構好きだよ」クス

ダイヤ「も、もう! からかうのはおやめなさいな。そんな字、ルビィ以外には見せられませんわ」
0079ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:42:10.33ID:ZOT8RwaC
ルビィ「ルビィにも片方ちょうだい」

ダイヤ「コンポに切り替える?」

ルビィ「ううん。イヤホンがいい」

ダイヤ「どうぞ」クス


イヤホンを受け取って、耳に。

予想の通り、スクールアイドルをメインに取り扱っているラジオが流れてくる。


ルビィ「こうやって一緒にラジオ聴くの、久し振りだね」

ダイヤ「そうね」


コンポを持っていなかった頃は、一つのイヤホンを分け合って聴いていた。

立体音響は半分しか入ってこないし、音の拾いも悪くなるけれど、こうやってラジオを聴くのは好きだった。

世界でたった一人だけ、お姉ちゃんと同じ時間を共有していることを実感できたから。


ラジオ『………………』

ダイヤ「…ふふ。………ああ、そうそう」ウンウン

ルビィ「…」グ…
0080ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:44:01.60ID:ZOT8RwaC
ルビィ「ねえ、おねいちゃあ」

ダイヤ「うん、なあに?」

ルビィ「スクールアイドル…始めて、よかった?」

ダイヤ キョトン

ルビィ「どうなのかなって。ずっと憧れてきたことに、とうとう踏み出した気持ち」

ダイヤ「…うふふ」

ダイヤ「聞かなくたって、わかっているくせに」

ルビィ「…」

ダイヤ「始めてよかった」

ダイヤ「これからはスクラジもラブライブ!も他人事じゃない。μ'sもA-RISEもただ憧れるだけの相手じゃない。胸がね、どきどきして止まらないの」

ダイヤ「こんなの――最高以外のなんでもないわ」

ルビィ「……っ」

ルビィ「…そう、だよね」

ダイヤ「ええ。一つだけわがままを言うのなら、隣にあなたがいないことだけが不満だけれどね」

ダイヤ「でも、だからって待ちませんわよ。スクールアイドルがスクールアイドルでいられる時間は限られている。その中で精いっぱい輝こうとするからこそ、映し出せる光がある」

ダイヤ「早く高校生にならないと、お姉ちゃんルビィのことどんどん置いていっちゃうわよ――なんてね♪」クス

ルビィ「っ!!」

ルビィ「…」ギリ…


ルビィ「…あはは、困ったなあ。おねいちゃんに置いていかれちゃったら、ルビィ一人じゃ輝けないよぉ」

………………

………
0081ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:44:38.19ID:ZOT8RwaC
ルビィ スッ

ダイヤ「あら。お部屋に戻るの?」

ルビィ「うん。宿題やらなくちゃいけないから」

ダイヤ「そう。わからないところがあったらおいでなさい」

ルビィ「ありがとう。おやすみなさい」

ダイヤ「ええ、お休みなさいな」

………………

………
0082ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:45:47.60ID:ZOT8RwaC
布団に潜り込む。


ルビィ「………………ぅ」ジワ…


言えるわけ、ない…!!


あんな笑顔を浮かべるお姉ちゃんに向かって。

その夢をずっと追い掛けてきたお姉ちゃんに向かって。

よりにもよってわたしが。

誰よりも近くで一緒に夢を追い掛けてきたわたしが。

スクールアイドルを辞めてだなんて、言えるわけがない!

始めてよかったって。

最高だって。


ルビィ「わかってるよぉっ、そんなこと!!」


わかってるから苦しいんだ。

わたしだって心から応援したかった。

誰よりも大きな声で、誰よりもまっすぐに。

スクールアイドル黒澤ダイヤを応援したかったのに。
0083ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:46:47.71ID:ZOT8RwaC
お姉ちゃんがスクールアイドルとして輝けば輝くほど、わたしとの距離はどんどん広がっていくんだ。


――ダイヤ『早く高校生にならないと、お姉ちゃんルビィのことどんどん置いていっちゃうわよ――なんてね♪』


笑い事じゃない…

それは、ルビィにとっては笑い事じゃないんだよ…お姉ちゃん。

学校も違う。

お稽古の時間も違う。

お姉ちゃんは練習もあるし、曲作りもある。

なんだっていい…お姉ちゃんと一緒にいられればなんだっていいのに、そんな時間が少しずつ削り取られていく。

そうやって少しずつルビィだけのお姉ちゃんじゃなくなっていって、いつか…いつか………


ルビィ「…っ、うわあああああああああああああああっっ!!!!」


いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ。

そんなのいやだ。

お姉ちゃんと一緒にいたい。

ルビィだけのお姉ちゃんでいてほしい。

これ以上、少しだって離れたくない。

どうすれば……どうすれば…………


ルビィ「ううっ……おねいちゃあ…………おねいちゃあ、うう…」

***
0084ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:47:51.42ID:ZOT8RwaC
***

ルビィ「おはよう、おかあさん」

黒澤母「おはようございます、ルビィさん。お休みなのに早いのですね」

ルビィ「うん、……」

黒澤母「…? どうかしましたか?」

ルビィ「うん。あのね、お話ししたいことがあるの」

………………

………
0085ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:49:00.46ID:ZOT8RwaC
タタタ…


ダイヤ「ルビィ! ルビィ、いたら返事をなさい!」

ダイヤ スッ

『新着メッセージ なし』

ダイヤ「まったく、あの子ったら…」ハァハァ


タタタ…


ダイヤ「沼津のほうに行っていたら厄介ですわね…」

ダイヤ タタタ… ハッ

ダイヤ「あ、あの…すみません。ひ…人を捜しているのですが、」ハァ…ハァ…

ダイヤ「このくらいの背の、腰くらいまでの黒髪の女の子を…」ハァ…

ダイヤ「捜し、て………」

ダイヤ「………る、ルビィ…なの?」

ルビィ「うん。ごめんね、おねいちゃあ。心配かけて。おうち帰ろっか」

ダイヤ「あなた…その髪…」

………………

…………

……
0086ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:49:54.08ID:ZOT8RwaC
――ダイヤ『おはようございます、お母さま』

――黒澤母 ハッ

――黒澤母『だ、ダイヤさん…』ヨロ…

――ダイヤ『お母さま?! どうかなさいましたか?!』タタッ

――黒澤母『ルビィさんを…ルビィさんを捜しにいってちょうだい…』

――ダイヤ『ルビィを…?! どういうことですか?!』

――黒澤母『今朝、随分早く起きてきたと思ったら、「話がある」と言って…』

――黒澤母『「黒澤家の娘を、やめます」――と』

――ダイヤ『……は?』

――黒澤母『心根を問うてもはっきり言わなくて、ただ、「時間が欲しいから」とだけ言って…飛び出していってしまったの…』

――黒澤母『突然のことで、追い掛けることもできなくて…ごめんなさい、不甲斐ない母で…ごめんなさい…』ウウ…

――ダイヤ『ご自身を責めるのはおやめください、お母さま!』

――ダイヤ『ルビィのことです、なにか考えが…あるいは悩みが…』

――ダイヤ『とにかく、わたくしはルビィを捜してきますわ。帰ってくるかもしれませんので、お母さまは家で待っていてください』

――黒澤母 コク…

――ダイヤ『あの子は……もう!』タタタタ…

………………

…………

……
0087ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:50:49.48ID:ZOT8RwaC
ダイヤ「あなた…その髪…」

ルビィ「えへへー。切って、染めたんだよ」

ルビィ「似合う?」

ダイヤ「…………っ!!」


――黒澤母『「黒澤家の娘を、やめます」――と』


ダイヤ「ああ……る、ルビィ…なんで……」カタカタ


――果南『しばらく見ないうちに、またダイヤに似てきたねえ』


ルビィ「? どうしたの、おねいちゃあ」

ルビィ「連絡せずに出掛けてごめんね。帰ろ!」


そう言って笑うルビィの髪は、赤く――短く――揺れていた。

***
0088ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:51:26.49ID:ZOT8RwaC
***

黒澤家の娘をやめます。

その言葉はどうでもよくって、ルビィが求めたことは一つだけ。

『黒澤家の娘だからしなければならないこと』からの解放――つまり。

………………

………
0089ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:52:26.70ID:ZOT8RwaC
ユメーノト、ビ、ラー ズゥトサーガシーツーヅーケータ

キミトーボクートーノー ツナガリヲサ、ガ、シィテェター

〜♪


ルビィ「いえす! じぶんをーしんーじーてー みんなをーしんーじーて」

ルビィ「あしーたがーまあてるーんだよー いかなくちゃー」

ルビィ「いえす!」キャッキャ

ダイヤ チラ

ダイヤ「…」フウ

ルビィ「…おねいちゃあ? 歌わないの?」キョトン

ダイヤ「え? ああ、ごめんね…ぼーっとしちゃってたわ。お姉ちゃんも歌おうかしら」

ルビィ「うん!」

ルビィ「つかれーたとーきーにーぼくをーはげーまーすー きみのーえがーおーはさーいこー そ、し、てーすこしーずつーすーすむーんーだーねー」

ダイヤ「♪ときめきへの鍵はここにあるさ」

ダイヤ「♪ユメノトビラ 誰もが探してるよ 出会いの意味を 見つけたいと願ってる」ニコッ

ルビィ「ゆめーのとーびーらー ずうとさーがしーつーづーけーてー きみとーぼくーとーで たびだあたあーのーきーせーつー」ニコッ


〜♪


ダイヤ「…あ。ルビィったら、そろそろお稽古の時間よ…」

ルビィ ニコッ

ダイヤ「っ!」ハッ

ダイヤ「…ごめんね、お姉ちゃんの勘違いだったわ。なんでもありません」

ルビィ「ううん、いいよ! それより、ね。歌お」

ダイヤ「…ええ」

ルビィ「お稽古なくなったから、今までよりたくさんおねいちゃんと一緒にいられるね!」キャッキャ

ダイヤ「…そうね。お姉ちゃんも嬉しいわ」ニコ…

***
0090ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:54:15.93ID:ZOT8RwaC
***

ガラリ


花丸「ルビィちゃん。こんにちは」

ルビィ「はなまるちゃん!」

花丸「今日はなに読んでるずら?」

ルビィ「これー!」

ルビィ『かわいそうな ぞう』サッ

花丸「懐かしいなー。おらもその本好きだよ」

ルビィ「ぞうさん可愛いな〜」ペラ

花丸「…」

花丸「ルビィちゃん、最近スクールアイドルの本あんまり読まないね」

ルビィ「んー…うん。もういいかなって」

花丸「もういい…?」

花丸「…そっか。おらはなに読もうかなー」

花丸(人の興味は刻々と移ろうもの。たいしたことじゃない)

花丸(だけど…)

ルビィ「〜♪」ペラ

花丸(…ルビィちゃんがスクールアイドルに対する興味をなくしたことだけは、なんだかすんなり呑み込めないな)

花丸「…」ハァ

花丸(余計なお世話、なんだよね…)

***
0092ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:57:38.72ID:ZOT8RwaC
***

〜♪(アウトロ)


果南「…よーし。だいぶいい感じになってきたね」

鞠莉「あとは細かいとこ合わせるだけだね!」

ダイヤ「なんとか形になってよかったですわ…」フウ

果南「じゃ、今日はこんなもんにしよっか」

ダイまり「「は〜〜〜い」」ドサッ

果南「あはは。最近、体力トレが疎かだったかもね。練習メニューも少し見直そっか」

ダイヤ「それは賛成ですけれど…果南さんに全て任せるのはイヤですわよ…」

果南「へ? なんで?」

鞠莉「果南に合わせてメニュー作られたら内臓と血管まで筋肉になっちゃうもん…」

果南「えー? でもなあ、それじゃ私は物足りないんだよなー」

ダイヤ「わたくしたち三人のタスクとして定めないでほしいと言っているのです。果南さんは一人で勝手に二倍でも三倍でもお好きにやっていてください」

果南「もー、つれないんだから〜」ハグーッ

ダイヤ「いえほんとにつれないとかではなく」
0093ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 07:58:40.65ID:ZOT8RwaC
鞠莉「あ。ねえ」

果南「ん?」

鞠莉「せっかく練習も余裕が出てきたんだし、久々に Ruby 呼びましょうよ!」

ダイヤ「え…」

果南「おっ、それいいね。結局あの一回っきり会ってないしね」

鞠莉「果南が怖いから来てくれないんじゃないのー?」

果南「そんなことないよーだ。だって私があげたアメまだ持ってくれてるって言ってたじゃん」

鞠莉「それは早急に捨てさせるべきだと思うのよねマリィ」

果南「ね、いいでしょダイヤ。都合つく日でいいからさ、またルビィ連れておいでよ」

ダイヤ「えっ、ええ…」

果南「…ダイヤ? どうかした?」

鞠莉「なにかまずいの?」

ダイヤ「…」

ダイヤ「…お二人には、お話ししておきたいと思いますわ…」

***
0094ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 08:00:48.57ID:ZOT8RwaC
レスありがとうございます
今朝は一旦ここまで、また昼過ぎか夜にでも投下したいと思います
あと三回くらいかな?
0097名無しで叶える物語(らっきょう)
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2018/07/27(金) 12:09:18.61ID:u9p6P9H7
ルビィ赤髪の理由か
0098ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 12:53:49.34ID:IxJC394/
***

ルビィ「こんにちは。果南さん、鞠莉さん」ペコ

かなまり「「………………っ!」」

ダイヤ「…」

ダイヤ(お二人とも)

かなまり ハッ

果南「や。また何週間かあいちゃったね…久し振り」

鞠莉「ちゃ、チャオ。相変わらず very cute ね、ルビィ」

ダイヤ「今日は体力作りをメインにした基礎寄りのメニューだから、ルビィも参加できるところがあったらしてみなさい。きっとよい練習になるわ」

ルビィ「うん。ルビィ体力ないからみんなの足引っ張っちゃうかもしれないけど…」

果南「二年も違うんだから当たり前だって。焦らないで、無理しない範囲でついておいでよ」

ルビィ「ありがとうございます。果南さん」

果南 ニッ

果南(態度は前と変わったように見えない…普通だ。…けど、)


ルビィ ソヨ…


果南(ここまで外見が変わるとやっぱり結構驚くな…)

鞠莉「…」

………………

………
0099ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 12:55:53.30ID:IxJC394/
果南「腹筋200回! いくよ!」

ダイヤ「はい! …え?」

鞠莉「okay! …え?」

ルビィ「2回の間違いですか?」


果南「残り300秒!」

ダイヤ「は…はぃい…」ググ…

鞠莉「woo…」グヌ…

ルビィ「 」コヒュー…コヒュー… ← warning…warning…


果南「ダイヤあと六往復! 鞠莉は十一往復だよ、ファイト!」

ダイヤ「かっ、果南さん…速すぎますわァ…」ヘロヘロ タッ…タッ…タッ…

鞠莉「………っ、…………っ、……………っ」白目 タッ……タッ………タッ…………

ルビィ「 」ピッ…ピッ…ピッ… ← dead-or-alive


果南「イチ、ニッ、サン、シッ ヨン、ゴー、ロク、ナナ!」パンパン

果南「二人とも動きにキレがないよー!」

ダイまり((これでまだ立ってられるだけマシだ…)) ユラユラ

ルビィ「 」…ピーーーーー ← !DEAD!

………………

………
0100ぬし ◆z9ftktNqPQ (有限の箱庭)
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2018/07/27(金) 12:56:25.96ID:IxJC394/
果南「オッケー! 午前はここまでにしよっか」

ダイヤ「 」← !DEAD!

鞠莉「 」← !DEAD!

ルビィ「 」← !DEAD!

果南「うーん…体力不足が深刻だな〜」

ダイまり「「どう考えても練習量がおかしい!!!」」クワッ

果南「なんだ、元気じゃん二人とも」アハハ

………………

………
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