凛「7月16日は」ツバサ「虹の日?」
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【四月】
凛(凛たちも高校生になって、今日からお昼はお弁当だよ)
凛「んー」
花陽「どうしたの凛ちゃん?」
凛「凛はラーメンが好きなんだけど…」
花陽「う、うん。よく知ってる…」
凛「でもお弁当にはハードル高いよねー?」
花陽「そうだね…冷めちゃうし、スープの扱いが難しいし、麺ものびちゃうし」
凛「なんか、いい方法ないかにゃー」
花陽「でも凛ちゃんのお弁当おいしそうだよ。やっぱりごはんが一番じゃないかな?」
凛「まあ、ごはんも美味しいけどにゃ」
【中庭】
穂乃果「本当に学校、なくなっちゃうんですか…?」
絵里「あなたたちが気にすることじゃないわ」
スタスタ
希「あ…待って、エリち」タタッ
凛(おいしいラーメン。おいしいお弁当…おいしいラーメンで、かつ美味しいお弁当…)ブツブツ
ドン
希「わ」
凛「にゃ><」
バサ
希「ご、ごめんね。大丈夫?」
凛「大丈夫にゃ!…エヘヘ。凛こそ、ごめんなさい…」
希(カード落としちゃった…拾わなきゃ)
VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvvv:1000:512:----: EXT was configured 凛「それ何ですか?ラーメン屋さんの餃子無料券?」
希「いや、こんなデザインの割引券ないやろ?…これはタロットカード」
凛「スーパーサイヤ人?」
希「それはカカロット」
凛「ホーローシステムキッチン」
希「それはタカラスタンダード」
凛「守備力20でローレシアの王子しか装備できない最強の兜。前作では『にじのしずく』があった、アレフガルド南端の聖なるほこらで手に入るにゃ」
希「それはロトのかぶと」
凛「そのカードがあれば無料で兜が貰えるんですねー?」
希「いや、ロトの兜やなくてタロットカードや。占いができるんよ」
凛「へー。占いって、何でもわかっちゃうんですかー?」
希「何でもってわけやないけど…キミは何か占ってほしいこと、ある?」
凛「ラーメン!」
希「ラーメン?」
凛「えっと…今は、お弁当のことかな。エヘヘ」
希「お弁当ね(献立に悩んでるんかな?)。よっしゃ、まかせて♪」パラララ
凛「わー!すごいにゃ。手品みたい♪」
希「こうやってシャッフルしながら、ウチのスピリチュアルなパワーをカードにこめるんよ」
にこ「呼んだ?」
のぞりん「呼んでない」
にこ「あ、そう…」スタスタ
凛「あの子、先輩のお友達ですかー?」
希「んー。まあ、そう…かな?…あ、ウチは東條希。生徒会の副会長さんや。生徒会長の次に偉いんよ」ドヤァ
凛「偉いんだ…ふふふ。凛は星空凛っていいます」
希「ほしぞら…さん?」
凛「はい。お星さまの空って書いて星空」
希「へー。(珍しい苗字…)なんかキレイやな♪じゃあ、星空のスプレッドにしようか」シュタタタ
凛「どういうことですかー?」 希「タロットカードで占いをするには何通りかの決まった並べ方があるん。それがスプレッド。で、カードを十三枚使うこれが黄道十二宮のスプレッド、ホロスコープや」
凛「十二なのに十三枚?」
希「うん。いわゆる星占いの十二星座ってあるやろ?双子座とか乙女座とか」
凛「凛はさそり座です」
希「ふむふむ。星空さんはさそり座ね…この周りの十二枚のカードが十二星座を表してるん」
凛「真ん中の一枚は?」
希「ウチらが星座を見る場所は地球やろ?地球もまた宇宙に浮かぶお星さまの一つやし…星を見るウチらの居場所があってホロスコープは完成するん」
凛「そっか。それで星空なんですね」
希「そういうこと。星空をイメージして、カードに想いをのせて…」
凛「お星さまかぁ…そういえば、スピなんとかっていうのは何ですか?」
希「スピリチュアル。日常では見ることがない、霊的な力や。草木や大地、水、空気、もちろん星にも、スピリチュアルなパワーはあるんよ」
凛「へー。よくわかんないけど、すごいにゃ!」
希「すごいやろ?ふふふ…じゃあ占ってみようか」スッ
パタ
凛「それは?家族のカードですかー?」
希「小アルカナ、杯のカード…10の正位置や。ほら、ここに十個の杯が並んでるやろ?」
凛「ラーメンを十杯食べればいいのー?」
希「いや、そういうことやなくて…杯の10には調和、幸運、旅行、素晴らしい仲間…といった意味があるん」
凛「仲間を探す旅に出るんですね!?」
希「ふふふ。それはどうやろ…あと、この杯が並んでる部分をよく見ると…」
凛「あ。空に虹が出てるにゃ」
希「そう。この虹っていうのが星空さんの運命を決める鍵になると思うよ」
凛「虹が出るのは…雨が降ったあと?」
希「うん。雨も、たぶん何か関係がありそうやね」
凛「虹かぁ…」
キーンコーンカーン…
凛「かよちーん?…あれっ、どこ行っちゃったのー?><」 【図書館】
凛「へー。虹の色って、藍色なんてあるんだ…濃い青みたいな感じかにゃ?」
ことり「藍色は、いわゆるインディゴ…藍って呼ばれてる植物に含まれる色素だよ。葉っぱを切ったりするだけで切り口が藍色になるの」
凛「そっか。植物だから草かんむりなんですねー?」
ことり「うん」
【外】
凛(かよちん、いないかにゃ?…あの建物って何だろー?)
タタタ…
【弓道場】
ヒュッ ターン
凛「あっ、弓矢…弓道部だったんだにゃ」
海未「こんにちは。見学ですか?」
凛「えーと…あっ、藍色!」
海未「はい?」
凛(見つけたにゃ。虹の色の仲間!)
凛「あのっ…凛は星空凛っていいます!」
海未「ほしぞらさん…ですか。私は園田海未です」
凛(たぶん凛たちのクラスにいなかったから先輩だよね。いたら目立つもん)
凛「園田先輩は、ラーメンって好きですかー?」
海未「ラーメンですか?…普段あまり食べませんが、嫌いではないですね。餃子や炒飯とも相性がいいですし…」
凛「じゃあ、ラーメンの具は何が好きですか?」
海未「そうですね…わかめ、でしょうか。いろいろな料理に使いやすく、保存に優れ、栄養もあり、何かと重宝する食材ですから」
凛「なるほどにゃ。わかめの緑も虹の色ですね!」
海未「はあ。虹…」
凛(でも藍色の食べ物ってあるかにゃ?…ラーメンで虹はちょっと難しいかも) 【星空家】
凛ママ「旅?…旅行に行きたいの?」
凛「頭痛が痛い感じ?」
凛ママ「それはいいから」
凛「凛ね、虹を探してるんだー。あと、仲間?」
凛ママ「虹って、空に出る七色の虹?」
凛「うん。今日は学校で藍色の先輩を見つけたよ♪」
凛ママ「藍色の先輩?」
凛「弓道部の園田先輩だよ。美人でカッコいいにゃ♪」
凛ママ「ふーん…(凛ったら、好きな子でもできたのかにゃ?)」
凛「でも虹の七色には、あと六色も必要だよね。赤と黄色と緑と青…あと何だったかにゃ?」
凛ママ「赤、黄、緑、青だったら、あれもあるけど…」
凛「あれ?」
凛ママ「弓道はなくて、アーチェリーはあるもの。なーんだ?」
凛「アーチェリーがあるのは…オリンピック?」
凛ママ「正解♪…ほら、オリンピックの五輪のシンボルは五色でしょ。虹の七色よりは少ないけど…」
凛「そっか。虹と同じ赤、黄色、緑、青が入ってるんだにゃ…あれ、あと一つは何だったっけ?」
凛ママ「アテネ五輪野球日本代表で3試合に登板、オランダ戦と台湾戦で勝利投手になったのは誰?」
凛「アテネ?…えーと、投手陣は…上原、松坂、三浦…」
凛ママ「普段は赤いユニフォームを着てる人にゃ」
凛「カープ?…あ、黒田!」
凛ママ「ということは?」
凛「五輪の色は赤、黄色、緑、青、黒?」
凛ママ「その通り♪五つの輪はヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニアの象徴なのよ」
凛「そういえば聞いたことあるにゃ」 【矢澤家】
ここあ「オセアニアりました」ペコ
こころ「お世話になりました、ですか?」
ここあ「オセアニアってなにー?」
にこ「ポリネシア、メラネシア、ミクロネシアを全部あわせてオセアニア」
ここあ「メラ、メラミ、メラネシア!つよそう♪」
にこ「いや、メラネシアっていうのは…」
こころ「オセアニアはオーストラリアとニュージーランドと、その周辺ですよ」
にこ「あー、だいたいそんな感じね」
ここあ「へー」
こころ「でもオセアニアって大陸じゃないですよね?…五輪は五大陸の象徴と言ったりするのはどうしてでしょう?」
にこ「五輪自体が大陸文化だからじゃない?世界は陸地より海のほうが多いんだから、大陸じゃない部分のほうが多いのに、何でも大陸基準で考えるからややこしくなるのよ」
ここあ「なんきょくもたいりくでしょ?なんでなかまはずれなのー?><」
こころ「南極が入るとしたら…白い輪でしょうか?」
にこ「ふふっ…そうね。やたら五つにこだわるより六輪でも七輪でも増やしちゃえばいいのよ」
こころ「七輪だと何か違う物になりそうですけど…」
ここあ「さんま!」
にこ「サンマも焼けるわね。“目黒のさんま”も有名だし、東京には七輪がお似合いかもね」
【翌朝・秋葉原】
『UTX高校へようこそ!』
凛(UTXかぁ…虹の色を持ってる仲間に会えるかにゃ?)
にこ「はぁ!?あんた、そんなことも知らないの!?」
穂乃果「わぁ!?ごめんなさいっ><」ガシッ
凛「にゃ?」
ズルズル
凛「ちょっ…なんで凛を引っ張っていくのー!?><」
にこ「あ、こらっ。待ちなさい!まだ話は終わってないわよ!」
花陽「り、凛ちゃん…どこ行くのぉ!?」
凛「この子にきいてよー!><」
ドタバタ 【UTX一階】
にこ「なんで逃げるのよ。あんたがA-RISEのこと全然知らないみたいだから教えてあげようと思ったのに」
穂乃果「そ、そうなんだ…すみません」
凛「っていうか凛を巻き込まないでほしいにゃ…」
にこ「あんたは…昨日、希と一緒にいたわね」
凛「え?…えーと、副会長さんのこと?」
にこ「そうよ。希と何してたの?」
凛「占ってもらったんだー♪虹のカードが出たから、虹を探してるの」
花陽「虹…って、空に出る虹?」
凛「そうだよ。UTXにも虹の色があるといいにゃー」
にこ「虹だか三時だか知らないけど、UTXの生徒じゃないと奥へは行けないわよ」
凛「そうなのー?><…アライさんって人と話してみたかったにゃ」
穂乃果「このあらいを作ったのは誰だあっ!!」
花陽「ピャァ!?…ご、ごめんなさい…」
にこ「新井じゃなくてA-RISEでしょ?」
「そうだが…君たちは?」
にこぱな「えっ」
花陽「と…と、ととと統堂っ」
にこ「英玲奈!?」
穂乃果「えーと…誰?」
凛「たぶんアライさんの一人じゃないですかー?」
英玲奈「ふむ…君たちは音ノ木坂の生徒か。どういった用件かな?」
凛「虹を探してるんです!」
英玲奈「虹?…フッ、面白い事を言う…ここはビルの中だぞ」
凛「えーと…」
英玲奈「統堂英玲奈だ」
凛「凛は星空凛っていいます。トウドウさんは…ラーメン、好きですか?」
英玲奈「何でもというわけではないが、好みのラーメンはある」
凛「じゃあ、好きなラーメンの具は何ですかー?」 英玲奈「“なると”だな」
ほのにこぱな「なると!?」
英玲奈「ああ。ただの飾りのようで意味がないと思う人もいるだろう…だが、あの不思議な形が小さい頃から気に入っている」
凛「なるほどにゃ。凛も、どうしても欲しいってほどじゃないけど…見た目は可愛いし結構好きかも」
凛(でもピンクと白だからにゃ。虹とは関係ないよねー?)
英玲奈「では、そろそろ失礼する。君たちも学校へ行かなくていいのか?」
凛「あ、はい。じゃあまた…」
スタスタ
花陽「ああっ、まだ何も話してない…」
にこ「せめて写真…いや握手を」
凛「遅刻しちゃうよ。早く行こっ!」ガシッ
穂乃果「ほら、あなたも」グイ
花陽「そ、そんなぁ…」ガクッ
にこ「ぐぬぬぬぬ…私としたことが」
ズルズル
\ダレカタスケテー!/
ほのりん「チョットマッテテー」
【音ノ木坂】
希(お。星空さんがいる…)
希「や。星空さん」
凛「あっ、副会長さん。こんにちはー♪」
絵里「知り合い?」
希「ちょっとね」
凛「えーと…?」
希「エリちは生徒会長さんや。ウチよりちょっとだけ偉いんよ」
絵里「別に偉くはないけど…」
凛「黄色!」
希「へ?」
絵里「…は?」
凛「生徒会長さんって黄色いですよね!?」
希「もしかして…髪のこと?」 絵里「黄色って…そう見える?」
希「あははっ。それやったら星空さんはオレンジやんな?」
凛「えー?…凛、オレンジですか?」
絵里「そうね。言われてみれば確かに…」
凛「じゃあ、副会長さんは紫!」
希「紫…かなぁ?」
凛「はい!ナスみたいな色してるにゃ」
希「な、ナス…」
絵里「確かに、ちょっとナスっぽいわね。…ふふふ」
凛「えへへ。オレンジと黄色は隣なんですよー♪」
絵里「…何の話?」
希「虹やない?昨日ウチの占いで…」
凛「そうです!凛、虹を探してるの」
絵里「ふーん…虹を探してどうするの?」
凛「虹の色を集めるんです。ここに三色そろってるし♪」
絵里「それでオレンジと黄色と、紫?」
凛「はい♪…そうだ、生徒会長さんと副会長さんはラーメン好きですかー?」
希「ラーメン?好きだよ」
絵里「私はあまり食べないけど…」
凛「好きなラーメンの具は何ですか?」
希「もちろんチャーシューや!ラーメン屋さんの本格的なチャーシューは最高やんな?」
凛「チャーシューいいですね!凛も大好き♪」
凛(でも虹の色とチャーシューは全然関係ないよね…)
絵里「私は…海苔さえ入ってなければ何でも」
凛「のり?」
絵里「な、なんでもないわ。好きなのは…卵かしら」
凛「たまご!黄身が黄色だったりオレンジだったりしますね」
絵里「ええ。卵が入ると彩りというか、見た目のバランスがよくなる気がするわ」
凛「ゆで卵、煮卵、温泉たまご…チキンラーメンには生卵もいいにゃ」
凛(生徒会長さんは、どっちも黄色なんだねー♪) 絵里「っと、そろそろ行かなきゃ…またね。星空さん」
凛「はい。またお話してください♪」
希「ほなー」
凛(これで園田先輩と凛を入れて四人…虹の色にはあと三人だねー♪)
にこ「あんた…星空だっけ?…希だけじゃなく絢瀬とも仲いいの?」
凛「え?…誰ですかー?」
にこ「昨日会ったでしょ。一瞬だけど…今朝もUTXにいたし」
『待ちなさい!まだ話は終わってないわよ!』
『昨日、希と一緒にいたわね』
凛「あの怪しい人!」
にこ「うっさい。あんたたち一般人と違って私はアイドルだから変装が必要なの!」
凛「赤と黒…」
にこ「キッコーマンの焼肉のタレ?」
凛「じゃなくて!髪が黒でリボンが赤でしょ?」
にこ「そうだけど…それがどうかした?」
凛「五輪の色が二つもあるにゃ」
にこ「なんだ、そんなこと…」
凛「えーと…副会長さんのお友達ですよね?」
にこ「別に友達ってわけじゃないけど…にこよ。矢澤にこ」
凛「ヤザワ先輩は生徒会じゃないんですかー?」
にこ「アイドルだって言ってんでしょ。私は生徒会なんかに入るほどヒマじゃないの」
凛「アイドルって…あのアライさんたちみたいな?」
にこ「新井じゃなくてA-RISE。いいかげん覚えなさいよ」
凛「トウドウさんは“なると”が好きって言ってたにゃ。ヤザワ先輩はラーメン好きですか?」
にこ「ラーメンね…まあ好きだけど」
凛「ラーメンの具は何が好き?」
にこ「もやし」
凛「もやし?」
にこ「ん。ニラやキャベツ、にんじんなんかと一緒に炒めてトッピングしたり…」
凛「へー。野菜たっぷりでいい感じにゃ」
にこ「彩りも鮮やかでしょ。ラーメンでも何でもそういうひと工夫が肝心よ」 凛(ニラの緑に、にんじんのオレンジ…虹の色も二つ入ってるね♪ヤザワ先輩も赤と黒だし…)
『にこよ。矢澤にこ』
凛「もしかして、にこ先輩だから二個!?」
にこ「あんた、星空…名前は何だっけ?」
凛「凛は星空凛です。えっと…こういう字」
にこ「ふーん。星空凛…あんたはアイドルとかじゃないのよね?」
凛「うん。凛そういうのは興味ないし」
にこ「あー、まあA-RISEを知らないくらいならそんなもんよね」
凛(ヤザワ先輩はアイドルとか好きなのかな。かよちんと一緒だね)
【一年教室】
凛「西野さん?」
花陽「違うよぉ…サッカーの監督じゃなくて、西木野さん!」
凛(かよちんが自分から凛以外のクラスメイトの話をするなんて珍しいにゃ)
花陽「朝とか放課後とか、お昼も…」
凛「へー。音楽室…吹奏楽部なの?」
花陽「そうじゃないけど、ピアノが上手で…歌も…」
凛(西木野さんかー。凛は全然話したことないにゃ。ラーメン、好きかな?)
【音楽室】
穂乃果「アイドルやってみたいと思わない!?」
真姫「イミワカンナイ!」
ガラ ピシャ
凛「あ」
真姫「?…なに?」
凛「赤!」
真姫「は?」
凛(ヤザワ先輩は黒があるから五輪で、西木野さんは虹の赤だね♪)
真姫「虹の色?…そんなの探してどうするの?」
凛「旅して仲間を集めると、いいことがあるんだって!」
真姫「よくわからないわね…私が赤なら、あなたはオレンジ?」
凛「うん。赤とオレンジは隣だよねー♪」 真姫「どうでもいいけど…話はそれだけ?」
凛「西木野さんはラーメンって好き?」
真姫「ラーメン?…あまり食べないけど、まあ普通?」
凛「じゃあ、好きなラーメンの具は何?」
真姫「フカヒレ」
凛「ふかひれ!?」
真姫「…なによ」
凛(フカヒレが入ったラーメンなんて滅多にお目にかからないにゃ。食べたことはあるけど、値段の割にそこまで感動しなかったし…虹の色にも関係ないよね)
真姫「じゃあね。星野さん」
凛「いきましたー!というフガッ…違うよ。星野じゃなくて凛は星空凛!」
真姫「あ、そう…星空さんね」
凛(さて、どうしよっかにゃ…園田先輩は部活かな?)
【弓道場】
凛(いた。やっぱり園田先輩が一番かっこいいよね♪)
真姫「重力下では…生物や機械など何らかの推進力を得て高度を維持するものを除き、飛ぶものは放物線を描く」
凛「あれっ、西木野さん…帰ったんじゃなかったのー?」
真姫「放物線もそうだけど、弓も弧の形でしょ。レイン“ボウ”から弓道にたどり着いたなら冴えてるわね」
凛「そっか(…凛は色のことしか考えてなかったけど)」
海未「こんにちは星空さん。今日はお友達も連れてきてくれたんですね?」
凛「はい!こんにちは、園田先輩♪」
真姫「別に友達ってわけじゃ…」
凛「虹の色の仲間です!園田先輩も♪」
海未「私も?」
真姫「ああ、そういえば…何となく藍色っぽいわね」
海未「藍色…私がですか?」
凛「ほら、凛はオレンジで、西木野さんは赤でしょー?」
海未「はあ。なるほど…ニシキノさんですか。私は園田海未です」
真姫「どうも…西木野真姫です」
海未「弓道に興味はありませんか?」
真姫「私は別に…星空さんは虹を探してるんでしょ。入れば?」 凛「えー?…でも、弓道って難しくないですか?><」
海未「初心者の練習用の道具もあるので借りられますよ。少しやってみませんか?」
真姫「こ、こう…?」プルプル
海未「西木野さん、腕に力が入り過ぎていますね」
真姫「弓って腕力で引くものじゃないんですか?」
海未「全く無いのも問題ですが、弓道に必要な筋力は腕だけではなく腹筋、背筋から下半身にまで及びます。星空さんはバランスがいいですね」
凛「えへへ。凛はスポーツなら割と何でも得意です♪」
真姫「弓道ってあまり動かないイメージだし、もっと簡単だと思ってたわ…」
海未「練習して経験を積めば、すぐに疲れてしまうことは無くなると思いますよ」
ことり「海未ちゃーん!」タタタ
海未「ことり」
『植物に含まれる色素だよ』
凛「あ。インディゴの人」
真姫「インディゴ?」
ことり「あ…昨日、図書館で会ったね。こんにちは」
海未「染料の話をしていたのですか?」
凛「虹の藍色ってどんなのかなって…先輩が教えてくれたんです」
ことり「紺、群青、藍紺、紺藍、青藍…いろいろあってややこしいでしょ?たぶん日常生活で使わない人は誰も正しく把握してないんじゃないかなぁ?」
真姫「確かに…私もそっちの方はさっぱり」
海未「そういえば、ことりは趣味で使う色見本をいつも持ってるんでしたね…」
凛「実際に見せてもらったから凛にもわかりました♪」
真姫「趣味って美術とかですか?」
ことり「イラストも得意だけど、アートより服飾のほうのデザインかな。実際に作るから色も選んだりするよ」
凛「あ、言い忘れてたけど…凛は星空凛っていいます」
ことり「南ことりです♪…あなたは?」
真姫「…西木野真姫」
凛「南先輩は緑色ですね!」
ことり「緑色?…あ、リボン?」
凛「はい。あと青だけで五輪も虹の色も揃います♪」 ことり「青かぁ…藍とか紺とか区別すると、ちゃんとした“青”ってありそうでなかなか無い色だよね」
真姫「よく晴れた日の空の色は“青”に近いんじゃないですか?」
ことり「そうだね。一番身近な青はそれかなぁ?」
凛「ベイスターズの色にゃ」
海未「それより、ことりは何か用があって来たのでは?」
ことり「あ。そうだった…穂乃果ちゃんのことなんだけど」
【校舎裏】
穂乃果「海未ちゃん…」
海未「三人でやらないと」ニコ
凛「南先輩はラーメンって好きですか?」
ことり「ラーメン?…えーと、条件つきで好きかな」
凛「条件?」
ことり「う、うん。にんにくを入れないこと…」
凛「にんにくが苦手なんですね?…じゃあ、好きな具は何ですかー?」
ことり「んー。強いて言うなら、コーンかなぁ」
凛「とうもろこしは黄色!五輪と虹の両方に入ってますね」
ことり「うん。白いとうもろこしもあるけど、彩りとしては黄色のほうがいいよね」
【生徒会室】
絵里「…これは?」
穂乃果「アイドル部、設立の申請書です!」
絵里「…読めない」
希「これ?…ごめん、ウチもわからんわ」
海未「赭(そほ)ですね」
穂乃果「へー。こういう色は知ってるけど、そんな名前だったんだ…」
ことり「って、それ私の色見本だよね?」
海未「どうやったら間違えるんですか…」
凛「ラーメン部設立の申請書です!」ペラ
穂乃果「いつの間に!?」
絵里「却下」
凛「えー!?><…じゃあ虹部にするにゃ」キュキュ 絵里「虹部って…何をするつもり?」
凛「虹の色を集める活動です!カラフルな具材を集めてラーメン…お弁当を作ります」
希「これ、ウチらの名前も入ってるやん」
凛「はい♪赤は西木野さん、オレンジは凛。黄色は生徒会長さんで、緑は南先輩、藍色は園田先輩。そして紫は副会長さん♪」
絵里「私たちは生徒会があるのよ。廃校問題を何とかしなくちゃいけないし、そんなよくわからない部活動なんて…」
凛「えー?でも生徒会長さんがいないと黄色が…」
絵里「緑が南さんなら、黄色は高坂さんでもいいはずよ」
穂乃果「え。私!?」
凛「ホントだ。リボンが黄色…えっと、小坂先輩!」
穂乃果「小坂じゃなくて高坂だよ。高坂穂乃果」
凛「じゃあ黄色は生徒会長さんと高坂先輩ね」カキカキ
穂乃果「なんかよくわかんないうちに入部させられた!?」
絵里「いや、私は外してよ…五人いれば充分でしょう?」
凛「でも虹の七色を集めるのが最初の目標だし…」
希「にこっちは?」
凛「矢澤先輩は黒だから虹っていうより五輪だけど…まあいいや」カキカキ
ことり「これで八人♪」
穂乃果「いや、九人だよ!」
ことうみのぞえりりん「えっ」
フミコ「なに?穂乃果ちゃん」
穂乃果「フミコって紫でしょ?」
フミコ「むらさき?」
凛「ホントだ!先輩も虹部に入ってください♪」
フミコ「にじぶ…って何?」
凛「虹の色を集めてるんです。あと青だけが足りないんだけど…」
ことり「髪とリボンだけなの?ほかの色じゃダメ?」
凛「ダメじゃないけど、青なんてあるんですかー?」 ことり「ほら、よーく見て?」グイ
穂乃果「わ…な、なに?」
凛「あ。瞳が青い!?」
ことり「うん。穂乃果ちゃんは黄色と青♪」
にこ「それでいいんだったら、黄色と青はもう一人いるじゃない」
凛「えー?」
【正門】
絵里「星空さん…まだいたの?」
凛「生徒会長さんも…」ジーッ
絵里「ちょっ…何?」
凛「ホントだ、青いにゃ!」
絵里「青?…私の瞳のこと?」
凛「はい!黄色が高坂先輩なら青は生徒会長さんで、青が高坂先輩なら黄色は生徒会長さん♪」
絵里「それなら高坂さんだけで良さそうだけど…」
凛「ダメですかー?><」
絵里「私と希は生徒会を優先するわよ。それでもいい?」
凛「!…生徒会長さん」
凛(こうして虹の七色と五輪の五色、九人の部員が揃ったよ♪)
凛(…でも、まだ何か足りないような気がするにゃ…ラーメンの具かな?)
【翌朝・生徒会室】
穂乃果「ラーメン?」
凛「はい。好きですかー?」
穂乃果「うん。好きだけど…」
凛「ラーメンの具は何が好き?」
穂乃果「メンマかな。白っぽい柔らかいのと、普通のシャキシャキしたメンマ、どっちも好きだよ♪」
凛「んー。色がちょっと…あ、白いのは唐辛子入ってたりするかな?」
希「ああ、輪切りの赤唐辛子が漬物とかに入ってたりするよね」
凛「条件つきで虹の色候補に入れとこーっと♪」 絵里「それはいいんだけど…その話、生徒会室でする必要ある?」
凛「ご、ごめんなさいにゃ。生徒会長さんともお話したいから…」
希「可愛い後輩に好かれて悪い気はしないやろ?」
絵里「と、とにかく…私たちは生徒会があるんだから。生徒会室に来るのは必要なときだけにして」
凛「はーい…」
【中庭】
凛「フミコ先輩は?ラーメン好きですかー?」
フミコ「うん。自分では麺から手打ちでは作ったことないけど…」
凛「それは凛もないです」
フミコ「難しそうだよね。ちょっとハードル高いかな」
凛「じゃあ、ラーメンの具は何が好きですか?」
フミコ「いろいろあるけど…あえて海苔かな」
凛「のり?」
フミコ「うん。扱いが難しいけど、そのぶん研究の余地があるでしょ。スープを充分に吸わせてひたひたにするのか、食べる直前に添えて食感を残すのか…」
凛「そっか。凛は細かくちぎってふりかけるのが好きです♪」
フミコ「おそばみたいにきざみ海苔を使うのもありかもね」
【一年教室】
穂乃果「虹部の高坂穂乃果です!」
花陽「にじぶ?」
凛「あ、言ってなかったにゃ。凛ね、先輩たちと部活始めたんだー♪」
花陽「そ、そうなんだ…どんな部活?」
凛「虹の色を集めてラーメンのお弁当を作るの!」
花陽「えーと…?」
ことり「アハハ…実は、まだ私もよくわかってないんだけど…」
穂乃果「なんとなく楽しそうだからありかなって♪」
海未「私は弓道部がありますので、参加できない日もあると思いますが…」
凛「かよちんは…何だろ?」ジーッ
花陽「な、なに?」 凛「紫!」
花陽「むらさき?」
凛「かよちんの瞳は虹の紫で、メガネが五輪の黒だよねー?」
穂乃果「おおっ、虹と五輪両方なら私と一緒だ♪…えーと、誰さん?」
花陽「小泉、花陽…です」
ことり「南ことりです♪」
海未「園田海未です」
穂乃果「じゃあ、よろしくね!小泉さん♪」ギュ
花陽「え?…ええっ!?」
凛(かよちんが入って十人になったよ♪)
真姫「いや、勝手に入部させないでくれる?…私はやるなんて言ってないんだけど」
凛「えー?やろうよー。西木野さんの赤は絶対必要だもん」
真姫「そう言われても…何なのよ。虹部って…具体的に何すればいいわけ?」
凛「仲間は集まったから、旅に出て虹の色の食材を集めるんだよ♪」
花陽「それでお弁当を作るの…?」
凛「できればラーメンがいいにゃ」
真姫「お弁当だかラーメンだか知らないけど…青や藍色の食材なんてあるの?」
花陽「あるといえばある…かな。ただ、お弁当やラーメンに使えるかどうかは…」
凛「可能性があれば大丈夫にゃ!いろいろやってみようよ♪」
【調理室】
ジュー
凛「色が変わった!?」
絵里「は、ハラショー」
フミコ「紫キャベツや紫たまねぎ、紫カリフラワー…いろいろあるけど、どれも加熱や酢につけたりすると変色するの」
ことり「野菜の天然色素ならいろんな料理に使いやすいし、安心だね♪」
花陽「っていうか、色素や酸との反応とか、成分に詳しそうな西木野さんが知らないなんて意外かも…」
真姫「それは…実験してみたことがないから」
にこ「要するに料理ができないだけでしょ?」
真姫「する必要がなかっただけよ!」 絵里「私も知らなかったわ。紫カリフラワーとか…」
希「ロシア料理によく使うビーツの赤も、初めて見た人にはなかなか衝撃的やない?」
絵里「そうかしら?私にとっては普通の食材だけど…」
穂乃果「あとはナスの漬物なんかも藍色っぽいよね?」
凛「ラーメンには合わないと思うけどにゃ」
にこ「ナス…」
希「いや、なんでみんなウチを見るん?」
海未「青系の色素は野菜で何とかなりそうですね」
凛「一番難しそうなところはクリアしたし、あとは自由に食材を組み合わせるだけですね♪」
【小泉家】
凛「オレンジは卵か、にんじんでしょ。黄色はコーン、緑はわかめかニラ。あとは…」
花陽「赤、青、藍色、紫だね」
凛「紫は…紫キャベツ?赤は唐辛子か紅しょうが」
花陽ママ「青いのは…紫カリフラワーかしら?」
凛ママ「で、藍色がナスの漬物ってわけね」
花陽「カリフラワーはともかく…」
凛「ナスの漬物はラーメンに合わないよー!><」
凛ママ「やっぱりラーメンのお弁当って無理があるんじゃない?」
凛「いきなりお弁当はハードル高いけど、虹ラーメンを作りたいの!」
【翌日】
絵里「簡単に考えてほしくないの」
凛「どういうことですかー?」
希「こんなカードが出てるん」スッ
凛「わあ、猫のカード!?」
絵里「ねこ?」
凛「ほら、この人の右下に白い猫がいるでしょ?」
花陽「猫…かなぁ?」
穂乃果「いや、これって犬じゃない?」 希「カードの絵のことは置いといて…これは大アルカナの0番、愚者のカード。逆位置や」
海未「逆…ということは」
穂乃果「犬に見えるけど猫だった!?」
希「じゃなくて。これは偏見、失敗、見落とし…といった意味があるん」
真姫「私たちが何かを見落として失敗する、ってこと?」
希「その可能性があると思うよ。そしてさらに決定的なのは…このカード」スッ
凛「あ、これ美味しいですよね。凛も好き♪」
穂乃果「えーと…プリッツ?」
にこ「私も割と好きよ(ママのビールのおつまみのイメージだけど)」
希「いや、プリッツやないよ。小アルカナ、ワンドの8。上下がわかりにくいカードやけど、これも逆位置」
凛「人がいないカードもあるんですね。面白いにゃ」
希「ワンドの8は逆位置だと未完成、思い違い…といった意味があるん」
ことり「さっきの愚者と意味が似てますね」
絵里「気になって、ちょっと調べてみたの。日本では虹は七色、というのが常識になってるわよね?」
にこ「日本では、ってことは…」
希「そう。アフリカでは虹は八色っていわれてる地域があるんやって」
海未「八色…それで8ですか」
凛「七色じゃ虹は未完成ってことですか?…でも、じゃあ最後の一色は何なのー?><」
絵里「黄色と緑の間に黄緑が入るみたい」
フミコ「黄緑の食材ならいろいろあるね。キャベツとか枝豆とか」
にこ「キャベツならラーメンにも合うわね」
凛「でも、仲間が…黄緑の人なんていないよねー?」
希「そう言うと思って、さらに占ってみたよ。鍵は…このカード」スッ
真姫「…なにこれ?」
凛「あ、凛わかった♪大谷翔平!」
穂乃果「いや、プロ野球カードじゃないんだから…」
海未「ああ、剣を二本構えている人物…つまり二刀流ですね」
希「まあ大谷でもウィーランドでもいいけど…優秀な選手も味方とは限らないやろ?」
にこ「まあ日本ハム以外、特にパの他球団にとっては強敵だったわよね。大谷」 希「これは小アルカナ、剣のカード…2の正位置や。ライバルを示すカードなん」
穂乃果「ライバル…音ノ木坂にとってはUTXとか?」
花陽「でもアフリカとUTXは関係ないような…」
希「じゃあ虹のほうは、どない?」
凛「八色の虹とUTX?足りない色は黄緑で…」
にこ「UTXの…黄緑?」
【秋葉原】
真姫「UTXに来てどうするのよ?仲間って虹部のメンバー探しじゃないの?」
凛「でも凛、矢澤先輩や高坂先輩とUTXで会ったんだよ」
にこ「会えるかどうかはわかんないけど…行ってみましょ」
【UTX一階】
あんじゅ「あら?あなたたち…」
にこぱな「!?」
凛「こんにちは。UTXの人ですよね?」
あんじゅ「そうよ。私は優木あんじゅ。あなたたちは音ノ木坂の人ね」
凛「はい。凛は星空凛っていいます!」
凛(この人は黄緑じゃないみたいだけど…)
凛「ゆーき先輩?は、ラーメン好きですか?」
あんじゅ「ラーメン?まあ、たまには食べるけど」
凛「好きなラーメンの具は何ですかー?」
あんじゅ「割とあっさりした醤油味が好きだから、それに合う物がいいわね。チャーシューや卵、メンマとか定番の具かな」
希「やっぱりチャーシューは欠かせないよね」
穂乃果「メンマ美味しいですよね♪」
にこ「って、ラーメンの話をしに来たんじゃないわよ」
あんじゅ「あら、何か私に御用?」
花陽「は、はい。っていうか、あの…ツバサ…さんに」
あんじゅ「ツバサに会いたいの?…ふーん」
希「今どこにいるかわかる?」
あんじゅ「知ってるわ。…けど、そう簡単には会えないわよ♪」
ことほのうみのぞえりにこまきりんぱなフミ「えっ」 凛「簡単じゃないって、どういうことー?><」
あんじゅ「そうね…私に勝ったらツバサに会える。というのはどうかしら?」
凛「えーと…ラーメンの早食い対決?」
あんじゅ「違うわよ。あなたたち何しに来たの?」
凛「凛たち、虹の色を探してるんです。七色そろったと思ったら実は八色で…」
希「黄緑が足りないんよ」
あんじゅ「黄緑ね…じゃあ、それにしましょ♪」
絵里「それって…どれ?」
あんじゅ「UTXのどこかに黄緑の物があるから。それを先に見つけたほうが勝ち」
凛「ゆーき先輩は答えを知ってるんですよね?」
希「それだとウチらが不利な勝負やな」
あんじゅ「私は一人で、あなたたちは十人でしょ。私より先に目標にたどり着けばあなたたちの勝ちでいいわ」
穂乃果「それなら勝てる…かな?」
海未「見てすぐに黄緑だとわかる物なら何とかなりそうですね」
あんじゅ「じゃあ始めましょ♪」タタッ
真姫「あっ、エレベーター!」
凛「閉まっちゃったにゃ」
ことり「地下へ向かったみたい…」
にこ「地下なら急げば追いつけるわ!」
希「待って。五人は残って。上へ行ってみない?」
にこ「んなこと言ってる場合じゃ…いや、十人いるからいいか。じゃあ四人ついて来なさい!」
ドタバタ
凛「どうして上なんですかー?」
希「カードが言うてるん。三枚中、二枚が逆位置…愚者の逆位置は失敗、間違い、見落とし。ワンドの8は妨害、せっかち、思い違い。そして剣の2は行き詰まり。たぶんウチらを地下へ行かせようとしたのは罠や」
凛「な、なるほどにゃ…じゃあ」
希「ウチの読みでは地下から一番遠い場所…そして、虹が出るのはどこ?」
凛「空にゃ!」
絵里「じゃあ地下から遠くて空に一番近い…」
希「屋上や!」 チーン
凛「あっ、ゆーき先輩!」
あんじゅ「!…気づいたの?」
希「危うく引っかかるところだったけどね?」
あんじゅ「フフフ。そう…でも、私より先にたどり着けるかしら?」
ダッ
真姫「速い!?」
希「ウチらじゃ無理や」
花陽「凛ちゃん!」
凛「大丈夫にゃ!」ピョーン
【UTX屋上】
ツバサ「あんじゅ?何してるの?」
あんじゅ「ちょっ…なんでツバサがいるのよ!?」
ツバサ「たまには私がお世話してもいいでしょ?」
凛「黄緑、見つけたにゃ!」ガシッ
ツバサ「え?」
凛「んー?緑のような、黄緑のような…」ジーッ
ツバサ「な、なに?///」
あんじゅ「虹の色を探してるんですって」
ツバサ「虹?」
凛「瞳の色が緑っぽいにゃ。それとも黄緑?」
ツバサ「いや、あなたのほうが黄緑じゃない?」
凛「えっ」
絵里「星空さん!」
希「勝った…のかな?」
あんじゅ「ツバサ本人が出てきちゃったけどね…これ、英玲奈が育ててるキャベツよ」
絵里「UTXにある黄緑ってキャベツのことだったの?」
花陽「り、凛ちゃん…」ゼーハー
真姫「私たち、走る意味あったの…?」 凛「凛、黄緑かなぁ?」
希「んー?…まあ、ウチよりは黄緑っぽいんやない?」
ツバサ「でも黄緑を探してどうするつもりだったの?」
凛「仲間になってほしかったんです」
ツバサ「あなたたちの仲間に?…私が?」
あんじゅ「まあ、あなたたちが勝ったんだし…いいわ。ツバサを貸してあげる」
ツバぱな「え!?」
【五月・音ノ木坂】
ツバサ「みんなー!ありがとー♪」
にこ(音ノ木坂の廃校を防ぐために…ツバサが一時的に音ノ木坂へ移籍して、スクールアイドルとして活動することになった)
海未「やっぱり凄いですね。さすがA-RISE…」
ことり(音ノ木坂の講堂で初めてのライブだけど…いきなり満員!)
穂乃果「っていうか、レベルが違いすぎて…私たちが一緒のステージに立ってよかったのかな」
ツバサ「そうね。私は納得してないわ」
ことり「す、すみません…」
ツバサ「どうして星空さんが一緒じゃないの?」
ことほのうみ「えっ」
凛「り、凛は無理ですよ。アイドルなんて…」
ツバサ「そんなことないわよ。星空さん、身体能力は申し分ないし…そうでしょ?」
海未「ええ。それは間違いありません」
『星空さんはバランスがいいですね』
『えへへ。凛はスポーツなら割と何でも得意です♪』
ツバサ「あとは私が指導すれば、星空さんならA-RISEに迎えたいくらいのトップアイドルになるわ!」
凛「凛はほら、新しい虹ラーメンの研究が」
ミカ「おいしい♪」trtr
フミコ「結局、ごはんのお弁当とラーメンのセットにしたんだよね」
花陽「八色をラーメンに全部入れるのは無理があるから…」
ヒデコ「後から麺をゆでてラーメンを完成させるようにしたんだね」
にこ「まあ、結局作るのは私たちだけど…」
ツバサ「ほら、料理はみんながサポートしてくれるんだし。私たちはアイドルで頑張りましょ!」
凛「どうしてもやるのー!?」 ツバサ「私だって急に音ノ木坂へ転校なんて、最初は戸惑ったのよ?」
海未「よくA-RISEの二人が綺羅先輩を貸してくれましたね…」
ツバサ「まあ、あの二人なら少しの間くらい二人でやれる自信もあるだろうし、私も信じてるから」
にこ「星空!あんたも観念しなさいよ。ツバサと一緒にステージに立てるなんて贅沢よ」
花陽(しかも本人に誘われて…うらやましい)
凛「ラーメンのお弁当より難しい問題にゃ><」
ツバサ「さ、そうと決まれば練習しましょ。次のライブは来週よ!」
凛「早すぎ!?」
【七月】
ザァァァ…
ツバサ「雨か…困ったわね」
花陽(校庭の特設ステージでライブする予定だったけど…予報より早く雨が降ってきた)
にこ「希!スピなんとかで雨を止めてよ」
希「いや、それはさすがに無理…」
ツバサ「スピなんとかって?」
希「スピリチュアルや」
にこ「希の怪しげなパワーで雨くらい止むんじゃないの?」
ツバサ「へー。どうやるの?」ワクワク
希「いや、無理やって…」
ツバサ「かりにそういう能力があったとしたら、どうやって雨を止める?」
穂乃果「雨やめー!って叫んでみる…とか?」
ツバサ「それいいわね。採用♪」
真姫「採用って…まさか」
ツバサ「やってみましょ!」
絵里「ちょっ…本気!?」
フミコ「せーのっ」
ほのりんツバ「あーめやめーっ!!」
雪穂(うわぁ…お姉ちゃんが三人に増えた感じ?)
ポツ ポツ…
希(ホントにそんな叫びが天に届いたかどうかは、さておき…) ことり「雨、止みそうだね♪」
ツバサ「ライブやるわよ!」
ヒデコ「急いで準備します!」
ドタバタ
亜里沙「あっ…見て、ユキホ!」
雪穂「虹だ…珍しいね」
凛「黄緑…あるかなぁ?」
希「あるような、ないような…?」
ツバサ「ほら、虹に見とれてる場合じゃないわよ。私たちも負けないくらい、みんなの視線を釘づけにするんだから!」
穂乃果「1」
ことり「2」
海未「3」
真姫「4」
凛「5」
花陽「6」
にこ「7」
ツバサ「8」
花陽(いつの間にか現れて、消えていく虹のように…“助っ人”中心のアイドル活動は、いつまで続くかわからないけど)
ツバサ(七色でも八色でも、虹は虹。秋葉原から音ノ木坂へ、空に架かる橋のように)
にこ(同じ虹が見える場所なら…同じ夢を見られるのかな?)
\ダイスキ♪/
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